アスファルト舗装の変状と空港舗装点検技術の現状¸Š記はいずれも、pri...
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アスファルト舗装の変状と空港舗装点検技術の現状
国土交通省 航空局国土交通省 航空局
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
アスファルト舗装の変状(1)※本資料の写真は、変状を分かりやすく説明するために収集したもので、通常空港で存在する変状(クラック幅等)とは異なります。
変状の種類 状 況 写 真
【ひび割れ】
・ヘアークラック
・線状クラック
・亀甲状クラック
ヘアークラックや線状クラックが進行して互いに接合し 亀甲状に閉合し接合し,亀甲状に閉合したひび割れのこと.
・施工目地の開き
線状クラック 亀甲状クラック
・リフレクションクラック
古いコンクリート舗装の上にアスファルト混合物をオーバーレイしたときをオ バ レイしたときに,下地のコンクリート舗装の目地やひび割れが影響し,舗装表面にひび割れが上がってくるひび 施工目地の開き割れが上がってくるひび割れのこと.
施工目地の開き&亀甲状クラック リフレクションクラック
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アスファルト舗装の変状(2)
変状の種類 状 況 写 真
【崩壊】
・ポットホール
舗装表面にできる小さな穴のこと.アスファルトが劣化し結合力が低下する劣化し結合力が低下すると発生する.
・はく離
層間剥離やブリスタリン層間剥離やブリスタリング等が進行して、舗装表面(表層)が剥がれる現象のこと.
ポットホール はく離
・骨材飛散
アスファルトの劣化等により骨材が剥離した現象のことのこと.
骨材飛散 骨材飛散
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アスファルト舗装の変状(3)
変状の種類 状 況 写 真
【表面の異常】
・ブリージング
アスファルトの余剰分が表面に浮き出てくる現象のこと カットバック(軟のこと.カットバック(軟化)となりポットホールが発生することがある.
・ブリスタリングブリスタリング
舗装内部の水分が気化して膨張し,舗装表面がふくれ上がる現象のこと.表層と基層が層間剥離し
ブリージング
表層と基層が層間剥離している場合に発生しやすい.
・キズキズ
航空機や車両が事故等で舗装に接触した場合に発生する.
キズブリスタリング
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アスファルトと骨材の結合分離
背景背景・アスファルト混合物(以下「アスコン」という。)は、アスファルト、骨材(粗骨
材、細骨材)、フィラー(石粉)をアスファルトプラントで加熱混合したもの。・アスコン内に水分が滞留することにより アスファルトと骨材が結合分離し アス・アスコン内に水分が滞留することにより、アスファルトと骨材が結合分離し、アス
コンが砂利のようになる。・アスコンの浅部において結合分離した箇所を航空機が走行するとアスコンが局部的
且つ突発的に破損することがある且つ突発的に破損することがある。・アスコンが破損した場合、滑走路等を閉鎖し緊急補修を実施する必要がある。・現在,アスファルト混合物の結合分離に伴う破損の予兆を把握する方法は「目視点
検」「打音調査」「コア採取」「FWD調査」などがあるが,面的且つ迅速に破損
③航空機の走行①ひび割れ等からの
検」「打音調査」「コア採取」「FWD調査」などがあるが,面的且つ迅速に破損の予兆を捉えるのは困難である。
アスコン(表層)
③航空機の走行雨水の侵入
アスコン(基層等)
5~8cm
10~25cm程度
路盤 ②水分の滞留
④アスコンの砂利化
アスコン(基層等) 程度
④アスコンの砂利化
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1.空港土木施設管理の標準業務プロセス
