十 年 成果ヒアリング 度...

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平成14年6月 産業技術総合研究所 評価部

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Page 1: 十 年 成果ヒアリング 度 評価結果報告書平成13年度成果ヒアリング評価結果 1 はじめに 本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年12

平平成成1133年年度度

成成果果ヒヒアアリリンンググ

評評価価結結果果報報告告書書

平平成成1144年年66月月

平成十三年度

成果ヒアリング評価結果報告書

独立行政法人

産業技術総合研究所

独独立立行行政政法法人人

産産業業技技術術総総合合研研究究所所 評評価価部部

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

1

はじめに

本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年 12

月から本年 3 月にかけて実施した産総研の研究ユニット(研究センター、研究部門/系、研

究ラボ)の実績評価である成果ヒアリングの結果を取りまとめたものである。

産総研は独立行政法人として運営に関し大幅に自由度が増加した一方で、実績について厳

正に評価されることとなっており、産総研内部においても、研究ユニット長の裁量権を増や

すかわりに、研究実績を評価し、結果を産総研全体の運営にも反映することとしている。今

回の成果ヒアリングは昨年4月の発足以来 初の実績評価であり、今後の評価の試金石とな

るものであった。

今回の成果ヒアリングは、産総研の 54 の全研究ユニットを対象として、個々の研究ユニ

ット毎に設置されているレビューボードによるピアレビューにより委員会形式で実施した

ものである。今回、委員に御就任いただいた外部専門家等は延べ280余名に上り、年度当初

に実施したプレ評価時の延べ150余名を大幅に上回った。しかも年度末という非常に忙しい

時期であったにもかかわらず 90%以上の委員の出席を得たことは、産総研の研究活動に対

して委員の方々に多大の関心をお持ちいただいたことを示すものであると思われる。事実、

出席した委員からは活発な議論を行ってもらい多くの有用なコメント等を頂いた。この場で

改めて感謝の意を表する次第である。また、プレ評価に続きこの一年で2回の評価を受けた

各研究ユニットの多大な協力なくしては今回の成果ヒアリングは実施し得なかったろう。研

究ユニットの方々にも感謝の念を表する次第である。

今回の成果ヒアリングでは、研究ユニットが実施している重点研究課題について、研究目

標の妥当性、研究の進捗状況を評価してもらうとともに、研究ユニットの運営・体制等につ

いても評価を行ってもらった。また、研究ユニットの活動に対する様々なコメント等と併せ、

初の評価であることを踏まえ評価システムそのものについてのご意見も頂いた。

今回の評価結果が研究ユニットの今後の運営に反映されることを期待するとともに、評価

部としても新たな産総研評価システム構築に向けて改善を図っていきたいと考えている。

平成14年 6月

独立行政法人産業技術総合研究所 評価部

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

2

目次

ページ

はじめに...................................................................................................................................................... 1

平成 13年度成果ヒアリング評価結果の概要 ................................................................................................ 3

第 1章 成果ヒアリングの実施 ..................................................................................................................... 5

1-1. 趣旨・考え方...................................................................................................................................... 5 1-2. 成果ヒアリングの実施........................................................................................................................ 5

第 2章 評価結果 -意見・コメント、評点の分析-................................................................................... 10

2-1. 研究ユニットの共通的・横断的事項 .................................................................................................10 2-2. 評点結果について.............................................................................................................................13 2-3. 評価に関わる事項.............................................................................................................................23

第 3章 成果ヒアリング結果を踏まえた研究ユニットのグループ分けについて............................................ 27

第 4章 成果ヒアリングを踏まえて今後検討すべき事項.............................................................................. 29

4-1. レビューボードでの指摘を踏まえ検討すべき事項 ............................................................................29 4-2. 今後の評価活動を行ううえで検討すべき事項等................................................................................29

おわりに.................................................................................................................................................... 31

別紙1:産総研組織図................................................................................................................................ 33

別紙2:評価対象研究ユニット一覧........................................................................................................... 34

(A)研究センター...................................................................................................................................34 (B)研究部門 .........................................................................................................................................41 (C)研究系.............................................................................................................................................50 (D)研究ラボ .........................................................................................................................................51

別紙3:研究ユニット毎のレビューボード委員一覧 ................................................................................... 53

(A)研究センター...................................................................................................................................53 (B)研究部門 .........................................................................................................................................57 (C)研究系.............................................................................................................................................61 (D)研究ラボ .........................................................................................................................................62

別紙4:成果ヒアリングの開催日程........................................................................................................... 63

別紙5:レビューボード委員が利害関係者であることの判断基準............................................................... 66

別紙6:研究ユニットの評価結果(まとめ).............................................................................................. 67

(A)研究センター...................................................................................................................................67 (B)研究部門 .......................................................................................................................................100 (C)研究系...........................................................................................................................................140 (D)研究ラボ .......................................................................................................................................144

別紙7:評価結果一覧表(評点)............................................................................................................. 152

別紙8:重点課題の研究資源一覧表......................................................................................................... 153

付属CD-ROM: 課題の概要と評価結果(全288課題+54運営体制)

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

3

平成13年度成果ヒアリング評価結果の概要

平成14年 6月

産総研 評価部

1. 成果ヒアリングの趣旨

産総研の研究センター、研究部門/研究系及び研究ラボが実施する研究業務の進捗状況に

ついて外部専門家等によるピアレビューで評価を行い、その結果を研究開発に反映させると

ともに職員の意識改革を図るために実施。

2. 成果ヒアリングの実施

平成13年12月下旬から平成14年3月中旬にかけて54の研究ユニットを対象として、

外部専門家等による評価委員を研究ユニット毎に研究センター、研究部門/研究系では5~

7 名、研究ラボでは 3~4 名、延べ 282 名選任し、直接対面による委員会開催により評価

(ピアレビュー)を実施。

評価項目は、すべての研究ユニットに共通に、各研究ユニットの有する重点研究課題の

(1)「研究目標の妥当性」と (2)「研究活動の実績の評価」、及び (3)「研究ユニットの

体制・運営」の評価を、さらに研究部門・研究系では (4)「その他の特記すべき業績」

の評価とした。 (1)~(3) の項目については、コメントと評点、(4) の項目についてはコ

メントを付すことで評価結果とした。

3. 成果ヒアリングの結果及び今後対応すべき事項

各研究ユニットの評価結果は、総じて言えば、「昨年6月に行ったプレ評価時に比べ、相

当の努力の結果として、研究ユニット全体の目的や研究目標の達成に向けてかなりよく組織

化されてきている等により、着実に成果が出て来つつある。しかし、まだ改善すべき点は残

っている」ということであった。

今回の成果ヒアリングにおいては、280余名のレビューボード委員から数多くの貴重なコ

メントがなされた。これらのコメントのうち研究ユニット単独で対応できるものについては、

研究ユニット長自身の判断により研究活動に反映すべきかどうかの是非を判断し対応を行

うことが重要であり、反映状況を着実にフォローアップするとともに、必要に応じ、理事長

が適切な改善策をとることが重要と考えられる。

また、検討課題には次のような研究ユニットに共通または横断的な課題や研究ユニット単

独で対応できない課題が多く含まれており、産総研としてこれらを真摯に受け止め、適切な

対応を行うことが今後の研究活動を活性化するうえできわめて重要である。

(1) 研究ユニットに共通または横断的な課題

[研究テーマ関連]

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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① 実用化に向けた具体的かつ定量的な目標設定と目標達成までのシナリオの明確化。

② 研究成果を社会へ導入するためのシステム化研究、統合化研究の推進。

③ 基礎から応用までバランスのとれた研究。

④ 研究テーマの重点化と研究テーマ間の連携。

[研究体制関連]

① 研究ユニットの役割の明確化とユニット間連携の強化。

② 産総研として長期的展望に立った研究者採用計画の策定。

③ 研究者が働きやすくするための管理関連部門の強化。

④ 医療分野における医学界との連携強化。

⑤ 知的財産にかかる体制の整備。

⑥ 産業界のニーズ、他機関研究シーズ把握などのための「技術情報部門」の強化。

(2) 評点の分析

全 54 研究ユニットが有する重点研究課題と運営体制の評点の分析を行った。研究ユニッ

ト群別では、高いレベルの成果が期待されている課題を中心として設定されている研究ラボ、

研究センターの評点平均が研究部門/系より高くなった。研究分野別では、国としてやるべ

き目標が明確な社会基盤が高く、材料関連分野が厳しい評価を受けた。また、情報通信、材

料関連分野では民間の委員の評点が公的機関の委員に比べて厳しいことがわかった。課題の

評点に関しては、目標の妥当性の評点が高いユニットの多くは進捗状況の評点が高く、逆に、

目標の評点が低いユニットの多くは進捗の評点も低いことがわかった。

(3) 評価に関する課題

産総研発足後1年目の成果ヒアリングの結果を踏まえて、今後評価活動を行ううえで対応

すべき課題としては、次に示す項目がある。評価委員、研究現場、マネージメントおよび事

務局が多大な労力をかけて評価作業行っている現状を考えると、今後、評価システムの改善

により評価に対する信頼性を増していくことがきわめて重要と考えられる。

① 多様な評価軸とその重み付けの設定(競争型研究、基礎型研究、国策的研究課題など)

② 研究以外の活動の評価項目への取り入れ(人材育成、パブリックサービス、途上国支

援など)

③ 評価システムの簡素化によるユニットの負担の軽減(資料の簡素化など)

④ 評価可能な目標値設定などによる評価の有効性の向上

⑤ 研究ユニット全体の適切な評価にかかる評価手法の検討

⑥ 業績にかかる適切な指標の選択(論文被引用度、実用化特許、米国特許など)

⑦ 評価の信頼性向上(同一委員による複数ユニットの評価、公的機関と民間の委員のバ

ランス、外国の研究機関に所属する委員の参加など)

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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第1章 成果ヒアリングの実施

1-1. 趣旨・考え方

独立行政法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)の研究業務は、独立行政法

人通則法第 29 条及び第 30 条に基づき、主務大臣より指示された中期目標に対して、産総

研が作成した中期計画に基づいて遂行される。評価部においては、通則法の規定等を踏まえ、

研究ユニットの研究活動の実績に関し、各事業年度及び 終的な評価などを、原則外部専門

家等で構成する「レビューボード」によるピアレビューで実施することとしている。

今回の成果ヒアリングは、各研究ユニットが行っている中期計画を核とする重点課題の研

究目標の妥当性や平成 13 年度の進捗状況などについて外部の専門家等から評価を行っても

らい、その結果を今後の研究開発に反映させるとともに職員の意識改革を図るために実施し

たものである。

(1) 成果ヒアリングにおいては、各研究ユニットの重点研究課題の「研究目標の妥当性」

及び「研究活動の実績」の評価、さらに「研究ユニットの体制・運営」等の評価を行

う。実績の評価に関しては、毎年にあっては進捗状況、中間評価においては進捗状況

及び達成見込み、 終評価にあっては達成度を評価する。

(2) 各研究ユニットの重点研究課題は産総研の中期目標・中期計画の担当部分を核として

設定される。

(3) 重点研究課題の「研究目標の妥当性」及び「研究進捗状況」の評価は研究カテゴリー

(知的基盤研究、基礎研究、産業応用研究:後述)を考慮して判定する。判定にあた

っては、量的な観点を踏まえるが、質的な観点を重視する。

(4) 研究目標の妥当性に関しては、その時々の科学技術の進歩、社会情勢の変化等を踏ま

えた評価を行う。

(5) 評価結果は、第一義的に、研究ユニット長の判断により研究活動に反映される。評価

結果に対する研究ユニット側からのコメントを付したうえで、理事長に報告し、理事

長はその両者を総合的に検討したうえで研究資源の配分等に反映させる。

1-2. 成果ヒアリングの実施

今回の成果ヒアリングは、平成13年 12月末から延べ282名の外部専門家に産総研の54

の研究ユニットについて対面評価(欠席委員については書面評価)を行ってもらい3月に終

了した。

1-2-1. 成果ヒアリングの対象

産総研の研究ユニットとしては、重点的、時限的な研究を実施する「研究センター」、一定

の拡がりを持った継続的な課題について研究を進める「研究部門/研究系」、及び、異分野

融合性が高く緊急の行政ニーズ対応型の研究を実施する「研究ラボ」がある。ユニットの数

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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は、平成13年 12月現在、総数54(研究センター:23、研究部門:22、研究系:2、研究

ラボ:7)[別紙2:評価対象研究ユニット一覧]あり、成果ヒアリングでは全研究ユニッ

トを対象とした。なお、プレ評価後の組織の変更として、産学官連携部門から関連研究ユニ

ット間の研究調整業務を行う研究コーディネータ機能を分離し理事長直属とした。[別紙

1:産総研組織図]

産総研の評価においては、個々研究課題のみならず、総体としての研究ユニットの活動の

実績を評価することとした。

1-2-2. レビューボード委員

成果ヒアリングに際しては、外部からの専門家等で構成するレビューボード委員会による

ピアレビューという形式をとった。研究ユニット毎に3~7名の委員に依頼し、成果ヒアリ

ングを行った。その結果、54の研究ユニットで延べ282名の外部専門家等に委員を委嘱す

ることとなった。 [別紙3:研究ユニット毎のレビューボード委員一覧]

委員の内訳を見ると、大学関係者155名、産業界関係者85名、独立行政法人・特殊法人

関係者等36名、マスコミ関係者6名となっている。プレ評価の時に、評価委員の中で大学

関係者の比率(66%)が多いという指摘があったが、今回は産業界からの委員を増やすよう

にし、大学関係者の比率は55%となっている。

委員の年齢構成は34 歳以下が1 名、35~39歳が3名、40~44歳が16名、45~49歳

が29名、50~54歳が73名、55~59歳が95名、60~64歳が53名、65歳以上は12

名で、平均は55歳であった。性別に関しては、女性が2名(延べ3名)であった。国別に

関しては、全員日本人ではあるが、外国の大学や研究機関に所属している日本人研究者2 名

に評価委員をお願いした。地域別には、北海道8名、東北17名、関東154名、中部・北陸

35名、近畿56名、中国・四国3名、九州7名、国外2名であった。また、13名の委員に

2ないし3 の研究ユニットを担当していただいた。

委員の成果ヒアリングへの出席状況を見ると、年度末の忙しい時期に委員会を開催したに

もかかわらず、出席率は94%と極めて良好であった。

1-2-3. 評価方法

(1) 評価は、次項に記述する 1-2-4. の4つの項目に沿って実施し、重点研究課題の「研究

目標の妥当性」と「研究進捗状況」および「研究ユニットの体制・運営」に関してはコ

メント及び評点を付する。「その他の特記すべき業績」に対してはコメントを付する。

(2) コメント及び評点付けは事前に送られた進捗状況報告書ならびにレビューボード成果

ヒアリングでの議論を踏まえ、各委員が独立に行う。なお、委員会当日に参加できない

委員は書面により評価を行う。

(3) 研究カテゴリー別で主に考慮すべき点は下記とする。

・知的基盤:地質調査、計量標準、データベース化など、国として整備すべきものであ

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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るか。公的機関として中立性、公正性、信頼性は十分であるか。維持・供

給する種類・個数は十分か。

・基礎研究:新産業の創出が可能か。世界的にトップレベルか。論文等の成果発信のレ

ベル(IF など)・数量は十分か。

・産業応用研究(出口に近い研究):産業化に向けての道筋が明確であるか。特許等の

成果発信のレベル・数量は十分か。

1-2-4. 評価項目

(1) 研究目標の妥当性(5 点満点)

科学技術の進歩、社会情勢の変化等を踏まえ目標が妥当であるかどうかについて以下の評

価を行う。なお、評点A, B, C は妥当、D は不適切の判断を行うものとする。

A(5点): 評価時点で極めて高いレベルにある。(Excellent)

B(4点): 評価時点で十分高いレベルにある。(Good)

C(3点): 評価時点で概ね妥当であるが、より適切なレベルの課題設定が望まれる。

(Acceptable)

D(2点): 評価時点で目標が不適切、または、実績や資金面などから達成が困難に思

われる。(Not Acceptable)

各課題の評点は下記の点も考慮して総合的に判断を行う。

• 産業技術に係るニーズとシーズを踏まえて、将来の産業技術の要となる共通基盤的技

術の開発を始めとした公的機関に期待される開発課題となっているか。

• 対応すべき、新しい技術の登場や社会ニーズへの変化があると認められる場合、適切

に対応しているか。

• 研究目標、計画は具体的、定量的かつ必要十分か。

• 研究カテゴリー(知的基盤研究、基礎研究、産業応用研究)を考慮する。

(注:研究目標の設定は、研究ユニットの研究費や人材等の研究資源を踏まえたうえで行わ

れることから、研究センター、研究部門の違いは研究目標の違いとなって現れることとな

る。)

(2) 研究進捗状況(5点満点)

研究目標に対する進捗状況は以下の評価を行う。なお、評点A, B, C は妥当、D, E は努力

を要する、の判断を行うものとする。

A(5点):成果のレベルは非常に高く、進捗状況は優れている。

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B(4点):成果のレベルは高く、進捗状況は妥当である。

C(3点):成果は今後を期待するが、進捗状況は概ね妥当である。

D(2点):進捗面で努力の必要な部分がある。

E(1点):進捗面でかなり努力を要する。

各課題の評点は下記の点も考慮して総合的に判断を行う。

• 研究課題がどのように進捗しているかは、定量的な観点も踏まえるが、 終的には研

究の質で判断する。

• 特筆すべき高い成果はA+とし、別途考慮する。

• 予算の確保、施設整備等を含めて、研究課題の立ち上げは順調に行われているか。

• 計画外の成果がある場合、それは国際的に見て高いレベルのものであるか。

(3) 研究ユニットの体制・運営

A:目的及び目標達成に十分構築され運用されている。

B:概ね構築されているが、改善の余地もある。

C:大幅な改善の余地がある。

評点は下記の点を考慮して総合的に判断を行う。

• プレ評価での指摘事項は考慮されているか。

• ユニットにおける課題の選定や設計は適切に行われているか。

• 目標を達成するために適切にマネージメント(組織、予算など含めて)されているか。

• 企業や他研究機関、または、研究ユニット間の連携が十分に行われているか。

(4) その他の特記すべき業績(参考資料として研究部門/研究系のみ)

• 研究部門/研究系は評価対象課題外の研究成果や対外貢献として特に特記すべきと考

えられるものを3つ以内で挙げてアピールできる。必要な場合、委員からアドバイス

をもらう。これは研究資源の配分等に際しての判断の参考資料とする。

1-2-5. 実施結果の取り扱い

評価結果は、第一義的に、研究ユニット長の判断により研究活動に反映されることになる。

成果ヒアリングの評価の結果については、原則として、レビューボード委員の名前を付して

公開することとしている。ただし、個々の委員の発言内容等については公開しないこととし

ている。また、研究ユニットからのコメントも合わせ公開することとしている。

研究資源の配分等に評価結果を利用するにあたっては、研究ユニットの評価結果を相対的

に比較する必要があるが、研究ユニットにより研究の性格等が異なることなどに十分配慮す

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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る。そのためには、プレ評価同様、評価結果に対する研究ユニット側からのコメントを付し

たうえで、理事長に報告し、理事長はその両者を総合的に検討したうえで研究資源の配分等

に反映させることとなる。

なお、研究ユニットの相対的な比較を行うにあたっては、研究課題における評価項目( (1)

研究目標の妥当性、(2) 研究進捗状況)と、(3) 研究ユニットの体制・運営及び (4) その他

特筆すべき業績の内容の評価結果に加えて、ユニットの形態(研究センター、部門/系、ラ

ボ)や研究分野のバランス等を勘案した。

1-2-6. スケジュール

今回の成果ヒアリングについては、平成13 年 7 月に終了したプレ評価時のレビューボー

ド委員に加え、各ユニット毎に2~3人の新規委員の追加を行った。11月下旬から委員に対

し成果ヒアリングのための資料の送付を開始し、12 月下旬からは委員会形式による対面で

の議論及び評価を行い、翌年3月中旬に終了した。[別紙4:成果ヒアリングの開催日程]

委員会については、1 月~2月に集中的に開催し、54 研究ユニット中49に対する評価を

実施した。なるべく同一日時の委員会の開催を避けるように努力したが、一日に3委員会を

開催したのが3日、2 委員会を開催したのが14日であった。

1-2-7. 委員の利害関係者でないことの確認

昨年 4 月に外部の専門家等をレビューボード委員に委嘱して、5 月~7 月に研究ユニット

のプレ評価を実施したが、内閣府総合科学技術会議において作成した「国の研究開発評価に

関する大綱的指針」及び「経済産業省技術評価指針」において評価の公正さを確保すること

の重要性が指摘されており、特に、評価結果を研究資源の配分等に反映させる産総研の内部

評価においては、評価の公正性を厳格に確保することが極めて重要であるとの認識のもと従

来明確でなかった「レビューボード委員が利害関係者であることの判断基準」[別紙5:レビ

ューボード委員が利害関係者であることの判断基準]を明確にし、個々の委員から利害関係者

でないことの確認をとることとした。

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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第2章 評価結果 -意見・コメント、評点の分析-

今回実施した 54 の研究ユニットの評価結果は[別紙6:研究ユニットの評価結果(まと

め)];[別紙7:評価結果一覧表(評点)]にまとめた。なお、各研究課題の概要と評価

結果の詳細は、付属のCD-R に納めてあるので参照されたい。

研究ユニットの評価結果は、評点、コメントともにユニット毎に様々であるが、総じて言

えば、「昨年6月に行ったプレ評価時に比べ、相当の努力の結果として、研究ユニット全体

の目的や研究目標の達成に向けてかなりよく組織化されてきている等により、着実に成果が

出て来つつある。しかし、まだ改善すべき点は残っている。」ということであったといえる。

この章では、コメントからの共通課題の抽出結果の分析および評点に基づく分析結果につ

いて示す。コメントでは、研究ユニットに独自のもの、研究ユニットに横断的あるいは共通

と考えられるもの、さらには評価に関わる事項と考えられる指摘があった。なかでも、産総

研として 初の実施となる評価に関するコメントが多かった。これらの意見・コメントにつ

いてその共通項を抽出して分析することは産総研の研究活動や運営を改善していく上で非

常に重要であると思われる。

以下に、研究ユニットに共通的・横断的事項、評点結果の分析及び評価に関わる事項の 3

つに分けて整理した結果を示す。

2-1. 研究ユニットの共通的・横断的事項

(1) 出口を見据えた研究

• 多くの研究ユニット、特に材料系の研究ユニット、で研究成果を実用化に結びつける

具体的な道筋が依然不明確であるとの指摘がなされている。

• 産総研の役割として、システム化研究あるいは統合化研究を推進することが望ましい

という指摘もなされている。例えば、「蒸気機関車」という個別の発明や研究を行う

ことも大事だが、その成果を鉄道システムにまで展開させ社会に導入することがより

重要であって、産総研がその役割を果たすべく努力すべきであるという意見である。

(次世代半導体研究センター)

• 一方、昨今の経済状況を反映して、主に企業の委員からは、出口を見据えた基礎研究

やリスクが高い研究に取り組んでもらいたいとのコメントがあった。(エレクトロニ

クス研究部門、シナジーマテリアル研究センター)。

• あまりに出口を見据えた研究の実施を強調しすぎると、応用研究に偏りすぎ、基礎研

究が軽視されることとなるのではないかという懸念も表明された。

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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(2) 研究テーマ

• 研究ユニットの理念に沿ったテーマ設定をしていることで積極的な評価を受けたユ

ニット(スマートストラクチャー研究センターなど)がある一方、既存のテーマを整

理し、ユニットの理念に沿ったテーマ設定をすべきであるとの指摘を受けたユニット

もある(サイバーアシスト研究センター、知能システム研究部門、エネルギー利用研

究部門など)。

• 研究テーマの選び方については、未だテーマが広がりすぎており、各テーマがバラバ

ラである(ナノテクノロジー研究部門など)、もっとテーマ間の連携をすべきである、

または、整理を行ったうえで重点テーマについて集中的に実施すべきである(生物遺

伝子資源研究部門、マイクロ・ナノ機能広域発現研究センターなど)と指摘されたユ

ニットが多い。

• また、外部資金を得て行っている課題がユニット全体の目標に相応しくない可能性が

あるとの指摘もなされている(生物情報解析研究センターなど)。

(3) 研究組織

• 地球環境、安全およびエネルギーなどの分野において、それぞれのユニットの役割の

明確化やユニット間の連携の強化を図りつつ、外から見てよくわかる姿にする必要が

あるとの指摘を受けた。(フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センター、ラ

イフサイクルアセスメント研究センター、物質プロセス研究部門、環境調和研究部門)

• また、研究の進展には,計画に則った成果だけではなく、派生的に出てくる成果が重

要となることがあるので、それ育てていくための仕組みを検討する必要があるという

指摘もあった。(光反応制御研究センター)

• 研究ユニットの掲げる目標に対し、所属する研究者の専門領域が十分カバーできない

ことから、他の分野の研究者を取り込んで研究の幅を広げるべきである指摘もあった。

(4) 研究ユニットの体制やグループ分け

• ユニットの運営と研究環境の整備に関して評価委員からは、独立行政法人移行直後で

あるにもかかわらず良く運営されているとの意見が多かった(シナジーマテリアル研

究センター、環境調和技術研究部門、環境管理研究部門、エレクトロニクス研究部門、

光技術研究部門、計算科学研究部門など)が、一部委員からは成果優先の研究管理に

おいて研究の新しい芽がなくなることや、競争的研究資金への依存度が高いことから

グループの運営体制が不安定になることへの懸念が述べられた(シナジーマテリアル

研究センター)。

• グループ間の協力体制がよく、ユニットの有機的結びつきが評価されたところもあっ

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

12

た(生命情報科学研究センター)が、産総研発足以前の研究グループの形を現在でも

引きずっている、グループ間の関係や相互の協力体制がはっきりしていない、もっと

具体的にグループ間の連携を行うこと、ユニット長は構成員の交流を図ること(脳神

経情報研究部門)などについて改善すべきとの指摘も受けた。

(5) 研究資源

・人的資源の拡充は殆どの研究ユニットが望んでいることであるが、特に若手研究者は研

究の活性化に不可欠であり、長期的展望に立った採用計画が必要であることが委員の側

からも指摘された。(強相関電子技術研究センター、エレクトロニクス研究部門)

・また、研究リーダークラスの多忙対策として管理関連部門の支援体制の強化が必要との

コメントがあった。(次世代光工学研究ラボ)

(6) 研究成果の産業化に向けた支援体制と知的財産権

• 技術移転の活動を積極的に行ったこと、民間企業、公的機関、大学とバランス良く連

携していること(純度制御材料研究ラボ、薄膜シリコン系太陽電池開発研究ラボなど)、

研究成果の実用化を目指したベンチャーがいくつか創設するまでになったこと(分子

細胞工学研究部門、人間系特別研究体)、企業からの研修者受入など「人材育成」を

使命の一つにし、具体的成果をあげていること(生命情報科学研究センター)、など

の点について委員から高く評価されている。

• しかしながら、研究内容や成果の普及を一層行い、一般社会への認知度を上げること

(基礎素材研究部門)、中小企業、地方の工業技術センター等との交流を一層推進す

ること(機械システム研究部門)、研究ユニット内に産業界との連携を専門に行う部

署の設置やその任に当たる専門知識を有する人材を確保すること(ティッシュエンジ

ニアリング研究センター)、などの指摘を受けている。

• また、成果は出ているものの組織としての実用化支援体制が十分でないとの指摘がな

された。成果の実用化には個人研究者のレベルではなく、産総研全体としてこの仕掛

けを講じることの必要性が指摘された。(セラミックス研究部門)

• 産総研で医療技術などの新しい研究の展開を図る場合、成果の産業化を図るにあたっ

ては臨床サイドとの連携強化が必要であるが、産総研全体として医学界との連携強化

を図る必要性があると指摘された。(人間福祉工学研究部門など)

• 知的財産権に関しては、公開前の特許情報の管理を研究者個人の判断に任せておくこ

とによる不用意な情報流出の危険性があることを踏まえ、知的財産権の防衛に対して

意識の徹底が必要であること、特許の専門家による特許化のユニット内も含めたチェ

ック体制の充実が必要であること、また、外部との共同研究に関わる特許問題などの

整備が未だ不十分との指摘があった。(高分子基盤技術研究センター、物質プロセス

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

13

研究部門、次世代光工学研究ラボ)

(7) 技術情報の収集・分析

• 実際に役立つ研究を行うには、研究目標の設定に際して産業界のニーズ動向の調査、

大学や他の公的研究機関の研究シーズ動向などの調査が重要であり、そのため「技術

情報部門」の強化を図るとともに外部のシンクタンクを活用することが有効であると

の指摘がなされた。(シナジーマテリアル研究センター、環境管理研究部門)

2-2. 評点結果について

2-2-1. 重点課題の設定に関して

産総研の研究ユニットの規模は、数人の研究ラボから 大240人程度の研究者を有する研

究部門/系まで幅広く分布している。また、部門/系では緊急性の高いものから萌芽的な研究

まで幅広い課題を抱えている。今回の成果ヒアリングでは、評価対象とする課題を重点課題

に絞り、部門/系をセンター、ラボと同じ土俵で比較することとした。萌芽的な研究課題は、

積極的な意味で評価対象から外してよいことにし、良い成果が出たものは特記してもらうこ

ととした(部門/系のみ)。しかしながら、中には、評価対象にならない課題はあり得ない

とのポリシーのもと、平均点が下がることを承知ですべての課題を評価対象としたと推測さ

れる部門もいくつかあった。

成果ヒアリングを行うに当たって、各研究ユニットが設定した重点課題に関する研究資源

データを[別紙8:重点課題の研究資源一覧表]にまとめた。職員数の平均は、センターが

17 人、部門/系が 79 人、ラボが8 人、重点課題に係わる延べ職員数の平均は、センターが

22 人、部門/系が 59 人、ラボが 11 人であり、全職員の重点課題に係わる延べ職員数の平

均は、センターとラボで122%(特に地質関係など複数の課題に従事する研究者がいるため)、

部門/系でも平均で86%達している。

個別にみると、センターとラボでは、 低でも78%以上の職員が重点課題に従事している。

部門/系では、22ユニットのうち15で70%以上の職員が重点課題に従事しているが、今回、

規模が大きく重点課題の 1/3 しか評価を受けられなかった計測標準研究部門の 23%を除く

と、重点課題従事者の割合が50%以下のユニットが3 つあった( 低は環境管理研究部門の

33%)。

全研究予算(交付金+委託費等)に対する重点課題の研究費の割合は、センターの平均が

124%(委託費以外の外部資金を含めたユニットもあるため)、ラボの平均が93%とほぼ全

額が投入されている。部門/系では平均が 62%に留まった。個別にみると、重点課題の研究

費の割合が全研究費の50%以下のユニットがセンターでは4 つ、ラボで1 つ、部門/系で 7

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

14

つあった( 低は環境管理研究部門の23%)。

全研究職員約 2,350 人に対して全重点課題設定数は 288 であった。ユニット当たりの平

均重点課題設定数は、センターが5、部門/系が7、ラボが2であった。1 課題当たりの平均

職員数は、センターが 6 人、部門/系が 9 人、ラボが 6 人であった。また、1 課題当たりの

ポスドク等非常勤まで含めた平均人数は、センターが 11 人、部門/系が 17 人、ラボが 15

人であった。1課題に係わっている人数は、センターが少ないものの、部門/系とラボでほと

んど同じであった。個別にみると、1 課題当たり職員数の も少ないユニットで2人(ティ

ッシュエンジニアリング研究センター、ジーンディスカバリー研究センター、強相関電子技

術研究センター)、 大が 22 人(分子細胞工学研究部門)であった。1 課題当たり職員数

が 10 人以上の課題を有するユニット数は 10 しかなく、これは全 54 ユニットの 1/5 以下

に当たる。なお、ポスドク等非常勤まで入れた課題あたり研究者数は 低が4 人(サイバー

アシスト研究センター)、 大が58人(分子細胞工学研究部門)であった。

平成 13 年 10 月現在、1 課題当たりの予算額が 100 百万円を超える課題を有するユニッ

トは 14 あった。なお、1 課題当たり予算の大きいベスト 3 は生物情報解析研究センターの

928 百万円、次世代半導体研究センターの 571 百万円、薄膜シリコン系太陽電池研究ラボ

の343百万円であった。

2-2-2. 評点の考え方

(1)課題点

• 各重点課題の評点は、各委員から付けられた「研究目標の妥当性」の評点(5 点満点)

と「研究進捗状況」の評点(5点満点)を相乗平均(かけ算して平方根をとったもの)

した上で、評点を付した委員全員の算術平均により決定した。

• 各ユニットの課題点は、各課題の評点に課題の重み係数(1または2)を掛けたのち

全課題の算術平均により決定した。

(2)運営体制点

• 運営体制の評点は、各委員からA、B、Cで評価された。各ユニットの運営体制点は、

A=5点、B=3点、C=1点とし、委員全員の平均で決定した。なお、ABCの点数配分

は課題点の平均と近い値になるように決定した。

(3)その他特記すべき業績

• 研究部門/系では、重点課題以外でアピールした業績に関して委員からコメントをも

らった。評点換算は行っていないが、ユニットへの追加資源配分の検討に際しては考

慮した。

(4)総合点

• 成果ヒアリングは課題評価を主としており、研究ユニットの総合点は課題点を8割、

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

15

運営体制点を2割として以下の式により決定した。

総合点=課題点×0.8+運営体制点×0.2

2-2-3. 課題点と運営体制点の分布

図 1に課題点(1.5~5.0)を横軸に、運営体制点(1.0~5.0)を縦軸に取りプロットした。

全ユニットの課題点は 3.6~5.0 に分布し平均は 4.2 でおおむね妥当以上の評価を受けてい

る。研究ユニット群別に見ると、研究センターの平均は4.2、部門/系の平均は4.1、ラボの

平均は 4.5 であった。部門/系は、課題点が 3.9~4.5 に分布し、全体が中位にまとまった。

研究センターの課題点は幅広い範囲に分布した。

運営体制点の平均は 3.9 で評価 A と B の中間にあたる。これは、全ユニットの半分は、

体制が目的及び目標達成に向けて十分構築され運用されており、残り半分は、概ね構築され

運用されている、と評価されたものと考えられる。ユニット群別では、研究センターの平均

は3.9、部門/系の平均は3.7、ラボの平均は4.2 であった。研究ラボはセンター、部門に比

べ課題、運営体制とも比較的高い評価を得た。

なお、総合点(課題点8 割、運営体制点2 割)は 3.5~5.0 に分布し、全ユニットの平均

は4.2 であった。

2-2-4. その他特記すべき業績に関して

研究部門/系に対しては、重点課題以外のアピールできる業績を挙げてもらい、委員から

コメントをもらった。しかしながら、「その他特記すべき業績」の内容の理解が十分でなく、

図1 課題点と運営体制点の分布

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

課題点

運営

・体

ラボ部門センター

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

16

課題内の特記事項を抜き出したコメントも多く見られた。また、課題外業績を関連課題の評

点に付加するユニットも見られた。

2-2-5. 研究ユニット群別にみた結果

総合点に関して研究センターの平均は 4.2 点、研究部門/系は 4.1 点、研究ラボは 4.5 点

であった(図2を参照)。

研究ラボとセンターは全体として平均が高くなった。高いレベルの成果が期待される課題

を中心として設定されていることに加えて、特に、研究ラボは職員数や課題数が少ないため、

部門等に比べて目標がより明確で組織のまとまりを説明し易かったことがその理由の一つ

として考えられる。

2-2-6. 研究分野別にみた結果

図 3に分野別に各ユニットの総合点を示した。ライフサイエンスの平均は4.2、情報通信

は4.2、社会基盤は4.4、ナノテク・材料・製造は4.0、環境・エネルギーは4.2 であった。

評価を行う前から社会基盤に関しては別の評価軸が必要ではないかという指摘があった

が、これは、業績の面で比べると不利になるのではないかという懸念も含まれていたと思わ

れる。つまり、社会基盤の研究は、先端分野の研究に比べて論文等が出にくく、これまでの

業績をベースとする横並びの評価では不利との認識であったが、今回の評価結果では、業績

3.00

4.06

計測

地球

地圏

海洋

総合

部門 社会基盤

3.00

4.06

エネ利用

電力

エネ

環境管理

環境調和

情報処理

知能

エレ

光技術

生物遺伝子

分子細胞

人間福祉

脳神経

物質

ロセ

セラ

ック

基礎素材

機械

ノテク

計算科学

人間系

生活系

総合

部門/系

3.00

4.16

深部

活断層

化学物質

ッ素

LCA

パワ

エレ

生命情報

生物情報

ッシ

ジー

スト

レス

強相関

半導体

サイ

バー

マイク

のづくり

高分子

光反応

新炭素

シナジー

超臨界

マー

界面

総合

点 センター

3.00

4.46

リー

薄膜

S

ジタ

ライ

エレ

光工学

微小重力

純度制御

総合

点 ラボ

図2 センター、ラボ、部門/系別各ユニットの総合点

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

17

が多いことが必ずしも評点につながることはなかった。社会基盤は国としてやるべき目標が

明確で、他機関には期待できないことから平均が高くなったと考えられる。しかしながら、

他機関に期待できない状況は外部との厳しい競争が希薄なことも意味しているため、常に自

らのおかれた立場を認識し、厳しく自らを律してゆくことが必要と考えられる。

ナノテク・材料・製造分野は相対的に低い評価結果となったが、委員の成果に対する評価

の重心が実用性に置かれており、全般的に厳しい結果となったと考えられる。この結果に関

連して、光技術研究部門の材料関連課題に対する一委員からの次のコメントが印象的であっ

たので紹介したい:「材料・デバイス開発に関わるテーマはつねに低い評価しか受けられな

い。また、そのような評価に耐えられないものは材料デバイス開発にたずさわるべきではな

い。一方、科学技術の歴史の中で、革新と言うべき事象の多くはこの分野の技術が担ってき

た」。

2-2-7. 委員の所属による評価結果の違い

今回の委員の所属は大学155人、産業界85人、独法・特殊法人36人、マスコミ6人で

あった。所属人数に差があるが、委員を「公的」(大学+独法・特殊法人191人)と「民間」

(産業界+マスコミ91人)の2つに分けて課題点に差がでるかをみた(図4 参照)。また、

表1に、各分野の課題点の平均、民間の評価が公的機関より高いユニット数、その逆のユニ

3.00

4.17

生命情報

生物情報

ィッシ

ジー

スト

レス

生物遺伝子

子細胞

人間福祉

人間系

総合

ライフサイエンス

3.00

4.35

深部

活断層

地球

地圏

海洋

計測

総合

点 社会基盤

3.00

4.00

5.00

高分子

新炭素

シナジー

マー

界面

物質

ロセ

セラ

ック

基礎素材

ノテク

微小重力

純度制御

マイク

のづくり

機械

計算科学

総合

ナノテク・材料・製造

3.00

4.18

化学物質

ッ素

LCA

臨界

環境管理

環境調和

リー

パワ

エレ

光反応

エネ利用

電力

エネ

生活系

薄膜

S

総合

点 環境・エネルギー

3.00

4.22

強相関

半導体

サイバー

情報処理

知能

エレ

脳神経

ジタ

ライ

エレ

光技術

光工学

総合

情報通信

図3 研究分野別各ユニットの総合点

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

18

ット数を示した。図4、表1からわかるように、全体的は、民間の委員の評価が公的機関の

委員の評価より厳しくなったといえる。特に民間の委員の評価が厳しかったのは、情報通信

とナノテク・材料・製造分野であった。両分野とも実用化の観点から、より厳しい評価が民

間の委員から下されたと推測される。ライフサイエンスと環境・エネルギー分野ではほとん

ど差がみられなかった。社会基盤は、民間の評価がややよいという結果が得られ、産総研の

公的な機関としての役割が期待された結果ともいえるが、分野としては地質と標準の2つし

かなく、また、ユニット数も少ないため、断定はできない。なお、公的機関の委員のみで民

間の委員がいないユニットは4つあった。

表1 課題点に対する公的機関と民間の委員の違い。

公的=大学+独法・特殊法人、民間=産業界+マスコミ

課題点の平均 ユニット数 分野

民間 公的 民-公 民>公 公>民 公=民

全体 4.1 4.3 -0.2 17 30 3

ライフサイエンス 4.2 4.2 0 5 4

情報通信 4.1 4.3 -0.2 1 9

社会基盤 4.4 4.3 +0.1 4 1

ナノテク・材料・製造 3.9 4.1 -0.2 3 9 2

環境・エネルギー 4.3 4.3 0 4 6 1

図 4 課題点に対する公的機関と民間の委員の違い

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

公的機関の委員の評点

民間

委員

の評

ライフサイエンス

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

公的機関の委員の評点

民間

委員

の評

情報・通信

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

公的機関の委員の評点

民間

委員

の評

ナノテク・材料・製造

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

公的機関の委員の評点

民間

委員

の評

環境・エネルギー

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

公的機関の委員の評点

民間

委員

の評

社会基盤

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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2-2-8. 委員の年齢による評価結果の違い

約 280人のレビューボード委員の平均年齢は55才であった。委員会のいくつかで、年齢

の若い委員が遠慮している印象も受けたため、「年齢55才以上」(162人)と「54才以下」

(118 人)に分けて各ユニットの課題点の差を調べた(図 5 参照)。その結果、「55 才以

上」の課題点の平均は4.2、「54 才以下」の平均は4.2 と同じであった。なお、「55 才以

上」の課題点が高いユニット数は 25、「54 才以下」が高いユニット数は 19 であり、ユニ

ット数でもあまり差がなかった。以上から、全体としては、年齢差による違いはみられなか

ったことになる。なお、平均年齢が60才を越えるユニットが6つあった。

年齢による評価結果の差は、全体としては小さいものであったが、個々のユニットによっ

ては大きな差も見られる。また、8 ユニットに関しては、委員全員が平均年齢以上であった

ため、年齢による差はわからなかった。今後、さらなる分析が必要である。

2-2-9. 高・ 低の評点を除いた結果

評価の基準が委員よって異なることや対象とする課題の専門性の広がりを考慮して、プレ

評価時より各ユニット2名程度多い委員に評価をお願いした。成果ヒアリングにおけるセン

ター、部門/系の委員の平均人数は 5 人、ラボは 4 人であった。各ユニットの課題点に対す

る委員の分布を図6に示した。図6を見ると、他から離れた委員の評点が平均点に影響して

いるように見えるため、課題の 高点および 低点を除いた結果と比較し違いを調べた。委

員全員による課題点の全ユニット平均は 4.2、 高、 低を除いた平均も 4.2 であった。個

別にみても、各ユニットの課題点の変化はほぼゼロ(平均0.02)であり、委員の少ないユニ

ットのいくつかで 0.1~0.2 の差が見られる程度であった。また、 高、 低の評点を除い

た結果、課題点の上位 27 ユニットと下位 27 ユニットの間で入れ替わるものは 1 ユニット

図5 各ユニットの課題点における委員の年齢による違い

3.0

3.2

3.4

3.6

3.8

4.0

4.2

4.4

4.6

4.8

5.0

3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4 4.6 4.8 5.0

55才以上の委員の課題点

54才

以下

の委

員の

課題

ラボセンター部門/系

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

20

だけであった。

委員数に関しては、 高と 低の評点を除いた3人の集計でも課題点がほぼ同じであった

ことから、大きな偏りがなければ委員数は5 人程度で十分であると考えられる。

2-2-10. 評価の高かった課題とユニット

今回の成果ヒアリングで評点が高かった課題(4.8 点以上)を表 2、総合点の高かったユ

ニットを表3に示した。また、各ユニットの有する課題評点の分布を図7に示した。表2, 3

で示すように、総合点の高かったユニットは、評点の高い課題を有しているという傾向はあ

るが、評点の高い課題を有する上位12 ユニットの6 つは総合点の高いユニットとは異なっ

ている。特に、研究部門/系に関しては、総合点上位のユニットは少なかったが、課題点の

各ユニットにおける各課題の評点の分布

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

ッ素

L

C

A

ッシ

ジー

レス

バー

マイク

づく

ジー

マー

洋エネ利

エネ

調

能エ

ロセ

セラ

ック

械ナ

ノテク

リー

S

i

ジタ

課題

の評

図7 課題別の評点分布

各ユニットにおける委員の分布

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

ッ素

L

C

A

ッシ

ジー

レス

バー

マイク

づく

ジー

マー

洋エネ利

エネ

調

能エ

ロセ

セラ

ック

械ナ

ノテク

リー

S

i

ジタ

課題

図6 委員別の課題点分布

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

21

高いユニット数はセンターと変わらない結果が得られている。例えば、評点4.7 以上の課題

を有するユニット数はセンター7、部門8、ラボ3であった。

表 2 評点の高い課題(4.8 以上)

ユニット名 群 課題名 評点

微小重力環境利用 ラボ 微小重力環境下での高品質結晶および構造制御材料の製造 5.0

強相関電子技術 センター

強相関電子系制御技術の開発、強相関フォトニクス技術、

超格子物質・接合作製技術、量子位相制御理論の確立の4課題

強相関電子物性の開拓

5.0

4.8

薄膜シリコン系

太陽電池 ラボ 高効率積層型太陽電池製造技術開発 5.0

脳神経情報 部門 脳における情報処理機構の解明

脳神経細胞・遺伝子の機能解析とその利用

5.0

4.8

深部地質環境 センター

地質特性変化に関するデータ基盤の整備、環境地質図類の整備

と情報発信に関する研究の2課題

地質特性変化のメカニズム解明に関する研究

4.9

4.8

生命情報科学 センター 大規模ゲノム配列からの遺伝子機能解析の研究開発 4.9

ティッシュ

エンジニアリング センター 骨関節再生に関する研究 4.9

計測標準 部門 共晶点を利用した高温度標準の開発と標準供給及び国際比較 4.9

地圏資源環境 部門 石炭起源ガス・ガスハイドレート資源評価技術の開発 4.8

機械システム 部門 次世代トライボロジー基盤技術 4.8

ジーンディスカバリー センター 有用遺伝子検索と機能性生体分子創製に関する研究 4.8

光反応制御 センター 人工光合成技術の研究開発、レーザープロセスによる材料加工

法の 適化の研究の2課題

4.8

表 3 総合点の高いユニット

ユニット名 群 分野 総合点

微小重力環境利用 ラボ ナノテク・材料・製造 4.9

強相関電子技術 センター 情報通信 4.9

薄膜シリコン系太陽電池 ラボ 環境・エネルギー 4.9

深部地質環境 センター 社会基盤 4.7

地圏資源環境 部門 社会基盤 4.6

生命情報科学 センター ライフサイエンス 4.6

活断層 センター 社会基盤 4.6

生物情報解析 センター ライフサイエンス 4.5

デジタルヒューマン ラボ 情報通信 4.4

エレクトロニクス 部門 情報通信 4.4

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

22

2-2-11. 目標の評点と進捗の評点

研究ユニットの課題点の平均は4.2 であったが、その内訳は、目標の妥当性の平均が4.3、

進捗状況の平均が4.1 であった。分野別、ユニット群別の目標と進捗の評点の平均を表4 に

示したが目標と進捗の評点の差はあまり大きくない。旧研究所の成果が高く評価された課題

も多く、全体的には、目標に対してほぼ順調に進捗しているとの評価が行われたと考えられ

る。

表 4 目標の妥当性と進捗状況の評点

分野別 ユニット群別

ライフサイ

エンス 情報通信 社会基盤

ナノテク・

材料・製造

環境・

エネルギーセンター 部門/系 ラボ

目標平均 4.3 4.4 4.5 4.2 4.3 4.4 4.2 4.6

進捗平均 4.2 4.1 4.4 4.0 4.2 4.1 4.1 4.5

目標-進捗 0.1 0.2 0.1 0.2 0.1 0.2 0.1 0.1

各ユニットの目標と進捗の評点平均を図8に示す。図8 からわかるように、進捗の評点は

目標の評点より下回るユニットが多い。その差の 大は0.8 であった。逆に、目標の評点よ

り進捗の評点が高いユニットは全 54 中 12 と少なく、その差は 大でも 0.3 であった。進

捗状況の評点に関しては、目標の評点が低いユニットは進捗の評点も低いことから、進捗は

概ね妥当(評点C=3)以上との評価であるが、成果のレベル(評点B=4以上)に関しては、

目標の妥当性と同様、当該分野における他機関の成果のレベルと比較して評価が行われたと

図8 各ユニットの目標の妥当性と進捗状況の評点平均

3.0

3.2

3.4

3.6

3.8

4.0

4.2

4.4

4.6

4.8

5.0

3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4 4.6 4.8 5.0

目標の評点

進捗

の評

ラボセンター部門/系

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

23

考えられる。

進捗の評点が目標の評点に対して大きく下回るユニットは、フッ素系等温暖化物質対策テ

クノロジー研究センターや次世代半導体研究センターなどがあり(表5参照)、その他、図

8からもラボや部門/系に比べて進捗の評点の低い研究センターが目立つ。この中で、例えば、

フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センターは目標が4.8 と高く、今後、研究セン

ターとしての成果を出すことによって、よい評価を受ける可能性が高いと考えられる。この

ような研究の立ち上げ段階では、初年度の成果ヒアリングであるため、目標は高いが成果は

これから期待するという観点から評価が行われたと考えられる。

表 5 目標の妥当性と進捗状況の評点差の大きい(0.5 以上)ユニット

ユニット名 群 目標 進捗 差

フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー センター 4.8 4.0 0.8

次世代半導体 センター 4.1 3.4 0.7

デジタルヒューマン ラボ 4.8 4.2 0.6

パワーエレクトロニクス センター 4.4 3.8 0.6

高分子基盤技術 センター 4.2 3.6 0.5

ものづくり先端技術 センター 3.9 3.4 0.5

次年度以降、重点課題の目標設定に変更がないとすると、目標の評点の変動は小さいと思

われる。また、今年度の結果から進捗の評点が目標の評点を大きく超えることは考えにくい

ため、目標の評点の低いユニットは進捗が進んだとしても課題点として高くなる可能性は低

いと考えられる。その場合、目標の見直しが重要なポイントと考えられる。

2-2-12. 業績データについて

成果ヒアリング用の資料における各ユニットの業績(期間は 4 月~10 月)を図 9 に示し

た。評価に関する指摘にもあるが、一般的に、論文数や特許出願数などの業績の多少のみに

よって評価の優劣が判断されるのではないかという危惧については、今回の評点結果を見る

限り当たってはいないと考えられる。なお、本データは、全研究課題ではなく重点課題のみ

のものであること、成果普及部門の研究成果発表データベースに登録されたデータとの乖離

が大きいこと、重複性のチェックが困難なことなどから今年度は詳しい分析を行わなかった。

2-3. 評価に関わる事項

今回実施した成果ヒアリングは、産総研で行われた 初の研究ユニット評価であり、それ

について貴重なコメントを多く頂いた。今後、評価方法を改善してゆく上で参考としたい。

コメントは多岐にわたっているが、「産総研の評価システムのあり方」、「評価基準・評価

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

24

項目」および「評価委員会の進め方」に分類し、まとめたので、以下に記す。下記のコメン

トはほとんどがレビューボード委員からのものである。なお、ユニット側からのコメントは

(ユニット)を付記した。

特許数/職員

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

ッ素

L

C

A

ッシ

ジー

レス

バー

マイク

つく

ジー

マー

洋エネ利

エネ

調

能エ

セラ

ック

械ナ

ノテク

リー

S

i

ジタ

論文数/職員

0

1

2

3

4

5

6

ッ素

L

C

A

ッシ

ジー

レス

バー

マイク

つく

ジー

マー

洋エネ利

エネ

調

能エ

セラ

ック

械ナ

ノテク

リー

S

i

ジタ

IF計/職員

0

2

4

6

8

10

12

14

ッ素

L

C

A

ッシ

ジー

レス

バー

マイク

つく

ジー

マー

洋エネ利

エネ

調

能エ

セラ

ック

械ナ

ノテク

リー

S

i

ジタ

図 9 重点課題における職員当たり業績

2-3-1. 産総研評価システムの在り方

(1)全体的な事項

• 産総研の評価システムは組織評価の初めてのケースであり、先導的なモデルとして位

置づけられることになろう。

• 評価結果は、研究者個人の能力評価に重点を置くのではなく、ユニットへの激励や研

究の方向性のチェックに用いられるべきである。

• 評価の視点は多様(サイエンスの視点、技術の視点、産総研のミッションとしての視

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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点など)であり、どこに重点を置くか明確にすべきである。

