な よ ろ え ん べ つ 一般道道名寄...
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一般道道名寄な よ ろ
遠別え ん べ つ
線
再評価原案準備書説明資料
平成20年度
北海道開発局
資料 2-8
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目 次
1.事業の概要.........................................1
(1)目的 ···········································1
(2)計画の概要 ·····································3
(3)経緯 ···········································4
(4)事業化以降の周辺環境の変化 ·····················5
(5)事業の進捗状況 ·································6
2.事業の必要性等.....................................7
(1)客観的評価指標「都道府県道」 ···················7
(2)事業の投資効果 ································16
3.事業の進捗の見込み................................18
4.コスト縮減及び代替案立案等の可能性................19
5.関係する地方公共団体等の意見......................20
6.対応方針(案)....................................21
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1.事業の概要
(1)目的
名寄遠別線は、名寄市から幌加内町を経由し遠別町に至る延長
約90kmの一般道道です。
このうち、幌加内町字蕗之台ふきのだい
~遠別町字正 修せいしゅう
までの延長約21.
9kmが開発道路に指定され、事業を進めています。
当該道路は、交通不能区間の解消による新たな交通ネットワー
クの構築、高次医療機関へのアクセス向上、災害による孤立化集
落の解消等に寄与する道路です。
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■位置図
■事業概要図
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(2)計画の概要
① 起点 ‥‥北海道ほっかいどう
雨竜うりゅう
郡幌加内ほろかない
町字蕗之台ふきのだい
終点 ‥‥北海道ほっかいどう
天塩て し お
郡遠別えんべつ
町字正 修せいしゅう
② 計画延長 ‥‥21.9km
③ 幅員 ‥‥8.0m
④ 構造規格 ‥‥3種4級
⑤ 設計速度 ‥‥40km/h
⑥ 車線 ‥‥2車線
⑦ 事業主体 ‥‥北海道開発局
■横断図
(単位:m)
–
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(3)経緯
昭和49年度 開発道路指定
事業化
用地補償着手
工事着手
昭和63年度~平成17年度まで14.1kmを北海道へ引継
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(4)事業化以降の周辺環境の変化
当該事業周辺では、昭和49年度の事業化以降、平成15年度
までに北海道縦貫自動車道が士別剣淵ICまで供用し、平成18
年度までに一般国道40号名寄バイパス(名寄IC-智恵文IC
間)が開通しています。また、平成20年5月には「萌える天北
オロロンルート」がシーニックバイウェイ北海道の指定ルートに
認定されています。
遠別町では、平成5年4月に道の駅「富士見」が、平成13年
7月に最北の海水浴場「みなくるびーち」がオープンしています。
また、平成20年4月には名寄市に道の駅「もち米の里☆なよろ」
がオープンしています。
みなくるびーち平成13年7月 オープン
写真:留萌開発建設部、旭川開発建設部、遠別町、萌える天北オロロンルート代表者会議
萌える天北オロロンルート平成 20 年 5月シーニックバイウェイ
北海道指定ルートに認定
道の駅富士見平成5年4月 オープン
道の駅
もち米の里☆なよろ平成20年4月 オープン
北海道縦貫自動車道平成15年10月
和寒 IC~士別剣淵 IC 間
供用開始
名寄バイパス平成18年11月
名寄 IC~智恵文 IC まで
供用開始
