連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

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社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、 地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む Dual ComBine Analysis By Dual ComBine Analysis for Data Cognitive Browser 2016年6月号 Vol.2 No.6 内閣府2016年6月8日発表データより 2016/6/30 1 Photo by Akiko 2016 © Data Cake Baker Corporation Photo by T. HIRATA

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Page 1: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、

地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む

Dual ComBine Analysis

By Dual ComBine Analysis

for

Data Cognitive Browser

2016年6月号 Vol.2 No.6 内閣府2016年6月8日発表データより

2016/6/30 1

Photo by Akiko

2016 © Data Cake Baker Corporation

Photo by T. HIRATA

Page 2: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

社会情報天気図 ~景気ウオッチャー調査から地域の景気動向を読む~

今月の景気動向は、熊本地震が少し落ち着いた様相だが、九州は、まだ悪化へのポジションである。日本のマジョリティは、相変わらず「変わらず」であるが、九州はその対極の“変わる”である。

“良い方向”には、各地域ごとに個々の要因が限定的で、共通性が見当たらない。

逆に、悪い方向“には、「百貨店」が居座っているが、その特徴から、興味深いテンデンシーが指摘されている。婦人服を代表とする衣料や食品等の生活の基礎消費は非常に厳しい。その一方、消費は趣味や食事など、モノからコトへとシフトしているとするコメントが全体とコンシステンシーがある。

東京都は、南関東に入れ子属性データとして開示されて2ヶ月となったが、マジョリティの代表である「変わらず」のポジションを占めた。

先月は、マシン・ラーニングで潜在的意味空間としての“変わりつつあるゾーン”から割り出された、住宅関係と、通信業関係が、やや良くなっている方向で定置された。しかし、これらは、不安定な将来への不安感の波に飲まれ、マジョリティの「変わらず」に定置してしまい、代わりに乗用車販売が悪い方向で登場した。

土地だけでなく物質やエネルギーが労働対象としての価値創造の資源であった時代が終わりをつげ、それらとリンクした通貨金融がマイナス金利を生み出している。秩序と比例関係にある悪貨が力をもつグレシャムの法則が、今、牙を剥き始めた。明らかに通貨の価値は変動し、株価は下がり、金価格は上昇している。

資本主義の基盤である絶対所有権の象徴である不動産価格は、英国で揺れている。マイナス金利は、そこにしか避難できない富の悲鳴である。住宅関連はその影響を受けて動き出している。先月の“消費税の動向の不確かさが、長期ローンのリスクとなっているコメントもある”としたコメントは、今月その通りとなった。

はじめに と

まとめ

Dual ComBine Analysis

2016/6/30 2 2016 © Data Cake Baker Corporation

Page 3: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

2016/6/30 3

・景気ウオッチャー調査の内、現在の消費者の動きを、全国12地域で、2016年5月度の各業種のビジネスの現場の839人が伝える、地域、業種属性や、市場動向、その理由の説明文等の多様な非構造データを使用。

基本的には3ヵ月前と比較した景気判断(DI)と、背景や属性等の多次元データを、マシンラーニングで情報圧縮し、分けて、判断し、解るため、クラスタ化とプロファイリングのアプローチを採った。

・景気判断のマジョリティは、相変わらず“変わらない”、であり、マイノリティが“良くなった”、“悪くなった”である。今月の動きで、“悪くなった”のは「九州」地域で震災の影響である。業種としての“百貨店”は、“悪くなった”の常連である。

・変化の兆しは、“乗用車販売関係”で、良くない方向で、“変わらない”の逆相関ポジションから読み取れる。これは不正燃費問題と関係がある。

2016 © Data Cake Baker Corporation

Page 4: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

社会情報天気図~消費動向2016年5月~

全国のDI

◇ 「景気ウオッチャー調査」の2016年5月時点の“現状の家計動向”より

・全国平均は、41.9で前月比-0.3ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”は変わらずで、50ポイントに届かないままである。

・東京都を含め全国12地域中、北海道と沖縄のみが“小雨模様”で、北陸、中国も下り坂となり、小雨模様がく全国に広がった。

・先月“大雨”だった九州は、31.2から39.0と7.7ポイント改善したが、対全国比-2.9ポイントと “小雨模様となったが、全国最低である。

・過去1年間の全国平均は46.2ポイントで、ついに0.7ポイント下回った。東京都、近畿等大都市圏で前年平均が3ポイント位落ちた。前年同月比は、北海道を除く全地域で、2桁ポイントの悪化となった。ただ、北海道もマイナスは免れず5.7ポイント悪化している。

九州:39.0(+7.7)

(全国平均-2.9)

沖縄DI:46.2(+2.2)

(全国平均+4.3)

北陸I:42.7(-1.8)

(全国平均+0.8)

65以上 良くなっている(快晴)

55~65 やや良くなっている(晴れ)

45~55 変わらない(曇り)

35~45 やや悪くなっている(小雨)

35未満 悪くなっている(大雨)

Dual ComBine Analysis

2016/6/30 4

“景気ウオッチャー調査”の定義、凡例

2016 © Data Cake Baker Corporation

地域DI:50.0以上

(全国平均比)

地域DI:50.0未満

(全国平均比)

全国家計“小雨模様”

DI:41.9 (前月比-0.3)

北海道I:47.5(+3.2)

(全国平均+5.6) 東北DI:42.4 (-0.1)

(全国平均+0.5)

北関東DI:40.3(-0.9)

(全国平均-1.0)

東京都:41.1(-1.7)

(全国平均-0.8)

東海DI:41.6(-3.0)

(全国平均-0.3)

四国DI:39.6(-2.2)

(全国平均-2.3)

南関東DI:41.8(-2.6)

(全国平均-0.3)

近畿DI:41.9(+1.2)

(全国平均+0.0)

中国DI:42.5(-3.6)

(全国平均+0.6)

当月

先月

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30.0

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全国

北海道

東北

北関東

南関東

東京都

東海

家計関連動向DIの地域別推移(1/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの3年間の東日本の推移

◇全国平均は、41.9で前月比-0.3ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”は変わらずで、40ポイントを切る可能性がある。

・消費税ショック時の2014年4月から約1年間沈みこみ1年後の4月に持ち直したが、その後のダウントレンドは一貫して変わらない。

・東京都は罰建てながら南関東の内数で、12地域となった。東京都と東海を含む東日本では、北海道以外全地域で昨10月以来50ポイントを切り、ダウントレンドは変わらず、全地域で40ポイントゾーンに向かって落ちて行く様相を示している。

・東関東では2014年11月に、消費増税後と同程度の落ち込み現象があるが、消費税の見送り効果か原因は不明、来月以降に注目。

2016/6/30 5

2014年4月消費税8%実施

2016 © Data Cake Baker Corporation

・マネタリー残の増加率▽40%?

