熱設計プロセスナビゲータ thermocalc のご紹介

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熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介 Copyright (C) Thermal Design Laboratory Co.,Ltd. All rights reserved. . 熱設計とThermocalc . Thermocalc の機能 . Thermocalc 熱設計事例 【第1ステップ】 筺体の熱設計 【第2ステップ】 部品・基板の熱設計 【第3ステップ】 熱対策の検討①基板に熱を逃がす 【第4ステップ】 熱対策の検討②ヒートシンクや筐体を使う 【補足】 様々なヒートシンクの計算例 20145月版 株式会社 サーマルデザインラボ

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Page 1: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

熱設計プロセスナビゲータ

Thermocalc のご紹介

Copyright (C) Thermal Design Laboratory Co.,Ltd. All rights reserved.

1. 熱設計とThermocalc2. Thermocalc の機能

3. Thermocalc 熱設計事例

【第1ステップ】 筺体の熱設計

【第2ステップ】 部品・基板の熱設計

【第3ステップ】 熱対策の検討①基板に熱を逃がす

【第4ステップ】 熱対策の検討②ヒートシンクや筐体を使う

【補足】 様々なヒートシンクの計算例

2014年5月版 株式会社 サーマルデザインラボ

Page 2: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

1. 熱設計とThermocalc

Page 3: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

設計計算 設計案 解析検証 試作評価機構・回路設計

熱設計

機器温度計算部品温度計算基板放熱計算ヒートシンク計算

解析 ここで修正 測定 ここで対策設計計算?

■機構設計・回路設計では設計検討段階で要素計算式や設計手順が確立されている⇒ 一通り完成した設計結果をシミュレーションで検証する流れができている

■熱設計は、・伝熱の計算は難しい(非線形、伝導/対流/放射連立、流れの計算が必要 など)・単純な計算しかできないので、製品設計への適用が難しい⇒「設計計算」が容易にできないので、「まず設計してみてから解析」という流れになる⇒手軽に熱計算ができる専用電卓が必要 ⇒ Thermocalcは電卓を目指したツール

1.Thermocalc開発の目的

3

Page 4: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

計算/結果処理

・収束判定・比較温度・ポスト処理

■熱解析や熱計算ができても「熱設計」はできない。解析と設計の入出力は逆となるためである

・熱解析 設計結果の形状をインプットとして、温度をアウトプットする

・熱設計 目標温度をインプットとして、充足する形状をアウトプットする

■解析を行う前に「対策を織り込んだ形状」を設計しておく必要がある

■一方、熱計算や熱解析を行わないと熱設計はできない。熱設計には温度予測が不可欠である

従って、熱設計と熱解析・計算の両輪を基盤とした設計プロセスが重要である

消費電力

温度上限

周囲温度

目標熱抵抗

発熱量

許容温度上昇

論理対策

・必要放熱面積・必要風速・実装位置 等

物理対策

・配線パターン・HSサイズ・流路構造 等

入力 設計プロセス

基板設計結果

実装構造

筐体構造

出力

熱設計の入出力 仮説立案 ⇒ Thermocalc・物理対策の妥当性検証 ・案比較・形状と熱抵抗の感度分析等

3次元モデル

・形状/条件

・消費電力

入力

解析モデル化

・メッシュサイズ決定・分割

・境界条件/物性値

解析準備

・形状簡略化・境界条件決定・不明物性値調査

予測温度

検証プロセス比較判定

熱解析の入出力 検証⇒CFD・試作評価代替 ・温度上限絶対値比較

出力

2.Thermocalc(熱設計)とCFD(熱解析)の両輪

4

Page 5: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

基板

1

基板

2

基板

3

基板

4

基板

5

基板

6

基板

7

基板1‐2間

チャ

ネル

基板2‐3間

チャ

ネル

基板3‐4間

チャ

ネル

基板4‐5間

チャ

ネル

基板5‐6間

チャ

ネル

基板6‐7間

チャ

ネル

基板7‐

筐体

右間

チャ

ネル

筐体

左‐基

板1間

チャ

ネル

筺体幅

筺体高さ

3.Thermocalcの手法 (熱回路網法)

25

27

29

31

33

35

37

39

41

43

45

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

ダイオードパルス動作時の温度変動(非定常はNodalnet5.2へのI/Fで行う)

実測

解析

■筐体寸法 基板外形自動分割

有無 1

解析領域横Y

100

220 300 15 0 120 120 10 4 100

筐体放射率外 筐体平均厚み 外気温度 内部空気MAX 筐体上面 基板平均 部品面風速m/s 裏面面風速m/s 解析領域縦X

0.8 1 25 51.18 41.38 55.02 0 0 100基板上部温度

(部品面)

基板下部温度

(部品面)

