簡易ネットワーク管理プロトコル€¢ snmp/rmib, 10 ページ 概要...

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簡易ネットワーク管理プロトコル この章では、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)の概要について説明します。 概要, 1 ページ SNMP のバージョン, 2 ページ SNMP および Cisco Unified CM の基本, 3 ページ SNMP の基本コマンド, 4 ページ SNMP のコミュニティ ストリングとユーザ, 4 ページ SNMP Cisco MIB, 5 ページ SNMP のトラップとインフォーム, 6 ページ SNMP トレースの設定, 7 ページ SNMP に関するヒント, 7 ページ SNMP のトラブルシューティング, 8 ページ SNMP/R MIB, 10 ページ 概要 アプリケーション層プロトコルである簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用すると、 ノードやルータなどのネットワーク デバイス間の管理情報を簡単に交換できます。SNMP は、 TCP/IP スイートの一部を構成しています。システム管理者は、SNMP を使用して、ネットワーク パフォーマンスのリモート管理、ネットワークの問題の検出および解決、ネットワーク拡張の計 画を行うことができます。 SNMP では、多数のコマンドを定義する代わりに、get-requestget-next-requestget-bulk-requestおよび set-request の形式ですべての操作を行います。たとえば、SNMP マネージャでは、SNMP エージェントから値を取得したり、その SNMP エージェントに値を格納したりできます。SNMP マネージャはネットワーク管理システム(NMS)の構成要素になることができ、SNMP エージェ ントはルータなどのネットワーキング デバイスに常駐できます。 Cisco Unified Communications Manager リリース 11.0(1) 管理サービス ガイド 1

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Page 1: 簡易ネットワーク管理プロトコル€¢ SNMP/RMIB, 10 ページ 概要 アプリケーション層プロトコルである簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用すると、

簡易ネットワーク管理プロトコル

この章では、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)の概要について説明します。

• 概要, 1 ページ

• SNMPのバージョン, 2 ページ

• SNMPおよび Cisco Unified CMの基本, 3 ページ

• SNMPの基本コマンド, 4 ページ

• SNMPのコミュニティストリングとユーザ, 4 ページ

• SNMPと Cisco MIB, 5 ページ

• SNMPのトラップとインフォーム, 6 ページ

• SNMPトレースの設定, 7 ページ

• SNMPに関するヒント, 7 ページ

• SNMPのトラブルシューティング, 8 ページ

• SNMP/R MIB, 10 ページ

概要アプリケーション層プロトコルである簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用すると、ノードやルータなどのネットワークデバイス間の管理情報を簡単に交換できます。SNMPは、TCP/IPスイートの一部を構成しています。システム管理者は、SNMPを使用して、ネットワークパフォーマンスのリモート管理、ネットワークの問題の検出および解決、ネットワーク拡張の計

画を行うことができます。

SNMPでは、多数のコマンドを定義する代わりに、get-request、get-next-request、get-bulk-request、および set-requestの形式ですべての操作を行います。たとえば、SNMPマネージャでは、SNMPエージェントから値を取得したり、その SNMPエージェントに値を格納したりできます。SNMPマネージャはネットワーク管理システム(NMS)の構成要素になることができ、SNMPエージェントはルータなどのネットワーキングデバイスに常駐できます。

Cisco Unified Communications Manager リリース 11.0(1) 管理サービスガイド1

Page 2: 簡易ネットワーク管理プロトコル€¢ SNMP/RMIB, 10 ページ 概要 アプリケーション層プロトコルである簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用すると、

SNMPは、SNMPマネージャ、SNMPエージェント、MIBという 3つの部分から構成されています。Cisco MIBは、ネットワーク管理ソフトウェアを使用してコンパイルできます。

NMSでは、Cisco MIB変数を使用してデバイス変数を設定し、インターネットワーク上のデバイスのポーリングを行って特定の情報を取得します。ポーリングの結果はグラフの作成や分析に使

用でき、インターネットワークの問題のトラブルシューティング、ネットワークパフォーマンス

の向上、デバイスの設定の確認、およびトラフィックの負荷のモニタに役立ちます。

SNMPエージェントは、デバイスパラメータおよびネットワークデータに関する情報のリポジトリであるMIBからデータを収集します。また、SNMPエージェントは、特定のイベントのトラップ(通知)をSNMPマネージャに送信することもできます。Ciscoトラップファイル「“mib.traps”」は、シスコのホスト //ftp.cisco.comから入手できます。このファイルに、Ciscoトラップの形式が記載されています。