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(5)事業の進捗状況
当該事業は、平成20年度末で、用地進捗率76%、事業進捗
率78%です。
測量・地質調査 100%
設計 91%
用地進捗率 76%
事業進捗率 78%
※用地進捗率は用地補償費投入ベース 平成20年度末
※事業進捗率は事業費投入ベース 凡例:数字は進捗率
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2.事業の必要性等
(1)客観的評価指標「都道府県道」
政策目標 指 標資料
ページ
○ 現道等の年間渋滞損失時間(人・時間)及び削減率
□ 現道等における混雑時旅行速度が20km/h未満である区間の旅行速度の改善が期待される
□現道又は並行区間等における踏切交通遮断量が10,000台時/日以上の踏切道の除去もしくは交通改善が期待され
る
□ 現道等に、当該路線の整備により利便性の向上が期待できるバス路線が存在する
□ 新幹線駅もしくは特急停車駅へのアクセス向上が見込まれる
円滑なモビリティ
の確保
□ 空港法による空港もしくは共用飛行場へのアクセス向上が見込まれる
□ 重要港湾もしくは特定重要港湾へのアクセス向上が見込まれる
■ 農林水産業を主体とする地域において農林水産品の流通の利便性向上が見込まれる 12~13物流効率化の支援
□ 現道等における、総重量25tの車両もしくはISO規格背高海上コンテナ輸送車が通行できない区間を解消する
□ 都市再生プロジェクトを支援する事業である
□ 広域道路整備基本計画に位置づけのある環状道路を形成する
□ 市街地再開発、区画整理等の沿道まちづくりとの連携あり
□ 中心市街地で行う事業である
□ 幹線都市計画道路網密度が1.5km/km2以下である市街地内での事業である
□ DID区域内の都市計画道路整備であり、市街地の都市計画道路網密度が向上する
都市の再生
□対象区間が現在連絡道路がない住宅宅地開発(300戸以上又は16ha以上、大都市においては100戸以上又は5ha以
上)への連絡道路となる
□ 地域高規格道路の位置づけあり
□ 当該路線が隣接した日常活動圏中心都市間を最短時間で連絡する路線を構成する
■ 現道等における交通不能区間を解消する 8
□ 現道等における大型車のすれ違い困難区間を解消する
国土・地域ネットワ
ークの構築
□ 日常活動圏中心都市へのアクセス向上が見込まれる
□ 鉄道や河川等により一体的発展が阻害されている地区を解消する
□ 拠点開発プロジェクト、地域連携プロジェクト、大規模イベントを支援する
■ 主要な観光地へのアクセス向上が期待される 14
□ 特別立法に基づく事業である
1
活
力
個性ある地域の形
成
□ 新規整備の公共公益施設へ直結する道路である
□
自転車交通量が500台/日以上、自動車交通量が1,000台/12h以上、歩行者交通量が500人/日以上の全てに該当す
る区間において、自転車利用空間を整備することにより、当該区間の歩行者・自転車の通行の快適・安全性の向
上が期待できる
歩行者・自転車のた
めの生活空間の形
成□ 交通バリアフリー法に基づく重点整備地区における特定路線を形成する区間が新たにバリアフリー化される
□ 対象区間が電線類地中化5ヶ年計画に位置づけあり無電柱化による美
しい町並みの形成 □市街地又は歴史景観地区(歴史的風土特別保存区域及び重要伝統的構造物保存地区)等の幹線道路において新た
に無電柱化を達成する
2
暮
ら
し
安全で安心できる
くらしの確保■ 二次医療施設へのアクセス向上が見込まれる 9~10
□現道等に死傷事故率が500件/億台キロ以上である区間が存する場合において、交通量の減少、歩道の設置又は線
形不良区間の解消等により、当該区間の安全性の向上が期待できる安全な生活環境の
確保□
当該区間の自動車交通量が1,000台/12h以上(当該区間が通学路である場合は500台/12h以上)かつ歩行者交通量
100人/日以上(当該区間が通学路である場合は学童、園児が40人/日以上)の場合、又は歩行者交通量500人/日
以上の場合において、歩道が無い又は狭小な区間に歩道が設置される
■ 近隣市へのルートが1つしかなく、災害による1~2箇所の道路寸断で孤立化する集落を解消する 11
□
対象区間が、都道府県地域防災計画、緊急輸送道路ネットワーク計画又は地震対策緊急整備事業計画に位置づけ
がある、又は地震防災緊急事業五ヶ年計画に位置づけのある路線(以下「緊急輸送道路」という)として位置づ
けあり
□ 緊急輸送道路が通行止になった場合に大幅な迂回を強いられる区間の代替路線を形成する
□現道等の防災点検又は震災点検要対策箇所もしくは架替の必要のある老朽橋梁における通行規制等が解消され