基板下部温度

(はんだ面)部品電力合計W 8.7 100

■部品実装面 基板物性値

W/mK W/mK W/mK mm J/kgK kg/m3

1 380 380 380 0.035 8800 360

2 0.54 0.54 0.39 0.02 11850 1100

3 228 228 228 0.035 8800 360

4 2 2 2 0.105 1400 1700

5 380 380 380 0.045 8800 360

6 114 114 114 0.045 8800 360

設定番号

熱伝導率X(縦)

熱伝導率Y(横)

熱伝導率Z(厚み)

厚み

筐体幅(mm)

通風口面積

(mm2)

総消費電力(W)

ゲル厚み(mm)

基板横幅Y(mm)

基板縦長X(mm)

基板実装位置(mm)

風向

基板(銅なし)

銅箔

基板残銅35.7%

樹脂絶縁材

比熱 密度メ モ

基板残銅30%

0

20

40

60

80

100

120

筺体

左側

筺体

左側

面-基

板1間

のチ

ャネ

基板

基板

1-2間

のチ

ャネ

基板

基板

2-3間

のチ

ャネ

基板

基板

3-4間

のチ

ャネ

基板

基板

4-5間

のチ

ャネ

基板

基板

5-6間

のチ

ャネ

基板

基板

6-7間

のチ

ャネ

基板

筺体

右側

面-基

板7間

チャ

ネル

筺体

右側

温度

シェルフ熱解析(Thermocalc2012)

■さまざまな伝熱基礎式や熱回路網法を使うことで実用的な計算を可能としている

プリント基板の熱解析(Thermocalc2012)

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Page 6: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

4.Thermocalcの設計アプローチ(階層型設計)

発熱量Weの筐体をT∞の室温に置くと内部空気温度はTaになる

内部空気温度上昇∆Ta

周囲空気温度T ∞

「総発熱量Weの装置」に実装

された「発熱量Wpの基板」上

の「部品(発熱量Wd)」の

温度は何℃になるか?

内部空気温度Taの中に発熱量Wpの基板を置くと基板温度はTpになる

温度Tpの基板に発熱量Wdの部品を実装すると部品温度はTdになる

基板温度上昇∆Tp

部品温度上昇∆Td

機器設計は筐体、基板、部品の階層に分けて行われる。熱設計は 初に全体設計を行い、次に個々の実装階層で行う。Thermocalcでは個々の設計シートとシート間の連携によって計算を進める

【設計基準例】

基板表面の発熱密度が

200~300W/m2を超え

ないよう設計する

【設計基準例】

部品表面の発熱密度が

600~700W/m2を超えない

よう表面積を大きくする

【設計基準例】

体積発熱密度が10~20W/literを超えないよう設計する

+ +機器設計 回路分割 基板配置配線

終製品温度は各階層の熱設計の集大成である

6

Page 7: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

5.Thermocalcのメニュー構成

危険部品の抽出機器設計(筐体設計)

実装基板・ユニット分割危険部品の熱対策パラメータ・対策方針決定

・基板で対策・筐体で対策・冷却部品で対策

ファン・ヒートシンク

<回路設計>コンポーネントアプローチ<筐体設計>システムアプローチ

Thermocalcはこうした熱設計階層と手順を元に作られた熱設計ツールです

設計者全員が使うことを目的にEXCELベースで作られています

具体策

7

Page 8: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

2. Thermocalc の機能

Page 9: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

1.メニュー構成(熱設計用主メニュー)

物性値データユーティリティヒートシンク設計基板熱設計筐体熱設計

・筐体設計用筐体の内部空気温度や風速、部品温度などの推定を行なう

・基板設計用基板上の部品レイアウトや配線設計による部品の温度推定を行なう

・ヒートシンク設計用さまざまな放熱器のパラメータ設計を行なう

■個々の機能ブロックは複数の熱計算シートで構成されます

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Page 10: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

2.メニュー構成(ユーティリティメニュー)