• 評価システムは簡便かつ有効に機能させることに重点をおくべきであり、毎年の評価

は成果も細切れで、ユニットの負担も大きく、評価疲れを起こし、本務の研究への障

害が危惧される。

(2)ユニット評価

• 課題の評価ではなく研究ユニット全体の評価を行うべきである。

• 今回のような各課題の評価の平均をとる方法ではユニット全体を見て評点付けする

のとずれるのではないかと危惧される。

• 研究ユニット毎に評価委員が異なるのでユニット間の相対的比較がこのような方法

でできるのか疑問である。

• 評点は平均だけでなく、分布も重要である。評価が大きく分かれている研究テーマか

ら新しく重要なものが生まれる。評価委員の意見も、一致した意見と一致しなかった

意見を分けて提示すべきである。

(3)評価委員

• 評価委員がプレ評価は3名であったが、今回は5名になり、大学だけでなく民間、公

的機関からの委員の参加によりいろいろ違った角度からの意見が得られた点が有意

義であった。

• 評価委員の役割はアドバイザーでなく、評価者であることを認識すべきである。

• 評価委員が も貢献できることは、ユニットの組織、運営、プロジェクト選定などに

対する助言である。

• 産学官委員の役割分担があっても良い。学側の評価委員は、研究課題・成果が国際的

レベルにあるかどうかを評価し、産業界の評価委員は、産業化の可能性の評価をする

など。

• 評価委員とはいえ研究ユニットの研究分野を完全にカバーすることは困難であり、委

員の専門性を考慮するなど、評価のためのより良い方策が期待される(ユニット)。

• 評価委員に責任を持ってもらうため、評価を記名方式にすべきである(ユニット)。

• 個々の評価委員の評価の基準点を、例えば B あるいは C においているかでユニット

の評価が異なってくるのではないか(ユニット)。

2-3-2. 評価基準、評価項目に関して

(1)評価基準

• 評価基準はテーマや研究の立場、例えば同じ国策的研究の場合でも競争型と長期的基

礎型では異なるはずで、多様な評価軸の設定が必要である。

• 基盤情報のデータベース化や海洋地質図の作成の分野は、論文数や発明・特許などの

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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多少では評価できず、別の観点からの評価が必要である。

(2)評価項目

• 人材育成や研究成果を産業レベルまで持っていくノウハウの蓄積についても産総研

の特徴であるので、評価すべきである。

• 研究成果の一般社会への普及(いわゆるパブリックサービス)、学会活動・広報活動

等も正当に評価できる制度とすべきである。

• 単なる論文数、特許数でなく、サイテーション(論文被引用度)や特許公告、米国特

許、実用化特許等の実質的な点を見るべきである。

• 論文数、IF 値、特許件数などを評価対象にすると、数を増やすことに囚われ、産総研

のミッションに悪影響をおよぼすおそれがある。

• 「研究目標の妥当性」と「研究進捗状況」の2つの大項目に対して、小項目ごとに点

数をつけて、なるべく客観的な評価を得てはどうか。例えば、国際的に見たレベル、

国際協調、開発途上国への支援、などが判断基準になるのではないか。

2-3-3. 評価委員会の進め方

(1)資料に関して

• 目標設定が明確でなく評価しにくい。成果を評価するためのベンチマーキング及び定

量的な目標値のようなものがほしい。

• 資料については、評価委員会が短時間であるので、よりコンパクトなわかりやすい資

料作りが望まれる。その際、ユニット内の研究テーマの俯瞰図や人員名簿をつけるこ

とで、ユニットの特徴や成果の明確性(特に他との共同研究の場合どこが主体なのか)

を高めることが求められる。

• 書類の事前送付は効果的であった。

• プレゼンテーション用図版の事前配付も理解を助ける上で有用なので、可能な限り応

じるべきであろう。

(2)委員会当日の進行に関して

• 会議の進め方については、理解を深めるためにも質疑応答、現場見学の時間をもっと

とって欲しい。

• 産総研としての当該研究ユニットの位置づけの説明が不十分であった。

• プレゼンテーションでは、バックグラウンド的な事柄(研究体制、その分野での位置

づけ等)も毎回説明が欲しい。

• 専門家である評価委員にたいして、発表があまりに素人向け過ぎる。

• 研究者個人の寄与が分かるように発表してほしい。

• 事前資料とプレゼンテーション内容をできるだけ合わせるようにすべきである。

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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第3章 成果ヒアリング結果を踏まえた研究ユニットのグループ分けについて

評価部においては、研究資源配分等産総研の運営に反映させるための基礎的な資料を提供

するため、以下の考え方により平成13年度の成果ヒアリングに基づくグループ分けを行っ

た。

(1) 実績を踏まえ研究ユニットを「優」、「良」、「可」の 3 グループに分ける。3 グループに

分けるに際しては、「可」を基本として、優れた成果が上がったと判断されるユニット

を「良」、非常に優れた成果が上がったと判断されるユニットを「優」とすることとした。

これらの割合については、理事長の指示等もあり、全研究ユニット数の5割程度を「可」、

3割程度を「良」、2割程度を「優」とすることを念頭に割り振ることとした。

(2) 研究ユニットの実績のグループ分けに際しては、外部専門家等で構成するレビューボ

ードの評価結果(コメント及び評点)、ユニット側からのコメント及びユニットから

の特記すべき業績(研究部門/系のみ)をベースとして、① 研究ユニットの含まれる

研究分野別に見た評価結果及び②研究ユニットの含まれる研究センター群、研究部

門・研究系群及び研究ラボ群別に見た評価結果等を加味し、総合的に判断した。

なお、地質関連研究ユニット及び計測標準研究部門については、産総研法上他の研

究業務と明確に業務が分けられていること、わが国で産総研が唯一の研究実施機関で

あること等から他の研究ユニットとは切り離して検討を実施した。

また、研究部門は相対的に上位の研究ユニットがないが、部門から「優」に割り振る

ものを選択した。

以上を踏まえ、検討した結果、「優」は7ユニット(13%)、「良」は19ユニット(35%)

及び「可」は28ユニット(52%)となった(各研究ユニットの検討結果は別紙6のとおり)。

「優」及び「良」となった研究ユニットは次のとおり。

「優」 研究センター: 深部地質環境センター

生命情報科学研究センター

強相関電子技術研究センター

研究部門/系: エレクトロニクス研究部門

脳神経情報研究部門

研究ラボ: 薄膜シリコン系太陽電池研究ラボ

微小重力環境利用研究ラボ

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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「良」 研究センター: 活断層研究センター

化学物質リスク管理研究センター

生物情報解析研究センター

ティッシュエンジニアリング研究センター

光反応制御研究センター

新炭素系材料研究センター

シナジーマテリアル研究センター

超臨界流体研究センター

スマートストラクチャー研究センター

界面ナノアーキテクトにクス研究センター

研究部門/系: 計測標準研究部門

地圏資源環境研究部門

エネルギー利用研究部門

分子細胞工学研究部門

計算科学研究部門

研究ラボ: グリーンプロセス研究ラボ

デジタルヒューマン研究ラボ

ライフエレクトロニクス研究ラボ

次世代光工学研究ラボ

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

29

第4章 成果ヒアリングを踏まえて今後検討すべき事項

4-1. レビューボードでの指摘を踏まえ検討すべき事項

今回の成果ヒアリングにおいては、上述のように280余名のレビューボード委員から数多

くの貴重なコメントがなされた。これらのコメントのうち研究ユニット単独で対応できるも

のについては、研究ユニット長自身の判断により研究活動に反映すべきかどうかの是非を判

断し対応を行うことが重要である。

一方、コメントの中には第2章で示したように研究ユニット単独では対応できない又は研

究ユニット共通の問題として対応すべき指摘も数多く含まれている。産総研としてはこれら

を真摯に受けとめ、適切な対応を行うことが今後の研究活動の活性化を図っていく上で極め

て重要であると考える。

したがって、ユニットについては反映状況を着実にフォローアップするとともに、必要に

応じ、理事長が適切な改善策をとることが重要と考えられる。

第 2章での分析を踏まえ、研究ユニット共通・横断的な課題として対応すべき事項につい

て以下に整理する。

[研究テーマ関連]

① 実用化に向けた具体的かつ定量的な目標設定と目標達成までのシナリオの明確化。

② 研究成果を社会へ導入するためのシステム化研究、統合化研究の推進。

③ 基礎から応用までバランスのとれた研究。

④ 研究テーマの重点化と研究テーマ間の連携。

[研究体制関連]

① 研究ユニットの役割の明確化とユニット間連携の強化。

② 産総研として長期的展望に立った研究者採用計画の策定。

③ 研究者が働きやすくするための管理関連部門の強化。

④ 医療分野における医学界との連携強化。

⑤ 知的財産にかかる体制整備の構築。

⑥ 産業界のニーズ、他機関研究シーズ把握などのための技術情報部門の強化。

4-2. 今後の評価活動を行ううえで検討すべき事項等

成果ヒアリングにおいては、評価のあり方についても評価委員やユニット側から様々なコ

メントがなされた。また、評価部として実際に成果ヒアリングを運営するにあたっていろい

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

30

ろな課題に直面した。以下、評価委員からのコメント及び評価部が直面した問題等を踏まえ、

今後対応すべき事項等について整理する。

(1) 検討すべき事項

① 多様な評価軸とその重み付けの設定(競争型研究、基礎型研究、国策的研究課題など)

② 研究以外の活動の評価項目への取り入れ(人材育成、パブリックサービス、途上国支

援など)

③ 評価システムの簡素化によるユニットの負担の軽減(資料の簡素化など)

④ 評価可能な目標値設定などによる評価の有効性の向上

⑤ 研究ユニット全体の適切な評価にかかる評価手法の検討

⑥ 業績にかかる適切な指標の選択(論文被引用度、実用化特許、米国特許など)

⑦ 評価の信頼性向上(同一委員による複数ユニットの評価、公的機関と民間の委員のバ

ランス、外国の研究機関に所属する委員の参加など)

(2) 外部プロジェクト評価とユニット評価

いくつかの研究ユニットは大規模な外部のプロジェクトに参加して研究を行っている。今

回のユニット評価では、ユニットの活動に対して、特に評価の範囲の制限は設けなかった。

外部プロジェクトのために実施される評価結果とユニット評価で結果が大きく異なってい

ることも想定される。旧国研のプロジェクトの 終評価では、事後のケアが希薄であるなど

のことから無事終了させることに注意が払われていたものもあり、評価結果に乖離がある場

合、両者を詳しく検討する必要がある。

(3) ユニット間の比較に関して

研究ユニット群間の比較では、ラボ、センターの総合点が高くなった。部門/系の総合点

は、上位~下位の複数の課題を含むため、中位にまとまった。そのため、評価結果に対する

グループ分けにおいては、部門/系を別途考慮した。一方、課題点の高い順にユニットを並

べるとセンター、ラボ、部門であまり差がなくなる。1 課題あたりのポスドクなど含めた研

究員数がラボ、部門/系で変わらないこともあり、課題の評点順ではユニットの形態の差が

なくなったと考えられる。部門/系で設定される重点課題が現状のままであるとすると、評

価の高い課題があってもユニット全体の評価が低くなる可能性もあり、これらを修正する方

法の有無について検討することが重要である。

分野別の比較において、社会基盤の評価が高くなったことは、他研究機関にはできないこ

とへの期待が課題目標に高い評価を与えている可能性が高い。このため、競争的評価項目の

設定(例えば、海外機関との比較)など、分野毎、ユニット毎の評価軸に多様性を持たせる

ことも検討課題と考えられる。

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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おわりに

産総研 初の研究に係る実績評価である成果ヒアリングは平成 13 年の御用納めの直前か

ら開始され、年末年始の休暇をはさんで、年明け早々から3月中旬までほぼ毎日のように実

施された。評価部にとっては、実績評価に関する基本的な考え方の取りまとめなど 初の試

みであるが故に手探り状態で始めるなど、産みの苦しみを味わいながらの作業であった。

そのための検討に相当程度の時間を要したことから、当初の予定からほぼ2ヶ月遅れで実

施されることとなった。その所為もあり、評価側であるレビューボード委員及び被評価側で

ある研究ユニットの双方に評価の考え方を十分周知する時間をとれないまま実績評価を行

った嫌いがある。今回の評価結果に対する委員やユニット側からのコメントの中にも、当方

の考えに対する誤解等に基づくと思われるものが多く見られた。この点が評価を行うにあた

っての 大の反省点と考えているところである。

評価委員会からは研究課題の目標の妥当性や進捗状況、研究ユニットの運営・体制等に対

し有益なコメントを多々頂いた。厳しいコメントも多かったが、そのほとんどが産総研への

期待の現れと見られる。これに真摯に応えていくことが今後産総研のプレゼンスを向上させ

ていく上で必要である。

一方、研究資源等の配分等のマネージメントへの活用の観点から、評点をつけてもらい、

それを活用することとしたが、当初から指摘されていたように評価委員のほとんどが研究ユ

ニット毎で違うこと、研究ユニット群間の相違を反映できる指標を必ずしも十分に設定でき

なかったこと等により、横断的にどのように評価していくかについて難しさを痛感した。同

じ評価委員で全ての研究ユニットをカバーできない分を、横断的に評価委員会に出席した理

事、研究コーディネータ等の意見を踏まえてグループ分けを行う等評価部として 善の努力

は行ったつもりではあるが、今後どのようにするかは再度検討を行う必要があると考えてい

る。

いずれにせよ、今回の評価を通じ評価委員や研究ユニットからの様々な意見を含め評価に

関する極めて有用な情報を入手しており、これを今後の評価に活かしていきたいと考えてい

る。

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平成13年度成果ヒアリング評価結果

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別紙1: 産総研組織図

33

別紙1:産総研組織図

アドバイザリーボード

監事

フェロー

TLO

産総研イノ

ベーションズ

研究環境整備部門

評価部

環境安全管理部

国際部門

業務推進部門

能力開発部門

財務会計部門

産学官連携部門 知的財産部

成果普及部門 地質標本館

計量研修センター

技術情報部門

企画本部

先端情報計算センター

特許生物寄託センター

研究ユニット

23研究センター

22研究部門

2特別研究体

7研究ラボ

(2002.3現在)

理事長

副理事長・理事 研究コーディネータ

業務推進本部

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

34

別紙2:評価対象研究ユニット一覧

(a)研究センター

研究センター ユニットの概要 組織

(研究チーム、研究グループ等)

深部地質環境

研究センター

深部地質環境研究センターは、地層処分システムの安全性評価

に関する国の施策に資することを目的として、評価手法・基準に

必要なわが国固有の地質の知見・データを整備し、評価モデルを

構築するとともに、地質特性長期変化のメカニズム等の技術資料

の作成や、地質環境図類の作成などによって深部地質の情報を社

会に提供することを主目的として設置された部門である。35名、

8チームで構成され、つくば中央第7事業所に展開している。

当部門と共に、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を目

的とした「地球科学情報研究部門」・「地圏資源環境研究部門」・

「海洋資源環境研究部門」・「活断層研究センター」・「北海道

地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研究体」および成果

普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、国際部門の「国

際地質協力室」等と強い連携をしており、対外的にはこれらの組

織を総称して「地質調査総合センター」(Geological Survey of

Japan)として活動を行っている。

研究予算(H13年度)は交付金・委託費を合わせて総額約800

百万円で、一人当たりの平均予算額は約23百万円である。

重点課題として、1) 地質特性の長期変化の評価モデルの研究、

2) 地質特性の長期変化に関するメカニズムの研究、3) 全国的な

既存地質データのデータベース化とデータ処理の研究、4) 地質環

境の地域分布と情報提供に関する研究を掲げている。

センター長 小玉 喜三郎

研究チーム(T):

地質総括T

地球物理T

地下水 T

深部流体T

長期変動T

地殻物性T

地球化学T

地質情報T

活断層

研究センター

活断層研究センターは、地震調査研究推進本部(文部科学省)

により示された総合基本施策の内、「活断層調査、地震の発生可

能性の長期評価、強震動予測等を統合した地震動予測地図の作

成」、研究成果の社会への迅速な公開と提供の推進等の課題達成

の一翼を担い、活断層調査事業の一層の推進と活動性評価の精度

向上、地震被害予測の研究の積極的推進、さらに内外の活断層デ

ータを収集・評価し、広く流通・公開する体制の整備など、活断

層に関するナショナルデータセンターとしての地位の確立を主

目的として設置された部門である。15名、3チームで構成され、

つくば中央第7事業所に展開している。

当部門と共に、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を目

的とした「地球科学情報研究部門」・「地圏資源環境研究部門」・

「海洋資源環境研究部門」・「深部地質環境研究センター」・「北

海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研究体」および

成果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、国際部門

の「国際地質協力室」等と強い連携をしており、対外的にはこれ

らの組織を総称して「地質調査総合センター」(Geological Survey

of Japan)として活動を行っている。

研究予算(H13 年度)は、総額 347 百万円(交付金330 百万

円、科振費等の委託費 17 百万円)、一人当たりの平均予算額は

23.1 百万円である。

重点課題として、1) 活断層調査事業の推進、2) 大規模活断層

評価研究、3) 地震被害予測研究、4) 活断層及び地震被害予測情

報の集積と発信を掲げている。

センター長 佃 栄吉

研究チーム(T):

活断層調査研究T

断層活動モデル研究T

地震被害予測研究T

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

35

化学物質

リスク管理

研究センター

本研究センターは、環境安全と化学物質の有効利用を両立させ

るために必須の、リスク評価、リスク管理のための理論を構築し、

その研究結果の実例を提示することによって、行政機関、企業、

市民の意思決定が、科学的、合理的に行われるよう支援するため

に設置された。研究職員 16 人 4 チームで構成され、つくばセン

ターで実施されている。

研究予算は総額 327 百万円、内、交付金 154 百万円、外部か

らの委託費が計 173 百万円(H13 年度)、1人当たりの平均予

算は 20.4 百万円である。重点研究課題として、化学物質の環境

濃度予測手法、暴露評価手法、新規リスク物質の探索、リスク評

価手法、リスク管理のための社会経済的な評価手法の研究開発を

行っている。

センター長 中西 準子

研究チーム(T):

大気圏環境評価T

地圏環境評価T

新規物質T

リスク評価・管理研究T

フッ素系

温暖化物質

研究センター

フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センターは、フッ

素系地球温暖化物質の代替物の評価・合成・開発を一体的に遂行

する国内唯一の公的研究機関として設置された。常勤研究者 13

人、併任研究者3人、非常勤職員5人、3チーム(合成、評価、

分子設計)で構成され、つくばセンター第5事業所と西事業所を

拠点として、民間からの人材をセンター長に登用し発足してい

る。

研究予算は総額 144 百万円、内、交付金 133 百万円、他に委

託費など 11 百万円(H13 年 12 月現在)があり、1人当たりの

平均予算は11.1 百万円である。

重点研究課題として、オゾン層破壊・地球温暖化対策技術に関

して、①代替物の評価と予測手法の開発、②合成法の開発、を設

定している。

センター長 山辺 正顕

研究チーム(T):

評価 T

分子設計T

合成 T

ライフ

サイクル

アセスメント

研究センター

本研究センターは、企業や政府・自治体による環境負荷の削減

を目的とした意思決定を支援する手法およびそれを具体的に示

すソフトウェアの開発を行い、人間活動による環境負荷の削減に

貢献するために設置された。

研究職員 11 人、環境影響評価およびエネルギー評価の2チー

ムで構成され、つくばセンターで実施されている。研究予算は総

額 156 百万円、内、交付金 73 百万円、外部からの委託費が計

83 百万円(平成13 年度)、1人当たりの平均予算は14.2 百万

円である。

重点研究課題として、1) 被害算定型影響評価手法の開発、2) 環

境調和型製品開発マニュアルの作成、3) インベントリーデータ集

の発行・公開と LCA の普及、4) 地域エネルギーシステムの研究

とソフトウェアの開発、5)長期的産業構造とエネルギー需給構造

の研究、6)LCA の国・産業・企業での活用方法の研究を行って

いる。

センター長 稲葉 敦

研究チーム(T):

環境影響評価T

エネルギー評価T

パワーエレク

トロニクス

研究センター

本研究センターは、これからの電力エネルギー技術のキーコン

ポーネントとなるSiCなどを使った革新的パワーデバイスの実用

化を目指し研究開発を進めるセンターである。

主要研究課題として、1)SiC を中心としたワイドバンドギャッ

プ半導体と新しいデバイス構造の開発、2)デバイスの革新的電力

機器ユニット化、3)電力エネルギーネットワークの接合点の電力

変換・制御に取り組む技術の開発を掲げている。

つくば中央第2事業所に位置し、常勤職員 11 名、5 チームで

構成されポスドク、非常勤職員等を含めると 40 名程。研究予算

(平成 13 年度)は総額 251 百万円(交付金 75 百万円、委託費

176 百万円)、研究職員一人当たりの平均予算額は 22.8 百万円

である。

センター長 荒井 和雄

研究チーム(T):

結晶成長・評価T

デバイスプロセスT1

デバイスプロセスT2

スーパーデザインT

スーパーノードネットワークT

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

36

生命情報科学

研究センター

本研究センターは、ゲノム配列からタンパク質分子の立体構

造・機能、それらの細胞・個体内での相互関係に至るまでの幅広

い生命現象を、情報論的な立場から取り扱う総合的な科学、生命

情報科学(バイオインフォマティクス)の研究を行うセンターで

ある。5つの研究チームがあり、職員37名(研究系24、事務系

スタッフ 13)の他、NEDO フェロー、技術研究員、学生を含め

60名強が主に臨海副都心センターを拠点として活動している。

研究予算(H13 年度)は、総額 465 百万円(交付金330 百万

円、委託費 135 百万円)、研究員一人あたりの平均予算額は約

19 百万円である。生命情報科学のアルゴリズム、数理モデル、

知識表現などの基盤的研究と、ゲノム情報科学、分子情報科学、

細胞情報科学の応用的研究を融合させ、強力な計算機による大規

模計算とソフトウェアの開発にも重点をおいて研究開発を行っ

ている。また、自ら生物学実験を行うチームを持たないことを特

徴とすることから、産総研の内外を問わず、幅広い産学官共同研

究を行っている。

センター長 秋山 泰

研究チーム(T):

アルゴリズムT

数理モデル・知識表現T

ゲノム情報科学T

分子情報科学T

細胞情報科学T

生物情報解析

研究センター

本センターは、大量のゲノム情報に含まれる生物情報の取得、

取得に関する新技術の開発、取得した情報の整理及び統合を生物

科学の立場より推進することを目的とし、特に、ポスト・ゲノム

シーケンス研究に重点を置き、我が国が世界に対して優位性を持

つ分野(膜タンパク質の立体構造解析やヒト完全長cDNAの機能

解析、バイオインフォマティクス)を中心としたタンパク質機能

解析を実施し、知的財産権の取得やデータの公開等を通じて、成

果の速やかな産業化を目指して設置された組織である。

研究職員27名(大学等との併任を含む)、10チームで構成さ

れている。会社からの出向等を含めると100名程。

研究予算(H13 年度)は総額 2,784 百万円(交付金 218 百万

円、委託費2,566 百万円)、研究職員一人当たりの平均予算額は

103百万円である。

重点研究課題として、構造ゲノム解析(4 チーム)、機能ゲノ

ム解析(5 チーム)、統合データベース解析(1 チーム)を掲げ

ている。

センター長 京極 好正

研究グループ / チーム(T):

構造ゲノム解析グループ

高次構造解析T

分子認識解析T

構造情報解析T

機能構造解析T

機能ゲノム解析グループ

プロテオーム発現T

遺伝子発現解析T

蛋白質ネットワーク解析T

細胞ゲノム機能解析T

遺伝子多様性解析T

統合データベース解析グループ

統合データベース解析T

ティッシュ

エンジニア

リング

研究センター

本センターは、多種類の細胞を生体中にある状態と同様に組織

化し、組織・臓器の持つ高次な機能を再現した三次元細胞組織モ

ジュールを生産し、産業・医療における実用的利用に供するため

の諸技術を総合的に確立することを目的に設置された組織であ

る。

研究職員12名、6チーム(メディカルデバイス、細胞培養研究、

組織再生、遺伝子、実験動物代替システム、硬組織形成)で構成

されている。ポスドク、非常勤職員等を含めると現在70名程。

研究予算(H13年度)は総額518百万円(交付金422百万円、

科振費等の委託費96百万円)、研究職員一人当たりの平均予算額

は43.2 百万円である。

センター長 立石 哲也

研究チーム(T):

メディカルデバイスT

細胞工学T

組織再生工学T

組織遺伝子T

動物実験代替システムT

硬組織形成T

ジーン

ディスカ

バリー

研究センター

本センターは、生命科学分野で蓄積しつつある膨大な新知識を

縦横に活用しつつ、創造的で系統だったアプローチにより、細胞

調節から加齢に至るまでの重要な生命現象に関わる新規機能遺伝

子を発見し、又、遺伝子とそれから産生されてくる蛋白質等の構

造と機能を、複雑なネットワーク作用機構との関連で解析し、新

しいレベルでの生命現象の理解を目指して設置された。

研究職員 13 名(大学等との併任を含む)、7 チーム(ジーン

ディスカバリー、セルレギュレーション、遺伝子機能ネットワー

ク、エージングコントロール、遺伝子導入、細胞運動解析、構造

解析)で構成されている。ポスドク、非常勤職員等を含めると60

名程。

研究予算(H13 年年度)は総額 401 百万円(交付金 422 百万

円、委託費等 96 百万円)、研究職員一人当たりの平均予算額は

30.8 百万円である。

センター長 倉地 幸徳

研究チーム(T):

ジーンディスカバリーT

セルレギュレーションT

遺伝子機能ネットワークT

エージングコントロールT

遺伝子導入T

細胞運動解析T

構造解析T

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

37

ヒューマン

ストレス

シグナル

研究センター

ヒューマンストレスシグナル研究センターは人間生活の中で生

じるストレスや加齢が生体に及ぼす影響を、基礎科学から工学、

心理学まで横断的に研究し、ストレス障害の防止・治療技術の開

発に役立てることを目的に設置された。常勤研究者 13 人(内併

任3人)、3グループで構成され、関西センターを拠点として、

外部から招いたセンター長とつくばセンターの併任協力をもと

に発足している。研究予算は総額 186 百万円、内、交付金 147

百万円、他に委託費など39百万円(H13年 12月現在)があり、

1人当たりの平均予算は14.3 百万円である。

重点研究課題として ①ストレスに対する生体応答と傷害防御

②生体・環境ストレス計測評価デバイスの開発、③日常生活にお

けるストレス及び加齢効果、に関する研究を設定している。

センター長 二木 鋭雄

研究チーム(T):

ストレス応答研究T

ストレス計測評価研究T

ストレス・加齢工学研究T

強相関

電子技術

研究センター

近年急速に進展しつつある強相関電子物理の概念に基づいて、

既存のエレクトロニクスの延長では到達できないような、革新的

な量子効果デバイス・量子材料の創製を目的とする。研究職員16

名(内大学併任5名)、非常勤研究職員(特別研究員、ポスドク

など)8名、非常勤職員(技術職)1名、また JRCATとの共同研

究職員(ポスドク、民間派遣)9 名を含む、7 研究グループで構

成され、つくば中央第4事業所で研究が行われている。研究予算

(H13年度)は、総額298百万円(交付金298百万円、委託費

等0百万円)である。

強相関電子系相制御技術、超格子物質・接合作製技術、極限ス

ピン計測技術、強相関デバイス・プロセス要素技術、強相関フォ

トニクス物質、量子位相制御理論、などの電子材料・電子技術を

開拓する。(強相関電子とは、多数の電子がお互いに強い影響を

及ぼしながら、存在する状況をさす。電子の集団は、ちょうど分

子集団が固体や液体や液晶の形態をとるように、量子固体-液体

-液晶の間を、磁気的、電気的、光学的な性質を大きく変えなが

ら、相変態を行う。また、これら電子集団の相はピコ秒以内の超

高速の切り替えが可能となる。外部から小さな刺激を入力とし

て、劇的な電子相変化を巨大出力とする現象を電子技術として発

展させようとするのが、強相関電子技術の基本的な理念である。)

センター長 十倉 好紀

研究チーム(T):

強相関相制御T

強相関物性T

強相関フォトニクスT

強相関超構造T

強相関デバイスT

強相関理論T

強相関スピン計測T

次世代半導体

研究センター

本研究センターは、次世代の半導体集積化デバイス及びシステ

ムの研究開発において日本をリードする研究拠点を目指すセン

ターである。NEDO「半導体 MIRAI プロジェクト」の中核として

も位置づけられている。常勤職員 32 名で構成され、つくば研究

センターに展開している。技術研究組合超先端電子技術開発機構

(ASET)からの企業研究者および大学からの半導体 MIRAI プロ

ジェクトへの参加者と一体となって、5 つの研究グループを構成

する。研究予算(H13年 12月現在)は、総額843百万円、内、

交付金114百万円、MIRAI プロジェクトからの資金など委託費な

ど729百万円)、一人当たりの平均予算額は26.3 百万円である。

主要研究課題として、1)高誘電率(high-k)ゲート絶縁膜材

料とゲート電極材料及び形成技術の開発、2)低誘電率(low-k)

層間絶縁材料を用いた配線技術及び評価技術の開発、3)トラン

ジスタの新原理形成プロセス・計測技術の開発、4)リソグラフ

ィー関連計測法の開発、5)回路システム技術のための新コンセ

プトの実証、を掲げている。

センター長 廣瀬 全孝

(研究チーム無し)

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

38

サイバー

アシスト

研究センター

本研究センターは、誰でもどこでも安心して高度な情報支援が

受けられる社会を実現するため、情報洪水を解消し、情報弱者を

支援し、またプライバシを保証する、現実世界の状況に基づいた

情報サービス(状況依存型知的情報サービス)の技術を開発し、

その普及を図るために設立された。常勤研究者 11 名、併任研究

者2名、常勤行政職3名(内1名はリエゾンディレクタ)、ポス

ドク等2名からなる5チーム(うち1チームは常勤研究者0)で

構成され、つくば中央第2事業所と臨海副都心センターに展開し

ている。知能システム研究部門、情報処理研究部門、光技術研究

部門などと連携をしている。

研究予算(H13年度)は、総額約2億円(交付金約90百万円、

科学技術振興事業団CREST研究予算約90百万円)、一人当たり

の平均予算額は15百万円である。

重点課題として、1) 情報インフラに基づくグラウンディングの

研究、2) プライバシ保護技術の研究、3) それらの応用としての

情報サービス技術の開発および普及、4) インフラのための標準化

を掲げている。

センター長 中島 秀之

研究チーム(T):

デバイス研究T

ソフトウェア研究T

コンテンツ研究T

マルチエージェント研究T

マイクロ

・ナノ機能

研究センター

マイクロ・ナノ機能広域発現研究センターは、ナノメーター・

マイクロメーターオーダーの幾何学的構造やエネルギー状態等

に起因する現象や効果を、工学的に有意義な機能としてマクロス

コピックに発現するナノ機能構造体の製造技術の基盤を確立す

ることを目的として、ナノ加工技術(超微細レーザー加工技術、

レーザーアブレーション技術)と微細構造機能発現技術(機能付

加加工技術、ナノ粒子技術、集積・デバイス化技術)を融合させ

たナノスケール加工プロセス技術の研究開発を行うために設置

された。6人2チームで構成され、つくばセンターで実施されて

いる。センター長と一人の副センター長を配している。

研究予算(H13年度)は総額118百万円、内、交付金62百万

円、委託費が計56百万円、1人当たりの平均予算は19.7 百万円

である。

重点研究課題として 1) 超微粒子応用微細機能構造体創製プロ

セス技術の研究開発、2) 精密形状転写加工のマイクロスケール解

析・評価技術の研究開発、3) ナノスケール機能構造創製プロセス

技術の研究がある。

センター長 矢部 彰

研究チーム(T):

マイクロ・ナノ機能研究T

機能付加加工研究T

ものづくり

先端技術

研究センター

ものづくり先端技術研究センターは、中小製造業の競争力強化

と新規産業の創出に貢献することを目的に、加工全般における技

能をデジタル化する技術、およびデジタル化された高信頼性、高

精度な技術情報をインターネットで公開し、設計・製造における

独自業務アプリケーションの構築を可能とする情報処理基盤技

術・システム化技術の開発を行うために設置された。

14 人 3 グループで構成され、つくばセンターで実施されてい

る。センター長と一人の副センター長を配している。

研究予算(H13年 7月 31日現在)は総額724百万円、内、交付

金 53 百万円、委託費が計 671 百万円、1 人当たりの平均予算は

51.7 百万円である。

重点研究課題として1) 加工デジタルモデルの研究開発、2) 情

報処理基盤技術・システム化技術がある。

センター長 小島 俊雄

研究チーム(T):

加工技術研究T

システム技術研究T

成形技術研究T

高分子

基盤技術

研究センター

本研究センターは、高分子材料の合成から成形加工にわたる精

密な構造制御に関する基盤技術の確立を主たる目的として設置

された。22 人6グループで構成され、臨海副都心センター及び

つくばセンターで実施されている。

研究予算(H13年度)は、総額313百万円(運営費交付金118

百万円、委託費等195百万円)1人当りの平均予算は14.2 百万

円である。

重点研究課題として1)一次構造制御技術の研究開発、2)高

次構造制御技術の研究開発、3)多相系高分子の研究開発、4)

ソフトマテリアルの研究開発、5)高分子成形加工の研究開発、

6)高分子複合材料の研究開発がある。

センター長 中浜 精一

研究チーム(T):

高分子合成T

高次構造制御T

多相系高分子T

ソフトマテリアルT

高分子成形加工T

高分子複合T

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

39

光反応制御

研究センター

本研究センターは、新しい太陽光エネルギー利用技術の開発や

汚染物質の少ない光・レーザー反応の完全制御技術の確立に向け

た革新的な光反応制御技術の研究開発を行うために設置された。

平成9年に開始した科技庁 COE プロジェクト「光反応制御・光

機能材料」を母体とする職員 26 人に博士研究員等 13 人を加え

た研究員39人、4グループで構成されている。

研究予算(H13年度)は、総額613百万円(運営費交付金110

百万円、委託費等503百万円)、職員一人当りの平均予算は23.6

百万円である。

重点研究課題として1)光誘起電子移動メカニズムの解明、2)

人工光合成技術の開発(水の光触媒分解、二酸化炭素の光固定)、

3)高性能色素増感太陽電池の開発、4)選択的レーザー化学反

応プロセスの開発、5)レーザー精密加工プロセスの開発を行う。

これらの「光反応制御」技術の開発研究を光誘起電子移動過程

の理論的・実験的解析やレーザーのコヒーレント制御に基づく量

子反応制御等の基礎・基盤技術から、太陽光エネルギー利用技術

やレーザー精密反応プロセスの実用化応用技術まで一貫して有

機的な連携組織で行うことを特徴としている。

センター長 荒川 裕則

研究チーム(T):

光反応機構T

太陽光エネルギー変換T

レーザー反応制御T

レーザー精密プロセスT

新炭素系

材料開発

研究センター

本研究センターは、炭素系物質・材料の作り出すナノスペース

を精査し、その構造や機能を明らかにしながら、優れた機能特性

と環境に適合しやすい炭素系材料の特長を生かした、新しい炭素

系材料による革新的な環境・エネルギー材料及び情報通信材料の

開発を目指して設置された。

研究職員 19 人 6 チームで構成され、つくばセンターで実施さ

れている。研究予算(平成13年度)は総額357百万円、内、交

付金 207 百万円、外部からの委託費が計 150 百万円、1人当た

りの平均予算は18.8 百万円である。重点研究課題として、1) ナ

ノスペース解析技術、2) ハイブリッド物質合成、3) スーパーハ

ード物質合成、4) ダイヤモンド紫外発光素子、5) 一次元ナノ構

造材、6) スーパートライボマテリアルの研究を行っている。

センター長 飯島 澄男

研究チーム(T):

ナノスペースT

ハイブリッドT

極限反応T

ダイヤモンド半導体T

一次元ナノ構造T

トライボマテリアルT

シナジー

マテリアル

研究センター

複数の機能が相乗した無機系材料の開発、およびエネルギー、

環境関連機器部材への具体的な応用展開を目指した材料技術の

確立を行う。研究職員 19 名(内、併任 3 名)、5研究グループ

で構成され、中部センター(志段味地区)で研究が行われている。

研究予算(平成 13 年度)は、総額 195 百万円(交付金 70 百

万円、委託費等 125 百万円)、一人当たりの平均予算額は 10.3

百万円である。(1)高温腐食雰囲気下で汚染物質を分離・除去する

材料、(2)機器の省エネルギー化や長寿命化を可能とする低摩擦・

摩耗材料、(3)有害ガスを連続的に選択分離・浄化する材料、(4)

高温腐食雰囲気下で微量ガスをモニタリングする材料、に関わる

技術の開発、及び (5) 将来の材料標準に資する材料評価・標準技

術の開発が重点課題として設定されている。

センター長 神崎 修三

研究チーム(T):

流体透過機能材料T

摺動材料T

環境浄化材料T

環境認識材料T

共生材料評価・標準T

超臨界流体

研究センター

超臨界流体研究センターは、「サスティナブル・ケミストリー

の視点から、化学技術自身を環境調和型のものとするために化学

製品のライフサイクル全体の環境負荷を低減する技術を追及す

る」ための技術課題の一つである、「超臨界反応場技術の基盤技

術を整備し、実用化を目指す」という目標に沿って、超臨界流体

反応場を利用した環境調和型化学合成プロセスの開発を目指し

た研究を実施し、化学工業の発展に寄与することを主目的として

設置された部門である。14名、3チームで構成され、東北センタ

ーに展開している。

研究予算(H13年度)は、総額200百万円(交付金79百万円、

経済産業省の委託費 121 百万円)、一人当たりの平均予算額は

14.3 百万円である。

重点課題として、1) 超臨界流体反応場を用いた有機合成の研究

及び2) 高温・高圧 in-situ 測定技術の開発研究を掲げている。

センター長 新井 邦夫

研究チーム(T):

流体特性解明T

有機反応T

材料合成T

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

40

スマートスト

ラクチャー

研究センター

「スマートストラクチャー研究センターは、構造全体の信頼性

を向上させ大きな災害を引き起こす破壊を 小限に抑えるとと

もに、構造全体機能の拡大を堆進させ、更に運用時のメンテナン

スコストの削減を可能にする技術研究を行うために設置されて

いる。

16人 5チームで構成され、つくばセンターで実施されている。

センター長は米国スタンフォード大学の教授が就任し、つくばセ

ンターに副部門長を配している。

研究予算(H13年 3月 31日現在)は総額282百万円、内、交

付金200百円、委託費が計82百万円、1人当たりの平均予算は

17.63 百万円である。

重点研究課題として1)センシングパッチ技術の開発、2)損

傷制御技術の開発、3)統合化製造技術の開発がある。

センター長 Fu-Kuo Chang

研究チーム(T):

バイブレーション

コントロール研究T

デバイス技術研究T

圧電材料研究T

センシング技術研究T

統合化製造技術研究T

界面ナノ

アーキテクト

ニクス

研究センター

東京大学大学院新領域創成科学研究科と強く連携しながら、原

子・分子という極微な単位を「部品」として、さらにサイズの大

きい構造体へ組み上げていく手法により、エネルギー環境問題や

医療福祉問題を解決するナノ構造材料、ナノ機能素子づくりを行

う。研究職員 24 名、4研究チームで構成され、つくば中央第5

及び第4事業所で研究が行われている。研究予算(H13年度)は、

総額 191 百万円(交付金 149 百万円、委託費・外部資金 42 百

万円)、一人当たりの平均予算額は7.9 百万円である。また、産

総研予算以外に、科学技術振興事業団との共同研究による戦略的

基礎研究推進事業がある。

具体的には、「有機ナノチューブ」や「分子ワイヤー」などの

高い軸比をもつナノ構造、「クラスター固体」や「ナノ微粒子」

などの高密度な界面を

もつナノ構造、「分子スイッチ」や「分子モーター」などの高

度に組織化されたナノマシン構造を「部品」として、「界面」を

利用しながらボトムアップ的に、より高次で大きなサイズをもつ

構造体に組織化、高密度化、配列化する研究を行い、 終的には、

1~100 nm の空間解像度をもつセンサーやチップなどの機能集

積素子を開発する。さらには、分子などを対象とした超高感度、

超高解像度の計測・分析手法の開発も行っている。

センター長 清水 敏美

研究チーム(T):

高軸比ナノ構造組織化T

高軸比ナノ構造制御T

高密度界面ナノ構造T

高組織化マシンナノ構造T

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

41

(b)研究部門

研究部門 ユニットの概要 組織

(研究チーム、研究グループ等)

計測標準

研究部門

本研究部門は、物理標準並びに標準物質の整備を目的とし、こ

れら計量標準の研究開発から維持・供給までの一体的な実施を主

たる業務とする部門である。226名、15科、32室で構成され、

つくば中央第2、第3、第5事業所と関西センター扇町サイトに

展開している。本部門、成果普及部門の計量標準管理部と計量研

修センター、国際部門の国際標準協力室で構成される計量標準関

連4部署を計量標準総合センターと総称している。本部門は、国

家計量標準を主体的に担う同センターの中核部門として活動し

ている。

研究予算(H13 年度)は、総額 2,300 百万円(交付金 1,130

百万円、科振費等の委託費1,131 百万円、その他39百万円)、

一人当たりの平均予算額は10百万円である。

重点課題として、1) 国家計量標準の開発・維持・供給、2) 特

定計量器の基準適合性評価、3) 次世代計量標準の開発、4) 共通

基盤的計測分析技術の開発、5) 国際計量システムの構築、6) 計

量の教習と人材の育成、7) 計量標準に係わる成果の普及、を掲

げている。

部門長 小野 晃

科 / 研究室 (K):

時間周波数科

時間標準K, 波長標準K

長さ計測科

長さ標準K, 幾何標準K

力学計測科

質量力標準K, 圧力真空標準K

質量計試験技術室

音響振動科

音響超音波標準K

強度振動標準K

温度湿度科

高温標準K, 低温標準K

放射温度標準K, 湿度標準K

流量計測科

流量標準K, 流量計試験技術室

物性統計科

熱物性標準K, 流体標準K

応用統計K

電磁気計測科

電磁気標準第1K,

電磁気標準第2K

電磁波計測科

高周波電磁界標準K,

レーザー標準K, 光放射標準K

量子放射科

放射線標準K

放射能中性子標準K

無機分析科

無機標準K, 環境標準K

有機分析科

有機標準K, 高分子標準K

先端材料科

材料評価K, 材料分析K

法定計量技術科

計量標準技術科

校正試験技術室

型式承認技術室

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

42

地球科学情報

研究部門

地球科学情報研究部門は、国土の属する日本島弧地域を主要対

象にかつ必要に応じて関連する大陸地域や他の島弧地域をも観

照しつつ、地球表層~地球深部におけるより高次の地球科学的実

態の解明・把握に努め、当該分野の知的資産の形成・知的基盤の

構築・整備に寄与すること、また、特に社会的要請の高い地震・

火山などに対する国の研究を分担し中立公正な地球科学情報の

提供を心掛け、国民社会の安寧や産業発展に貢献することを主目

的として設置された部門である。98名、19グループで構成され、

つくば中央第7事業所に展開している。

当部門と共に、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を目

的とした「地圏資源環境研究部門」・「海洋資源環境研究部門」・

「深部地質環境研究センター」・「活断層研究センター」・「北

海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研究体」および

成果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、国際部門

の「国際地質協力室」等と強い連携をしており、対外的にはこれ

らの組織を総称して「地質調査総合センター」(Geological Survey

of Japan)として活動を行っている。

研究予算(H13年度)は、総額850百万円(交付金453百万

円、科振費等の委託費397百万円)、一人当たりの平均予算額は

8.7 百万円である。

地質情報・地球物理情報・地球化学情報・地球科学情報解析・

地震関連情報および火山マグマ情報に集約した課題を縦軸に、横

軸には1) 地球科学情報の国際標準化、2) アジアの地球科学情報

高度化、3) 先端的地球科学技術開発を新たな戦略的重点課題と

して掲げている。

部門長 加藤 碵一

研究グループ(G):

堆積層序システム研究G

複合構造システム研究G

火山複合システム研究G

深成変成システム研究G

地質統合研究G

複合年代層序研究G

地球物理情報研究G

地殻構造研究G

地球化学研究G

微小領域同位体研究G

地震地下水研究G

地震発生過程研究G

実験地震学研究G

火山活動研究G

マグマ活動研究G

アジア地圏情報研究G

情報解析研究G

地質リモートセンシング研究G

地質標本研究G

地圏資源環境

研究部門

地圏資源環境研究部門は、地熱・燃料・鉱物資源を含む天然資

源の安定供給のための調査・研究・技術開発、また、地圏の利用

や地圏環境の保全のための地質環境に関する調査・観測及び利用

技術の開発・研究を行うことを主目的として設置された部門であ

る。69名、11グルーブで構成され、つくば中央第7及び西事業

所に展開している。

当部門とともに、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を

目的とした「地球科学情報研究部門」・「海洋資源環境研究部門」・

「深部地質環境研究センター」・「活断層研究センター」・「北

海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研究体」及び成

果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、国際部門の

「国際地質協力室」等と強い連携をしており、対外的にはこれら

の組織を総称して「地質調査総合センター」(Geological Survey

of Japan)として活動を行っている。

研究予算(H13 年度)は、総額 1,107 百万円(交付金 307 百

万円、委託費800百万円)、一人当たりの平均予算額は16.5 百

万円である。

重点課題として、1) 地熱貯留層評価管理技術の開発、2) 石炭

起源ガス・ガスハイドレート資源評価技術の開発、3) 大規模潜

頭性熱水鉱床の探査手法の開発、4) 東アジアにおける資源開発

研究協力・技術協力の体制構築、5) 地圏資源・環境に関する知

的基盤情報の整備・提供、6) 地圏利用のための地圏特性評価と

モニタリングシステムの開発、7) 地圏環境汚染評価手法の開発

を掲げている。

部門長 野田 徹郎

研究グループ(G):

貯留層変動探査研究G

高温岩体研究G

地熱資源研究G

燃料資源地質研究G

資源有機地化学研究G

鉱物資源研究G

アジア地熱研究G

物理探査研究G

開発安全工学研究G

地下水資源環境研究G

地圏環境立地研究G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

43

海洋資源環境

研究部門

海洋資源環境研究部門は、海洋を対象とした鉱工業の科学技術

の発展及び地質の調査を任務として、海洋の基盤情報整備、海洋

資源の探索・利活用、環境修復創造、防災等のための調査・研究

と技術開発を行うことを主目的として設置された部門である。72

名、14 グループで構成され、つくば・中国・四国の 3 センター

に展開している。

当部門はまた、深部地質環境研究センター・活断層研究センタ

ー・地球科学情報研究部門・地圏資源環境研究部門および成果普

及部門の地質調査情報部・地質標本館、国際部門の国際地質協力

室等とともに「地質調査総合センター(Geological Survey of

Japan)」と総称され、国としての「地質の調査」による地質情

報基盤の構築・整備の一端を担っている。

研究予算(H13 年度)は、総額 850 百万円(運営交付金 453

百万円、科振費等の委託費397百万円)、一人当たりの平均予算

額は11.8 百万円である。

重点課題として、1)海洋・海底資源の調査・探索と利活用,2)

沿岸環境保全と創造技術,地球規模環境問題への貢献,3)地質

の調査で代表される海洋の科学的調査・研究,技術開発と基盤情

報整備,の三大柱を掲げている。

部門長 宮崎 光旗

研究グループ(G):

分離吸着材料開発研究G

環境調和プラスチック開発研究

G

海底系資源・環境研究G

センシング材料開発研究G

水中加工自動化技術開発研究G

海洋地球変動研究G

沿岸環境保全研究G

生態系環境修復創造研究G

海洋生態機能開発研究G

物理環境修復創造研究G

海洋環境材料開発研究G

海洋地質研究G

海洋地球物理研究G

海洋動態モニタリング研究G

エネルギー

利用

研究部門

エネルギー利用部門は、エネルギー資源の変換・輸送・貯蔵技

術、および熱・動力などへの変換・利用技術の開発をとおして、

エネルギーの安定供給の確保と地球環境保全を目指した環境調

和型エネルギー需給構造の構築に貢献することを目的として設

置された。116 人 18グループで構成され、つくばセンターを中

心に北海道、大阪の各研究サイトで実施されている。部門長はつ

くばセンターに所属し、2人の副部門長を配している。

研究予算(H13年度)は総額854百万円、内、交付金309百

万円、委託費が計 545 百万円、1人当たりの平均予算は 7.4 百

万円である。

重点研究課題として1) 分散型エネルギーシステム、2) エネル

ギーのカスケード利用、リサイクルシステム、3) エネルギー貯

蔵・輸送技術、4) クリーン燃料製造、5) エネルギー源の多様化

技術がある。

部門長 請川 孝治

研究グループ(G):

小型分散システム研究G

循環システム研究G

熱・物質移動制御研究G

エネルギー変換材料研究G

ターボマシン研究G

クリーン動力研究G

熱回生利用研究G

燃焼反応制御研究G

炭化水素循環・利用研究G

ガスハイドレード研究G

エネルギー貯蔵材料研究G

システム安全研究G

バイオマス安全研究G

新燃料開発研究G

クリーン燃料研究G

太陽エネルギー利用研究G

熱化学研究G

分子化学研究G

電力

エネルギー

研究部門

本研究部門は、環境負荷低減、セキュリティの確保に配慮した

使いやすく経済的なエネルギーシステムの構築を目標に、電力エ

ネルギー技術を中心とした研究開発を行うために設置された部

門である。研究職員97名、14グループで構成され、つくば中央

第2、第5事業所に展開している。

研究予算(H13 年度)は、総額 1,368 百万円(交付金 284 百

万円、外部からの委託費1,084 百万円)、一人当たりの平均予算

額は14.1 百万円である。

主要研究課題として、1) 高効率分散電源技術(燃料電池、太

陽光発電、熱電発電)の開発、2) ネットワーク強化技術(超電

導、二次電池・スーパーキャパシター、エネルギーネットワーク、

監視技術)の研究開発、3) 長期的エネルギー源(水素エネルギ

ー、核融合)の研究開発、を掲げている。

部門長 大和田野 芳郎

研究グループ(G):

超電導応用G

超電導材料技術G

薄膜太陽電池G

半導体エネルギーデバイスG

太陽光発電システムG

エネルギーネットワークG

燃料電池G

エネルギー材料G

熱電変換G

水素エネルギーG

核融合プラズマG

パワーレーザーG

宇宙技術G

電力環境計測G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

44

環境管理

研究部門

本研究部門は、快適で安全な環境の創造を目的として、温室効

果気体を含む環境負荷物質の放出と大気、陸域、海洋等への分

配・循環メカニズムと環境影響を明確にし、適切な環境浄化・修

復技術の選択と開発、さらに技術の評価を行うとともに、技術・

手法の実用化、国際的な普及・移転を推進するために設置された。

研究職員 87 人 14 グループで構成され、つくばセンターと東北

サイトで実施されている。部門長はつくばセンターに所属し、各

サイトに副部門長を配している。

研究予算は総額 962 百万円、内、交付金 385 百万円、外部か

らの委託費が計577百万円(平成13年度)、1人当たりの平均

予算は11.1 百万円である。重点研究課題として1) 省資源・ダウ

ンサイズ環境分析システムの研究開発、2) 炭素の生物地球科学

的循環過程評価の研究開発、3) 窒素及び有害化学物質の新規生

物学的除去技術の研究開発、4)計量法認定計量管理事業者制度に

基づく事業者の認定に係わる業務、5)有害化学物質の先端的処

理・浄化技術の研究開発、6)有害化学物質・粒子状物質の発生源

対策技術と環境負荷低減効果の評価、7)生態系の環境浄化能を

強化した土壌浄化技術の研究開発に取り組んでいる。

部門長 指宿 堯嗣

研究グループ(G):

域間環境評価研究G

環境計測研究G

環境分子科学研究G

環境流体工学研究G

計測技術研究G

浄化機能促進研究G

浄化触媒研究G

水質浄化研究G

生態系機能制御研究G

大気環境評価研究G

地球環境評価研究G

光利用研究G

励起化学研究G

環境材料研究G

環境調和技術

研究部門

本研究部門は、独立法人のミッション「エネルギー・環境など

外部不経済性が働きやすく、国が自ら「公共財」として課題解決

技術の開発に取り組んで行くことが必要な分野」の研究開発の一

端として、また 21 世紀の成長産業のひとつとして期待される環

境産業の発展に資することを目的として、地球環境の負荷を極小

にするために必要な技術の研究開発を行い、持続可能な社会の実

現に貢献するために設置された。

研究職員数64人、12グループで構成され、つくばセンターで

実施されている。研究予算は総額 843 百万円、内、交付金 258

百万円、経済産業省他の委託費が計585百万円(平成13年度)、

1人当たりの平均予算は 13.2 百万円である。リサイクル、化学

プロセス、環境触媒を重点3分野として研究を行っている。

部門長 春田 正毅

研究グループ(G):