SNMPマネージャはMIBの情報を使用し、次の説明に従ってオペレーションを実行します。

説明操作

特定の変数から値を取得します。get-request

名前付き変数の次の値を取得します。通常、テーブル内から変数を取得

する場合に使用します。このオペレーションでは、SNMPマネージャが正確な変数名を知っている必要はありません。MIB内から必要な変数を見つけるために、順次検索が実行されます。

get-next-request

NMSから送信された get-request、get-next-request、get-bulk-request、および set-requestに応答します。

get-response

get-next-requestと同様に、get-responseに get-nextインタラクションを最大繰り返し数まで格納します。

get-bulk-request

特定の変数に値を格納します。set-request

何らかのイベントが発生したことを伝えるために、SNMPエージェントから SNMPマネージャに送信されます。

traps

SNMP のバージョンSNMPのバージョンには、バージョン1(SNMPv1)、バージョン2(SNMPv2)、およびバージョン 3(SNMPv3)の 3つがあります。SNMPv1は、管理情報構造(SMI)の仕様の範囲内で機能する SNMPの初期実装で、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)や IPなどのプロトコルを介して動作します。

SNMPv1 SMIでは、高度な構造を持つMIBテーブルが定義されます。このテーブルは、複数の変数を含むオブジェクトのグループ化に使用されます。テーブルにはインデックスが付けられた 0

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簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP のバージョン

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個以上の行が格納されるため、SNMPでは、サポートされているコマンドを使用して、行全体を取得したり変更したりできます。

SNMPv1では、NMSが要求を発行し、管理対象デバイスから応答が返されます。エージェントは、トラップオペレーションを使用して、NMSに重要なイベントを非同期的に通知します。

SNMPv2cは、SNMPv1と同様に、SMIの仕様の範囲内で機能します。MIBモジュールには、相互に関係のある管理対象オブジェクトの定義が格納されます。SNMPv1で使用されるオペレーションと SNMPv2で使用されるオペレーションは、ほぼ同じであることに注意してください。たとえば、SNMPv2トラップオペレーションは、SNMPv1で使用する機能と同じですが、異なるメッセージ形式を使用する、SNMPv1トラップに代わる機能です。

SNMPv2cの通知オペレーションでは、ある NMSから別の NMSにトラップ情報を送信して、その NMSから応答を受信することができます。

SNMPv3は、次のセキュリティ機能を備えています。

•認証:要求が正規の送信元から送信されたものかどうかを確認します。

•プライバシー:データの暗号化を行います。

•認可:要求された操作がユーザに許可されているかどうかを確認します。

•アクセスコントロール:要求されたオブジェクトにユーザがアクセスできるかどうかを確認します。

SNMPv3は、パケットがネットワーク上に公開されるのを防ぎます。SNMPv3では、SNMPv1やSNMPv2のようにコミュニティストリングを使用するのではなく、SNMPユーザを使用します。

関連トピック

SNMPのコミュニティストリングとユーザ, (4ページ)

SNMP および Cisco Unified CM の基本SNMPを使用するネットワークでは、管理対象デバイス、エージェント、ネットワーク管理ソフトウェア(NMS)という 3つの主要コンポーネントが必要です。

•管理対象デバイス:SNMPエージェントを含む、ネットワーク上に常駐するデバイス。管理対象デバイスは、情報の収集と格納を行います。格納された情報は、SNMPを使用して取得できます。

◦ Cisco Unified CMクラスタの最初のノードは、管理対象デバイスとして機能します。Cisco Unified CMBEでは、Cisco Unified CMがインストールされたサーバが管理対象デバイスとして機能します。

•エージェント:管理情報のローカル情報を格納し、その情報をSNMPと互換性がある形式に変換するソフトウェアモジュール。

◦ Cisco Unified CMでは、マスターエージェントとサブエージェントの各コンポーネントを使用して SNMPをサポートします。マスターエージェントはエージェントプロトコ

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簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP および Cisco Unified CM の基本

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ルエンジンとして機能し、SNMP要求に関連する認証、許可、アクセスコントロール、およびプライバシーの機能を実行します。マスターエージェントには、管理情報ベース