物性値データユーティリティヒートシンク設計基板熱設計筐体熱設計

・ユーティリティさまざまな熱計算用の電卓機能です

・物性値データ各種材料の物性値を登録したデータベースです

物性値データ

各種物性値

固体の熱的特性

金属の熱的特性

合金の熱的特性

空気の熱的特性

水の熱的特性

各種放射率

日射量データ

10

Page 11: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

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分類 シート名 主な用途 計算機能・使用条件・制限など

自然空冷可否判断 自然空冷可否判断 ・自然空冷可能か、ファンが必要かの

大まかな判断を行う

・筐体の許容電力と容積の関係を限界線として

表示する。

自然空冷の

通風筐体

密閉筐体

自然空冷筐体 ・通風主体の自然空冷機器で、内部

発熱体を筐体に接触させない場合

の通風口面積や配置の検討

・発熱体や通風口位置による温度変化予測

・熱交換器装備や高高度使用時の計算も可能

・部品を筐体面に接触させるものには向かない

強制空冷の

通風筐体

強制空冷筐体 ・通風(換気)を行う強制空冷機器の

内部空気温度および各部の部品

温度を計算する

・使用ファンはライブラリに登録必要

・換気ファンによって内部風速による部品温度

計算が可能。

・風速増大のためのダクトや吸気口の設置が

可能

実装部品の伝導伝熱を行なう筐体

筐体伝導放熱機器 ・自然空冷通風/密閉筐体で内部発

熱体を筐体に接触させた場合

・内部ファン/外部ファンを設けた場合

・ケーブル放熱を考慮する場合の検討

・伝導放熱を用いた自然空冷機器について

熱回路網法による筐体の伝導計算を行う

・筐体各面の表面温度の算出

・筐体外気温度・風速が面ごとに異なる場合

自然空冷の

垂直基板列

自然空冷シエルフ概算 ・同一寸法・発熱の自然空冷基板が

平行に配置される場合の温度概算

・均一発熱の自然空冷垂直平板温度上昇を

求める理論式による推定

自然空冷シエルフ ・自然空冷基板が平行(垂直)に配置

される場合の空気・基板・実装部品の

温度の計算

・基板間の浮力と抵抗から風速を計算し温度を

予測する。部品温度、空気温度の計算可能

・基板放熱は等価熱伝導で概算

強制空冷の基板列 強制空冷シエルフ ・強制空冷基板が平行に配置される場合

の空気・基板・実装部品の温度計算

・ファン特性と流体抵抗から風量・風速を求め

空気の温度上昇、部品の温度上昇を計算

・基板放熱は等価熱伝導で概算

強制空冷シエルフ概算 ・同一寸法の強制空冷基板が平行に

配置される場合の空気温度概算

・均一発熱の強制空冷並行基板温度上昇を

理論式より算出

日射を受ける屋外設置筐体

日射受熱筐体 ・日射量を計算し、その影響による

機器内部温度を求める

・自然・強制とも可能だが風速・風量を指定

・熱伝達率は経験値を使用する

1.筐体設計用機能一覧(Thermocalc2014)

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Page 12: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

2.基板設計用機能一覧(Thermocalc2014)分類 シート名 主な用途 計算機能・使用条件・制限など

温度マージン概算

温度マージン一括計算

・予め計算した筐体内部温度を用いて

全部品の温度マージンを一括で計算

し、対策必要部品を抽出する

・追加表面積・風速増大・配置変更の

観点から大まかな対策を探る

・部品からプリント基板への放熱を考慮する

・他部品からの受熱は考慮しない

・対策前、対策後を比較した「熱対策効果

比較表」を出力できる

基板実装部品

の温度計算

実装部品温度計算 ・部品を基板に搭載した際の部品間の

相互影響や基板放熱を考慮して

温度を計算する

・着目部品の温度について、周囲部品からの

受熱を考慮して計算する

・各発熱体への放熱器設定が可能

基板温度分布

シミュレータ

・部品を基板に搭載した際の部品間の

相互影響や基板放熱を考慮して

温度を計算する

・20×20分割モデルに部品を搭載し、25個まで

の部品の解析可能

・配線パターンやビアの考慮が可能

部品単体の

温度計算

ユーティリティ

単体部品温度計算 ・部品1つの温度上昇を計算する

・配線パターンの放熱を考慮する

・多層基板やサーマルビアを含む実装状態で

の計算はできない。

単体部品過渡応答計算

・間欠発熱を行う部品に対し、加熱・

冷却時の温度変化を概算する

・チップとケースの区別はなく、ケース平均

温度上昇のみ計算

パルス部品過渡温度計算

・スイッチング素子など周期的なパル

ス発熱を行う部品のチップ温度変動

を見る

・ベンダーが提供する部品の過渡熱抵抗

データが必要である

プリント基板関連ユーティリティ

PCB等価熱伝導率計算

・基板の層構成や銅箔残存率から

PCBの面方向、厚み方向の等価

熱伝導率を計算する⇒他シート入力用

・PCBに限らず、熱伝導率と厚みの異なる

物体(筐体にグラファイトを貼った場合等)の

等価熱伝導率も計算できる

半導体パッケージ熱抵抗計算

・部品パッケージ寸法や仕様を入力し、

熱抵抗θJC、θJA、熱パラメータΨJTなどを推定する

・V1.2ではBGAパッケージのみ対応

配線ジュール発熱計算

・配線仕様と印加電流から配線の

温度上昇を計算する

・等幅配線に対応

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Page 13: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

3.ヒートシンク設計用機能一覧(Thermocalc2014)分類 シート名 主な用途 計算機能・使用条件・制限など

1部品実装ヒートシンク

自然空冷フィン ・自然空冷のくし型フィンの温度計算と

パラメータ 適化を行う

・フィンベース面内は均一な発熱・温度で計算

(総発熱量を与える)