エコマテリアルG

再資源化G

粒子分離G

金属回収G

膜分離プロセスG

グリーンプロセスG

熱利用化学システムG

超臨界G

触媒探索G

クリーン燃料G

触媒設計G

炭化水素変換G

情報処理

研究部門

本研究部門はつくばセンター(中央第2事業所)にあり、コン

ピュータとネットワークが融合した地球規模のデジタル情報シ

ステム(インターネットはその代表的なものです)を、「誰でも

どこでも」「快適に」「安心して」利用しながら、大容量の情報・

知識を高速かつ自由自在に創造・流通・共有できるようにするこ

とを目指して、情報処理基盤技術の研究開発を行っている。

常勤の職員は 46 名、研究予算(H13 年度)は、総額 527 百

万円(運営交付金 292 百万円、科振費等の委託費 235 百万円)

である。

これまでの技術的な蓄積や、公共の研究機関としての役割に即

して、重点研究課題としてグローバル情報技術、ハイエンド情報

技術、先端メディア技術、セキュリティ技術の4つを掲げ、ハイ

エンド情報技術グループ、グローバル情報技術グループ、メディ

アインタラクショングループの3グループを中心に戦略的に研

究を推進している。平成 14 年 1 月 15 日にハイエンド情報技術

Gの一部が本研究部門から独立し、グリッド研究センターとして

新たに発足した。

部門長 大蒔 和仁

研究グループ(G):

グローバル情報技術G

ハイエンド情報技術G

メディアインタラクションG

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

45

知能システム

研究部門

知能システム部門は IT 技術、システムの知能化の基礎研究およ

びそれをベースとした情報システム、機械システム、ロボット・

メカトロニクスシステムの知能化についての研究を行うために

設置された。

78人 13グループで構成され、つくばセンターを中心に実施さ

れている。部門長はつくばセンターに所属し、2人の副部門長を

配している。

研究予算(H13 年末現在)は総額 596.6 百万円、内、交付金

318.1 百万円、委託費等が計278.5 百万円、1人当たりの平均予

算は7.6 百万円である。

重点研究課題として、1)生活支援知能システムの研究開発(人

間共存型ロボット、ヒューマノイド、高齢者支援機器、生活支援

機器等)、2)社会・産業応用知能システムの研究開発(防災ロ

ボット、ITS、高度オートメーション等)、3)実環境理解技術

の研究開発(3 次元視覚技術とその産業応用)、4)人間中心型

情報システム技術の研究開発(情報メディアインタラクション

等)、5)知能基盤研究開発(推論、学習、技能の基礎研究)が

ある。

部門長 谷江 和雄

研究グループ(G):

ヒューマンセンタード

ビジョン研究G

人間共存システム研究G

フィールドロボティクス研究G

ITS 研究G

3次元視覚システム研究G

タスク・インテリジェンス

研究G

ヒューマノイド研究G

音声聴覚情報研究G

推論・学習研究G

分散システムデザイン研究G

技能・力学研究G

エレクトロ

ニクス

研究部門

急速かつグローバルに進展する IT 社会の基盤となる情報処理

デバイス(信号の演算、記憶、増幅、伝達、変換・検出、表示)

技術について、新電子現象・材料の発見・解明から個別デバイス

さらには応用システムへの一貫した研究を展開することにより、

技術革新の原動力となる多様なシーズの創出や技術の高度化を

実現する。

61名、12研究グループで構成され、つくば中央第2事業所で

研究が行われている。研究予算(H13 年度)は、総額 710 百万

円(交付金 358 百万円、委託費等 352 百万円)、一人当たりの

平均予算額は11.6 百万円である。(1)革新的シーズの創出:革新

的新機能デバイスの創出を目指した新電子現象・材料の探索・解

明とその制御技術の開発、(2) LSI 基盤技術:LSI(超高集積半導

体回路)技術のブレークスルーの実現、(3)システムインテグレー

ション技術:種々のデバイス機能を高密度に集積・実装する機能

集積化技術の開発が研究の3つの柱として設定されている。

部門長 伊藤 順司

研究グループ(G):

先端シリコンデバイスG

デバイス評価計測G

機能集積システムG

高密度SI G

超伝導計測デバイスG

磁束量子デバイスG

スピントロニクスG

量子凝縮物性G

超伝導材料G

低温物理G

機能性酸化物G

フロンティアデバイスG

光技術

研究部門

光の持つ特徴を生かして、産業技術や人間生活に役立つ光技術

の研究開発を行う。当部門が対象とする技術分野は、(1)光情報通

信・処理技術を主な対象とするソフト・フォトニクス、(2)人間や

環境にとって使いやすい光表示・入出力技術などへの光の利用を

めざすアメニティ・フォトニクス、(3)新たな光源の極限性能実現

や先端的な光計測利用技術の開発を行うハード・フォトニクスで

ある。

98 名、19 研究グループで構成され、つくば中央第2 、第5 、

東事業所、関西センターで研究が行われている。研究予算(H13

年度)は、総額 1,097 百万円(交付金 479 百万円、委託費等

618 百万円)、一人当たりの平均予算額は11 百万円である。

重要研究課題として、(1)テラビット級光時分割多重通信に対応

可能な超高速光制御・システム化技術;光情報通信・制御用光エ

レクトロニクス材料・デバイス技術、(2)大容量情報通信をリアル

タイムで操作するためのフレキシブル機能光導波デバイス技

術;ヒューマンインターフェース光デバイスに使用可能な有機薄

膜光電子デバイス技術、(3)可視~近赤外高輝度超短パルス光源、

極端紫外コヒーレント光、高輝度X 線源、広帯域自由電子レー

ザー、エネルギー可変γ 線、低速陽電子ビームの発生・利用技

術;高精度形状計測、広帯域光センシング、位相・コヒーレンス

制御、光ピンセット技術を展開する。

部門長 小林 直人

研究グループ(G):

情報通信フォトニクスG

光電子制御デバイスG

超高速フォトニクス計測G

量子ナノ構造G

光エレクトロニクス材料G

錯体光学材料G

有機超薄膜G

分子フォトニクスG

集合体フォトニクスG

ガラス材料技術G

薄膜ナノプロセスG

デバイス機能化技術G

超短パルスレーザーG

広帯域量子放射技術G

高輝度量子放射源G

放射光利用技術G

高機能量子ビーム開発利用G

先端量子計測G

光計測制御G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

46

生物遺伝子

資源

研究部門

本研究部門は、微生物等、及びそのゲノム情報の機能解析によ

り生物資源、遺伝子資源の医薬を含む工業利用へのシーズ発掘及

び有効活用・産業化を図ることを目的とし設置された組織であ

る。研究職員70名、14グループで構成され、つくばと北海道の

2箇所に拠点がある。ポスドク、非常勤職員等を含めると現在165

名程。

研究予算は総額 637 百万円(交付金 358 百万円、科振費等の

委託費 279 百万円)、研究職員一人当たりの平均予算額は 9.1

百万円である。

重点課題として、生物遺伝子の探索・機能解析(4グループ)、

生物遺伝子資源を活用した有用物質生産技術開発(8グループ)、

生物遺伝子資源を活用した環境計測・環境浄化・環境保全技術開

発(2グループ)を掲げている。

部門長 曽良 達生

研究グループ(G):

生物資源情報基盤研究G

分子生態解析研究G

酵素開発研究G

生理活性物質開発研究G

高機能物質開発研究G

複合微生物系解析・利用研究G

環境保全型物質開発・評価

研究G

遺伝子資源解析研究G

分子環境適応研究G

生体物質設計研究G

遺伝子発現工学研究G

生物資源高度利用研究G

ナノバイオテクノロジー研究G

ミクロ生物化学工学研究G

分子細胞工学

研究部門

分子細胞工学研究部門は細胞と個体における生体機能を分子

レベルで解明し、得られた糖鎖、核酸、タンパク質等の新機能を

産業に応用する目的で設置された。常勤研究者 58 人、9グルー

プで構成され、つくばセンター第6事業所とつくばオープンスペ

ースラボを拠点としている。

研究予算は総額 870 百万円、内、交付金 466 百万円、他に

NEDO委託、科振費などの外部予算計404百万円(H13年 12月

現在)があり、1人当たりの平均額は15.0 百万円である。

重点研究課題として① ゲノム機能探索、②ゲノム情報利用、

③ゲノム機能制御、④生物リズム、⑤細胞増殖、⑥細胞認識、⑦

たんぱく質設計、⑧たんぱく質利用、の研究開発が設定されてい

る。

部門長 地神 芳文

研究グループ(G):

遺伝子機能解析G

遺伝子ダイナミックスG

遺伝子機能制御G

機能性核酸G

生物時計G

バイオセンサーG

蛋白質デザインG

蛋白質構造形成G

分子認識G

人間福祉

医工学

研究部門

本研究部門は、高齢社会における快適な生活環境や使いやすい

製品環境(ユニバーサルデザイン)の構築を目指し人間特性の解

明とモデル構築、高齢者の変容した身体機能の支援機器や患者に

とって負担の少ない医療機器技術の開発を目標に、人間生活工

学、福祉工学および医工学の3分野、研究職員 58 人 11 グルー

プで研究を遂行している。

研究予算(H13 年度)は、総額 453 百万円(内訳、運営費交

付金412百万円、委託費41百万円)、1人当たりの平均予算は

7.8 百万円である。

重点研究課題として、1)感覚・知覚における知的基盤の構築

と高齢社会における環境評価技術の開発、2)認知・行動モデル

の構築に関する研究、3)情報・メカトロニクス技術に基づく福

祉機器技術と人体適合評価技術の開発、4)長期生体適合性を有

する体内埋め込み人工臓器・生体材料技術の開発、5)無侵襲診

断技術および低侵襲手術支援技術の開発がある。

部門長 斎田 真也

研究グループ(G):

感覚知覚G

行動モデリングG

視覚認知機構G

身体・生態適合性評価技術G

認知的インタフェースG

高齢者動作支援工学G

福祉機器G

人工臓器・生体材料G

ニューロバイオニクスG

治療支援技術G

医用計測G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

47

脳神経情報

研究部門

本研究部門は、脳・神経の構造と機能に関し、生命工学的アプ

ローチと情報工学的アプローチ双方で総合的な研究を行い、その

成果の活用を図る。また、脳神経研究に資する計測機器の開発も

行う部門である。常勤の職員は60名(うち事務職員2名を含む)、

11 研究グループで構成され、つくば中央第2、第6、北事業所

と第4事業所に展開している。

研究予算(H13年度)は、総額690百万円(交付金499百万

円、科振費等の委託費191百万円(外部への再委託費は除く))、

一人あたりの平均予算額は12百万円である。

重点課題として、1) 脳神経細胞・遺伝子の機能解析とその利

用、2) 高次脳機能の研究、3) 脳における情報処理機構の解明、

4) 脳型情報処理の基本原理の解明、5) 脳型情報処理の工学的実

現を掲げている。

部門長 河野 憲二

研究グループ(G):

脳遺伝子研究G

脳機能調節因子研究G

DNA情報科学研究G

構造生理研究G

感覚認知科学研究G

認知行動科学研究G

システム脳科学研究G

脳機能解析研究G

情報数理研究G

応用数理研究G

認知工学研究G

物質プロセス

研究部門

本研究部門は、持続可能性社会実現のための化学技術開発を目

的に、革新的技術シーズとなる新物質・材料の創製並びに新反応

プロセスの開発を行うとともに、このための基礎・基盤技術の整

備・確立を目指している。常勤研究者 82 人 13 グループで構成

されている。

研究予算(H13年度)は、総額1,381百万円(運営費交付金

315 百万円、委託費等 1,066 百万円)、1人当たりの平均予算

は16.8 百万円である。

重点研究課題として1)新転換反応プロセスの研究開発、2)

低反応性小分子の化学工業原料化、3)特異物性ポリマーの研究

開発、4)機能性無機膜材料の研究開発、5)分子情報材料の研

究開発、6)生体の機能模倣と鍵物質の研究開発、7)爆発危険

性予測評価システムの研究開発、がある。

部門長 水上 冨士夫

研究グループ(G):

触媒・膜システムG

機能性無機物質化学G

ポーラス材料G

分子触媒G

高圧化学G

無機固体化学G

物性解析G

機能分子化学G

生体模倣材料G

生体関連機能物質G

環境適合型高分子材料G

材料システムG

爆発研究G

セラミックス

研究部門

本研究部門は、1)環境に配慮した材料開発のパラダイムシフ

トに対応する技術体系の再構築、2)多様な機能を複合あるいは

相乗させた材料の開発、3)材料設計技術の確立、評価手法標準

化などの知的基盤の構築を主な目的として設置された。

71人 13グループで構成され、中部センターを中心に実施され

ている。研究予算(H13 年度)は、総額 617 百万円(運営費交

付金 307 百万円、委託費 310 百万円)、一人当たりの平均予算

額は8.7 百万円である。

重点研究課題として1)アドバンスドマテリアルソースの研究

開発、2)低環境負荷型焼結技術の研究開発、3)ナノアッププ

ロセスの研究開発、4)メソ多孔化技術、5)セラミックスデザ

イン技術の研究開発がある。

部門長 亀山 哲也

研究グループ(G):

テーラードリキッドソース

研究G

機能複合粉体研究G

低環境負荷型焼結技術研究G

生体機能性セラミックス研究G

メソポーラスセラミックス

研究G

空間機能化セラミックス研究G

力学特性標準技術研究G

化学計測研究G

環境材料化学研究G

粒子配列制御研究G

超音波プロセス研究G

データベース基盤技術研究G

解析評価研究G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

48

基礎素材

研究部門

基礎素材研究部門は金属、無機系物質について新規な機能、構

造材料、あるいは新製造プロセスの研究開発を行うために設置さ

れた。常勤研究者130人、25 グループで構成され、中部センタ

ー(49 名)を中心に東北(8名)、中国(11 名)、九州(46

名)(総括研究員、出向者などを除く)の各研究サイトで実施さ

れている。部門長は中部センターに所属し、各4サイトに副部門

長を配している。

研究予算は総額 770 百万円、内、交付金 385 百万円、他に科

振費総合、NEDO産業技術助成等の委託費が計385百万円(H13

年 12月現在)、1人当たりの平均予算は5.9 百万円である。

重点研究課題として、①軽量金属材料プロセス、②環境適合性

および機能融合型基礎素材開発のための基礎技術の研究、③対環

境複合材料、④高信頼性の開発、⑤基礎素材表面への新機能発

言・機能融合化技術、⑥無機・有機ハイブリッド材料技術、の研

究開発が設定されている。

部門長 五十嵐 一男

研究グループ(G):

金属材料組織制御・評価研究G

軽量金属材料凝固プロセス

研究G

木質材料組織制御研究G

機能付与リサイクル技術研究G

難燃性マグネシウム合金

プロセス研究G

金属系複合材料研究G

耐環境性評価技術研究G

セラミックス系複合材料研究G

高耐久性コーティング研究G

高耐食性コーティング研究G

高信頼性表面処理研究G

環境応答機能薄膜研究G

機能性ナノマテリアル研究G

高耐久性材料研究G

低環境負荷プロセス研究G

相制御プロセス研究G

機能性金属材料研究G

多機能材料技術研究G

分子構造制御研究G

無機・有機複合化材料技術

研究G

炭素材料研究G

天然素材複合化技術研究G

機能集積マイクロ化

システム研究G

分離機能複合化材料技術研究G

予測診断技術研究G

機械

システム

研究部門

機械システム部門は、材料からプロセス、機械、システムまで

の一連の研究を行うために設置された。また、それらの基礎とな

る科学を探求することによって、製造技術を中心とする産業技術

の躍進に貢献するとともに、21 世紀の世界が目指す持続可能な

社会の実現に向け、技術的な指標を社会に提示して行くことを目

的としている。

55人 11グループで構成され、つくばセンターで実施されてい

る。部門長はつくばセンターに所属し、2 人の副部門長を配して

いる。研究予算(H14 年 3 月 31 日現在)は総額 710 百万円、

内、交付金 332 百万円、委託費が計 378 百万円、1 人当たりの

平均予算は12.9 百万円である。

重点研究課題として1)環境調和型製造技術、2)マイクロ・

ナノファブリケーション技術、3)信頼性工学技術を掲げている。

部門長 筒井 康賢

研究グループ(G):

ファインファクトリー研究G

プロセスメカニズム研究G

集積機械研究G

微小機構研究G

循環型生産システム研究G

循環型材料加工研究G

循環型機械材料研究G

トライボロジー研究G

先進材料・構造健全性研究G

安全信頼性研究G

複雑現象工学研究G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

49

ナノテク

ノロジー

研究部門

産総研におけるナノテクノロジーの中心として、ナノメートル

スケールにおける物質研究の新たな手法やコンセプトの開拓か

ら、生体を含むナノ構造物質の持つ諸現象の解明と応用、そして

それらの産業技術への展開まで幅広く先導していく。

研究員は、50 名、9研究グループで構成され、つくば中央第

2 、第4 、第5事業所で研究が行われている。

研究予算(H13年度)は、総額474百万円(交付金161百万

円、委託費等 313 百万円)、一人当たりの平均予算額は 9.5 百

万円である。

当部門では、経験とノウハウから論理と予測に裏打ちされた物

質・材料研究への脱皮するため、理論・計算科学を研究活動の基

盤として重視し、その上に構造を作り出すプロセス技術や構造機

能評価のための計測技術を配置し、ナノ材料、ナノデバイス、ナ

ノバイオテクノロジーをターゲットとした研究開発を推進して

いる。

部門長 横山 浩

研究グループ(G):

ナノ構造物性理論G

ナノダイナミクスG

近接場ナノ工学G

ナノクラスターG

機能性超分子G

分子ナノ組織体G

分子ナノ物性G

バイオマテリアルG

単一分子・界面技術G

計算科学

研究部門

本研究部門では、工学・理学・社会科学の広範な分野において、

計算機シミュレーションによる現象の解析・予測を通して、知的

資産の蓄積、研究支援、生産活動の効率化、環境問題、エネルギ

ー問題、安全などに貢献することを目指す。基礎解析研究グルー

プ、量子モデリング研究グループ、粒子モデリング研究グループ、

連続体モデリング研究グループ、複合モデリング研究グループの

5研究グループで構成され、専任研究者 25 名、併任研究者 14

名、研究協力者4名に加えて、数名のポスドク研究者からなる。

つくば第2事業所のつくばオープンスペースラボの2階にオフ

ィスを構えている。

研究予算(H13度)は、総額110百万円(交付金69百万円、

科振費等の委託費 46 百万円)、専任研究者一人当たりの平均予

算額は4.4 百万円である。

本研究部門が扱う対象は、ミクロの量子力学世界からマクロの

世界までの広がりを持つ。現実の問題の殆どは、マルチスケール、

マルチ物理と云われる複合現象であり、それらを扱うための手法

の開発を重要課題と捉えている。また、現象の解析の段階から、

新しい現象の予測、狙った機能を持つ系の設計の段階に進むべ

く、一般的な 適化問題等への取り組みも重視している。計算科

学は本質的に基盤的・境際的な研究であり、産総研の多くの研究

ユニットをつなぐ横糸的役割を果たす。

部門長 寺倉 清之

研究グループ(G):

量子モデリング研究G

粒子モデリング研究G

連続体モデリング研究G

複合モデリング研究G

基礎解析研究G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

50

(c)研究系

研究系 ユニットの概要 組織

(研究チーム、研究グループ等)

人間系

特別研究体

本研究体は、関西に存在することを積極的に活用し広範な連携

的研究を推進するとともに、分子から人間さらにそれを支える高

分子材料に関わる幅広いライフサイエンス研究を融合的研究マ

ネージメントにより進め、Industrial Bio-Engineering の発展に

貢献し、国民の自立し快適な生活を約束する医療福祉等の分野に

おける新産業創成に貢献を目的として設置された組織である。

研究職員 35 名、7 グループで構成されている。ポスドク、非

常勤職員等を含めると現在100名程。

研究予算(13年度)は総額374百万円(交付金277百万円、

科振費等の委託費 97 百万円)、研究職員一人当たりの平均予算

額は10.7 百万円である。

研究グループはニューロニクスをコアとして動的構造機能制

御、精密構造解析、細胞機能操作、メソフェ−ズ工学、刺激応答

材料、グリーンバイオの7つの研究グループからなる。

系長 田口 隆久

研究グループ(G):

動的構造機能制御研究G

精密構造解析研究G

細胞機能操作研究G

ニューロニクス研究G

メソフェーズ工学研究G

刺激応答材料研究G

グリーンバイオ研究G

生活環境系

特別研究体

生活環境系特別研究体は、関西の産業・研究集積を背景に、人

間の生活に密着した環境・エネルギー技術の開発を目指して、固

体表面の化学的機能の研究を中心として、基礎から実用化まで

を、一体的、且つ分野融合的に研究する組織として設置された。

関西センターを拠点として常勤研究者 55 人、9グループで構

成され、研究予算は総額 644 百万円、内、交付金 185 百万円、

他に委託費など459百万円(H13年 12月現在)があり、1人当

たりの平均予算は11.7 百万円である。

重点研究課題として、①生活環境浄化触媒、②環境ガラス、③

未来型リチウム電池、④固体高分子形燃料電池、⑤水素エネルギ

ー技術、⑥コンビナトリアル手法を用いた界面機能制御材料開

発、⑦界面イオニクス、⑧ナノ界面機能科学、を設定している。

系長 小林 哲彦

研究グループ(G):

環境ガラス研究G

環境触媒研究G

次世代電池研究G

小型燃料電池研究G

水素システム研究G

界面機能制御研究G

界面イオニクス研究G

ナノ界面機能科学研究G

新テーマ発掘研究G

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

51

(d)研究ラボ

研究系 ユニットの概要 組織

(研究チーム、研究グループ等)

グリーン

プロセス

研究ラボ

本研究ラボは、21 世紀の化学産業を地球環境保全と両立させ

つつ発展させるため、環境負荷の低い原料、反応系、プロセスか

らなる「グリーンケミカルプロセス」の構築を目指し、触媒や反

応の設計、環境負荷の低いプロセスや製品の開発等を行ってい

る。研究職員 11 名、ポスドク 12 名、大学院生1名からなる集

団がつくば中央第五に集中して、研究活動を推進している。

研究予算(H13 年度)は運営費交付金69 百万円、萌芽的研究

10百万円、原子力試験研究9百万円、RITE 優秀研究企画6百万

円、CREST 60百万円、次世代化学プロセス6百万円の総額160

百万円であり、一人あたりの平均予算は14.5 百万円である。

重点研究課題としては、1)グリーンプロセスの研究開発、2)

ハロゲンフリー化学の研究開発、3)基礎的探索的研究を行って

いる。

ラボ長 田中 正人

薄膜シリコン

系太陽電池

開発

研究ラボ

本研究ラボは、太陽光発電の大量導入に向けて、高性能低価格

積層型薄膜シリコン系太陽電池の製造技術を開発することを目

的に設置された。

研究職員数4人で構成され、つくばセンターで実施されている。

研究予算は総額343.3 百万円、内、交付金8.6 百万円、外部委託

費が計334.7 百万円(H13年度)、1人当たりの平均予算は85.8

百万円である。高効率、低コストの太陽電池モジュールの開発研

究を産官学の共同で集中的に行っている。

ラボ長 松田 彰久

ライフエレク

トロニクス

研究ラボ

本研究ラボでは、細胞からの信号や応答を物理的に詳細観察・

分析する先進的技術を、独自の高感度センサー技術やマイクロエ

レクトロニクスの利用により体系的に開発し、医療診断機器や再

生医療の細胞機能制御技術に資することを目的としている。

重点課題として1)生体計測基盤技術、2)細胞・分子機能評

価技術、3)ライフイメージング技術の確立を掲げている。

研究職員 13 名、ポスドク、非常勤職員、客員研究員等を含め

ると80名程。

研究予算(H13年度)は総額166百万円(交付金143百万円、

委託費 23 百万円)、研究職員一人当たりの平均予算額は 12.7

百万円である。

ラボ長 守谷 哲郎

デジタルヒュ

ーマン

研究ラボ

本研究ラボは、人間機能をコンピュータ上に再現するための数

学モデルの開発、及び、それに関連する人間特性観察技術、人間

特性提示技術の研究を行うために設置された組織である。デジタ

ルヒューマン研究を通じ、人間を知り、人間中心のシステム設

計・構成法を確立することを目指す。

研究職員7人のほか、NEDOフェロー、企業派遣研究員、学生

など合計約 15 人程度が、臨海副都心センターを拠点として活動

している。研究予算は総額321百万円、内、交付金140百万円、

科学技術振興事業団CREST研究予算が計157百万円、ほかは、

企業からの受託研究費、科学技術振興調整費など。1人当たりの

平均予算は21.4 百万円である。

重点研究課題として、1) 人間機能の状態を知り、それに合わせ

てシステムを制御するための人間観察及びモデル化技術、2) 人

間機能の個人差を知り、それに適合する製品設計のための人間機

能計測及びモデル化技術、3) 人間の心理認知特性をモデル化す

る研究、4) これらを支える人間特性データ蓄積、及び、運動提

示技術としてのヒューマノイド研究を行っている。

ラボ長 金出 武雄

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別紙2:評価対象研究ユニット一覧

52

次世代光工学

研究ラボ

本研究ラボは、近接場光応用技術を用いて、回折限界に起因す

る従来光学の限界を打破し、光ディスク、受光素子、リソグラフ

ィー技術等が現在抱えている高密度、高速化問題を解決するため

の技術基盤を研究・開発し将来産業の発展に貢献するものであ

る。

6 名、1 研究グループで構成され、つくば中央第4 事業所で

研究が行われている。研究予算(H13年度)は、総額99 百万円

(交付金89 百万円、委託費等10 百万円)、一人当たりの平均

予算額は16.5 百万円である。

プローブを用いずに高速度で近接場を利用する新しい記録・再

生方式、超解像近接場構造(スーパーレンズ)の研究が重点課題

として設定されている。

ラボ長 富永 淳二

微小重力環境

利用材料

研究ラボ

本研究ラボでは、微小重力環境を利用する高品質結晶や構造制

御材料の生成メカニズムを解明し、そのメカニズムに合致した創

製方法を駆使し、高品質結晶や構造制御材料を合成する方法を確

立することを目的として、これら材料の持つ特性を多様かつ高度

に利用するための材料・プロセス技術として「将来のフロンティ

アを切り開く技術の研究開発」、および、高品質結晶や構造制御

材料の DB として「産業技術の発展のベースとなる知的な基盤の

整備」に貢献する。

本研究ラボでは、短時間微小重力環境を利用して高品質結晶や

構造制御材料が製造できることを世界で初めて発信している。従

来とは全く異なる方法を駆使し、より高機能あるいは新規な材料

の創製を行う。

研究予算(平成13年度)は、総額46百万円(交付金28百万

円、委託費等 18 百万円、共同研究費 45 百万円)、一人当たり

の平均予算額13百万円である。

本ラボの今までの研究で、微小重力下で得られる均質な融液を

急冷一方向凝固することにより、単結晶や構造が制御された高品

質結晶材料が合成できることを世界に先駆けて明らかにした。こ

の知見を基に高度情報化技術やナノテクノロジーを支える磁性

材料、熱電半導体、化合物半導体、希薄磁性半導体の合成研究を

行う。

ラボ長 奥谷 猛

純度制御材料

開発

研究ラボ

本研究ラボでは、金属などの材料のバルク及び表面・薄膜にお

ける超高純度化の効果の実証と、その産業応用の可能性を研究

し、超高純度金属素材として、及び高性能コーティング材料、新

機能デバイス等、薄膜としての応用を目指す。また、超高純度金

属に関する国際基準・標準化への研究も併せて行う。常勤研究者

10人、3グループで構成され、関西センターを拠点としている。

研究予算は総額96百万円、内、交付金80百万円、他にNEDO

委託費など 16 百万円(H13 年 12 月現在)があり、1人当たり

の平均予算は9.6 百万円である。

重点研究課題として、①超高純度薄膜の創製とその基礎特性、

②超金属金属材料の表面特性、③イオンビーム照射による材料中

の純度制御がある。

ラボ長 堀野 裕治

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別紙3:レビューボード委員一覧

53

別紙3:研究ユニット毎のレビューボード委員一覧

(a)研究センター

研究センター

評価委員氏名

(五十音順)

(○は委員長)

所属 役職

江崎 哲郎 九州大学 大学院

工学研究院付属環境システム科学研究センター センター長, 教授

大塚 俊道 石油公団地質調査部 部長

○小川 勇二郎 筑波大学 地球科学系 教授

妹尾 宗明 日本原子力研究所 安全管理室 放射性廃棄物対策

推進室長

深部地質環境

研究センター

村上 隆 東京大学 大学院 理学系研究科 教授

井上 大榮 財団法人電力中央研究所 我孫子研究所 研究参事

入倉 孝次郎 京都大学 防災研究所 地震災害研究部門

強震動地震学分野 所長, 教授

○島崎 邦彦 東京大学 地震研究所 地球流動破壊部門 教授

山岸 宏光 新潟大学 理学部 自然環境科学科 教授

活断層

研究センター

吉田 明夫 気象研究所 地震火山研究部 部長

池上 正 旭化成株式会社 常務取締役,

研究開発本部長

○池田 三郎 筑波大学 社会工学系 教授

片谷 教孝 山梨大学 工学部 循環システム工学科 助教授

化学物質リスク

管理研究センター

中村 雅美 日本経済新聞社 編集局 科学技術部 編集委員

田口 武夫 東京薬科大学 薬学部 教授

○原 穆 オゾン層保護対策産業協議会 事務局長

松野 太郎 海洋科学技術センター 地球フロンティア研究システム システム長

青谷 寛 山形大学 客員教授

フッ素系等温暖化

物質対策

テクノロジー

研究センター

中井 武 新潟大学 大学院 自然科学研究科 教授

花木 啓祐 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

八木 晃一 独立行政法人物質・材料研究機構

材料基盤情報ステーション ステーション長

○山地 憲治 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授

ライフサイクル

アセスメント

研究センター

米光 徹志 トヨタ自動車株式会社 環境部製品グループ 担当部長

○赤木 泰文 東京工業大学 大学院 理工学研究科 教授

秋山 正博 京都工芸繊維大学 工芸学部 電子情報学科 教授

河村 篤男 横浜国立大学 大学院 工学研究院 教授

小松 一彦 日本電信電話株式会社 通信エネルギー研究所 所長

鈴木 彰 シャープ株式会社 技術本部 基盤技術研究所 技師長

パワー

エレクトロニクス

研究センター

冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授

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別紙3:レビューボード委員一覧

54

合原 一幸 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授

江口 至洋 三井情報開発株式会社 取締役

○久原 哲 九州大学 大学院 農学研究院 遺伝子資源工学部門 教授

西川 建 国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJ 研究センター 教授

生命情報科学

研究センター

松田 秀雄 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 助教授

石黒 正路 財団法人サントリー 生物有機科学研究所 部長研究員

伊藤 隆司 金沢大学 がん研究所 教授

○稲垣 冬彦 北海道大学 大学院 薬学研究科 教授

江口 至洋 三井情報開発株式会社 取締役

小原 雄治 国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報総合センター センター長, 教授

生物情報解析

研究センター

安永 照雄 大阪大学 遺伝情報実験センター ゲノム情報解析分野 教授

大野 邦夫 旭メディカル株式会社 技術 高顧問

片岡 一則 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

岸田 晶夫 国立循環器病センター研究所 生体工学部 部長

中福 雅人 東京大学 大学院 医学系研究科 助教授

ティッシュ

エンジニアリング

研究センター

○宮永 豊 筑波大学 体育科学系 教授

○新井 賢一 東京大学 医科学研究所 所長, 教授

島本 功 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 教授

鍋島 陽一 京都大学 大学院 医学研究科 教授

古市 泰宏 株式会社ジーンケア研究所 代表取締役研究所長

ジーン

ディスカバリー

研究センター

村松 喬 名古屋大学 大学院 医学研究科 教授

○浅田 浩二 福山大学 工学部 生物工学科 教授

民谷 栄一 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 教授

戸川 達男 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 システム研究部門 教授

中西 博昭 株式会社島津製作所 基盤技術研究所 主任研究員

ヒューマン

ストレスシグナル

研究センター

矢原 一郎 株式会社医学生物学研究所 伊那研究所 所長

北岡 良雄 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 教授

瀬恒 謙太郎 松下電器産業株式会社 先端技術研究所 主幹研究員

花村 榮一 千歳科学技術大学 光科学部 教授

○福山 秀敏 東京大学 物性研究所 所長, 教授

強相関電子技術

研究センター

水島 公一 東芝リサーチ・コンサルティング株式会社 シニアフェロー

小野寺 秀俊 京都大学 大学院 情報学研究科 教授

小柳 光正 東北大学 大学院 工学研究科 教授

西村 吉雄 株式会社 日経BP 編集委員(非常勤)

○安田 幸夫 名古屋大学 大学院 工学研究科 教授

次世代半導体

研究センター

渡辺 久恒 日本電気株式会社

支配人兼システム

デバイス・基礎研

究本部長

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別紙3:レビューボード委員一覧

55

石田 亨 京都大学 大学院 情報学研究科 教授

後藤 敏 日本電気株式会社 NECラボラトリーズ 支配人

○竹林 洋一 株式会社東芝 研究開発センター

知識メディアラボラトリー 技監

坪田 知巳 日本経済新聞社 日経デジタルコア設立事務局 代表幹事

サイバーアシスト

研究センター

松岡 聡 東京工業大学 学術国際情報センター 教授

○植田 憲一 電気通信大学 レーザー新世代研究センター センター長, 教授

潟岡 泉 日本航空電子工業株式会社 中央研究所 所長

金子 節夫 日本電気株式会社 機能デバイス研究所 所長

黒田 和男 東京大学 生産技術研究所 第1部 教授

虎渓 久良 HOYA株式会社 事業開発部門 事業企画 JPN担当 GM

松本 洋一郎 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

マイクロ・ナノ

機能広域発現

研究センター

吉澤 徹 東京農工大学大学院 工学研究科 教授

○稲崎 一郎 慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授

岩田 一明 財団法人国際高等研究所

フェロー

(大阪大学・神戸

大学 名誉教授)

佐藤 善治 佐藤技術士事務所 所長, 技術士

長江 昭充 ヤマザキマザック株式会社 常務取締役(開発

設計事業部長)

中野 宣政 三菱電機株式会社 名古屋製作所 開発部 主管技師長

ものづくり

先端技術

研究センター

桝田 正美 新潟大学 大学院 自然科学研究科 教授

○蒲池 幹治 福井工業大学 工学部 応用理化学科 教授(大阪大学名

誉教授)

酒井 忠基 株式会社日本製鋼所 専門役(役員待遇

上席常務理事)

瀬田 重敏 旭化成株式会社 特別顧問

土肥 義治 東京工業大学 大学院 総合理工学研究科 教授

高分子基盤技術

研究センター

堀江 一之 東京農工大学 工学部 有機材料化学科 教授

金子 正夫 茨城大学 理学部 自然機能科学科 教授

佐藤 幸蔵 富士写真フイルム株式会社 足柄研究所 研究部長

朴 鐘震 財団法人川村理化学研究所 技術顧問

堀江 一之 東京農工大学 工学部 有機材料化学科 教授

光反応制御

研究センター

○増原 宏 大阪大学 大学院 工学研究科 教授

尾浦 憲治郎 大阪大学 大学院 工学研究科 教授

○大橋 弘通 株式会社東芝 研究開発センター 技監

篠原 久典 名古屋大学 大学院 理学研究科 教授

福長 脩 エーステック株式会社 代表取締役

新炭素系材料開発

研究センター

三好 和寿 NASAグレン研究所 主任研究官

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別紙3:レビューボード委員一覧

56

植松 敬三 長岡技術科学大学 化学系 教授

○岡田 清 東京工業大学 大学院 理工学研究科 教授

加藤 倫朗 日本特殊陶業株式会社 常務取締役

河本 邦仁 名古屋大学 大学院 工学研究科 教授

シナジー

マテリアル

研究センター

丸山 正明 株式会社日経BPクリエーティブ 企画制作本部

企画制作第2部 部長

○荒井 康彦 九州大学 大学院 工学研究院 化学工学部門 教授

右手 浩一 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 助教授

川尻 聡 長崎菱電テクニカ株式会社 事業開発室 環境技術課 主任研究員

杉 義弘 岐阜大学 工学部 応用精密化学科 教授

超臨界流体

研究センター

福嶋 喜章 株式会社豊田中央研究所 第2特別研究室 室長,

シニアフェロー

浅沼 博 千葉大学 工学部 電子機械工学科 助教授

石川 隆司 独立行政法人航空宇宙技術研究所

先進複合材評価技術開発センター センター長

新谷 紀雄 独立行政法人物質・材料研究機構 材料研究所 材料基盤

研究センター インテリジェント材料研究グループ 主幹研究員

○武田 展雄 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授

板東 舜一 川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニー 技術部 部長

スマート

ストラクチャー

研究センター

古屋 泰文 弘前大学 理工学部 知能機械システム工学科 教授

○相澤 益男 東京工業大学 学長

浅子 佳延 株式会社日本触媒 光・電材事業企画グループ 主任部員

江口 健 キャノン株式会社 中央研究所 上席研究員

加藤 隆史 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

界面ナノ

アーキテクトニクス

研究センター

菅原 正 東京大学 大学院 総合文化研究科 教授

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別紙3:レビューボード委員一覧

57

(b)研究部門

研究部門

評価委員氏名

(五十音順)

(○は委員長)

所属 役職

池田 昌彦 株式会社堀場製作所 分析センター マネージャー

江木 紀彦 アイ・ティー・エンジニアリング株式会社 代表取締役社長

長島 昭 慶応義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授

二瓶 好正 東京理科大学 理工学部 工業化学科 教授

計測標準

研究部門

○山崎 弘郎 株式会社横河総合研究所 研究理事

○足立 守 名古屋大学 博物館 館長, 教授

石川 正道 株式会社三菱総合研究所 先端科学研究所 所長

佐々木 和彦 応用地質株式会社 エネルギー事業部 理事, 事業部長

滝田 良基 株式会社ニュージェック 東北支店 技術部 部長

西田 泰典 北海道大学大学院 理学研究科 教授

地球科学情報

研究部門

野津 憲治 東京大学大学院 理学系研究科 教授

大塚 俊道 石油公団地質調査部 部長

大屋 峻 三井金属資源開発株式会社 資源事業部 主席技師長

駒田 広也 財団法人電力中央研究所 我孫子研究所 研究参事

鈴木 洋介 金属鉱業事業団 技術開発部 部長

○新妻 弘明 東北大学 大学院 工学研究科 教授

地圏資源環境

研究部門

水田 敏夫 秋田大学 工学資源学部 教授

青木 豊 株式会社地球科学総合研究所 常務取締役

門元 之郎 三井造船株式会社 船舶・艦艇事業本部 水中機器部 部長

田中 昌宏 鹿島建設株式会社 技術研究所 環境技術研究部

水域環境グループ グループ長

辻井 薫 海洋科学技術センター 極限環境生物フロンティア研究

システム 深海微生物研究領域 領域長

○中田 英昭 長崎大学 水産学部 教授

海洋資源環境

研究部門

山野 澄雄 住友海洋開発株式会社 取締役,

営業開発部長

○岡崎 健 東京工業大学 大学院 理工学研究科 教授

越 光男 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

瀬間 徹 財団法人電力中央研究所 横須賀研究所 理事,

所長代理

宝田 恭之 群馬大学 工学部 教授

堤 香津雄 川崎重工業株式会社 技術本部 技術研究所

化学・環境研究部 参事

エネルギー利用

研究部門

久角 喜徳 大阪ガス株式会社 技術部 技術主幹,

シニアエンジニア

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別紙3:レビューボード委員一覧

58

秋田 調 財団法人電力中央研究所 狛江研究所 上席研究員,

電気物理部長

小久見 善八 京都大学 大学院 工学研究科 教授

前田 秀明 理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター

タンパク質構造・機能研究グループ 上級技師

安田 勇 東京ガス株式会社 R&D本部 技術開発部

PEFC・水素プロジェクトグループ 主幹研究員

電力エネルギー

研究部門

○横山 明彦 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

大垣 眞一郎 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

中澤 高清 東北大学 大学院 理学研究科 教授

中村 雅美 日本経済新聞社 編集局 科学技術部 編集委員

保母 敏行 東京都立大学 大学院 工学研究科 教授

○御園生 誠 工学院大学 工学部 環境化学工学科 教授

環境管理

研究部門

森田 豊治 株式会社荏原総合研究所 代表取締役社長

石川 矯 三菱化学株式会社 科学技術戦略室 部長

恒川 昌美 北海道大学 大学院 工学研究科 教授

中井 武 新潟大学 大学院 自然科学研究科 教授

環境調和技術

研究部門

○御園生 誠 工学院大学 工学部 環境化学工学科 教授

○後藤 敏 日本電気株式会社 NECラボラトリーズ 支配人

竹林 洋一 株式会社東芝 研究開発センター

知識メディアラボラトリー 技監

近山 隆 東京大学 大学院 新領域創成科学研究所 教授

徳田 英幸 慶應義塾大学 環境情報学部 教授

中津 良平 株式会社ATR知能映像通信研究所 代表取締役社長

情報処理

研究部門

村岡 洋一 早稲田大学 理工学部 情報科学科 教授

新井 民夫 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

木戸出 正継 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授

○東倉 洋一 日本電信電話株式会社 先端技術総合研究所 所長

畑岡 信夫 株式会社日立製作所 中央研究所

情報システム研究センター 主管研究員

森田 修三 株式会社富士通研究所

取締役(パーソナ

ル&サービス研究

所 所長)

知能システム

研究部門

谷内田 正彦 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 教授

井口 家成 東京工業大学 大学院 理工学研究科 教授

○榊 裕之 東京大学 生産技術研究所 教授

中島 康治 東北大学 電気通信研究所 知能システム部 教授

宮﨑 照宣 東北大学 大学院 工学研究科 教授

村瀬 克実 NTT エレクトロニクス株式会社 技術開発本部 商品技

術開発センター エレクトロニクス商品技術第3開発部 部長

エレクトロニクス

研究部門

吉田 二朗 株式会社東芝 研究開発センター

新機能材料・デバイスラボラトリー 研究主幹

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別紙3:レビューボード委員一覧

59

岡本 勝就 NTT エレクトロニクス株式会社 技術開発本部 特別開発室長

加藤 義章 日本原子力研究所 関西研究所 所長

○神谷 武志 文部科学省 大学評価・学位授与機構 学位審査研究部 教授

黒田 晴雄 東京理科大学 総合研究所

赤外自由電子レーザー研究センター

センター長,

教授

竹永 睦生 松下電器産業株式会社 R&D企画室 技監

光技術

研究部門

中西 八郎 東北大学 多元物質科学研究所 副所長, 教授

熊谷 泉 東北大学 大学院 工学研究科 教授

○冨田 房男 北海道大学 大学院 農学研究科

教授(先端科学技

術共同研究センタ

ー長 併任)

原山 重明 株式会社海洋バイオテクノロジー研究所 釜石研究所 所長

平石 明 豊橋技術科学大学 エコロジー工学系 教授

手柴 貞夫 協和発酵工業株式会社 研究本部 常務取締役,

研究本部長

生物遺伝子資源

研究部門

藤原 亜紀子 エイ・エフベンチャーズ有限会社 取締役社長

○川嵜 敏祐 京都大学 大学院 薬学研究科 教授

小林 利克 株式会社ジェンコム 代表取締役社長

鶴尾 隆 東京大学 分子細胞生物学研究所 所長, 教授

永井 和夫 中部大学 応用生物学部 応用生物化学科 教授

箱守 仙一郎 ワシントン大学 教授

分子細胞工学

研究部門

藤原 亜紀子 エイ・エフベンチャーズ有限会社 取締役社長

○伊福部 達 北海道大学 電子科学研究所 電子情報処理部門 教授

菊地 眞 防衛医科大学校 医用電子工学講座 教授

佐藤 幸三 株式会社東芝 医用システム社

医用機器・システム開発センター センター長

福田 忠彦 慶應義塾大学 環境情報学部 教授

人間福祉医工学

研究部門

吉村 誠一 財団法人電力中央研究所

ヒューマンファクター研究センター 上席研究員

合原 一幸 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授

伊佐 正 岡崎国立共同研究機構 生理学研究所 総合生理研究施設

高次脳機能研究プロジェクト 教授

川人 光男

株式会社国際電気通信基礎技術研究所 人間情報科学研

究所 計算論的神経科学プロジェクト・サイバーヒューマ

ンプロジェクト

プロジェクト

リーダー

木村 實 京都府立医科大学 第二生理学教室 教授

○芳賀 達也 学習院大学 理学部 生命分子科学研究所 所長, 教授

脳神経情報

研究部門

三品 昌美 東京大学 大学院 医学系研究科 教授

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別紙3:レビューボード委員一覧

60

相田 卓三 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

上野 文雄 株式会社東芝 ディスプレー・部品材料社

バッテリーエナジー 技師長

○遠藤 忠 東北大学 大学院 工学研究科 教授

大久保 達也 東京大学 大学院 工学系研究科 助教授

瀬戸山 亨 三菱化学株式会社 科学技術研究センター

ポーラスマテリアル研究所 所長

物質プロセス

研究部門

保坂 宏和 住友化学工業株式会社 筑波研究所 所長

遠藤 忠 東北大学 大学院 工学研究科 教授

古賀 和憲 京セラ株式会社 部品研究開発本部 副本部長

高橋 実 名古屋工業大学 セラミックス基盤工学研究センター 教授

田中 順三 独立行政法人物質・材料研究機構 生体材料研究センター センター長

○平野 眞一 名古屋大学 大学院 工学研究科 教授

セラミックス

研究部門

水谷 尚美 日本ガイシ株式会社 専務取締役(R&

Dセンター担当)

飯島 健三郎 ヤマハ株式会社 事業開発本部 機能素子開発センター センター長

岩木 正哉 理化学研究所 物質基盤研究部 部長

落合 庄治郎 京都大学 大学院 工学研究科

付属メゾ材料研究センター 教授

黒田 光太郎 名古屋大学 大学院 工学研究科 教授

高木 研一 東洋鋼鈑株式会社 技術部長

基礎素材

研究部門

○花田 修治 東北大学 金属材料研究所 加工プロセス工学研究部門 教授

大前 伸夫 神戸大学 工学部 機械工学科 教授

大輪 武司 東芝リサーチ・コンサルティング株式会社 チーフフェロー

小川 治男 オリンパス光学工業株式会社 研究開発センター

先進技術研究所 複合精密部長

○下山 勲 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授

鈴木 裕 九州工業大学 情報工学部 機械システム工学科 教授

機械システム

研究部門

堤 正臣 東京農工大学 大学院 生物システム応用科学研究科 教授

青柳 克信 東京工業大学 大学院 総合理工学研究科 教授

安藤 恒也 東京大学 物性研究所 教授

○川合 知二 大阪大学 産業科学研究所

教授(高次インタ

ーマテリアル研究

センター長併任)

曽根 純一 日本電気株式会社 システムデバイス・基礎研究本部

基礎研究所 所長

ナノテクノロジー

研究部門

横山 直樹 株式会社富士通研究所

フェロー(ナノテ

クノロジー研究セ

ンター長)

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別紙3:レビューボード委員一覧

61

加藤 重樹 京都大学 大学院 理学研究科 教授

鶴田 健二 岡山大学 大学院 自然科学研究科 助教授

永山 國昭 岡崎国立共同研究機構 統合バイオサイエンスセンター センター長, 教授

○藤原 毅夫 東京大学 大学院 工学系研究科 教授

計算科学

研究部門

牧野内 昭武 理化学研究所 ものつくりV-CAD研究プログラム プログラムディレ

クター

(c)研究系

研究系

評価委員氏名

(五十音順)

(○は委員長)

所属 役職

小倉 明彦 大阪大学 大学院 理学研究科 教授

長田 義仁 北海道大学 大学院 理学研究科 科長, 教授

小原 收 財団法人かずさDNA研究所 ヒト遺伝子研究部

○楠見 明弘 名古屋大学 大学院 理学研究科 教授

人間系

特別研究体

檜垣 達彦 株式会社クラレ 研究・事業開発本部 企画部 企画主管

旭 鐵郎 株式会社日刊工業新聞社 大阪支社 編集局長

太田 健一郎 横浜国立大学 大学院 工学研究院 機能の創生部門 教授

岡田 治 大阪ガス株式会社 開発研究部 部長, シニアリサ

ーチャー

○小久見 善八 京都大学 大学院 工学研究科 教授

川合 真紀 理化学研究所 主任研究員

生活環境系

特別研究体

松下 和正 長岡技術科学大学 環境建設系 教授

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別紙3:レビューボード委員一覧

62

(d)研究ラボ

研究ラボ

評価委員氏名

(五十音順)

(○は委員長)

所属 役職

籠谷 昌宏 ダイセル化学工業株式会社 企画開発本部 企画開発部長

中井 武 新潟大学 大学院 自然科学研究科 教授 グリーン

プロセス

○御園生 誠 工学院大学 工学部 環境化学工学科 教授

清水 勇 財団法人理工学振興会 専務理事

田中 誠 三洋電機株式会社 ニューマテリアル研究所

電子材料研究部 部長

薄膜シリコン系

太陽電池開発

○濱川 圭弘 立命館大学 総合情報センター センター長, 教授

飯田 健夫 立命館大学 理工学部 ロボティクス学科 教授

○井上 博允 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授

鈴木 直樹 東京慈恵会医科大学 高次元医用画像工学研究所 所長, 助教授

萩田 紀博 株式会社国際電気通信基盤技術研究所

メディア情報科学研究所 所長

デジタルヒューマン

横小路 泰義 京都大学 大学院 工学研究科 助教授

上野 照剛 東京大学 大学院 医学系研究科 教授

佐藤 俊輔 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 教授

平岡 真寛 京都大学 大学院 医学研究科 教授

ライフ

エレクトロニクス

森川 茂 株式会社関西新技術研究所 専務取締役

江刺 正喜 東北大学 未来科学技術共同センター 教授

太田 威夫 松下電器産業株式会社 光ディスク開発センター 参事

大林 元太郎 東レ株式会社 電子情報材料研究所 所長,

リサーチフェロー

次世代光工学

○久保 高啓 広島国際大学 保健医療学部 教授

石川 正 株式会社三菱総合研究所 先端科学研究所長

伊丹 俊夫 北海道大学 大学院 理学研究科 助教授

○野田 哲二 独立行政法人物質・材料研究機構 ナノマテリアル

研究所 ナノファブリケーショングループ 主幹研究員

日比谷 孟俊 東京都立科学技術大学 工学部

航空宇宙システム工学科 教授

微小重力環境

利用材料

北條 純一 九州大学 大学院 工学研究院 応用化学部門 教授

浅利 正敏 株式会社島津製作所 基盤技術研究所 参事

一色 実 東北大学 多元物質科学研究所 教授 純度制御材料開発

○高井 幹夫 大阪大学 極限科学研究センター 教授

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別紙4:成果ヒアリングの開催次第

63

別紙4:成果ヒアリングの開催日程

No. 研究ユニット名 開催月日 時間 場所 出席者数

1 機械システム

研究部門 12月27日 10:00~16:00

つくば 東

本館 2F特別会議室

委員6, ユニット15, 理事3, 評価部4, 企

画本部2, 技術情報2, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

2 人間福祉医工学

研究部門 1月 8日 11:00~16:00

臨海副都心センター

第1会議室

委員5, ユニット16, 理事1, 評価部4, 企

画本部3, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

3 サイバーアシス

ト研究センター 1月 8日 13:30~17:30

臨海副都心センター

第 3会議室

委員5, ユニット9, 理事4, 評価部3, 企画

本部2, 技術情報1, 産学官 3, 研究コーデ

ィネータ1

4

ヒューマン

ストレスシグナ

ル研究センター

1月 9日 13:00~17:00 関西センター(大阪)

委員5, ユニット20, 理事2, 評価部3, 企

画本部1, 技術情報1, 産学官1, 研究コーデ

ィネータ1, その他10, 関西センター長1

5 電力エネルギー

研究部門 1月 9日 13:00~17:30

臨海副都心センター

第 3会議室

委員5, ユニット10, 理事2, 評価部3, 企

画本部3, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

6

フッ素系

温暖化物質

研究センター

1月 10日 13:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員4, ユニット13, 理事3, 評価部4, 企