空港舗装調査のフロー
定期点検(調査) 構造調査
路面性状調査
ひび割れ調査わだち掘れ調査 路面の
非破壊調査
FWD調査(フォーリング・
解体調査
コア供試体採取室内試験
巡回
路面性状問題あり
定期点検(調査)
わだち掘れ調査平坦性調査 評価
(フォ リングウェイト・デフレク
トメータ)熱赤外線調査
室内試験原位置試験点
検
路面性状
舗装補修なし
すべり摩擦係数調査累積疲労度調査
路面性状問題なし
補修工法の選定
舗装補修なし
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2.点検の種類
点検とは
空港土木施設の不良箇所の有無を調べることをいう。点検には、巡回点検、緊急点検、定期点検、詳細点検がある。
巡回点検空港土木施設が正常に機能を果たしているか、主として目視により定期的(短期スパン)に巡回して調べることをいう。
空港土木施設の保全を図るために、定期的(長期スパン)に調査測定を行うことをいう
定期点検査測定を行うことをいう。
巡 点検および緊急点検 より異常箇所を発見 た場合 そ詳細点検
巡回点検および緊急点検により異常箇所を発見した場合、その部分の詳細な調査を行うことをいう。
緊急点検地震、台風等の自然現象およびその他の理由による空港土木施設の被害状況、機能保有状況を巡回点検の方法に準じて点検することをいう検することをいう。
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巡回点検(基本施設舗装)
巡回点検の状況 打音調査状況巡回点検の状況
ひび割れ注入状況 わだち掘れ計測状況8
巡回点検(空港舗装巡回等点検システム)巡回点検(空港舗装巡回等点検システム)
• 機器
– モバイルパソコン・ DGPS
DGPS
• 点検実施方法
– 異常箇所位置の把握
PC
– 異常の形態・規模の入力
– 異常形態に対する補修要否判定点検開始
「点検情報」入力
– 点検記録簿の作成
点検情報」入力
異常箇所が
現在位置取得点検経路作図
NO路 異常箇所があるか?
異常箇所の登録GPSにて位置情報取得
YES
NO路面性状ユニ
補修要否判GPSにて位置情報取得
舗装種別等状況入力要否判定
NO
ニット
点検
判定システム
終了
終了する?YES
NO記録簿
PC画面9
○システム導入前後の比較
巡回点検(空港舗装巡回等点検システム)巡回点検(空港舗装巡回等点検システム)
○システム導入前後の比較
導入前 導入後
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路面性状調査(PRI)の測定機器
定期点検(路面性状調査)定期点検(路面性状調査)
路面性状調査(PRI)の測定機器◆ 路面性状測定車
レ ー ザ チ ュー ブ
レ ー ザ 光 を発 振冷 却 水 循 環 機
レ ー ザ ス キ ャ ナ
レ ー ザ 光 を 走 査レ ー ザ チ ュ ー ブを 冷 却
発 動 発 電 機
計 測 装 置 の
レ ザ 光 を 走 査
レ ー ザ ビ ー ム
C滑走路―ユニット008画像
計 測 装 置 の
電 力 を 供 給受 像 部 (わ だ ち 掘 れ )
団 体 撮 像 素 子 を 用 い た
T V カ メ ラ信 号 処 理 装 置
受 光 部 ( ひ び わ れ )
微 弱 光 検 出 の た め
の 光 検 出 セ ン サ
わ だ ち 掘 れ
ひ び わ れ
平 坦 性
◆ 小型プロファイラ
路 面 性 状 3 要 素
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PRIにおけるひび割れ、わだち掘れ、平坦性の算出方法
(ひび割れ) (平坦性)
(わだち掘れ)
※幅 1mm以上のひび割れを対象とする。
(わだち掘れ)
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PRI 調査の評価定期点検(路面性状調査)定期点検(路面性状調査)
評 価
◆アスファルト舗装の路面の評価
