医療資源の偏在が北海道中頓別町における...

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医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~. 青山学院大学・国際マネジメント研究科 2008 年 11 月 26 日 国立社会保障・人口問題研究所 野口晴子. 本研究における問題意識. 地域医療崩壊の背景の 1 つとして、過疎地や不採算部門への医療サービスの提供、高度先進医療や地方への医師派遣など、民間医療機関では提供が困難な医療サービスの供給拠点として、これまで中心的役割を担っていた自治体病院が経営困難に陥っているという事情がある。 - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

医療資源の偏在が北海道中頓別町における患者の受診行動と医療費に与える影響について

~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

青山学院大学・国際マネジメント研究科

2008 年 11 月 26 日

国立社会保障・人口問題研究所野口晴子

Page 2: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

本研究における問題意識

地域医療崩壊の背景の 1 つとして、過疎地や不採算部門への医療サービスの提供、高度先進医療や地方への医師派遣など、民間医療機関では提供が困難な医療サービスの供給拠点として、これまで中心的役割を担っていた自治体病院が経営困難に陥っているという事情がある。

平成 18 年 6 月 15 日に成立した「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、とりわけ既に財政状況が悪化している地方において、自治体病院の経営悪化は地方財政に更なる負荷をかける。

地域医療の崩壊(本稿では、自治体病院の閉鎖)と一概にいっても、地域住民に対するその影響の深刻度は、当該地域及びその周辺部における医療資源の集中度や日常的な住民の受診行動パターンにより大きく異なる。

また、住民間でも個人属性によりその影響は異なる。

Page 3: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

研究の目的

北海道中頓別町における国民健康保険レセプトデータ(以下、国保レセプトデータと略す)を用いて、中頓別を中心とした広域地域における医療資源の偏在が患者の受診行動と医療費に与える効果を定量的に検証する。

仮に中頓別町内に医療機関が無かった場合、患者の受診行動と医療費にどういった影響があるかについて単純なシミュレーションを行う。

Page 4: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

分析の方法 (1)- 操作変数法による二段階推定

第 1 段階 Zd => dZZZZd '1' )(ˆ (1)

第 2 段階 dXy ˆ (2)

①第 1 段階では、患者の受診行動を示す指標として、中頓別町内における患者の居住地区から受診した医療機関までの直線距離( d)を用い、従属変数とする ( 距離関数)。

② 推計を行うに当たり、患者の居住地区は患者属性に関わり無くランダムに配置されていると仮定して、患者の居住地区から町内の医療機関が集中する中頓別地区までの直線距離( r)を第 1 段階における操作変数とする。

③ Zは、 r、及び、医療資源を中心とした地域と患者の属性(第 2 段階 (2) における X)を含む説明変数である。 π はそれぞれの説明変数について推定される係数群であり、 vは第1 段階における誤差項である。

Page 5: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

分析の方法 (2)- 操作変数法による二段階推定

第 1 段階 Zd => dZZZZd '1' )(ˆ (1)

第 2 段階 dXy ˆ (2)

①第 2 段階では、 (1) から導出された患者の移動距離の推定値( )を説明変数として投入し、医療費と診療実日数( y)に与える効果を検証する。

②yは、患者の 1ヶ月当たり診療報酬合計点数、 1ヶ月当たり診療実日数、 1 日当たりの診療報酬点数の 3 つを用い、それぞれの従属変数についての回帰分析を個別に行う。

③β はそれぞれの説明変数について推定される係数群であり、  は患者の移動距離に対する推計値、 ε は第 2 段階における誤差項である。

④操作変数の有効性:

0)|( rE )()|( dErdE

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分析の方法 (3)- 患者の移動距離に対する仮説

患者の移動距離( )が長くなるほど、医療サービスの需要に伴う機会費用としての通院時間は長くなるが、これはもっぱら患者側の負担する移動コストであって、医療費を示す診療報酬点数に直接的には反映されない。

しかし、入院であれば家族による世話や見舞いにかかる機会費用が増加し入院日数を短縮し、入院外であれば通院回数を減らそうとするかもしれない。

入院日数や通院回数の減少は 1 日又は 1回当たりの診療内容を密にし、自動的に 1 日又は 1回当たりの医療費を引き上げる可能性がある。

あるいは、患者の移動距離( )の長さは、患者がより質の高い医療資源を求めた結果の行動であるとするならば、入院日数や通院回数が減る以上に 1 日又は 1回当たりの医療費が増加し、総医療費を引き上げることになる。

さらに、移動距離の機会費用は入院よりも入院外における方が高いと考えられる。

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分析で用いるデータ (1)

北海道宗谷地区枝幸郡中頓別町における 5 年間( 2003 年 4 月 1 日 -2007 年 3 月 31 日)の国保レセプト( N=84,364 )のうち、病院及び診療所での受診レセのみ (N=58,390) を対象

<除外サンプル>薬局( N= 19,196 )、歯科( N= 5,338 )、針灸・整骨院( N= 1,209 )、住所など受診医療機関属性が特定できないサンプル (N=22,487)

分析対象となるのは、延べで入院レセ数が2,069(入院レセ総数 3,874:利用率 53.4%) 、入院外レセ数が 34,065(入院外レセ総数 80,490:利用率 42.3%) である。

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分析で用いるデータ (2)

WAM NET(www.wam.go.jp) の病院・診療所情報 ① 患者の居住地区から受診した医療機関(住所)までの

距離② 医療機関の一般病床数(病院 or有床・無床診療所)③医療機関の救命救急入院料の有無④医療機関の特定集中治療室管理料の有無 ⑤検査・治療・手術に関する基準の有無

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分析で用いるデータ (3)