画本部3, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

7

薄膜シリコン系

太陽電池

研究ラボ

1月 10日 13:30~16:30つくば第2-6

第 5会議室

委員3, ユニット3, 理事1, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 1

8

ものづくり

先端技術

研究センター

1月 11日 10:00~16:00つくば 東

本館 2F特別会議室

委員6, ユニット17, 理事1, 評価部3, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官1

9 分子細胞工学

研究部門 1月 11日 10:00~17:00 つくば第6-9, 2 階

委員6, ユニット3, 理事1, 評価部3, 企画

本部1, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

10 次世代光工学

研究ラボ 1月 11日 13:00~17:00 つくば第4-9, 2 階

委員4, ユニット4, 評価部3, 企画本部3, 技

術情報1, 産学官1, 研究コーディネータ1

11

スマート

ストラクチャー

研究センター

1月 15日 10:30~16:00 つくば第2 OSL 委員6, ユニット9, 理事2, 評価部3, 企画

本部5, 技術情報1, 研究コーディネータ1

12

ティッシュ

エンジニアリン

グ研究センター

1月 15日 12:00~17:00 つくば第5-2, 6601 室

委員5, ユニット11, 理事1, 評価部3, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

13 強相関電子技術

研究センター 1月 15日 13:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット9, 理事2, 評価部2, 企画

本部4, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

14

ジーン

ディスカバリー

研究センター

1月 16日 12:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット6, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

15 次世代半導体

研究センター 1月 17日 13:00~17:00

経済省別館

5 階 第 1会議室

委員4, ユニット6, 理事4, 評価部4, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 2, 研究コーデ

ィネータ1

16 深部地質環境

研究センター 1月 18日 10:00~16:00 つくば第7-8, 326 室

委員5, ユニット13, 理事1, 評価部3, 企画

本部2, 技術情報1, 研究コーディネータ1

17 人間系

特別研究体 1月 18日 12:00~17:15 関西センター(大阪)

委員4, ユニット9, 理事1, 評価部3, 企画

本部1, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

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別紙4:成果ヒアリングの開催次第

64

18 生物遺伝子資源

研究部門 1月 21日 12:00~17:15 つくば第6 第1会議室

委員6, ユニット16, 理事2, 評価部4, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官2, 研究コー

ディネータ1

19 デジタルヒュー

マン研究ラボ 1月 22日 11:00~14:00

臨海副都心センター

デジタルヒューマンラ

ボ会議室

委員5, ユニット5, 理事1, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 2

20

界面ナノアーキ

テクトニクス

研究センター

1月 22日 9:00~14:30 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット4, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

21 生活環境系

特別研究体 1月 23日 10:00~17:00 関西センター(大阪)

委員6, ユニット2, 理事4, 評価部4, 企画

本部2, 技術情報1, 研究コーディネータ1,

関西副センター長1

22 微小重力環境利

用材料研究ラボ 1月 25日 10:00~14:30 北海道センター(札幌)

委員5, ユニット4, 理事1, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 研究コーディネータ1

23

パワーエレクト

ロニクス

研究センター

1月 25日 12:00~17:00つくば第2

OSL 1 階会議室

委員6, ユニット5, 理事1, 評価部3, 企画

本部2, 技術情報1, 産学官 2, その他 1

24 マイクロ・ナノ機

能研究センター 1月 28日 10:00~16:00

つくば 東

本館 2F特別会議室

委員7, ユニット10, 理事4, 評価部4, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

25 超臨界流体

研究センター 1月 29日 11:00~15:00 東北センター(仙台)

委員4, ユニット6, 理事2, 評価部3, 企画

本部2, 技術情報1, 産学官 2, 東北センタ

ー長1, 東北副センター長1

26 エネルギー利用

研究部門 1月 29日 10:00~16:00 つくば 西

委員5, ユニット12, 理事2, 評価部4, 企

画本部4, 技術情報1, 産学官2, 研究コー

ディネータ1

27 知能システム

研究部門 1月 31日 10:00~16:00 つくば第2, 8 階 D822

委員6, ユニット7, 理事2, 評価部4, 企画

本部4, 技術情報2, 研究コーディネータ1

28 基礎素材

研究部門 2月 1日 10:00~17:00 中部センター(志段味)

委員6, ユニット5, 理事5, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 2, 中部副セン

ター長1

29

ライフエレクト

ロニクス

研究ラボ

2月 1日 12:00~17:00 関西センター(大阪)

委員4, ユニット3, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

30 生命情報科学

研究センター 2月 4日 13:00~17:00

臨海副都心センター4

階CBRCミーティング

ルーム

委員 5, ユニット6, 評価部 4, 企画本部2,

技術情報1, 産学官 3,

研究コーディネータ1

31

純度制御

材料開発

研究ラボ

2月 4日 13:00~17:00 関西センター(大阪)

委員3, ユニット1, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 研究コーディネータ1,

関西副センター長1

32

ライフサイクル

アセスメント

研究センター

2月 4日 14:00~17:30臨海副都心センター

TV会議室

委員4, ユニット6, 理事1, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 研究コーディネータ2

33 脳神経情報

研究部門 2月 5日 10:00~16:00

つくば第6-10

2 階セミナー室

委員5, ユニット7, 理事2, 評価部4, 企画

本部5, 技術情報1, 産学官 4, 研究コーデ

ィネータ2

34 セラミックス

研究部門 2月 5日 13:00~17:30 中部センター(志段味)

委員6, ユニット11, 理事3, 評価部3, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

35 新炭素系材料

研究センター 2月 6日 13:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員4, ユニット7, 理事3, 評価部4, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 1

Page 66: 十 年 成果ヒアリング 度 評価結果報告書平成13年度成果ヒアリング評価結果 1 はじめに 本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年12

別紙4:成果ヒアリングの開催次第

65

36

シナジー

マテリアル

研究センター

2月 7日 13:00~17:00 中部センター(志段味)委員5, ユニット7, 理事3, 評価部3, 企画

本部2, 技術情報1, 研究コーディネータ1

37 地球科学情報

研究部門 2月 7日 9:30~16:00 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット10, 理事2, 評価部3, 企画

本部1, 技術情報1, 研究コーディネータ1

38 環境管理

研究部門 2月 12日 10:00~16:00 つくば第5-2, 3601 室

委員3, ユニット15, 理事1, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 研究コーディネータ2

39 計測標準

研究部門 2月 12日 10:00~17:00

つくば第3-9

3 階大会議室

委員5, ユニット16, 理事1, 評価部3, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官3

40 物質プロセス

研究部門 2月 13日 10:30~16:30 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット17, 理事3, 評価部4, 企

画本部2, 技術情報1, 産学官2, 研究コー

ディネータ1

41 高分子基盤技術

研究センター 2月 18日 14:00~17:30

臨海副都心センター

第 1会議室

委員5, ユニット15, 理事3, 評価部4, 企

画本部4, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

42 環境調和技術

研究部門 2月 19日 10:00~16:00 つくば第5-2, 3601 室

委員3, ユニット6, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 2, 研究コーデ

ィネータ2

43 グリーンプロセ

ス研究ラボ 2月 20日 10:00~14:30

理事長室 (経済省別館

10階 1001)

委員3, ユニット4, 理事2, 評価部3, 企画

本部2, 技術情報1, 産学官 1

44 海洋資源環境

研究部門 2月 20日 9:30~16:00 つくば第5-2, 3601 室

委員6, ユニット6, 理事2, 評価部4, 企画

本部3, 技術情報1, 研究コーディネータ1

45 光反応制御

研究センター 2月 21日 11:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット9, 理事1, フェロー1, 評

価部 3, 企画本部3, 技術情報1, 産学官 2,

研究コーディネータ1

46 情報処理

研究部門 2月 22日 10:00~16:00

つくば第2-1

第 1AV室(D821-2)

委員5, ユニット7, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 1, 研究コーデ

ィネータ1

47 ナノテクノロジ

ー研究部門 2月 22日 10:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員4, ユニット17, 理事3, 評価部3, 企

画本部1, 技術情報1, 産学官2, 研究コー

ディネータ1

48 エレクトロニク

ス研究部門 2月 27日 10:00~17:00 つくば第2, 8 階 D822

委員6, ユニット19, 理事3, 評価部4, 企

画本部4, 技術情報1, 産学官1, 研究コー

ディネータ1

49 生物情報解析

研究センター 2月 28日 12:00~17:00

臨海副都心センター

第 3会議室

委員6, ユニット5, 理事1, 評価部4, 企画

本部1, 技術情報1, 産学官 2, 研究コーデ

ィネータ1

50 光技術

研究部門 2月 28日 10:00~17:00 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット12, 理事2, 評価部3, 企

画本部2, 産学官 1, 技術情報1, 研究コー

ディネータ1

51 活断層

研究センター 3月 7日 10:00~16:00 つくば第5-2, 3601 室

委員5, ユニット9, 理事2, 評価部4, 企画

本部2, 技術情報1, 研究コーディネータ1

52 計算科学

研究部門 3月 11日 10:00~17:00

つくば第2

OSL 第 6会議室

委員5, ユニット6, 理事2, 評価部3, 企画

本部3, 技術情報1, 産学官 2, 能力開発1,

研究コーディネータ1

53

化学物質

リスク管理

研究センター

3月 11日 13:30~17:00臨海副都心センター

第 3会議室

委員4, ユニット7, 理事2, 評価部4, 企画

本部4, 技術情報1, 研究コーディネータ2

54 地圏資源環境

研究部門 3月 13日 9:30~16:00 つくば第5-2, 3601 室

委員6, ユニット6, 理事2, 評価部4, 企画

本部5, 技術情報1, 能力開発1, 研究コー

ディネータ1

Page 67: 十 年 成果ヒアリング 度 評価結果報告書平成13年度成果ヒアリング評価結果 1 はじめに 本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年12

別紙5:委員の利害関係の判断基準

66

別紙5:レビューボード委員が利害関係者であることの判断基準

第 14000-20011001-1 号

平成 13年 10月 1日

委員または委員の所属する機関(大学、独立行政法人、企業(同一企業グループを含む)等)(以

下、「委員等」と言う)が、下記のいずれかの基準に該当するとき、当該委員は産業技術総合研究所

(以下「産総研」という)の研究ユニットと利害関係があるものとする。

委員等が、

1. 研究ユニットに所属するグループ長(チーム長、室長)以上の研究者と現在または直近の過去

3年間、共同研究契約、受託研究契約等を締結することにより、当該研究ユニットと関係を有

するあるいは有したこと、又は近い将来関係を有する見込みがあること。ただし、機関が上記

各契約を締結するとき、当該契約を実施する部署に委員が属していないことなどにより研究ユ

ニットの評価への影響がないと判断する場合はこの限りではない。

2. 研究ユニットに対し、研究用機器の納入等を行っていること。ただし、機器の納入等に係る部

署が委員の所属する部署と異なることなどにより研究ユニットの評価への影響がないと判断

する場合はこの限りではない。

3. 計量法計量標準供給制度に基づき、産総研から直接標準の供給を受けている事業者等、または

特定計量器の型式承認を受けている事業者等であること。ただし、委員が標準の受給又は型式

承認に係る部署に属していないことなどにより研究ユニットの評価への影響がないと判断す

る場合はこの限りではない。

4. 産総研または旧工業技術院の研究所(以下「産総研等」という)の研究者であった経歴を有し、

産総研等の研究者でなくなってから5年を経過していないこと。

5. 研究ユニットに所属するグループ長(チーム長、室長)以上の研究者と直近の過去5年間に産

総研以外の同一機関に勤務した経歴を有すること。ただし、当該研究ユニットの研究者と同一

部署に勤務しないことなどにより研究ユニットの評価への影響がないと判断する場合はこの

限りではない。

6. 参加する研究プロジェクトにおいて、当該研究ユニットが資源配分などに関与していること。

7. その他、研究ユニットの評価を行ううえで評価に影響を及ぼす関係を研究ユニットとの間に有

すること。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

67

別紙6:研究ユニットの評価結果(まとめ)

(a)研究センター

深部地質環境研究センター

1. 地質特性変化のメカニズム解明に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標AAAAA、進捗BABAA]

○着実に進行している。

▲定量的モデル化などの具体的な計画を示して、その

達成について見通しが示されるべき。

モデル化などの具体的な目標についても見通しを立

てて取り組んでいく必要から、新年度よりチーム体制

を改編し、この分野の研究を強化する予定。

2. 地質特性変化の予測・評価手法の整備に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AAAAA、進捗BABBA]

○研究目標は妥当

▲NA の研究は独自の方法で展開されようとしている

が、予測・安全性解析に対してどのような役割をする

かの位置づけを明確にして進める必要がある。

NA 研究の役割・位置づけを明確にした研究を展開

するため、新年度より研究チーム体制を改編し、この

分野の研究を強化する予定。

3. 地質特性変化に関するデータ基盤の整備

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.9 [目標AAAAA、進捗BAAAA]

○着実にDB化が進んでいる。

▲サービスを受ける側の立場も念頭に入れるべき。二

次的に加工したデータは実用への信頼性、研究の進展

による更新などの責任を持つべき。

サービスを受ける利用者の立場を念頭に置きなが

ら、さらに整備を進めてゆき、実効的なものにする必

要があると考えている。

4. 環境地質図類の整備と情報発信に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.9 [目標AAAAA、進捗BAAAA]

○時代の要請に応える意欲的な計画。

▲環境地質図は、他の機関と比べた特色や重複につい

て検討を要する。Web利用をすれば、維持更新、提供

が広く利用される鍵となる。

Web上での公表を考えて、整備を進めている。

5. 緊急地質調査・研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AABAA、進捗BABAA]

○研究成果の社会への応用として意義ある計画。

▲他部門、他の災害関連機関との連携を検討すべき。

当センターとしては時限的に、主体となる地質グル

ープ他ユニットの研究を支援・協力する形で行ってい

る。他省庁等の関連研究機関との連携もこの横断組織

を通じて進んでいると理解している。

運営体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [BABAA]

○半年間の研究成果として、高い進捗を示す。

▲本センターの廃棄物処理へのもっとも直接的貢献は

水文学と地球化学にあり、さらに強化するべき。微生

物-鉱物・水・反応は特に 近の発展が目ざましく本

センターでもテーマとして取り入れるべき。

新年度よりあらたに「化学反応チーム」を新設し、

指摘分野の研究を強化すると共に、サブグループリー

ダー制を採用する予定。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

68

活断層研究センター

1. 全国主要活断層等の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標AABAA、進捗ABBBA]

○国の地震調査研究体制の一翼として重要。活断層

調査に対する社会の要請は強い。

▲調査自体は順調だが、評価指標についての説明は

十分とはいえない。

新規調査を開始するたびに新たな課題が出てくるとい

った状況が続いており、調査を行いつつ対応している。

評価については、活断層系セグメンテーションの成果も

活動性評価に反映させていきたい。

2. 活断層データベース・活構造図等の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AAAAA、進捗BBCBB]

○膨大な活断層および関連データをデータベース

化する目標は評価できる。

▲サポートする体制に改善の余地があり、国土地理

院など他省庁との整合性を図るべき。

活断層データベースは、専門的評価(判断)からなる

ため、外注には限度がある。他省庁の活断層・地震等に

関するデータベースと整合させることは、関係機関と積

極的に調整を図って行きたい。

3. 活断層系のセグメンテーションの研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BABBA、進捗ABBBA]

○活断層の運動のメカニズムの解明にとって重要

な課題である。

▲何をターゲットにするのか、研究の到達目標と、

その位置づけを明確にすべき。

当センター発足以前から継続している先端的・長期的

課題。1999年地震断層3カ所の形状解明、古地震履歴に

よる主要セグメント区分確定などが成果。14年度はメカ

ニズム解明に向けた段階に進む。

4. 地震被害予測の高度化の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AABAA、進捗AABBA]

○地震のソースモデルから地盤モデルを入れた被

害予測は、現在 も欲しい情報である。

▲大阪平野のみならず、関東平野や濃尾平野など、

他の大都市圏の課題も明確にすべき。

大阪平野は周辺の活断層・古地震調査結果が も豊富

で、研究に 適。他の大都市圏も、地下構造調査・活断

層調査が進むことによって、当センターの特色を生かし

た被害予測研究が可能になる。

5. 津波被害予測の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標AABAB、進捗AABBA]

○数百年に一回の巨大津波を認めた成果は、国際水

準の 先端を行っている。

▲活断層センターとして、津波災害をとりあげる理

由を明確にすべき。

地学的な情報(津波堆積物に基づく古地震・津波履歴、

サイスモテクトニクスなど)に重きをおいた津波被害予

測が、当センターで行なう意義であり、特色と考える。

6. 古地震に関する日米二国間共同研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標BAAAA、進捗BABAA]

○“古地震”は活断層センターならではの手法であ

り、それを国際的に一般化するのは評価できる。

▲アメリカと共同研究のメリットが不鮮明である。

本共同研究はH13年度で終了するが、今後の共同研究

においては、双方にメリットのある重点目標を立てたい。

運営体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [A-BAA]

○比較的少人数で風通し良い運営がされている。

▲マンパワーの問題が大きい。大学との連携も検討

すべき。

限られたマンパワーを補う上で、大学研究者の協力な

しにセンターの研究実施は困難。今後も連携の方策を検

討して改善していきたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

69

化学物質リスク管理研究センター

1. 大気物質の暴露とリスクの定量的評価管理

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標BAA、進捗BBA]

今日的な課題であり、目標の絞込みも妥当、進捗も十

分。発生源特定などにも活用を期待。

米国型モデルとの違いを明確に。個人暴露と大気拡散

モデルとの関係は今後の課題。

従来から空気濃度予測では、手法の開発と普及に

重点を置いている。今後もこの方針は維持したい。

PRTR との関連もあり、本当に役立つものにするこ

と、皆がそれを納得できるようになることをセンタ

ー7年の目標にしたい。

個人暴露については早い時点でリスク評価に使え

るようにする。発生源特定は単純なケース以外は、

現時点では原理的に可能と断言できない。

2. 地圏環境における化学物質の挙動

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標ABA、進捗BAB]

重要課題であり、社会的意義も大きい。人員を考えれ

ば、驚異的な進捗状況といえる。

市場ベースに乗れば民間も参入してくるので、国の機

関が開発すべき役割の明確化が必要。

内容を絞ること、民間の役割との関係を考慮する

べきことは、ご指摘のとおりである。平成 14 年度

に、まとまった結果が出るようにしたい。

3. 新規リスク物質探索システム

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標BBA、進捗CBC]

新規リスク物質探索研究の意義、重要性は大。しかも

モニタリングの新しいタイプの試みであり評価できる。

人員を考えれば成果は十分。

「テキストマイニング」の手法のみに依存せず、他の

方法も併用するべき。情報処理分野の 新の知見を取り

入れること。有効性の検証を早い段階で行うこと。

人員1名という現状では、テキストマイニングに

絞ることしかなかった。

とりあえず、動かすという状況にあるので、検証

は不十分だが、今後は検証に力を入れたい。

4. 化学物質リスク評価・管理

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標ABA、進捗BAA]

実質的な詳細リスク評価書の作成は社会的貢献が大。

広く多様な考え方を取り入れており、進捗状況も良好。

国内で も進んだ成果。

焦点が分散している所を整理する必要あり。研究協

力、他機関とのネットワーク作りにおいて中核としての

役割を期待。

当センターが行うリスク評価として も独自性が

ある分野なので、この目標は維持したい。目標が多

岐にわたっているが、人のリスク評価手法について

は、14 年度中に、ひとつの protocol を提案できる

段階までこぎつけたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [ABA]

プレ評価時点より研究管理がしっかりしてきており、

チームの再編など意欲的である。研究成果の社会還元は

評価できる。

人的資源は十分とはいえないが、現時点での制約上、

止むを得ないか。

13年度の研究チーム構成には、かなりの無理があ

った。今回のチームの再編でかなり動きやすくなっ

たと思う。縦糸研究と横糸研究という方針は、セン

ター内で理解されていると思う。今後は、これをよ

り効率的に進めるための運営に力を注ぐ。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

70

フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センター

1. オゾン層破壊・地球温暖化対策技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標AAABA、進捗CACBA]

(目標)

○温暖化防止対策技術の開発は社会的ニーズが大きく、産

総研の重要な使命。この使命達成には種々のアプローチが

あるが、総合的な新評価指針の確立をミッションの中核と

し、フッ素を中心に限られた研究資源の下、フロン代替物

の合成・物性評価・環境評価などに取り組もうとしている。

本センターの研究目標は、民間/大学ではできないことを

目指しており、極めて妥当である。

▲この大きな目標と現実の研究資源の規模(常勤14名)

に照らして、本センターはフッ素技術開発のCOEを担う

のかどうか早急に決断すべきと思われる。

(進捗)

○物性データベースの公開は公的機関としての当センタ

ーの役割と思われ、公開の準備が進んでいることは評価で

きる。学会発表や論文発表など研究1次情報の発信レベル

は高い。

▲すでに RITE 発足から 12 年が経過した上での評価とし

て、十分とは言えない。新評価指針はここ 1-2 年以内に

確立して、具体的に環境負荷の少ない新規物質、機器、シ

ステムの開発のための方向づけをしなければならない。

これまでの研究から冷媒、発泡剤、洗浄剤の分野における

新規候補化合物が挙げられているが、製造コストを含めた

経済性への考慮は十分といえず、合成法の改良を含めて早

期に解決しなければ産業界での利用の道は閉ざされかね

ない。当センターを中心にこの問題点の解決のための研究

体制の構築が望まれる。

これまで実施してきたRITEプロジェクトの延長

ではなく、その成果を踏まえつつ新たに地球環境

に対する影響を 小化するフロン代替物の総合的

新評価指針の確立を目指す当センターの目標設定

はほぼ評価されたものと考える。

フッ素科学全般の COE としての役割について

は、別途考えていきたい。

目標設定の妥当性に比して、現有体制のみでは

十分な成果を期待するのは難しいとの指摘につい

ては、発足直後の努力を加味した評価と理解する。

出願特許 6 件を高い成果と評価されたが、現在

では出願特許は 11 件に達している。また S-GWP

という新概念の導入に賛同を得られたのは大変心

強い。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.0 [BBBBB]

○発足以来、センター長のリーダーシップの下に、研究活

動を「より mission-oriented に」していこうと努力し、

運営を行っていることは高く評価できる。

▲「現体制が目標達成に十分構築されているか」と問われ

れば、「不十分」と答えざるをえない。研究を進めるにあ

たっては、「mission-oriented research」の対極にある

「curiosity-driven research]の余地をいかに残すかに配

慮を期待したい。

センターの運営に関する基本的な考え方は評価

されたと理解する。

一部RITEの実績や資源を引きずっているとの指

摘があるが、現実には成果の一部を踏まえての全

く新しいスタートであり、今後誤解を招かないよ

うに努力したい。

共通して現有研究資源の不足が指摘されてお

り、体制に合わせた目標の見直しも提案されてい

るが、センターとしては前向きに資源・体制の拡

充にマネージメントの 大の努力を傾注し、目標

に向かって挑戦していくべきと考える。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

71

ライフサイクルアセスメント研究センター

1. 環境影響評価手法とLCAソフトの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標BBAA、進捗ABAB]

産業界のニーズを踏まえ独自のアイディアを導入し

て開発を進めており、進捗は順調。企業にもニーズ大。

しかし、この課題は、極めて広範な分野の専門的な知

識が必要とされるので、成果の質に関しては未知数の面

がある。また、物事の決定に与える影響が大きいだけに、

客観的で、かつ、透明性を確保したデータであることが

必要。

・欧米での研究を凌駕しつつ、産業界で活用できる

手法を目指している。

・外部の委員会と連携し、専門家の意見を反映でき

る体制になっている。被害評価の範囲を広くとり、

実用価値向上のための研究が必要と考える。

2. 環境調和型製品開発手法とマニュアル作成

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BBAB、進捗BBAC]

ニーズによく適応し、目標高く、先進性あり。進捗は

順調、成果も挙げている。

しかし、焦点の絞込み、今後の年次的な計画の道筋、

他機関との協力関係について、戦略的な計画立案が必

要。

・環境調和型製品開発法は概念が先行し、具体的な

手法開発が遅れている。概念を具現化することに研

究の意義がある。

・順調な進捗と考える。

3. インベントリーデータの整備とLCAの普及

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標BBAA、進捗AAAB]

LCAを広く普及し、とりわけ国際的に広げていくこと

は公の研究所である本センターの重要な機能である。目

標設定も適切。国際的展開など、事業の推進は非常に活

発。

一方で、インベントリーの精度を上げていくことも重

要であり、LCAの普及にとってそのデータ集の発行・公

開は重要なキー。具体例を示して、政策決定者にアピー

ルすることも大事。

・LCAの普及と国際的活動は当センターの使命であ

ると考える。

・我が国のみならずアジア太平洋地域のLCA研究の

拠点となるべく、努力を継続したい。

4. 地域エネルギーシステム研究とソフトの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標CCBB、進捗BBAC]

LCAとの関連が弱いが、単独の課題としては重要であ

り、興味深い。研究は計画に従って進捗しており、論文

発表も多く成果を上げている。研究水準も評価できる。

長期的なスパンで考えると、 終的な研究目標がどこ

におかれているのかに不明確な点が残る。この点、要検

討。

この課題は、製品評価手法として実施されてきた

LCA を社会システムにまで拡張することであり、

LCA発展の方向性の一つである。

研究の長期的スパンについては、外部との連携の

中で深度化させつつ、研究の方向性を定めていきた

い。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

72

5. 長期的産業構造とエネルギー需給の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [目標CCBB、進捗CCBC]

今後の技術開発における意思決定や長期シナリオを

議論するのに役立つ重要な研究である。論文発表等は多

く、成果が得られている。(但し、一部に新しい知見を

得ているが全般的には目立った成果なし、との意見もあ

り。)

国全体としての CO2 削減効果を評価するモデルを真

にめざすものなのか。そのような研究の方向が本センタ

ーの研究対象として適切かどうか、また現在のスタッフ

でそのような経済的な解析ができるかどうかには疑問。

中期計画における本課題の位置付けを検討しつつ、別の

切り口で LCA に繋げることを考えてはどうか。事例研

究を重ねることも有効かもしれない。

エネルギーシステムの長期的なシナリオ分析に

LCAの手法を活かすことは、当センターが果たすべ

き役割の一つである。

今後、課題全体の融合した成果発信を目指すと共

に、経済省、産業界など外部との連携をはかること

により、研究の深度化と活用の方向性を模索したい。

6. LCAの活用法の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BBAB、進捗BCBB]

未だ研究の初期段階にあるが、意欲的な取り組みは評

価でき、LCAの活用を拡大させる方向性も妥当。外部と

の連携も良い。

研究が始まったばかりで事例研究段階にあるが、今後

の発展に期待。

今後の LCA の活用を広げる手法開発に取り組み

たい。

開始されたばかりのテーマである。早期に開発す

る手法のターゲットを定めたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [ABAB]

厳しい状況の中でリーダーを中心に意欲的に取り組

んでいる。産総研として、エネルギーシステム研究の拠

点を創ることが望まれる。

エネルギー評価チームの実質的役割を明確にする必

要あり。

エネルギーシステムの研究は、LCAの研究を支援

し、かつLCA手法の活躍の場として重要な課題であ

る。センターとしてライフサイクル思考を活用する

場面を広くとらえ、共通に使用できるデータの共有

化とその公開を推進したい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

73

パワーエレクトロニクス研究センター

1. 単結晶基板作成技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:BABBAB、進捗:ABBBAA]

基盤技術としての目標設定は妥当。但し産業応用の点

からは実用化に関する目標が明確でない。

高品位結晶成長技術の確立は、その物理化学的な基礎

研究の面も含め、非常に高く評価できる。

次のステップであるデバイス作成への応用が、真に期

待されている点で、是非メーカーとの連携等により進め

てほしい。

実用化については、センターだけではなく、オー

ルジャパンの観点が重要であると認識しておりその

方策を模索中。

再現性よく作成供給できる技術確立が課題。その

ためにも結晶成長の本質の理解は重要。

近、結晶欠陥と電気特性の対応付けが可能な基

板作成が可能になった。これをもとに、デバイス要

求に答えるべく、各技術課題をクリアするよう努め

たい。

2. 低オン抵抗値を有するパワーSiC MOS FET の要素技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:AABAAB、進捗:BBBAAA]

パワーSiC MOS FET の開発は世界的にもトップレベ

ルの目標で、実用的にも大変期待されており、計画もよ

く練られている。

ただ、 終目標のデバイス構造をより明確にして、そ

れを実現するためのトータルプロセスを具体的にした

ほうが望ましい。

13 年度の進捗は個々の要素技術の達成度は世界トッ

プレベルですばらしい。

今後はさらに各技術に磨きをかけるとともに、それら

を有機的に結びつけ、量産にもつながるプロセス技術の

開発を期待したい。

デバイス・プロセス科学の確立を重視している。

その点でワンステップを切ったと思っている。

H13年度は、まず、各要素技術を研究開発してど

のような条件で効果があるかを把握すること、なら

びに評価システムの確立を目標としてきた。

H14年度以降は開発した要素技術が、トータルプ

ロセスでも使用できるように開発を展開するととも

に、評価システムによる現状を正確に把握し、定量

的目標を定めたい。

3. ワイドギャップ半導体エピタキシャル薄膜デバイス化プロセスの研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:AABBAB、進捗:BBBAAB]

研究目標は適切、概ね妥当。

産業界の意見を取り入れる必要あり。

純科学的研究と実用化を目指した研究が混在、焦点が

ぼやけている。

妥当、着実に進歩が見られる。

概ね妥当、一部により向上を望みたい。

エピタキシャル技術(立方晶 SiC)に関してはメ

ーカーのインキュベータを目指す。

立方晶SiC、GaN については将来の展開可能性を

探っている段階。立方晶SiC はセンター内でも議論

があるが、SiC 研究全体を引っ張る役目も持つセン

ターとしては、やる意義があると考えている。GaN

は材料からデバイスへの展開が見えつつあるとこ

ろ。

研究のウエイト付けを行った上で将来の技術の種

として今後も研究を継続していきたい。

4. スーパーデザインの基盤技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

2.9 [目標:BBCBBA、進捗:CCECEC]

実用化開発課題としてのおおきな目標は適切。

但し、具体的な数値目標がまだ定まってないようで、

この点は明らかにしていく必要がある。

専任リーダー不在のため、他課題に比べ進捗がみられ

ない。

重要性を御理解頂き感謝。

デバイス回路ー実装のどれかに軸足のある専門家

をリーダーとし全面展開を図りたい。

この分野においても、実証プロトタイプだけにフ

ォーカスするのでなく、よりジェネラルな方法論の

提供に寄与したい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

74

5. スーパーノードネットワークの研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:BACBAA、進捗:CCECAB]

大きな目標としては妥当。

但し、より具体的な目標設定が望まれる。

進捗状況は課題1-3に比べ、若干見劣りがする。今

後の発展に期待。

研究全体の見通しを得る上で極めて重要なチーム

と考えている。

省エネルギー・地球環境保全への貢献という長期

的戦略とともに、そこへ至るロードマップを作成す

ることを通して、研究センター全体の方向性の計画

立案に寄与したい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [BABBAA]

・適切にマネージメントされている。課題4の体制作り

は必要。

・基礎的には高いレベル。実用化へ向けての技術移転に

力を投入してほしい。

・全体のテーマ設定は良い。但し、テーマ間の連携、セ

ンターとしての一体化に改善の余地有り(トップダウン

的やり方等)。

・トップダウン的やり方がない

・材料技術、プロセス要素技術は OK。デザイン、パワ

ースイッチは具体的展開が必要。

・適切なテーマ設定、ならびに着実な成果がみられる

大変よく理解していただき感謝している。研究方

針に対しては産総研トップからも産総研のあるべき

研究スタイルの一典型として賛同をいただいてい

る。これらのことが人材の採用などに反映されて、

悔いのない研究開発が進められることを希求してい

る。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

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生命情報科学研究センター

1. 生命情報科学の基盤となるアルゴリズムと数理モデルの研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AABBA、進捗AAABA]

○非常に重要な課題である。目標の設定レベルも高くて良

い。大きな成果を上げつつある。

▲従来の配列データ中心から多様化しつつある世界の趨勢

に注意する必要もあり。さらに、より多くの実データへの

適用と、成果の発表が求められる。

本課題の目標設定が評価された点はありがたい。今

後ともアルゴリズムの開発にとどまらず、より多くの

生物種のデータへの応用を図っていきたい。

2. 生命情報科学における知識表現手法の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BBABA、進捗BABBA]

○目標設定は概ね妥当。単粒子解析など、高いレベルの成

果が上がっている。

▲人員数に比して目標達成への方向性が絞り切れていな

い、との指摘あり。普及(標準化)のことも考えるべし。

本課題においては、今後も、より適切な問題を選んでいく

ことに努められたい。方向性の発散に注意。

残念ながら、充分な人員の確保はこれまで難しかっ

た。評価を受けた「単粒子解析」については、今後は、

同技術の汎用化や、限界を明らかにするための客観的

なベンチマークテストに注力したい。

3. 大規模ゲノム配列からの遺伝子機能解析の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.9 [目標ABAAA、進捗AAAAA]

○基礎および応用の両面から見て、重要な研究目標である。

膜タンパク質性受容体(GPCR)の網羅的発見と解析に関し

て、大きな成果を上げつつあり、より宣伝されて良い。創

薬的な観点からも重要。

当テーマにおける目標設定のあり方が高く評価さ

れ、GPCR の網羅的自動発見に関して、全委員から

高点を頂いたことは今後の励みとなる。外部との協力、

実験家との協調、専門知識のある研究員の増強、を行

っている。データベース化等のアウトプットも平成14

年度には行いたい。

4. タンパク質構造予測および機能予測の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AAABA、進捗BBBBB]

○蛋白質の立体構造予測と分子動力学計算に基づく構造・

機能解析は、理論的・基礎的側面からも応用的側面からも

重要な研究である。日本においても計算機環境の充実と人

的資源の充実が強く求められている。個別研究については

着実に進展していると思われる。

▲要素技術を融合することで、より高性能の解析方法を確

立することが望まれる。

目標設定およびアプローチについて各委員に評価頂

けた点はありがたい。立体構造予測は、次年度以降は、

より目に見えやすい成果についても考慮していきた

い。機能予測の研究も徐々に強化を図っていく。

5. 細胞内の代謝経路および遺伝子制御ネットワーク解析の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標AAABA、進捗CBBBB]

○代謝ネットワークや遺伝子ネットワークといった、広い

意味でのバイオネットワークの解明と解析は今後の重要な

課題である。

▲研究範囲が広く、研究進捗状況が把握しづらい。シミュ

レータ開発よりも、より独創性の高い質量分析やレーザー

応用へ重点を移すべきだと思われる。

各委員が一致して、新しくて重要なテーマであると

認識していただけた。人員の増強および課題の優先順

位付けの両面から検討を続けたい。進捗状況の評点が

必ずしも高くなかった点については、人員不足と、目

標のカバー範囲の広さを御指摘されたものと真摯に受

け止めたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [AAA(A/B)A]

○研究内容、および人的なまとまりが良い。生命情報科学

の世界的な研究動向と、CBRC の人材や設備のリソースを

考慮して、適切に目標が設定され、運営されている。本セ

ンターがバイオインフォマティクス分野の人材育成を使命

の一つとし、具体的成果を上げていることは高く評価出来

る。

研究ユニットの全般的運営状況について、高く評価

して頂けた点はありがたい。「人材養成」の点は、今

後とも大切にしていきたい。5つのチームの間の壁が

低く、相互連携性が高い点が、意外なほど高く外部評

価された。今後とも常に機動的な運営を心がけたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

76

生物情報解析研究センター

1. 生体高分子構造情報利用技術開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目的:AAAAAA、進捗:ABBAAB]

○膜タンパク質の立体構造解析、相互作用解析に真

正面から取り組む課題設定は非常に意欲的、かつ応

用面での重要性も高い。それに向けた体制も優れて

いる。

構造解析、分子認識、構造情報解析とも成果が出つ

つある。

▲今後、つくばチームの位置付けが気になるが(セ

ンターとしての統一性の観点から)、膜タンパク質

結晶化条件のスクリーニングは成果を期待したい。

世界では同じような着目をしているところもあり、今後

は、研究体制を一層整備し、世界に通用する優れた成果の

発信を目指して研究を進めたい。

つくばチームは従来の経緯もあり、今後は、研究内容を

絞る等して研究目標をより明瞭にしたい。

2. タンパク質機能解析の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目的:ABABAB、進捗:BBBAAB]

○日本独自の完全長 cDNA データに基づく、タン

パク質データの基盤づくりは非常に重要な課題で

評価できる。

プロテオーム発現、遺伝子発現解析は、新味はない

が順調。タンパク質ネットワーク解析の極微量での

データ解析は高く評価。

▲しかし細胞ゲノム機能解析は複雑かつ、ノイズの

ための困難さが予想され、早めの決断が必要ではな

いか。

メンバーのわりにテーマ数が多すぎるとの意見も

あり。

ヒト完全長 cDNA をベースにした知的基盤作りは、基

本的に高く評価されたと受け取り、その線に沿った研究を

展開したい。

細胞ゲノムチームに複数の委員から寄せられた懸念に

ついては、充分検討するが、機能ー形態の相関に関して実

際にデータも出つつある。

網羅的研究を目指しているので、テーマが多すぎるとは

思わない。しかし研究者人口は確かに少なく、14 年度に

は優先的に人材の充実を考えたい。

3. バイオインフォマティックス関連データベース整備/遺伝子多様性モデル解析事業

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目的:A-AAA-、進捗:B-BAA-]

○急速に拡大しつつあるゲノムデータベースを使

い易い形にまとめることは非常に重要な課題。

統合データベース解析、遺伝子多様性解析ともに概

ね順調に進んでいる。

▲ただ、「統合」データベースのコンセプトがまだ

やや不明確との意見もあり。

作成の困難さはあるが、統合データベース構築の必要性

は理解されたものと思う。

部分的には未熟であるが十分に実用に足るものであり、

さらに来年度に向けて世界のトップレベルへの飛躍を図

りたい。

遺伝子多様性解析(例えば疾患原因遺伝子探索)は統合

データベース構築における重要な研究課題のひとつであ

ることを強くアピールしたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [BABAAB]

○構造ゲノム、機能ゲノム、統合データベースの3

つのグループ構成は適切で、一流の成果が期待でき

る形になっている。特に機能ゲノム解析(ヒト完全

長 cDNA)の成果を統合データベースに結びつける

計画はインパクトがある。

▲ただ、チーム間の連携がまだ十分とはいえない。

また、つくばチームの位置付けも不明確である。

現時点では立ち上げに精一杯で、グループ間で連携して

の研究は不十分と認識している。しかし共同の国際ワーク

ショップの開催やセンター内勉強会で意識統一を深め、プ

ロテインファクトリー等の具体的連携を考えている。

つくばチームの研究レベル、意識はかなりアップしてお

り、研究内容の絞り込み等によりお台場チームとは異なる

特色を出すことにより、本センターの役割を分担すべきと

考える。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

77

ティッシュエンジニアリング研究センター

1. 骨関節再生に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.9 [目標:AAAA+B、進捗:AAAAA]

骨・軟骨再生に的を絞り、目標が明解かつレベルも世

界的にみても高く、TERCの目玉的研究。

池田のチームは臨床応用にもはいっており、進捗状況

は優れている。臨床が進むと規制との関連もあり、研究

が遅れがちになるので要注意。さらに臨床応用の支援体

制を充実させるべき。例えば東大チームは別行動のよう

に見え不自然。

基礎研究臨床化研究の目標設定は妥当であつた。

産業化が今後の課題。

尼崎移転による骨・軟骨再生チームの統一がはか

られる予定である。

2. ヒト神経幹細胞の大量培養法の確立に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:AABAAB、進捗:BBBAAA]

神経幹細胞を用いた神経再生は社会的ニーズも高く

適切。ただ、世界的にみて、すでに開発から応用段階に

はいってきており、すなわち競争の現状を見極め目標を

設定する必要あり。

研究開発をもっと急ぎ、臨床試験をはやく開始すべ

き。そのためには、国内の医療機関を集めた実行力のあ

る移植コンソーシアムのような組織をたちあげること

も一法。

骨・軟骨に次いで臨床化可能な課題として位置付

けている。

胎児細胞の利用という微妙な問題をクリアするこ

とが重要だが、周辺の基盤技術を先行確立すること

に全力を傾けている。

3. 組織再生工学に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:BCABC、進捗:BCBBC]

目標が血管系、肝臓系、骨系とバラバラな感じで、2

グループの目標、計画を摺り合わせまとめる必要があ

る。

複数のテーマを平均的に進めている印象。実用化を目

指しどこまでをやるのか(マイルストーン)を明確にす

べき。

ターゲットとしての人工血管・肝臓は平成 14 年

度で終了する。本プロジェクトは細胞担体の開発が

主で実際に肝臓、骨を構築するのではないが、再生

医工学の重要課題である。

人工血管・肝臓では、大学病院との共同研究し、

臨床化を平成 14 年度に試み、硬組織も臨床化・産

業化を目指す。

4. 遺伝子レベルでの分化制御技術の開発に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標:ABAAC、進捗:AAAAC]

幹細胞表現型を指標とする新規な遺伝子スクリーニ

ングを迅速・簡便に行うことを目標にした技術開発課題

の設定は良い。その産物のトランスフェクションアレイ

は非常に期待できるが、特許でどの程度優位性をもてる

かが課題。

トランスフェクションアレイを用いた探索結果は研

究としては非常に独創性があり、興味深く、将来性もあ

りそうである。どのように役立てるかについては今後の

方針が重要。

再生医工学の産業化に際し、ゲノムネットワーク

の制御が高度の組織構築のため必要不可欠である。

先行している方法論に立脚しつつ、再生医工学技

術としての独自展開を目指している。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

78

5. 細胞・組織レベルでの機能を利用した動物実験代替法に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:BBBBC、進捗:BCABC]

目標(動物実験代替法)と実際の計画(ナノチューブ

をプローブとする AFM により、細胞への遺伝子導入や

細胞内反応解析)のずれが気になる。

AFM を用いたタンパク質構造に関する研究やリポソ

ームクロマトグラフィーなど、個々の成果はあがってい

るが、目標に沿った成果なのかどうか不明。特に再生医

療に関連した具体的な目標を設定すべきであるし、評価

技術開発のための基盤研究であるならば、そのための目

標を設定すべきである。

この課題の重要性については、生体外組織再生で

先行しているからこそ、医療に適切な動物実験代替

技術の早期実現が可能になると考えている。

各種細胞刺激因子に対する細胞内シグナル蛋白の

カスケードの解明等にミクロ動物実験代替系が有

効。説明が不十分だった。

6. 硬組織形成技術の開発に関する研究

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:ACBB-、進捗:BCAAC]

目標・計画が極めて概略的であり、当該チームの具体

的目標が不明。

亜鉛徐放性生体材料の研究は安価な細胞活性化材料

の開発として成果をあげている。しかし、具体的な目標

(例えば臨床応用のための 低到達すべき性能など)が

明らかでなく、またTERC内には骨再生を目的とする研

究チームが多くあるが、それらの間に連携が見られな

い。

安価で有効な細胞培養担体の開発は再生医工学の

中心課題である。

尼崎センター移転に伴い分散研究の弊害は解消さ

れる

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [AAABB]

・課題の設定、ユニットの運営などは概ね妥当(4人)。

・センターとしての意識の統一のみられない点がある

(骨再生に関しては3チームあるが連携がみられない、

センター目標に一致しないテーマが見られる、大学の出

先のような印象のチーム)。

・我が国の再生医療の発展に資するための方策について

より積極的な展開を期待(特許の重要性、他機関との連

携、それらをバックアップする人材、専門家の確保)。

ミレニアムプロジェクト「再生医療」の中で群を

抜いて 大の予算を使っている理研の発生再生科学

総合研究センターは「生物の発生過程の解明」を目

的とし、ノーベル賞級の研究ができる組織体制を構

築するために巨費を投じており、その規模はティッ

シュエンジニアリング研究センターの比ではない。

限られた研究資源と発足時のつくば、池田分散状態

というハンディキャップの中でメディカルデバイス

の臨床応用を常に念頭に置き、産業化の地平に目を

据える事を第一義とするセンターの理念にいささか

の迷いもない。

世界初の培養骨人工関節の臨床応用を設立まもな

く成し遂げた実績を評価していただきたい。この出

口のメディカルデバイスの開発を支えた幹細胞分

離、分化誘導技術や細胞培養担体の開発、細胞組織

の活性度評価技術等に多くの実績があり、今後第二、

第三の臨床応用成果を続々と出していきたい。平成

14年度半ばには尼崎一極集中が実現し、より効率的

に統合化された研究開発体制を誇示できると確信し

ている。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

79

ジーンディスカバリー研究センター

1. セルレギュレーションに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BBBBA、進捗:ABBBB]

FGF の持つ多彩な機能を、多角的に解析している点は

評価。但し、FGFの分子メカニズムを明らかにしようと

するなら、重要ポイントに的を絞って研究を進めるべ

き。

クラスター糖鎖解析は産業応用へも期待できそうで

好ましい。

従来の蓄積の上に、新たな進捗が見られ好ましい。よ

りインパクトの高い論文を狙うのなら、より深い解析を

目指すこと。

応用への展開も期待したい。

細胞内・核内におけるFGFのユニークなシグナル

伝達機能の解析、ならびにそれに基づく生命現象の

解明を目指す。

個体老化との関係を念頭に置きながら、重要な生

命現象をさらに深く探究してゆきたい。

2. 転写制御ネットワーク機構に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標:BBBBB、進捗:ABBBC]

転写に関する全体目標が抽象的で大きすぎる。年限内

での目標を明確にすべき。

転写因子を特異的なリプレッサーへの変換は興味深

いが、今後に期待するところも大きく未知数。

転写因子をリプレッサーに変換する方法(転写抑制ド

メインの研究)はオリジナリティーがあり評価できる。

今後は、メカニズムの解明、種を超えての一般性が課

題であろう。

期待に応えるべく成果を出してゆきたい。構造解

析のサブチームの結果も出つつあり、さらなる発展

を目指す。

3. 生体運動機構に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:BBCBD、進捗:ABBAC]

3つの目標はそれぞれ興味深いが、限られた資源、時

間の中ではもう少しフォーカスすることも必要ではな

いか。

3つの成果はいずれも優れており、良好。

テーマ過多については真摯に受け止め、中期に向

け、絞って行きたい。特にナノバイオに関しては他

組織に発展的に移行の考え。

4. 有用遺伝子検索と機能性生体分子創製に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標:ABAAA、進捗:ABAAA]

目標、AIST として期待されている課題の設定、年次

計画、いずれも非常に優れている。

関連分野の知識や基盤となる発見をうまく融合して、

研究を進めている。

論文発表、特許取得、ベンチャーの立ち上げ等、バラ

ンス良く進捗している。

非常に順調に進んでいる。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

80

5. 革新的遺伝子導入・発現法の開発に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標:BBBBB、進捗:BBCAC]

目標は妥当。但し競争の厳しい分野であることならび

に実際に医療に応用されて初めて意義のあることを念

頭に、十分目標を絞り込むことも必要。

新しいファージベクターの開発は魅力的であるが、ま

だ未知数も多い。

研究推進のためのチーム編成を構築すべき。

具体的遺伝子治療に関しては、遺伝性代謝疾患の

治療(長期的)とガンの腹膜転移・肝転移モデル(短

期的)の2ルートを目指す。後者は今年度から共同

研究予定。

チーム編成は常勤職員確保にからむ非常に難しい

問題で、AIST の対応・方針に是非とも期待したい。

6. エージングコントロールに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BB-AC、進捗:-B-AB]

加齢、老化研究は広範な学問領域でかつ急速に発展し

てきている大事な分野。

どこに焦点をあてていくのか、今後に期待したい(現

状ではまだスタートしておらず評価困難)

産総研での研究がスタートしていない以上、評点をつ

けることは出来ないが非常に期待している。

今年度は研究室立ち上げまで至らず、非常に残念

であった。

従来のエージング研究とは異なる、独自に開発し

てきた加齢生物学研究を本格的に展開したい。また、

新ベンチャーでの研究強化も進めたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.0 [BBBBB]

非常に優秀なグループが集まっていると感じられる。

現時点で、出てくる成果を生かすように運営されている

点は評価できる。第2期に移る時に統一的課題でまとめ

るのが良い。

エージングが必ずしも共通の柱になるようには見え

ず、むしろ基盤技術に基づく「ポストゲノム遺伝子機能

解析」を掲げたほうが無理がない。

国研は社会の要請、科学技術政策の要請に答えること

が問われるが、 も重要なことは世界に通用するオリジ

ナルな研究を展開することであり、この点を絶えず確認

しながら運営することが肝要。

センターの現状については十分認識している。加

齢生物学を軸としてセンターをまとめる必要はない

が、指摘のような基盤技術に基づく「ポストゲノム

遺伝子機能解析」でまとめることも多様な研究活動

を含む現センター全体の重点領域としては問題があ

る。新技術の積極的応用は重点化と関係なく当然進

めたい。

技術開発、応用研究の部分と生物学を深く極めて

ゆく加齢生物学部分は早期に分離し、シナジー形成

のできる新研究センター組織として再出発させた

い。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

81

ヒューマンストレスシグナル研究センター

1. 生体応答と傷害防御

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標ABBBA、進捗ACCAA]

○細胞レベルの酸化ストレス応答について、課題の重要

性、目標レベルは概ね適切であることで一致している。

○進捗については順調と答えたひとが大半である。

▲個々のサブ課題については、例えば、ゲノム解析、傷害

防御など、評価の相反するものもある。

▲臨床医経験の委員から、バックグラウンドの弱さ、サブ

課題によっては問題ありとの指摘がでている

実験室の立ち上げもほぼおわり、これから計画

に沿って研究を進める。

2. 生体評価デバイス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標ABBBA、進捗ABBAA]

○産業応用の重要基盤であり、ストレスマーカーは第一チ

ームの成果待ちの状況にある。

○進捗については順調との評価多い。

▲環境ストレスマーカーについて対象を絞り、ストレス計

測はその結果として起こる疾患の発症まで視野に入れる

べき。

▲波長可変2次元SPR, QCMセンサーは先行特許との関

係が明らかでない。

▲Lab Chip の測定系は初歩的過ぎる、電気化学的検出系

で新規性はあるが、売りの技術か不明。

委員からの当該チームの位置付けを真摯に受け

止め、来年度の研究計画策定をした。外部との連

携を進め、フェノール系環境ホルモンとダイオキ

シン類に焦点を絞る。他の研究t-ムとの連携で

ストレスマーカーの高感度センシング技術の研究

に着手している。二次元SPR法は既に特許出願中

である。高周波 QCM 法で超高感度化、Lab Chip

はストレスマーカー迅速アセイを着実に進める。

3. 日常ストレス・加齢

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標ABBBB、進捗BCCAB]

○ストレス、加齢による行動の生理シグナルの解析は

QOL の基礎データとして重要である。他チームとの連携

が必要。

▲進捗状況として初年度であること、人数的制限などで、

不十分、今後を期待する。

▲ひやりはっとセンシング、」高齢者作業特性データベー

スはヒューマンストレスの観点から重要か、疑問。

▲経路選択モデルはストレスの観点から課題設定すべき。

単なる運動生理学の域をでてないもの、準備段階のものも

ある。

ヒトのみでなく動物に「おけるストレスの実験

を行い、他のチームとの連携を取る。国際誌への

投稿、特許化を図る。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [BABAA]

▲実質的に3チームの連携が出てない。第一チームのスト

レスシグナルが他の2チームの研究ターゲットとして発

展することが望ましい。

特色は分子レベルから固体レベルまでのストレ

ス応答を解明することであるので、研究チームが

十分連携して相乗効果が発揮できるような運営を

したい。チーム間で議論ができる場の設定と、共

通的なストレスシグナルを扱える動物実験を導入

したい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

82

強相関電子技術研究センター

1. 強相関電子系制御技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標:AAA+AA、進捗:AAA+AA]

○光・磁気・伝導結合型の機能開拓の精密化と実用に向けた

妥当な目標。大きな可能性。相制御技術は必須。Mn 系多重

臨界相の知見など予想以上の進展、注目成果多い。カルコゲ

ン化合物、有機π電子系も視野に入れており、化学と融合し

た新物質機能を期待。他グループと連携し、新奇現象の発見、

応用を期待。

2. 強相関電子物性の開拓

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標:BBA+AA、進捗:AAAAA]