・消費税見送り効果?

消費税効果

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全国

北陸

近畿

中国

四国

九州

沖縄

家計関連動向DIの地域別推移(2/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推

◆家計関連動向DIの3年間の西日本の推移

◇全国平均は、41.9で前月比-0.3ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”は変わらずで、40ポイントを切る可能性がある。

・先月の熊本の震災で、九州は急落して35ポイントを切ったが、今月はやや持ち直した。九州以外でも、消費税ショック時の2014年4月から約1年間沈みこみ昨年4月にいったん持ち直した。しかし再びダウントレンドとなり、40から45ポイントゾーンに固まっている。

・沖縄のみが45ポイントを保っている。全国平均より1ポイント以上良いのは、東の北海道と西の沖縄だけである。

2016/6/30 6

2014年4月消費税8%実施

2016 © Data Cake Baker Corporation

消費税効果

・マネタリー残の増加率▽40%?

・消費税見送り効果?

Page 7: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

景気ウオッチャー全国 北海道 東北 北関東 南関東 東京都 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄

2013年5月 54.4 51.9 52.1 55.4 55.3 57.1 50.7 56.7 58.8 53.4 51.2 55.5 55.6

2013年6月 52.2 58.6 51.0 50.4 53.6 55.9 48.5 54.1 55.0 52.2 50.0 50.0 52.92013年7月 50.6 56.9 47.6 47.6 51.4 52.6 50.5 49.6 52.0 51.7 50.0 49.6 52.92013年8月 49.3 54.9 48.4 46.0 49.2 50.9 50.2 47.4 48.8 47.9 50.8 49.0 62.02013年9月 50.6 52.8 47.6 47.1 52.9 53.6 49.5 50.0 53.0 49.8 49.2 50.8 58.02013年10月 49.2 52.2 45.4 46.5 49.2 48.1 49.5 50.0 50.4 50.9 46.8 50.4 54.82013年11月 51.3 50.0 48.4 49.1 50.0 50.0 53.9 50.4 54.6 52.5 51.2 51.5 49.12013年12月 53.1 53.5 49.1 51.7 53.8 56.5 56.6 52.2 54.1 53.7 54.4 51.8 48.02014年1月 52.2 51.9 48.3 50.4 54.3 54.6 54.3 49.6 53.7 53.8 50.0 52.7 50.02014年2月 50.2 55.3 45.9 41.3 47.8 48.8 53.1 52.2 53.4 53.2 52.5 50.4 55.82014年3月 57.0 52.6 55.4 53.7 59.5 62.2 55.7 52.9 60.1 57.4 62.3 57.0 60.62014年4月 37.2 37.3 35.9 34.7 40.5 41.1 38.7 36.8 40.4 32.7 29.1 36.4 41.7

2014年5月 42.1 38.8 37.8 43.4 45.5 46.2 40.8 44.6 43.1 40.1 43.7 41.7 48.1

2014年6月 45.1 46.5 43.5 43.9 46.8 50.3 44.7 43.9 46.8 43.3 45.6 44.4 50.02014年7月 49.4 49.1 49.8 48.7 50.1 55.2 47.9 48.2 50.3 49.8 49.6 46.5 61.62014年8月 45.8 46.7 44.8 46.2 45.4 48.3 47.2 46.0 49.9 43.6 43.6 42.0 47.22014年9月 46.7 45.7 46.2 44.7 46.4 48.6 47.7 43.7 50.2 44.8 46.5 47.7 48.12014年10月 42.3 41.3 40.2 39.7 39.4 40.4 42.3 46.0 45.9 41.7 41.5 44.8 50.02014年11月 39.5 33.7 38.6 35.7 36.1 39.8 39.5 39.6 43.2 41.7 43.6 43.0 43.52014年12月 44.2 39.5 41.3 40.1 45.9 49.4 45.1 43.0 48.2 43.1 41.8 47.2 47.92015年1月 43.9 46.3 42.5 41.2 43.6 45.8 45.4 45.1 47.4 41.0 44.6 42.0 45.42015年2月 48.4 48.7 46.0 44.6 49.6 49.7 47.2 50.8 52.3 46.8 49.6 47.8 51.02015年3月 50.9 51.9 49.1 47.1 50.0 53.1 48.0 56.3 54.1 50.9 49.6 53.8 50.02015年4月 53.2 55.8 51.6 51.1 53.1 54.8 51.5 59.3 55.0 51.6 49.6 55.0 51.9

2015年5月 53.6 53.2 53.0 50.4 55.4 57.2 53.2 59.3 53.4 53.6 50.4 52.9 55.8

2015年6月 50.4 53.2 48.6 47.4 51.9 55.2 48.8 51.5 53.6 49.6 49.6 48.8 53.72015年7月 50.8 55.6 48.7 47.7 49.9 50.6 50.5 51.5 51.2 50.9 52.2 52.3 55.02015年8月 48.8 52.0 46.2 45.0 48.4 47.5 49.2 53.3 50.4 48.7 46.9 48.3 57.02015年9月 47.0 49.1 45.6 42.5 45.5 47.3 44.7 50.8 50.8 45.4 46.6 48.6 59.32015年10月 48.1 46.2 44.9 47.1 48.4 49.5 48.8 47.4 49.5 48.7 45.7 49.8 56.02015年11月 44.4 44.6 42.3 42.7 44.1 43.8 45.8 47.4 44.2 48.3 40.9 42.7 48.12015年12月 47.7 51.0 45.7 43.8 49.1 49.4 47.7 47.1 45.7 52.4 46.9 48.4 46.92016年1月 45.6 51.6 47.3 43.8 43.7 43.1 45.4 46.7 46.8 48.7 35.6 43.8 51.92016年2月 43.2 44.1 41.7 39.8 41.5 39.9 44.0 44.9 44.4 44.8 39.4 45.2 50.02016年3月 44.3 45.1 46.6 43.0 41.8 42.4 45.4 44.0 42.4 46.8 44.1 45.7 45.72016年4月 42.2 44.3 42.5 41.8 44.2 42.8 44.6 44.5 40.7 46.1 41.8 31.3 44.0

2016年5月 41.9 47.5 42.4 40.9 41.6 41.1 41.6 42.7 41.9 42.5 39.6 39.0 46.2

年平均 46.2 48.7 45.2 43.8 45.8 46.1 46.4 47.7 46.8 47.7 44.1 45.3 51.2前年の年平均 46.9 46.5 45.6 44.5 46.8 49.4 46.6 48.4 49.7 46.0 46.3 47.3 50.2対前年平均差 -0.7 2.2 -0.3 -0.7 -1.0 -3.3 -0.3 -0.8 -2.9 1.8 -2.2 -1.9 1.0

