星めぐり、時を超えイーハトーブを探しに行こう

宮沢賢治生誕120年37年という短い生涯を全力で駆け抜け、

今もなお多くの人を魅了する

詩人・童話作家の宮沢賢治が、

花巻に生を受けて今年で１２０年を迎える。

花巻市ではこれを記念し

さまざまなイベントを開催。

森羅万象と対話し

「ほんとうのさいわい」を見つめ続けた

賢治の「物語の世界」に触れることができる。

1819

記念事業オープニングセレモニー「童話村の森ライトアップ点灯式」では、鹿踊りやイーハトーブ音楽隊によるアトラクションも行われ、点灯式に華やぎを添えた。

ロゴデザインは全国から216点の応募があり、愛媛県松山市の公務員、渡部 潤さんの作品が選ばれた。賢治愛用の帽子をシンボルマークに据え、さまざまな作品の要素を盛り込んでいる。

　

１８９６年（明治29年）８月27日に花巻に生まれ、１９９３

年９月21日（昭和８年）に花巻で37年の生涯を閉じた宮沢賢

治。生誕１２０年となる今年、４月29日から10月23日までのお

よそ半年間、「宮沢賢治生誕１２０年記念事業」が花巻市内各

所で開催されている。

　

会場のひとつ「宮沢賢治童話村」では、賢治の作品世界を表

現した「童話村の森ライトアップ」を実施。その幻想的な光景

がインターネット、SNSなどで話題を集めている。これまで

開催してきた賢治生誕周年事業のなかでも「初めての試み」

であるライトアップは、童話村内の屋外エリア「妖精の小径」

「山野草園池」「芝生広場」を舞台に、賢治の作品「銀河鉄道

の夜」「どんぐりと山猫」の世界観を演出。コンセプトは『現

実と幻想のはざま』。豊かな自然の中に施された新素材の偏光

フィルターとステンドグラスを使った光の演出が、さまざまな

種類の木々や山野草の緑、水面のきらめきと融合し、現実と

架空が入り交じる、賢治作品独特の情景や色彩を創り出して

いる。

　

ライトアップは10月23日までの期間中、指定日に開催。ま

たライトアップのある日（８月11日から14日を除く）は「ナイ

トミュージアム」として童話村内の施設「賢治の学校」をはじ

め、周辺の宮沢賢治記念館、宮沢賢治イーハトーブ館、花巻市

博物館、花巻新渡戸記念館の閉館時間（通常16時30分）を19時

まで延長（７月、８月は19時30分まで）。さらに屋台やキッチ

ンカーによる軽食・飲み物の販売も行う（10月を除く）。

　「宮沢賢治記念館」では、宮沢賢治生誕１２０年を記念して

「雨ニモマケズ」が書かれた賢治自筆の手帳と、高村光太郎が

揮毫した「雨ニモマケズ」詩碑の原文を展示。どちらも宮沢賢

治記念館では初公開、特に傷みの激しい直筆手帳は、今では

展示されることがほとんどなく、実物をこの目で見るまたとな

い機会となっている。

　

ほかにも音楽や映像のステージ、ナイトミュージアム、光と

音が織りなす花火ファンタジー、国際研究大会など、期間中

はさまざまな催しが行われる。世代を問わず楽しめるプログ

ラムが多いのも１２０年記念ならでは。賢治ファンはもちろ

んのこと「賢治をあまり知らない」という人にとっても、楽し

みながらその作品世界や賢治の生きざまに触れることができ

る。時を超え、今も多くの人を魅了し続ける「賢治の世界」を

多くの人に楽しんでもらいたい。

【山野草園池】池に設置されたオブジェの、水面に写り込む光が遊歩道へと誘う。奥には

「銀河鉄道の夜」に登場する南十字をイメージした光のオブジェを設置。

【妖精の小径】偏光フィルターを貼り合わせたダイヤモンド型のオブジェは、「銀河鉄道の夜」に登場する金剛石をイメージ。生い茂る木々の中に光が浮かび、反射しあう幻想的な空間が広がる。

