震災時にクラウドでできたこと by jaws-ug
DESCRIPTION
2011年5月20日 IIJ様/さくらインターネット様主催の勉強会「クラウド・VPS関係者と震災、何ができて何ができなかったのか」 http://atnd.org/events/15564 での、サーバーワークス発表資料です。 東日本震災時に、JAWS-UGがクラウドを効果的に活用できた理由について述べるとともに、今回の震災で注目を浴びた「キャッシュサイト」については「今後はキャッシュサイトをたてないようにしましょう」という提言を行っています。 ※今回、様々な方がボランティアで立ち上げられたキャッシュサイトを否定しているわけではありません。今回キャッシュサイトが立ち上がったお陰で微妙な問題が明らかになったので、今度はキャッシュに頼らないインフラを作ることに全力を傾けましょう、という提案ですTRANSCRIPT
震災時に クラウドでできたこと
サーバーワークス 大石 良
@ooishi
今日、Amazonの手下が
わざわざIIJさんまで乗り込んできたワケ
赤ずきんちゃんに 会えるかもしれない!
赤ずきんちゃん~♪
こんなにいるんです!
赤ずきんちゃんは クラウド業界
最大の関心事
対して Amazonのコンパニオンは・・・
段ボール ェ・・・
設営だってセルフサービス
パートナーからもがっつり徴収
人がやっと横になれる スペースに
まさかの**万円!
展示会だってAmazon Way • 無人 & プログラマブル • オンデマンド&セルフサービス • あらゆるリソースに課金
作るしかない
• Amazon EC2のコンソール+自動化
• AWSの自動リソース監視
• Amazon CloudFrontの自動化
800ユーザー 3,000インスタンス
震災時、 クラウドで 何ができたか
時系列
3・11 3~4日 1~2週間 2週間~
時系列①直後
3・11
3~4日
サイトダウンの理由
被災者: 救急医療など、支援が受けられる場所を探す目的で
非被災者: 義援金やボランティア活動など、支援できる方法を探す目的で
Amazon CloudFront = CDN
技術面
時系列②義援金ラッシュ
3・11
1~2週間
Load Balancer / SSL TerminaIon
MySQL MySQL
SMTP Web Web Web Web Web Web Web ・・・・
レプリケーション
シンガポール
構築2時間 開発48時間
時系列③放射能問題
3・11
2週間~
Web Web Web
操作・監視
アイレットさん AWS移行
時期に応じて クラウド提供形態を変えてきた
3・11 3~4日 1~2週間 2週間~
クラウドのニーズ
緊急対応=CDN
緊急開発インフラとしてのクラウド利用
DR対応
復興支援
活用できた理由
1. 普段からプロフェッショナル不在を意識していた 2. 自動化の仕組みを作っていた – Amazon側にAPIがあった – APIを使ったラッピングをしていた
3. 時期に応じてクラウドの提供形態を変えてきた 4. Amazonがパートナーをオーガナイズしていた
次の災害時に
役立つための 2つの提案
何ができて 何ができなかった?
視点の転換
何が役に立って 何が役に立たないのか?
爆速ホスティング無料です! って3月13日に 発表しましたが・・・
クラウド無料です。どうぞ!
って、
「手術室解放しましたからどうぞ」 っていうくらい役に立たない
被災者視点での 役に立つクラウド
プロフェッショナル不在の場合:
サービス すぐ使える 誰でも使える
プロフェッショナルが居る場合:
ハンズオン おまかせ (まるなげ)
2つ目の微妙な問題
キャッシュサイト
震災時: 情報の受け取り側の状況
パニック
何が正しいか判断する余裕が無い
デマが蔓延しやすい
キャッシュサイトが容認されてしまうと 誤った情報、悪意のある情報、賞味期限の過ぎた情報を意図せず ばらまくことになりかねない
新たな詐欺 パニックの原因に
提案
キャッシュ やめませんか?
JAWS-‐UGでは キャッシュしなかった
提案
キャッシュ やめませんか?
クラウド売りまくりで解決
考察
• IIJ堂前さんの「JPRS側をダイレクトに書き換えようと思った」というアイディア – やらなかったことが素晴らしい。緊急時でもインターネットのルールを守ったことで、将来にわたる信頼性が担保された
– アイディアも素晴らしい。今後議論すべき。 • 地方自治体のドメインをlg.jpもしくは地域ドメインに統一すべき • その上で①地方自治体のDNSサーバーは、24h365dの対応ができ、かつ物理的に離れた2拠点以上で運用することができる企業に限定してホスティングさせることを義務づけるか ②緊急時にJPRS側に依頼をかければ書き換えても良いというオーソライズを、都道府県とJPRS等で事前に契約しておく。書き換え先は、事前に競争入札で選定した「緊急時にDNS+ウェブサイトを運用できる地元企業」にする 等、災害時に向けたDNSの可用性+柔軟性を保つ制度作りを平時より準備しておく
※本ページは2011年5月20日発表時にはなかったものです。
まとめ
1. クラウドは震災に役立つ 2. 「クラウドどうぞ」は役に立たない 役立つ支援には、いずれかが必要 – 極端に簡単にパッケージングしておくか – プロフェッショナルがいつでも投入できるようにしておくか
3. キャッシュは微妙 クラウドを売りまくって、キャッシュの必要が無いITインフラを作ろう!
最後に・・・
謝意
• 日本赤十字様からのメッセージ
事例として使って下さい 事例を出して、がっつり儲けて がっつり寄付して下さい
サーバーワークスについて
商号 株式会社サーバーワークス
設立 2000年2月
URL hYp://www.serverworks.co.jp
代表者 大石 良(twiYer: @ooishi )
事業内容 クラウド関連サービスの提供 クラウド(IaaS)移行コンサルティング システム開発
ありがとうございました
@ooishi