東京大学 · 2018-10-09 · 東京大学は、機能転換の理念と具...

2
世の中の変化をチャンスと捉え、 果敢に挑戦できる人材 「知のプロフェッショナル」を育てる https://www.u-tokyo.ac.jp/ 10 使Late Specialization Early Exposure (1) 石井洋二郎理事・副学長 Late Specialization Early Exposure 【社会連携】 価値創造から社会実装へ 東京大学ビジョン2020 卓越性と多様性の相互連環 -「知の協創の世界拠点」として- ビジョンを 学内外で共有 「産学官民協働拠点」の形成 イノベーション・エコシステムの充実 【研究】 価値創造に挑む学術の展開 卓越した研究拠点の拡充・創設 研究者雇用制度改革 【運営】 経営力強化 ―「運営」から「経営」へ― 財源の多元化と経営資源の拡大、戦略的な資源再配分 卒業生・支援者ネットワークの充実と連携強化 【教育】 「知のプロフェッショナル」の育成 「国際卓越大学院」の創設 教育改革と学生の多様性拡大 (1) リベラルアーツ教育 「東京大学憲章」にも掲げられているように、 東京大学では学部教育の基礎としてリベラル アーツ教育を重視している。リベラルアーツ を「種々の制約から自らを解き放ち、自由か つ柔軟に思考するための知識や技芸」と定義 した上で、専門を学ぶ前は「これから学ぶ学 問のための土台となり、真理探究の精神を涵 養する」ものとして、専門を学んだ後は「自 らの専門分野を相対化し、他分野や他者と関 連づけながら柔軟かつ責任ある思考ができる 素地を培う」ものとして、位置づけている。 (2) トライリンガル・プログラム(TLP) 教養学部で一定レベルの英語力を有すると 認められる学生を対象として、日本語と英語 に加え、もう一つの外国語を学ぶ特別プログ ラム。履修期間は前期課程在学中の1年半。 修了要件を満たした履修生には、修了証が授 与される。中国語、ドイツ語、フランス語、 ロシア語に加え、2018年度から韓国朝鮮語 でも展開されている。また、実際に現地へ学 生を派遣し、学生交流を含めて短期語学研修 も実施している。 (3) グローバルリーダー育成プログラム (GLP-GEfIL:Global Education for Innovation and Leadership) GLP-GEfILは、国際社会における指導的人 材の育成を目的とした、学部学生対象の教育 プログラム。学部前期課程では、GLP指定科 目の履修を基礎とし、後期課程では、語学力 や意欲によって選抜された学生(100名程度) に分野横断型の特別教育プログラムが提供さ れる。 授業はアクティブラーニング形式で、すべ て英語で行われる。少人数のチームで、地球 規模の課題について研究プロジェクトを設 計・実践する。また、世界の第一線で活躍し ているグローバルリーダーたちとの対話の機 会も持つ。3・4年次に2回、海外トップレベ ルの大学の厳選された短期留学プログラムに 参加する。海外派遣にあたっては、協賛企業 の寄付による奨学金(最高100万円まで)が 支給される。GLP-GEfILを修了した学生には、 東京大学公式の修了証が交付される。 20 姿Active Learning of English for Science Students Active Learning of English for Students of the Arts Fluency-Oriented Workshop 改革力 東京大学 駒場キャンパス正門 東京大学ビジョン2020 049 改革力で卓越する大学 東京大学 048

Upload: others

Post on 10-Jun-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 東京大学 · 2018-10-09 · 東京大学は、機能転換の理念と具 2020」をまとめました。体的方針として「東京大学ビジョン そして、2017年6月に世界最

 

東京大学は、機能転換の理念と具

体的方針として「東京大学ビジョン

2020」をまとめました。

 

そして、2017年6月に世界最

高水準の教育・研究を展開できる大

学として、文部科学大臣から「指定

国立大学法人」の指定を受けました。

指定国立大学法人構想では、共感性

の高いビジョンとして、国際連合が

まとめた「持続可能な開発のための

2030アジェンダ」(SDGs)

を活用し、共通の未来社会ビジョン

を学内外で広げるとともに学際融合

分野・新分野の創出、キャンパスの

グローバル化、多様なセクターとの

協働などを効果的に推進するため、

総長を本部長とする未来社会協創推

進本部を設置しました。東京大学は、

全学の総力を結集して、ビジョン

2020に基づく改革を加速度的に

推し進めています。

世の中の変化をチャンスと捉え、果敢に挑戦できる人材「知のプロフェッショナル」を育てる

東京大学

〒113‐

8654

東京都文京区本郷7‐

3‐

入試事務室

TEL

03‐

5841‐

1222

https://www.u-tokyo.ac.jp/

学部段階で

3つの基礎力を鍛える

 