【芝生広場】広場の中央に、どんぐりをモチーフにした巨大なオブジェを設置。内部のミラーボールがキラキラと輝き、遠くからもその光を楽しむことができる。

宮沢賢治生誕120年そのほかのプログラム

〈イーハトーブフェスティバル〉 開催日　8月26日金〜28日日　　　　16時〜20時30分 会　場　宮沢賢治童話村 屋外ステージ音楽、映像、文学など、多様な芸術と宮沢賢治の作品世界とのつながりを、一線で活躍するゲストを迎え、スペシャルトークやライブ、映像上映を通じて紹介。賢治の作品世界に多面的にアプローチする。

〈ナイトミュージアム〉 開催日　「童話村の森ライトアップ」のある日　　　　 （8月11日〜14日を除く） 時　間　 19時まで（7月、8月は19時30分まで） 会　場　 宮沢賢治記念館、宮沢賢治童話村「賢

治の学校」、宮沢賢治イーハトーブ館、花巻市博物館、花巻新渡戸記念館

「童話村の森ライトアップ」に合わせ、施設の開館時間を延長。

〈宮沢賢治記念館 特別展〉 「雨ニモマケズ」展

開催日　8月20日土〜28日日賢治の『雨ニモマケズ手帳』の実物などを展示。

「賢治の青春」展 開催日　9月17日土〜25日日同人誌『アザリア』全6巻のほか、賢治が保阪嘉内に宛てた書簡などを展示。

「賢治と石」展 開催日　10月1日土〜平成29年3月31日金鉱物、地質学の側面から、賢治を紐解く。

〈第4回国際研究大会〉 開催日　8月27日土13時〜18時 　　　　8月28日日9時〜15時30分 　　　　8月29日🈷エクスカーション（有料・要事前申込） 会　場　なはんプラザ・ホテルグランシェール花巻 入場料　無料（資料ご希望者1、000円）「イーハトーブは今どこにあるのか」をテーマに、国内外の賢治の愛好者・研究者を招き記念講演やシンポジウム、研究発表などを開催。

〈賢治祭（特別プログラム）〉 開催日　9月16日金17時30分〜20時 会　場　花巻市文化会館ゲスト　藤原真理（チェロ奏者）「賢治祭」特別プログラムとして「音楽と演劇の夕べ」を開催。

開催日　9月21日水16時30分〜21時 会　場　「雨ニモマケズ」詩碑前広場 入場料　無料賢治の命日9月21日に毎年行われる「賢治祭」。演劇や朗読、座談会を通じて賢治を偲ぶ。

〈イーハトーブフォーラムinHANAMAKI〉 光と音のページェント　花火ファンタジー 開催日　8月20日土19時30分〜20時45分 会　場　北上川河川敷会場でしか味わえない感動。花火と音楽が織りなす幻想的な一夜を楽しめる。

第19回イーハトーブの里　ツーデーマーチ 開催日　8月20日土〜21日日 参加料　500円〜2,200円イーハトーブの里花巻をウォーキングで巡る全8コース（5キロ〜40キロ）。

ほかにも関連プログラムも多数。詳細はホームページhttp://www.kenji120.jp/

「現実と幻想のはざま」で触れる賢治の世界

童話村の森ライトアップ

「雨ニモマケズ」直筆の手帳など

秘蔵品の特別展示も

★星めぐり、時を超えイーハトーブを探しに行こう 宮沢賢治生誕120年

童話村の森ライトアップ

◎開催日　７月▶16日〜18日　８月▶11日〜14日　　 　20日〜28日　９月▶17日〜25日　10月▶８日〜10日　　　 21日〜23日◎時　間　18時30分〜21時　 （季節によって前後する場合があります）

◎会　場　宮沢賢治童話村 屋外エリア◎入場料　無料

2021