⑤検査・治療・手術に関する基準の有無=>主成分得点

< 検査 > 心臓カテーテル法による諸検査の血管内視鏡検査、画像診断管理加算 1 、画像診断管理加算 2 、遠隔画像診断、ポジトロン断層撮影( PET )、単純 CT撮影及び単純 MRI撮影、特殊CT撮影及び特殊MRI撮影

< 治療 > 心大血管疾患リハビリテーション料 (I) 、心大血管疾患リハビリテーション料 (II) 、脳血管疾患等リハビリテーション料 (I) 、脳血管疾患等リハビリテーション料 (II ) 、運動器リハビリテーション料 (I) 、運動器リハビリテーション料 (II ) 、呼吸器リハビリテーション料 (I) 、呼吸器リハビリテーション料 (II )

<手術 > 内視鏡下椎弓切除術、内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方切除術に限る)、脳刺激装置植込術、頭蓋内電極植込術又は脳刺激装置交換術、脊髄刺激装置植込術又は脊髄刺激装置交換術、経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)、経皮的中隔心筋焼灼術、ペースメーカー移植術、ペースメーカー交換術、両心室ペースメーカー移植術、両心室ペースメーカー交換術、埋込型除細動器移植術及び埋込型除細動器交換術、大動脈バルーンパンピング法( IABP 法)、補助人工心臓、生体部分肝移植術、体外衝撃波胆石破砕術、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術

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中頓別町の概要

出所:Mapion都道府県地図、http://www.mapion.co.jp/map/admi01.html

中頓別町ホームページ、http://www.town.nakatombetsu.hokkaido.jp/nakatombetsu.nsf./doc/gaiyo?OpenDocument

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受診地域別の年間診療実日数総計と診療報酬点数総計との相関(入院)

図表2-1:受診地域別の年間診療実日数総計と年間診療報酬合計点数総計との相関(入院)注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

2003

2003

2003

2003

2006

2004

2004

2004

2004

2005

2005

2005

2005

2006

2006

2006

2007

2007

2007

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000

年間診療実日数総計(日)

年間

診療報酬

合計

点数総

計(単位:1

,000

点)

中頓別町

上川北部

道央

中頓別町以外の宗谷地区

上川中部

2007

2007

2003

20062005

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受診地域別の年間診療実日数総計と診療報酬点数総計との相関(外来)

図表2-2:受診地域別の年間診療実日数総計と年間診療報酬合計点数総計との相関(入院外)注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

2003

2003

2004

2004

2005

2005

2006

2006

2007

2007

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000

年間診療実日数総計(日)

年間

診療報酬

合計

点数総

計(単位:1

,000

点)

中頓別町

上川北部

上川中部

道央

中頓別町以外の宗谷地区

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居住地区別・医療機関所在地別レセプト件数から計測した実効率及び越境受診率(入院)

サンプル数

中頓別地区 中頓別地区以外 中頓別地区 中頓別地区以外医療機関所在地 A. 中頓別町内 1,026 753 273 27,420 17,636 9,784 B. 中頓別町外 1,043 652 391 13,375 6,365 7,010 B-1. 中頓別町以外宗谷医療圏内 69 18 51 1,104 673 431 B-2. 上川中部医療圏 376 270 106 2,356 1,245 1,111 B-3. 上川北部医療圏 446 275 171 8,677 3,673 5,004 B-4. 留萌医療圏 0 0 0 6 5 1 B-5. 道央 140 89 51 1,123 703 420 B-6. 道南 12 0 12 84 53 31 B-7. 道東 0 0 0 25 13 12 C. 総計 2,069 1,405 664 40,795 24,001 16,794実効率・越境受診率中頓別町内 (A/C) 49.59% 53.59% 41.11% 67.21% 73.48% 58.26%中頓別町外 (B/C) 50.41% 46.41% 58.89% 32.79% 26.52% 41.74%

(B- 1/ C)同一二次医療圏(宗谷) 3.33% 1.28% 7.68% 2.71% 2.80% 2.57%((A+B- 1)/ C)宗谷医療圏 52.92% 54.88% 48.80% 69.92% 76.28% 60.83%

上川中部医療圏 (B-2/C) 18.17% 19.22% 15.96% 5.78% 5.19% 6.62%上川北部医療圏 (B-3/C) 21.56% 19.57% 25.75% 21.27% 15.30% 29.80%

図表3-1:入院/入院外別・居住地区別・医療機関所在地別レセプト件数、及び、レセプト件数から計測した実効率及び越境受診率入院 入院外

患者居住地区 中頓別町全体 中頓別町 中頓別町全体 中頓別町

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中頓別地区から患者居住地区までの距離と中頓別町内実効率との相関(入院)

図表4-1:中頓別地区からの患者居住地区までの距離とレセプト件数から計測した中頓別町内実効率との相関(入院)注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

弥生, 19

寿, 14

豊泉, 75

兵安, 111

神崎, 12藤井, 25

上駒, 18

敏音知, 50

豊平, 29

上頓別, 54

岩手, 7

小頓別, 72

秋田, 30

中頓別, 1,405

旭台, 69

松音知, 79

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

中頓別からの距離(km)

中頓

別町

内実

効率

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中頓別地区から患者居住地区までの距離と上川中部への越境受診率との相関(入院)

図表4-2:中頓別地区からの患者居住地区までの距離とレセプト件数から計測した上川中部への越境受診率との相関(入院)注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

弥生, 19

旭台, 69

兵安, 111

神崎, 12

松音知, 79

上頓別, 54

岩手, 7

小頓別, 72

秋田, 30

中頓別, 1,405

寿, 14豊泉, 75

藤井, 25

上駒, 18

敏音知, 50 豊平, 29

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

中頓別からの距離(km)