強制空冷フィン ・強制空冷のくし型フィンの温度計算と

パラメータ 適化を行う

・同上 ・ファン特性の考慮が可能

・フィン周りの空気バイパスを考慮できる

強制空冷ピンフィン ・強制空冷のピン型フィンの温度計算

とパラメータ 適化を行う

・同上

複数部品実装

ヒートシンク

汎用ヒートシンク ・フィンベース面内の温度分布を考慮

して計算を行う

・部品は49個まで搭載可能

・フィン面と部品面の空気温度、風速は同じ

・風向は一方向のみ ・ファン特性考慮可能

・ベース厚や熱伝導率は一定

複数部品実装

プレート

・ フィンベース面内の温度分布を考慮

して計算を行う

・部品は147個まで搭載可能

・フィン面・部品面の風速、温度別設定、風向

4方向設定可能 ・ファン特性考慮可能

・セルごとに板厚、熱伝導率を設定可能

大パワー用ヒートシンクモジュール

強制空冷熱交換器 ・平行薄型フィンによる熱交換の性能

評価用 ・ファン特性を考慮する

・風速を計算し強制空冷シートと併用

・フィンベース面内は均一な発熱・温度で計算

(総発熱量を与える)

水冷ヒートシンク ・水冷式ヒートシンクの温度予測 ・熱源は1つ

ヒートシンク関連ユーティリティ

ヒートシンク概略

設計

・要求熱抵抗からヒートシンクの大きさ(容積)を概算し、フィン高さを求める

・包絡体積と熱抵抗の関係グラフを使用した

概略計算

放熱プレート ・円板および直線プレート平板のフィン

効率を考慮した温度を概算する

・円筒座標および直交座標の簡易計算

詳細形状はマルチ部品S等で行う

フィン効率 ・各種フィン効率の計算を行う

接触熱伝導 ・部品とHSの間の接触熱抵抗を計算 ・橘の式を用いた計算を行なう

伝導熱コンダクタンス ・放熱シートやケーブル被覆の熱抵抗

を計算する

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Page 14: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

分類 シート名 主な用途 計算機能・使用条件・制限など

データベース ファンライブラリ ・使用するファンのP-Qカーブを定義

・強制空冷系のシートでファンを指定

する際に必須

・ファンカタログより、P、Q値を読み取り、登録します。

部品DB ・温度マージン一括計算シートでDBから引用できる

・部品番号or品名のみ入力すればDBから必要な情報を抽出し部品リスト

を作ることができる

インタフェース FloTHERM ・FloTHERM.PCB用に部品情報を

CSV形式で出力する

・部品搭載位置情報は出力しない

部品DBインポート CSV形式で基板CADライブラリから

インポートする

部品表インポート 各CADごとに対応します 個別機能になります

4.主なユーティリティ、ライブラリ、インタフェース

分類 シート名 主な用途 計算機能・使用条件・制限など

各種ブロック

形状ユーティリティ

自然空冷ブロック ・HDDやモータなどの密閉された発熱

体の温度および温度の時間変化を

計算する

・発熱体温度は均一として平均温度を算出

強制空冷ブロック ・同上 強制空冷(風速入力)の場合

について計算する

・同上

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Page 15: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

3. Thermocalc 熱設計事例

簡単な情報処理端末を例にThermocalcを使った

熱設計の流れを紹介します

Page 16: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【第1ステップ】

筺体の熱設計初に筐体全体の冷却性能を検討します。

自然空冷通風型機器では通風口の検討、強制空冷ではファンの検討を行い、内部の各ユニットの温度を概算して冷却可能かどうか判断します

ここで使用するシート

Page 17: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

1.Thermocalcを使った「筐体熱設計」の流れ

■筐体計算で主に使うシートは3種類あるが、下記の流れで使う。自然空冷通風型機器では通風口の計算を「自然空冷筐体S」で行い、強制空冷通風型機器では風量、風速の計算を「強制空冷筐体S」で行った後、「筐体伝導冷却機器シート」で実装基板、ユニットの温度を概算する。密閉筐体では、筐体伝導冷却機器Sのみ使用する。

①自然空冷筐体S

③筺体伝導冷却S

②強制空冷筐体S

内部ユニットや筐体伝導部品の温度を含めた詳細な計算を行います

自然空冷可能かどうか、ざっくりした判断を行います

風量・風速を算出し、空気温度、部品温度を概算します

風量・風速必要な通風口面積を求め高空気温度を概算します

NY自冷OK?

Y

N通風OK?