(MIB)変数がいくつか格納されます。また、マスターエージェントは、サブエージェントへの接続も行います。サブエージェントでの必要なタスクが完了すると、その接続

を解除します。

◦ Cisco Unified CMは、サブエージェントを使用して、ローカルの Cisco Unified CMのみと対話します。Cisco Unified CMサブエージェントは SNMPマスターエージェントにトラップと情報メッセージを送信し、SNMPマスターエージェントは SNMPトラップレシーバ(通知の宛先)と通信します。

• NMS:PC上で実行するSNMP管理アプリケーション。ネットワーク管理に必要な処理リソースとメモリリソースのほとんどを提供します。また、管理対象デバイスのモニタと制御を行

うアプリケーションを実行します。Cisco Unified CommunicationsManagerは次のNMSと連携します。

◦ CiscoWorks2000

◦ HP OpenView

◦ SNMPおよび Cisco Unified Communications Manager SNMPインターフェイスをサポートしているサードパーティ製アプリケーション

SNMP の基本コマンド管理対象デバイスのモニタと制御は、4つの基本的な SNMPコマンド(読み取り、書き込み、トラップ、およびトラバースオペレーション)を使用して行います。

• NMSでは、読み取りコマンドを使用して管理対象デバイスをモニタします。NMSは、管理対象デバイスで保持されている複数の変数を検査します。

• NMSでは、書き込みコマンドを使用して管理対象デバイスを制御します。NMSは、管理対象デバイス内に格納されている変数の値を変更します。

•管理対象デバイスでは、トラップコマンドを使用して、非同期的にイベントを NMSに報告します。特定の種類のイベントが発生すると、管理対象デバイスは NMSにトラップを送信します。

• NMSでは、トラバースオペレーションを使用して、管理対象デバイスがサポートしている変数を確認し、ルーティングテーブルなどの変数テーブルの情報を順次収集します。

SNMP のコミュニティストリングとユーザSNMPコミュニティストリングでは、セキュリティは確保されませんが、MIBオブジェクトへのアクセスを認証し、組み込みパスワードとして機能します。SNMPコミュニティストリングは、SNMPv1または SNMPv2cの場合にのみ設定します。

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簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP の基本コマンド

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SNMPv3では、コミュニティストリングを使用しません。SNMPv3では、SNMPユーザを使用します。SNMPユーザを使用する目的はコミュニティストリングと同じですが、暗号化や認証が設定されるため、セキュリティが確保されます。

デフォルトのコミュニティストリングやユーザは存在しません。

SNMP と Cisco MIBSNMPを使用すると、Cisco MIB変数にアクセスでき、ネットワークデバイス間の管理情報を簡単に交換できます。SNMPシステムは、SNMPマネージャ、SNMPエージェント、MIBという 3つの部分で構成されています。

SNMPでは、多数のコマンドを定義する代わりに、get-request、get-next-request、get-bulk-request、および set-requestの形式ですべての操作を行います。たとえば、SNMPマネージャでは、SNMPエージェントから値を取得したり、その SNMPエージェントに値を格納したりできます。SNMPマネージャはネットワーク管理システム(NMS)の構成要素になることができ、SNMPエージェントはルータなどのネットワーキングデバイスに常駐できます。Cisco MIBは、ネットワーク管理ソフトウェアを使用してコンパイルできます。SNMPをルータに設定すると、SNMPエージェントで NMSから送信されるMIB関連の照会に応答できます。

NMSでは、Cisco MIB変数を使用してデバイス変数を設定し、インターネットワーク上のデバイスのポーリングを行って特定の情報を取得します。ポーリングの結果はグラフの作成や分析に使

用でき、インターネットワークの問題のトラブルシューティング、ネットワークパフォーマンス

の向上、デバイスの設定の確認、トラフィックの負荷のモニタなどに役立ちます。

SNMPエージェントは、デバイスパラメータおよびネットワークデータに関する情報のリポジトリであるMIBからデータを収集します。また、SNMPエージェントは、特定のイベントのトラップ(通知)をSNMPマネージャに送信することもできます。Ciscoトラップファイル「“mib.traps”」は、シスコのホスト //ftp.cisco.comから入手できます。このファイルに、Ciscoトラップの形式が記載されています。