上川

中部越境

受診率

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中頓別地区から患者居住地区までの距離と上川北部への越境受診率との相関(入院)

図表4-3:中頓別地区からの患者居住地区までの距離とレセプト件数から計測した上川北部への越境受診率との相関(入院)注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

弥生, 19

旭台, 69

兵安, 111

神崎, 12

松音知, 79

上頓別, 54

岩手, 7

小頓別, 72

秋田, 30中頓別, 1,405

寿, 14

豊泉, 75

藤井, 25

上駒, 18敏音知, 50

豊平, 29

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

中頓別からの距離(km)

上川

北部越境

受診率

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中頓別地区から患者居住地区までの距離と中頓別町内実効率との相関(入院外)

図表5-1:中頓別地区からの患者居住地区までの距離とレセプト件数から計測した中頓別町内実効率との相関(入院外)注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

豊泉, 455

上駒, 621

中頓別, 24,001

弥生, 544

寿, 228

旭台, 2,318

兵安, 4,218

神崎, 172

藤井, 1,081

松音知, 1,700

敏音知, 893

豊平, 717

上頓別, 1,129

岩手, 232

小頓別, 2,025

秋田, 461

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

中頓別からの距離(km)

中頓

別町

内実

効率

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中頓別地区から患者居住地区までの距離と上川中部への越境受診率との相関(入院外)

図表5-2:中頓別地区からの患者居住地区までの距離とレセプト件数から計測した上川中部への越境受診率との相関(入院外)

注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

神崎, 172

上頓別, 1,129

秋田, 461

中頓別, 24,001

弥生, 544

寿, 228旭台, 2,318

豊泉, 455

兵安, 4,218

藤井, 1,081

上駒, 621松音知, 1,700

敏音知, 893豊平, 717

岩手, 232 小頓別, 2,025

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

中頓別からの距離(km)

上川

中部越境

受診率

Page 19: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別地区から患者居住地区までの距離と上川北部への越境受診率との相関(入院外)

図表5-3:中頓別地区からの患者居住地区までの距離とレセプト件数から計測した上川北部への越境受診率との相関(入院外)

注)バブルサイズはレセプト件数に比例する。

兵安, 4,218

神崎, 172

上頓別, 1,129

岩手, 232

秋田, 461

中頓別, 24,001

弥生, 544寿, 228

旭台, 2,318

豊泉, 455

藤井, 1,081

上駒, 621

松音知, 1,700

敏音知, 893 豊平, 717

小頓別, 2,025

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

中頓別からの距離(km)

上川

北部越境

受診率

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基本統計量 (1): 医療費及び診療実日数

中頓別地区(N=1325)

中頓別地区外(N=642)

a/ 中頓別地区(N=18151)

中頓別地区外(N=12365)

a/

A. 医療費及び診療実日数A-1. 1ヶ月当たり診療報酬点数合計(点) 33,488 33,164 34,157 2,138 2,236 1,995 ***

(38,274) (36,914) (40,960) (2,278) (2,445) (2,001)A-2. 1ヶ月当たり診療実日数合計(日) 17.318 18.546 14.785 *** 2.625 2.750 2.443 ***

(12.037) (12.304) (11.054) (2.347) (2.538) (2.020)1日当たり診療報酬点数(点:A-1/A-2) 2,349 2,204 2,650 *** 905 904 905

(2,321) (2,249) (2,437) (750) (717) (796)

中頓別町

6-2: 図表 中頓別町国保レセプト・データにおける入院・入院外別、患者居住地区別の患者及び受診医療機関属性入院 入院外

中頓別町全体(N=1967)

中頓別町全体(N=30516)

中頓別町

患者居住地区

中頓別内(N=1019)

中頓別外(N=996)

a/ 中頓別内(N=26260)

中頓別外(N=10687)

a/

A. 医療費及び診療実日数A-1. 1ヶ月当たり診療報酬点数合計(点) 33,488 20,407 45,257 *** 2,138 1,878 1,490 ***

(38,274) (14,703) (48,095) (2,278) (1,572) (2,709)A-2. 1ヶ月当たり診療実日数合計(日) 17.318 15.150 18.702 *** 2.625 2.326 1.781 ***

(12.037) (10.802) (12.375) (2.347) (2.091) (1.583)1日当たり診療報酬点数(点:A-1/A-2) 2,349 1,730 3,038 *** 905 923 846

(2,321) (1,087) (3,015) (750) (690) (1,176)

図表6-1: 中頓別町国保レセプト・データにおける入院・入院外別、受診地域別の患者及び受診医療機関属性入院 入院外

中頓別町全体(N=1967)

受診医療施設地域 b/中頓別町全体(N=30516)

受診医療施設地域 b/

受診医療施設のある地域

Page 21: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

基本統計量 (2-1):受診地域別・医療機関属性

中頓別内(N=1019)

中頓別外(N=996)

a/ 中頓別内(N=26260)

中頓別外(N=10687)

a/

B. 受診医療機関属性 c/

居住地区から受診医療機関までの距離(km) 56.469 2.194 111.500 *** 21.256 2.471 76.922 ***

(69.031) (4.532) (60.450) (39.252) (4.308) (56.966) 20<=病床数<100(=1) 0.553 1.000 0.095 *** 0.667 0.865 0.092 ***

(0.490) (0.000) (0.290) (0.417) (0.328) (0.277) 100<=病床数<300(=1) 0.141 0.000 0.281 *** 0.030 0.000 0.120 ***

(0.345) (0.000) (0.446) (0.142) (0.000) (0.307) 300<=病床数<500(=1) 0.212 0.000 0.436 *** 0.094 0.000 0.379 ***