る
□ 避難路へ1km以内で到達できる地区が新たに増加する
3
安
全
□ 幅員6m以上の道路がないため消火活動が出来ない地区が解消する
災害への備え
□ 現道等の事前通行規制区間、特殊通行規制区間又は冬期交通障害区間を解消する
地球環境の保全 ● 対象道路の整備により削減される自動車からのCO2排出量 15
○ 現道等における自動車からのNO2排出削減率(三大都市圏のみ算出)
○ 現道等における自動車からのSPM排出削減率(三大都市圏のみ算出)
□現道等で騒音レベルが夜間要請限度を超過している区間について、新たに要請限度を下回ることが期待される区
間がある
4
環
境生活環境の改善・保
全
□ その他、環境や景観上の効果が期待される
□ 道路の整備に関するプログラム又は都市計画道路整備プログラムに位置づけられている
□ 関連する大規模道路事業と一体的に整備する必要あり他のプロジェクト
との関係□ 他機関との連携プログラムに位置づけられている
5
そ
の
他 その他 □ その他、対象地域や事業に固有の事情等、以上の項目に属さない効果が期待される
注:●は定量的に評価を行う指標
■は効果のある指標
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客観的評価指標①
「現道等における交通不能区間を解消する」
一般道道名寄遠別線は、延長約7.8kmが交通不能区間にな
っています。
当該路線の整備により、名寄市・幌加内町と遠別町を結ぶ新た
な道路ネットワークが形成され、住民生活の利便性の向上や物流
効率化等が期待されます。
交通不能区間
L=7.8km
資料:住民基本台帳(H20.3.31)
遠別町住民の名寄遠別線
全線開通に対する期待度
無回答 6.9%
まったく期待しない 6.1%
やや期待する23.7%
どちらとも言えない 9.9%
非常に期待する 47.3%
あまり期待しない 6.1%
資料:留萌開発建設部「平成20年度管内の道路整備に関する
アンケート調査(対象:遠別町住民 N=131)
●遠別町から名寄市の道路が完成されることにより、旭川市への利便性が飛躍的に良くなり、遠別町の米作・
酪農・漁業の流通の効率化が図られることが期待されます。又、沿線の豊富な森林資源の開発や地下資源
にも将来的な期待があります。更に、冬期の国道232号通行止め時の迂回路となることで、安全・安心
な暮しの確保が図られることに期待しています。
【住民アンケート調査より(70 代男性)】
●内陸部の名寄方面から日本海沿岸部への最短ルートとなり、新たな観光ルートが形成され、交流人口の増
加による遠別町の活性化に期待しています。
【住民アンケート調査より(50 代男性)】
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客観的評価指標②
「二次医療施設へのアクセス向上が見込まれる」
<救急搬送の状況>
遠別町立国保病院への救急搬送は年間120件程度発生してお
り、転院搬送率は約53%となっています。転院搬送は、名寄市
立総合病院、市立稚内病院、留萌市立病院及び旭川市の救命救急
センター等へ搬送しています。
冬期の国道232号及び国道40号は地吹雪等による通行止め
が発生し、市立稚内病院や名寄市立総合病院への搬送が困難な場
合は、留萌市立病院へ搬送せざるを得ない状況であり、搬送時間
の増加が課題となっています。
当該路線の整備により冬期交通障害時の救急搬送の迅速性・安
全性の向上が期待されます。■ 遠別町からの救急搬送の実態(平成 19 年 1月~12 月)
資料:北留萌消防組合消防署遠別支署 (冬期:1月~3月,11月~12月)
●遠別消防署では、病院間の転院搬送が大変多く、冬季間も例外ではなく吹雪であろうと要請
はあります。稚内市・留萌市へ吹雪の中出動することは 2次災害も予測されます。しかし、
名寄遠別線は、内陸であり吹雪には左右されないため、患者の方を名寄市立総合病院又旭川
市内の病院へ搬送するのも容易と思われます。そのためにも早期開通が望まれます。
【住民アンケート調査より(40 代男性 消防職員)】
●医療過疎地では、充分な医療を受けられない現状にあり、安心して生活するためには、救急医療体制の充
実を図ることが重要となっています。そのためにも、高次救急医療に対応できる名寄市立総合病院との連
携が必要であり、当該施設と直結する名寄遠別線の整備は医療過疎地である遠別町における喫緊の課題と
なっています。 【遠別町立国保病院ヒアリングより】
■ 冬期交通障害時の救急搬送の状況
名寄市立総合病院
地方センター病院
冬期交通障害
時にも救急搬
送が確保され
ます!!