部品温度マージン計算S

対策の仕分けを行います

通風口面積

密閉

17

・自然空冷シエルフ・強制空冷シエルフ

自然空冷可否判断Sシェルフタイプ

直付タイプ

Page 18: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

機器外形寸法:W220×D200×H100、使用温度範囲:0~40℃

筺体材質:樹脂(熱伝導率0.3W/mK)、 厚み:3㎜、 放射率:0.9総消費電力:30W

基板:W200×D180×t1.6、14W、 放射率:0.85

電源:W180×D60×H80、10W、放射率:0.3ユニット:W150×D130×H50、6W、放射率:0.3

下記の機器の各部(内部空気、表面、基板、ユニット、電源)の温度を予測し

自然空冷で冷却できるかどうか検討せよ。通風口が必要かどうかも検討せよ。

■機器構成200

130

■基板

【自然空冷例題】 設計要件

【設計条件】

ユニット温度70℃以下 ・基板温度80℃以下

220

100 基板

200

ユニット180

電源

18

Page 19: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■自然空冷可否判断シートで製品の成立性を概算できる容積ー消費電力マップで製品のポジション●が、赤線より下であれば、筺体を使った部品の伝導冷却を行わなくても対策できるが、赤線より上で青線より下だと、部品の伝導冷却が必要青線より上では、条件を満たすことが困難

【自然空冷例題】①自然空冷可否判断 自然空冷可否判断S

★この製品は密閉だと部品の筺体への伝導冷却が必要、通風孔があれば伝導冷却しなくても冷却可能と考えられる (許容温度60℃(温度上昇20℃)の場合)

通風口なし通風口あり

● 機器周囲温度Max 40 ℃ mm2

● 総消費電力(W) 30 W ●排気口 大面積 0 ●機器内部温度Max 60

● 装置外形(mm) (幅)(奥行き)(高さ) 容積 リッタ-電力密度

220 200 100 4400000 mm3 6.818 W/リットル

4.400 リットル

● 機器周囲温度Max 40 ℃ mm2

● 総消費電力(W) 30 W ●排気口 大面積 3600 ●機器内部温度Max 60

● 装置外形(mm) (幅)(奥行き)(高さ) 容積 リッタ-電力密度

220 200 100 4400000 mm3 6.818 W/リットル

4.400 リットル

機器内部温度は特に制約部品がなければ外気+20~25℃

2×30㎜のスリット60個で概算

19

Page 20: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■このシートでは参考として市販製品のプロットを表示することができる。この製品は一般的な自然空冷領域に位置することがわかる。

【自然空冷例題】①自然空冷可否判断 自然空冷可否判断S

20

本製品 本製品

Page 21: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

温度 温度上昇

内部空気温度(上部) 57.348 17.348 筐体上面 表面温度 55.922 15.922

 筐体底面 表面温度 57.121 17.121

 筐体正面 表面温度 49.418 9.418

 筐体背面 表面温度 49.418 9.418

 筐体左面 表面温度 47.764 7.764

 筐体右面 表面温度 47.764 7.764

 通風口排気風速m/s

 実装部品1 表面温度 75.657 35.657 実装部品2 表面温度 69.792 29.792 実装部品3 表面温度 77.759 37.759

0.154

【自然空冷例題】②各部温度計算

幅(m) 0.22 実効風量(m3/s)

奥行き(m) 0.2

高さ(m) 0.1 内部圧損

通風口面積(m2) 0.0036 0.153711562

部品/筐体面以外の 発熱量 (W)

機器総発熱量 30■冷却条件 ※上面の設定値を他の面にコピーできます。上面から入力してください ■計算結果

放射率(表面)

放射率(裏面)

熱伝導率(W/mK)

ケース厚みmm

ケース内面風速 m/s

ケース外面風速 m/s

面周囲空気温度℃

外表面積m2

(自動計算可)

内表面積m2

(自動計算可)

筐体面に取付けた発熱量(W)

外表面の熱抵抗(K/W)

各面の放熱量W

外表面の熱抵抗(自動計算)

K/W

上面(デフォルト条件) 0.9 0.9 0.3 3 40 0.0404 0.037916 0 0 6.2681 2.5462

底面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.0404 0.037916 0 0 5.6312 3.0472

正面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.022 0.020116 0 0 2.0274 4.6147

背面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.022 0.020116 0 0 2.0274 4.6147

左面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.02 0.018236 0 0 1.5136 5.1775

右面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.02 0.018236 0 0 1.5136 5.1775

放熱量合計 18.9813 0.649097667

表面積計算

幅奥行き

高さ

幅奥行き

高さ

上面

正面 右側面左側面

底面

上面の値を各面に設定

筐体計算

筐体伝導放熱S

自然空冷筐体Sよ

り温度が低いのは内側放射率が高いため

すべての部品が上部( 高温部)に配置されたとして悪の計算をしている

★平均温度からの判断としては、通風口を開ければ実装基板も温度条件をクリアできそうである

■実装部品1(発熱体7)