SNMPマネージャはMIBの情報を使用し、次の説明に従ってオペレーションを実行します。

説明操作

特定の変数から値を取得します。get-request

名前付き変数の次の値を取得します。通常、テーブル内から変数を取得

する場合に使用します。このオペレーションでは、SNMPマネージャが正確な変数名を知っている必要はありません。MIB内から必要な変数を見つけるために、順次検索が実行されます。

get-next-request

NMSから送信された get-request、get-next-request、get-bulk-request、および set-requestに対する応答。

get-response

get-next-requestと同様に、get-responseに get-nextインタラクションを最大繰り返し数まで格納します。

get-bulk-request

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簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP と Cisco MIB

Page 6: 簡易ネットワーク管理プロトコル€¢ SNMP/RMIB, 10 ページ 概要 アプリケーション層プロトコルである簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用すると、

説明操作

特定の変数に値を格納します。set-request

SNMPエージェントから SNMPマネージャに送信される、何らかのイベントが発生したことを伝える割り込みメッセージ。

traps

SNMP のトラップとインフォームSNMPエージェントは、重要なシステムイベントを識別するために、トラップ形式またはインフォーム形式で通知を送信します。トラップ形式の場合は宛先からの確認応答を受信しませんが、

インフォーム形式の場合は確認応答を受信します。

Cisco Unity Connectionは、SNMPトラップをサポートしません。(注)

対応するトラップフラグが有効な場合、すべての通知のトラップが即座に送信されます。syslogエージェントの場合、CiscoUnifiedCMアラームとシステムレベルのログメッセージが syslogデーモンに送信され、ログに記録されます。また、一部の標準的なサードパーティ製アプリケーショ

ンでもログメッセージが syslogデーモンに送信され、ログに記録されます。これらのログメッセージはローカルの syslogファイルに記録され、SNMPトラップまたは通知への変換も行われます。

次に、設定済みのトラップの宛先に送信される、CiscoUnifiedCMのSNMPトラップとインフォームメッセージを示します。

• Cisco Unified CM failed(Cisco Unified CMで障害が発生)

• Phone failed(電話機で障害が発生)

• Phones status update(電話機ステータスの更新)

• Gateway failed(ゲートウェイで障害が発生)

• Media resource list exhausted(メディアリソースリストが使い果たされた)

• Route list exhausted(ルートリストが使い果たされた)

• Gateway layer 2 change(ゲートウェイレイヤ 2の変更)

• Quality report(品質レポート)

• Malicious call(悪質なコール)

• Syslog message generated(syslogメッセージの生成)

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簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP のトラップとインフォーム

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SNMP トレースの設定Cisco Unified CMで SNMPエージェントのトレースを設定するには、Cisco Unified Serviceabilityの[トレース設定(Trace Configuration)]ウィンドウで、[パフォーマンスおよび監視サービス(Performance and Monitoring Services)]サービスグループの [Cisco Unified CM SNMPサービス(Cisco Unified CM SNMP Service)]を選択します。デフォルトの設定は、すべてのエージェントに対して存在します。CiscoCDPAgentおよびCisco SyslogAgentの場合、コマンドラインインターフェイス(CLI)を使用し、『Command Line Interface Reference Guide for Cisco Unified Solutions』に従ってトレース設定を変更します。

SNMP に関するヒントhttp://tools.cisco.com/Support/SNMP/do/BrowseMIB.do?local=en&step=2&mibName=CISCO-CCM-CAPABILITYのCISCO-CCM-CAPABILITYMIBを参照するか、関連項目のセクションのCISCO-CCM-CAPABILITY-MIBのトピックを参照してください。

「CISCO-CCM-CAPABILITY-MIB」で説明されているとおり、ccmPhoneDevicePoolIndexはサポートされていないため、0を返します。現在、Callmanagerデバイス登録アラームには、デバイスプール情報は含まれていません。

Cisco CallManager SNMPサービスが実行されていない場合、MIBの次のテーブルのみが応答します。

• ccmGroupTable

• ccmRegionTable

• ccmRegionPairTable

• ccmDevicePoolTable

• ccmProductTypeTable

• ccmQualityReportAlarmConfigInfo

• ccmGlobalInfo

Cisco CallManager SNMPサービスを実行中にするには、Cisco Unified Serviceabilityでサービスをアクティブにして起動します。SYSAPPL-MIBで、次のテーブルを照会します。