市立稚内病院
留萌市立病院
地域センター病院
冬期間は地吹雪等
による交通障害が
頻繁に発生
遠別町立国保病院
地域センター病院
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<地域医療の実態>
遠別町住民の受療は、町内の診療科目(内科、外科、小児科、
婦人科)が少ないことから町外への依存度が高く、名寄市、旭川
市、札幌市の遠隔地病院への広域的な通院が行われています。
特に産科では、前置胎盤等のハイリスク分娩や初産の場合は、
名寄市立総合病院や旭川市内の病院等で受療することが多くなっ
ており、当該路線の整備により、地方センター病院である名寄市
立総合病院や総合周産期母子医療センター※の認定を受けた旭川
厚生病院までのアクセスが向上するとともに、広域的な通院行動
の支援等が図られ、地域医療の確保に寄与することが期待されま
す。
■ 遠別町住民の広域的な通院の状況
23.0% 22.3% 5.9% 35.7% 9.8% 3.3%
55.0% 8.8% 9.5% 9.5% 16.0% 1.3%
25.8% 22.7% 28.1% 13.4% 10.0%
21.5% 9.9% 14.1% 13.4% 34.9% 6.3%
26.8% 10.4% 6.7% 37.8% 10.0% 8.4%
17.7% 17.2% 16.1% 43.5% 5.4%
20.5% 8.7% 17.6% 10.4% 19.6% 23.3%
30.7% 12.3% 25.4% 2.2% 7.9% 21.5%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
循環器科
整形外科
脳神経外科
皮膚科
泌尿器科
産科
眼科
耳鼻咽喉科
旭川市 名寄市 札幌市 稚内市 留萌市 その他
過去 5 年間
(H14~H18)の
遠別町の出生数は
計 118人!資料:遠別町役場調べ
資料:留萌開発建設部「平成20年度管内の道路整備に関するアンケート調査(対象:沿線住民 N=131)
※総合周産期母子医療センター:
合併症のある妊娠や重い妊娠中毒症、胎児の異常など、リスクが高
い妊娠に対応するため24時間態勢で妊産婦と新生児を受け入れ
る医療施設。
※遠別町にない診療科目を掲載
●周産期母子医療センターの認定を受けているのは道北では旭川厚生病院のみであり、緊急時に迅速な対応
が可能となるためにも、拠点病院へのアクセス向上が必要であり、そのためにも、時間短縮や冬期でも安
全な移動が可能な名寄遠別線の整備が期待されます。 【遠別町立国保病院ヒアリングより】
●名寄市の病院(特に産科)を受診しやすくなることに期待しています。【住民アンケート調査より(30 代女性)】
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客観的評価指標③
「近隣市へのルートが1つしかなく、災害による1~2箇所の道
路寸断で孤立化する集落を解消する」
名寄遠別線沿線の集落では、当該路線で災害等による通行止め
が発生した場合、市街地に向かう迂回路がなく道路寸断による集
落の孤立化の可能性があります。また、周辺の国道232号、4
0号及び主要道道遠別中川線では、地吹雪や吹雪、雪崩等による
通行止めが度々発生しています。
当該路線の整備により、名寄方面への新たなルートが形成され、
集落の孤立化の解消が図られます。
名寄市
②
①
③④
集落人口データ:遠別町役場調べ(H20.4.1 住民基本台帳)
※沿線集落の数値は、共栄、中央、久光、大成、東野地区の合計
交通不能区間の解消により名寄方面への移動が可能に
資料・写真:留萌開発建設部
通行止めの様子
沿線集落
総人口:215 人世帯数: 84 戸
①【国道 232 号の通行規制】
(H9~H19)
吹雪(視程障害) 冠水 倒木
19
12
172.3
10.2 7.0
0
5
10
15
20
25
回数 時間
(回)
0
100
200
300
400
(時間)
189時間
22回
③【道道遠別中川線の通行規制】
(H12~H19)
雪崩 吹雪・地吹雪 倒木(台風)
3
1
23.5
63.0
17.5
10
5
10
15
20
25
回数 時間
(回)
0
100
200
300
400
(時間)
104時間5回
資料:旭川開発建設部
雪崩 吹雪・地吹雪
法面・路面変状 土砂崩れ・落石