○結晶群の極限状態での評価による新物性探求は妥当な目

標。FETケミストリーは新ドーピング方法として興味深い。

進捗順調。発表活発。独自の1軸性圧力システム開発とMn

酸化物の軌道状態臨界相制御を高く評価。

▲国内外の研究が進行している。電界効果型の手法で物性開

拓に集中すべき。今年の目標、FET構造のプロセス技術確立

は高すぎるのでは。

着実に進めよ、というコメントに感謝。FET

形成プロセスは、多くの困難が予想され、また

実際に遭遇したが、正確な現状認識に基づき、

これらを、ひとつずつ克服してゆきたい。

3. 強相関フォトニクス技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標:AAAAA、進捗:AAAAA]

○目標妥当。大容量光通信技術の基盤デバイスのシーズとな

ることを期待。新奇な光応答期待。フェムト秒分光システム

導入により理解進み着実に成果。光による相制御、キャリア

ドーピングに成功。超高速光誘起金属化現象とイオン性-中

性転移観測を評価。

▲応用化へロードマップを意識した研究を期待。有機合成分

野との連携も期待。

4. 超格子物質・接合作製技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標:AAAAA、進捗:AAAAA]

○目標は高い。学術、技術的インパクトが期待される。配向

制御エピタキシーは重要。超格子構造を利用した界面の研究

期待。成果発表も着実。金属-絶縁体転移の実現、TMR 素

子動作確認を評価。金属伝導物質の合成、界面強磁性の発現

を評価。

▲本課題は特許を取ることが重要。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

83

5. 強相関デバイス・プロセス技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:AAAAA、進捗:CBAAB]

○目標は妥当。標準プロセス技術の確立を期待。評価手段と

しても重要。プロセス条件の 適化を図ったことを評価。短

期間に試作が進み、課題 1,2,4 と共同研究が進んだ点を評

価。トンネル素子の実現、電界効果型デバイスに向けた試料

改善に注目。

▲開発中のため成果は評価できない。他チームと違うスキー

ムで評価すべき。短期的な成果主義の悪弊に陥ることなく、

地道に展開すべき。成果の発表は積極的に。

本年度はデバイス・プロセス技術の立ち上げ

を中心に研究を進めたが、来年度は他のチーム

との連携により成果発表に積極的に取り組む。

6. 量子位相制御理論の確立

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標:AAAAA、進捗:AAAAA]

○基礎理論に基づく伝導性、光学的、磁気的理論の確立、適

切な物質系の提案はセンターの要。目標は適切。磁性体中電

子輸送現象の解明は不可欠。異常ホール効果のスピンカイラ

リティー機構は重要な結果。成果発表十分。

7. 強相関スピン計測技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標:ABAAA、進捗:ACAAA]

○微小領域の振る舞いが重要で目標は妥当。高分解能磁区観

察技術の確立を期待。磁区分解能5 nmの達成を評価。

▲観察により解明すべき新物性の具体的目標が必要。チーム

再編成後も継続必要。人事と研究計画の整合性を希望。観察

技術確立は順調だが、もう一歩進めた展開が必要。成果発表

ももう少し必要。

本装置は完成したばかり、今後新材料の評価

に期待。資料提出後、装置開発関連の新聞、学

会誌発表を行い、学会優秀講演賞も受賞した。

本装置を活用し個別テーマの研究を推進し、重

要成果を出してゆきたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

[AAAAA]

○運営は順調で期待以上。資金面も、ERATO と有機的マッ

チングが計られた。研究成果は世界に誇れる。「スピン計測」

チームの編成変えは妥当。改善等コメントすべきことはな

い。世界に誇れる数少ない研究拠点の一つ。独創的先端研究

のモデルケース。

▲本センターはナノテク・材料の枠組みであるべき。産総研

は、評価結果の資源配分反映の説明責任を果たすべき。テー

マ間のさらなる緊密な議論を期待。日本発の真の応用へ外部

も含めて応用センスを磨く必要あり。

ご指摘のとおり、研究課題の多くは、「ナノ

テク・材料」の枠組みにより合致している。今

後、当センターもその区分けを希望する。また、

マンパワーの充実の必要性を痛感しており、セ

ンターからの要求が認められることを期待した

い。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

84

次世代半導体研究センター

1. ゲート材料・計測

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標ABBBB、進捗CBCBC]

○成熟度の高い実用技術を目指したものとして目標は一

定レベルにある。進捗としては第一段階としては必ずしも

期待する水準ではないが、原因解明をしっかりした物性評

価で進めており、「物理モデル」の追求(ESR など)は

進捗している。

▲目標としてやや定量性に欠ける。この分野の急速な研究

進捗状況を考えた場合、極めて高いレベルにあるとは言え

なくなっている。

近いうちに MIRAI プロジェクトとしても何等か

の数値を示したい。ただこの数値が目標値となり

得るだけの科学的根拠を持つかと言われれば、そ

れは極めてむずかしいと思う。

2. 配線材料・計測

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標AABAB、進捗B-CCBC]

○low-k の配線技術としてεr=1.5 および 70、50 nm の

目標は世界的にみてトップ目標であり、また開発する材料

も独創姓があり期待している。進捗については、評価デー

タの多さと、その解釈はしっかりしているようである。

▲信頼性やスループロセス耐性としての指標も目標化し、

世界的なロードを目指してほしい。目標(k<1.5)に関し、

具体的にどのように達成するかがよく分からない。

・Low-k 材料の信頼性、スループロセス耐性の指標

も目標化を目指すべきとの指摘について、 Low-k

材料の硬さやヤング率が、ポーラス材料では測定

条件によって大きく変わり、その標準化が必要で、

また、材料のプロセス耐性についてはインテグレ

ーションの為に必須で現在課題の洗い出しを進め

ている。これらの検討結果を踏まえて、具体的な

目標値を近いうちに示すことができる。

3. リソグラフィマスク関連計測

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標BABCB、進捗C+CCBB]

○目標設定が明確で、目標レベルも高い。顕微 EUV 光電

子分光法を用いた新しい計測・解析評価技術の開発を目指

すなど、研究の独創性も高い。進捗については基礎検討の

段階であるが、サブμmビームによる光電子スペクトルの

測定に成功するなど、注目する成果も上がっている。

▲研究目標がリソグラフィマスク計測技術となっている

のが不満との指摘がある。進捗については、原理の確認と

して目標レベルのどの程度まで出来たのか不明である。実

デバイス応用に適用できる方向なのかまだ不明である。

リソグラフィー関係について、EUV リソグラフ

ィーの為の検査・計測に特化していることに対し

て、MIRAI は意図的に EUV リソグラフィーに手を

つけなかったという事情がある。理由は、ASET

で今年3月迄EUVリソのプロジェクトが動いてい

たこと。リソだけで年間数10億円の費用が必要で

あること、EUV リソグラフィーは光源技術が未確

立でありこれが 大のネックとなっていることな

どがある。但し、MIRAI としては検査(マイクロ

XPS)技術の光源としてEUVを使うので、検査用

光源研究については力を入れている。

4. 新デバイス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標B+BBCC、進捗BCBCC]

○極浅接合形成・高精度不純物分析技術に関しては、不純

物ドープSiクラスターの表面吸着による10 nmオーダー

の極浅接合形成や、STM による不純物位置の直接測定な

ど、いずれも既存技術の壁を越える目標が設定されてい

る。バルクCMOSに対する優位性を明確にするためには、

できれば 2 世代分に相当する高速化を期待したい。進捗

については、MOS チャネル層の移動度は既に目標値に近

い。過去の実績を考えて CMOS 素子技術として完成して

欲しい。また、浅接合の独創的アイディアおよび原子尺度

の計測等、進展していると考える。Ta内包Si クラスター

ビーム形成に成功している。

▲日本の将来への布石からみると、ここに挙げた SiGe・

SOI は、日本が手掛け、現在成就しなければならない重要

テーマであるが、日本規模でみたとき十分とはいえない。

浅接合応用として、成果がどのレベルにあるのか不明であ

る。SGOI は FET 動作実証という目標に届いていない。

新デバイス・プロセス技術について、ひずみ Si

SOI の FET 動作実証という目標に届いていないと

の指摘があるが、これは事実誤認と考える。既に

CMOS 動作に世界で初めて成功し、6 月の VLSI

シンポジウムで 2 件の論文を発表予定。また、ひ

ずみSi CMOS以外にも新デバイス、プロセス技術

が立ち現れた場合、MIRAI として柔軟にこれに対

応してゆく。極浅接合技術についても、新しいレ

ーザーアニール技術について 14 年度再委託を考

えている。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

85

5. システムアーキテクチャ

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標BBBCB、進捗C+DBCB]

○遺伝子アルゴリズムなどの新しいアルゴリズムに基づ

いた新しい LSI の開発を開発するという姿勢は評価でき

る。日本の技術水準の向上と優位性の確保の見地からの戦

略も必要である。進捗については、アナログ適応調整技術

はフィルターLSI において実用化されるなど、特定用途で

の有効性が実証されている。クロックスキュー調整やイン

ピーダンス調整技術についても、TEG 設計が進行中との

ことで、その結果が期待される。今後はこれらの技術が

LSI 技術としてどれだけ普遍性があるのか興味が深い。

▲デジタル LSI に関しては明確な目標値が記されている

が、アナログLSI に関しては目標値が必ずしも明確ではな

い。また、研究内容がシステムアーキテクチャというより

は回路技術になっている。

課題5はシステムアーキテクチャとなっていま

すがこれは回路システム技術の誤りです。回路シ

ステムの研究において、具体的成果が見えず、2

年目で目標修正すべき(委員 B の方)ということ

で進捗が D 評価となっています。当方の説明が悪

かったかも知れませんがこれは事実誤認に基づく

判断です。遺伝的アルゴリズム(GA)に基づくア

ナログ回路の適応調整技術によって従来チップサ

イズの40%減で 97%の歩留りを達成し、消費電力

も 30%以上削減できました。現在このチップは大

手携帯電話に搭載され、GAの有効性が示されてお

ります。また、イメージリジェクションミキサー

の開発でもGAを使って世界 高性能(73dB)を

達成しております。また、高速プロセッサのクロ

ックスキュー調整技術においても、GAの有効性を

シミュレーション上で確認し、4 月に 初のチッ

プが完成予定です。私の認識では、世界トップク

ラスのインパクトのあるチップが次々と出て来る

状況にあり、目標の上方修正、前倒しを予定して

いますが、進捗が遅れているということはないと

御理解下さい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [ABABB]

○センター長が十分にリーダーシップを発揮し、人選・評

価の仕組みも適切である。

▲成果の実用化に向けての体制には不満が残る。

一委員から当センターの「非公開・反標準」の運営は産

業競争力の低下となるおそれが大きいというコメントが

出されたが、これに関して他の委員から種々の意見が出さ

れた。

1) 大学との連携は本当の意味で大学の研究者が

プロジェクトへ深く関与し、貢献していただける

状況ができつつあり、成果もあがっている。

2)産総研の経営からみたセンターの役割につい

て、社会の要請に応じて課題を解決する技術・知

識を早期に生み出すことがいわれていますが、セ

ンター及び MIRAI の開発する技術は 2003 年度に

実用化のメドをつけることが必要であり、2002年

度が正念場と考えている。また、MIRAI とあすか

の関係はリニアモデルではなく、リアルタイム・

コンカレント性が必要であり、その方向であすか

とのコミュニケーションも NDA ベースで始めて

いる。

3)「非公開・反標準」は、技術開発の一般モデル

として適切とは、MIRAI として考えていない。現

時点で MIRAI の顧客はメンバー会社であり、その

部分の満足度を考えたとき、共有される情報や知

識、IP が一定期間「非公開」となることは必要と考

えられるが、「反標準」が技術開発の本流とは考え

られないと思う。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

86

サイバーアシスト研究センター

1. 次世代個人通信システムに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標AABBB、進捗ABBCB]

○位置情報の測定の研究や、空間イライラ棒、動物探しデ

モ、ネットワークを渡り歩けるコンピュータなどの開発が

順調に進められている。

▲構成は基本的に、バラバラであり、全体として具体的な

成果を実現するには難しいと思われる。研究テーマ内での

統一的な目標が欲しい。もしくは、サイバーアシストの全

体のアーキテクチャの確立が望まれる。関連研究とのベン

チマークと課題を明示すべきである。色々と成果は出てき

ているが、世の中へのインパクトを大きくするには、研究

リソースを増やすか、研究アイテムの絞込みが必要と思わ

れる。

具体的な目標がばらついていることは意図されたも

のであり。3年終了時に中間成果を出すことを念頭に

2年目以降はテーマを絞り込み、統一的な目標設定を

行う予定。

部門とテーマを切り分けるべきという意見もあった

が、関連部門との連携を深めてやっていく予定である。

評価から3ヶ月を経過した現在は、テーマの絞り込

みと要素技術の連携に関する方針がほぼ固まってい

る。

2. 室内レーザーレーダー通信システムの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標BABBB、進捗ABBBB]

○着実に研究が進められている(新しい通信手段の提案と

技術開発など)ことを評価する。

▲本課題と、他の研究テーマとの分担・連携の関係を明確

化すべきである。他の通信システムに対するベンチマーク

を具体的かつ定量的に行うべきである。これらが、マイボ

タンの研究に貢献できるかは現状では不明。

我々の独自技術は光通信にあるが、無線と光の特性

の比較・使い分け・相互乗り入れなどは重要なテーマ

のひとつである。

現状では一見ばらばらに見えるテーマや応用例もあ

るかもしれないが、これらは毎週行っている定例ミー

ティングを通じて全員の意思統一に着実に貢献してい

る。

3. インテリジェントコンテンツに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標ABBAB、進捗BCABA]

○多岐にわたる活動は高い評価に値する。産業創出という

面で期待できる研究である。人間の生活や行動を支援する

という本センターの中心テーマとして期待したい。また、

標準化活動に対する貢献は、地味になるが、産総研的ミッ

ションとしては高く評価したい。ある程度動くシステムが

できつつある。

▲今後は実用面で使える大規模なデータで実験して評価し

てもらいたい。また、標準化にも力を注いで欲しい。

本テーマは規格化を含め、現状では一番実用に近い

ところまで来ており、その意味で多くの外部連携を持

っている。指摘にあるようにこの分野の人員不足は問

題である。14年度からの新人2名の戦力はここを中心

に投入したい。

4. 分散型社会エ-ジェント群の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.2 [目標BCCCC、進捗ABBCB]

▲目標設定に一貫性がない。サイバーアシスト研究センタ

ーとしてのまとまりを欠くテーマがあり、センターとして

の目標実現には適さないものがある。具体的な目標を設定

するに当たり、テーマを絞ったらどうか。個々のテーマで

は成果がでていることは理解したが、サイバーアシストを

代表し、有効さを示すアプリケーションとしては弱い。ぜ

ひ、全体としてサイバーアシストプロジェクトが有用性を

発揮するものに集中して、成果をだすことを望む。

本テーマを担うグループは、社会応用するとしたら

どのようなシステムが可能かを探索的に研究すること

を使命としているので、初年度はテーマが分散的でま

とまりのないものになっているのは仕方ない。14年度

からはセンターとしてテーマの絞り込みに入るので、

マルチエージェント関連では非常時救援用の情報支援

がメインとなる予定。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

2.2 [BCBBC]

○個々の研究者の研究意欲と能力は高い。

▲サイバーアシストの研究の目的に対して研究人員が少な

すぎる。現状の研究開発を進めるには、研究人員を少なく

とも倍増することが必要。サイバーアシストの明確なビジ

ョンと目標達成までのシナリオが見えない。本センター内

で研究目標を具体化した上で、自由闊達な研究推進とトッ

プダウン的な開発をバランスさせていただきたい。

資源不足は、予算、人員とも、重大な問題であると

認識している。

提案されている開かれた研究体制の確立や海外との

連携などについては積極的に進めて行きたい。

なお、研究テーマ中心の紹介となったため、コンソ

ーシアム活動について十分紹介しきれなかったが、

我々は産総研として初のコンソーシアムを立ち上げ、

企業との共同研究への足場としている

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別紙6:研究ユニットの評価結果

87

マイクロ・ナノ機能広域発現研究センター

1. 超微粒子応用微細機能構造体創製プロセス技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:ABCCABC、進捗:BCCABBB]

○研究の進捗として幾つかの新しいアイディアを導入

しながら、微粒子の作成、選択、形成を行っており、成

果が得られている。

▲技術のシーズを作るという点では、面白い結果が得ら

れており、成果の応用展開を考慮するとさらに広い又は

別の応用が考えられるので、本成果をベースにもう一度

目標を考え直す事により、新たな展開へ発展できる可能

性が有る。

ナノ粒子の作製・制御・計測・解析に関するポテ

ンシャルに基づき、レーザープロセス技術を 大限

に援用して、構成材料としての粒子の生産技術にと

どまらない、新しい技術分野を産業技術化を念頭に

置きつつ開拓して行きたい。実用化を視野に入れて、

より広い観点から産業界のニーズを探り、新たな展

開を含めた目標へのフィードバックを図りたい。

2. 精密形状転写加工のマイクロスケール解析・評価技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.6 [目標:ACBABCB、進捗:CCCBCBC]

○本課題は、将来製品を量産する上で必要となる課題

で、また応用範囲も広い。難削材の微細加工は産業界に

とっても重要なものであり期待は大きい。

▲課題の有する魅力と必要性に比べて、実際的具体的進

捗が遅れていると感じる。実質的に開始したばかりとい

うことであるが、面白い成果が出ているので、早期に本

格的な取り組を期待する。

なるべく早く本格的な研究開発に着手出来るよう

に 大限の努力をする。また、個々の要素研究開発

課題においてオリジナリティーがよりクリアになる

ように努力したい。また、マイクロ・ナノ機能の広

域発現という観点から、要素技術をより論理的に体

系化して行きたい。

3. ナノスケール機能構造創製プロセス技術の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:ABBBCB、進捗:CCCBBB]

○アイディアと新現象の発現が期待される実験成果が

有り評価される。今後の研究進捗を大いに期待したい。

▲研究目標としてはやや散漫な感じもあるが、興味深い

研究課題であり、さらにつっこんだ研究を期待したい。

具体化したシミュレーションなり実際的結果をえるこ

とが望まれる。

精力的に研究を推進し、技術のメリットを実証的

に明示すると共に、シミュレーション等による現象

解明にも取り組みたい。産業規模の大きな応用を検

討しながら、ポイントを抑えて集中的に取り組み、

マイクロ・ナノ機能の広域発現を実証・応用すると

共に、その体系化にも努めたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.3 [BBBBBAB]

○研究は活性化されており、成果も上がっている。正副

センター長が全体を十分把握しており、小さな研究セン

ターとしては、運営は規模に対して適切である。

▲人数が少なく、今後の増強に期待したい。プレ評価時

に比較して、研究目標等明確化されて来ているが、まだ

テーマ間の連携が見えにくい。個々の研究は意義がある

ので、上手にまとめてほしい。

大の成果を得るために、研究者人数の補強、少

ない人数を補うための外部や関連研究部門との研究

協力、テーマ間の連携による相乗効果の発揮に努め

ると共に、研究課題に対しても、さらに実際的な応

用を意識したテーマ、ポテンシャルを持つテーマ、

ナノテクの中に明確に位置付けられる本質的な課題

へ絞り込んで努力を続けて行きたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

88

ものづくり先端技術研究センター

1. 鍛造加工支援システム技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [目標:CCBBBB、進捗:DCBCCB]

▲対象領域が広すぎるわりには、研究者が少なく、具体

的な方針が見えない。データベースの構造が不明確で、

計画段階を出ていない。

加速度的に研究を進め、具体的な姿が良く見える

ように研究成果をまとめていく。データベース全体

感と強み技術の両方の必要性にきちんと対応した

い。

2. 切削加工データベースに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:BBBBAB、進捗:BCBCCB]

○取り組み姿勢の意欲、データ収集用のセンサシステム

を開発したことは評価できる。

▲目標の達成度に具体的情報がない。従来の各種データ

ベースと比べて、このプロジェクトの立場と特徴を明確

にすべきである。

研究計画の明確化詳細化の作業をさらに進めた

い。データ収集における網羅性と先進性双方の追求、

技能表現法、成果普及のビジネスモデルの明確化が

重要と認識。中小企業により評価を絶えずフィード

バックさせ、現場ニーズを的確に反映させたアウト

プットに心がけたい。

3. 研削・研磨データベースに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標:CBBBBB、進捗:DCBCCB]

○高精度加工の実現に役立つものと期待させる。

▲データベースの構造を確定して、技能のデジタル化の

方法論を具体的に提示するべきである。

体制を強化し、研究計画の明確化、詳細化を進め

たい。研究の進捗についても不十分である。来年度

以降、体制を整備し、研究を加速させたい。

4. 付加加工基盤技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:CBBBBB、進捗:CCBACA]

○データ収集技術として装置を開発したことは評価で

きる。学会賞を受賞するなどの実績がでている。

▲ユーザーとしての中小企業が使えるものを完成させ

るべきである。そのためには、利用した時、国際競争力

を如何に得ることができるかのフレームワークを明確

にするべきである。

今後プロジェクトに基づく更なる成果をあげるよ

うに努力していきたい。

5. 設計・製造支援アプリケーションのためのプラットフォームの研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:BCBBAB、進捗:CCBCCA]

○国際的なもの造り社会の変化の中で、役立つ重要な研

究である。

▲中小企業のニーズ調査の結果が十分に反映され、中小

企業で十分に活用できるシステムであることを事前に

十分に検討し、企業から事前に評価をうけてほしい。

本年度の検討の結果、具体的なイメージのいくつ

かが明らかになりつつある。これらを、ユーザーの

視点からわかりやすい形で伝える努力を続けて行き

たい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.0 [BBBBB]

○全体としてたいへん努力していることは認める。外

部、とくに公設試のメンバーと共同活動をしていく方向

は望ましい。

▲ユニット間のつながりを強化するべきである。

(なし)

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別紙6:研究ユニットの評価結果

89

高分子基盤技術研究センター

1. 精密重合技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標ABBAC、進捗BCBBC]

目標は妥当。ほぼ順調な展開。成果のレベルは高い。

ポリカーボネートを選んだ 初の設定が明確でない。他

のモノマー群への展開を期待。競合技術の調査と本研究の

位置付けを提示せよ。パテント取得の努力が必要。

環状オリゴマーの開環重合では、環境調和、ポリマ

ーリサイクルの観点から、ポリカーボネートの熱分解

による環状体の効率的合成法に研究の重点を置きた

い。COとビスフェノールAの重合系では、高活性触媒

の開発とオリゴマーの固相重合を想定した反応系の開

発に重点を置きたい。

2. 高分子の高次構造制御技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.3 [目標ACBBD、進捗BCCCD]

研究目標は妥当。ナノ分野での位置付けなどをはっきり

させた目標設定が必要。対象高分子材料の選択を再検討す

る必要あり。

実際の材料を意識して対象ポリマーの範囲を拡大し

結晶化に伴う高次構造制御技術として研究を展開して

いきたい。

3. ソフトマテリアルの研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標CCABB、進捗CCBCC]

きわめて重要な研究課題。

研究進捗状況は不十分。モデルの設定が不十分。計算結

果の実験結果との比較を常に考えよ。高分子を扱っている

ことの特徴をうまくつかんだ粗視化の方法論を構築するこ

とに目標を絞るべき。対象の階層性をうまくつかんだダイ

ナミックスの方法論を見つけることが大切。

平成14年度からプロジェクトの企業研究「造核剤に

よるポリマーの高次構造制御」と連携してシミュレー

ション側から、造核剤設計を提案していく過程でモデ

ルの修正など実験研究との交流を積極的に進めていき

たい。

4. 高分子材料の成形加工に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標ABBAA、進捗BBBBB]

精密成型加工技術の基礎・基盤となるもの。界面構造の解

析や界面での高分子反応の理解において、成果のレベルは

高い。面白い分野に分子レベルのコントロールを行って切

り込んでいる。泥臭い実験との両輪を期待。

基礎的データを充実させ成形加工技術研究の進展に

寄与することを目指している。

5. 多相系高分子のメゾスコピック構造制御に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標ABAAB、進捗BABAB]

ブロック共重合体による階層的構造の構築は、光や電子

状態など特異な機能をもつ高分子材料の成形基盤技術とし

て重要な課題である。汎用性の高いテーマ。進捗状況は順

調。成果のレベルは非常に高い。

機能発現のための官能基の選択には、一考を要する。実

用物性との関連を早く把握し、パテントなどに結びつけて

欲しい。

ブロック共重合体は材料ナノテクノロジーにおける

重要な役割を果たす素材であり、ミクロ相分離構造に

とどまらず、特異な機能を発現する階層的秩序構造を

形成することに注目して研究している。階層構造形成

の要因を解明するとともに出口イメージを積極的に捉

え、研究を拡充していきたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [BBBAB]

合成、構造・物性、成型加工の3グループ体制として、

研究課題の連携が強力になった。研究課題も物質研の伝統

と新開拓領域が調和。

JCII などと共同で高分子材料の将来の全体ビジョンを描

いてセンターを重点化することが必要。柔軟な組織を作り、

常に研究テーマの意義、進捗状況、継続の是非を厳しくチ

ェックしていくことを期待する。産との密接なコミュニケ

ーションを常に持って、研究の目的、出口は何かをいつも

アップデートして欲しい。企業がプロジェクトに参加する

インセンティブについて対応策を固めて欲しい。

産学官がしっかり連携できる中核として産総研・高

分子基盤技術研究センターを位置づけたいと考えてい

る。

(1)センターの目的と使命、活動理念、活動方針、

研究の枠組み、研究のメインコンセプト、2007年の目

標、行動指針をまとめた「センター活動方針」をセン

ター研究者全員に徹底する。

(2)集中研究場所として「臨海副都心センター」の

充実をさらにはかる。

(3)プロジェクトで企業研究者が関わった成果権利

は企業に所属できるようしてある。

(4)成形加工グループの充実のためさらに努力する。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

90

光反応制御研究センター

1. レーザー量子反応制御の基盤研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標CBACC、進捗CACBD]

研究成果そのものは学問的に大変興味深い。論文はセ

ンターの平均水準。

センターの目標とのつながりが不明。目標達成への道

程は遠い。研究対象の選び方に工夫が欲しい。収率12

→16%の変化では面白くない。

研究計画の再検討を行い、次回評価委員会までに、

当該研究チームのセンターにおける位置づけ、研究目

標、研究内容等について、新たな提案をしたいと考え

ている。

2. 光誘起電子移動の実験的研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BBAAB,進捗BABAB]

目標はチャレンジング。学問的にも応用的にも意義深

い。研究結果面白し。論文発表は充分なレベル。

光化学太陽電池と関連して、暗時の反応過程の取り上

げ方が不明。

基礎過程の研究結果を現実のデバイス、反応プロセ

スの開発へフィードバックできるようにするため、対

象とする系にあわせた測定法の開発、反応モデル系の

構築を強く意識した研究展開を図っていきたい。

3. 光誘起電子移動の理論的研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標ABBAB、進捗AACAD]

問題設定が極めて適切。独自の成果が得られつつあ

る。科学的基盤として評価できる。発表論文は質、量と

もに水準以上。

実験的研究(課題2)の成果と連動して研究の進め方

を適宜軌道修正することも必要。説明不足で発表だけで

はポイントが分からなかった。

基礎理論を実際の系に適用していろいろな現象を

説明し、新しい材料などの開発に役立てるということ

を心がけて研究を進める予定です。今後説明不足の無

いように、発表を工夫したい。

4. 高性能色素増感太陽電池の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標BBAAA、進捗BABAB]

着実に positive な結果を得ている。論文、特許等の

成果も十分。

色素の吸着点、吸着構造の解析を考えよ。色素の改良

による性能向上が限界に近づいているので将来、研究の

軌道修正が必要。

色素の電極表面への吸着状態の解明と電子注入に

対する影響を明らかとし、それをコントロールするこ

とが重要であると認識している。今後色素の性能を十

分に生かすため、他の構成要素の検討もさらに進める

必要があると考えている。

5. 人工光合成技術の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標AAAAA、進捗AABAB]

新しい触媒系開発のプランニングは適切。いい光触媒

を作リ出している。論文は質、量共に十分高いレベル。

他方式も初期段階で検討すべき。

平成 18年度末までの達成目標「エネルギー変換効

率2%の水分解光触媒の開発」は非常に難易度高い目

標であると考えているが、敢えて、その目標にチャレ

ンジすることにより、研究開発に集中し、それを加速

したいとの思いで目標を設定した。現時点では水の分

解光触媒の開発が第1重要課題と考えており、戦力が

分散しないようにマネージメントを行ってゆきたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

91

6. レーザー反応による新物質生成の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標BAABB,進捗BAAAB]

オリジナリティーがある。個々の成果はユニークで興

味が持てる。

ターゲットをより明確に絞り込む必要有り。成果をど

のように商品化に結びつけていくかが鍵である。

進捗に応じてチーム全体(課題7を含め)重点化課

題に絞っている。また、応用実用化を目指した研究課

題は企業との共同研究で進めている。

7. レーザープロセスによる材料加工法の 適化の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標AAAAA,進捗AABAB]

新しい材料表面加工法、化学的手法を提案。今後の精

密加工実用化へ期待できる。

特許出願(基本特許出願済みのものについては補強出

願)の強化が必要。

本レーザー加工法の実用化技術は、企業との共同研

究を積極的に行い、そこから補強出願も行う方向で進

めている。

運営・体制

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [AABAB]

アクティブに研究活動を推進している。

精密加工とエネルギー関連の 2 つのグループの今後

の展開を考えること。一人一人の研究のテーマがセンタ

ーとしての全体のベクトルの方向に向かうように常に

プレッシャーがかかっている状態を作ること。

レーザー反応制御チームの研究体制(計画)に関し

ては、センターのミッション、方向性を考慮しつつ、

またレーザー精密プロセスチームとの連携を視野に

入れ、再構築を図るべく努力したい。組織(センター)

として個々の研究者のベクトルが全体のミッション

に沿うようなマネージメントを心がけて行きたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

92

新炭素系材料開発研究センター

1. ナノスペースの制御・計測

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標BABA、進捗BBCA]

適切でユニークな目標である。

HDD 保護膜応用などで企業との共同研究を成功させ

てほしい。

成果は SP3 結合比を制御できることや特色ある解析

結果を得ているが、超空間分解能顕微鏡の整備段階にあ

り進捗は十分でない。

炭素系材料の機械的・電気的特性の測定について、説

明がほしかった。

企業との共同研究は、超薄膜で実施しており、短

期で成果の見極めを判断する。

H13 年度は電子顕微鏡微小ビームの形成のハー

ド開発と超高真空化を実施、来年度スペクトロメー

タを導入し、元素分析を実施予定。

機械的特性は測定済み、電気的特性は来年度の予

定。

2. ハイブリッド材料

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標BBDA、進捗BADA]

目標はアグレッシブで適切。進捗状況は良好。発表論

文の IF 総数大。

ヘテロフラーレンの構造解明は順調だが、物性解明に

関する分析法と成果について詳しい説明がほしかった。

物性解明と成果に関して、BNC 58 結晶が得られ

た段階であり、単結晶化がまだ実現されていない。

そのため超伝導特性などの分析は、まだ実施してい

ない。

3. 極限場利用炭素系材料開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BBCA、進捗BBCA]

目標は適切。ヘテロダイヤ焼結体技術の実用化に向け

ての取り組みは特筆に価する。材料作りに比べて、構造

と物性の解明が遅れている。

構造と物性の解明は各種分析法を用いて進めてい

る。相安定性、転移条件などの特性は、高温高圧技

術の開発を伴うので、長期的な視野でデータを蓄積

し体系化を図りたい。一部材料については、粉末で

しか得られていない現状にあり、これについては焼

結体試作の進展を踏まえて構造と物性の解明を進め

たい。

4. ダイヤモンド半導体

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BBAA、進捗BBAB]

極めて挑戦的な目標設定。非常に高いレベルでの着実

な進捗である。

研究資金の調達が多岐にわたっており、リソース配分

が散漫にならないよう工夫を。

出願特許が少ない。知的財産の形成に注力を。

ダイヤモンド半導体のフィージビリティを検討し、開

発の難易度を明確に。

予算運営については、改善中。リソースの配分に

は、十分注意する。

事情により特許出願が不十分だったが、次年度か

らは積極的に行う。

コストの点を除くとダイヤモンド半導体のポテン

シャルはシリコンより高いことを実証してきた。紫

外線発光は原理上比較できない。我々の究極の目標

は紫外線発光だけでなく超 LSI のようなアクティブ

な電子デバイスの実現にある。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

93

5. カーボンナノチューブ

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標BBBA、進捗BBBA]

研究目標は社会ニーズに適切に対応し、十分高レベル

にある。

多層ナノチューブの合成収率の向上および単層・多層

ナノチューブの形成制御は優れた成果であり、高く評価

できる。

多層ナノチューブの水素吸蔵特性は重要であり、興味

深い。

今後も、カーボンナノチューブでの研究で、トッ

プのレベルを維持すべく努力する。

水素吸蔵特性について定量的なデータを得ている

が、慎重に確認のための実験を続けている。

6. 炭素系トライボマテリアル

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標BBCA、進捗CCCA]

目標概ね妥当と考えられるが、具体性がやや不足。

DLC 膜のキャラクタリゼーションに対する目標が欠け

ている。

進捗も概ね妥当。

特許出願が少ない。

系統的な実機試験が必要である。

高温水蒸気中でのダイヤモンド研磨技術の実用化の

可能性については現状では疑問。

目標を設計概念の構築としているが、さらに具体

的にするように検討する。キャラクタリゼーション

については、他チームの専門家の協力を得て内容を

充実させる。

全般的な成果の公表について、今後さらに努力す

る。特許出願の可能なものについては、できるだけ

早い時期に出願する。研磨技術については、計画通

りには進捗しなかったが、目標に向けて一層の努力

をする。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [AABB]

3つのチームに再編成し融合と課題の整理を試みよ

うとしている点は評価できる。研究フェーズが産業応用

に移行したテーマがいくつかある。基本特許になる可能

性がある成果が出ている。オリジナルな研究開発を期

待。

研究要員の不足。課題・目標の更なる集中化が必要。

重点研究課題の優先順位を明確にし、センター内での一

層の横断的活動が重要。

センター内の知的財産担当者を中心に知的財産部

との連携を十分にとり、積極的に特許出願に対応し

たい。

研究員の拡充に関しては、併任、ポスドク、内部

連携で対処したい。

集中化に関しては、H14年度より重点優先課題を

4課題に絞込み、人的資源を集中し、短期に成果を

上げる研究体制を実施する。

センターが保有する計測技術を軸に横断的連携を

図る。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

94

シナジーマテリアル研究センター

1. 流体透過機能材料に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:BBBBB、進捗:BAABC]

○目標高く、社会的に重要。機械的信頼性の付与は高い成果。

進捗順調。目標概ね達成。論文質量十分。損傷許容性多孔質窒

化ケイ素は優れた成果、公表し実用化へ。

▲実際の用途は?実用的に困難な穴径制御は疑問。成果は実際

に使われるべき。コスト、生産性まで考慮した工業的活用を次

の目標に。各要素技術料の融合・収束が疑問。特許出願、プロ

セス技術を公開し企業と実用化目標見つけるべき。

燃焼ガスフィルタなど用途はある。粉塵寸

法は様々、一定範囲内気孔径制御は意義ある。

開発材料は特許出願し、学会、新聞等積極的

に公表している。高温用フィルターだけでな

く汎用的な実用化を目指し、有効なプロセス

技術、より実用性の高い研究開発に重点を置

く。

2. 摺動材料の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:BBCBC、進捗:BABBC]

○高温使用の方向性は評価。産総研らしい研究。基礎的成果は

有意義。明確に進捗。二層化アルミナなど機械・電気関係に公

表して実用化に。構造用ファインセラミクスと割り切れば他分

野で大きく育つ。

▲無潤滑で高負荷という厳しい条件は実用化の意識低い。低コ

スト化プロセスの検討は初年度から念頭に。材料特性を上げる

目標でなく応用対象を想定すべき。トレードオフの両物性の向

上は困難。チーム連携を。

具体的応用の目標値設定に努める。低コス

トプロセス技術の開発はすでに開始、計画に

盛り込む。高熱伝導材は機械的特性の発現も

目指す。トライポロジー、機械・電気関係の

発表や企業から情報収集を行い、具体的方向

性を見出す。共通基盤的プロセス技術は他チ

ームと連携する。二層化アルミナは他分野応

用も視野に入れる。

3. 環境浄化材料の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BBBBB、進捗:BAABB]

○熱電材料は非常に重要、触媒反応に利用は着想おもしろい。

妥当な研究。シナジーらしい目標。NOx 浄化セルは大きな成

果、実用化も可能。多いに進捗。

▲熱電と浄化セルは無理な組み合わせ、別個に行うのが現実

的。熱電は必要な電力を賄えない、性能向上しないと実用化は

困難。ディーゼルエンジンに比重を。被毒を目標に。技術の差

別化とニーズを取り込んだ明確な目標を。

技術早いので、進捗に応じ浄化セル単独で

実用化を目指すことも視野に入れる。外部の

開発動向を常に把握し、可能性のあるものは

取り入れる。熱電変換材料は、変換特性、発

電出力の向上を図りつつ、他のエネルギー変

換機能との役割分担を視野に入れる。

4. 環境認識材料の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標:BA(A/B)AB、進捗:BABBB]

○目標は高く、社会ニーズと合う。方向性評価。酸素、水素セ

ンサー共に動作確認。産業貢献も見え始めた。室温付近水素ガ

スセンサに期待。

▲酸素センサーは耐久性との両立困難。高感度化と応答性改善

が必要。拡散の添加物制御は疑問。内容盛りだくさん。燃料電

池の進展によりタイムリーな見極めが必要、遅れるとダメ。

第2元素のドーピングで拡散係数を上げら

れるとは考えてない。自動車の助触媒の研究

例が示すように、ドーピングにより材料自体

の電子状態が変われば、表面物性も変わる可

能性がある。本研究のねらいは、ドーピング

による表面反応性の向上。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

95

5. 共生材料評価・標準に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BABBB、進捗:BBBBC]

○地道な役割の目標妥当。評価技術と標準を材料開発に先行し

て行うことが必要で期待。標準化は産総研の本来果たすべき一

面。有効な評価法・標準への芽が得られており、損傷部分の新

しい観察法など立派な成果ある。

▲シナジー材料との必然性は疑問。他チームのニーズにも対応

すべき。評価手法はみんなが使わないとまだ評価できない。さ

らに成果公表必要。

今後、目標の詳細化・具体化を念頭に置い

て活動したい。他チームとの連携のため電気

的特性評価の強化を行う。評価方法と実際の

部材との関係などを具体的に示す研究の方向

を考え、産業界との連携により、標準化を目

指す。積極的に成果公表行う。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.6 [BA(A/B)BB]

○目標は着実に達成。特に問題なし。成果上がっている。シナ

ジー材料の方向性高く評価。効率よい運営。若手の育成にも十

分な配慮。

▲国として基礎、標準化に力を。外部資金への依存度大きすぎ

る。目標管理とフレキシブルな運営望む。社会へさらなる成果

発信期待。研究ユニット間のシナジー効果、技術移転の促進が

課題。

TLOを通じた技術移転、ファインセラミッ

クスフェアを始めとする各種催しへの出展、

新聞発表等を通じ、より積極的に外部への情

報公開に努める所存。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

96

超臨界流体研究センター

1. 超臨界流体反応場を利用した環境調和型有機合成プロセスの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標AAACB、進捗AAABB]

○スメクタイト系触媒を用い、SCF中の反応によって二

酸化炭素の固定化(カーボネートの合成)に成功した研

究成果は特に興味深く、学術的・実用的発展が期待され

る。超臨界流体の NMR 等の解析手段の充実に関する進

捗は目標達成に寄与する成果。学会発表、論文、特許等

十分である。有機合成チームは、成果の発表、論文化、

特許化件数が多く、良好に推移。第1期は非常に順調。

超臨界流体利用反応プロセスに関しては、国際水準をリ

ードする水準にある。

▲各チームの具体的目標と、それが中長期目標達成のた

めの位置付けが不明瞭。

今後もスメクタイト系触媒の更なる改良に取り組

み、二酸化炭素の固定化研究(カーボネートの合成)

を実施していきたいと考えている。超臨界水や超臨

界二酸化炭素の特徴を活用した環境調和型の有機合

成プロセスの開発を行い、技術移転を実現すべく努

力していきたい。また国内における超臨界技術研究

の中枢として、先導的な研究から実用化研究まで幅

広く実施もしくは推進するための超臨界流体研究拠

点になれるように努めたい。今回のヒアリングでは、

中期目標の 13 年度課題に沿った成果について焦点

をあてた資料づくりをした。

運営体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [BABBB]

○目的及び目標達成を十分意識した運営がなされてい

て、カーボネートの合成では、有機反応チームと材料合

成チームとの連携が生かされている。国内外で数多く見

られる超臨界流体の研究例には、本センターのように、

基礎から応用まで一貫した取り組みは例がない。この点

で世界をリードしていると思われる。

▲材料合成チームの位置づけがやや曖昧。金属腐食はプ

ロセス実用化の鍵となる可能性が大きいが、この分野で

の戦略検討が不足しているのではないか。中長期的な視

点で、研究活動の中に若手育成のプログラムを組み込む

必要がある。委託事業等の内容について、可能な限り情

報を開示し、センターでの研究内容との繋がりや広がり

について報告を拡充したほうがよい。本研究ユニットの

体制・運営において、新規に発足するプロセスチームは、

単にプロセスの実用化研究を行うのではなく、実験技術

と実用技術の融合を積極的に推進するためにも、化学工

学の役割がきわめて重要と考えられる。

若手研究員の育成は重要なことだと考えている。

センターでは研究員とポストドク研究員の報告会を

開き、オープンな討議を行っている。無機微粒子合

成研究については平成 14 年度から NEDO プロジェ

クト研究の中で独立テーマとして実施し、材料合成

チームの位置付けを明確にする。平成 14 年度発足

のプロセスチームを加え、より一層の有機的連携を

図る。金属腐食に関しては、損傷を引き起こす環境

の特定と耐食材料の選定・開発が必要になるので、

今後どのような研究を進めるか戦略的検討を加えて

いく。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

97

スマートストラクチャー研究センター

1. センシングパッチ技術開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標:BBAAAB、進捗:ABABBA]

○研究のオリジナリティーを含め個々の基礎技術の研

究レベルは高い。研究論文の量質ともにレベルは水準を

超えている。基盤技術について着実に第1歩を踏み出し

ており技術実現への可能性が期待できる。

▲実用化、産業応用を目指すべきである。

アクティブ光ファイバーセンシング技術について

は、スマートパッチ実用化のための核となるセンシ

ングツールとして期待しており、次年度は特に重点

的に取り組む予定である。使える技術、役に立つ技

術を目指して、今後も、産業界と密接に連携しなが

ら研究を進めていきたい。

2. 損傷制御技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:BBBABA、進捗:CBBBBB]

○圧電材料の基礎研究のアイディア、レベルともに水準

に達している。デモンストレータ試作、ピエゾアクチュ

エータなどでの開発では見るべき成果が上がっている。

▲振動制御+ヘルスモニタリングあるいはそれ以上の

新しい展開を期待する。

次期はテクニカルスタッフを導入して問題点の解

消につとめ、成果発揚に注力したいと考えている。

特に圧電材料およびその応用技術(用途開発を含む)

では世界の COE に成っていくための努力をしたい

と考えている.

3. 統合化製造技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BCBA(A/B)B、進捗:BC(B/C)ABB]

○統合化は目標レベルが高くならざるを得ないが、柔軟

な発想・アイディアでコンセプトを実現し、社会に定着

させて欲しい。統合化は大変難しいテーマであるがユニ

ークなアイディアにより独自の開発成果をあげている。

▲実用性の高いものや新規性・独創性のあるものをピッ

クアップして重点化した取組みとしてはどうか。学術性

の高い論文誌への投稿を期待する。

基盤技術にさらにプロセッサ機能をも付与した技

術を開発し、特許申請もして、新規需要の創出を図

るべく実施しており産総研としてふさわしい研究で

あるとの自信を持っている。

4. 圧電デバイス作製技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標:BA(A/B)AAA、進捗:AA(A/B)ABB]

○重要かつニーズの高い課題を対象とし、具体的、適切

な目標を設定し、研究手法も新規性があり、発展性もあ

る。少ない人数で研究成果が多い。

▲応用への展開も考えてほしい。

今後は、スマートパッチを具体化していく過程で、

厚膜またはファイバー型圧電デバイスに求められる

仕様を、より具体的に明らかにしていきたい。人員

の増強にも努めたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [AA AB]

○研究者は、よく目標状況、センター設立意義を理解・

把握しているように見受けられ、また、その意気込みも

高い。日本版スマートストラクチャー研究として世界に

アピールする成果を生むものと期待される。

▲企業や他省庁との協力関係を強化すべきである。

現在精力的に進めている企業との懇談会(共同研

究および受託研究狙い)を推し進め、企業化に繋が

る技術開発の成功体験をつませるべく鋭意努力して

いきたい。国土交通省との連携などを模索している。

省庁連合の第 1 段として本年度は物・材機構との共

同研究をスタートし、来期は国土交通省の研究所と

の連携を構築すべく会談を重ねており、来春早々に

実現して行きたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

98

界面ナノアーキテクトニクス研究センター

1. 高軸比ナノ構造の組織化とその超高感度解析手法に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:ABBBA、進捗:AAAAB]

○目標適切。脂質ナノチューブは独自性高い。米のグループに

比べ、より系統的で発展性秘める。ナノサイズに起因する新現

象を期待。着実に進捗し公表数多い。ナノ構造の形態制御など

で大きな成果。水素貯蔵材料の可能性、新材料評価法を評価。

東大との連携評価。

▲数値目標の意義不明確。中期計画と研究計画の関係を明確

に。チューブの形態的特徴と素子の関係が不明確。素子目標を

明確にして技術の絞り込みが必要。他機関と連携し具体的出口

を意識すべき。固定化技術は今後に期待。

有機ナノチューブの知見、技術シーズ、評

価技術、系統性、成果は世界的に独創的なも

の。ナノスケールに特有な新現象も発見しつ

つある。特許や技術シーズを押さえるため1〜

2年は基盤的研究を進めたい。ニーズ探索に

努め、材料や素子応用だけでなく、環境、エ

ネルギー面でも見極めを行い、目標を戦略的

に絞っていきたい。東大との連携は大きな成

果。分野融合を積極的に進め、世界でのプレ

ゼンスをさらに高めたい。

2. 高軸比ナノ構造の制御と機能化に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:BBBAB、進捗:BBBBB]

○固定化技術、分子機能は素子設計に重要。組織化技術の確立、

物性の把握、応用展開を期待。成果公表多い。大量調製法、表

面の修飾技術、固定化技術を確立するなど大きな成果。基板上

認識パターンで演算を期待。

▲目標修正もある。チューブ固定化の位置づけは? ペプチド

系ナノ構造体のコンセプトは? 数値目標の意義、チューブの

特徴と機能との関連が不明確。希薄系で形成の用途は? ベロ

毒素は大きな成果だが目標と関係ない。他機関との連携で出口

を明確に。材料の早期見極め必要。

チューブの位置づけは材料化。ペプチド系

ナノ構造体のコンセプトは、分子認識素子の

機能部品の一つである。ナノチューブの作成

時には希薄であるが、オートクレーブ法によ

り、大量生産を可能にしたこと、さらに、で

きあがったチューブは、今年度の成果である

物理的修飾法により高密度に集合させること

が可能。ベロ毒素は、副産物であり、今後こ

のセンターで研究を行わない。

3. 高密度界面ナノ構造の開発とその機能化に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BBBBB、進捗:BBBBB]

○無機と有機の連結は意義深い。東大との連携よい。着実な手

法は好感。順調な進捗状況。成果は十分。ナノフォレスト構造

を初めて実現、新物性発現を期待。粒子サイズの均一性が向上

した界面ナノ構造体形成技術ができた。界面での情報伝達、機

能増幅などの展開期待。

▲研究計画が多岐に、見直し必要。高密度界面ナノ構造が実現

すると、どんな革新が起こるのか? 材料の品揃えにならぬよ

う目標を明確に。超高感度化とナノ構造の関連性は? シグナ

ルの取り出し方とトータルの素子設計が重要。ナノフォレスト

やマイクロプラズマ技術を他チームと融合させる視点必要。

H13は要素技術の開発改良。今後、革新的

な系に重点化、ナノ界面に起因した機能を明

確化する。超高感度化センサーは、オーバー

オールな特性計測を進め、その後プローブを

微小化しナノデバイスを構築。他チームと積

極的連携を行う。高密度界面ナノ構造の可能

性を踏まえ計画の見直しを検討する。界面ナ

ノ構造と物性の関連を明らかにする。ナノフ

ォレスト構造は応用を考えた物性測定を進

め、新機軸を出す。

4. 高組織化マシンナノ構造の合成と組織化技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.3 [目標:CC(B/C)BC、進捗:CCBBC]

○サイエンスとして重要。保有のタンデムクライゼン転移反応

やロタキサン分子を駆使した展開は良い。化学として合成の成

果は着実。論文等発表は十分。合成化学者の特色発揮に期待。

▲高密度情報記録材料の基本コンセプトが不明確。目標が不適

切、再設定必要。分子1個の機能、情報を取り出す技術がない。

手持ちの化合物にこだわらず、本来ナノマシンとは何か、どん

な機能が引き出せるか徹底的な議論必要。素子化へ戦略見直す

べき。センター内役割不明確。

戦略は、基板上に反応性ドットの作成、そ

の上に固定化された超分子の運動を制御、運

動を信号として取り出す技術を開発し、分子

フォトダイオード等の構築を目指す。現在、

固定化の段階。単分子機能動作の解明と解析

が重要。独自のアプローチを取りながら目標

を推進していくことで、独自の技術を生み出

す。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

99

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [AAAAB]

○総合的には良く運営されている。他機関との連携は評価。基

礎研究の位置づけで、各チームが保有シーズの強みを出した。

アクティビティの向上に努めた。成果発信も十分。「プロフェ

ショナル留な研究集団」はよいキャッチフレーズ。他分野とヘ

テロな集団ができつつある。発展が大きく期待できる。

▲他機関との連携し、より強く具体的な出口を意識すべき。並

行してデバイス化技術の開発が不可欠。研究が横展開しないよ

う保有技術の早期見極め必要。チーム間の討議を活性化し、役

割分担を明確に。各チームの技術目標の融合を示してほしい。

前所属先発表が多く、センターのパフォーマンスが分かり難

い。

多くの評価委員が指摘する通り、まずは、

当該研究センター内のチーム間連携、東京大

学大学院新領域との分野融合的連携、さらに

は企業や他研究機関との連携を深めたい。ま

た、ニーズの探索、ニーズの明確化、技術シ

ーズとのマッチングを考慮に入れながら、分

子ボトムアップテクノロジーの優位性と当該

研究センターが有するナノ部品の独自ポテン

シャルを生かした研究を推進していきたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

100

(b)研究部門

計測標準研究部門

1. 長さ関連標準の高度化に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標BABBB、進捗ABB(A/B)A]

○標準供給体制の強化、国際比較で良い結果を出たこと

を高く評価する。論文発表も多い。

▲世界レベルと対比した日本の位置付けが明確に分か

る目標の明示が望まれる。

NMIJ 各部署との協調のもと、標準の開発、高度化、

範囲の拡大に取り組むと共に、世界の中での位置づ

けを明確にした目標を明示していきたい。

2. 音響・超音波標準に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標BBCBB、進捗ABCCB]

○標準マイクロフォンの温度係数や気圧係数の精密測

定など世界トップレベルの維持に必要な成果は上って

いる。

▲標準供給には遠い状況にある。

超音波標準供給は、人員、予算面で厳しいが、ほ

ぼ計画通りに進捗している。人員、予算等の増強要

求を含め、早期の供給体制確立に一層の努力をする。

3. 共晶点を利用した高温度標準の開発と標準供給及び国際比較

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.9 [目標ABAAA、進捗AAAAA]

○1000℃以上での定点開発は評価できる。

▲温度標準全体と民間を巻き込んだ標準温度供給の体

制作り、国際的なリーダーシップ獲得の点で努力を期

待。

国内放射温度標準供給の一桁以上の高精度化、さ

らには国際温度目盛の定義への採用という 終目標

達成を目指し、今後もさらにチャレンジしていく。

4. 高度放射線標準の開発とトランスファー技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BACCB、進捗BBBBA]