五神真総長が、総長に就任した

2015年10月に公表した行動指針

「東京大学ビジョン2020」は、

東京大学が「知の協創の世界拠点」

としての使命を担うための基本理念

として「卓越性と多様性の相互連

環」を掲げ、研究・教育・社会連

携・運営の4つの「ビジョン」、及

びそれを実現するための「アクショ

ン」で構成されています。

 

なかでも、受験生の皆さんにいち

ばん深く関係する「教育」では、公

共的な視点から主体的に行動し、新

たな価値創造に挑む「知のプロ

フェッショナル」の育成を目標にし

ています。

 

特に学部段階では、「自ら原理に

立ち戻って考える力」、「粘り強く考

え続ける力」、「自ら新しい発想を生

み出す力」という3つの基礎力を涵

養します。そのために、東京大学の

すべての学生が2年間を過ごす教養

学部前期課程では、多様な授業科目

を提供しています。また、学生の国

際感覚を鍛え、世界の多様な人々と

共に生き、共に働く力の育成にも

いっそう力を入れていきます。東京

分かれて入学し、駒場キャンパス

で最初の2年間を過ごします。こ

の間に自分の適性を見極めた上で

進学先を決定します。これがLate

Specialization

です。そして、早い

うちから学問分野の最先端に触れ、

専門課程に進むために必要な知識や

知的技能を身につけるのがEarly

Exposure

です。前期課程で幅広い

リベラルアーツ教育 (1)

をしっかりと

行い、多様な専門分野に適応する学

問的力量を養うのです。

 

東京大学は進学する学部・学科を

決めることを「進学振分け」と称し

ていましたが、2016年度から

「進学選択」という呼び方に改めて

います。「これは単なる名称の変更

石井洋二郎理事・副学長

大学は、学生の主体的な学びを促し、

世界の舞台で活躍する力を養成する

「世界最高の学びの場」の形成に向

けて、改革を推進しています。

幅広い教養教育で

後期課程へ向け

「進学選択」

 

東京大学の学部教育の特色は、入

学時に専門を決めず教養課程を経て

から専門を選ぶ「遅い専門化(Late

Specialization

)」と「早期学習経験

(Early Exposure

)」です。

 

進学先の学部が決まっている推薦

入試の学生と一部の留学生以外はす

べて、あらかじめ専門を選ぶのでは

なく、教養学部前期課程の6科類に

【社会連携】

価値創造から社会実装へ

東京大学ビジョン2020卓越性と多様性の相互連環

-「知の協創の世界拠点」として-

ビジョンを学内外で共有

「産学官民協働拠点」の形成イノベーション・エコシステムの充実

【研究】

価値創造に挑む学術の展開卓越した研究拠点の拡充・創設研究者雇用制度改革

【運営】

経営力強化 ―「運営」から「経営」へ―財源の多元化と経営資源の拡大、戦略的な資源再配分卒業生・支援者ネットワークの充実と連携強化

【教育】

「知のプロフェッショナル」の育成「国際卓越大学院」の創設教育改革と学生の多様性拡大

(1) リベラルアーツ教育 「東京大学憲章」にも掲げられているように、東京大学では学部教育の基礎としてリベラルアーツ教育を重視している。リベラルアーツを「種々の制約から自らを解き放ち、自由かつ柔軟に思考するための知識や技芸」と定義した上で、専門を学ぶ前は「これから学ぶ学問のための土台となり、真理探究の精神を涵養する」ものとして、専門を学んだ後は「自らの専門分野を相対化し、他分野や他者と関連づけながら柔軟かつ責任ある思考ができる素地を培う」ものとして、位置づけている。

(2) トライリンガル・プログラム(TLP) 教養学部で一定レベルの英語力を有すると認められる学生を対象として、日本語と英語に加え、もう一つの外国語を学ぶ特別プログラム。履修期間は前期課程在学中の1年半。修了要件を満たした履修生には、修了証が授与される。中国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語に加え、2018年度から韓国朝鮮語でも展開されている。また、実際に現地へ学生を派遣し、学生交流を含めて短期語学研修も実施している。