④【国道 40 号の通行規制】
(H9~H19)
11
321.5
6.1
5
8.6
2
6.7
0
5
10
15
20
25
回数 時間
(回)
0
100
200
300
400
(時間)
343時間
9回
吹雪(視程障害) 越波
②【国道 232 号の通行規制】
(H9~H19)
1
29.015.0
53
0
5
10
15
20
25
回数 時間
(回)
0
100
200
300
400
(時間)
44時間4回
通行止めが発生すると集落が孤立化
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客観的評価指標④
「農林水産業を主体とする地域において農林水産品の流通の利
便性向上が見込まれる」
<ホタテ稚貝等の輸送の効率化>
遠別町は、ホタテ稚貝養殖・ホタテ養殖業が盛んであり、平成
19年における漁業生産額約8億円のうち、ホタテの生産額は約
8割を占めています(うち稚貝養殖6割)。遠別町のホタテ稚貝
の多くは、オホーツク海沿岸の枝幸漁協などの二次産地で成貝養
殖されているほか、成貝(2年貝)の一部は網走方面の加工業者
に出荷されています。現在は、ホタテ稚貝の安定出荷のための増
殖や品質向上に取り組むとともに、販路の拡大を図っています。
当該路線の整備により、オホーツク海南部二次産地への輸送時間
の短縮が図られ、ホタテ稚貝の新たな販路の拡大が期待できます。ま
た、ホタテ成貝の網走方面への迅速かつ安定的な輸送を支援します。
●ホタテ稚貝は、揺れや振動により、魚箱の中で立った状態になってしまい、貝と貝が交錯して身やひもを切ってしまう事があるため(へい死率が高くなる)、できるだけトロ箱に詰め込んで、貝に衝撃を与えないように輸送しています。
【水産品輸送会社ヒアリングより】
●名寄遠別線整備により、オホーツク海側二次産地への輸送時間が短縮され、死貝率が低下することで紋別漁協等の新たな二次産地との取引(販路の拡大)が期待されます。
【遠別漁協ヒアリングより】
資料:農林水産省関係
市町村別データ(H18)
【遠別町における漁業生産額】
11t トラック10~18 台/日(出荷:3月下旬~5月下旬)
6~10t 車 3 台/日(出荷:7月)200t を網走方面の加工場へ
販路の
拡大を
支援!
オホーツク海沿岸は
全国有数の
ホタテ産地
ホタテ稚貝58%
養殖ホタテ21%
さけ4%
たこ 9%
ひらめ3% その他5%
平成19年生産額約8億円
資料:遠別漁協調べ(H19)
【全国ホタテ貝漁獲量内訳】
猿払村35.7千t13.9%
枝幸町25.7千t10.0%
湧別町24.5千t9.5%
佐呂間町9.7千t 3.8%
興部町9.4千t 3.6%
斜里町0.3千t 0.1%
その他51.3千t19.9%
紋別市26千t,10.3%
北見市38.9千t15.1%
雄武町7.9千t 3.1%
浜頓別町13.5千t 5.2%
網走市14.1千t5.5%
平成18年ホタテ貝漁獲量
(全国)258千t
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<原木の輸送>
遠別町の総面積の約9割は山林が占め、森林蓄積量は、約 5,219
千㎥で、年間1万㎥程度の素材を販売しており、林業生産額は約
1.4億円となっています。遠別町で切り出された原木は、名寄
市や旭川市等の製材工場等に輸送され、製材やチップ等に加工処
理された後、道内外に出荷されています。
当該路線の整備により、森林の施業管理や森林伐採に伴う原
木・重機などの搬出入、旭川・名寄方面への原木輸送の利便性向
上が期待されます。
■原木輸送ルート
【遠別町の地目構成】
資料:北海道市町村勢要覧(H19)
資料:遠別初山別森林組合ヒアリングより
20t 超トラック3~4台/日
年間稼働日数 80~100 日
遠 別 町
正修地区
その他5%
山林89%
田畑6%
遠別町総面積
590.86km2
上川北部の
製材工場へ
旭川市の
製紙会社へ
苫小牧市の
製紙会社へ
資料:留萌支庁調べ
留萌市931㎥3%
苫前町271㎥1%
幌延町1,008㎥
3%
増毛町1,608㎥
5%
天塩町1,206㎥
3%
初山別村2,151㎥
6%
羽幌町3,292㎥10%
小平町13,205㎥
38%
遠別町10,809㎥
31%
留萌支庁管内素材生産量34,481㎥100%
【留萌支庁管内素材生産量(H18 年度)】