基板■実装部品2(発熱体8)

ユニット■実装部品3(発熱体9)

電源

幅(m) 0.2 幅(m) 0.15 幅(m) 0.18

奥行き(m) 0.18 奥行き(m) 0.13 奥行き(m) 0.06

高さ(m) 0.0016 高さ(m) 0.05 高さ(m) 0.08

発熱量(W) 14 発熱量(W) 6 発熱量(W) 10

放射率 0.85 放射率 0.3 放射率 0.3

実装位置 1 (0~1) 実装位置 1 (0~1) 実装位置 1

取付面番号/上 取付面番号/上 取付面番号/上

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

取付面番号/側 取付面番号/側 取付面番号/側

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

取付面番号/下 取付面番号/下 取付面番号/下

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

追加表面積 m2 追加表面積 m2 追加表面積

発熱体風速 m/s 発熱体風速 m/s 発熱体風速

接触部放射考慮 1 接触部放射考慮 1 接触部放射考慮 1

■筐体実装部品(3つまで)を基板、ユニット、電源として入力し、温度を予測すると、内部空気温度57.3℃、基板76℃、ユニット70℃、電源78℃となる (通風口3600㎜2の場合))

21

■次に「筐体伝導放熱機器シート」を使って内部基板、ユニットの温度を算出する

Page 22: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

下記の機器を下図のファンで強制空冷で冷却した場合の各部温度を予測せよ

■機器構成220

100 基板

200

ユニット

機器外形寸法:W220×D200×H100、使用温度範囲:0~40℃

筺体材質:樹脂(熱伝導率0.3W/mK)、厚み:3㎜、放射率:0.9吸気口面積:2×30㎜のスリット20個

総消費電力:65W基板:W200×D180×t1.6、30W、 放射率:0.85

電源:W180×D60×H80、20W、放射率:0.3ユニット:W150×D130×H50、15W、放射率:0.3

12

■使用ファン

【強制空冷例題】 設計要件

22

Page 23: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■発熱密度から、この筐体は自然空冷の限界を超えたものとなっていることがわかる

自然空冷可否判断S【強制空冷例題】①自然空冷可否判断

23

Page 24: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■次に「強制空冷筐体シート」を使って、実効風量と風速を計算する■排気温度上昇は5℃で充分低い ⇒ 換気能力は十分

内部風速が0.47~0.7m/sと低く、内部部品の冷却能力は低い■吸気口の突入風速が8.6m/sもあり、吸気口近傍に高発熱部品を配置すれば冷却能力は高い

【強制空冷例題】②風量、風速計算 強制空冷筐体S

ユニットによって流路断面が塞がれるため、次の式で小流路断面積を計算している

筺体断面積-ユニット断面積 =0.22×0.1-0.15×0.0524

Page 25: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■実装部品1(発熱体7)

基板■実装部品2(発熱体8)

UNIT■実装部品3(発熱体9)

LCD

幅(m) 0.2 幅(m) 0.16 幅(m) 0.18

奥行き(m) 0.18 奥行き(m) 0.13 奥行き(m) 0.06

高さ(m) 0.0016 高さ(m) 0.05 高さ(m) 0.08

発熱量(W) 30 発熱量(W) 15 発熱量(W) 20

放射率 0.85 放射率 0.3 放射率 0.3

実装位置 1 (0~1) 実装位置 1 (0~1) 実装位置 1

取付面番号/上 取付面番号/上 取付面番号/上

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

取付面番号/側 取付面番号/側 取付面番号/側

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

取付面番号/下 取付面番号/下 取付面番号/下

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

追加表面積 m2 追加表面積 m2 追加表面積

発熱体風速 0.469261 m/s 発熱体風速 0.4692607 m/s 発熱体風速 0.4692607

接触部放射考慮 1 接触部放射考慮 1 接触部放射考慮 1

幅(m) 0.22 実効風量(m3/s)

奥行き(m) 0.2 0.010323735

高さ(m) 0.1 内部圧損

通風口面積(m2) 0 0

部品/筐体面以外の 発熱量 (W) 筐体計算

放射率(表面)

放射率(裏面)

熱伝導率(W/mK)

ケース厚みmm

ケース内面風速 m/s

ケース外面風速 m/s

面周囲空気温度℃

外表面積m2

(自動計算可)

内表面積m2

(自動計算可)

筐体面に取付けた発熱量(W)

外表面の熱抵抗(K/W)