○除々に高度な標準が整備されつつある。論文発表が多

く、特許もある。

▲目標設定が従来路線の延長で、チャレンジングな要素

に乏しい。

現在の業務量と研究資源を考慮すると、あまり挑

戦的な目標は設定しにくいが、将来的にはそのよう

な方向性を持ちたいと考えている。

5. 質量力関連量標準の開発と供給

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標BAC(B/C)B、進捗AABBA]

○順調に標準が確立、供給体制整備が進んでいる。トル

ク標準確立は高く評価。国際協力にも努力。

▲もう少しチャレンジングな部分を設定しては如何。

資源 - 特に人的資源 - が許すならば、更に高

い目標を目指してゆくべきであることは痛感してい

る。

6. 有機標準の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AABAA、進捗BABAA]

○全般的に成果が出ており、標準物質供給体制の整備

は、高い水準で計画を達成。

▲計測技術など、特許を増やす努力も必要。

標準開発に必要となると考えられる計測法の開発

には、標準供給とのバランスをとりつつ力を注ぎ、

特許の取得、実用化への努力などを心掛けて行きた

い。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

101

7. 光周波数標準・計測に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BABBA、進捗BABBA]

○メートル条約の長さ諮問委員会で光周波数値および

不確かさの決定に寄与したことは大きな成果。

▲標準供給にも十分な配慮が必要。

ユーザーへの標準供給や特許などについて努力し

ていくことは極めて重要であると認識している。

8. 機能材料の熱物性計測技術と標準物質に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標BAA(A/B)B、進捗AAB(A/B)B]

○密度の絶対測定、アボガドロ定数の決定などへ貢献

大。他多くの領域で成果を上げている。物性データベー

スを開設した意義大きい。

▲供給サービスまでにはまだ距離がある。

熱膨張率標準物質(300~1000K)と熱拡散率標

準物質(300~1200K)を、平成 14 年度供給開始

予定。熱物性データベースは間もなくインターネッ

ト公開する。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [ABBAB]

○標準供給業務以外に先端研究も十分成果を上げてい

る。

▲電気関連量整備、低温領域、超音波領域などの立ち遅

れなど検討必要。

産業にとって重要であるにもかかわらず、世界的

に整備が遅れている標準については、電気標準を中

心にして 速で人員体制・資金面の手当てを行って

いく。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

計測標準部門から出された資料「現状問題の解析と今

後のあり方」では自己評価として組織運営・活動さらに

計量対象ごとの整理では項目ごとの現状と問題点がよ

く整理されている。組織運営は非常に透明となってい

る。今回の経験を、今後透明性を維持するのに役立てて

欲しい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

102

地球科学情報研究部門

1. 地質分野

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AABBBA、進捗AABBBB]

○国土基盤的研究を精力的・順調にやっている。

▲5万分の1地質図幅の質・利便性の向上、出版スピー

ドを上げる努力・工夫が必要。

マンパワーと予算に依るが産総研の理解を得る努

力を続ける。地質図の数値化等に取り組んでおり、

都市地質研究にも重点的に取り組んでいく予定。

2. 地球物理分野

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BABBBB、進捗BBBCBB]

○P-S変換波反射法は良い研究、高分解能空中磁気探

査とともに今後の利活用が期待される。

▲テーマ多岐にわたり関連性まとまり欠く。

P-S 変換波利用探査や高分解能空中磁気探査の調

査結果を地球物理図等で公開していく。資源エネル

ギー分野・環境関連分野との連携を念頭に置いてい

る。

3. 地球化学分野

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標BABABB、進捗BBBABB]

○地球化学図は着実に進展しており、よい成果出てい

る。利用価値が高まると予想。

▲地球化学図のサンプル数が少なすぎる。

地球化学図は5年計画の3年目。今後はデータ解

析と評価に重点が移る。10~100倍の試料密度で全

国をカバーするプロジェクトの実現に向けて努力す

る。

4. 地震分野

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BABABB、進捗BBCBBB]

○深部すべり過程研究は、成果あり興味深い。

▲目標設定がわかりづらい。地下水観測井の新設・維持

等費用の予算化が懸念される。

部門の特徴・得意方法をいかした目標設定してお

り、これが国の目標に反映されている。観測井は固

定的経費となり、他研究グループ予算の圧迫を懸念

する。

5. 火山分野

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標AABBBB、進捗AAABAB]

○妥当な目標であり、進捗状況も満足される。

▲研究対象活火山の選び方の根拠が曖昧。ハザードマッ

プ作成はイニシアティブとるべき。

測地学審議会で選定された重点観測火山で、重要

度の高い常時観測火山を優先的に研究している。噴

火予知計画体制の中で貢献をしており、国の防災計

画とは区別している。

6. 地質情報解析分野

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BABABA、進捗ABBABB]

○順調に進捗中。

▲国際戦略を明確にすることが必要。

日本が位置する島弧地域の地質特性が反映される

よう ISO その他国際地質標準確立に貢献すべきと

考えている。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [AAABBB]

○各研究グループの目標がよく関連づけられており、交

流もよい。

▲研究計画チェック体制や自己評価体制をもっと充実

させる必要がある。他部門あるいは研究センターとの連

携も分りにくい。

自己評価について、各研究グループ長、必要に応

じて正副部門長が直接面談して指導に当たってお

り、これ以上評価に時間をさくより、本来の研究業

務に専念させたい。他ユニットとの連携は、地質調

査総合センターの枠組みを活用して外部に理解され

るよう表現を工夫したい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

地球科学へのニーズが高まっている時期なので、情報

提供に工夫し、一層の理解が深まる方向に戦略性をもっ

て、とりくんでほしい。

多様な要請に応じて、どのように新たな地質情報

の提供図るかについて、関連ユニットとも協力して

尽力する。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

103

地圏資源環境研究部門

1. 地熱貯留層評価管理技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AABBBA、進捗ABBBBA]

○エネルギー資源に乏しいわが国の基礎研究機関とし

て貯留層評価管理技術開発は重要。

▲研究の独創性、国際的意義を明確にし、社会に与える

効果を売り込むことが重要。

本技術開発が重要で、目標設定は適切と理解する。

国際的な意義、社会に与える効果、要素技術の全体

目標に対する貢献の内容は今後詳細に説明したい。

2. 天然ガス資源に関する研究(石炭起源ガス・ガスハイドレート資源評価技術の開発)

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標AABAAA、進捗AAAABA]

○良好に進捗して、有用な成果があがっている。

▲世界の中で占める意義、エネルギー資源として経済的

効果を視点に加える努力が望まれる。

経済的効果に関する見積もりは、石油公団等と連

携しながら検討を進めていきたい。

3. 大規模潜頭性熱水鉱床の探査手法の開発研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標AABBAA、進捗AABBBA]

○小規模な要員・予算で成果を出している。

▲予算が少ないため新規データ取得が困難と思われ、次

年度以降の展開が心配。

金属鉱業事業団と積極的な連携を図り、共通課題

の中でより基礎的な部分を担っていくのが使命であ

ると認識している。

4. 東アジアにおける資源開発研究協力・技術協力

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AABABA、進捗AAABBA]

○地熱資源・地下水データベースは確実に進行してい

る。地熱探査の研究協力は多大な成果を得たと判断。

▲インドネシアの成果は高く評価できるが、国家として

の Follow-up がプアになりがち。

インドネシアプロジェクトについては、各種予算

スキームに対して、地熱ミニプラント建設を目標と

した新規フォローアッププロジェクトを提案し続け

ている。

5. 知的基盤情報の整備・提供

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AABBBA、進捗AABBCA]

○各種データベース、資源図、図鑑の出版に向けて確実

に進捗している。

▲情報図は単に分布や種類を示すだけでは不十分。さら

に進化させた数値化情報を目指す必要がある。

数値化については、資源図のデジタル化に鋭意努

力している 中。

6. 地圏利用のための地圏特性評価とモニタリングシステムの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標AAAAAA、進捗AABCBA]

○社会ニーズに合致。民間での開発が困難なテーマに挑

戦している。

▲センサーの改良点などの検討を含め、今後の課題は多

く残している。

「センサーの改良」は、来年度以降の研究計画に

おいて実施する予定。新センサー開発に向け、評価

委員・専門家から適切な御指摘をいただければと考

える。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

104

7. 地圏環境汚染評価手法の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標AABBBA、進捗ABBCBA]

○超高圧水と微生物を用いた地質汚染浄化法は目標レ

ベルが高く、完成すれば画期的。

▲研究は1年かぎりで、来年度への展望が見えない。

研究が単年度で、成果を今後どのように活用して

いくかが見え難かったと反省している。生物遺伝子

資源などの関連部門と連携研究の展開を考えてい

く。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [AAAAAA]

○初年度が計画通りに進捗し、十分な成果がある。

▲社会ニーズの発掘などにより、重点事項の見直しな

ど、常に検討する体制が求められる。

高い評価をいただき感謝している。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

○「高温岩体研究」では優れた貢献をしていると認識し

ている。

▲「高温岩体研究」は長年にわたり、地道に続けられて

いるが、そろそろ大きな変化の時では。

重点課題に含まれない高温岩体なども、どのよう

な成果が上がっているか注目されており、重点課題

と同様のフォームで評価されるべきではないかと考

える。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

105

海洋資源環境研究部門

1. 海洋生物・生体機能利用による新規素材等の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標ACBBBB、進捗ACBBAB]

○短パルスレーザーの付着生物制御技術は独創的、生物

付着メカニズム解明が期待される。

▲新規素材開発は何に役立つか見えない。

海洋微生物リポ多糖によるミクロセンサ開発な

ど、産業応用へもっていくことを目標としているが、

開発初期には基礎研究部分が多くなっている。

2. 海洋バイオ・生態系利用による環境改善技術開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標ACABAB、進捗ACABCB]

○TBTの自然分解生物実態の解明は高い評価。

▲個々のテーマの関連性薄く、全体方向性が分かり難

く、力が分散している。

海洋バイオマス利用は、開発特許を用いて企業化

が目前。生物・生態系利用環境創造は有機スズ分解

の実用化に向かっている。

3. 地球温暖化対策に資する西太平洋域の環境変動要因の解明と予測手法開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標ADBCAB、進捗ACABCB]

○国際共同研究の全球的生物生産マップ作成は評価で

きる。

▲二酸化炭素海洋隔離技術等の温暖化対策の妥当性の

検証とのつながりは説明不十分。

二酸化炭素海洋隔離は環境管理研究部門との分担

課題で、国際的プログラムの一環としての位置付け

など、全体的状況の説明不足で誤解招いた。

4. 海水溶存物質の高度分離技術開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標ABBAAA、進捗ABAAAA]

○目標に近いリチウム吸着剤の合成など、着実に進んで

いる。

▲なぜリチウム・メタンなのか、産業化まで含めたシナ

リオの中での意味が不明確。

将来の核融合炉に欠かせないリチウムや、技術原

理の適応性から注目を集めている海底資源メタンハ

イドレートの採取・輸送のためメタンに取り組んで

いる。

5. 海洋地質図

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標ABCBBB、進捗ABBBAB]

○社会的ニーズの高いプロジェクトである。

▲年次計画を明らかにして、ユーザーが使い易いデータ

ベースの整備を急いでほしい。

使いやすい広く利用していただく DB のために、

現在CD-ROM化の仕様詳細等を検討中で、一部試作

など行っている。

6. 海洋資源環境資源データベース

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [目標ABCDCB、進捗BDBCBB]

○日本海・東海沖の海域活断層の知見を深めたことは評

価できる。

▲海洋地質情報は課題5との仕分けが必要。

独自に構築する DB は他機関ではできない得意分

野を、他機関が可能なものはデータを提供しリンク

させるなどの選別を行いニーズに応えていくものに

したい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

106

7. 海洋地球科学に係る調査・分析等基盤的基礎的研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.6 [目標BCCCBB、進捗ADBBBB]

○10万年周期地磁気変動など、面白い発見がある。

▲テーマが種々雑多な印象で、研究課題としての内容・

方向が分かり難い。

調査やデータ取得・分析・解析のために必要な基

礎的研究を支えていく意図で課題設定しているの

で、個別テーマとなるのもやむを得ないと考える。

8. 海域活断層評価手法

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標ABBBAB、進捗BDBBAB]

○日本海中部地震の震源断層評価や佐渡海嶺南部の地

震発生頻度を明らかにしたのは大きな成果。

▲データ収集を体系的に進めることが必要

この研究項目独自の調査予算を確保できない状況

で、既存データおよび他調査や他機関調査と相乗り

して活断層評価手法の開発をしている段階。

9. アジア太平洋地域における沿岸・沿海地球科学情報

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標ABABBB、進捗BCABBB]

○東アジア・東南アジア地域との連携をめざす重要な課

題である。

▲個々のデータ取得と、 終目標である環境保全とのリ

ンクが不明確。

東南アジアとの国際協力連携として、また人間活

動の沿岸環境への影響と保全のための評価などの観

点からも重要な課題と考えている。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

2.7 [BCBBBB]

○従来の流れの上に目的・目標がのっているようでは無

理がある。

▲産総研として期待される目標に、選択と集中が必要。

委員のご指摘を踏まえ、運営体制を改善していき

たい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

中国及び四国センターは、地域環境改善の中心的役割

をより強めると共に、有明海など他の海域の環境問題に

ついても積極的に取り組んでほしい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

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エネルギー利用研究部門

1. 小型分散エネルギーシステムの解析とモデル化

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:BBBBBA、進捗:BBBCAB]

○測定を詳細に行って事例を集積して興味深い知見が

得られている。

▲何に使うのかといったシステム的な検討が必要。

企業における本分野の技術開発は、業界毎の縦割

りであり、本来目指すべきものは液体、気体燃料、

電気、自然エネルギー等を含めた地域別の 適化シ

ステムの構築であり、本研究はその基盤デ-タの一

つとして位置づけている。

2. 作動ガス循環型動力発生技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:ABBCBB、進捗:BBACAB]

○目標が明確であり、社会的重要性も大きい。基礎研究、

要素研究としては成果が得られている。

(なし)

3. ガスタービン発電用完全無灰炭の製造技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:ABABBA、進捗:AABAAA]

○目標は明快であり、要素技術での実証データは出てき

ており、目標は達成されている。

▲実用化への問題点を明らかにする必要がある。

(なし)

4. ハイパワーキャパシター用炭素体の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:AABBBA、進捗:BBBBAA]

○国際競争が激しい中でよく頑張っており、活発な研究

が行われている。

▲目標に対する達成度が低い。

(なし)

5. 廃棄物発電におけるダイオキシン類の生成過程の解明

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:ABBBBB、進捗:AABBAC]

○緊急の課題であり、従来と異なる重要な成果を得てい

るので、成果の早期還元を期待する。

▲実用化と本質的なメカニズムの解明をするべき。

実用化のデ-タを取得するとともに、本質的メカ

ニズムの解明にも努力する。

6. 天然ガスハイドレ-ト資源化技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標:ABABBA、進捗:ACACBA]

○国の方針として目標は妥当であり、要素的な研究につ

いて成果が得られている。

▲各論的で統合し生産へと結びつけるものが足りない。

当初、天然ガスのハイドレ-ト輸送技術としてス

タートし、平成 13 年度の途中から本プロジェクト

がスタートしたためデ-タの蓄積が少ないが、重要

な国家プロジェクトであり、早急にデ-タを取得し

たい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

108

7. バイオマスのガス化技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BABCBB、進捗:ABBCAC]

○必要に応じた組成のガスを得られるベースを作った

など、十分なデータが得られた。

▲得られた結果が現象論的で、どのように使うのか不明

確である。

(なし)

8. 有機物/水系水素製造法の反応特性

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:AABBAA、進捗:AABBAB]

○従来より低圧でのプロセスが可能であることを見出

すなど、目標に対しては順調に進捗している。

▲論文が少ない。

(なし)

9. 風車翼の高度化技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BBBCBA、進捗:BBACAA]

○フィールド試験機によるデータ収集、CFDシミュレー

ションなど成果が得られ、成果と応用面とのつながりも

強い。

▲発電システムとしての方向性を明瞭にする必要があ

る。

(なし)

10. 廃プラスチックのリサイクル技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:ABBBAB、進捗:ABACAA]

○反応機構についても興味ある結果がえられるなど、実

験は順調に進んでおり、スタートとしては優れている。

▲個別技術段階であり、実用性を確立するべきである。

(なし)

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [AB+ABAB]

○研究の成功と研究者の生き方を考慮したりっぱな体

制・運営となっている。

▲グループ間の交流が必要である。基礎研究が少ない。

今回は 10 ヶの重点課題だけを説明したので、シ

-ズ研究等は説明できなかったが、部門内では将来

のための萌芽的研究や理論的研究も行っている。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

109

電力エネルギー研究部門

1. 超電導電力応用技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標ABBCB、進捗BBBBB]

目標設定は先進的、具体的で妥当。進捗は着実。論文

発表も多く、レベルも高い。

もう少し大胆な目標設定も考えられたのではないか。

テーマが多岐に亘っており、整理が必要か。

大胆な設定も可能だが、プロジェクトへの貢献も

問われる。

テーマが多岐に渡っているのは、多くのテーマを

成し遂げられるだけのポテンシャルを有している証

拠と受取ってもらいたい。

2. 限流器用大面積超電導薄膜作製技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標BBBCB、進捗BBBBC]

次期プロジェクトを見据えた目標設定は妥当。進捗は

着実、基礎面で高いレベルの成果を上げているが、ピン

止め機構解明については更に研究を進めるべき。

薄膜限流器の大規模化、基幹電力系統への適用可能性

については議論を詰める必要あり。

酸化物超電導薄膜は実用化に近いレベルの研究段階

にあるのではないのか。

ピン止め効果は予想に反した結果が得られてお

り、このことを明確にした後、新たな手法を考えて

行く。

気相法限流器用超電導大面積膜の作製は、量産可

能性とスケールアップが課題である。これについて

は、Super-GM、産総研の研究成果次第であると思

う。

酸化物超電導薄膜に関しては、PLD 法等で良好な

ものが得られれば、その方が有利となることから、

この手法による大面積膜作製法の高度化研究は、依

然必要。

3. 薄膜太陽電池

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標CBABB、進捗BBBBA]

目標は定量的で明確。変換効率の向上では着実に高い

レベルの成果が出ている。論文発表も多い。

しかし、もっとチャレンジングな目標設定も可能では

ないか。

低コスト化のための具体的計画に曖昧さあり。

Se の毒性に考慮を。

低コスト化、高効率化を実現するには、高 Ga 濃

度CIGS 太陽電池の高効率化が必須であり、CGSの

材料・素子の研究の成果はその鍵を握る重要なテー

マである。

低コスト化については、CGSの材料物性を十分に

理解することが重要と考える。

Se の毒性に関しては、日本でも積極的に試験を重

ねていくべきと考える。

4. 半導体エネルギーデバイス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [目標BBCCC、進捗CBCBC]

着実な成果が出ている。

既に製品化されており企業も研究開発を行っている

分野だから、民間との連携を進め、成果が速やかに産業

界へ還元される仕組みを検討する必要がある。

今後の発展の方向が見えにくい。企業を超える新コン

セプトの検討があっても良い。

研究の効率的推進、論文等による広報が必要。

民間との連携を深める方向で考えたい。

外注や民間との連携で研究を加速し、産業界への

還元を進めたい。

今後の発展では、もう一段の革新が多結晶シリコ

ン太陽電池に求められており、「光閉じこめ」など、

研究目標には新しいコンセプトが含まれている。

外注などで効率化したいが、困難な面がある。論文

化には努める。

5. 太陽光発電システム

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標BCACC、進捗BBACB]

地道な成果をあげており、一部特筆すべき成果があ

る。一般向け広報を活発に。

支援ツールの公開等を積極的に行う。

太陽光発電の評価は、未だ十分確立しておらず、

中立機関としてこれまでの蓄積を活かした研究開発

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別紙6:研究ユニットの評価結果

110

評価業務は先端研究所に相応しくない(反対に、JQA

の評価業務の引継ぎは評価できるとの意見もあり)。

企業と分野の棲み分けをおこないつつ連携が必要。

が必須である。手法確立後には、産総研内外への業

務委託を行うことを想定している。

新たな応用分野開拓に繋がる新コンセプトの提案

等を行い、企業では取り組みが困難な研究を中心に

進める。

6. エネルギーネットワーク

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [目標CCCBB、進捗CBBCC]

自律分散ローカルシステムのイメージを具体的に。

産総研の独自性を発揮できる目標設定を。

SiC デバイス開発、エネルギー・環境分析モデルの研

究は本課題には不自然。

進捗が不十分である。

イメージを明確にしていく。

他ユニットの連携などで独自性を出す方向で努力

する。

SiC デバイス開発、エネルギー・環境分析モデル

の研究は、いずれも重要なので当グループの活動に

含めておきたい。

進捗状況については、努力したい。

7. 固体酸化物形燃料電池

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標BCBCB、進捗BBBBA]

状況に合わせた柔軟な目標設定は妥当。

材料研究が大切なことは理解できるが、SOFC に関す

る研究を第一義的目標とすべきであろう。

目標の方向性が明確でない。

SOFC が経済的に中小型装置として実用化できるのか

検討を深める必要がある。

論文数は多くレベルも高い。

材料は大きな中心課題ではあるが、全体計画の一

部でしかない。

目標の方向性については、規格標準化研究の連携

を強めるとともに、小型SOFCシステムのコンセプ

ト確立に重点を置いている。

小中型システムの実用化には、低コストとシステ

ムの単純化が必要。材料の選定と改質過程の単純化

に焦点を絞って進める。

8. 次世代エネルギー材料

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標BCBCB、進捗BBABC]

エネルギーシステムを変革でき得る材料目標は、具体

的で妥当(課題の十分な位置付けの上に目標を合理的に

設定すべきとの意見もあり)。

リスクの高い分野なので公的機関が行う意義は高い。

革新的成果を上げている。

水素貯蔵については着実な進捗が強く望まれる。

本研究は、分散型電源における 重要技術課題で

ある。当部門にて研究するのが相応しいテーマであ

る。

ナノ材料を用いたメタン・水素貯蔵媒体の開発は

手がけたばかりであり成果はこれから。基礎的な側

面から腰を据えて行っていきたい。

9. 熱電変換技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標BBACC、進捗BBBBC]

目標は高く産総研の研究対象として相応しいが、目標

を実現するための筋道を具体的に。

H14計画が小さいのは、予算不足のためか。

未利用エネルギー回収システムの有効性の検証が産

業応用に必要。

基礎的研究を着実に進め、特許などの成果多い。

理論効率を達成するには、接合技術が鍵であり平

成14年度から着手する。

外部予算獲得に至っていないため、より基礎的な

目標を設定している。

未利用エネルギー回収システムの有効性の検証は

NEDO 事業の中で実施されており、委員会委員とし

て協力している。

10 水素吸蔵合金

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標BAACA、進捗BAABC]

水素吸蔵合金のチャレンジングな吸蔵目標を設定し、

水素貯蔵かメタノールかに関しては、資源エネル

ギー庁長官の諮問機関の報告シナリオが現時点では

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別紙6:研究ユニットの評価結果

111

基礎を重視しているのは適切。成果は国際的にも先導

的・先駆的であり高いレベル。

移動用エネルギーとして水素貯蔵かメタノールかは

十分検討する必要あり。

基礎研究の成果を吸蔵性能向上にどのように結び付

けるか。

有力と判断し、採用している。

基礎研究の成果云々については、高い水素吸蔵量

を示す新合金が発見され、現在結晶構造を評価中。

また、別の系で新材料開発に成功しているが、知的

所有権確保等により十分に説明できなかった。間も

なく開示できる。

11. 高効率磁場核融合

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標ABBBC、進捗BABBB]

産総研として独自性のある目標設定、つまり一歩先は

目指せないのか。

目標の具体性と根拠が不足。

目的に添って着実に進捗しており、その過程で課題抽

出も行われている。

中性粒子ビームの開発完了と入射実験開始を早期に

行うことを期待。

どの方式も革新的進展が求められているが、本課

題では逆磁場ピンチ型閉じ込めの飛躍的向上を図る

ことによって、この分野に貢献したい。独自性はパ

ワー中性粒子ビーム入射実験で出していく。また、

分野横断的な研究手法の開拓に心がける。

目標の具体性と根拠を示すようにする。

中性粒子ビーム装置は、平成 14 年度にプラズマ

閉じ込め装置へ取り付け、予備試験を開始すること

を予定している。

12. レーザーによる核融合

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BBBBB、進捗BBBBB]

具体的、定量的に目標が設定されている。他との棲み

分けもきちんと行われ、オリジナリティーのある成果を

上げている。

しかし産総研としての特色を出せないか。現状は、レ

ーザー技術に限られているが他に課題はないのか。

また、中期目標の達成が、実用化開発のどこに位置付

けられるのか。

これまでも、様々なアイディアや独自技術を開発

してきたが、今後もこれに努めると共に、独自性を

明確に説明するよう心がけたい。平成 13 年度はレ

ーザー技術開発が主体であったが、次年度にはプラ

ズマ照射実験を予定。

長期的・世界的な今後のロードマップと今後の戦

略について説明して行きたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [ABABB]

現在の重点課題、将来の有望課題への先行的取り組み

を配慮して適切な運営がなされている。

民間との連携強化を検討されたい。

研究の出口に対する意識がまだ薄い。出口意識を常に

念頭に置き、特許の取得や事業化主体の育成を図ってほ

しい。

現時点でも民間企業との連携は密だが、より直接

的な連携の事例を積極的に増やしていきたい。

指摘事項を十分に今後の運営の参考にすると共

に、特許実施や事業化などの例を増やして行きたい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

プロジェクトの提案、受託、推進主体として多大な業

績を上げている。国内外の標準化・規格化にも分担・支

援しており、評価できる。学会活動も活発である。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

112

環境管理研究部門

1. ダイオキシン計量標準

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標BBBB、進捗ACCB]

社会の要請に基づき国の研究機関が行うべき意義の

ある課題であり、当部門が行うのは妥当。計画および進

捗も概ね妥当。

ダイオキシン問題全体における本課題の位置付けが

あまり明確でない。

認定事業そのものは極微量物質の計量に係る事業

所の認定であり、ダイオキシン類のみが対象ではな

いが、直近の対象物質としてダイオキシン類が選ば

れている。

ダイオキシン類の測定分析にポテンシャルがある

のは当部門のみであること、また、環境管理という

ミッションとして重要と考えられる。

2. 省資源・ダウンサイズ環境分析

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標BBBB、進捗BBAA]

目標、計画ともに概ね妥当。環境分析技術の高度化は

ニーズ大。今後の発展、さらには実用化を期待。研究は

順調に進展、成果の質、量とも十分。

多種のテーマが混在しており、「省資源・ダウンサイ

ズ」で纏めるのはやや無理ではないか。産業界のリーダ

ー育成も期待。グループ内の特定の研究者に重荷がかか

ることがないよう配慮されたい。

多種のテーマが混在していることは自覚してお

り、各テーマの位置づけを明確にする。

現時点では特定の人に重荷になっていないと考え

られるが、将来的にも研究密度に応じて、ポスドク

等を採用して研究を促進するとともに、過重な負担

とならないように気をつけたい。

3. 有害化学物質の先端的処理・浄化技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標BBBA、進捗BBBA]

有用な発生源対策、環境修復技術になり得る先端的研

究であり、当部門の課題として適切。研究活動は世界的

にも 先端で活発。成果も十分。更に早期の実用化を目

指すことを期待。

しかし一方で、競合技術を見渡して本研究の位置付け

を明確にすること、低温プラズマの理論的・技術的な基

礎を固めること、光触媒では長所を活かせるような応用

を開拓することに留意されたい。

実用化については、他機関の協力を得ながら、実

際に役に立つ技術を開発したい。

低温プラズマと光触媒の複合化は、エネルギー効

率を上げることが主な目的である。

低温プラズマ反応の反応論的な基礎に関しては、

研究済みであり既報で報告している。

光触媒については、各種 VOC への適用性につい

ておおよその知見を得ており、複合化によって新た

な長所を活かせる可能性があると考える。ご指摘の

点に留意しつつ、研究開発を進めたい。

4. 有害化学物質の新規生物学的除去技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.6 [目標BBBB、進捗BCCC]

将来の発展が期待される重要な課題。目標も高レベ

ル。産業応用研究として基礎から実用までの広範な研究

をじっくりと行うことを期待。

長期的に進めるべきテーマと短期的に実用的効果を

あげるべきテーマが未分化のままであるとの印象。成果

の公表はやや不足気味。生分解性評価は除去技術と連携

しているなら良いが、荷が重くはないか。

本課題では、特許取得も視野に入れた短期テーマ

と、より長期的な展開を目指す研究を並行して進め

ている。それぞれの研究の主旨と目標を明確にし、

適切な課題数にするように努めている。

生分解評価研究は必ずしも除去技術と連携してい

ないが、群集構造解析研究の展開に指針を与える成

果を得たので、今後は窒素除去に係わる群集構造解

析研究のなかでもそれを生かしてゆきたい。

5. 二酸化炭素対策技術の評価手法

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別紙6:研究ユニットの評価結果

113

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BBBB、進捗ABBB]

社会的関心が高く、国として取り組むべき重要な分野

ではあるが、国に対してあるいは国際的にも積極的な発

言ができるような課題選択を望む。対象が地球規模であ

るので、他機関との分担は必須。目標、計画概ね妥当、

研究は活発、着実に成果を上げている。研究者の交流や

国際機関との連携など細部の検討も必要。

ご指摘のとおり、国内外との連携は不可欠と考え

る。国際的には IGBP の第2期への移行の時期であ

り、国内では地球温暖化研究イニシアティブが創設

される状況の中で、国内外の機関との協力と分担の

関係が変化する時期に来ている。具体的目標を随時

見直していく。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.0 [BBBB]

全体として良く組織され運営されており、これまでの

努力を多とするが、研究活動の活性化にとって若手研究

者は不可欠であり、長期展望に立った雇用が望まれる。

今後、外部マーケット情報を収集する組織の必要性も考

える必要があろう。

産総研の使命には産業界の指導、育成という面が大き

いとすれば、そうした体制に早期に移行することを期待

する。そのためにも、グループ内、部門間ばかりか、外

部もにらんで連携をいっそう進めることが望まれる。

優秀な研究者を核として、重点研究課題を中心に

研究グループの再編など柔軟に対応していきたい。

さらに、内外との連携が不可欠と考えており、応用

的研究については企業との連携を深めるために研究

会の組織、共同の調査研究などを推進していく。長

期的基盤研究、萌芽的研究については、大学との連

携を一層深めるとともに、国際協力を推進する。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

研究部門全体の運営は良好である。自由な雰囲気の中

で研究が遂行され、かつ部門全体としてのミッションが

達成されるように配慮して運営されている。

実効的な応用研究と長期的な基盤研究、萌芽的研究を

明示しつつバランスをとることが非常に大事で、それら

の区別を、研究担当者、管理者が明確に認識することが

必要であろう。

さらには、以下の2つを検討願いたい。

(1)部門として長期的に育成維持すべき基盤技術

(2)応用研究では、中期的に実効の見える少数の有力

テーマを選定し、部門全体でサポートする体制。その際、

ユニットでなく、経済的で使いやすいシステムが重要で

あることに配慮されたい。

環境研究には実効的な応用研究と長期的な基盤研

究、萌芽的研究の調和をとって進めていくことが重

要と認識している。応用的研究については実用技術

としての評価を行って、資源配分を重点的に行う研

究を選択し、企業等との連携をより強化する。長期

的基盤研究、萌芽的研究としては、産業経済活動・

生活のグリーン化という視点から、独自性が高く、

大きな波及効果をもつものを選択し、ポスドクなど

人的資源の優先配分を行っていく予定である。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

114

環境調和技術研究部門

1. 粒子分離技術の高度化

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BAAB、進捗BBBC]

目標は高レベルで新技術・産業の創出を期待。中期的

に実用化を目指すテーマを一つ選択すべき。

計算科学などによる効率的な研究手法を考慮しては

どうか。進捗度はテーマによって差がある。

風力選別による連続式処理装置の開発を中期的実

用化テーマとしたい。

理論的検討を併用して研究開発の促進を図りた

い。

2. 炭化水素脱水素用の高性能触媒

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標CBBC、進捗BBAC]

課題の設定以前に、バルクケミカルズの基本戦略が必

要。プロセスイメージとコスト目標も必要。

目標の妥当性はともかく、興味ある成果、重要な知見

が多く得られている。

バルクケミカルズの基本戦略は現在検討中。先導

役としての役割を果たせるよう努力していく。

3. 有価金属回収技術の高度化

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BBAB、進捗BBAC]

目標、計画ともに妥当、進捗も良好。実用化が期待さ

れる重要テーマであるとともに、学術的にも今後の深化

が期待できる。

スピードアップのためにモデルベースの解析と実験

を考慮するとよい。

実用化のスピードアップを重要視しており、実廃

液からの金属イオンの抽出に焦点を絞っている。一

方、物理化学に基礎をおくモデル解析も重要である

ので、実用化の可能性が高い系については、集中的

にモデルによる解析を行う予定である。

4. プロセスの設計と分離膜

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標BAAC、進捗ABAC]

目標は挑戦的。これまでの進捗は大変優れている。

学として体系化するのか、実用化を目指すのか、メリ

ハリをつける必要がある。有望な系について少なくとも

一つは実用化を強く望む。

新規分野の開拓に焦点を絞って、基礎と応用を融

合した研究を展開して行く。

実用化が狙える系を選択して研究資源を集中する

体制を作って行くことを試みる。

5. 超臨界流体による材料合成法

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標CBAB、進捗BAAB]

研究目標は概ね妥当。今後の発展が期待できる成果を

多く上げている。

超臨界条件を材料創製に応用している点で特色があ

るが、全体に独自性、独創性がやや不足。

この分野は現在プラトー状態にあり、独自性・独

創性が打ち出しにくくなっているが、多方面との協

力により独自性を出していく。

6. 革新的熱利用プロセス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AAAB、進捗BBAC]

目標設定は極めて妥当。国際的競争の中でかなりの成

果をあげていることは特筆に値する。

理論ベースの計算により研究の効率化を図り、大量の

特許取得も可能と考える。現状の特許取得数には不満。

特許に関しては本年度は出願ゼロであるが、 近

3年間で3件出願(現在登録1件)している。今後

も工業所有権の取得に努める。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

115

7. 軽油の超クリーン化触媒

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AABB、進捗BABB]

明確でレベルの高い目標設定であり、世界をリードす

る触媒技術を期待できる。開発した触媒は実用化レベル

に来ており、知的権利の確保が重要。

大きなテーマであり、産業界との連携/棲み分けがポ

イント。論文件数に比べ特許が少ない。

産業界との棲み分けに関しては、石油産業界が改

良研究であるのに対し、当所では将来の規制にも対

応できる新規触媒の創出に主眼を置いている。また、

触媒会社と連携して研究を実施している。

特許に関しては、今後も積極的に権利の確保に努

める。

8. 次世代燃焼排ガス浄化触媒

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標BBBC、進捗BBAC]

重要な目標を掲げ、基礎と応用に分けて研究を進めて

いる点は評価できる。成果進捗状況は概ね良好。

実用化へのバリアーは高いが、基礎研究でブレークス

ルーを期待。

ただし、こうした大きなテーマでは戦略性と他機関と

の棲み分けが重要。

NO 分解触媒のような未踏革新的な研究は企業で

取り上げられることはなく、産総研がリードするべ

きであると捉えている。第一段階としては研究を着

実に進めていき、その成果を企業に移転して共同で

実用化研究を進めるという棲み分けを考えている。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [BABB]

プレ評価の指摘事項に対し、短期間で的確な対処がな

され、良い方向に動いている。

成果と思想が外からよく見えるように一層の努力を。

フラッグシップ技術を選定して世の期待に応える環

境技術を完成させる体制、技術の社会的受容性について

調査研究を行う体制なども検討を。

ユニットの3本柱の融合を進めるような具体的目標

および課題の設定が必要。また、学際的取り組み、ユニ

ット間の連携の更なる推進を。

研究者のイニシアティブを奨励するとともに、期

限を切った重点課題を設定することによってメリハ

リをつけた研究展開を図る。

社会的側面の調査研究の重要性は認識している。

3本柱の分立と協働については、ご指摘の通りで

あり、実現する方向で努力し、特色のある取り組み

方を検討する。

更なる学際的研究への取り組み、部門間の融合を

促進して行く。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

一定以上のインパクトのある実用化例1-2件、注目

すべき科学・工学的成果が数件、近い将来に出ることを

期待。

「特記すべき業績」で報告された3つの研究はいずれ

も「実用化の可能性が極めて高い成果」として高く評価。

課題対応型の研究をスピーディーに遂行する道を

開拓するとともに、研究成果の本質を科学的に理

解・深化させることにより学術的にも水準の高い研

究を部門として目指す。この2つを両立させること

により、自ずとインパクトのある実用的成果が出て

くると考えている。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

116

情報処理研究部門

1. ハイエンド情報技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標BBAAA、進捗BBAAA]

○研究の進捗は妥当。世界的標準の形成に貢献する活動を

しており、その一部となりうる提案をしている。グリッド

のアジアの拠点として、各国の大学や研究機関に働きかけ

て、Asia Pacific Grid を開催。研究開発を加速し、グリッ

ド研究センター設立に持っていったことを評価する。

▲独自技術は一部に限られ、リーダーシップの発揮がアジ

ア地区に限られていることから、特段に優れているとはい

えない。今後数年間に大きな発展が見込まれる領域であり、

現在の研究資源配分、ことに人的資源の配分は必ずしも十

分でない。

高い評価をいただきありがたい。問題設定のレベル

として「欧米と比べて特段に高いわけではない」との

指摘であるが、当該領域においては競争よりもむしろ

国際協調を目指しており、すでに国際水準にあること

から欧米と同程度の目標設定になっている。センサー

グリッドに関しては、当面はセンサー群から得られた

データを格納するストレージ系に重点を置く。

2. グローバル情報技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標BBAAA、進捗BCAAB]

○日本が弱いソフトウェア分野で、オープンソース戦略で

世界にソフトを広げようと目標を置き、既に著名なソフト

を世の中に送りだしていることを高く評価する。電子政府

関連の情報セキュリティ技術への取り組みは、産総研にふ

さわしく期待する。

▲部門設立以前からの成果は積極的な対外発表等しっかり

出てきているが、新体制での進捗は不明確。成果のレベル

は、非常に高いとはいえない。また、テーマ全体を一貫す

るポリシーが必ずしも明確でなく、成果が個別的でややバ

ラバラである。課題の絞り込みと研究方向の見直しを行っ

ていくべきである。

適切なコメントに感謝する。指摘された問題点の中

で、目標が明確ではないという点については、研究テ

ーマのしぼり込み、位置づけをより明確にするために、

グローバル情報技術グループを解散し、新たにグロー

バル IT セキュリティグループを平成 14 年度より開始

する。グループの運営ポリシーとしては従来通りの実

証的アプローチによるソフトウェア研究を中心にして

いる。

3. インタラクション指向メディア処理技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標CCACB、進捗BCABB]

○音声認識やロボットインターフェイス等、優れた成果を

だしていて、発表論文や講演数も多く、アカデミックな世

界で大きな影響を与えたことは評価できる。

▲個々の研究は明確な目的意識をもっているが、研究テー

マが個人研究をベースとしており、グループとしての目的

が不明確であり、研究戦略が見えない。円滑なヒューマン

インタラクションには種々の技術を統合したシステムが不

可欠であり、その統合の技術について、より高いレベルの

目標を設定するべきである。

個々のテーマについては高い水準の優れた成果が出

ていると認められた。一方、グループ全体としてのま

とまりや迫力に欠けるという指摘を受けたが、本グル

ープの設立にあたって、個々の研究者の創造性を 大

限に発揮してゆく中で、ボトムアップにグループとし

てのコンセプトやビジョンを醸成してゆくという方針

を取ったものである

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [BBAAB]

○社会のニーズに応じた研究テーマを選んだ研究体制がで

きあがっており、高いレベルにある各研究者の能力を活か

した運営がなされている。研究者たちの個性が活かされる

自由な風土が培われている。世界の「標準」へ直接的に寄

与できることをめざして研究活動をしているのは、良い。

▲多くのテーマにおいて研究資源、ことに人的資源が分散

されすぎており、世界的なレベルでインパクトを与える研

究を遂行するには不十分な体制である。部門の統一ビジョ

ンがないのでシーズ指向に寄りすぎている。

「資源が分散化されているから集中すべし」という

指摘があるが、どこにどれだけの人員を投入するか、

難しい問題である。3割が自由、7割がトップダウン的

運営で行いたいと考えている。大学等への人材輩出を

歴史的に担ってきたことについては、意識していたい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

117

知能システム研究部門

1. ヒューマンセンタードビジョンに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標(A/B)BABBB、進捗ACABCA]

○全体的に見て妥当な進捗である。RWC 成果、ユビキ

タス・ウェアラブル成果が明確に見えてきた。

▲デモの性能はものたりない。

RWCの終了を期に、中長期目標をより鮮明にして

いきたい。RWCの成果によってシーズが具体化され

た現在、より明確な将来の応用を含めた技術展開を

描くことが可能になった。

2. 人間共存システムの研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標(A/B)AABBB、進捗(A/B)BABCB]

○基礎から応用までバランスのとれた成果が出ている。

論文や特許などの成果の進捗が認められる。

▲独自のシーズ研究がない。全体計画が不明瞭。

生活支援技術の観点から、14年度ではトピックス

の見直しを図る予定で、指摘された問題点の解消を

図りたい。

3. フィールドロボティクスに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標(B/C)BADBA、進捗(C/D)CBDCB]

○興味深い研究である。

▲予算獲得と論文が少なく、特許がない。全体計画と現

状レベルが不明。

ミッションと研究トピックスの間に整合性が認め

られないとの指摘はユニット管理担当者も認識して

いる。当課題の成果は不十分と考えており、研究担

当グループの根本的改組を行う。

4. ITS に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標(B/C)BABBB+、進捗(B/A)BACCB]

○社会ニーズのある目標であり、データベースなど個別

の進捗は見られる。

▲現状技術の中での成果のレベルが不明確である。特許

がない。

先進性のある話題やより社会性・公共性のある話

題にトピックスを絞り込む。人的資源の再配分を実

施して、研究の人的パワーに強化する。

5. 3次元視覚システムの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標(B/C)BBBAB-、進捗(A/B)BBCBB+]

○企業との研究が進展しており、従来ある技術を積み上

げ、応用を踏まえた技術が具体化してきた。

▲論文が少ない。独自性のある技術が少ない。

3D モデルベースの高速トラッキングや、大規模

サーフェスモデル構築技術などをベースに、ミッシ

ョンの新規性を明確に主張したい。学術発信が低調

なのは認識している。3D視覚の応用分野の見極め、

大きなプロジェクト研究への立ち上げを模索した

い。

6. タスク・インテリジェンスに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標(A/B)BCCBC+、進捗(B/C)BCCC]

○委託費を得ている。論文、特許が多い。

▲課題全体の目標、方向性、意味付、他との差別化が不

明瞭である。

グループ再編も含めた、新しいテーマの中での集

中化を考えている。研究目標がマンネリ化し、再検

討が必要である。実用指向なのか学界的シーズ指向

なのかを明確にし、新鮮な目標設定のもとでの研究

遂行へと変革する。

7. ヒューマノイドに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標(A/B)AABBA、進捗(A/B)BAACB+]

○各テーマについて具体的で高い成果があがっている。

基礎歩行の実践的検証が行われたことは高く評価され

る。

▲論文、特許が少ない。

ミッションの重要な点は、2足を持つ人型ロボッ

トの真に有用な応用分野を発掘すること、およびそ

の分野での実用化を実現する技術を確立することで

ある。本課題のような目標設定を持つ研究は皆無で

ある。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

118

8. 音声聴覚情報処理に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標(A/B)ACBB+、進捗(A/B)BACCC+]

○一定の進捗が見られる。

▲課題の大きさに比べて断片的であり、人数も少ない

で、テーマを絞ったほうが良い。

研究スタッフが不足している。人間中心型インタ

フェース分野として、ヒューマンセンタードビジョ

ングループとの統合も視野に入れて検討する予定で

ある。

9. 推論・学習に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.2 [目標(B/C)BCCBB、進捗(B/C)CCDCC]

▲研究目標、位置付け、進捗が不明確である。このよう

な基礎研究の場合、進捗の状況を明示する必要がある。

論文、特許が少ない。

実用技術へ出口が見えてきたテーマと、純粋基礎

指向のテーマを識別するなどして、双方の研究を生

かせるグループ再編を検討中である。

10. 分散システムデザインに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標(A/B)AACAB、進捗(A/B)BBBCA]

○基礎研究として興味深く、実証的な検証ができて、着

実な成果をあげている。「クロールから歩行へ」は大変

画期的な実現である。

▲論文数が少なく、特許が0である。

本課題の一層の社会的理解を得るには、シーズの

具体的効用についての一層の説明が必要であり、改

善に努力したい。

11. 技能・力学に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標(A/B)ACCAB+、進捗(B/C)BCCCB]

○着実な成果をあげている。

▲論文、特許がやや不足。魅力的な成果が比較的少ない。

競合する研究との位置付けが不明。

グループ内で各課題から重要テーマを抽出し、重

点化していきたい。企業の関心を呼ぶテーマもいく

つか出てきているので、そうしたテーマを中心に追

求する技能を明確・かつ重点化し、分野の拡大発展

を目指ざす。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.3 [A-BBBB]

○グループ再編成への努力が行われていることは評価

できる。オープンハウスは良い。

▲旧組織からの問題や研究テーマに重複があり、部門長

による思い切ったグループ再編などの整理と、新しい研

究指針が必要である。

人材についてはユニットのみでは解決できない問

題も含まれる。

旧組織からの問題点は組織再編などによって解決

を図る。

ユニットのビジョンは工業会、経済産業省原局と

議論し、内容をまとめつつある。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

119

エレクトロニクス研究部門

1. 先端シリコンデバイス技術の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BABBBA、進捗:BBBBBB]

○微細化限界の打破を狙う目標高い。多くの基盤技術が開発さ

れている。集積化プロセスなど独自方法で成果が出ている。極

微細加工技術は水準高い。企業との連携は評価。超臨界流体を

用いた薄膜形成技術は有望。

▲シリコン技術は競争激しい、産総研の位置づけは? 目標に

特徴と定量化を。デバイスへ開発すべき技術多い。XMOSは独

自性あるが大勢でない。企業の採用はあるのか?産業化へシナ

リオを明確化に。スピードと常時ベンチマーク必要。

シリコン LSI は、ロードマップの技術年代

を指標として用いたので、十分な定量性を有

する目標である。XMOSは次世代トランジス

タの必須技術であるとの認識。今後1年間で

どこまで現実性のある技術レベルに仕上げ

られるかが、当該研究の将来を決定づけると

の認識。

2. システムインテグレーション技術の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:A(A/B)ABBA、進捗:ABABB+A]

○FETと FED集積化の目標高く、明確。社会ニーズともマッチ。

共同研究も活発。ポリイミド膜関連、実装技術関連成果は重要。

進捗は十分。4x4FEA の動作実証は大きな進展。n型、p 型細

線の逆特性は興味深い。伝搬特性の測定レベル高い。

▲FED素子、極微細線は進展により目標再吟味必要。FEDはコ

スト面で予断許さない。目標とデバイスの要求との整合性が不

明。ソフト面の交流必要。ナノ Si・デバイスは実用化へシナリ

オ必要。実装技術は時間的定量的目標設定が不十分。特許出願

を強化すべき。ディスプレー分野はベンチマーク必要。

コストの定量的分析は行っていないが、あ

くまで2世代先の SoC プロトタイプチップ

の試作を目標としている点を強調したい。成

功すれば、今後コスト的にも技術的にも市場

性の高い産業技術として成長していくと期

待する。ソフトの指摘は重要。画像に関する

システムデバイスではその研究も進めてい

る。画像処理回路の特許2件出願準備中。

3. 超伝導計測デバイス技術の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:B(A/B)BBAA、進捗:AB+ACBA]

○数値目標は評価。ジョセフソン接合技術を適用した電気標準

技術は極めて妥当で社会も期待。1V の電圧発生成功は特記。

サブミリ波まで期待。確実に成果。高速OAコンバータ開発も

着実。交流標準は回路設計でも独自性を期待。

▲他の研究に比し無難な目標、1ランク上を期待。競争ない。

新規標準技術など革新シーズを強く出してほしい。要員、成果

の割に論文やや少ない。特許の体系的取得必要。ジョセフソン

接合技術の長期的視点は? 標準器のデモ、商品化を早急に。

論文引用数も評価基準として採用すべき。

冒険をすべきは、難しい問題。電圧標準デ

バイス開発の短期実現は着実なプロセスが

妥当。革新的シーズとの両立は今後検討す

る。JJ素子構造・材料は特許取得を進めてい

るが、回路は NIST に依存している。依存脱

却が重要で、自前の回路設計にも着手したと

ころ。論文引用数も可能な範囲で示して行き

たい。

4. フロンティアエレクトロニクスの研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標:B(A/B)BBBB、進捗:BA-ABAA]

○各目標は先端的で意欲的。幅広い分野からの基礎的追究は大

変有益。MRAM、スピン利用素子の探索、高温超伝導機構の解

明等は重要。世界的な成果が出ており、進捗状況は優れている。

多くの論文、情報発信も活発。

▲少数のメンバーであまりに広範囲。目標の絞り込みと明示で

きないか。成果の注目度や比較が不明瞭。今後の展開が大きな

鍵。自己満足にならぬようマイルストーンを設定し実用化へリ

ファインが重要。数値目標も必要。応用への移行は異分野研究

者との交流が必要。

重点化されていない指摘を承知しつつ、萌

芽的テーマをナノテクノロジーで束ね、新デ

バイス創出の方向性だけ特定し記述した。本

質的に有する不確実性を考慮すれば、具体的

目標設定より研究進展に応じた柔軟なテー

マ改廃が重要。成果の優劣は、成果報告のプ

レゼン法で改善する。成果の応用可能性は、

進捗にしたがい明確にしていく。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

120

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [BAA-BAA]

○人的資源を吟味、得意技術を活かした目標を設定し、応用を

念頭においている。順調に進展している。研究設備の共有化な

ど連携を重視した効率よい運営を評価。体制も整理、努力、工

夫されている。世界的に高レベルの成果。企業で消極的な基礎

研究に期待。

▲息切れと一部広汎なテーマが心配。長期的にはテーマを再吟

味し、新しい展望期待。ニーズ研究は出口を明確に。シーズ研

究はロードマップの位置づけを明瞭に。ブームで膨らんだ超伝

導、低温物理に偏した構成は今後検討を。高齢研究者の将来

は?非常勤が過多?