対前年同月差 -11.7 -5.7 -10.6 -9.5 -13.8 -16.1 -11.6 -16.6 -11.5 -11.1 -10.8 -13.9 -9.6対前月差 -0.3 3.2 -0.1 -0.9 -2.6 -1.7 -3.0 -1.8 1.2 -3.6 -2.2 7.7 2.2対全国差 0.0 5.6 0.5 -1.0 -0.3 -0.8 -0.3 0.8 0.0 0.6 -2.3 -2.9 4.3

◆ 「景気ウオッチャー調査」の2016年5月の“現状の家計動向”

◇全国平均は、41.9で前月比-0.3ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”は変わらずで、40ポイントを切る可能性がある。

・全国平均の過去1年間平均は46.2ポイントで、ついに前年同期比-0.7ポイントとなった。消費税効果のダメージから抜けられない.

・過去1年間平均が50ポイントを超えているのは沖縄のみで、対前年平均で上回っているのも、北海道、中国、沖縄だけである。

景気ウオッチャーのDI

2016/6/30 7

Dual ComBine Analysis

2016 © Data Cake Baker Corporation

「景気ウオッチャー調査」のデータ

ヒートマップから

・消費増税ダメージは、2014年4月から、東北、北関東、四国を2年間蔽っていた。

・約1年後の2015年3月から北海層、沖縄および中国が50ポイントを超えていたが、今年に入り、いずれも50を切って陰りが出始めている。

・北海道、中国、沖縄は、インバウンド効果と思われる。

・消費税1年後から回復を見せた南関東(東京都)、近畿など大都会と、北陸新幹線効果の北陸は、半年ほど良かったが、その後沈み込んでいる。

・九州は震災が厳しく、もともと弱い四国にも響いている。

Page 8: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

2016/6/30 8

・家計動向に関する景気ウオッチャーをクラスタリング

今回は、2016年5月の単月データで、景気動向判断DIと、その地域要因、業種要因、市場要因、およびDIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性*)で5クラスタに分類。

2016 © Data Cake Baker Corporation

*連環性(Degree of Dual Combine)は、連環でータ分析(Dual ComBine

Analysis)で使われる表側と表頭の各アイテムの類似性を表す非負の数字

Page 9: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

クラスタ別特徴

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

2016/6/30 9

2016 © Data Cake Baker Corporation

景気ウオッチャーを5クラスタに類型化

5つのクラスタと空間構成

・ウオッチャーの地域別、業種別、市場因子別、景気DI別、およびその説明文等の変数の統合的相関性(連環性)を知るため、次元圧縮して俯瞰マップ化。5つにクラスタリング。

・結果主要なクラスタがDIと相関を持って現れた。

・CL.1.「良い、やや良くなっている」

・CL.2.「やや悪く変わる?」

・CL.3.「変わらずとやや良い」

・CL.4.「やや良いが変わらず」

・CL.5.「悪い、やや悪くなっている」

(※)連環データ分析(Dual ComBine Analysis):日本発の多様なデータ変数をフュージョンして解析できる、いわば“Data Cognitive Browser”

・機械学習で、約1000次元空間に布置された839本のウオッチャーベクトルを2次元に情報圧縮し、5クラスタに分類した。

やや良いが変わらずCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪くCL5

やや悪く変わるCL.2

良い、やや良いCL.1

◆景気動向とその構成要因:(1/6)・・・5月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・日本の2016年5月の景気動向を、消費者の現場のビジネスに従事している12地域の839人が良くなっているから悪くなっている等5段階で判断した順序変数データと、その説明文章の表示変数データをマシンラーニング(※)で統合解析し5クラスタに分類した。

・個別のデータは、地域、景気判断DI、業種、市場要因の4要員、および説明のキーワード属性の5枚のクロス表を統合し解析した。

・左上方向が「悪い」で、右下に「良い」の景気軸。左下が「不変」で、右上が「変化」の変化軸の安定した構成マップとなっている。

Page 10: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(2/6)・・・ 5月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・「良い、やや良いCL.1」には北海道があり、東北もやや良くに近い方向でここに入った。東京都は日本のマジョリティの不変に移動。

・「悪い。やや悪いCL.5」に、近畿ポジショニングされた。これは景気DIとの単独特性と、他の属性との関係でポジショニングされた。

・「変らずCL.4」に東北、東京都がある。隣接して「やや良いが変わらずCL.3」には、特定の地域は無い。

・今月は、「やや悪く変わるCL2」九州がポジショニングされた。DI指標では、改善されたが、指標のレベルは、まだ回復してはいない。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

10 2016 © Data Cake Baker Corporation

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップに、地域を布置。

・マジョリティは「変らずCL.4」で、24.1%である。「やや良いが変わらずCL3」も17%。

・マイノリティは、「悪い、やや悪くCL.5」の17.4%と、「良い、やや良いCL1」の22.4%である。前者は近畿で、後者は北海道と東北である。沖縄はサンプルが少なく、パワーが弱いため、特徴は弱い。

・ 「やや悪く変わるCL2」には、九州がポジショニングされた。

「景気動向DI+地域因子」

2016/6/30

クラスタウオッチャー

(人)ウオッチャー

(%)

CL1 188 22.4CL2 157 18.7CL3 146 17.4CL4 202 24.1CL5 146 17.4

計 839 100.0

やや良いが変わらずCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪くCL5

やや悪く変わるCL.2

良い、やや良いCL.1

Page 11: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

◆景気動向とその構成要因:(3/6)・・・ 5月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・景気ウオッチャーの業種を、景気マップに布置し、景気の良否や変化の動静を見る.

・「良い、やや良いCL.1」に、コンビニ、ホテル・旅館等がある。

・「悪い、やや悪くCL5」は、百貨店が際立って定番となっている。食品飲料販売は変わらずに近いが、悪い方向と相関が有る。

・「変らずCL.4」は住宅関連、通信ECサービス等。逆に「やや悪く変わるCL.2」は、乗用車販売関連サービスが、どちらかと言うと「悪い」へ変化の方向を伺っている。

Dual ComBine Analysis

11

クラスタ別特徴

2016/6/30 2016 © Data Cake Baker Corporation

「景気動向DI+業種因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、業種別アイテムを布置。

・ 流通業界では、コンビニは今月は良い方向となった。

・悪い方向では、百貨店が突出した形での氷河期で、スーパは「変わらない」方向に移動した。商店街は、一概には言えないポジションとなっているが、決して良い方向ではない。

・マイナス金利や、 料金規制や電力小売等で期待されたで期待された住宅関連や通信ECサービスはやや良い方向から「変わらず」に移動した。

・「変化軸」の方向では、乗用車販売がやや悪く変わる方向でポジショニングしている。燃費偽造問題も関係があるかも知れない。

やや良いが変わらずCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪くCL5

やや悪く変わる?CL.2

良い、やや良いCL.1

Page 12: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

◆景気動向とその構成要因:(4/6)・・・ 5月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の景気動向に、市場要因として、“市場の動き”を重ねて、それらの関係性を見る.