ひび割れ、わだち掘れ、平坦性の3項目の調査結果を用いて、次式により算出されるPRI(PavementRehabilitation Index)に基づき評価する。
調査の評価
舗装区域評 価
A B C
滑 走 路 8.0以上 3.8以上8.0未満 3.8未満
誘 導 路 6 9以上 3 0以上6 9未満 3 0未満
PRI=10-0.45 CR-0.0511 RD-0.655 SV
PRI :舗装補修指数
評価す 。
誘 導 路 6.9以上 3.0以上6.9未満 3.0未満
エ プ ロ ン 5.9以上 0以上5.9未満 0未満
A:補修の必要はなしB:近いうちの補修が望ましい
CR :ひび割れ率(%)RD :わだち掘れ(mm)SV :平坦性(mm)(縦断方向の凹凸の標準偏差)
B:近いうちの補修が望ましいC :できるだけ早急に補修の必要がある
◆コンクリート舗装の路面の評価
ひび割れ、目地部の破損、段差の3項目の調査結果を用いて、次式により算出されるPRI(Pavement
舗装区域評 価
A B C
滑 走 路 7.0以上 3.7以上7.0未満 3.7未満PRI=10-0.290 CR-0.296 JC-0.535 SV
割れ、目 部 破損、段 項目 調 結果を用 、次 り算出される (Rehabilitation Index)に基づき評価する。
誘 導 路 6.4以上 2.3以上6.4未満 2.3未満
エ プ ロ ン 5.7以上 0以上5.7未満 0未満
A:補修の必要はなし
PRI :舗装補修指数CR :ひび割れ度(cm/m2)JC :目地部の破損率(%)SV :段差(最大値)(mm) A :補修の必要はなし
B:近いうちの補修が望ましいC :できるだけ早急に補修の必要がある
SV :段差(最大値)(mm)
13上記はいずれも、PRIのみならず、ひび割れ、わだち掘れ及び平坦性等の個々による評価(指標)も可能となっている。
【舗装構造非破壊調査(アスフ ルト)】
詳細点検(舗装構造非破壊調査)
【舗装構造非破壊調査(アスファルト)】
舗装に衝撃荷重を与え、その時のたわみを測定し、たわみ比から舗装の健全度を評価
FWD(Falling Weight Deflectometer)
健全度を評価。注)たわみ比は、実際のひずみ(Do)と温度、層厚、標準的な弾性係数等から計算されるひずみとの比をいう。
Good No GoodGood No Good
推定される原因推定される原因・路盤支持力の低下・混合物の安定性低下
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新技術(熱赤外線カメラ)新技術(熱赤外線カメラ)○⾚外線による舗装剥離調査の導⼊
○⽬視点検・舗装表⾯下の異常発⾒が困難
○打⾳点検・点検者の主観による判断・⼈⼒点検による⾮効率性
【点検⽅法の⾒直し】<⾚外線カメラの規格>
・温度分解能困難 ・⼈⼒点検による⾮効率性
時間的制約等限られた条件の中、効率的、かつより確実性
0.1℃以上(またはそれ以下の温度刻み)
・温度範囲0~60℃(舗装表面温度)
・空間分解能の向上が⾒込まれる新たな点検⽅法の導⼊の必要性
徒歩点検時における 打⾳点検 効率性 改善及び確実性 向上を図るため ⾚外線カメラを⽤ た
空間分解能2cm 四方ピッチ
・徒歩点検時における、打⾳点検の効率性の改善及び確実性の向上を図るため、⾚外線カメラを⽤いた点検を現在拠点空港に導⼊しており、今年度中に国管理空港の全ての空港に導⼊される。・なお、⾚外線カメラは舗装表⾯の温度差から異常箇所を発⾒する⼿法であることから、温度差が⽣じにくい冬期間は、⽬視+打⾳点検にて⾏う。平成24年11⽉に⽻⽥空港 導⼊し 平成25年度に国内主要空港(新千歳 福岡 那覇)に配備済・平成24年11⽉に⽻⽥空港へ導⼊し、平成25年度に国内主要空港(新千歳、福岡、那覇)に配備済。
<打⾳点検状況><⾚外線カメラ映像>
⾚外線カメラを⽤いることにより効率性の改善及び確実性が向上
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