(0.402) (0.000) (0.494) (0.248) (0.000) (0.471) 病床数>=500(=1) 0.064 0.000 0.128 *** 0.024 0.000 0.092 ***

(0.241) (0.000) (0.330) (0.130) (0.000) (0.278) 救命救急入院料有り(=1) 0.015 0.000 0.030 *** 0.004 0.000 0.015 ***

(0.122) (0.000) (0.170) (0.054) (0.000) (0.115) 特定集中治療室管理料有り(=1) 0.040 0.000 0.080 *** 0.011 0.000 0.041 ***

(0.192) (0.000) (0.268) (0.094) (0.000) (0.190) 検査に関する基準による主成分得点 0.197 -0.455 0.996 *** -0.108 -0.455 0.735 ***

(1.257) (0.000) (1.533) (0.683) (0.000) (1.346) 治療に関する基準による主成分得点 0.357 -0.596 0.474 *** -0.182 -0.596 0.186 ***

(1.271) (0.000) (0.845) (0.709) (0.000) (0.724) 手術に関する基準による主成分得点 0.223 -0.087 1.267 *** -0.142 -0.123 1.066 ***

(1.128) (0.000) (1.561) (0.718) (0.087) (1.525)

図表6-1: 中頓別町国保レセプト・データにおける入院・入院外別、受診地域別の患者及び受診医療機関属性入院 入院外

中頓別町全体(N=1967)

受診医療施設地域 b/中頓別町全体(N=30516)

受診医療施設地域 b/

受診医療施設のある地域

Page 22: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

基本統計量 (2-2):患者居住地区別・医療機関属性

中頓別地区(N=1325)

中頓別地区外(N=642)

a/ 中頓別地区(N=18151)

中頓別地区外(N=12365)

a/

B. 受診医療機関属性 b/

居住地区から受診医療機関までの距離(km) 56.469 52.215 65.249 *** 21.256 16.669 27.988 ***

(69.031) (68.431) (69.487) (39.252) (39.024) (38.611) 20<=病床数<100(=1) 0.553 0.578 0.502 *** 0.667 0.716 0.594 ***

(0.490) (0.486) (0.496) (0.417) (0.396) (0.435) 100<=病床数<300(=1) 0.141 0.173 0.075 *** 0.030 0.027 0.034 ***

(0.345) (0.376) (0.260) (0.142) (0.135) (0.152) 300<=病床数<500(=1) 0.212 0.162 0.315 *** 0.094 0.063 0.138 ***

(0.402) (0.359) (0.461) (0.248) (0.200) (0.299) 病床数>=500(=1) 0.064 0.055 0.082 ** 0.024 0.022 0.026 **

(0.241) (0.224) (0.272) (0.130) (0.123) (0.139) 救命救急入院料有り(=1) 0.015 0.012 0.023 * 0.004 0.006 0.002 ***

(0.122) (0.107) (0.147) (0.054) (0.065) (0.031) 特定集中治療室管理料有り(=1) 0.040 0.025 0.070 *** 0.011 0.011 0.011

(0.192) (0.151) (0.254) (0.094) (0.094) (0.094) 検査に関する基準による主成分得点 0.197 0.100 0.398 *** -0.108 -0.148 -0.049 ***

(1.257) (1.155) (1.425) (0.683) (0.585) (0.802) 治療に関する基準による主成分得点 0.357 0.218 0.644 *** -0.182 -0.244 -0.091 ***

(1.271) (1.181) (1.397) (0.709) (0.667) (0.758) 手術に関する基準による主成分得点 0.223 0.108 0.460 *** -0.142 -0.221 -0.027 ***

(1.128) (1.040) (1.260) (0.718) (0.609) (0.839)

中頓別町

6-2: 図表 中頓別町国保レセプト・データにおける入院・入院外別、患者居住地区別の患者及び受診医療機関属性入院 入院外

中頓別町全体(N=1967)

中頓別町全体(N=30516)

中頓別町

患者居住地区

Page 23: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

基本統計量 (3):患者属性

中頓別内(N=1019)

中頓別外(N=996)

a/ 中頓別内(N=26260)

中頓別外(N=10687)

a/

C. 患者属性中頓別地区居住者(=1) 0.674 0.732 0.621 *** 0.595 0.639 0.464 ***

(0.469) (0.443) (0.485) (0.491) (0.480) (0.499) 女性(=1) 0.556 0.610 0.490 *** 0.577 0.580 0.586 **

(0.497) (0.488) (0.500) (0.494) (0.494) (0.493) 年齢(歳) 77.543 82.072 72.954 *** 74.358 75.545 71.355 ***

(12.159) (9.829) (12.400) (13.053) (12.114) (14.181) 非課税区分(=1) 0.630 0.645 0.614 0.540 0.553 0.522 ***

(0.483) (0.479) (0.487) (0.498) (0.497) (0.499) 退職医療資格者の一般受診による1割差額支給(=1) 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001

(0.032) (0.031) (0.032) (0.033) (0.034) (0.029) 診療開始日からの月数>90日(中央値)(=1) 0.422 0.638 0.201 *** 0.614 0.705 0.261 ***

(0.494) (0.481) (0.401) (0.487) (0.456) (0.439)

図表6-1: 中頓別町国保レセプト・データにおける入院・入院外別、受診地域別の患者及び受診医療機関属性入院 入院外

中頓別町全体(N=1967)

受診医療施設地域 b/中頓別町全体(N=30516)

受診医療施設地域 b/

受診医療施設のある地域

中頓別地区(N=1325)

中頓別地区外(N=642)

a/ 中頓別地区(N=18151)