・「良い、やや良いCL1」は“来客数の動き” がある。「悪い、やや悪くCL5」では、市場要因でこれという特徴的なものはない。

・「変わらずCL.4」では、“お客様の様子”。「やや悪く変わるCL2.」では、“販売量の動き”がある。

・市場要因のうち、“単価の動き”、“その他競合相手”等の市場因子は、良否、変化不変等に関し、ポジションが明確ではない。

Dual ComBine Analysis

12

クラスタ別特徴

2016 © Data Cake Baker Corporation

景気動向の構成要因

「景気動向DI+市場因子」

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、市場因子アイテムを布置。

・マジョリティの「変わらず軸」の方向には、“お客様の様子”がある。

・良い方向には、“来客数の動き”がある。

・“単価の動き”が中心に近く、特徴が乏しいので、“来客数の動き”が良い方向と重なっている。

・「変化の方向」に“販売量の動き”が悪い方向に近く位置して居る。単価の動きが無いなか、販売量の動きがやや悪い方向と相関があるのは当然であるが、良い方向と相関する変化方向のウオッチャーに空白に空白ゾーンがあるのが問題。

2016/6/30

やや良いが変わらずCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪くCL5

やや悪く変わるCL.2

良い、やや良いCL.1

Page 13: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

◆景気動向の構成要因:(5/6)・・・ 5月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、地域、業種と市場の各要因を重ねて、それらの綜合的関係性(連環性)を代表する具体像を抽出する。

・「良い、やや良くCL.1」は、東海のコンビニやホテル宿泊関係で、来客数の動きが良くなっている。

・「悪い、やや悪いCL5」は、近畿の百貨店で、市場要因では特徴が無いが、強いて言えば食品飲料で、販売量が落ちている。

・「変らず軸」は東海の、住宅関連や通信ECサービスでお客様の様子に変化がなく、「変わる軸」では、乗用車関連がある。

Dual ComBine Analysis

13

クラスタ別特徴

2016/6/30 2016 © Data Cake Baker Corporation

「景気動向DI+地域因子+業種因子+

市場因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、地域因子、業種因子、市場因子を布置。

・日本のマジョリティは、相変わらず「変わらず軸方向」で、先月のコンビニは、良い方向へ、乗用車関係は、変化方向へ、移動した。

・逆に、期待された住宅関連や通信ECサービスが不変方向に来た。

・先月の九州は極端に「悪くなっている」であったが、変化方向に移動した。とはいえ、悪い方向と近い。

・良い方向は北海道で、ホテルやコンビニの来客数の動きでインバウンド効果と思われる。

・悪い方向の近畿は、百貨店が足を引っ張っており、サンプルの偏りの影響もあると思われる。 やや良いが変わらずCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪くCL5

やや悪く変わるCL.2

良い、やや良いCL.1

Page 14: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

◆景気動向の構成要因:(6/6)・・・ 5月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、景気ウオッチャーの説明文のキーワードを布置し、景気動向の内容を見る.

・「良い」方向には、“ゴールデンウイーク”、“新幹線”、“開業” 、“来客” 、“増加”等がある。逆に「悪くなっている」方向には、“ファッション”、“婦人”、 “衣料”、“高額”、“買い控え” 等がある。

・「やや悪く変わる」方向では、“熊本”、“地震”、“影響”、“インバウンド”、“大手自動車メーカ”、“燃費”、“マイナス”等がある。

Dual ComBine Analysis

14

クラスタ別特

2016/6/30 2016 © Data Cake Baker Corporation

景気動向の構成要因

「景気動向DI+キーワード

変らずCL.3

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、キーワードを布置。

・良い方向軸には、“ゴールデンウイーク”、“新幹線”、“来客数増加”、等があるが、要因は限定的。

・悪い方向軸では、“食料”、“衣料”、“婦人”等があり、女性を中心とする基礎消費と、“高額”、“層”等の落ち込みが広がっている。

・「変化方向」軸には、九州の地震に関係する言葉が悪い方向で相関があり、“大手自動車メーカ”、“燃費”、“マイナス”等広がりが気になる。

・日本のマジョリティは、「不変方向」軸で、“電力”、“通信”、“リフォーム”等で、多少の刺激では限定的である。

やや良いが変わらずCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪くCL5

やや悪く変わるCL.2

良い、やや良いCL.1

Page 15: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

景気動向ペルソナ抽出 Dual ComBine Analysis

2016/6/30 15 2016 © Data Cake Baker Corporation

・家計動向DIの5ランク判断のペルソナ分析

今回は、2016年5月の単月データについて、1)景気動向判断DIと、 2)地域要因、3)業種要因、4)市場要因、および、5)DIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性)を、マシーンラーニングによる情報圧縮法で、意味空間座標を造り、景気DI動向をクラスタリングし、プロファイリングし、それらの典型的な事象を抽出した。

地域要因としては、先月の九州で地震の影響の変化や東北の震災事故の影響の継続性、北陸新幹線効果、北海道、沖縄等のインバウンド効果、また先月から東京都が南関東から内数ではあるが区分されたが、それらのポジションと動向にも関心があった。

業種別動向では、消費の最前線の百貨店、スショッピングセンタ、スーパ、コンビニ、商店街等のポジションにも関心がある。

Page 16: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

Dual ComBine Analysis

◆ “良い、やや良いCL.1“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・「良い、やや良いCL.1」クラスタは、北海道が目立つが、新幹線、大河ドラマ、インバウンド等個別効果による来客数の動きが良い。

・業種としては、観光型旅館やホテル、名所などが目立つ。ゴールデンウイークは、プラス面もあるが日並び等でマイナス面もあった。

・典型的なペルソナは北海道、業種は観光名所や高級レストランで“団体客の客数が増え、単価も上がっている。コンビニが良い方向に移動した。天候不順や暑さで清涼飲料やアイスクリーム等への来客があり、たばこ、酒、の売上もあったが、本格的ではない。”