●当組合では、遠別町町有林での原木の切り出し、輸送を行っています。名寄遠別線の整備により、遠別
町正修地区で切り出した原木の名寄等の貯木場までの輸送距離が短縮され、原木輸送の効率化が図られ
ると期待しています。 【遠別初山別森林組合ヒアリングより】
●当該地区の森林管理面において、今後の林道整備とあいまって施業管理が容易になるものと思われます。また、今後、立木販売等の入札が実施されれば、落札業者の土場からの切り出し作業が容易になるとともに、原木の輸送の効率化が図られるものと思われます。
【留萌北部森林管理署ヒアリングより】
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客観的評価指標⑤
「主要な観光地へのアクセス向上が期待される」
当該事業周辺の遠別町、幌加内町及び名寄市には、地域の自然
特性を活かした観光施設が多く立地しており、年間約61万人の
観光客が訪れています。
また、当該路線は、シーニックバイウェイ北海道において、優
れた観光資源を有する魅力的なツーリングルートとして「萌える
天北オロロンルート」に指定されており、隣接する宗谷管内の「宗
谷シーニックバイウェイ」と一体となった観光ルートとして機能
しています。
当該路線の整備により、留萌圏・宗谷圏と上川北部圏をつなぐ広
域観光ルートの一部として、沿線地域の観光振興に寄与すること
が期待されます。
資料・写真:名寄市、幌加内町、遠別町、留萌開発建設部、旭川開発建設部
宗谷シーニックバイウェイ
サンピラー交流館
ピヤシリスキー場
萌える天北オロロンルート
旭温泉
(H19 年:35 千人)
道の駅富士見
(H19 年:68 千人)
遠別川河川公園
(H19 年:2千人)
ピヤシリスキー場(H19 年:78 千人)
サンピラー交流館
(H19 年:115 千人)みなくるビーチ
(H19 年:2千人)
遠別川河川公園
みなくるびーち
旭温泉
道の駅富士見
母子里クリスタルパーク
朱鞠内湖
朱鞠内湖
(H19 年:71 千人)
母子里クリスタルパーク
(H19 年:3千人)
幌加内町新そば祭り(H19 年:48 千人)
幌加内町新そば祭り
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客観的評価指標⑥
「対象道路の整備により削減される自動車からのCO2排出量」
CO2排出量は、整備無では、140,579(t‐CO2/年)
ですが、当該事業の整備により、138,859(t‐CO2/
年)となり、整備されない場合に比べ、1,720(t‐CO2
/年)の削減が見込まれます。
※対象地域:留萌生活圏
※平成42年将来交通量推計を基に算出
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(2)事業の投資効果
費用便益分析の結果(事業全体)
計画交通量
(台/日)車 線 数
670 2
①費用
事 業 費 維持管理費 合 計
基 準 年 平成20年
単 純 合 計 186億円 15億円 201億円
基準年における
現在価値(C)224億円 5.5億円 230億円
②便益
走行時間
短縮便益
走行経費
減少便益
交通事故
減少便益合 計
基 準 年 平成20年
単 年 便 益
(初年度便益) 22億円 0.68億円 0.92億円 23億円
基準年における
現在価値(B) 220億円 3.9億円 11億円 235億円
③結果
費用便益分析(B/C) 1.0
注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。
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費用便益分析の結果(残事業)
①費用
事 業 費 維持管理費 合 計
基 準 年 平成20年
単 純 合 計 54億円 6.7億円 61億円
基準年における
現在価値(C)49億円 2.5億円 51億円
②便益
走行時間
短縮便益
走行経費
減少便益
交通事故
減少便益合 計
基 準 年 平成20年
単 年 便 益
(初年度便益)22億円 0.68億円 0.92億円 23億円
基準年における
現在価値(B)220億円 3.9億円 11億円 235億円
③結果
費用便益分析(B/C) 4.6
