伝える 伝わる...
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ハートフルな科学コミュニケーション
協創社会を目指した創造的対話
池辺 靖 (日本科学未来館)
伝える 伝わる
素粒子物理学の感動を伝えたい!
研究者だった私が最初に取り組んだこと
(c)Cern
ハートフルな科学コミュニケーション
=受け手の文脈に寄り添うこと
伝える 伝わる
2.311後の社会の文脈
3.創造的対話と協創社会の構築
1.何を伝える? 何が伝わる?
4.まとめ
何(どんな科学)を伝える?
・私が感動した科学を、他の人にも伝えたい?・身の回りの現象の仕組み?・先端科学が拓く人類の知のフロンティア?・教養としての科学?
1.何を伝える? 何が伝わる?
なぜE=mc2の感動は伝わらなかったのか
・その情報は受け手にとってなんら重要な情報ではなかった→伝えるべき情報は、その人、あるいは社会にとって重要なこと
その1社会の抱える問題の科学的な捉え方を示す。それにより事実に基づく論理的な議論を通じて、問題を解決に導くことができる
その2新しい科学技術が社会をどのように変化させうるのかを示す。それにより選択し得る未来社会像を共有する
その3先端研究によって拓かれる、新しい世界観を伝えるそれにより人々の抱く価値観は更新され、未来社会を方向付ける
日本科学未来館科学コミュニケーション活動基本方針
1.何を伝える? 何が伝わる?
電気自動車KAZ開発 慶応大学 清水浩教授
1.何を伝える? 何が伝わる?
30%
14%技術の意義
1.何を伝える? 何が伝わる?
なぜE=mc2の感動は伝わらなかったのか
・その人はその情報と結びつくなんの文脈も持ち合わせていなかった
→伝わるためには、人々の持つ文脈にそった情報を出さなければならない
1.何を伝える? 何が伝わる?
環境共生型住宅
1.何を伝える? 何が伝わる?
http://blogs.yahoo.co.jp/abeisao313/55110170.html
1.何を伝える? 何が伝わる?
日経新聞2008年10月10日
人はいつも鏡を見ている
文脈に沿って伝えなければ伝わらない
1.何を伝える? 何が伝わる?
伝えるべき情報は、その人、あるいは社会にとって重要なこと
伝わるためには、人々の持つ文脈にそった情報を出さなければならない
2.311後の社会の文脈
3.創造的対話と協創社会の構築
1.何を伝える? 何が伝わる?
4.まとめ
福島中央テレビ
2.311後の社会の文脈
画像:http://photozou.jp/photo/show/191927/74309646
2.311後の社会の文脈
写真:東京新聞
「マイクロシーベルト毎時」
「ベクレル」
「ミリシーベルト/年」
「放射性セシウム」
「ストロンチウム」風評被害
写真:下野新聞
写真:読売新聞
朝日新聞(上田潤撮影)
節電
“どうすればよいのか判らない、不安だ”
そこで、未来館は、
2.311後の社会の文脈
新しく現れたリスクに関する情報を提供
・市民の知りたい情報(ウェブによる質問の収集)
・世に出されていた沢山のデータを整理&解説して再配信
・データの解釈に必要な科学的基礎知識
→市民自らが判断し、安心する手助けを
“どうすればよいのか判らない、不安だ”
~預言者たる専門家の喪失
未来館の科学コミュニケーターによる震災情報発信サイト運用期間:3月20日~7月29日
監修協力学会・研究機関日本地球惑星科学連合東京大学地震研究所海洋研究開発機構日本原子力学会日本エネルギー経済研究所電気事業連合会JST低炭素社会研究センター化学工学会国際レスキューシステム研究機構日本放射線影響学会日本医学放射線学会放射線医学総合研究所オーストリア国立気象学地球力学研究所東京大学医科学研究所日本海洋学会
これはオーストリア(ZAMG)の放射能予報
放射線ワークショップ
「見てみよう、身の回りの放射線」
「今知っておきたい、放射線のABC」
「結局どうすればいいんですか?自分では判断がつかないから、答えを聞きに来たのです。」
“勉強にはなったが、やはり不安である”
参加前
参加後
参加前
参加後
はい
はい
それでは①専門家の信頼回復に努める?
~預言者の養成
②専門家と市民が協働する、協創社会の実現
これに対して情報提供 → 不安は解消しない
2.311後の社会の文脈
“どうすればよいのか判らない、不安だ”
~預言者たる専門家の喪失
2.311後の社会の文脈
3.創造的対話と協創社会の構築
1.何を伝える? 何が伝わる?
4.まとめ
【マクロな対話】
【ミクロな対話】
研究者
図:JST社会技術研究開発センター「科学技術と人間」研究開発領域平川プロジュクト(H19年度採択)をもとに改変
輿論の形成政策決定プロセスへの輿論の反映
創造的対話の実現
協創社会
政府
産業界
市民
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ミクロな対話
マクロな対話手法
コンセンサス会議シナリオ・ワークショップディープ・ダイアローグ計画細胞会議討論型世論調査市民陪審市民討議会World Wide Views 世界市民の声を国連条約締約国会議へ
World Wide Views on biodiversity
世界25の国と地域、34カ所で開催3000人以上の市民が参加
各国政府代表団
・・・
デンマーク技術委員会
国連条約事務局
NationalPartner 日本大会
各国政府 日本政府
政策レポート
World Wide Views全体の枠組み
NationalPartner
NationalPartner
各国政府各国政府
2012年9月15日(土)
集計して即時報告
http://biodiversity.wwviews.org/
2.311後の社会の文脈
3.創造的対話と協創社会の構築
1.何を伝える? 何が伝わる?
4.まとめ
ハートフルな科学コミュニケーション=受け手の文脈に寄り添うこと
伝える 伝わる
専門家と市民が協働する、協創社会の実現へ
預言者たる専門家のいない時代に
4.まとめ