16 2016/6/30

“良い、やや良いCL.1“のペルソナ

良い、やや良くなったCL.1

“CL1“

2016 © Data Cake Baker Corporation

良い動向は、先月期待された住宅販売や通信関連があったが、姿をひそめ、各地域ごとに個別の要因との関係となり、全国的な共通項は、観光で、宿泊やレストランとなった。

No. 地域 景気DI判定 業種 市場動向 理由

1北陸

やや良くなっている

観光型旅館(経営者)

単価の動き・新幹線開業から1年が経過し、ゴールデンウィークの日並びが前年より悪く特定日が2日減っているが、インバウンドや募集団体の宿泊単価が前年より650円上がったため、来客数は300人減少したものの売上は若干上昇した。

2

東海やや良くなっている

観光型ホテル(経営者)

来客数の動き

・5~7月の宿泊者数は、は、前年比130~220%と大幅に好転している。5月は伊勢志摩サミットの影響で、伊勢志摩方面が敬遠され当地にまわってきたとも考えられるが、団体旅客需要は、比較的良くなっている。会食需要は、5月は140%であるが、6月は80%、7月は60%と、まだまだである。会食は地元経済の影響が大きいので、地元経済はまだ停滞しており、県外からの客で補っている。

3北海道

やや良くなっている

高級レストラン(スタッフ)

販売量の動き・4月に続き、観光客の団体利用が多い。ランチ、ディナーともに客単価が例年にないほど高く、全体売上は前年から40%増加している。ただ、業界の人手不足が深刻である。

4中国

やや良くなっている

コンビニ(副地域ブロック長)

来客数の動き・ゴールデンウィークが長期連休だったことで来客数が減少したエリアがある。また週末には天候不順で来客数が伸び悩むが、ライセンス商品のたばこや酒が好調で客単価が上昇している。

5北海道

やや良くなっている

観光名所(従業員) 来客数の動き・5月26日時点の利用乗降客数が前年比107%となっており、やや良くなっている。

6近畿

やや良くなっている

一般レストラン(経営者)

来客数の動き・ゴールデンウィーク明けは来客数が大きく減ったものの、中旬から後半にかけては、初旬の売上減を補えるほどの来客があった。また、歓送迎会が多く行われるなど、会社関係の団体客も多い。

7北関東

良くなっている

商店街(代表者) 来客数の動き・大河ドラマの効果が大きく、ゴールデンウィークは街中に人があふれ、飲食店はどこも長い行列ができていた。

8東京都

良くなっている

観光名所(職員) 来客数の動き・当地は観光地のため、5月は新緑のトップシーズンとなる。3か月前の閑散期とは比較にならない状況で、前年実績よりも若干良くなっている。

9沖縄

やや良くなっている

コンビニ(経営者) 来客数の動き ・来客数並びに客単価が前年を上回っている。

10北関東

やや良くなっている

コンビニ(経営者) 販売量の動き・大河ドラマの関連都市ということで、来客数は増加しているが、買上はあまり多くない。暑さで清涼飲料やアイスクリーム等の売上は増加しているが、まだ本格的な夏というほどではなく、何となく中途半端な感じである。

キーワード5月より開業比較ゴールデンウィーク時点新幹線宿泊長いたばこ敬遠団体客人手不足深刻団体効果客数県外天候大河ドラマ前年上回っ増加上昇経過

Page 17: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

Dual ComBine Analysis

◆ “やや悪く変わるCL.2のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“やや悪く変わるCL.2”は九州で、先月に比べ少し持ち直しているとはいえ、景気判定は“やや悪くなっている”小雨模様である。

・業種としては百貨店を中心として旅行や観光もあるが、市場因子は“販売量の動き”である。「やや悪い方向への変化」を感じている。

・ペルソナは、九州の百貨店で、理由は“熊本地震発生の影響で、中高年の来客が減り、相変わらず不振の衣料品に加え食料品等、また、時計や宝飾等の高級品や富裕層の落ち込みがある。またインバウンド客が減少しており、落ち込みに拍車をかけている。

17 2016/6/30

“やや悪く変わるCL.2“のペルソナ

“CL2“

2016 © Data Cake Baker Corporation

やや悪く変わる

CL.2

このクラスタは、九州に顕著で、マップ空間では日本のマジョリティである“変わらない”の対極にあり、災害によって日本の弱いところが露出されたが、インバウンド効果も、災害大国日本の弱点でもあろう。乗用車販売関係が、燃費不正で大きく落ち込んだとの指摘もある。

No. 地域 景気DI判定 業種 市場動向 理由

1九州

やや悪くなっている

百貨店(マネージャー)販売量の動き・主力の衣料品の販売が変わらず不振。時計や宝飾等の高額品の消費も低下傾向。加えて、インバウンド客の売上も前年比約7割止まりと低迷している。中国の関税強化や熊本地震の影響と想定される。

2九州

悪くなっている

百貨店(営業担当)

それ以外・九州独自の影響かもしれないが、熊本地震の影響がかなり出ている。今まで引っ張ってきた富裕層の購買がかなり落ち込んでいる。インバウンドも売上が厳しい状況である。少し心理的な部分もあるがまだしばらくは続く。

3近畿

やや悪くなっている

旅行代理店(経営者)

販売量の動き・熊本地震の影響で、一部で旅行の行き先が振り替わったほか、キャンセルも発生したため、ゴールデンウィークの落ち込みは仕方がない。一方、カウンター型の旅行代理店にとって、インバウンドの増加はありがた迷惑でしかない。

4九州

やや悪くなっている

百貨店(総務担当)

販売量の動き・熊本地震発生後の消費抑制の心理からか、中高年層の客の来店が減少し、飲食テナントや書籍、婦人服等の動きが鈍い。ポイントアップやクーポン券配布等の販促強化で刺激するが回復傾向は見られない。

5九州

やや悪くなっている

その他小売[ショッピングセンター]

販売量の動き・熊本地震の影響によって一部商品の欠落があった。また全体の消費マインドが低下している。地震に伴いインバウンド需要が減少している。

6九州

悪くなっている

都市型ホテル(販売担当)

お客様の様子・熊本地震の影響もあり当月、前月の宿泊がかなりのキャンセルを受けた。宴席はそこまで影響はないがやはり当月、前月で相当額の延期キャンセルがあった。

7九州

やや悪くなっている

旅行代理店(従業員)

販売量の動き・熊本地震の影響で九州域内の旅行が自粛傾向にあり、大幅なマイナスとなっている。自粛の傾向は本州方面(東京、関西)へも広がっている。

8

九州やや悪くなっている

スーパー(店長)

競争相手の様子

・熊本地震により店舗の売場で上手く営業できない状況で、営業時間を短縮しており、生鮮食料品を中心に前年比90%で推移している。日用雑貨品等は熊本地震の後片付けで前年比105%と順調に推移している。トータルの売上げは前年比90%位で推移している状況である。熊本地震の影響をもろに受けている状況である。