中頓別地区外(N=12365)

a/

C. 患者属性女性(=1) 0.556 0.543 0.583 * 0.577 0.600 0.544 ***

(0.497) (0.498) (0.494) (0.494) (0.490) (0.498) 年齢(歳) 77.543 79.126 74.276 *** 74.358 76.247 71.586 ***

(12.159) (11.028) (13.652) (13.053) (11.486) (14.625) 非課税区分(=1) 0.630 0.700 0.484 *** 0.540 0.578 0.486 ***

(0.483) (0.458) (0.500) (0.498) (0.494) (0.500) 退職医療資格者の一般受診による1割差額支給(=1) 0.001 0.001 0.002 0.001 0.001 0.001 *

(0.032) (0.027) (0.039) (0.033) (0.037) (0.027) 診療開始日からの月数>90日(中央値)(=1) 0.422 0.448 0.369 *** 0.614 0.627 0.596 ***

(0.494) (0.497) (0.483) (0.487) (0.484) (0.491)

中頓別町

6-2: 図表 中頓別町国保レセプト・データにおける入院・入院外別、患者居住地区別の患者及び受診医療機関属性入院 入院外

中頓別町全体(N=1967)

中頓別町全体(N=30516)

中頓別町

患者居住地区

Page 24: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

第 1 段階(距離関数)の推定結果 - 受診機関属性の影響 (1)

B. 受診医療機関属性 b/20<=病床数<100(=1) -29.030 *** -14.068 ***

(4.752) (0.492)100<=病床数<300(=1) 86.141 *** 33.132 ***

(5.452) (1.695)300<=病床数<500(=1) 13.204 * 54.219 ***

(7.475) (2.316)病床数>=500(=1) -24.473 ** 68.441 ***

(10.646) (3.168)救命救急入院料有り(=1) 47.432 *** 3.015

(7.586) (3.302)特定集中治療室管理料有り(=1) 82.274 *** 86.043 ***

(6.191) (2.493)検査に関する基準による主成分得点 14.278 *** -3.263 ***

(1.859) (0.596)治療に関する基準による主成分得点 21.594 *** 40.979 ***

(1.888) (0.946)手術に関する基準による主成分得点 -12.163 *** -17.147 ***

(1.562) (0.619)

a/疾病コード無し

図表7: 患者属性及び受診医療機関属性が患者の受診行動に与える効果(OLS推定)

従属変数:居住地区から受診医療機関までの距離(km)

入院 入院外

a/疾病コード無し

Page 25: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

第 1 段階(距離関数)の推定結果 - 患者属性の影響 (2)

C. 患者属性女性(=1) -6.143 *** -0.099

(1.665) (0.300)年齢(歳) 0.034 0.053 ***

(0.075) (0.013)非課税区分(=1) -0.441 0.466

(1.810) (0.322)退職医療資格者の一般受診による1割差額支給(=1) 47.973 ** -5.475

(23.574) (4.354)診療開始日からの月数>90日(中央値)(=1) -9.861 *** -6.055 ***

(1.773) (0.327)

a/疾病コード無し

図表7: 患者属性及び受診医療機関属性が患者の受診行動に与える効果(OLS推定)

従属変数:居住地区から受診医療機関までの距離(km)

入院 入院外

a/疾病コード無し

Page 26: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

第 1 段階(距離関数)の推定結果 - 操作変数 (r) の影響 (2)

患者の居住地区:弥生 -0.182 0.148(1.423) (0.244)

患者の居住地区:寿 -5.796 * 1.523 **

(3.305) (0.666)患者の居住地区:旭台 -1.088 -0.496 *

(1.866) (0.275)患者の居住地区:豊泉 -4.509 ** 0.257

(1.881) (0.551)患者の居住地区:兵安 -0.090 1.286 ***

(0.529) (0.083)患者の居住地区:神崎 -0.868 0.979 ***

(1.027) (0.250)患者の居住地区:藤井 4.880 -0.144

(3.391) (0.450)患者の居住地区:上駒 19.229 *** 0.463

(4.973) (0.698)患者の居住地区:松音知 -0.374 1.044 ***

(0.683) (0.123)患者の居住地区:敏音知 4.388 *** 2.277 ***

(0.399) (0.084)患者の居住地区:豊平 -0.395 0.531 ***

(0.491) (0.085)患者の居住地区:上頓別 -0.238 0.588 ***

(0.370) (0.069)患者の居住地区:岩手 -2.817 *** -0.436 ***

(0.887) (0.138)患者の居住地区:小頓別 1.188 *** 0.232 ***

(0.251) (0.042)患者の居住地区:秋田 2.425 *** 0.374 ***

(0.361) (0.077)Adj R-squared 0.771 0.583観察値調査対象者数

a/疾病コード無し

図表7: 患者属性及び受診医療機関属性が患者の受診行動に与える効果(OLS推定)

従属変数:居住地区から受診医療機関までの距離(km)

入院 入院外

a/疾病コード無し

1967394

Page 27: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (1)- 中頓別町入院レセ平均

図表 8:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (中頓別町入院レセ平均:N=1043/2069(中頓別町外の医療施設利用率:50.4%))

95% confidential interval=(16.28, 206.93)

Page 28: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (2)- 中頓別入院レセ

Appendix図 8-1:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (中頓別町・中頓別地区入院レセ平均:N=652/1405(中頓別町外の医療施設利用率:46.4%))

95% confidential interval=(21.76, 201.17)

Page 29: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (3)-兵安入院レセ

Appendix図 8-6:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (中頓別町・兵安地区入院レセ平均:N=59/111(中頓別町外の医療施設利用率:53.2%))

95% confidential interval=(9.07, 209.56)