•システムにインストールされている Cisco Unified Communications Managerアプリケーションのインベントリを取得するには、SysApplInstallPkgTableを照会します。

•システムで実行中の Cisco Unified Communications Managerアプリケーションのインベントリを取得するには、SysApplRunTableを照会します。

Cisco Unified Communications Manager リリース 11.0(1) 管理サービスガイド7

簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP トレースの設定

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Cisco Unified Communications Managerでは、次のWebアプリケーションのサービスとサーブレットを使用します。Cisco CallManager Admin、Cisco CallManager Cisco IP Phone Service、CiscoCallManager Personal Directory、Cisco CallManager Serviceability、Cisco CallManager ServiceabilityRTMT、Cisco Extension Mobility、Cisco Extension Mobility Application、Cisco RTMT ReporterServlet、Cisco Tomcat Stats Servlet、Cisco Trace Collection Servlet、Cisco AXLWeb Service、CiscoUnified Mobile Voice Access Service、Cisco IP Manager Assistant、Cisco Web Dialer Service、CiscoCAR Web Service、Cisco Dialed Number Analyzer。

(注)

関連トピック

CISCO-CCM-CAPABILITY

SNMP のトラブルシューティングまず、すべての機能とネットワークサービスが実行されていることを確認してください。また、

Cisco Unified CMシステムで、コミュニティストリングまたは SNMPユーザが適切に設定されていることを確認してください。SNMPコミュニティストリングまたはユーザを設定するには、Cisco Unifiedサービスアビリティで [SNMP] > [V1/V2] > [コミュニティストリング(CommunityString)]、または [SNMP] > [V3] > [ユーザ(User)]を選択します。

その他のヒントは、次のとおりです。

•システムからMIBをポーリングできない:コミュニティストリングまたは SNMPユーザがシステムで設定されていません。または、MIBが、システムで設定されているものと一致していません。必要に応じて、設定の確認および再設定を行ってください。

デフォルトでは、コミュニティストリングまたはユーザはシステムに設定さ

れていません。

(注)

•システムから通知を受信できない:システムで通知の宛先が正しく設定されていません。[通知先(Notification Destination)](V1/V2cまたは V3)設定ウィンドウで、通知の宛先を正しく設定したことを確認します。

• Cisco Unified Communications Managerノードから SNMPトラップを受信できない:電話機の登録/未登録/障害に関する次のMIBオブジェクト ID(OID)が、次の値に設定されていることを確認してください(デフォルト値は両方とも 0です)。

◦ ccmPhoneFailedAlarmInterval(1.3.6.1.4.1.9.9.156.1.9.2)が 30~ 3600に設定されていること。次の CLIコマンドを使用できます。snmpset -c <community string> -v2c <transmitteripaddress> 1.3.6.1.4.1.9.9.156.1.9.2 .0 i <value>

◦ ccmPhoneStatusUpdateAlarmInterval(1.3.6.1.4.1.9.9.156.1.9.4)が 30~ 3600に設定されていること。次の CLIコマンドを使用できます。snmpset -c <community string> -v2c<transmitter ipaddress> 1.3.6.1.4.1.9.9.156.1.9.4.0 i <value>

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簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP のトラブルシューティング

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[通知先(NotificationDestination)](V1/V2cまたはV3)設定ウィンドウで、通知の宛先を正しく設定したことを確認します。

[コミュニティストリング(Community String)](V1/V2c)または [ユーザ(User)](V3)設定ウィンドウで、コミュニティストリング/ユーザ特権(通知の権限を含む)を正しく設定したことを確認します。

システムアプリケーションエージェントでは、アクティブまたは非アクティブになっているサー

ビスを表示したり、Webアプリケーションのサービスやサーブレットをモニタしたりすることができないため、システムの健全性やCiscoUnifiedCommunicationsManagerアプリケーションのサービスステータスをモニタするには、次の方法を使用します。

• Webアプリケーションと非Webアプリケーションの両方の完全なステータス情報(アクティベーションステータスなど)を取得するには、Serviceability APIの getservicestatusを使用します。詳細については、『AXL Serviceability API Guide』を参照してください。