9近畿

やや悪くなっている

旅行代理店(営業担当)

販売量の動き・熊本地震以降、九州方面のキャンセルにより販売は依然厳しい。ゴールデンウィーク以降も、受注は前年を下回り続けている。また、伊勢志摩サミットによる影響も、多少は出ている。

10北関東

悪くなっている

乗用車販売店(管理担当)

販売量の動き・大手自動車メーカーの燃費不正問題により、主力である軽自動車販売の停止と消費者からの信頼失墜により、販売は大幅に減少している。

キーワード地震発生熊本影響関西時計受け心理一部宝飾強化インバウンドマインド九州止まり関東大手自動車メーカー燃費不正表れかなりマイナスキャンセル販促書籍

Page 18: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

No. 地域 景気DI判定 業種 市場動向 理由

1

東北 変わらない 一般レストラン(経営者)お客様の様子

・例年よりも気温が高く天候の良い日が続いている。そのため、外出する人が多く外食に足を運ぶ人も増えている様子である。また、この時期は会合なども多く、それなりに来客数を確保できている。ただし、数字が爆発的に伸びているわけではないため、あまり変化はない。

2東北 変わらない

高級レストラン(支配人)

単価の動き・今年の5月は例年と比較して来客数は増加したものの、客単価があまり伸びていない。客に外食をしたいという雰囲気はあるものの、食事の金額を抑えている様子がうかがえる。

3北関東 変わらない

ゴルフ場(総務部長)

来客数の動き ・来場者の予約数は前年並みとなっている。

4東北 変わらない

一般レストラン(経営者)

来客数の動き・今月が特別に落ち込んでいるわけではなく、年単位で低調な状態が続いており慢性化している。そのため、景気が上向いているという感覚はない。

5南関東 変わらない

一般小売店[文具](販売企画担当)

来客数の動き・小売の来客数もそれほど変わっていないうえに、外商関係の案件数も安定している。あまり良くも悪くもないような状況である。

6東海 変わらない

一般小売店[生花](経営者)

来客数の動き・全体に来客数はやや減少している。今年の母の日は、来客数も売上も前年に比べ20%程度少なかった。ふだんの売上に関しては、ほぼ横ばいである。

7中国 変わらない

高級レストラン(宴会サービス担当)

来客数の動き・個人利用はそれなりにあるが、法人利用に関してはそうでもなく、特に平日が厳しい。

8東京都 変わらない

パチンコ店(経営者)

来客数の動き・朝スタート時、夕方から夜にかけてのピーク時の来客数が、当店、ライバル店共に、あまり変わっていない。

9東北 変わらない

スーパー(経営者)

来客数の動き ・安定的に推移しているものの、既存店の来客数は微減傾向にある。

10東北 変わらない

その他専門店[酒](経営者)

来客数の動き・ゴールデンウィークは思ったよりも人が動かなかった。週末の飲食はまずまずであるが、店頭の売行きがやや悪く、全体的に少し悪い状態となっている。

Dual ComBine Analysis

◆ “やや良いが変わらずCL.3“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“やや良いが変わらずCL.3”は、ペルソナ分析での地域は、東北、中国が挙がる。

・業種は、一般・高級レストラン、文具・生花・酒等の専門小売、ゴルフ・パチンコ等で、市場因子は来客数の動きである。

・ペルソナは、“今年の5月は、例年と比較して来客数は増加しているものの客単価があまり伸びているわけではない。客に外食したいという雰囲気はあるものの、食事の金額は抑えている様子がうかがえる。

18 2016/6/30

“やや良いが変わらずCL.3“のペルソナ

“CL.3“

2016 © Data Cake Baker Corporation

やや良いが変わらずCL.3

日本の消費の代表的“変わらない”クラスタと隣接して、かつ少し良い方向に近い。地域は全国的に散っており、業種も、文具・生花・酒や、外食レストラン等の専門店で、ゴルフ・パチンコ等のレジャー等個別的で、百貨店の対極のポジショニングである。

キーワードため安定並み外食それほど朝良い変わっ景気法人確保様子予約数それなりふだん今年来場者うかがえる状態

Page 19: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

Dual ComBine Analysis

◆ “変わらずCL.4“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“変わらずCL.4”は、地域としては、東海、東京で、南関東、北関東も近い。

・業種としては、先月動きがあった住宅関連、通信関係がここに移動し、共に消費税の動向による不安や、低価格志向がある。

・ペルソナは、住宅販売業者が“ゴールデンウイークの来客数は、例年以上の大型連休であったためか、消費税増税の再延期の話題が出始めたためか判らないが、期待したほどではなかった。”

19 2016/6/30

“変わらずCL.4“のペルソナ

“CL4“

2016 © Data Cake Baker Corporation

変わらず

CL.4 日本の現状を代表するマジョリティである“変わらず”クラスタは、先月良く変わるかもしれないと期待された住宅関連や通信関係がここに移動してきた。地域は全国的に分布しており、介護教育美容生活、食品、衣料など基礎的消費基盤がここに固まっている。

No 地域 景気DI判定 業種 市場動向 理由

1東海 変わらない 住宅販売会社(従業員) 来客数の動き

・ゴールデンウィークの来客数は、例年以上の大型連休であったためか、消費税増税の再延期の話題が出始めたためかはわからないが、期待したほどではなかった。

2南関東

やや悪くなっている

通信会社(営業担当) お客様の様子・客は、可能な限り無駄を省き、必要最小限の内容にするというコスト意識を強く持ち、新規加入やコース変更を選択していると感じる。

3東海

やや悪くなっている

その他住宅[住宅管理](経営者)

お客様の様子・リフォーム物件は、発注内容が細かく、価格が低い物件が多くなっている。特に賃貸物件では、低価格となっている。

4東京都

やや悪くなっている

タクシー運転手 お客様の様子・大企業の残業が減り、帰りの飲み会も減っている。ただし、金曜日の飲み会は相変わらず多い。

5東海

悪くなっている

理容室(経営者) お客様の様子・客からは景気の良い話題は出ない。相変わらず安い店に客足は流れる。

6東京都

やや悪くなっている

その他飲食[給食・レストラン](役員)

お客様の様子・取引先と話をしていると、業況悪化という声が多い。円高や市況の悪化等によることが原因とのことである。公共系の事業体も予算が非常に苦しいと口にしている。

7東北 変わらない 通信会社(営業担当) お客様の様子

・春のキャンペーン効果も落ち着いており、新規加入客がなかなか増加しないまま推移している。ただし、解約者も増加していないため、全体的に大きな変化はみられていない。

8近畿 変わらない

その他小売[インターネット通販](企画担当)