概ね高い評価で勇気づけられる。発足直後

のメンバーの高揚感と意欲を汲んで頂いた。

息切れしないようマネージメントしていく。

新しい展望を切り開くための探索的努力は

重要で常に意識すべき。物質研究の応用指向

を強める方向で運営しており、超伝導物質へ

の集中から人的資源を適正に分散できる。組

織の個性を十分に発揮し、特徴ある研究を推

進する。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

積極的企業連携は評価。学術的な高さのアピールも重要。低

温物理Gの IBM科学賞、引用200以上の論文。有料の共同研

究は違和感を覚える。

学術レベルの重要性は今後の課題。共同研

究は実質性の判断のため有料としたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

121

光技術研究部門

1. 次世代光情報通信技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:CBBAAB、進捗:BBAACB]

○次世代通信システムに必要な要素技術は概ね妥当。量子暗

号は重要。情報セキュリティを完全にするにはハードが一端

を担うべき。産業界では取り組みにくい、タイミング揺らぎ

制御など高度な成果出た。活動は高く評価。

▲タイトルと研究内容少しずれている。現有技術でなく目標

に必要な技術、インパクトは? テーマが発散的なので集中化

と戦略的性が必要。成果発表少ない。世界的競争から疑問の

テーマあり。3次元フォトニックデバイスは他と差別化必要。

実用化には、ある局面で厳しい評価必要。

課題の重点化を図りたい。具体的なシステム

を想定した目標設定を行う予定。独自性を発揮

出来るよう具体的な戦略の設定を図る。成果の

発信、知的所有権の確保に努める。実用化に向

け、産業界との連携し、実際に使えるデバイス

実現に努力する。

2. 新材料・超構造による光機能デバイス技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BABBBB、進捗:BABBBB]

○目標が明確で特徴ある。企業のできない研究で重要。材料

の独自性高い。ZnO の電気特性が2倍改善されると実用に。

高品質量子細線の作成は高く評価。CIGS 太陽電池などは有

望。両テーマとも着実に進展。p型ZnOの世界初の成功期待。

▲ZnO は実用化の視点は理解できるが、「新材料」の看板と

しては II-VI 族はインパクト不足。量子細線はまだデバイスと

距離大。

ZnO は技術課題が明確で独自性ある。実用

化に向け企業と連携を図り目標設定を行う。量

子ナノ構造はプロジェクト後を検討する。実用

デバイスへの応用等を念頭に進める。ZnO の

伝導性制御はデバイス実現に重要で注力を図

る。量子細線は、よい成果を挙げているが、よ

り一層独自性のある展開や実用を念頭に進め

たい。

3. 光機能ガラス材料とデバイス応用に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:CBBBC、進捗:BBBBC]

○目的と位置づけは妥当。特徴を生かして技術開発を積極的

に行っている。応用を念頭に置いている。高輝度発光体など

興味ある成果が出た。進捗は概ね順調。プロジェクトの成功

期待。多数の企業との共同研究を評価。

▲デバイス化の問題点を明確に。現有技術の差別化とタイミ

ングを考え目標設定し重点化を。個々の研究が小型になりが

ち。過去の経緯を忘れて。材料・デバイスは低い評価しか受

けられないが、革新はここから生まれる。

ニーズと新規性の両方を持つテーマ設定お

よび目標を再考しつつ、新規材料開発とそのデ

バイス応用に関し、研究を進めたい。今後は競

合技術に対して現研究ポテンシャルが有する

優位性、独自性を見極め、企業とのより強い連

携による実用化を意識した研究を進めたい。

4. アメニティ・フォトニクスに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標:AACBAB、進捗:AAAABA]

○意欲的な目標。有機光デバイスへの積極的な取り組み評価。

印刷技術で短期化に実現した有機薄膜トランジスタはインパ

クト大。シリコンデバイスは大転換迎えるが有機エレクトロ

ニクスは回答に成り得る。大プロジェクトにすべき。発表多

い。個別テーマも平均値以上の業績。

▲トップレベルに重点化すべき。有機デバイス、材料は競争

激化でまだ地味な印象。32名の目標は幅広く、位置づけ不明

確。有機材料は劣化、変質を解明すべき。要素技術の製品化

に民間との積極的な連携必要。

有機エレクトロニクス、フォトニクスに向け

た集中化に理解頂いた。より独自性・革新性が

発揮できる目標設定にしたい。「有機薄膜トラ

ンジスタ」の大きな進展は特筆すべき。今後、

30 名のポテンシャルを結集し、新規プロジェ

クトの責任ある研究推進とともに、有機発光素

子、光電変換、光メモリー等のプロジェクト化

に加え、環境・バイオ・ライフフォトニクスも

視野に入れた研究展開を図る。

5. 超短パルスレーザー技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BBBBCB、進捗:BBAACB]

○目標は妥当。フェムト-アト秒パルスの発生・制御は重要、

独自方向の必要性は認識、現状では、コンプ

トン散乱光源を想定した、レーザーとレーザ

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別紙6:研究ユニットの評価結果

122

波及効果ある。少人数だが共同研究推進は評価。パルス内光

位相測定は高い評価。着実に進展。サブ 10 fs パルス生成な

ど成果上がっている。より原理的な立場から新しいコンセプ

トを生み出すことを期待。世界的なリーダーと連携期待。

▲独自性の主張必要。対象物を選定し、研究を絞り込むべき

時期。CEP計測法は特許を。

ー、レーザーと加速器の同期動作実証が一つの

目標。光パルスの物質過程への直接的な応用も

必要。すでに複数ユーザーと協力関係にある

が、絞り込みと連携強化が必要。原理的な立場

から新コンセプトを生み出すことは目指した

い。部門内予算で挑戦的テーマへ展開を図る。

具体的対象へのチャレンジは内外連携で展開

を図る。

6. 多機能量子放射発生・利用技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [目標:-BBBCC、進捗:-BBBBB]

○現有小型加速器と、粒子線計測技術を駆使した産業応用は

概ね妥当。FEL の短波長化努力は評価。応用を念頭においた

陽電子寿命測定、γ線利用などは顕著な成果を挙げている。

▲他技術との差別化を明確に。FEL 短波長化は多くの技術と

予算必要、連携が重要。陽電子利用など特徴を生かした研究

を積極的に成果に繋げることが重要。赤外FELは実用段階、

VUV・SXFEL は大プロジェクトが、XFEL 開発も始まった現

時点では、今後の中長期的展望必須。手持ち装置に縛られな

いこと。具体的応用想定すべき時期。

的確な目標設定、独自性の発揮、応用ターゲ

ットの明確化、適切な連携等は非常に重要で、

これらを進めつつある。研究の進展に伴い具体

的ターゲットの設定を行う。基礎から実用化ま

で、ポテンシャル生かした特徴ある成果発信を

目指す。陽電子や準単色γ線利用等、実用化を

目指した研究に優れた成果を得た。大きくアピ

ールできる段階に至ってないが、研究は着実に

進んでいる。次年度は差別化を明示できる具体

的成果を示したい。

7. 高精度光計測制御操作技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:BBCACB、進捗:BCBBCB]

○少人数ながら挑戦的目標設定は妥当。特許出願数は評価。

それぞれ一定水準の成果達成。波長走査型位相シフト干渉計

はレベル高い。補償光学系は興味深い。

▲表面形状計測、VUV検出器、光マニピュレーション、補償

光学は競合激しく、独自性不十分。従来法では計測不能な複

雑・小型化するデバイスには、細い応用でなく、現状の 大

課題に目を向け、基本をしっかり開発すべき。突出した成果

へ戦略必要。発表を多く。眼底カメラなど今日的課題へ切り

替えを。超伝導検出器の実用化は進んでいない、見通しは?

目標が絞れ、挑戦的とのコメントは励みに感

じる。小型複雑対象物をターゲットにすべき指

摘に対しては、VUV光による高精度検査技術、

光近接場顕微鏡研究が今後必要な重要課題の

一つと認識している。超伝導検出器の実用化

は、Si を利用したエネルギー分散型分光検出

器の代わりを目標とする。分解能・検出効率な

どに加え、今後は大面積化などで独自性を発揮

する。より一層戦略を練るとともに、成果の発

信に努力したい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [AAAABA]

○重要な進捗多い。プレ評価時に比べ多くの成果。部門長中

心に体制が確立し、円滑に機能。研究者の活性化の水準は高

い。競争的環境へ適応進む。資金を獲得し、求心力あるテー

マのラインアップに変容した。産官学の連携等積極的に活動。

部門内共通フィロソフィーやグループ統合評価。企業の基礎

研究所に類似した印象。

▲ハイリスク研究を推進し、トップレベルの課題に重点化す

べき。特許出願は組織的に。有力な研究機関多い光情報技術

分野でCOE目指し独自色を。より創造的議論が活発に行われ

る雰囲気、インセンティブ、機会の創造に意を砕くべき。テ

ーマを融合し飛躍的成果を期待。

初年度は従来組織の枠を離れ求心力ある部

門が構成できるように、また我が国の光技術の

研究開発の重要な役割を担える組織になるよ

う努力したが、その効果が現れつつある点を高

く評価して頂いたことを感謝する。今後より一

層運営・体制の整備を図りたい。研究の重点化

は、各分野の戦略をより精緻に練り上げる中

で、一層の進展を図りたい。若手・中堅研究者

の斬新なアイディア・新しい芽を生み出す試

み・仕組みについても配慮をし、技術革新に向

けた活力ある組織になるよう努力したい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

フェムト秒テクノロジー成果、有機 FET の開発、γ線 CT

法の開発、IF 値の高い雑誌に多くの論文。

一層気を引き締めてよい成果を挙げるべく

努力したい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

123

生物遺伝子資源研究部門

1. 生物遺伝子資源の探索・機能解析に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:AABABB、進捗:BACBBB]

「生物遺伝子資源の探索・機能解析」の研究課題はバイ

オテクノロジー推進に不可欠で、全体の設定目標も妥当で

ある。但し、個別のテーマが各研究者のもともとのテーマ

に由来するためか(人工生態系、深海熱水噴出孔、昆虫共

生系)散発的な印象を受ける。相互に繋がりがあり、一貫

性が出ればより望ましい。

Bio Resource Center (BRC)との役割分担、協力体制

をいかに構築するのかも産総研の立場として重要。

進捗状況、成果発表も活発にされており望ましい。但し、

特許件数が少ない。

BRCとの連携については既に非公式な話し合い

をしており、今後具体的な協力体制の構築を図っ

ていきたい。研究の性格上、共同研究は重要であ

ると考えている。オリジナルな部分を発展させる

べきとの点については同感であり努力していきた

い。

2. 生物遺伝子資源を活用した有用物質生産技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:BACBCC、進捗:BBCBBC]

「生物遺伝子資源を活用した有用物質生産技術開発」の

研究目標の設定は概ね妥当であるが、目的基礎研究および

技術開発研究という性質上、民間との競合部分も多い。民

間との違いを出すためには特異な生物材料の選択や独創

的なスクリーニング法の開発等がポイントになる。

他課題に比べ、職員数の割に論文数が少ない。成果のレ

ベルも含め、もう少し努力が必要。

民間企業との仕分けの問題など貴重なコメント

を数多く頂いたが、内部での議論を通して目標の

明確化に注力したい。特許出願を優先したため論

文発表が遅れているケースもあるが、基本的には

頂いたコメントを謙虚に受け止め更に努力して行

くべきと考えている。

3. 生物遺伝子資源を活用した環境計測・環境浄化・環境保全に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標:AAABCC、進捗:BBBBCC]

「微生物機能を利用した環境調和型社会の構築」は、国

が先導的に行うべき重要な課題として適切な目標である。

しかし、その中身を見ると、社会的ニーズにより対応した

テーマの選択も考慮する必要がある。

概ね妥当である、さらに努力が望まれる。

目標設定については再度内部で議論していきた

い。資料作成過程で一部口頭発表成果を欠落させ

てしまったため誤解を与えてしまった点はお詫び

したい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [ABBA-B]

今回は13グループを3課題に仕分け、プレゼンテーシ

ョンした。各課題の目標設定は適切であったが、グループ

によっては、課題にそぐわないものまた、成果の乏しいと

ころがあり、より一層の努力、また場合によってはテーマ

の集中化が必要である。

貴重なコメントを数多く頂いたことに感謝した

い。重点課題の設定と各グループリーダーのリー

ダーシップを尊重とは両立するものと考えてい

る。歪みがあるとの指摘に対しては、ある程度の

時間をかけて解消すべき課題と考えている。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

124

分子細胞工学研究部門

1. ゲノム機能探索

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7

[目標AAAAAB、進捗ABBAAA]

○糖鎖関連遺伝子に関する日本の優位性を強化するタ

イムリーなテーマである。

Αーガラクトシダーゼ欠損症治療薬となるなど、一般的

な種々の治療、予防に役立つ。

▲30種の cDNAのクローニングを完了したことは高く

評価される。今後網羅的に行なうには新たな戦略が必

要。

単純な探索ではすでに探し尽くしている。極めて

低いホモロジーをもつ遺伝子を得るソフトを現在開

発中、新規等転移酵素を探索する。

2. ゲノム情報利用

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8

[目標BBCCBA、進捗BBCBCA]

○▲マイクロアレイによるガン関連遺伝子、環境ホルモ

ン応答遺伝子の解析技術の開発は評価する一方で今後

の競合を疑問視する意見もある。

▲研究課題の整理が必要との指摘がある。

○研究成果がベンチャー設立に結びついたことは高く

評価される。

基礎研究をもとに応用研究を目指しており、基礎

を重視した委員の理解が得られてない。時間的制約

で具体的成果が理解されてない。

3. ゲノム機能制御

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5

[目標BB(C/D)BBB、進捗BBECBB]

○▲ゲノム発現制御としてアプタマー、転写制御因子に

ついて解析する目標設定は妥当であるとする多数意見

に対して、部門の方針から外れており、植物の生産シス

テムに絞れ、と言う少数意見がある。

▲全体として成果が物足りない、応用面での実績が望ま

れる。

遺伝子の発現制御過程でRNAの関わる新たな現象

が特に 近見出されている。応用も大事であるが、

その基礎となる新しい相互作用の研究を通じて新規

な機能の発見・応用に大きな意義がある。年度の成

果は少ないが、来年度は十分期待できる。

4. 生物リズム

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6

[目標BABBAA、進捗ABBAAA]

○生物時計の分子機構の研究は生物的に重要であり、今

後応用面で意義が増す。

○生殖との関係を発見したことなど基礎研究として大

きく進捗しており重要な成果が得られている。

▲小数意見として応用へのビジョンがないとの指摘が

ある。

今後もオリジナルな基礎研究が応用につながるよ

う努力したい。

5. 細胞増殖

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5

[目標BBBBAA、進捗ABBAAA]

○細胞の老化、不死化の分子機構の研究は細胞の増殖制

御において極めて重要で高く評価される。多彩な研究が

高いレベルで展開されている。

▲応用への努力も期待する。

ベンチャー企業設立を視野に実用化をめざした

い。計画に沿って着実に進める。

6. 細胞認識

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別紙6:研究ユニットの評価結果

125

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0

[目標CBBCBB、進捗BBBBAA]

○固相法の適用は妥当であり、生体反応をインビトロで

解析するアプローチは重要である。

○進捗としては、短期目標として期待された線で、アル

ツハイマー、育毛物質など成果が出ている。

▲競合が厳しいこれらの分野で今後、磨きかけることが

必要。応用を考えて 良か、またそれぞれのサブテーマ

の繋がりに疑問が残る。

グループとして研究の方向性を明確にするように

努力する。研究の進捗は順調に推移しており、近い

将来まとまった結果がえられることを期待してい

る。

7. たんぱく質設計

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8

[目標BBBCBB、進捗BBCBBB]

○配列空間探索によるたんぱく質デザインは評価され

る。

▲他に比べて先進性が感じられない。付加価値の高い有

用タンパクのデザインが必要。

新たんぱく質を創出するだけでなく、たんぱく質

の本質に遡って解析手法を開拓する。有用性の観点

から目標設定すべきと言う指摘にそって検討した

い。大枠のテーマに対して多様な取り組みをするこ

とを基本に展開しており、個人間の相互作用による

メリットを期待している。

8. たんぱく質利用

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0

[目標BーBBBB、進捗B-CBBA]

○ミクロサイズのバイオセンサーは時代の要請。

▲現在の 先端研究に耐える材料や機器の開発が必要

である。論文の質を高め、また、特許化しなければなら

ない。

今後一層ナノバイオテクノロジーに焦点を当て

る。化学系で 高レベルの論文誌発表を増やす、要

所で特許を出す。特許について支援部門側の努力も

必要。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0

[A-BB-A]

○ゲノム-細胞-タンパクと骨太に編成したこと、研究課

題の整理・集中が進んだこと、若手による横断的研究を

支援したこと、ベンチャー創出に努力していること、は

評価される。

▲本部門の特徴は物理・化学から生物・医学までの専門

家が含まれている点であり、この利点を生かすことが今

後重要になる。

プレ評価では当部門の運営に厳しい指摘がなされ

た。これを部門職員の危機感につなげて1)若手の

横断的研究課題、2)プロジェクト化促進助成を行

った。また類似した研究課題の統合化の方向を打ち

出した。このような努力が今回幾分なりとも評価さ

れたことは喜びとするところで、一層の努力につな

げたい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

○NEDOの大型プロジェクトとして、産官学の連携のも

とに進められている[ヒト糖鎖遺伝子の網羅的解析(平成

13-15 年)]はある意味で日本の総力を挙げて取り組ん

でいるプロジェクトであるが、当部門のこれまでの成果

は予期以上のものがある。

○ゲノム 2 分野において、環境ホルモン物質の DNA チ

ップに関して全独立法人で 初のベンチャービジネス

が立ち上げられたことは画期的なことであり、部門ある

いは産総研全体としても、出来るだけの支援をおこな

い、成功に導く努力を払う必要があろう。

なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

126

人間福祉医工学研究部門

1. 高齢者の感覚知覚特性データの収集と環境評価法の開発に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標:ACBBB、進捗:BCBAC]

今後の高齢者社会に向けて重要な研究である。研究の

進捗状況は順調。

研究者のモチベーションを高める工夫が要る。対外的

アピール方法を考えよ。

感覚統合という視点から環境評価の研究をしてほし

い。できるだけ早い機会に静特性から動特性へ研究の対

象を移すべき。

モチベーションを高める一環としてデータ分析等

においてオリジナリティーを出すよう努力する。

JIS、TR化を行うとともに、普及に努める。

動特性のデータは第2期から取り組む考えであ

る。

2. 認知行動モデルの構築に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標:BCBBC、進捗:(B/C)CCAC]

研究成果は概ね妥当。

課題1との連携が重要。自動車運転の安全性以外にも

具体的モチーフを設定せよ。運転行動モデルの構築は他

の研究機関、プロジェクトとの重複に留意すべき。特許

取得にも注力してほしい。

課題 1 と連携して高齢者の視覚認知機構に関する

研究を推進している。視覚表示装置のガイドライン

制定に向けた操作性に関する課題も進めている。

運転行動モデルの構築の研究は NEDO プロジェク

トとして、自動車産業界と十分な連携をとり、集中

型共同研究として実施している。

3. 福祉機器開発技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:ABBBC、進捗:BBBAC]

目標適切。企業との連携良し。NEDOプロジェクトに

参画して計画を着実に実行している。

福祉機器開発についてグループとしてのポリシーが

ほしい。課題内の連携に努めよ。現場ニーズのタイムリ

ーかつ効率的な把握が必要。

「歩行」を軸にして課題の位置付けをしている。

現場ニーズは福祉技術部会等の活動を通じて把握。

4. 生体機能代替システム技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:ABAAB、進捗:ABAAB]

目標、ニーズ、方法論が明確。成果が具体的。論文数

が多い。特許取得に熱心。

さらにリソースを集中して開発を加速すべきである。

生体材料の観点からのアプローチもほしい。

生体材料に関しては、来年度から埋め込み用チタ

ン合金の比較評価の研究を推進。

5. 医用計測・治療支援機器開発技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標:ABBAB、進捗:AABAB]

実用化研究としている所がよい。論文,口頭発表数多

数。各種技術の試作,適用に努力している。

臨床導入の時期を検討して目標の絞込みが必要。

臨床ターゲットに関しては、「5~10 年後のニー

ズ」を想定した設定を心がけていく。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.4 [ABBBB]

重点課題の設定は適切。研究レベル、成果発信は概ね

良し。

産総研全体の組織的連携を考えよ。課題間、課題内の

連携を一層進めよ。産総研としてのオリジナリティーの

強調を。特許マインドのさらなる強化を望む。

ジーンディスカバリー研究センター、ヒューマン

ストレスシグナル研究センターと連携して、加齢関

連の新課題の企画・立案に取り組んでいる。特許取

得及び実施には、知的財産部、TLO 等と連携して努

力している。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

127

脳神経情報研究部門

1. 脳神経細胞・遺伝子の機能解析とその利用

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標AAAAB、進捗AAAAB]

○着実な成果が上がっている。Na チャンネル分子の3

次元構造解析の研究は一時代を画するもので、高く評価

出来る。

▲研究員数と予算規模を考えれば、さらに大きなインパ

クトのある研究成果を期待したい。

目標、進捗とも評価していただき意を強くした。

今後も、できるだけ継続的にインパクトのある研究

成果が発信できるように研究環境を維持していく。

2. 高次認知行動機能の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標ABBAB、進捗BCCBC]

○視覚に比べて理解が遅れている味覚や嗅覚に着目し

ている点は評価できる。

▲掲げた目標に比し、成果のレベルは物足りない。基礎

研究を強化しつつ、より汎用性のある実用化の方向を探

ってほしい。

嗅味覚機能の研究は、基礎的研究を課題として取

り組んでいく。成果が少ないグループがあったこと

は、MEGの修理に1年の大半を費やしてしまったこ

とを考慮しても否定できない。14年度以降は他のグ

ループとの交流を積極的に推進してレベルの向上を

図っていきたい。

3. 脳における情報処理機構の解明

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標AAAAA、進捗AAAAA]

○学習の脳内機構のニューロンレベルでの解析、分子レ

ベルでの解析、脳における時間情報の処理、視覚情報の

処理のトップダウン的制御などの問題について世界で

も 高レベルの業績を挙げており、内外でも高く評価さ

れている。

高い評価していただいて感謝している。今後もこ

の研究水準を維持し、継続的に研究成果を発信でき

るよう努力していきたい。

4. 脳型情報処理の基本原理の解明

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.6 [目標BBBBC、進捗CBBBD]

▲本研究部門での、この研究の位置づけ、必要性が理解

できない。成果が少なすぎる

情報系研究者と脳科学研究者が融合したグループ

への再編成について、検討していく。査読ありの国際

誌等への掲載を積極的に後押ししていきたい。

5. 脳型情報処理の工学的実現

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BBBAB、進捗CBBBB]

○脳機能解析研究 G の優れた光計測技術と認知工学研

究Gの数理解析のポテンシャルは極めて高い。

▲2 グループ間の目標の融合が望まれる。進捗は概ね満

足出来るが、論文発表が少ない。

情報系研究者と脳科学研究者が融合したグループ

への再編成は平成 15 年度に検討する。現在のコン

ピュータで実現可能な実用的なアルゴリズムの開発

を優先。査読ありの国際誌等への掲載を目指す。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [BABAA]

○当部門では、脳研究において高いポテンシャルを有す

る多くの研究者を集め、部門の複数の研究グループが実

質的に世界をリードする位置にあり、部門の体制・運営

は既に十分うまくなされていると評価できる。

▲一部のグループが足を引っ張っている。研究部門全体

が一カ所に集まっていないため、研究員間の交流が困難

なのは残念である。

研究管理運営方法について理解をいただき感謝し

ている。しかし、まだ研究体制として不十分なとこ

ろもあり、より研究ポテンシャルを向上させていく

ために、15 年度を目標に研究課題,及び研究体制の

再編も視野に入れながら今後の運営を図っていく。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

128

物質プロセス研究部門

1. 新転換反応プロセスの研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標AABBBA、進捗BBAB+BA]

目標が明確。独創性が高い研究。Concept がおもしろ

い。

技術にどのようにつなぐことができるかが鍵。

当グループの第一の使命は、新しい概念、原理・

法則、及び手法を提案し、立証することにより新規

な分野を提案することである。第二は、その新規概

念・手法の実用化等であり、これは企業等と協力す

ることにより現実のものになると考えている。

2. 「低反応性小分子の化学工業原料化」に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BBBABB、進捗CCAACB]

目的明確。進捗状況良し。

目標達成までのプロセスの検討が不足。進捗成果に比

べて特許出願数が少ない。

”反応性の低い分子”を活性化するのが目標なら、配

位子、反応場の設計にポイントを絞るべき。工業的製法

としての技術確立とコストの位置づけの明確化を期待す

る。

常に企業とコンタクトしながら工業化の可能性

をも探っている。産総研で開発した技術の

feasibility study や、工業化のための装置開発など

は共同研究の企業側で実施している。

3. 特異物性ポリマーの研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.2 [目標BDCBBB-、進捗CECCBB]

高温・高圧はもっと general に高分子科学・技術に応

用できるはず。

目標が絞り込まれていない。生分解性を実現させる戦

略が不明。

個々の生分解性ポリマーは具体的設定があり、実

用化に向けて研究している。高温・高圧によるポリ

マー合成については当所は高いポテンシャルを有

し、これが実用化研究へと発展すると考えている。

4. 機能性無機膜材料の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標ABABBB、進捗ACABBB]

目標が明確。概ねバランスのとれた研究成果。

実用化のためには企業より情報を得る必要あり。

エキシマレーザー照射製膜については、企業との

共同研究などを通して現状の把握と同時に、将来に

向けての調査も行っている。

5. 分子情報材料創製に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標ABABBB、進捗ABBBBB]

ターゲットが明確。基礎-応用バランス良い取り組み

である。着実な成果を上げている。

表面の”ぬれ”の光応答としては、他にも(無機も含

めて)例があるが、それに対するメリットはどこにある

か? グループ全体としての activity がわからない。

従来の研究では、濡れ性を高めておくには、光照

射を続けていなければならなかったが、本研究では

その必要がない。濡れ性を高める反応と低くする反

応の両方を波長の異なる光で自由に制御できる利

点を有する。

評価委員会では、個々のグループの成果を十分に

紹介する時間がなかったが、光並列情報処理等で重

要な成果が得られている。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

129

6. 生体の機能模倣と鍵物質の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.3 [目標BCBBCB-、進捗CDCCCB]

発展性、将来性のある技術領域である。

ターゲットのブラッシュアップが必要。取り組みの戦

略が良く見えない。口頭発表に比べて学術論文誌への発

表が少ない。

内部での研究 coordination が大切。

種々の分野の研究者との交流・融合をより積極的

に行い、研究戦略のレベルアップを図るように心が

けます。

7. 爆発危険性予測評価システム

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標AAAABA、進捗CAAB+BB]

研究の中身は評価。

学術的、学問的な問題提起、解決法の具体的な内容が見

えにくく、評価し難いプレゼンテーションだった。爆発

研究の体系化と企業一般も活用できるシステムの構築を

望む。

プロジェクトが忙しいが、学問的な問題提起と解

決法の探求を心がけ続けて行きたいと思っている。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [ABBA(B/C)A]

ほとんどの課題について進捗度順調。成果発表もほぼ

満足。

人的な流動性の確保。細分化せずに大きな枠組みの中

でdynamic に動ける仕組みが重要。課題設定に際し、産

学官プロジェクトで具体的な産業の創出という視点から

の十分な議論も必要。

国家戦略は化学技術戦略機構(JCII)が中心にな

って進めている。JCII には当部門から種々の委員を

出し連携協力を深めており、情報収集を行うと同時

に提案も行っている。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

[中国遺棄化学兵器処理に係わる技術支援]

公的機関として重要な業務。

[分子固体プロトニクス]

水に関する基礎化学として大変興味深い。将来のプロトニクスへの展開のためには、材料分野の研究者との

共同作業の coordination が不可欠。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

130

セラミックス研究部門

1. アドバンストマテリアルソースに関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標ACBBAB、進捗ABCAAC]

アイディアが面白い。学術成果は十分。

目標の定量性に欠ける。実用材料を目指すには、産業

界から積極的に情報を得ることが必要である。特許が少

ない。

「次世代強誘電体メモリーの開発」では、材料企

業、半導体企業計 8 社の管理団体と連携し、産業界

の要求を十分に反映した実用材料の開発を実施して

いる。

2. 機能複合粉体に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.0 [目標DDCBBC、進捗DCCBBD]

材料を絞り込んで目標を明確にせよ。非鉛系材料での

目標が見えない。窒化アルミニウム粉末の合成では、コ

スト目標を示さないと、従来法と比較できない。高熱伝

導性フィラーの市場規模と要求されている製品コスト

の目標を明確にせよ。

非鉛系圧電体はアクチュエーター用無鉛圧電セラ

ミック材料の開発を主目的としている。封止材用球

状 AlN 製造は当所開発手法のみで可能であるが、多

くの研究課題が残されており、コストの検討は今後

の問題である。現在、封止材用シリカフィラー、IC

パッケージ多層基板各々1000 億円の市場規模があ

る。

3. セラミックスの低環境負荷型焼結技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.6 [目標CACBBB、進捗CCCBBC]

新しい技術へ積極的にチャレンジしている点が評価

できる。

[遠心焼結法」は、その特徴を活用できる材料系の探

索がすみやかに必要。エネルギー消費量の事前の試算が

不可欠。

遠心焼結の優位性については、開発した装置の投

入エネルギー量の測定及び計算、開発された材料特

性等を基に定量的に示せるようにしたい。適応材料

も絞り込みたい。

4. 生体機能性セラミックスの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標AABAAA、進捗AACAAA]

目標設定は妥当。ニーズの高い技術を外部機関と連携

して実施している。成果は質・量ともかなり高いレベル

にある。

スケジュールのStep 毎の目標の定量性に欠ける。

生体機能に関わる材料では様々な分野を融合する

必要があり、それを積極的に行うことで革新的な展

開を目指しつつ、研究計画の目標の定量性を見直し

て進めていきたい。

5. メソポーラスセラミックスの開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BBBBAC、進捗ABCAAC]

目標は概ね妥当。論理的アプローチを評価する。事業

化を評価する。特許出願が多い。

建材用にこだわる必要なし。他研究機関との比較で

Originality を示せ。

ご指摘を踏まえ、幅広く出口を求めていきたい。

材料のユニーク性(ナノボールアロフェン等)、建

材等への応用のユニーク性が Originality と考えてい

る。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

131

6. 地球環境の保全技術・保全材料の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標BCBAAB、進捗ACCAAC]

着目点良く面白いテーマ。燃料電池と廃ガス浄化研究

は現時点の目標として適切である。

具体的なスケジュールと定量的目標が不足。平成 14

年以降の対象物が広がりすぎている。

「燃焼排ガスの浄化・無害化」では高温領域での

実施を目標。「次世代型燃料電池」は当面 600℃を

目標。「一酸化炭素センサー」は水素中のCOセンサ

ーを目標。サブテーマ「環境浄化セラミックスの開

発」では、14年度はハイドロサルファイト系セラミ

ックスを詳しく調べる。

7. 力学特性評価・部材設計技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.2 [目標CCBCAC、進捗CDCBBD]

標準化は大切なミッションである。

産総研だけで対応することは不可能。今回のテーマ研

究の標準化に向けての重要性が不明。論文が少ない。

国際規格に関する研究プログラムの提案、JFCAの

調査研究への協力等を通じ、産学官の連携を図って

いる。未解明破壊現象の本質的理解は、評価法の信

頼性向上に役立つ。規格の研究は、成果公表までに

長時間を必要とし、論文発表のみではなく、テクニ

カルレポート等にも反映される。

8. 環境材料化学の研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標ABBBAC、進捗AACAAB]

成果が良く出ている。産官連携と貢献度も高い。特許

実施、技術開示契約等技術の実用化の視点から評価す

る。

公的機関としてどこまでするかの線引きをせよ。定量

的スケジュールが不足。

産総研は先端研究を行い、その成果が企業によっ

て製品化されている。プロジェクト的研究をしてい

ないので、厳密な研究スケジュールより研究のフレ

キシビリティを重視している。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [BABBAB]

研究ユニット全体として高いパフォーマンスをあげ

ている。

セラミックス分野で社会への貢献、どこに特化すべき

かの議論が必要。今後、部門の役割に則り、研究テーマ

の新設・廃止・統合を進めるべき。特許戦略、企業連携

方策の検討が必要。特に中小企業を対象とする連携のあ

り方の検討が必要。

環境との調和、安心・安全、利便性の追求が今後の

産業としての重要なコンセプトと考えている。グル

ープのコンセプトを実現するための体制を総合的に

強化していきたい。特許は、重要になる分野につい

て先行取得し、その実施は企業にお願いするスタン

ス。企業連携に係る諸経費は中小企業に軽減措置あ

り。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

132

基礎素材研究部門

1. 軽量金属材料プロセス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BACBBB、進捗BABBBC]

(目標)

○材料のリサイクル性の向上に向けた軽金属材料の開

発、特性低下を生じさせないリサイクル技術の開発は、

環境と調和した循環型経済社会への貢献という社会ニ

ーズに応える研究目標として妥当である。結晶粒の微細

化を図るプロセス技術の開発が研究目標の達成には不

可欠であり、これまでの材料科学工学の研究成果をふま

えて、適切な目標が設定されている。

(進捗)

○マイクロエクスプロージョンプロセスによる結晶粒

微細化に関しては着実な基礎的研究成果が得られてい

る。

○電磁振動力を利用した組織微細化、精密セル構造化制

御、強加工法を利用した結晶粒微細化において、世界に

先駆ける成果を出し、かなりの数の論文として発表して

いる。

○マグネシウム用高耐食表面処理法はポイゾンフリー

被膜でデザイン性にも優れていて、多くの部品の用途拡

大に貢献することが期待される。

▲研究カテゴリーが産業応用である点では、特許はもう

少し多く出願されてよい。産業応用においては共同研究

の進捗状況も詳しく報告されるべき。

コストについての指摘は非常に重要であり、常に

注意して研究を行う必要があることは認識してい

る。ただ、環境負荷低減を実現できる将来社会の技

術基盤構築という面から、現状ではやや高コストに

なるプロセスであっても、性能向上とコスト低減の

両立を目指して研究を中長期的に行うことも、産総

研のような公的性格のある機関には重要と考えられ

る。

実用化につなげるための機器の大型化については

予算の制約もあり困難ではあるが、共同研究等を利

用して進めていきたい。当該研究グループの論文発

表数に比較して特許出願数の少なさは認識しおり、

次年度に向けて改善を図りたい。

2. 環境適合性・機能融合

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標AABBB、進捗AABBBB]

(目標)

○環境融合型素材の開発は社会の大きなニーズであり、

今後社会が発展する基盤となるべき研究開発のテーマ

である。その目標としては高いレベルにあると判断す

る。

▲但し、この分野はニーズとシーズの出会いがテーマの

優劣を決定する大きなファクターとなるので、ニーズ探

索を徹底的に進めてゆく必要がある。

(進捗)

○計算状態図、粉末冶金法、スパッタ法などの手法の適

用により、アモルファスマグネシウム合金、鉛フリー快

削鋼、応力発光体、強磁性形状記憶合金などの広範な基

盤材料の、基礎的および応用に向けた知見を確保して、

全体として十分な成果をあげたと判断される。

○金属表面の平坦化の研究では特許が出願されており、

実用化が期待される。

機能融合材料については、研究開発に見通しが立

った材料から、産業界と連携してニーズに沿った具

体的な目標設定を行っていく。

機能融合材料の課題の関連性については、現段階

ではそれぞれの機能発現技術の開発を優先させ、そ

の特徴が明らかになった後に融合化を考慮する。

熱電変換材料のポイズンフリー化については、産

業界の高性能化に対する要求が強く、当面は高性能

化を主たる目標として検討するが、長期的なスパン

ではポイゾンフリー化を図っていきたい。

強磁性形状記憶合金については、新しい材料なの

でロードマップを当部門から積極的に提案していき

たい。研究テーマ間の関連の強化については、可能

な部分から進めていきたい。

3. 対環境複合材料

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [目標CACBBB、進捗DBCCBC]

(目標)

○耐環境性複合材料製造に関する目標設定は、現行材料

が成熟段階をむかえている現状を踏まえて、適切に設定

されている。

▲但し、Ni 合金、SiC、高融点合金、鉄合金とそれぞれ

用途がことなる材料を取り上げ、異なる材料開発

課題を解決しようとしているとの指摘は、一面的に

は核心をついたものであることから、全体を括るコ

ンセプトをより明確にしていきたい。

もっと挑戦的な研究をと言う指摘は、従来から積

み上げてきた成果の部分修正で事足るという姿勢が

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別紙6:研究ユニットの評価結果

133

用途が全く異なる材料を取り上げ、それぞれに対して異

なる材料開発の課題を解決しようとしているため、「耐

環境性複合材料に関する研究」としてくくったときの開

発コンセプトが欲しい。

(進捗)

○高クロム鋳鉄の高温用途への展開は、開発材料の実環

境耐久試験で好成績をあげ、汎用材料でも組織制御で高

性能化がはかられている点で興味深い。

○2段反応焼結法を段ボールなどへ適用し、多孔質SiC

系材料を製造する技術は計画・目標からはみ出る成果で

あるが、研究過程でこうした予期せぬ成果が往々にして

生まれることを想定し、それを評価できるシステムを持

つことが必要である。

▲高温耐摩耗性に優れた合金を開発したことは評価さ

れるが、もっと斬新で独創的なアイディアに基づいた挑

戦的な研究を期待する。

一部見受けられるとの懸念を示されたことと受け止

めている。次年度以降その懸念を払拭できるよう努

めていきたい。

高温耐摩耗性合金に関しては、実用化がかなり意

識できる段階に来ていることもあって低コスト化に

焦点を絞った研究成果となった。他とフェーズが異

なっている点を理解願いたい

4. 高信頼性コーティング

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標BBCBBC、進捗CACBBC]

(目標)

○中期目標には過酷な環境下で構造部材に高信頼性と

長寿命を付与する表面処理技術の開発があげられてお

り、基板温度、製膜速度、硬度の数値目標も設定されて

いて、研究目標は直截的に表現されている。

▲ただ、膜に要求される密着性の研究目標が現段階では

明確でない。

▲金属表面の平坦化の研究は基礎研究的課題であり、原

子レベルの平坦化を目指していることは興味深いが、産

業応用を射程にいれた目標設定も必要であろう。

(進捗)

○複雑形状の金属部材に DLC 膜のコーティング技術の

開発においては、装置の開発および形成条件の探索が進

められ、高いレベルの研究が進められている。

○金属表面の平坦化の研究では特許が出願されており、

実用化が期待される。

▲膜の均一性、密着性が課題であろう。反応性スパッタ

法によりクロムオキシカーバイドの成膜は6価クロム

が生成してはいないが、環境配慮の面からはクロム自体

を使用しない方向を検討すべきである。

クロムフリーについては社会的要請と捉え、材料

のポイズンフリー化の中の1つとして位置づけてい

きたい。

平坦化とコーティングの関係および電気化学につ

いては、有機防食剤が物理吸着ではなく化学結合で

あり、すべての有機防食剤が材料表面と結合し、か

つ防食剤間のネットワークや自己組織化能を効果的

に発現するには、原子レベルでの平坦化が必要にな

る。産業的にそれを実現する唯一の方法が電気化学

であると考えている。

金属オキシカーバイド皮膜に係る数値目標は、先

導研究による別の製膜プロセスによるステンレス基

板上に作成された皮膜の実績値を考慮しつつ、軟基

板であるアルミニウム合金上へのコーティング材と

しての実用レベルの目標値として設定したものであ

る。今後は主として密着性向上を目指して取り組ん

でいきたい。過酷な環境といっても幅は広いが、コ

ーティングの特性評価手法やその構造の解析等、共

通点も多いと考えられるので、今後は情報や意見の

交換を積極的に進めていき、効率的な研究遂行を図

りたい。

5. 基礎素材表面・新機能

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標ABCBBB、進捗AABBBB]

(目標)

○種々の薄膜形成技術やナノクラスター材料化技術の

開発により新規機能共生材料の実現を目指すとあり、や

や漠然としているが、一つ一つの研究課題の目標は明快

であり、高いレベルにある。先進基礎素材の表面構造制

御を課題としており、産業応用とともに基礎研究の展開

が期待される。

(進捗)

○サーモクロミック自動調光ガラスは酸化物積層構造

により可視光域における透過率が大幅に向上している。

▲実用化のためには大型ガラスへのコーティングが不

可欠で、今後の展開が期待される。

○マグネシウム・ニッケル合金調光ミラー薄膜は透明時

今後は、企業化への傷害となる課題の解決に努め

るとともに、特許出願、論文発表ともに今以上に努

力して行きたい。ただ、特許出願のためには、 新

の成果発表を遅らせざるを得ない場合もあり、両立

には課題もある。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

134

の高い透過率が実現されている。

○サファイア基板上へのαSiC ヘテロエピタキシャル

薄膜の作製に初めて成功している。

○液相合成によりナノサイズ金属クラスターが合成さ

れ、金属ナノ粒子の多孔質材料へ担持され、ナノクラス

ターの固体表面への固定に成功している。産業応用への

展開に向かって欲しい。

6. 無機・有機ハイブリッド

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標BBBBBC、進捗BBCCBC]

(目標)

○ナノ構造制御技術の開発し、より高度な機能・特性の

無機・有機ハイブリッド材料の創製を目指している。そ

のために、無機・有機自己認識機構に基づく新しいクリ

スタルエンジニアリング手法を確立し、層状珪酸塩の高

分子へのナノ分散化を利用して無機・有機ハイブリッド

材料の創製を目指す点において、先進基礎素材の新たな

領域を切り拓くものとして評価する。

(進捗)

クリスタルエンジニアリング手法により、無機材料から

高分子材料を取り入れてハイブリット化を行うところ

に独創性がみられる。

▲今後有機・高分子分野で注目されるには論文ばかりで

なく口頭発表も数多く行い、情報発信が必要である。

クリスタルエンジニアリングは基礎的で革新的な

ものであるため、応用面で不明確な部分があること

は認識している。平成14年度はさらに実績を重ね、

14年度以降その成果を基に応用面での目標の具体化

を図っていきたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [A(A/B)BBBB]

○本研究ユニットは東北、中部、中国、九州のセンター

の25研究グループからなる産総研内でも大規模な研究

部門である。材料としては循環型基礎素材、長寿命・高

信頼性基礎素材、先進基礎素材の3分野、ポテンシャル

を有する技術としてはバルク構造制御、表面構造制御の

2分野に分けて、3X2 のマトリックス6カテゴリーに

25 グループを配置して、研究開発課題と研究グループ

の関係を整理し、それに基づいた運営をやっている。こ

の体制は、地域的にも研究内容的にも分散している研究

グループ間の調整をはかりつつ連携をとるためにも、産

総研発足直後の現在としては、有効性の高いものである

と考えられる。

▲テーマ毎の人数のばらつきが大きいことは、今後のグ

ループ再編の中で改善される必要がある。多くの研究員

を擁している利点を活かし、すでに取り組まれている

が、萌芽的研究を積極的に取り上げて欲しい。

▲本ユニットの位置する4地域に根ざした活動は、たと

えば技術相談などで展開されているが、今回行われた6

件の課題評価の中では、地域センターの活動状況を把握

することはできなかった。評価項目や評価軸の再検討が

望まれる。

第1期の中では、ミッション性と基礎研究のバラ

ンスを十分考慮し、基礎素材オリジナルと言われる

さらなる成果の発信に心掛けていきたい。

・より一層基礎素材の重要性について産総研内を含

めて社会にアピールするよう努めたい。

・交流促進費等を手当てし、地域を跨るグループ間

の交流をより深め、新規テーマの発掘等へ繋げてい

きたい。

・より明確なロードマップの作成を早急に進めたい。

・部門総体として、より意図的に戦略性の高い企画

を展開することとしたい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

135

機械システム研究部門

1. 精密加工と精密加工機械に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:ACBCBB,進捗:ABCBBA]

○マイクロファクトリは評価が高い。商品化や外部への

宣伝が行われ、達成のレベルは高い。

▲特許、論文が少ない。

マイクロファクトリは普及を進めていきたい。本

年度は思想の普及、装置の開発に傾注したので論文

の数は少なくなった。

2. 非平衡加工現象のプロセスメカニズム解明に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標:AABAAA、進捗:AABAAB]

○産業応用も進められる状況にあり、成果のレベルは高

く、進捗状況は妥当である。応用が広がり、将来性は大

である。

▲理論的な解析に力を入れてほしい。

常温でナノ組織の透明セラミックス体が成形で

きることは、全く新しい技術だと考えている。企業

との共同出願が多いが、この方が実用化される可能

性が高いと考えている。

3. インテグレーテッドメカニックスに関する研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:ABBABB、進捗:ACBCBB]

○研究成果をベースにベンチャー企業を創出、研究者の

排出が多く行われている。

▲特許が少ない。

特許が少ないのは、MEMS技術の中小企業への普

及を主眼において研究を行ってきたためである。

4. 微小領域現象の機能発現に関する基礎的研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:ABBBCB、進捗:ABBACB]

○微小流体場の計測は有意義であり応用の高い研究であ

る。

▲目的、目標と実施内容との違いがある。

特許が少ないのは、MEMS技術の中小企業への普

及を主眼において研究を行ってきたためである。

5. 低環境負荷生産技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標BB(B/C)BBB、進捗AB(A/B)BCC]

○マイクロ複合加工機については良い。

▲特許が足りない。開発技術に具体性が若干足りない。

企業での製品ベースの事例のため、成果の一部し

か報告できない。マイクロ複合加工機は、利用技術、

複合加工技術のイノベーションをめざし特許も出

していきたい。

6. 低環境負荷材料の成形加工に関する研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:BC(B/C)BCB、進捗:AA(B/C)CCB]

○金属ガラスの特性はおもしろいので、応用を明確にし

ていくと良い。

▲成果が少ない。

金属ガラスの産業応用を目指した研究を中心に

集約したい。金属ガラスについては始めたばかりで

あり、アプリケーションを明確にしつつ、学会発表

も積極的に行いたい。

7. 循環型機械材料に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1 [目標:CBBBBB、進捗:BABBBA]

○性能面で優れた材料を種々の加工法を利用して開発

し、成果にはレベルの高いものがある。

▲応用面が不足。特許は大丈夫か。鉄系材料・結晶につ

いては当部門の研究として妥当か?

スーパメタルの研究は、機械部材・部品を作るこ

とを目的としており、当部門の研究として妥当と考

えている。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

136

8. 次世代トライボロジー基盤技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.8 [目標:AABAAA、進捗:ABAAAA]

○研究成果も多数の論文を発表している。成果のレベル

は非常に高い。アクティビティは極めて高い。社会への

還元も考慮されている。戦略性も評価できる。

▲もっと特許がほしい。

(なし)

9. 先進材料・構造の健全性確保に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BBBBB、進捗:BBCBAB]

○研究論文も多くあり、かつ情報を外部に発信している

ことは、高く評価できる。成果のレベルは高い。

▲成果が利用されるように、わかりやすく示してほしい。

特許が少ない。

研究成果はシステムデータベースとして設計概

念&方法論等をも包含した3次元データベースと

して公開している。グループ内運営方針でも説明し

たとおり本年度は論文発表に重点を置いている。

10. 機械装置の安全信頼性基盤研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

2.8 [目標:DDCBDB、進捗:DCCCDC]

▲論文等の成果が少ない。研究の定量的な成果が少ない。

内容がバラバラである。なぜ確立された技術である歯車

の研究をするのか。

微小機械の信頼性等の研究については、当グルー

プの全面見直し行い、新たなグループに配置を考え

ている。

11. 複雑系の機械工学への応用に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標:ABBABB、進捗:AB(B/C)ABB]

○異なる分野で仕事をしていた人が、一つの大きなテー

マの下で、共通性を見いだし研究シーズを見つけだすこ

とに取り組んでいる。カオス統計量の扱い方に注目した

点は良い。

▲グループとしての方向性が必要。

部門内の研究者の意見、外部の現場に近い技術者

などの意見を取り入れることで対応していきたい。

各研究者の個性を尊重しながら各テーマの方向を

まとめていきたい。

12. ナノ潤滑膜による摩擦制御技術の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:ACBAAB、進捗:ACBABB]

○目的が明確であり、実験的・理論的解明もされており、

成果のレベルは高い。

▲産業応用化に向けて具体性が若干乏しい。

(なし)

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.0 [BBBBB]

○意識を変えようとする意欲は伝わる。

▲ユニットの目標が範囲の割には少なすぎる。グループ

としての目標・課題にもっと研究者が近づくようにする

べきである。

グループ間の連携、組み直しなどの再検討をして

いる。平成14年度からは、安全信頼性研究グルー

プ(課題 10)は解体する。その他のグループにつ

いてもグループ間の連携を考慮しメンバーの組み

直しとテーマの再検討を行っている。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

137

ナノテクノロジー研究部門

1. ナノ構造の構築・評価および理論解明

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:(B/C)AAC、進捗:BAAC]

○目標高い。論文等多く研究活発。バイオ系への応用期待。溶液

中分子層レベルの観測など将来技術が生まれている。個々の内容

は十分興味深く、優れている。この分野はダイナミックに変化す

るため、数年間の具体的目標設定は不可能。

▲どんな新機能がどう革新技術に繋がり、社会へのインパクトが

何か分かりにくい。産総研の独自性、方向性を見いだせない。課

題の全体的繋がり、研究の方向付け必要。

資源集中すべき中心テーマの同定、特徴付けを

進めつつあり、批判には同感。プレゼンのテーマ

を軸に、全体の位置付けを明確化する。個々の研

究のインパクトを一貫して表現できる視点を定

める必要があるが、産総研=組織的の単純な集約

化は逆効果。集中の効果が、2,3 年のうちに自ず

と重厚な研究の流れとなるべき。

2. ソフトマテリアルにおけるナノ構造の自己組織化とその解析

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [目標:(B/C)BBC、進捗:BBBC]

○重要性は議論の余地ない。科学的に興味のある目標概ね妥当。

発表件数十分。個々の究成果は大変興味深く、糖鎖の分子認識機

能など着実に知見得られた。有機分子素子はユニークな試み、合

成は進んでいる。

▲大学との違い、社会的繋がりが見える設定期待。研究の方向付

け必要。有機分子素子は物性、電気特性に関する理解が不十分。

他グループとの連携必要。グループ全体の有機的繋がり必要。

部門の存在基盤は個々の競争力であり、高い評

価を得た研究のみ生き残る。「産総研らしい」と

いう形式にこだわらず、2,3 年かけ地盤を作る。

課題中のテーマの相互関係が見にくいことは、評

価手法との不整合の面が強い。今後、各テーマが

その意義を独自の立場で語れるよう整理し直す。

連携の必要性は、十分に認識、強化する。

3. ナノスピントロニクス材料および高機能走査型プローブ顕微鏡の開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BBAB、進捗:BABB]

○基礎的だが緊急性高い、応用も重要、目標高く妥当。興味深い

芽は出つつある。高分解能 AFM など全体として高い成果。論文

等発表多い。磁気抵抗スイッチ効果の素過程解明、ナノ光回路な

ど興味深い発展がある。

▲競争激しく、研究資源不足で独自性発揮が難しいテーマ多い。

突出した印象受けない。内容に関連性乏しく、一つの課題にする

必要性疑問。

価手法と部門でのテーマ設定との不整合があ

り、今後整理する予定である。

4. カーボンナノチューブ等の低次元物質に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:AAAB、進捗:(A/B)BAB]

○基礎から応用まで、目標妥当。問題意識はっきりしている。プロ

ーブ顕微鏡技術を中心に差別化を図れば世界的なプレゼンスを

確立可能。ナノチューブ探針 AFM による金属表面の加工と単電

子デバイスの作製、多層CNTの層間相互作用観測などよい成果を

出した。共同研究が活発で、論文等発表多い。

▲カーボンナノチューブは展開早いので適宜目標の見直しを。テ

ーマの絞り込みが課題。理論的解析も期待。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

2.6 [(B/C)BBB]

○ナノテクよりは基礎的な物理学・デバイス物理学・化学の部門

なので、具体的目標設定必要ないのではないか。個性を尊重しな

がらゆるい連携した運営は評価したい。

▲課題はテーマの羅列。有機的繋がり見えない。大学との差別化

必要。将来の産業の基礎を支える産総研の特徴を出してほしい。

研究費の均等配分は再考を。トップダウンで古い事を捨てる事。

メリハリのある体制で目玉となる成果に短期決戦の集中で進め

る配慮も必要。差別化技術の徹底的強化も必要。課題の中はテー

マの羅列との印象を受けるため。組織のグループ分けは柔軟に変

更すべきでは。書類の書き方など評価作業に協力すべき。

均等配分は誤解。交付金は個人毎、競争的にメ

リハリのある配分を行っている。産総研の組織的

強みを生かし、大学にないプロ集団としての力を

発揮する。インクジェット技術など開発研究は強

制的体制作りを既に図っている。大勢の基礎的研

究は、競争的資金を求心力としつつ、2,3 年をか

けて段階的に方向性を揃え、自発的に相補的協力

関係を築く。スピンエレクトロニクスなど集約が

進行。評価の重要性は了解。次回、部門の方針に

即し、全体を見やすい形で評価を受けられるよ

う、資料作成等に努力する。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

カーボンナノチューブをAFM の探針とする研究は世界をリー

ド。インクジェット法の開発は、ボトムアップの重要な手法。「ナ

ノテック 2002」において賞を獲得。単電子デバイスは内外の評

価高い。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

138

計算科学研究部門

1. 生体系シミュレーション技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標-AAAA、進捗-CAAA]

○この研究グループの独自の方法である FMO 法は、多

数の原子を含む系である生体系を取り扱ううえで強力

な方法となることが期待される。

▲目立った成果がまだない。

FMO法を中心的手法とし、生体系に対して量子シ

ミュレーションを目指すという方針について、評価

されたことはありがたい。関連する多くの検討課題

があるので、引き続き努力する。

2. 化学反応シミュレーション技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標-BBAB、進捗-BBAB]