(3) グローバルリーダー育成プログラム(GLP-GEfIL:Global Education for Innovation and Leadership)

 GLP-GEfILは、国際社会における指導的人材の育成を目的とした、学部学生対象の教育プログラム。学部前期課程では、GLP指定科目の履修を基礎とし、後期課程では、語学力や意欲によって選抜された学生(100名程度)に分野横断型の特別教育プログラムが提供される。 授業はアクティブラーニング形式で、すべて英語で行われる。少人数のチームで、地球規模の課題について研究プロジェクトを設計・実践する。また、世界の第一線で活躍しているグローバルリーダーたちとの対話の機会も持つ。3・4年次に2回、海外トップレベルの大学の厳選された短期留学プログラムに参加する。海外派遣にあたっては、協賛企業の寄付による奨学金(最高100万円まで)が支給される。GLP-GEfILを修了した学生には、東京大学公式の修了証が交付される。

ではなく、理念上の大きな改革です。

大学側が点数だけで学生を〈振り分

ける〉のではなく、学生自らが〈主

体的に選択する〉という意味が込め

られているからです」と石井洋二郎

理事・副学長は説明します。

独自の教育プログラム

――初年次ゼミナール、

  

英語教育等

 

東京大学では、教育改革を推進す

る中で、前期課程教育の活性化に継

続的に取り組んでいます。その柱の

一つが、2015年度から開始され

た初年次ゼミナールです。

 

これは「ティーチング(教え授け

る)からラーニング(自ら学ぶ)へ

の転換」を目指した取り組みで、少

人数によるチュートリアル方式の授

業です。1クラス20名程度の小規模

なクラスで、学生が議論を通じて自

発的に学習する姿勢を培います。初

年次ゼミナールは文系・理系とも必

修で、入学直後の学期から開講し、

多様な分野の教員がさまざまな授業

を展開します。文系にとっては従来

の「基礎演習」の発展形ですが、理

系にとってはこれまでに前例のない

授業であり、教養学部だけでなく、

全学の教員の協力により実施されて

います。

 

また、前期課程では、英語教育

においても学生の主体的な学びを

重視する実践的なプログラムを実

施しています。学術的な文章作成

能力が身につく少人数授業として、

理科生向けのALESS(A

ctive Learning of English for Science Students

)と文科生向けのALE

SA(A

ctive Learning of English for Students of the A

rts

)が、そ

れぞれ2008年度、2013年度

から開講されています。さらに、英

語で論理的かつ流暢に議論ができる

ようなスピーキング力の養成を企図

したFLOW(Fluency-O

riented Workshop

)を2015年度から

開講しています。これらの科目は前

期課程の必修科目で、全学生がグ

ローバル社会に対応する能動的な英

語運用能力を身につけることを目指

します。

 

また、異なる言語・文化の環境に

触れ、国際交流の現場を体験し、グ

ローバルな視野を養うことを目標と

した科目「国際研修」が、2015

年度から開講されました。現地の学

生との合同実習等を含む短期の海外

研修や、海外の学生との合同国内研

修といった活動を行います。授業は、

必ずしも高度に専門的なものではな

く、リベラルアーツ教育の「総合的

な知」の構築を目指す授業内容と

なっており、学生にとって初めての

海外経験を後押しする科目として位

置づけています。

多彩なプログラムで

「グローバル人材」を育成

 

グローバル化の急速な進展に伴い、

国際的に活躍する人材には高度な英

語力はもとより、幅広い教養が求め

改革力東京大学

駒場Ⅰキャンパス正門

東京大学ビジョン2020

049 改革力で卓越する大学 東京大学 048

北海道・東北

関  

東京・神奈川

中  

近  

中国・四国

九 

Page 2: 東京大学 · 2018-10-09 · 東京大学は、機能転換の理念と具 2020」をまとめました。体的方針として「東京大学ビジョン そして、2017年6月に世界最

られるようになっています。そうし

た流れに対応するため、東京大学で

は「グローバルリーダー育成プログ

ラム(GLP)」に力を入れていま

す。GLPの一環として、2013

年度より教養学部では、日本語と英

語に加えもう一つの外国語の運用能

力に長けた人材を育成するための

「トライリンガル・プログラム(T

LP) (2)」を開始しました。

 

また、全学的には2015年度よ

り、国際社会での指導的人材を育成

するGLP-

GEfIL (3)

が、学部

3・4年生を対象に始動しています。

2017年秋には、GLP-

GEf

ILの第1期履修生38名がプログラ

ムを修了し、2018年には第4期

履修生を受け入れます。

世界の多様な人々と共に生き働く

「Go Global Gateway

」を開始

 

東京大学では、全ての学生に大学

生活を通じて、世界の多様な人々と

共に生き、共に働く力(国際総合

力)を身につけてもらいたいと考え、

2018年4月より国際総合力認定

制度「G

o Global G

ateway

」を開

始しました。

 

国際総合力は、「Ⅰ.