お客様の様子・ファッション関連に加え、今まで堅調に推移していた食料品についても、セット売りなどを仕掛けても、なかなか販売に結び付かない。消費者の動きがより慎重になってきている。

9東京都

やや悪くなっている

通信会社(総務担当) それ以外・消費税再増税次第だが、社会全体で地震災害関連の備蓄や消費に対して控え目な傾向になっていると感じる。

10近畿 変わらない

一般小売店[野菜](店長)

お客様の様子 ・飲食関係の動きが相変わらず悪く、好転する様子がない。

キーワードリフォーム話題新規加入変わらセット税事業低い話内容増税限り売り賃貸大きな取引先金相変わらず企業

Page 20: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 201606_0.80

Dual ComBine Analysis

◆ “悪い、やや悪くなったCL5“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“悪いやや悪くなったCL5.”ののDIは、地域としては、九州から近畿となった。九州は“やや悪く変わる”方向に移動した。

・業種としては、圧倒的に百貨店で、一部衣料品店がある。市場因子はお客様の様子で、モノからコトへシフトしている。

・ペルソナは、百貨店の、“今月は目標を達成できない見込みである。これまで売上を支えてきた、インバウンド需要や高額品の需要に勢いがなくなってきている。元々、国内の中間層の需要は厳しい状態であったが、更に厳しさが増しているように感じる。中間層の収入が増えないなかで、消費についてもファッションから趣味や食事へ、モノからコトへとシフトが強まっている。”

20 2016/6/30

“悪い、やや悪くなったCL5“のペルソナ

“CL5“

2016 © Data Cake Baker Corporation

悪い、やや悪くなった

CL5

今月悪くなったクラスタは、業種は百貨店、地域は近畿が際立っており、消費品目は、食品、衣料から時計まで広がっており、中間層から上層にも広がっている。消費は、ファッションではなくなり、趣味や食事など、モノからコトへと完全にシフトしている。

No. 地域 景気DI判定 業種 市場動向 理由

1

近畿やや悪くなっている

百貨店(売場主任)お客様の様子

・今月は目標を達成できない見込みである。これまで売上を支えてきた、インバウンド需要や高額品の需要に勢いがなくなってきている。元々、国内の中間層の需要は厳しい状態であったが、更に厳しさが増しているように感じる。中間層の収入が増えないなかで、消費についてもファッションから趣味や食事へ、モノからコトへとシフトが強まっている。

2近畿

悪くなっている

百貨店(マネージャー)お客様の様子・従来、母の日商戦で中間層以下の顧客に支持されてきた、洋品アイテムや花などの商材は不振で、数量、単価共に大幅に悪化した。モノから、食事や観光などのコトへのシフトが鮮明である。

3近畿

やや悪くなっている

百貨店(営業企画)お客様の様子・食料品の節約志向が加速している。衣料品に加え、先月まで好調であった寝具なども不振である。

4

東海悪くなっている

百貨店(売場主任)お客様の様子

・来客数は減ってはいないが、ゴールデンウィークも、買物に来たというよりは、行くところはないがどこかに出かけたいという客が多かった。食事はしても買物をする雰囲気ではない。靴も高級品は売れず、低価格の商品を買う客が多く、ビジネスシューズより、カジュアルで気軽に履ける安い靴が売れている。

5東京都 変わらない 百貨店(営業担当)販売量の動き

・気温が上がらないこともあり、紫外線対策関連商材の動きは前年より遅れている。また、サンダルなど夏物商材の動きも良くない。衣料品は通勤アイテム以外は苦戦傾向である。大きなトレンドもないなか、あえて買う理由がないからではないか。

6九州 変わらない 百貨店(店舗事業計画部)お客様の様子

・熊本地震直後に比べ大分持ち直してきたものの、ファッション衣料に対する反応は鈍い一方、雑貨・食品は堅調という流れは変わらない。ファッションを楽しみたいという客よりも、手軽な雑貨やおいしいものを食べる等で楽しむスタイルが定着している。

7近畿 変わらない 百貨店(サービス担当)お客様の様子

・今月は、伊勢志摩サミット開催によるテロ対策などで、来客数が減少し、前年実績の確保に苦戦している。食料品や婦人用の身の回り品などは好調であるが、衣料品は婦人、紳士共に苦戦している。

8南関東

やや悪くなっている

百貨店(販売促進担当)お客様の様子・必需品である食品やフォーマルウェアなど、必要に迫られる商品の購入は見られるものの、それ以外の商品に対する客の意識は非常に厳しいと感じる。

9近畿

悪くなっている

衣料品専門店(経営者)お客様の様子・1万円以上の商品が売れにくくなり、それ以下の商品が売れ筋になっている。

10

近畿やや悪くなっている

百貨店(服飾品担当)お客様の様子

・3~4月に続いて上向きの兆しがみられない。都心店舗の売上も値引き策を除けば前年を下回り、特に高額品やし好品での買い控えがみられる。反復して購入される化粧品や食品は堅調であるが、主力である婦人服の売上減少に歯止めがかからないなど、ファッションや身の回り品に対する顧客の財布のひもは固い。また、ヒットアイテムがなく、気温対応型アイテムに少し売上回復の兆しがみられる程度である。

キーワードファッション動き厳しい消費鈍い買い控え売れ買う苦戦寝具必需悪化シフトモノコト衣料雑貨品商戦中間身の回り商品行くなくなっ先月

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入力データと構成 Dual ComBine Analysis

2016/6/30 21 2016 © Data Cake Baker Corporation

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全国の景気動向の政府の見解 Dual ComBine Analysis

◆今月の内閣府の見解

・内閣府は、“5月の現状判断DIは、前月比0.5ポイント低下の43.0となった。家計動向関連DIは、住宅関連などが低下したこと等から低下した”としている。

先月は、“家計動向関連DIは、サービス関連などが低下したこと等から低下した”としていたが原因が入替った。

•景気ウォッチャーの見方は、 「引き続き弱さがみられ、熊本地震によるマインド面の下押し圧力が未だ残っている。先

行きについては、販売価格が引き上げられない中で原材料価格が上昇する等、物価動向への懸念がある一方、熊本地震からの復興、夏のボーナスや設備投資増加への期待がみられる」としている。

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内閣府の見解

平成28年5月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査

5月の現状判断DIは、前月比0.5ポイント低下の43.0

となった。

家計動向関連DIは、住宅関連などが低下したこと等から低下した。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、上昇した。

5月の先行き判断DIは、前月比1.8ポイント上昇の47.3となった。

家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。

なお、季節調整値でみると、現状判断DIは前月比0.6

ポイント上昇の40.6となり、先行き判断DIは前月比1.7ポイント上昇の44.6となった。

今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、引き続き弱さがみられ、熊本地震によるマインド面の下押し圧力が未だ残っている。先行きについては、販売価格が引き上げられない中で原材料価格が上昇する等、物価動向への懸念がある一方、熊本地震からの復興、夏のボーナスや設備投資増加への期待がみられる」とまとめられる。

2016 © Data Cake Baker Corporation

http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0608watcher/bassui.html

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「景気ウオッチャー調査」データから処理の概要~ Dual ComBine Analysis

◆データ処理の概要

1.入力データ

・内閣府の「景気ウォッチャー調査」 データ.