Page 30: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (4)-松音知入院レセ

Appendix図 8-10:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (中頓別町・松音知地区入院レセ平均:N=34/79(中頓別町外の医療施設利用率:43.0%))

95% confidential interval=(25.29, 233.72)

Page 31: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (5)-小頓別入院レセ

Appendix図 8-15:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (中頓別町・小頓別地区入院レセ平均:N=26/72(中頓別町外の医療施設利用率:36.1%))

95% confidential interval=(26.98, 237.08)

Page 32: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (1)- 中頓別町入院外レセ平均

図表 9:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲

(中頓別町外来レセ平均:N=13375/40795(中頓別町外の医療施設利用率:32.8%))

95% confidential interval=(76.40,106.42)

Page 33: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (2)- 中頓別入院外レセ

Appendix図表 9-1:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲(中頓別町・中頓別地区外来レセ平均: N=6365/24001(中頓別町外の医療施設利用率: 26.5%))

95% confidential interval=(95.61, 113.73)

Page 34: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (3)-兵安入院外レセ

Appendix図表 9-6:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲(中頓別町・兵安地区外来レセ平均: N=1738/4218(中頓別町外の医療施設利用率: 41.2%))

95% confidential interval=(96.19, 119.93)

Page 35: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (4)-松音知入院外レセ

Appendix図表 9-10:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲(中頓別町・松音知地区外来レセ平均:N=660/1700(中頓別町外の医療施設利用率: 38.8%))

95% confidential interval=(77.46,103.38)

Page 36: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲 (5)-小頓別入院外レセ

Appendix図表 9-15:過去 5年間の国保レセプトを用いた中頓別町外における医療施設選択の推定行動範囲(中頓別町・小頓別地区外来レセ平均: N=1350/2025(中頓別町外の医療施設利用率: 66.7%))

95% confidential interval=(54.94,79.03)

Page 37: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

第 2 段階の推定結果(入院) - 受診機関属性の影響 (1)

B. 受診医療機関属性 b/居住地区から受診医療機関までの距離(km) 114 *** 132 * 0.007 -0.036 8 *** 9 **

(34) (69) (0.007) (0.022) (2) (4)20<=病床数<100(=1) 4,879 5,315 -5.673 *** -9.313 *** 408 790 ***

(4,966) (5,078) (2.002) (1.642) (530) (304)100<=病床数<300(=1) 14,564 * 12,875 1.417 7.843 *** 337 -359

(8,638) (8,369) (2.227) (2.706) (598) (501)300<=病床数<500(=1) -4,827 -5,034 -0.870 9.002 *** -106 -1,337 ***

(9,244) (7,407) (2.602) (2.395) (746) (443)病床数>=500(=1) 3,449 3,973 -2.952 8.207 ** 778 -384

(11,551) (10,737) (3.307) (3.472) (965) (642)救命救急入院料有り(=1) 3,551 2,653 3.513 ** 5.707 ** 28 95

(10,102) (8,360) (2.133) (2.703) (714) (500)特定集中治療室管理料有り(=1) -1,860 -3,396 3.748 * 10.441 *** -705 -1,468 ***

(8,822) (8,430) (1.971) (2.726) (689) (504)検査に関する基準による主成分得点 -251 -555 -0.054 -0.863 -19 79

(1,992) (2,168) (0.512) (0.701) (160) (130)治療に関する基準による主成分得点 770 381 -1.880 *** -3.788 *** 68 330 **

(2,971) (2,409) (0.718) (0.779) (220) (144)手術に関する基準による主成分得点 11,042 *** 11,271 *** 0.383 -2.165 *** 542 *** 875 ***

(1,886) (1,780) (0.462) (0.576) (150) (106)

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

パネル推定ランダム効果

1日当たり診療報酬点数(点)図表10-1: 患者属性及び受診医療機関属性が診療報酬点数及び診療実日数に与える効果(入院:疾病統計コードによる調整無し)

回帰分析 I I

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

回帰分析 III

従属変数

1ヶ月当たり診療報酬点数合計(点)回帰分析 I

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

1ヶ月当たり診療実日数合計(日)

Page 38: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

第 2 段階の推定結果(入院) - 患者属性の影響 (2)

C. 患者属性女性(=1) 3,007 3,156 * 0.179 0.378 182 130

(1,934) (1,763) (0.691) (0.570) (185) (105)年齢(歳) 255 ** 254 *** 0.114 *** 0.071 *** -5 2

(111) (74) (0.026) (0.024) (9) (4)非課税区分(=1) -2,572 -2,547 1.117 * 3.174 *** -187 -478 ***

(1,838) (1,730) (0.657) (0.559) (169) (103)退職医療資格者の一般受診による1割差額支給(=1) 4,854 3,971 1.760 -0.837 928 1,093

(15,965) (24,973) (10.787) (8.075) (685) (1,494)診療開始日からの月数>90日(中央値)(=1) -5,322 *** -5,075 ** 0.738 0.901 -251 ** -388 ***

(1,635) (2,021) (0.608) (0.654) (127) (121)全体の決定係数 0.175 - 0.092 - 0.168 -

Wald Chi2

Tests of overidentifying restrictions

観察値調査対象者数

103.035Chi-sq(14)P-val= 0.0000

Wald chi2(19)=295.47,Prob > chi2=0.0000

-

- 27.042Chi-sq(14)

P-val=0.0190

Wald chi2(19)=211.46,Prob > chi2=0.0000

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

パネル推定ランダム効果

1日当たり診療報酬点数(点)図表10-1: 患者属性及び受診医療機関属性が診療報酬点数及び診療実日数に与える効果(入院:疾病統計コードによる調整無し)