コミュニ

ケーションの力をつける」、「Ⅱ.

信を持って挑戦する」、「Ⅲ.

自らを

開き、多様性を受け入れる」、

「Ⅳ.

他者と協働し、リーダシップ

をとる」、そして、これらを身につ

けることで育まれる「Ⅴ.

自己を相

対化し、国際感覚をもつ」の5つの

要素から構成されます。学生時代に

これらの5つの要素をバランスよく

身につけて、世界の多様な人々と共

に生き、

共に働く人へと成長して

いってもらいたいという願いが込め

られた制度です。

 

国際総合力認定制度では、指定さ

れた条件を満たした学生に、

国際総

合力の基礎的な力が身についたもの

とし認定証を授与します。 取り組

んでもらうアクティビティは学内の

ものに限らず、各自の主体性を尊重

した制度になっています。

実行し

たアクティビティが承認されると活

動記録を残すことができ、ひとりひ

とりのポートフォリオが作成されま

す。入学後の早い時期から世界を意

識し、国際総合力を身につけるため

にどのような学びや体験が必要かを

考え、実行するために、本制度を積

極的に活用してもらいたいと考えて

います。

体験から学ぶ

東大オリジナルのプログラム

 

2015年度より導入した4学期

制を活用することで、夏休み期間を

活用したさまざまな体験活動を柔軟

に行えるようになりました。石井副

学長は、「海外の大学ではサマー・

プログラムを6月半ば過ぎから開講

しますが、今までのセメスター制で

は学生はそれに参加することができ

ませんでした。しかし、4学期制に

したことで、学生がその期間のター

ムの授業を取らないで海外に出かけ

ることができるようになりました。

また、海外から学生を受け入れるこ

とも容易になり、流動性が増すこと

が期待できます。2年次の6、7月

にはできるだけ必修科目を入れない

で、学生が動きやすくなるようにカ

リキュラムの工夫をしています」と

話します。

 

東京大学では、様々なチャレンジ

の仕組みを準備しています。海外に

出て語学や文化を勉強する国際体験

の他にも、ボランティアや社会活動

に積極的に関わる機会も多数提供し

ています。その一つが、異なる生活

や文化・価値観に触れるための「体

験活動プログラム」です。これは、

数日から1カ月くらいの期間、主に

休暇中に国内外を問わず様々な場所

でボランティア活動、就労体験、地

域活動やフィールドワークに参加し、

現地の体験をするプログラムです。

2012年からスタートした本プロ

グラムでは、これまで延べ1978

名の学生が参加し、正規の授業では

得られない貴重な学びを経験してい

ます。

社会的課題にチャレンジする

リーダー人材の育成

 

もう一つ、体験型プログラムとし

て「フィールドスタディ型政策協働

プログラム (4)

」が始まりました。こ

のプログラムは、社会的課題に果敢

にチャレンジするリーダー人材を育

成するため、趣旨に賛同していただ

いた県の協力を得て実施するもので

す。学生は、地方自治体から投げか

けられた課題を受け止め、現地を奔

走して体験を積みながら自ら考える

とともに、学内のあらゆるリソース

を活用して問題解決の糸口を探り出

すなど、現地と大学を行き来しなが

ら、一年をかけて課題解決の道筋の

提案を行います。初年度は10県にご

協力いただき、43名の学生が地域の

課題解決に向けて奔走しました。参

加した学生からは、地域の視点に立

つことで、日本や世界を見直す機会

となった、といった声がありました。

2018年には、協力県が14県に増

え、更に多くの学生が日本各地で活

躍する予定です。

 

そのほかにも多様な学生構成の実

現を図る方策として、全国7都市で

の東京大学主催の主要大学説明会や

女子高校生のための大学説明会の開

催のほか、在学女子学生による母校

訪問の実施、自宅外から通学する女

子学生向けの返還義務のない「さつ

き会奨学金」の創設などがあり、

2017年度からは、自宅からの通

学が困難な女子学生を対象に住まい

支援 (5)