上面(デフォルト条件) 0.9 0.9 0.3 3 0.469261 40 0.044 0.041516 0 0

底面 0.9 0.9 0.3 3 0.469261 40 0.044 0.041516 0 0

正面 0.9 0.9 0.3 3 0.469261 40 0.022 0.020116 0 0

背面 0.9 0.9 0.3 3 0.469261 40 0.022 0.020116 0 0

左面 0.9 0.9 0.3 3 0.469261 40 0.02 0.018236 0 0

右面 0.9 0.9 0.3 3 0.469261 40 0.02 0.018236 0 0

温度 温度上昇

内部空気温度(上部) 44.291 4.291 筐体上面 表面温度 52.905 12.905

 筐体底面 表面温度 53.692 13.692

 筐体正面 表面温度 45.801 5.801

 筐体背面 表面温度 45.801 5.801

 筐体左面 表面温度 44.176 4.176

 筐体右面 表面温度 44.176 4.176

 通風口排気風速m/s

 実装部品1 表面温度 78.252 38.252 実装部品2 表面温度 65.418 25.418 実装部品3 表面温度 76.674 36.674

0.000

■ を押して風量、風速を引用すると筐体内面、発熱体に 小風速が設定される。排気は4.3℃で、基板が78℃、ユニットが65℃電源が77℃と予想される。

ただし、吸気口近くに発熱体を置くなどの対策で計算値より温度を下げることが可能

【強制空冷例題】③各部温度計算 筐体伝導放熱S

強制空冷筐体入力値引用

■次に「筐体伝導放熱機器シート」を使って、基板やユニットの温度を計算する

25

Page 26: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【シエルフ】 強制空冷シエルフの温度計算

960

対象部品搭載位置

下図に示すシエルフ型の強制空冷機器の空気温度上昇(MAX)を計算して下さい。また、 上段の基板上部に実装された下記の部品のケース温度とジャンクション温度を求めてください。

<プリント基板>

●基板の寸法:高さ300、奥行200、板厚1.6mm

●基板(1枚)の消費電力 : 27W

●基板間の実装ピッチ : 15mm

●シエルフ段数 : 3段

●シエルフ: 高さ320、幅380、奥行き250mm

●平均部品高さ : 3mm

●シェルフあたり実装基板枚数 : 24枚

●シエルフガイド部の通風孔面積:1500(mm2)

<部品>

●部品外形: 31×31×3(高さ)

●部品消費電力: 3W

●部品放射率: 0.9

●部品搭載位置: 上段

●ジャンクション-ケース間熱抵抗:1.2℃/W

<ファン>

●ファンの種類:山洋電気109E1212A102×3台

<周囲温度> 40℃周囲温度:40℃総発熱量 1944W

15

通風口面積1500mm2

320

3

1.6

300

通風口面積1500mm2380

26

Page 27: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

0

2

4

6

8

10

12

14

0 2 4 6 8 10 12 14 16

圧力

(kg/m2)

風量(m3/分)

ファンデータベースからの検索結果

予想通風抵抗曲線

■「強制空冷シエルフ概算S」を使って池井さんすると、シエルフ出口空気温度は14.5℃アップ、部品ケースは47.1℃アップ、ジャンクションは 50.7℃アップ(90.7℃)になる。

■データ入力

プリント基板ユニット段数 3 (間隙)

プリント基板実装ピッチ(mm) 15 10.4

プリント基板の高さ(mm) 300

プリント基板の奥行き(mm) 200

平均部品高さ(mm) 3

プリント基板板厚(mm) 1.6

プリント基板1枚の消費電力(W) 27 実効風量

使用するファンの 大風量(m3/分) 3.425 7.285776

使用するファンの個数(個) 3 3.2690432

シェルフあたりの基板枚数(枚) 24 PCB当風量

装置周囲温度(℃) 40

シエルフガイド部の通風口面積(mm2) 1500

■計算結果  ガイド部の開口率(%) 55.970149

出口空気平均温度上昇(℃)

14.50115566******* 以下は、この筐体に実装された部品温度計算を行う■部品データ入力 (m)

部品長さ(縦:流れ方向)mm 31 0.031

部品長さ(横)mm 31 0.031

部品の高さ  mm 3 0.003

ジャンクション-ケース間熱抵抗(℃/W) 1.2

部品の消費電力 3

部品ケース放射率 0.9

部品の位置(シェルフ 下段からの距離) 960 0.96

■計算結果

部品表面温度上昇(℃) :装置周囲温度に対する値

47.144906部品ジャンクション温度上昇(℃)