注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。
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3.事業の進捗の見込み
当該事業は、昭和49年度に事業化、用地補償、工事着手して
います。
今後の見込みについては、引き続き事業が順調に進んだ場合、
平成20年代中頃の事業完了を予定しています。
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4.コスト縮減及び代替案立案等の可能性
当該事業においては、以下のコスト縮減対策に取り組んでいま
す。
■取り組み施策
施策名 内容
設計手法の見直し鋼橋の新形式(鋼開断面箱桁+合成床版)採用によるコス
ト縮減
建設副産物のリサイクル活用 リサイクル緑化工法の採用によるコスト縮減
また、これまでの取り組みを継続実施することに加え、公共事
業の全てのプロセスをコストの観点から見直す「国土交通省公共
事業コスト構造改革プログラム」に取り組むこととしています。
①設計手法の見直し
鋼橋の新形式(鋼開断面箱桁+合成床版)を採用することで、コスト縮減を図る。
従来工法:鋼箱桁+RC床版 新工法:鋼開断面箱桁+合成床版
②建設副産物のリサイクル活用
法面保護工の工法の見直し(厚層基材吹付工等→リサイクル緑化工法)により、コストの低減を
図る。
(従来) (コスト縮減対策)
・張芝(生芝)
・種子吹付工
・腐食酸吹付工
・植生ネット工
・厚層基材吹付工
・植生マット工
・注入植生マット工 ◎すき取り物の有効利用
・すき取り物築立工法(土羽土)
◎伐木・抜根物の有効利用
・リサイクル緑化工法
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5.関係する地方公共団体等の意見
地元自治体で構成する期成会が、事業促進の要望を行っていま
す。
期成会等名称 会長 主な構成メンバー 要望内容
開 発 道 路 名
寄・遠別線建設
促進期成会
名寄市長 名寄市、幌加内町、遠別
町、天塩町、幌延町、初
山別村、雄武町、興部町
の首長
要望内容:
本路線は日本海とオホーツク海を結ぶ重要な路線であり、緊急高次医療の確保や物流効率化、広域観光振興など本地域における産業、経済、文化交流の発展等、地域間の活性化に寄与するため早期開通を要望。
(平成20年度要望有)
北海道留萌地
域総合開発期
成会
留萌市長 留萌市、遠別町、増毛町、
小平町、苫前町、羽幌町、
初山別村、天塩町、幌延
町の首長および市町村議
会議長
要望内容:
安全・安心な生活環境の確保、活力ある地域づくりや経済活動の発展及び道北地域における物流ネットワークの形成に寄与するため建設促進を要望。(平成20年度要望有)
小平・幌加内・
沼田3町広域
振興協議会
小平町長 小平町、幌加内町、沼田
町の首長要望内容:
本地域の活性化のための地域間交流拡大や広域観光周遊ルート形成において重要な路線であることから整備を要望。(平成20年度要望有)
北海道空知地
方総合開発期
成会
岩見沢市長 岩見沢市、滝川市、深川
市、奈井江町、夕張市、
美唄市、芦別市、赤平市、
三笠市、砂川市、歌志内
市、南幌町、上砂川町、
由仁町、長沼町、栗山町、
月形町、浦臼町、新十津
川町、妹背牛町、秩父別
町、雨竜町、北竜町、沼
田町、幌加内町の首長
要望内容:
広域分散型地域を形成する道央地域において、人の移動や物資の輸送、地域医療の充実、幹線道路網ネットワークの形成に寄与するため建設促進を要望。
(平成20年度要望有)
道北商工会議
所連合会
道北商工会議所連合会会頭
旭川、稚内、滝川、留萌、
深川、名寄、砂川、富良
野、士別、芦別、上砂川、
歌志内、赤平商工会議所
の会頭
要望内容:
沿線一帯の林産資源、地下資源等開発及び道北内陸部から日本海沿岸部を結ぶ道路交通の利便性向上など、地域振興上大きな役割を果たす本道路の重要性を鑑みて全線開通に向け早期完成を要望。(平成20年度要望有)
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6.対応方針(案)
一般道道名寄遠別線は、以上のことを勘案すれば、「事業の必要
性」「事業の進捗の見込み」「コスト縮減及び代替案の可能性」の
視点により、当初から事業の必要性、重要性は変わらないと考え
られることから、事業継続とする。