を始めるなど、首都圏以外の

出身学生や女子学生への支援体制を

拡充しています。

 

このように、教育における独自の

プログラムに加えて、学生の多様性

を増すことで、さらに活力ある大学

を目指します。

理事からのメッセージ

 

石井副学長は「既成概念にとらわ

れない学生の自由で主体的な意欲が、

本学の最大の活力でもあります。そ

うした学生の多様性を研究上の卓越

性と結び付ける。換言すれば、教育

と研究を多様性によって卓越化する。

そういった大学を目指しています」

と話し、受験生には「東大に入るこ

と自体を目的にするのではなく、

東大で何をやりたいかを本気で考え

てほしい。志望や進路は途中で変化

していくかもしれませんが、常に明

確な目的意識をもって取り組んでも

らいたい。そういう意欲あふれる若

者を望んでいます」と話しています。

(4) フィールドスタディ型政策協働プログラム

 2017年度に開始したプログラム。地方自治体から投げかけられた課題に対し、学生が、(1)県や市町村に出かけ、一定期間滞在し、現地の人たちの声を聞き、具体的なニーズを発掘する、(2)東京大学の多様な研究者や専門家に相談したり、学内の資料等を活用し、さらには仲間と討議熟考したりする、(3)その上で課題解決の道筋を自治体及び地域の皆さんに提案する。現地活動にかかる経費の一部を、活動支援金として支給する。

(5) 女子学生向けの住まい支援 教養学部前期課程に入学する、自宅からの通学が困難な女子学生を対象に、2017年度から新たに開始した支援制度。駒場キャンパスに近く、セキュリティが高く、保護者が宿泊可能な、本学が提携する民間のマンション等の住まいを100室程度用意し、月3万円の家賃支援を2年間行う。

Ⅰ コミュニケーションの力をつけるCommunication & Language Skills

Ⅲ 自らを開き、多様性を受入れるOpen-mindedness & Flexibility

Ⅳ 他者と恊働し、リーダーシップをとるCollaboration & Leadership

Ⅱ 自信をもって挑戦するConfidence & Determination

世界の多様な人々と共に生き、共に働く力

Ⅴ 自己を相対化し、国際感覚をもつGlobal Perspective

駒場Ⅰキャンパス1号館

 

五神総長は、ビジョン2020の

中で、「学生の主体性を刺激する世

界最高の学びの場」と「知の協創の

世界拠点」の創設を掲げており、そ

のためには、「卓越性」とともに

「多様性」が重要であると強調して

います。こうした体験型プログラム

は、「多様性をもった学びの場」を

体現するものであり、国内外を問わ

ず実社会での多様なプログラムを体

験することができます。

多様性を重視して

〝世界最高の学びの場〞実現へ

 

東京大学は、多様な学生構成を目

標の一つとして掲げています。その

中でも、留学生の存在は重要です。

現在、2012年10月にスタートし

た教養学部英語コースPEAK

(Programs in

English

at

Komaba

)所属の学生を含め、世

界各国からやってきた約4000人

の留学生が東京大学に在籍していま

す。まさに世界から優秀な人材が集

うグローバル・キャンパスが形成され、

キャンパスにいながら国際交流がで

きる環境が整えられつつあります。

 

多様な学生構成の実現と学部教育

の更なる活性化をめざし、2016

年度入学者選抜から推薦入試を実施

しています。推薦入試の募集要項で

は、「学校の授業の内外で、自らの

興味・関心を生かして幅広く学び、

その過程で見出されるに違いない諸

問題を関連づける広い視野、あるい

は自らの問題意識を掘り下げて追究

するための深い洞察力を真剣に獲得

しようとする人を東京大学は歓迎し

ます」と述べています。多様なバッ

クグラウンドを持った学生にチャレ

ンジしてほしいと願っています。近

年、東京大学では関東圏の学生の比

率が増しており、地方からの学生が

少なくなりました。また、女子学生

の比率もなかなか上がってきていま

せん。この推薦入試の実施により、

そうした状況が少しでも改善される

ことを期待しています。

国際総合力の5つの要素

改革力東京大学

051 改革力で卓越する大学 東京大学 050

北海道・東北

関  

東京・神奈川

中  

近  

中国・四国

九