回帰分析 I I

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

回帰分析 III

従属変数

1ヶ月当たり診療報酬点数合計(点)回帰分析 I

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

1967394

1ヶ月当たり診療実日数合計(日)

Wald chi2(19)=92.19,Prob > chi2=0.0000

-

-48.483Chi-sq(14)

P-val=0.0000

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第 2 段階の推定結果(入院外) - 受診機関属性の影響 (1)

B. 受診医療機関属性 b/居住地区から受診医療機関までの距離(km) 9 *** 7 *** 0.002 ** -0.005 * 3 *** 4 ***

(1) (3) (0.001) (0.003) (0) (1)20<=病床数<100(=1) 143 ** 426 *** -0.256 *** -0.117 ** 280 *** 303 ***

(59) (53) (0.073) (0.056) (19) (17)100<=病床数<300(=1) 612 ** 1,324 *** 0.381 * 2.350 *** 113 -258 ***

(247) (174) (0.219) (0.184) (89) (57)300<=病床数<500(=1) 51 1,350 *** -0.608 ** 1.541 *** 223 * 254 ***

(338) (244) (0.296) (0.258) (131) (80)病床数>=500(=1) -200 2,405 *** -2.689 *** 1.334 *** 1,166 *** 1,315 ***

(640) (321) (0.589) (0.340) (274) (106)救命救急入院料有り(=1) 160 -390 0.530 0.824 *** -396 * -750 ***

(537) (281) (0.354) (0.297) (224) (93)特定集中治療室管理料有り(=1) -657 -509 * 0.416 0.338 -460 ** -74

(462) (305) (0.348) (0.323) (179) (100)検査に関する基準による主成分得点 455 *** 196 *** 0.616 *** 0.260 *** -109 ** -137 ***

(113) (51) (0.094) (0.054) (47) (17)治療に関する基準による主成分得点 -246 * -381 *** 0.099 -0.350 ** -32 108 **

(145) (129) (0.112) (0.137) (55) (43)手術に関する基準による主成分得点 4 -180 *** 0.005 -0.216 *** -14 -95 ***

(90) (68) (0.070) (0.072) (34) (23)

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

図表11-1: 患者属性及び受診医療機関属性が診療報酬点数及び診療実日数に与える効果(入院外:疾病統計コードによる調整無し)

従属変数

1ヶ月当たり診療報酬点数合計(点) 1ヶ月当たり診療実日数合計(日) 1日当たり診療報酬点数(点)回帰分析 I 回帰分析 I I 回帰分析 III

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

Page 40: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

第 2 段階の推定結果(入院外) - 患者属性の影響 (2)

C. 患者属性女性(=1) -45 -20 -0.036 0.038 -39 -33 ***

(119) (25) (0.136) (0.027) (35) (8)年齢(歳) 37 *** 33 *** 0.042 *** 0.036 *** 3 *** 4 ***

(3) (1) (0.004) (0.001) (1) (0)非課税区分(=1) 117 ** 131 *** 0.105 ** 0.488 *** 27 * -79 ***

(53) (26) (0.043) (0.027) (15) (9)退職医療資格者の一般受診による1割差額支給(=1) 1,344 * 2,496 *** 0.300 -0.054 281 * 646 ***

(786) (371) (0.266) (0.393) (166) (122)診療開始日からの月数>90日(中央値)(=1) -581 *** 16 -0.702 *** -0.134 *** 20 68 ***

(52) (32) (0.051) (0.033) (14) (10)全体の決定係数 0.083 - 0.038 - 0.089 -

Wald Chi2

Tests of overidentifying restrictions

観察値調査対象者数

30516708

Wald chi2(19)=2620.04,Prob > chi2=0.0000

- 321.660Chi-sq(14)

P-val=0.0000 -388.312Chi-sq(14)

P-val= 0.0000691.310Chi-sq(14)

P-val=0.0000

Wald chi2(19)=2200.73,Prob > chi2=0.0000

- Wald chi2(19)=625.58,

Prob > chi2=0.0000-

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

図表11-1: 患者属性及び受診医療機関属性が診療報酬点数及び診療実日数に与える効果(入院外:疾病統計コードによる調整無し)

従属変数

1ヶ月当たり診療報酬点数合計(点) 1ヶ月当たり診療実日数合計(日) 1日当たり診療報酬点数(点)回帰分析 I 回帰分析 I I 回帰分析 III

パネル推定ランダム効果

同時決定パネル推定(Two Step GMM) a/

Page 41: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

仮に中頓別町内に医療機関が存在しない場合の患者の受診行動及び医療費のシミュレーション

( ) Std Dv: 入院 外来 入院 外来 入院 外来現状 移動距離(km) 56.469 21.256 - - - -

(60.775) (29.991) (-) (-) (-) (-) 診療報酬点数合計(点) 33,488 2,138 1,097,845 1,087,432 13,200,000 13,000,000

(16,198) (708) (430,073) (151,419) (4,780,157) (1,982,333)中頓別町に医療施設が無かった場合 移動距離(km) 109.465 60.692 - - - -

(35.109) (20.951) (-) (-) (-) (-) 診療報酬点数合計(点) 40,499 2,414 1,327,681 1,227,861 15,900,000 14,700,000

(11,513) (651) (548,528) (150,509) (6,295,816) (1,957,528)中頓別町に診療所が無かった場合 移動距離(km) - 28.115 - - - -

(-) (34.158) (-) (-) (-) (-) 診療報酬点数合計(点) - 2,186 - 1,111,856 - 13,300,000

(-) (660) (-) (151,093) (-) (1,974,862)中頓別町に病院が無かった場合 移動距離(km) - 61.521 - - - -

(-) (28.676) (-) (-) (-) (-) 診療報酬点数合計(点) - 2,420 - 1,230,815 - 14,800,000

(-) (725) (-) (192,344) (-) (2,525,376)