• CLIコマンド utils service listを使用して、サービスステータスを確認します。

• syslogを使用して、servMで生成されたメッセージをモニタします(次の例を参照)。

Mar 18 16:40:52 ciscart26 local7 6 : 92: Mar 18 11:10:52.630 UTC :%CCM_SERVICEMANAGER-SERVICEMANAGER-6-ServiceActivated: ServiceActivated.ServiceName:Cisco CallManager SNMP Service App ID:Cisco Service ManagerCluster ID: NodeID:ciscart26

SNMP要求で複数の OIDを指定し、変数が空のテーブルを指している場合、タイムアウトの問題により、NO_SUCH_NAME(SNMPv1の場合)またはGENERICERROR(SNMPv2cまたはSNMPv3の場合)が返されることがあります。Cisco Unified Communications Manager処理エンジンを保護するために制御を強化すると、タイムアウトが発生することがあります。

スカラオブジェクトを使用すると、CCMH323DeviceTableおよび ccmSIPDeviceTableのエントリ数を取得できます。そのため、SNMPマネージャ(クライアント)は、エントリが存在しない場合に、これらのテーブルでの不要な get/getnextオペレーションをしなくて済みます。SNMP開発者は、この問題に対する次の回避策を使用できます。

•使用可能なスカラ変数(1.3.6.1.4.1.9.9.156.1.5)を使用して、テーブルにアクセスする前にテーブルサイズを確認するか、目的のテーブルに対してgetオペレーションを実行してから、空でないテーブルを照会します。

• 1回の要求で照会する変数の数を減らします。たとえば、空のテーブルに対して管理アプリケーションのタイムアウトが 3秒に設定されている場合、OIDを 1つだけ指定します。(空でないテーブルの場合、1つのデータ行の取得に 1秒かかります)。

•応答タイムアウトの値を大きくします。

•再試行回数を減らします。

• getbulk SNMP APIを使用しないようにします。getbulk APIではMaxRepetitionsで指定されているレコード数が取得されるため、次のオブジェクトがテーブルまたはMIBの外にある場合

Cisco Unified Communications Manager リリース 11.0(1) 管理サービスガイド9

簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP のトラブルシューティング

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でも、そのオブジェクトが取得されます。空のテーブルの場合は、さらに遅延が大きくなり

ます。テーブルが空でなく、レコード数が既知の場合は、getbulk APIを使用します。このような場合には、MaxRepetitionsを 5秒に設定し、5秒以内の応答を要求します。

•既存の制限に適合させるには、SNMP照会を作成します。

•多数の電話機が Cisco CallManagerに登録されている場合は、複数の getbulkを実行してPhoneTableを定期的にウォークしないようにします。電話機の更新が存在する場合に更新を行う ccmPhoneStatusUpdateTableを使用すると、PhoneTableをウォークするかどうかを決定できます。

関連トピック

シスコ管理情報ベース

業界標準の管理情報ベース

SNMP/R MIBSNMP/RバイナリにCPUのスパイクが生じている場合、次のログおよび情報を収集して分析します。

• CPU使用率が高い処理を確認します。

• SNMPポーリングが発生しているかどうかを確認し、アプリケーションのポーリング間隔を取得します。

• show packages active snmpコマンドを使用して、SNMPバージョンを確認します。

• show process using-most cpuコマンドを実行して、その出力を収集します。

• file get activelog /cm/log/ris/csv/コマンドを実行して、Perfmonログを収集します。

• SNMPマスターエージェントのトレースと、CPU使用率の高いその他のバイナリを収集します。

•さらに詳細にトラブルシューティングするには、上記の情報をテクニカルサポートに送信します。

SNMPマスターエージェントが起動しない場合は、ポート 161が開いているかどうかを確認します。ポートが開いている場合は、SNMPマスターエージェントのトレースを収集して、さらに分析します。

Cisco Unified CMをWindows版から Linux版に移行する際には、Cisco Unified CM Release 5.x以降では ccmH323DevRmtCM1InetAddressが OctetStringで定義されていることに注意してください。そのため、IPアドレスが 16進数で表示されます(Cisco Unified CM Release 4.xではドット付き 10進表記で表示されます)。

Cisco Unified Communications Manager リリース 11.0(1) 管理サービスガイド10

簡易ネットワーク管理プロトコル

SNMP/R MIB