~ in my life ~ vol~ in my life ~ 並 なみき 木 愛 めぐみ...

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October 2017  Volume 24  Number 8 16 NSCA JAPAN Volume 24, Number 8, pages 16-17 Q 1. 最初にパーソナルトレーナーと いう職業に就くまでのきっかけを 教えてください。また、トレーナー になるために一般でいう「就職活 動」と違いなどありましたか? 並木 社会人になり入会したフィッ トネスクラブでパーソナルトレーニ ングを受けたことがきっかけで、アス リートではなく一般の方にも個別でト レーニング指導をする仕事があるとい うことを知り興味をもちました。 パーソナルトレーナーとして働くた めに必要な資格、どこで求人を募集し ているか、待遇に関して疑問は多いが 情報が少なかったことに困りました。 また、格闘技エクササイズプログラム のインストラクターにとても興味が あったのでフィットネスクラブのアル バイトスタッフとして転職しました。 Q 2. 並木さんはこれまでどのよう なステップを踏んできましたか? 並木 第 1 期:スタッフ期 ジム、プールの安全管理や清掃を行 ない、転職 1 年後、社内のパーソナル トレーナーの試験に合格しました。 第 2 期:スタッフ>パーソナルトレー ナー期 スタッフの仕事をメインにパーソナ ルトレーナーとしての活動も始めまし た。トレーニングの知識、技術、指 導方法がパーソナルトレーナーという トレーニング指導の専門家になるとス タッフとして学んでいたレベルでは全 く足りていないということに気づき、 今後のことを考えると、ものすごく不 安になりました。 き っ か け が あ り、NSCAの 資 格 (CSCSまたはNSCA-CPT)取得を目指 し、同じ店舗でパーソナルトレーナー として活動されていた武藤雅人氏(現 在は国立スポーツ科学センター指導 員)から私を含む 3 人のスタッフがト レーニングの知識と技術を教わるよ うになりました。また、同時進行で CSCSと格闘技エクササイズのライセ ンスを取得、その後、NSCAジャパン レベルアッププログラムⅠ認定を取得 しました。 第 3 期:パーソナルトレーナー&格闘 技系エクササイズインストラクター 目標であったパーソナルトレーニン グと格闘技系エクササイズインストラ クターの収入で生活ができるようにな りました。現在はフィットネスクラブ とUniversal Strength 清瀬にて活動し ておりますが、一般の方だけでなく指 導者やアスリートに対してもトレーニ ング指導ができるようにチャレンジし ています。また、1 年ほど前から格闘 技系エクササイズの仕事で縁があり、 インストラクターの教育にかかわるよ うになりました。育成の難しさややり がいを感じています。 フリーランスとして活動していくに あたり、収入を得るためにどのように 行動すれば良いかを、独立して強く考 えるようになりました。そこで女性ト ~ In My Life ~ なみき 木 愛 めぐみ CSCS、レベルアッププログラムⅠ認定 所属:フリーランス 活動地域:埼玉県朝霞市、東京都清瀬市 『“学びの出合い”と“仲間との出会い”で 歩むキャリア」 “わからない時は過去に聞く”  「学び」の出発点であり新しい発見のきっかけとなる過去の出来事。 今を支える「大切な過去の経験」を共有し、仕事を始める人も広げる人にも 問題解決や展開のアイデアにしていただきたい。 キャリアの中の色褪せない場面シリーズ  Vol.2

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Page 1: ~ In My Life ~ Vol~ In My Life ~ 並 なみき 木 愛 めぐみ CSCS、レベルアッププログラムⅠ認定 所属:フリーランス 活動地域:埼玉県朝霞市、東京都清瀬市

October 2017  Volume 24  Number 816

C NSCA JAPANVolume 24, Number 8, pages 16-17

Q 1. 最初にパーソナルトレーナーという職業に就くまでのきっかけを教えてください。また、トレーナーになるために一般でいう「就職活動」と違いなどありましたか?

並木 社会人になり入会したフィットネスクラブでパーソナルトレーニングを受けたことがきっかけで、アスリートではなく一般の方にも個別でトレーニング指導をする仕事があるということを知り興味をもちました。 パーソナルトレーナーとして働くために必要な資格、どこで求人を募集しているか、待遇に関して疑問は多いが情報が少なかったことに困りました。また、格闘技エクササイズプログラムのインストラクターにとても興味があったのでフィットネスクラブのアルバイトスタッフとして転職しました。

Q 2. 並木さんはこれまでどのようなステップを踏んできましたか?