ただし、この調査には家計動向関連、企業動向関連、製造業、および雇用関連DIの3種があるが、家計動向関連の現状判断のみを扱う.

2.前処理手法

・景気の動きを観察できる人々からインタビューした景気動向に関する具体的状況の説明文を解析し、地域を11の景気影響要因により特徴付ける.それをもとに、各地域の代表的な景気動向に関する具体的状況の説明文とキーワードを抽出する.

3.連環データ分析による処理

・地域、季節影響要因、キーワード、説明文の関係をクロス表に表現.連環データ分析により、機械学習とAIルールで、情報圧縮し、DCBマップに展開して、意味を抽出.

データ例 処理

◆「景気ウオッチャー調査データ」例

・例:北海道の一部のみ掲載.“3ヵ月くらい前”に比べ景況感を訊ね、その理由を訊いている.

・“良くなっている”、“やや良くなっている”、“変わらない”、“やや悪くなっている”、“悪くなっている”

◆データ処理の概要

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全国の景気動向の構成

景気ウオッチャー調査

調査の目的:地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。

対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域。

調査客体:家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050人を調査客体とする

調査期間:毎月、当月時点であり、調査期間は毎月25日から月末である。

調査事項:景気の現状に対する判断(方向性) 、その理由 、および追加説明及び具体的状況の説明

調査客体数:平成13年8月調査以降は2,050人(全国11地域)。ただし、家計の景気動向ウオッチャーは840人程度。

DIの算出方法 :景気の現状、または、景気の先行きに対する5段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて、DIを算出している。

評価 良くなっている やや良くなっている 変わらない やや悪くなっている 悪くなっている評価 良くなる やや良くなる 変わらない やや悪くなる 悪くなる評価 (良い) (やや良い) (どちらともいえない) (やや悪い) (悪い)

点数 100.0 75.0 50.0 25.00 0.0

Dual ComBine Analysis

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

・内閣府の定義 ・連環データマガジンでは、18業種に独自に再分類している。

小売関連 商店街・一般小売店 商店街代表者一般小売店経営者・店員

百貨店 百貨店売場主任・担当者スーパー スーパー店長・店員

コンビニエンスストア コンビニエリア担当・店長衣料品専門店 衣料品専門店経営者・店員家電量販店 家電量販店経営者・店員

乗用車・自動車備品販売店 乗用車・自動車備品販売店経営者・店員その他小売店 住関連専門店経営者・店員

その他専門店経営者・店員その他小売の動向を把握できる者

飲食関連 高級レストラン経営者・スタッフ一般レストラン経営者・スタッフスナック経営者その他飲食の動向を把握できる者

サービス関連 旅行・交通関連 観光型ホテル・旅館経営者・スタッフ都市型ホテル・旅館経営者・スタッフ旅行代理店経営者・従業員タクシー運転手

通信会社 通信会社社員レジャー施設関連 観光名所、遊園地、テーマパーク職員

ゴルフ場経営者・従業員パチンコ店経営者・従業員競輪・競馬・競艇場職員その他レジャー施設職員

その他サービス 美容室経営者・従業員その他サービスの動向を把握できる者

住宅関連 設計事務所所長・職員住宅販売会社経営者・従業員その他住宅投資の動向を把握できる者その他家計の動向を把握できる者

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景気ウオッチャーのジャン

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

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あとがき

AIによる自動運転に関するビッグデータ解析技術が注目を集めている。USでは、メタ情報ビジネスを基盤とするGoogle等が理想的自動運転で、日本は車メーカによる改良型のアプローチで、中国ではバイドウはBMWと組んで特区の社会実験とインフラ投資のレジュームスタンダードアプローチでトップに躍り出ようとしていると見る向きもある。

今月は、九州が悪いからやや悪い方向に改善したようにも見えるが、日本のマジョリティでもある「変わらず」の対極で、「やや悪い方向への変化」とみることもでき、予断は許されない。悪い業種の典型は「百貨店」であり、そこに見えるのは、女性をメインとするファッションや衣料や食品への生活の基礎消費の抑制である。

“消費は、モノやファッションではなくなって、趣味や飲食等のコトへの変化である”とするコメントが、百貨店の関係者からのコメントが、データ全体を通して、コンテキストとして一貫性を感じさせる。

熊本震災効果は、引き続き気になるが、良くなる要因が、新幹線、インバウンド、ゼロ金利、通信規制、大河ドラマなど、影響度にも継続性にも限定があることを示している。逆に、「悪く変わる」方向に出た不正燃費による乗用車販売のポジションは、気になる。

サービスとは何か、ハード時代では改善こそが力を持ったが、改めてサービス時代のイノベーションを考え直す必要がある。それは、改善とは基本的に異なる、ソリューションとエモーションの2重縛りへの挑戦ではなかろうか?

社会情報天気図は、量的変数と質的変数をデータフュージョンして解析できる世界に先駆けたセルフサービスBI.のAI.ツールである「連環データ分析」の利用法開発のいわば、ハードな基準変数と感情変数統合的に処理するテストベットとしてのトライである。

この社会情報天気図も、11ヶ月継続でき、アプローチやフォーマットも定まってたように思われる。1000人近くのウオッチャーの属性や理由コメントの利用キーワード属性を含めた1000次元のプロフィールデータを、情報圧縮しクラスタリングで類型化し、それらをAIでプロファイリングし、軸足コーディングによる構造化と、マジョリティと対抗勢力に分離するアプローチとして固まって来た。次号は、1周年記念となるので、単月で扱うか、地域か業種をサブジェクトとしてその変遷を扱うか考えたい。

広く皆さまからのご批判やアドバイス、コメントなどを頂戴できれば幸いです。 平成28年6月30日

Dual ComBine Analysis

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2016 © Data Cake Baker Corporation

発行 データ・ケーキベーカ 株式会社

編集 連環データ分析研究会

イラスト Hisam. Chyan、Photo T. Hirata & Aki . kara

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