○超臨界流体中の化学反応や金属表面のガス吸着反応

等、具体的成果が出始めていて、評価出来る。

▲波動関数に基づく方法に余り目が向けられていない

のは少し気になる。

大部分の具体的課題が完結に至っておらず、継続

して進める。超臨界水の問題などの溶液中や、固液

界面、電場下などでの反応を調べることに重点をお

く。手法としては、有限要素基底のプログラムを整

備し、反応シミュレーションに対応できるようにし

たい。これは、並列化効率を考慮しているからであ

る。反応径路探索は困難で重要な課題として、引き

続き取り組む。励起状態が絡む反応については、具

体的な問題の設定が急務である。

3. ナノテクノロジーシミュレーション技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標ABBAA、進捗AABAA]

○ナノスケール材料の構造や機能を扱う多くの手法を

そろえており、研究部門の中でも も強力な分野と考え

られる。この分野をさらに延ばすことが産業界からも求

められていると言える。リカージョンオーダーN法の開

発に関しては大きな進捗が見られる。

大規模系の計算のための基盤的手法にある程度の

目処がついたところで、具体的物理量の計算へと発

展させ、より包括的にナノテクノロジーを概観でき

るようにすることは、産総研でのナノテクノロジー

を進める上での計算科学研究部門に課せられたミッ

ションであると考えている。

4. 流体固体統合シミュレーション技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標AABBC、進捗BCABC]

○連続体シミュレーション分野の課題設定としては意

欲的であり、評価できる。進捗状況として産業応用へも

っとも近づいた課題である。

▲グループの目標および進捗状況が、外のグループと比

較してきわめて高い水準とはいえない。このグループ

は、部門中でまとめるのが も難しいように思われる。

種々の背景を持った研究者の個性を活かしつつ、

全体としての共有概念を持つということを目指し

た。その結果、手法や対象に統一性が欠けるという

印象を与えることになっていると認識している。研

究を加速するために、ポスドクの補強を行うことに

している。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

139

5. シミュレーション基礎理論に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標-CBAA、進捗-BBAB]

○電子相関、励起状態、電子輸送を中心的テーマに選ん

でいる点は、シミュレーション技術の現状や他のグルー

プの研究に照らして妥当である。幾つかの研究テーマに

ついては興味ある研究成果が上がっている。

▲具体的な現実系との対応が希薄で、ややもすれば理論

倒れの観がある。

研究者の数が少ないため、一人一人が複数の課題

を抱えているのが現状である。いくつかは、興味深

い進展が見られてきた。息の長い研究になることは

理解していただきたい。

6. ソフトウェアパッケージ整備に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標BBBAA、進捗BCBAA]

○ソフトウェアパッケージの整備は、産総研の計算科学

グループの目標の一つにすることは極めて意味のある

ことである。今期、2つのソフトウェアパッケージが開

発されたことは高く評価される。

▲今後一般への本格的な普及を期待する。

離散化数値解法の並列化支援プラットフォームに

ついては、第一期の成果としてはまとまったものと

なった。パッケージについては、改良と整備の作業

を継続的に行う必要があり、それを実現する仕組み

を確立することも重要な課題である。

7. 材料シミュレーション技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標-CBAA、進捗-BAAA]

○実験との密接な連携による研究課題として、4つそれ

ぞれのテーマ設定と準備が高いレベルで行われている。

有用な物質を対象に、実験研究との連携を図っている。

▲他の課題との方法論的なオーバーラップが多く、また

明確なミッションが見えない。目標をもっとシャープに

設定すべきである。

活動の一部はナノテクの重点課題に結びつけるこ

とも考えている。自由な気持ちで、思い切り挑戦的

な問題を取り上げられることになれば大変好まし

い。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [BABAA]

○研究ユニットの体制については、目的・目標の達成に

照らして十分に構築され、運用されている。ユニット長

が全体を良く把握している。

▲改善すべきこととしては、若手人材のより一層の拡

充、他の機関との一層の連携を挙げたい。研究チーム間

の交流にもうひと工夫ほしい。産総研の外の一般ユーザ

ーへのソフトウェアパッケージ供給を目指して欲しい。

研究部門においても、ある程度のまとまりと方向

性が見えようとしている。これらの点について、理

解のあるコメントをいただけたことに感謝したい。

今後、新手法の開発とそれに基づくプログラムパッ

ケージ作成に挑んでいく。また、グループ間のより

一層の交流、優秀な人材の確保に、努めたい。評価

については、重要性を認めつつも、毎年行うことに

は疑問を感じている。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

140

(c)研究系

人間系特別研究体

1. 神経回路再接続に関する研究(1)

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標:ABACA、進捗:BCABA]

神経回路の再接続の課題は再生医療へ向けた人

工回路・器官作成の上でも重要な課題である。その

課題に対し、独自の新規神経突起伸長因子の発見に

始まるその利用にかんする計画も優れており、成果

も期待できる。(単に応用に重点をおくなら、既存

の神経成長因子を利用するのが早道ではないかと

の意見もあり)

終的な「ニューロニクス」と呼べる技術の確立

までは、まだ道程があるが、進捗状況は発表の質、

量とも優れている。将来実用化にあたり、必要不可

欠と推定される要素技術を他グループとの融合を

含め、並行して検討することが望ましい。

・「神経回路再接続技術の開発」が大課題。

・ニューロクレシンの重要性についてはここ数年で確立し

たい。

・大学、企業と一線を画した研究展開は常々望んでいる方

向である。

・より統合化した研究展開にはまだ課題が残っている。そ

の場合には人間系だけでなくより広い連携も視野にい

れたい。

2. 発光・蛍光蛋白質利用に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BCACB、進捗:BCABA]

細胞の可視化技術は重要で波及効果も大。それに

向けての新規発光タンパク質の単離もオリジナリ

ティーが高い。

(但し、発光タンパク質が必ずしも神経機能の可

視化にベストの方法か否かは疑問)

十分に高いレベル。また独自性も高い。何を計測

すべきかについてもっと知恵を絞れば非常に優れ

た技術になる可能性あり。

・「細胞機能操作技術の開発」が大課題。

・発光蛋白にフォーカスしているのはGLがこの分野の世

界的リーダーであること、蛍光蛋白(特にGFP)が特許

で外国企業におさえられていることによる。

・細胞機能の可視化と操作技術は表裏一体にある。

・ニューロニクス研究のための細胞情報を集め、それらを

もとに人工神経等への応用を指向している。

3. ニューロニクス応用に向けた基板制御技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BCABC、進捗:BCABA]

バイオ分野とこのような材料科学的分野の統合

(例えばここではニューロニクスへの応用を目指

したフレキシブル薄型デバイスの設計)は、間違い

なく今後の産業応用への重要な課題である。興味深

い目標を対象としているが、具体的研究課題と手法

がやや分散的で、絞り込むことも必要か。

非常に意欲的に活動し、成果も発表されている

が、人数の割にテーマ過多の印象も受ける。

・「液晶系」の位置付けは高分子方向への展開も狙ってい

る。

・バイオ分野との融合はまだ勉強中のレベル。材料屋がイ

ニシアティブをとる内容を模索中。

・研究対象の絞り込みは予算獲得、ポスドク等の外部人材

の状況を見ながら進めたい。現在技術的内容整理を行っ

ている。

・産業界への貢献については技術的に検討の余地を認識し

ている。

4. 神経回路再接続に関する研究(2)

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標:BCBAB、進捗:BCABB]

バイオエンジニアリングを中心とする課題(アク

チュエーターによる人工筋肉の研究)は応用範囲も

広く、短期間での成果発現も期待される。但し、競

争も厳しいので技術レベルに十分注意を払う必要

あり。

進捗、成果とも適切でかつ、国際シンポ開催など

も評価できる。

ただ、産業化へ向けた開発をいかに進めるか、た

とえば外部との連携等検討することも要。

・「動きを実現する高分子材料」の観点で主に3テーマで

進めている。

・個々の研究者のポテンシャルは問題ない。

・高分子アクチュエーターについては、ベンチャーをたち

あげ、さらに新しい発想のもの、高出力・高耐久性のも

の、新しい応用を目指している。

・グループ内連携が遅れているため、研究の骨太化に欠点

はあるが、個人の努力によりおもしろい成果が出てきて

いるのも事実。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

141

5. 蛋白質の動的構造機能制御技術と高機能化、安定化の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:BBACA、進捗:BCABA]

蛋白質の立体構造と機能を自在に制御する技術

を確立する目標は壮大であるが、中期目標として大

きすぎるのでは。もう少し適切な課題設定はない

か?

上記目標達成のために、ケージドペプチドや酵母

分泌系の利用はオリジナリティーはあるが、必ずし

もベストな方法と言えるか?

進捗、成果とも適切で、かつ共同研究の成果もみ

られる。

但し、大学との違いを考えると、産総研としての

研究スタイルを考えることも重要。

目標は「蛋白質の立体構造形成過程を制御する」で、

H16 までに「自在に」という点は挑戦的であるが、ある

程度までは可能と考えている。

大学の研究との差別化は産業界との関連が必須と考え

ており、その点で特許取得、特許実施、企業との共同研究

等が今年度は不十分であった。

6. 高品位結晶作製と好熱菌蛋白質解析に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標:BCAAB、進捗:BCACC]

タンパク質の高品位結晶作成、高度好熱菌タンパ

ク質の構造解析はいずれも重要な課題であるが、こ

の研究体での役割が弱く、説明に工夫を要す。特に、

好熱菌タンパク質構造解析は他でも行われており、

独自性をどこに出すのかを積極的に考える要あり。

進捗、成果は適切。高磁場での結晶化はオリジナ

リティーが高い。

ただし、産総研としてのインパクトを考えた時

に、特に好熱菌タンパク質は何を標的にするのか考

える要あり。

「高度好熱菌蛋白質の耐熱機構解明」が大目標。経産省

の超好熱菌ゲノム解読の結果を生かすことにもなる。現時

点では、産業応用の図れる蛋白質を対象として、耐熱化機

構解明を目指す。

保有技術のアピールは非常に重要で、さらに対外的成果

普及とニーズ把握に努める。

7. 生分解型環境低負荷バイオ材料に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9 [目標:BCAAB、進捗:BCACC]

生分解型環境低負荷バイオ材料の開発は社会的に

重要な課題である。ただし、大学等でおこなわれて

いる研究途の違い、独自性、ならびに産業界の動向

を見極めた市場性等、注意を十分払う必要がある。

進捗、成果は概ね適切であるが、独創性について

はもう一段のステップアップを、また実用化につい

ては市場性を十分に検討する要あり。

他者の技術として、関西バイオポリマー研究会、西日本

プラスチック製品工業協会、個別企業の活動を注視してい

る。

特徴は高分子を基盤としながら、微生物分野研究者との

連携も活用している点。

地域、国際貢献(韓国、ベトナム)との連携も積極的に

進めている。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8 [ABABB]

既存の人材を生かしながら、かつ「ニューロニク

ス」という新しい方向に向かって体制・運営ともに

良いと思われる。但し、いくつかのグループではメ

ンバーのテーマが分散して、グループとしての力を

発揮してないところもある。

ユニット外との連携、ベンチャーの立ち上げ、国

際学会の開催等積極的な成果普及が見られ非常に

好ましい。

産業応用を目指しながらも必ずしも産業化の実

施者でなく、かつ大学の個人サイズの研究とは異な

る集団サイズの研究の推進を望む。

出口を見据えたバイオエンジニアリング。

出口設定に効果的なのは外部資金調達。そのために必要

なプレゼンテーション技術のスキルアップ。

テーマ分散に関しては、整理して数の減少・資源の集中

化のアプローチを基本としつつも、自信のあるテーマにつ

いては、外部大型資金導入・ポスドク雇用による骨太化・

大型化も図ってゆきたい。

すでにベンチャー2社を立ち上げており、研究員の意識

改革も見られるので、より一層シーズを基にした企業化に

努めて行きたい。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

142

生活環境系特別研究体

1. 生活環境浄化触媒

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2

[目標BBBBBA、進捗ABBBBA]

○化学物質の分解浄化を中心として、生活者の視点か

ら研究のあり方や進め方を構築しようとする意図は理

解できる。

▲グループとしてのテーマ設定が不明確であり、個々

の研究テーマにもう少し具体的な目標がほしい。

○論文等で個々の研究者は頑張っている。

▲成果については、実用化目標を見通すところにはな

っておらず、これからを期待したい。

実用化を強く意識した産業ニーズ研究は、新組織に

なってはっきりと位置付けたれた目標であり、組織

的、すなわち研究員が協調して取組む体勢で望みた

い。

2. 環境ガラス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3

[目標BCABAA、進捗BBAABB]

○大工研以来のガラス材料のポテンシャルを生かした

ユニークな産業研究が展開されている。

○技術的目標は具体的で、ユニークな基盤技術やシス

テムを手がけている。

○進捗については、ガラスホローファイバーの調製技

術や構造制御技術について優れた成果を上げている。

○ガラスのリサイクル技術についても注目すべき成果

を上げつつある。

▲長期的・基礎的目標が明らかでない。

▲地域に根ざした機関として状況に応じた資金配分が

なされてもいい。

基本的には応用研究に重点をおき、その課程で必要

となる基礎研究を大切にしたグループ運営をしてゆ

きたい。関西の産業界との連携は増えるので、結果と

して地域産業の活性化につながるよう努力したい。

3. 未来型リチウム電池

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0

[目標BBBABB、進捗BCCBBA]

○リチウム電池に関する広範な目標が掲げられてお

り、そのレベルも高い。

○進捗状況としては、現在の実員から考えて頑張って

いる。

▲産総研として企業の先を目指す目標があってもよ

い。

▲論文はもう少しほしい。

ハイリスクでかつ先駆けとなるようなテーマ選択

に乏しいとの指摘については、H14 年度計画に少し

でも反映すべく取り組みたい。

中・長期計画の中での位置付けや定量性が明確でな

かったとの指摘は、H14 年度計画策定において修正

を施しつつ十分に反映させていきたい

4. 固体高分子形燃料電池

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.1

[目標BBBABA、進捗BBBBAC]

○小型燃料電池は行政ニーズ型研究として早期実用化

研究と、より良いシステム構築に向けた長期研究開発

の2面性が求められている。本グループの研究目標設

定は、十分に上記の要請を反映したものである。

○進捗については、基礎的な研究でも地味ではあるが

着実なせいかを上げていると考える。

▲厳しい競争がその背景にあるものと考えるが、基礎

的な成果についてはそれなりに論文として公表しても

らいたい。

▲新しい発想・概念の提案を積極的にして貰いたい。

産業界の関心も高い分野であり、産業界の競争に巻

き込まれない、国立研として行うべき共通基盤的な技

術開発や未来シーズ発掘型の成果を目標とするよう、

心がけたい。

論文が少ないと言うご指摘はそのとおりであり、非

常に関心が高い分野であり純粋に研究に割ける時間

が少ないのが現状だが、系内の材料技術連携(触媒、

電解質、ナノ構造解析)やシステム技術連携(水素,

電池)をこれまで以上に深めつつ、成果の発信に勤め

たい。

5. 水素エネルギー技術

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2

[目標BBBABB、進捗ACBABA]

○近未来の燃料電池システムを念頭に置き、水素エネ

ルギー技術のポイントを絞り、合金系の材料探索を集

中的に行い、新しい吸蔵システムに繋がる材料提供を

国家プロジェクト(WE-NET)の中で、国立研とし

ての役割を果たしていると考えている。

WE-NET 第2期 Task11 との共同研究を通して水

素吸蔵材料の研究開発を積極的に支援している。ま

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別紙6:研究ユニットの評価結果

143

担っている点は評価される。

○新規な水素吸蔵システムとして軽量高圧容器に合金

材料を使う複合システムで成果をあげている。

▲国策としての水素エネルギー技術開発の中でどのよ

うな役割を担っているのかが明確でない。

た、Task8 との共同研究で水電解技術の支援を行っ

ている。

6. コンビ手法による界面機能制御

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3

[目標BBBBBA、進捗BBAABA]

▲材料探索を目的としたコンビケム研究では、材料創

生から材料評価にわたる一貫したシステムを設定する

必要がある。

○熱伝材料開発に見られるように、この研究から出た

成果には注目されるものがあり、材料創生プログラム

としては成功している。

コンビケム手法のみで材料開発ができるとは考え

てない。材料科学に基づいた理論とコンビケム手法に

よる高速実験を融合させることで、画期的な材料を見

いだせるように努力する。

迅速評価手法についてはターゲットとする材料に

応じた方法を開発する必要があり、まずは触媒あるい

は熱電材料において成功させることが、コンビケムを

広く材料開発に応用するために重要であると考えて

いる。

7. 界面イオニクス

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8

[目標BCBABC、進捗BBCCBA]

○電気化学デバイス・素子のためのイオニクス材料の

開発は明確な目標であり、それ自体重要な課題である。

▲長期的な取り組みが必要なテーマにおいても、その

途中の段階において客観的な達成目標や進捗レベルの

具体化が必要と思われる。

▲進捗については、今年度だけを見ると、研究成果は

あるものの、特化した成果として見えてこない

目標設定の具体性を高めること、グループとしての

中心線の明確化など、努力したい。ユニット内の研究

連携(電池、燃料電池等)をさらに深めることで、研

究目標の具体性が高まるものと考えている。

8. ナノ界面機能化学

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3

[目標BBABAA、進捗BBBCAA]

○金属-酸化物界面の理論的アプローチは近年技術進

歩の著しい電顕観察、表面科学、計算科学の先端技術

をキャッチアップしつつ積極的に機能性材料の研究開

発に応用していこうとするもので、ユニークであり注

目される。

○進捗については、界面での電子挙動の計算、観察結

果で優れた成果が得られており、力強い。世界のトッ

プレベルと考えられる。

▲今後は本研究体の性格を考え、応用に結びつく道筋

を目標に示すべきである。

如何に実際の触媒や他グループの研究と連携して

いくか、ユニットの中での役割を果たしていくか、は、

非常に重要と考えており、金触媒については、今の方

向でさらに実績を積みたい。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5

[BAB(A/B)BB]

○異なった分野を融合し、また基礎から実用化までを

一体化して推進できるグループ設計は有効で適切なも

のと考えられる。

▲現時点の研究プロジェクトへの投資とともに、将来

を見据えた基礎体力をつけるための配慮も必要であろ

う。

▲グループ間で重複したテーマがあり、その相互の協

力体制がもう一つはっきりしない。

1. 行政ニーズや産業ニーズへの対応と、積み上げ型

の未来技術シーズ発掘研究のバランスをとることが

重要なポイントと考えている。

2. グループ間のテーマの重複については、あえてそ

のような設定にしており、連携してユニークな成果を

挙げることを狙っている。

3.燃料電池、電池、コンビケム、水素、触媒、熱電

材料は、産総研内で連携のネットワークが出来てお

り、燃料電池、電池、コンビケムの3テーマについて

は本ユニットがリーダーシップをとっている。

特記事項

評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

なし。 なし。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

144

(d)研究ラボ

グリーンプロセス研究ラボ

1. グリーンプロセスの研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.7 [目標BAA、進捗BAA]

○限られた研究資源の下、かなりの研究成果(酸化反応、

カップリング反応、固体酸触媒反応)をあげている。実

用化に近い成果、知的基盤研究としても価値ある成果も

あげている。

▲全体としては、成果はこれから、という状況。

基礎に偏しているとの点については、当ラボ設立

の際のやむをえない事情もあってのことである。ま

た、成果が「これからである」と指摘されているが、

未経験分野で1年後の現時点では、探索段階のもの

が多く、成果が少ないことは問題とするに当たらな

いことと考える。

2. ハロゲンフリー化学の研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0 [目標BBB、進捗BBB]

○ハロゲンフリー化学はグリーン化学の重要要素であ

り、この研究目標は産総研に相応しい。

▲個々に設定された具体的目標にはやや疑問あり(従来

の研究にひきずられすぎ、経済性の問題がある、など)。

当ラボとしては、ハロゲンフリーの課題選択に当

たり、緊急対応課題(難燃剤)、大きなプロセス(漂

白)、将来的に一層重要(ファイン)の三つの面を

考慮した。ハロゲンフリーの重要技術であるかも知

れない塩ビ代替については取りあげないこととし

た。

3. 基礎的探索的研究開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標BBB、進捗AAA]

○5配位ケイ素ポリマー他、非常に興味深い新規材料・

新素材が見出されており、研究の進捗は評価できる。国

際的に高いレベル。

▲重要な課題だが、グリーンプロセスラボの目標とし

て、新規な高機能化学品を探索・創出することには若干

の疑問あり。

(課題1に関して記述したことを参照のこと)

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.7 [BBA]

○ラボ長のリーダーシップの下、活発な研究活動を行っ

てきたたことは高く評価できる。研究内容、および人的

なまとまりが良い。また、実用化・工業化といった観点

を十分に考慮しつつ、学術的な研究要素も考慮した研究

の進め方をしている。

▲基礎研究に依存しようとしすぎている傾向が見られ

る。戦略的に、インパクトのある実用化テーマを一つは

持つべきではないか。そして、具体的な実用化の実績を

示してほしい。

「基礎研究に依存しようとしすぎている」に関し

ては、先に述べたように、ラボの置かれた状況から

はどうにも出来ないことと考える。

実用化テーマは持っている(難燃剤、漂白、抽出

剤、有機リン合成、発光材料等)。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

145

薄膜シリコン系太陽電池研究ラボ

1. 高効率積層型太陽電池製造技術開発

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標AAA、進捗AAA]

低コスト、高効率の次世代型太陽電池として も有望な

課題であり、実用的目標も極めて妥当。世界 先端の成

果を上げている。実用化にも大きな期待。

柔軟な目標設定で対応する。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [ABA]

望ましい運営がなされている。基礎研究から実用化研究

への移行を期待。

ユニットとしては、薄膜シリコン系に特化した産

学官共同による集中研究体制の強化を望んでいる。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

146

デジタルヒューマン研究ラボ

1. 人間のモデル化技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [目標AABAA、進捗BBABB]

○人間のモデル化を、(i)生理解剖、(ii)運動機械、(iii)心

理認知の3側面でとらえ、それらを横断的に計測技術、

計算機モデル化技術、提示技術の3つの方法でアプロー

チするという「デジタルヒューマン」の発想は斬新であ

り、国際的にも先導的な研究である。立ち上げ期である

ことを考慮すると、研究の進捗は、順調であると考えら

れる。共同研究等による産業界への成果普及も活発に行

われている。

▲成果の多くは各研究者の過去の実績によるものであ

り、従来型の計測技術の研究等から脱して、「デジタル

ヒューマン」の研究としての真価が問われるのはこれか

らである。また、類似の研究目標を持った研究機関が多

く、競争の激しい分野でもあるので、常に戦略を考え、

研究目標の変更を柔軟に行わないといけない。

短期的な課題設定に関しては、よい評価結果とコ

メントをいただいたと理解している。中長期的な課

題設定についてご指摘の、(1)人間機能の3つの

側面を統合する具体的な課題設定、(2)運動モデ

リングとロボット研究の連携を活かした効果的な課

題設定、(3)心理認知モデルに対する具体的な課

題設定、の3点についても、人材の補強を中心に対

策を計画している。類似研究にも注意を払っていく。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [AABAB]

○「デジタルヒューマン」というオリジナルな目標達成

に向けての運営戦略が明確にされ、柔軟かつ有機的なマ

ネージメントが行われている。研究資金とマンパワーの

配分方針、研究者のモチベーションを高める研究評価方

針も妥当であり、また外部研究機関との連携、職員以外

の研究者資源の確保等も積極的に行われており、適切で

効率的な運営が行われている。人間のモデル化技術の一

般論をするのでなく、応用が明確な個々のタスクから得

られる知見を基に、それらを包含するデジタル・ヒュー

マンモデルを追究していこうという、ラボ長の研究戦略

は、着実で信頼がおけ、適切である。

▲「デジタルヒューマン」の3研究分野を充実し国際的

中核とするためには、研究者の絶対数が不足している。

特に、医学分野や認知科学・行動心理学の分野の研究者

を取り込むべきではないか。是非、「ラボ」から「セン

ター」へ研究ユニットの組織拡充を検討すべきである。

研究者の絶対数、規模、スペースの不足は承知し

ていて、研究計画は徐々に拡充していく方針である。

ご指摘の通り、医学、認知科学、行動心理学の研究

者が不足している。これは、他機関との協力関係の

強化と、人材確保の両用で克服に努める

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別紙6:研究ユニットの評価結果

147

ライフエレクトロニクス研究ラボ

1. 生体計測利用基盤技術に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [目標:AAAB、進捗:AABA]

「fMRI による高次脳機能計測」、「MEG視覚化」、

「超音波診断」の3テーマにより、生体計測技術の研

究開発を目指しており、社会的ニーズにも合致してお

り非常に適切な目標設定である。

しいて云えば、装置開発、システム開発、ソフト開

発は個々に行うのでなく、融合した形で、さらに産業

応用として設定することもよいのではないか。

論文・学会発表も非常に盛んで、またそのレベルも

高く、進捗状況は良好である。今後は医療機関との提

携により、実際の医療現場での利用・解析が待たれる。

・個々の研究者のバックグラウンドを尊重しながらも研究テ

ーマの重点化・集約化に努める。

・fMRI、MEGについては高度化を行いながら医療分野への応

用を念頭により目標を明確化したい。超音波診断は研究終

了時点で、業界移転を目的にし、ほぼ順調。

・全体のモジュール化は、fMRI、MEG共に共同使用されてい

るため、早期の一元化は無理だが、計算機によるシミュレ

ーションは可能。

・fMRI と MEG のデータ融合による脳活動の高精度計測は世

界をリードしていると自負。

・今後、臨床評価も含めた研究への発展と、医工学連携プロ

ジェクト予算の獲得を目指す

2. 細胞運動・分子機能分析評価技術の開発に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.2 [目標:ABAB、進捗:ABBB]

超音波聴覚エレクトロニクスは基礎的にも重要、社

会的ニーズも高く、目標設定も明確である。嗅覚エレ

クトロニクスは基礎的には重要だが、応用としての目

標が今ひとつ不明確。

超音波聴覚エレクトロニクスについては、高度難聴

者のための超音波補聴器という画期的な医療機器の

試作がなされており優れている。成果も論文数は多

い。ただ、特許が少ないのは、応用面からみて不安が

ある。

嗅覚エレクトロニクスは研究としては興味深い。し

かし、センサーへの応用としての具体的計画が不明。

時間的スケジュールや目標値の設定が不明等の指摘された

点については、外部に分かりやすい具体的な形を表示してゆ

きたい。

エレクトロケモセラピーは説明不足だったが、 終的に臨

床等の現場を目指している。

骨導超音波補聴器は実用化を目指した仕上げ段階。

臭覚センサーはニオイの情報処理メカニズム解明が主。

今後、特許取得、技術移転に積極的に取り組む。

3. ライフイメージング技術の開発に関する研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3 [目標:AA+AB、進捗:ABBB]

細胞内の機能・分子イメージングの研究は、基礎的

にも医療への応用面からも非常に重要な分野で、米国

も力を投入してきている。その中で「MR 顕微鏡」、

「遺伝子機能可視化」、「細胞画像計測の環境モニタ

ー応用」の3つの研究テーマを掲げており、目標は適

切。しかし、人数の割にテーマが多岐にわたっており、

今後益々競争は厳しくなると推測され、作戦を考える

ことが必要ではないか(予算、ヒト、集中化etc)。

ゼノン偏極ガスを用いたMR顕微鏡を独自に開発。

他2課題にくらべ、進捗は劣っている。これはマン

パワー不足のせい。

特許化・論文発表を通じて成果普及に努めてほし

い。

現状はイメージング技術というキーワードでまとめている

段階。

再生医療、遺伝子治療という応用分野での技術の融合化を

目指したい。

偏極ガスイメージングは、ガス生成は光技術研究部門が中

心、マイクロイメージングはLEが中心、生体系での応用は医

学系研究者との連携研究体制を早急に作りたい。

開始間もない課題であるが、早期の成果の感触あり。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.5 [BBAB]

研究論文、口頭発表からみて研究成果はあがってお

り、全体的に研究レベルは非常に高い。

課題3の分子・細胞イメージングの体制が十分で無

い。

fMRI、MEGといったメンテナンスにヒト、コストの

かかる機器の運営については AIST 全体で考える必要

がある。

サブテーマのリーダーに権限を与え、集中的に投資

し、短期間に成果を出す作戦も世界と競争する上で必

要。

分子・細胞イメージングに関してはセンター化を提唱する

段階で拡充すべきと考えている。

高額機器運営については、インフラ整備策、テクニカルセ

ンター化の議論を関連研究ユニットとともに強調して行きた

い。

AIST ならではの切り口で、生体計測技術を高度化、集積化

して、国内外の研究者に利用してもらえるセンター作りを目

指す。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

148

次世代光工学研究ラボ

1. 次世代光工学研究

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.4 [目標:AABB、進捗:ABBB]

○光メモリーは的確な目標。進捗順調で十分な成果。スー

パーレンズは世界への新技術の発信で高く評価。光ディス

クの高密度化技術として期待高く、もう一息で実用化研究

に繋がる。数値目標のマーク長50nmは革新的。実用化目

標(トラッキング、信号増幅)は妥当。実用化に向けた企

業との共同研究は評価。新規プロジェクトで発展を期待。

光トランジスタの新規提案は期待。DVD 光学系、青色で

のマーク長は順調な進捗。「基盤研究」に関してはそれぞ

れ先端的な研成果をあげている。

▲スーパー連巣゙は実用化のシナリオが必要。遅れると出

番が無くなるため、早急に実用化を期待。高い信号比はメ

カニズムとの相関研究が必要。リソグラフィー、生体観測

などは常に従来技術進展と対応させ目標見直しが必要。真

に革新的なものを伸ばす努力を期待。局在プラズモンはさ

らに、モデルの検証、スケジュールが必要。目標は意欲的

だが、幅広いテーマ設定でスタッフ少なく力の分散が心

配。国内産業空洞化阻止のため「 先端技術・産業を支え

る基盤技術研究と技術サービス」が必要、国際的役割分担

として産業界から特に強く求められているが、産総研とし

て見過ごされている。スタッフ不足などの対策し、昨年ま

での急速な研究進展に比べると飽和してきた感じを乗り

切ってほしい。

概ね評価に満足している。スタッフ不足の問題

が指摘されているが、11 月に一名退職したこと

もあり補充は必須。ラボは新規採用が基本的にで

きないシステムであるが、来年度は自由採用枠を

用いてぜひ1名を補充したい。「基盤技術のサー

ビスがない」指摘は、産総研技術戦略の問題であ

り、当ユニットとして答えるべき問題ではないか

もしれないが、事実、こうした要求が産業界から

あることも、今後ご考慮いただきたい。

指摘のように、社会状況のニーズと合わせ、他

の手法との比較検討は非常に大切と考えている。

スーパーレンズの技術は、参加6企業の努力によ

って大分その特性が改善された。この点が評価さ

れ感謝している。派生技術として、リソグラフィ

ー技術、光トランジスタにも期待が集まってい

る。H14年度は、スーパーレンズの研究と派生技

術研究を切り分けて研究するのがよいのかどう

か、ラボ員と検討したい。「ラボ長が書類作成等、

研究業務以外に手をとられすぎている」との指摘

があるが、確かに H13 年度は全てが未知でほと

んどデスクワークに追われた。私もまだ 40 代前

半であり、H14年からはフィールドワークに参加

するつもりである。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.5 [AAAB]

○適切な運営がなされ研究成果をあげている。外部研究

者、機関との共同研究が効果的。国際ワークショップ活動

が研究環境の拡大、向上に大きい効果を生んでいる。研究

環境はほぼ問題のないレベル。人的・資金的資源確保につ

いて配慮が必要。研究発展によりセンター化達成を期待す

る。

▲研究職員不補充の規制は検討の余地あり。補助部門はラ

ボ長の手助けできないか。共同研究に関わる特許問題も整

備が必要。これらは産総研全体の問題。産業界の定年退職

技術者を審査の上、客員研究員(基本的には無給)などの

肩書きで有効利用してはどうか。企業の冬眠設備の無料借

用、資材の入手も容易になる。外国人研究者が多いのは国

際性の点から望ましいが、 先端技術開発では、技術流失

→国内産業の空洞化助長とならないか不安。Basel 大 Dr.

Pohl 研究室のように先端研究成果を取り込む国際交流は

望ましい。

各委員から人的資源の問題についてご指摘を

頂いた。当ユニットはその前身の融合研時代よ

り、旧他研究所との交流がほとんどないまま進展

してきた。それゆえ、産総研と次世代光工学研究

ラボの設立においても、人材の流入が ATP から

の1名という寂しい状況であった。しかし、現在、

ナノテクノロジー部門(横山部門長)と 1F に共

通クリーンルーム(NPF)を開設し、現在他部門

を併せ 70 名が共通に研究機材を使用して産総研

研究者が研究できる場を提供し、産総研内部に対

してもアピールを行っている。さらに、経済産業

省の「高度情報化プログラム」に応募しているが、

採択された暁にはラボからセンター化を実施し、

特に人的な体制強化を図っていきたい。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

149

微小重力環境利用材料研究ラボ

1. 微小重力環境下での高品質結晶および構造制御材料の製造

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

5.0 [目標:AAAAA、進捗:AAAAA]

○本研究は、微小動力環境を利用頻度の極めて高い 1.4

秒落下塔や落下管を使用して実現し、これを高機能実用

材料の生成までの道筋を付けている点で非常に評価で

きる。装置の点からも世界に優れた研究である。高性能

の半導体、熱電材料、磁性材料の開発において大きな成

果が得られている。

材料特性の改善に微小重力が有効であることが示され

ている。また、凝固過程における核生成、成長、再結晶

などに及ぼす微小重力の効果の新しい知見が多く提示

されており学問的にも意義がある。

材料開発を主なターゲットにしているが、得られるデー

タは、これまでの重力環境とは異なり、新しいパラメー

タを提供しているため、材料開発のみならず、反応機構、

状態図作成など、基礎的な研究にも取組んでいただきた

い。その意味で知的基盤の充実という観点からも評価し

たい。

▲「基礎より応用であり、材料開発である」と主張され

るかもしれないが、それでは、折角、宝の山に入りなが

ら、宝が何か理解できないでいる状態である。

微小重力環境の材料創製における有効性を明らか

にする目標設定ができているという評価であったと

思っている。また、新規、独創的で将来の産業基盤

になりうるという前向きの評価もいただいた。今後

の新しい材料プロセスの開発を中心に据えた目標を

堅持していきたい。高い評価をいただいたので今後

もなお一層の研究の進捗に務めたい。新規で独創に

富む研究分野であるので、応用面だけにとらわれな

いで、次世代の産業の萌芽として基礎的、理論的に

きちんとした課題を設定して今後の展開をはかりた

い。

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.6 [AAAAB]

○ラボ長とスタッフの連携により研究計画が良くねら

れている。研究成果の達成状態からみて、現在のスタッ

フおよび体制で十分に研究を遂行できるものと考えら

れる。

▲核形成理論等、基礎的な研究の意義付けを明確にす

る。ナノマテリアル研究とマイクロ・グラビィティ研究

が密接に関連する研究課題を前面に出す。米国および欧

州の長時間微小重力研究の流れとも連携を図る。我国の

材料化学技術の知的基盤としてマイクロ・グラビィティ

の将来的展開が可能となるよう、民間、大学、アジア等

研究者との交流、共同研究に努める。実用材料の開発を

短絡的に求めることなく、このテーマをじっくり暖める

べきである。ラボ独特の落下実験装置をフルに利用し、

新しいフィールドを育てるようなマネージメントのあ

り方や、予算配分が求められる。

今後、特許、論文、学会発表などで大いに微小重

力利用による高機能材料製造が可能であることを発

信していく。微小重力研究をじっくり進めていくべ

きとのご指摘であるが、早急にインパクトある成果

も併せて発信していきたい。そうしなければ何時ま

でも微小重力環境の特殊性ばかりが注目され、新し

く有用で独創的な材料創製の場であるという認識の

広い認知が得られないのではないか。

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別紙6:研究ユニットの評価結果

150

純度制御材料開発研究ラボ

1. 超高純度薄膜創製

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.9

[目標BBB、進捗ADA]

○超高純度薄膜の創製により、新しい機能や特性を持った

材料を開発することを目標としているが、ラボのこれまで

の成果・特長であるイオンビーム技術・プラズマ技術を生

かしたアプローチによる適切なテーマ設定となっている。

○進捗については、金属薄膜および同位体制御薄膜の双方

において、本年度の目標とする新規材料の創製に対し、予

定通りの進捗を示しており、評価データ、発表件数も十分

なものと考える。

▲この技術が必要とされる産業技術のニーズを具体的に

明確にし、これを満たす技術の開発につながるように留意

すべきである。

▲純度に対する基本的認識が薄いと考えられ、分析におい

てクロスチェックが必要である。

産業化をさらに意識しながら、新技術の確立と

新材料の創製を行っていきたい。純度測定に関し

ては、指摘の通りと認識している。

純度を常に意識しながら研究を行っているが、

数100 nm薄膜の純度を決めるのは簡単ではない。

研究グループでは、薄膜中の不純物等の分析をイ

オンビームを用いたRBS法、PIXE 法を中心に行っ

ているが、必ずしも十分な感度を得ることができ

ていないのが現状である。他グループとの共同研

究も検討したい。

2. 超高純度金属材料表面特性

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.0

[目標ABB、進捗BCB]

○高温酸化耐性、腐食耐性、耐摩耗特性等の飛躍的改善を

目標にした超高純度金属材料の表面処理、表面被膜技術開

発を目標としており、この技術を実際に必要としている企

業のニーズを満たす的確なテーマ設定が行われている。

○特に、3次元構造体の表面処理が可能となる技術(PBII)

の実用化へ向けた研究目標は産業技術として期待される。

○進捗については超高純度材料の評価、およびイオン・プ

ラズマ技術による高純度コーティング効果とも十分な進

捗を示すデータが示された。

▲論文発表件数が少ない。とりわけ表面コーティングに関

しての報告が無いのは寂しい。

高純度コーティングによる低純度材料の高性能

化は、これからの実用技術として重要な課題と認

識している。

人工不動態皮膜など他の方法との比較も検討し

たい。

表面コーティングに関し、知的所有権の絡みで

報告は控えている。時期を見て行っていきたい。

3. イオンビーム照射

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

3.8

[目標BBC、進捗BBB]

○Si 単結晶基板中の許容残留金属不純物濃度レベルは、

超 LSI では各プロセスノードについてロードマップに明

記されており、これを制御検出する技術が必須とされてい

る。本研究はこのニーズに沿ったテーマ設定となってい

る。

▲進捗については、イオン照射により生じるナノキャビテ

ィ(ボイド)のゲッタリング効果を用いる研究であるため、

照射後の熱処理温度が 500℃以上となり、太陽電池への

応用には使用できない事を考慮し、プロセスへの整合性を

考えるべきである。

▲Si 基板中のCuについて、ナノキャビティゲッタリング

により検出限界濃度以下に出来ることを明らかにしてい

るが、分析法の検出限界がロードマップの検出要求値であ

る 1-5x108/cm2(制御要求値 1-5x109/cm2)より2桁悪

いため、この点に留意し、ゲッタリング特性を評価すべき

と考えられる。

半導体プロセス技術としての有用性、限界を評

価した上で、新技術として提案したい。

ナノキャビティ技術に関しては、従来プロセス

との適合性やコストの問題を意識して研究を進め

ていきたいと考えている。

また、イオンビームによる結晶性回復について

は、問題解決のためには様々な選択肢があり、こ

れを実験により一つずつ確認し取捨選択して早期

に方向付けを行っていきたい。

Page 152: 十 年 成果ヒアリング 度 評価結果報告書平成13年度成果ヒアリング評価結果 1 はじめに 本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年12

別紙6:研究ユニットの評価結果

151

運営・体制

評点 評価委員会のコメント(要約) ユニットのコメント(要約)

4.3

[BAA]

○研究課題は産業界のニーズを満たすシーズとなるべく

選定されてはいる。

▲企業や他研究機関との連携をさらに強化し、研究成果が

産業の基盤技術になるよう、実用化・応用の立場からの一

層の研究運営の改善が望まれる。

○ユニットの体制・運営は概ね良好である

▲やや基礎研究に重きがおかれ、研究結果と現実のニーズ

とのギャップを埋めるべき努力が必要と感じられる。

▲評価分析装置等の充実にかかる予算措置が望まれる。

・産業に役立つ研究開発との観点を再度認識し、

理解をした上で、グループとしてどうするべきか

を考えていきたい。

・薄膜の純度評価にはイオンビーム分析法以外の

方法も積極的に取り入れたい。

Page 153: 十 年 成果ヒアリング 度 評価結果報告書平成13年度成果ヒアリング評価結果 1 はじめに 本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年12

別紙7: 評価結果一覧表

152

別紙7:評価結果一覧表(評点)

課題 運営・体制

研究ユニット

研究職員数

総予算

研究課題数

重み2の

課題数

4.6

以上

3.6

~4.5

2.6

~3.5

2.5

未満

課題点

十分機能

概ね機能

改善必要

運営体制点

総合点

グループ

人 百万円 人 人 人

センター

1 深部地質環境 35 565 5 3 5 0 0 0 4.8 3 2 0 4.2 4.7 優

2 活断層 15 345 6 4 2 4 0 0 4.6 3 1 0 4.5 4.6 良

3 化学物質リスク管理 18 353 4 0 1 3 0 0 4.3 2 1 0 4.3 4.3 良

4 フッ素系温暖化物質 13 144 1 0 0 1 0 0 4.3 0 5 0 3.0 4.1 可

5 ライフサイクルアセスメント 11 146 6 2 1 4 1 0 4.1 2 2 0 4.0 4.1 可

6 パワーエレクトロニクス 11 251 5 0 0 4 1 0 4.0 3 3 0 4.0 4.0 可

7 生命情報科学 14 512 5 0 2 3 0 0 4.5 4.5 0.5 0 4.8 4.6 優

8 生物情報解析 26 351 3 0 2 1 0 0 4.6 3 3 0 4.0 4.5 良

9 ティッシュエンジニアリング 12 518 6 3 1 5 0 0 4.3 3 2 0 4.2 4.3 良

10 ジーンディスカバリー 13 401 6 0 1 5 0 0 4.1 0 5 0 3.0 3.9 可

11 ヒューマンストレスシグナル 13 186 3 0 0 3 0 0 4.2 3 2 0 4.2 4.2 可

12 強相関電子技術 13 298 7 0 6 1 0 0 4.9 5 0 0 5.0 4.9 優

13 次世代半導体 32 843 5 0 0 3 2 0 3.7 2 3 0 3.8 3.7 可

14 サイバーアシスト 12 147 4 3 0 3 1 0 4.0 0 3 2 2.2 3.7 可

15 マイクロ・ナノ機能 7 116 3 2 0 3 0 0 3.7 1 6 0 3.3 3.6 可

16 ものづくり先端技術 14 677 5 0 0 3 2 0 3.6 0 5 0 3.0 3.5 可

17 高分子基盤技術 22 319 5 0 0 3 2 0 3.9 1 4 0 3.4 3.8 可

18 光反応制御 26 262 7 1 2 4 1 0 4.4 3 2 0 4.2 4.3 良

19 新炭素系材料 18 337 6 0 0 6 0 0 4.1 2 2 0 4.0 4.1 良

20 シナジーマテリアル 18 216 5 0 0 5 0 0 4.1 1.5 3.5 0 3.6 4.0 良

21 超臨界流体 17 198 1 1 0 1 0 0 4.5 1 4 0 3.4 4.3 良

22 スマートストラクチャー 17 282 4 1 1 3 0 0 4.3 3 1 0 4.5 4.4 良

23 界面ナノアーキテクトニクス 24 186 4 0 0 3 1 0 4.0 4 1 0 4.6 4.1 良

研究部門

1 計測標準 238 2,438 8 7 2 6 0 0 4.4 2 3 0 3.8 4.3 良

2 地球科学情報 98 897 6 0 0 6 0 0 4.3 3 3 0 4.0 4.2 可

3 地圏資源環境 70 931 7 0 3 4 0 0 4.5 6 0 0 5.0 4.6 良

4 海洋資源環境 74 869 9 0 1 7 1 0 4.0 0 5 1 2.7 3.8 可

5 エネルギー利用 116 1,373 10 0 1 9 0 0 4.3 3.3 2.8 0 4.1 4.2 良

6 電力エネルギー 97 1,368 12 6 0 10 2 0 3.9 2 3 0 3.8 3.9 可

7 環境管理 90 800 5 0 0 4 1 0 4.0 0 4 0 3.0 3.8 可

8 環境調和技術 64 671 8 5 0 8 0 0 4.1 1 3 0 3.5 4.0 可

9 情報処理 49 522 3 0 1 2 0 0 4.3 2 3 0 3.8 4.2 可

10 知能システム 78 574 11 5 0 8 3 0 4.0 0.7 4.3 0 3.3 3.8 可

11 エレクトロニクス 61 546 4 3 0 4 0 0 4.4 4.8 1.3 0 4.6 4.4 優

12 光技術 98 950 7 3 0 7 0 0 4.1 5 1 0 4.7 4.2 可

13 生物遺伝子資源 70 637 3 2 0 3 0 0 3.9 2 3 0 3.8 3.9 可

14 分子細胞工学 58 870 8 4 1 6 1 0 4.2 2 2 0 4.0 4.2 良

15 人間福祉医工学 62 447 5 0 1 3 1 0 4.1 1 4 0 3.4 4.0 可

16 脳神経情報 60 704 5 2 2 2 1 0 4.4 3 2 0 4.2 4.4 優

17 物質プロセス 82 1,135 7 5 0 5 2 0 4.0 3 2.5 0.5 3.8 4.0 可

18 セラミックス 71 552 8 7 1 4 3 0 3.9 2 4 0 3.7 3.8 可

19 基礎素材 130 770 6 5 0 5 1 0 3.9 1.5 4.5 0 3.5 3.8 可

20 機械システム 60 584 12 0 2 9 1 0 4.1 0 5 0 3.0 3.8 可

21 ナノテクノロジー 47 493 4 0 0 4 0 0 4.2 0 3.5 0.5 2.6 3.9 可

22 計算科学 26 421 7 5 2 5 0 0 4.4 3 2 0 4.2 4.3 良

研究系

1 人間系 35 374 7 0 0 7 0 0 4.0 2 3 0 3.8 4.0 可

2 生活環境系 55 644 8 0 0 8 0 0 4.2 1.5 4.5 0 3.5 4.0 可

ラボ

1 グリーンプロセス 11 100 3 1 1 2 0 0 4.5 1 2 0 3.7 4.3 良

2 薄膜シリコン系太陽電池 4 388 1 0 1 0 0 0 5.0 2 1 0 4.3 4.9 優

3 デジタルヒューマン 8 155 1 0 0 1 0 0 4.5 3 2 0 4.2 4.4 良

4 ライフエレクトロニクス 14 166 3 0 1 2 0 0 4.5 1.3 2.3 0.3 3.4 4.3 良

5 次世代光工学 7 107 1 0 0 1 0 0 4.4 3 1 0 4.5 4.4 良

6 微小重力環境利用 7 46 1 0 1 0 0 0 5.0 4 1 0 4.6 4.9 優

7 純度制御材料 8 96 3 2 0 3 0 0 3.9 2 1 0 4.3 4.0 可

Page 154: 十 年 成果ヒアリング 度 評価結果報告書平成13年度成果ヒアリング評価結果 1 はじめに 本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)評価部が昨年12

別紙8: 重点課題の研究資源一覧表

153

別紙8:重点課題の研究資源一覧表

研究ユニット

研究

職員

ポス

ドク

重点課題

に係わる

職員

重点課題

に係わる

職員の

割合

総予算

(12月)

重点

課題

の予算

重点課題

が全予算

に占める

割合

研究

課題

課題

当たり

職員

課題

当たり

人数

課題

当たり

予算

人 人 人 百万円 百万円 人 人 百万円

センター

1 深部地質環境 35 13 122 349% 565 481 85% 5 24 27 96

2 活断層 15 25 33 220% 345 339 98% 6 6 10 57

3 化学物質リスク管理 18 10 14 78% 353 150 42% 4 4 6 37

4 フッ素系温暖化物質 13 5 17 131% 144 130 90% 1 17 22 130

5 ライフサイクルアセスメント 11 22 15 136% 146 148 101% 6 3 6 25

6 パワーエレクトロニクス 11 31 14 127% 251 107 43% 5 3 9 21

7 生命情報科学 14 10 15 107% 512 212 41% 5 3 5 42

8 生物情報解析 26 79 21 81% 351 2,784 793% 3 7 33 928

9 ティッシュエンジニアリング 12 32 14 117% 518 207 40% 6 2 8 35

10 ジーンディスカバリー 13 36 14 108% 401 260 65% 6 2 8 43

11 ヒューマンストレスシグナル 13 5 11 85% 186 133 72% 3 4 5 44

12 強相関電子技術 13 18 16 123% 298 298 100% 7 2 5 43

13 次世代半導体 32 57 33 103% 843 2,855 339% 5 7 18 571

14 サイバーアシスト 12 4 11 92% 147 115 78% 4 3 4 29

15 マイクロ・ナノ機能 7 11 11 157% 116 108 93% 3 4 7 36

16 ものづくり先端技術 14 10 15 107% 677 556 82% 5 3 5 111

17 高分子基盤技術 22 4 20 91% 319 174 55% 5 4 5 35

18 光反応制御 26 13 31 119% 262 411 157% 7 4 6 59

19 新炭素系材料 18 11 20 111% 337 446 132% 6 3 5 74

20 シナジーマテリアル 18 12 15 83% 216 139 64% 5 3 5 28

21 超臨界流体 17 5 14 82% 198 166 84% 1 14 19 166

22 スマートストラクチャー 17 15 15 88% 282 177 63% 4 4 8 44

23 界面ナノアーキテクトニクス 24 40 24 100% 186 249 134% 4 6 16 62

研究部門

1 計測標準 238 31 55 23% 2,438 589 24% 8 7 11 74

2 地球科学情報 98 33 91 93% 897 731 81% 6 15 21 122

3 地圏資源環境 70 24 102 146% 931 798 86% 7 15 18 114

4 海洋資源環境 74 49 85 115% 869 678 78% 9 9 15 75

5 エネルギー利用 116 44 54 47% 1,373 369 27% 10 5 10 37

6 電力エネルギー 97 26 85 88% 1,368 1,011 74% 12 7 9 84

7 環境管理 90 14 30 33% 800 181 23% 5 6 9 36

8 環境調和技術 64 21 34 53% 671 242 36% 8 4 7 30

9 情報処理 49 10 38 78% 522 426 82% 3 13 16 142

10 知能システム 78 14 62 79% 574 400 70% 11 6 7 36

11 エレクトロニクス 61 42 59 97% 546 558 102% 4 15 25 139

12 光技術 98 62 90 92% 950 810 85% 7 13 22 116

13 生物遺伝子資源 70 107 67 96% 637 366 57% 3 22 58 122

14 分子細胞工学 58 108 56 97% 870 615 71% 8 7 21 77

15 人間福祉医工学 62 26 38 61% 447 317 71% 5 8 13 63

16 脳神経情報 60 83 65 108% 704 526 75% 5 13 30 105

17 物質プロセス 82 56 78 95% 1,135 417 37% 7 11 19 60

18 セラミックス 71 26 42 59% 552 417 76% 8 5 9 52

19 基礎素材 130 35 70 54% 770 409 53% 6 12 18 68

20 機械システム 60 46 52 87% 584 397 68% 12 4 8 33

21 ナノテクノロジー 47 43 45 96% 493 253 51% 4 11 22 63

22 計算科学 26 6 49 188% 421 123 29% 7 7 8 18

研究系

1 人間系 35 42 31 89% 374 298 80% 7 4 10 43

2 生活環境系 55 60 45 82% 644 598 93% 8 6 13 75

ラボ

1 グリーンプロセス 11 13 11 100% 100 39 39% 3 4 8 13

2 薄膜シリコン系太陽電池 4 17 4 100% 388 343 88% 1 4 21 343

3 デジタルヒューマン 8 8 7 88% 155 155 100% 1 7 15 155

4 ライフエレクトロニクス 14 60 32 229% 166 133 80% 3 11 31 44

5 次世代光工学 7 6 7 100% 107 99 93% 1 7 13 99

6 微小重力環境利用 7 9 7 100% 46 90 196% 1 7 16 90

7 純度制御材料 8 2 10 125% 96 53 55% 3 3 4 18

全平均 44 29 37 105% 524 427 93% 5 7 14 97

センター平均 17 20 22 122% 333 463 124% 5 6 11 118

部門・系平均 79 42 59 86% 815 480 62% 7 9 17 74

ラボ平均 8 16 11 120% 151 130 93% 2 6 15 109