並木 第 1 期:スタッフ期 ジム、プールの安全管理や清掃を行ない、転職 1 年後、社内のパーソナルトレーナーの試験に合格しました。第 2 期:スタッフ>パーソナルトレー

ナー期

 スタッフの仕事をメインにパーソナルトレーナーとしての活動も始めました。トレーニングの知識、技術、指導方法がパーソナルトレーナーというトレーニング指導の専門家になるとスタッフとして学んでいたレベルでは全く足りていないということに気づき、今後のことを考えると、ものすごく不安になりました。  き っ か け が あ り、NSCAの 資 格

(CSCSまたはNSCA-CPT)取得を目指し、同じ店舗でパーソナルトレーナーとして活動されていた武藤雅人氏(現在は国立スポーツ科学センター指導員)から私を含む 3 人のスタッフがトレーニングの知識と技術を教わるようになりました。また、同時進行でCSCSと格闘技エクササイズのライセンスを取得、その後、NSCAジャパンレベルアッププログラムⅠ認定を取得しました。

第 3 期:パーソナルトレーナー&格闘

技系エクササイズインストラクター

 目標であったパーソナルトレーニングと格闘技系エクササイズインストラクターの収入で生活ができるようになりました。現在はフィットネスクラブ

とUniversal Strength 清瀬にて活動しておりますが、一般の方だけでなく指導者やアスリートに対してもトレーニング指導ができるようにチャレンジしています。また、1 年ほど前から格闘技系エクササイズの仕事で縁があり、インストラクターの教育にかかわるようになりました。育成の難しさややりがいを感じています。 フリーランスとして活動していくにあたり、収入を得るためにどのように行動すれば良いかを、独立して強く考えるようになりました。そこで女性ト

~ In My Life ~

並な み き

木 愛めぐみ

 CSCS、レベルアッププログラムⅠ認定

所属:フリーランス活動地域:埼玉県朝霞市、東京都清瀬市

『“学びの出合い”と“仲間との出会い”で歩むキャリア」

“わからない時は過去に聞く” 「学び」の出発点であり新しい発見のきっかけとなる過去の出来事。今を支える「大切な過去の経験」を共有し、仕事を始める人も広げる人にも問題解決や展開のアイデアにしていただきたい。

キャリアの中の色褪せない場面シリーズ Vol.2

Page 2: ~ In My Life ~ Vol~ In My Life ~ 並 なみき 木 愛 めぐみ CSCS、レベルアッププログラムⅠ認定 所属:フリーランス 活動地域:埼玉県朝霞市、東京都清瀬市

C National Strength and Conditioning Association Japan 17

レーナーとの繋がりを作ることで新しいことができるのではないかというアドバイスをいただいたことをきっかけに、『女性のためのS&Cネットワーク』というFacebookページを作りました。女性トレーナーは少ないし、パーソナルトレーナーは個々の活動と考えていた私は、繋がりをもつという考え方に衝撃を受けました。Facebookページを通してトレーニング指導にかかわる女性は私が想像していたより多いということがわかりました。 主に、S&Cに興味がある女性や女性アスリートを対象に情報共有ができれば、女性の活動場所や働き方が拓けてくるのではないかと考え始めたのがきっかけです。女性指導者が多く繋がるように交流会を定期的に開催し、今では少しずつ定着してきてセミナーも開催できる「ネットワーク」となりました。

Q 3. 活動される中でやりがいを感じる場面や「感謝」(ご自身でも、相手からでも)を感じる場面は、どんな場面ですか?

並木 クライアント様がトレーニングをして身体が変わったと実感してくださったときです。例えば、高齢者の男性で人工股関節の方が自己流のトレーニングをして股関節に痛みを感じていましたが、パーソナルトレーニングを受けて、ご本人が諦めていたゴルフをできるようになったという報告を受けたときは嬉しく思いました。

Q 4. 現在の職業に至るまでにどのような方との出会いがありましたか? 「誰が」または「何が(資格や行動など)」その縁を結んでくれたのでしょうか?

並木 今振り返ると第 2 期の武藤雅人氏との出会いがなければ今の私はいないと言えるぐらい重要な時期でした。CSCSやNSCAジャパンレベルアッププログラムⅠ認定を取得するために勉強してきたことや、セミナーに参加して科学的根拠に基づくトレーニング方法および理論を学んだこと、トレーニングを重ねて自分自身で経験してきたことなどが、指導について悩んでいた部分を少しずつ解決してくれました。

Q 5. 最後になりますが、今後、並木さんのような活動を目指している方へアドバイスをお願いします。

並木 パーソナルトレーナーにとって大事な要素は「適切なプログラム」

「エクササイズテクニックの習得」「人脈」と考えています。この中でも「エクササイズテクニックの習得」が重要で、適切なエクササイズの模範を見せることは伝わりやすく説得力があります。自分でできないことは教えることはできません。ただし、一人で習得するのは簡単ではありません。なぜこのエクササイズを選択するのか、なぜエラーテクニックが出るのかなど、プログラムやエクササイズのなぜ? を理解できるように指導してくれる方に学ぶことをお勧めします。「人脈」に関しても、フリーランスパーソナルトレーナーは個人の活動がメインになるため、間違っていることや正しいことが評価されにくい環境にいます。指導現場やfacebookを通じ、たくさんの指導者と繋がりをもつことで、ささいなことでも疑問を相談できる環境をもつという点も「人脈」だと考え、人との繋がりを大切にしています。◆

女性のトレーニング指導者は多くのニーズがあると思っています。女性でこの道を目指す人に対して、適切なトレーニング指導の技術や仕事の仕方を広めていきたいです。