患者1人当たり1ヶ月間 中頓別町全体1ヶ月間 1中頓別町全体 年間図表12:中頓別町内に医療機関が存在しない場合の患者の受診行動及び医療費のシミュレーション

Page 42: 医療資源の偏在が北海道中頓別町における 患者の受診行動と医療費に与える影響について ~過去 5 年間における国民健康保険レセプトデータに基づく実証分析~

結果の考察 (1)

中頓別町を含む宗谷医療圏の実効性は、たとえば泉田( 2000 )によって検証された千葉県・長野県・福岡県の都市部での約 8-9 割からみると低いが、 3県の農村部と比較すると大体同程度か又は比較的高い水準にある。

中頓別町の国保患者については、宗谷医療圏における実効率のほとんどを中頓別町内の医療機関、とりわけ、中頓別町国民健康保険病院が担っている。 

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結果の考察 (2) 中頓別町の国保患者の受診行動は、入院・入院外とも

に、病床数や検査・治療・手術等の医療資源に有意に依存している。

入院に関しては、病床数 100床以上の中・大病院、救命救急、特定集中治療室、検査と治療の主成分得点の高さが受診行動範囲を拡大する誘因になっている。

入院外に関しても、病床数 100床以上の中・大病院、特定集中治療室、リハビリを中心とした治療の主成分得点の高さが受診行動範囲を拡大する誘因になっている。

逆に、入院・入院外ともに、 20床以上 100床未満の病院や手術の主成分得点については、移動距離を短縮させる傾向にある。

患者属性では、入院・入院外ともに、診療日からの日数が 90 日を越えている慢性的な病態の場合に、医療距離が短い傾向にあることがわかる。

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結果の考察 (3)

第 2次医療圏の実効性を視覚的に検証した結果、中頓別町を含む宗谷医療圏が中頓別町以北に設置されているのに対して、患者の受診行動は同一医療圏内よりもむしろ、中頓別町から南側に隣接する上川支庁、とりわけ、名寄市や士別市を含む上川北部へ広がっていることがわかる。泉田 (2000) が指摘するように、国民健康保険における市区町村の保険者機能を考えると、これは財政上非効率的であり、二次医療圏については設定の仕方を今一度検討する必要がある。

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結果の考察 (4) 操作変数法による二段階推定の結果、入院・入院外ともに、

患者と医療機関属性を調整した上で、患者の移動距離が 1ヶ月当たり診療報酬に対して有意に正の効果がある。

入院については、患者の移動距離が 1km 広がると、単純パネル回帰で 114 点、同時決定パネル回帰では 132 点医療費が増加する。

入院外については、患者の移動距離が 1km広がるとそれぞれ 9 点と 7 点医療費が増加する。

この結果は、おそらく、移動距離が伸びることで患者の機会費用が上がるため診療実日数が若干下がるが、その分 1日の診療内容が密になることで単位当たりの診療報酬点数が増加し、結果的に 1ヵ月間の医療費を押し上げていると考えられる。

1 日当たりの診療報酬が増加する理由としては、遠方まで来たのだからより密度の高い医療サービスを受けることで便益を上げようとする患者主導のものなのか、あるいは、医療資源の集中した都市部での受診により需要が誘発されているのか、この結果からは判断できない。

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結果の考察 (5)

単純なシミュレーションを行った結果、仮に中頓別町内に医療施設が無かった場合、患者の移動距離は、入院で56km から 109km まで広がり、患者 1 人当たり 1ヶ月間の医療費が約 33万円から 40万円、中頓別町全体では約1,100万円から 1,300万円、 1 年間で約 1.3億円が 1.6億円まで増加する。また、入院外についても、移動距離は21kmから 61kmまで広がり、患者 1 人当たり 1ヶ月間の医療費が 21,000円から 24,000円、中頓別町全体では約1,100万円から 1,200万円、 1 年間で約 1.3億円が 1.5億円まで増加することになる。

以上の結果から、中頓別町内から医療施設が無くなることは、患者の受診行動範囲を必然的に拡大し、患者にとって機会費用が大きくなるばかりではなく、国民健康保険の保険者としての中頓別町の財政に更なる負荷をかけることになる。したがって、中頓別町の国保患者に限って言えば自治体病院を存続させることが町民の利益と町の財政の双方を維持することにつながるであろう。

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今後の課題 (1)

本稿で得られた結論は、北海道宗谷地区の過疎地域である中頓別町固有の結果であって、一般化することは決してできない。しかし、地域や住民の属性にかかわらず地域医療の実態と今後の課題を客観的・実証的に検討できるような普遍的な分析のフレームワークを構築する作業は今後とも行わなければならない。

本稿では、患者の居住区から中頓別地区までの距離( r )によって患者の受診行動範囲が変化することから、を操作変数としたが、とりわけ入院のモデルについての有効性は疑わしい。より適切な操作変数を模索するか、あるいは、操作変数法以外の統計的手法を用いるかは本研究の今後の課題としたい。

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今後の課題 (2)

本稿で試みたように、患者の受診行動と医療費との関係性を解明するためには、 omitted variables や内生性という統計学上の諸問題のモデルへの影響をできるだけ小さくするような工夫をする必要がある。たとえば、本稿においても、限定されたサンプルによる分析結果ではあるが、疾病分類の有無により回帰分析の結果が大きく左右される。そういった統計学上の諸問題に対処する可能性を広げる意味でも、今後、レセプトデータに代表されるような医療資源の収集・整備・活用のあり方を検討していく必要があるだろう。