50.744851

【シエルフ】 強制空冷シエルフの温度計算②

メーカ 山洋電気

ファン動作点 静圧 風量(m3/分) 型名 109E1212A102

3.269043 7.2857761 外形 119 mm

平均風速 2.33518 m/s 大風量 3.424999952 m3/分

ファン個数 3 個

27

Page 28: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【第2ステップ】

部品・基板の熱設計筐体内に実装する全部品の温度を計算し、危険な部品と安全な部品に仕分けます。その後、放熱パラメータを振って対策を検討します。

ここで使用するシート

Page 29: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

1.Thermocalcを使った部品・基板関連シート利用の流れ

■部品温度マージン計算シートで部品の危険度を判定し、その後対策の仕分けを行い、

対策に応じたシートを用いて検証します

部品温度マージン計算S 対策の仕分けを行います

実装部品温度計算S 複数部品実装プレートヒートシンク計算S

基板で冷却する風速を上げる

ヒートシンクやプレートを付ける

筐体に接触させて放熱する

基板実装時の温度予測

適ヒートシンクの設計・選定

筐体取り付け時の温度予測

熱対策具体案の検討

筺体の熱計算

29

Page 30: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【基板仕様】

基板は6層板、銅厚35μ残銅率 表裏60%、内層90%

表面放射率0.85

200

130

■基板概要

【温度マージン】 設計要件 基板仕様と部品リスト

部品番号 ピン数チップ

温度上限ケース

温度上限消費電力

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4部品② 100 90 90 11 11 1.7 0.45部品③ 40 85 85 6 6 1 0.15部品④ 144 100 100 10 10 1 0.6部品⑤ 720 85 85 29 29 2.6 1部品⑥ 16 100 100 10 20 1.5 0.8部品⑦ 324 90 90 19 19 2.2 0.7部品⑧ 84 85 85 8 12.5 1.2 0.3部品⑨ 565 90 90 31 31 2.23 3.5部品⑩ 144 90 90 12 12 1.75 0.4部品⑪ 176 85 85 24 24 1.5 0.35部品⑫ 54 85 85 22.22 11.75 1.8 0.4部品⑬ 48 85 85 12 18.4 1 0.07部品⑭ 48 85 85 55 25 2.5 1.2

外形寸法(mm)

下記の基板および部品が自然空冷筐体に実装されている。筐体内部温度上昇を20℃(事前の

筐体設計で算出済みとする)としたとき、対策が必要な部品はどれか? またどのような対策を行えばよいか?

30

Page 31: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

基板エリア幅(mm) 基板エリア奥行き(mm)

計算領域 10 10材料の熱伝導率 層厚さ 銅箔残存率 本数 ビア内径 メッキ厚 メッキ熱伝導率

(W/mK) (mm) (ベタ=1,なし=0) (本) (mm) (mm) (W/mK)

1層目 380 0.035 0.6 - - - -

1-2層間 0.35 0.278 - 0 0.2 0.02 370

2層目 380 0.035 0.9 - - - -

2-3層間 0.35 0.278 - 0 0.2 0.02 370

3層目 380 0.035 0.9 - - - -

3-4層間 0.35 0.278 - 0 0.2 0.02 370

4層目 380 0.035 0.9 - - - -

4-5層間 0.35 0.278 - 0 0.2 0.02 370

5層目 380 0.035 0.9 - - - -

5-6層間 0.35 0.278 - 0 0.2 0.02 370

6層目 380 0.035 0.6 - - - -

6-7層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

7層目 370 0 0.8 - - - - 面方向等価熱伝導率(W/m℃)

7-8層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370 40.204063

8層目 370 0 0.8 - - - -

8-9層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370 厚み方向等価熱伝導率(W/m℃)

9層目 370 0 0.8 - - - - 0.402805

9-10層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

10層目 370 0 0.5 - - - -

10-11層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

11層目 370 0 0.1 - - - -

11-12層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

12層目 370 0 0.1 - - - -

12-13層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

13層目 370 0 0.1 - - - -

13-14層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

14層目 370 0 0.1 - - - -

14-15層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

15層目 370 0 0.1 - - - -

15-16層間 0.3 0 - 0 0.2 0.018 370

16層目 370 0 0.1 - - - -

ト-タル板厚 1.6

1層目(パタ-ン表層)

N層

面方向

板厚方向

サーマルビア

【温度マージン】マージン計算① 基板の等価熱伝導率

■部品の温度は実装する基板によって異なるため、 初に基板の等価熱伝導率を算出しておくこの計算には「PCB等価熱伝導率計算シート」を用いる

この基板の等価熱伝導率は、面方向40.2W/mKと大きい。

部品の熱は基板に拡散しやすい

PCB等価熱伝導率S

31

Page 32: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

外気温度 40 ℃ 20筐体内部空気温度上昇

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

Rjc 風速

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ℃/Wパターン幅/

部品外周

(mm)

パターン厚/

基板厚(mm)

パターン(基

板)の熱伝

導率

部品接続配

線パターン

本数

パターン表

面放射率

パターン長

さ(mm)m/S

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 0.9 1 11.4 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品② 100 90 90 11 11 1.7 0.38 0.9 1 44 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品③ 40 85 85 6 6 1 0.15 0.9 1 24 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品④ 144 100 100 10 10 1 0.55 0.9 1 40 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑤ 720 85 85 29 29 2.6 1 0.9 1 116 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑥ 16 100 100 10 20 1.5 0.8 0.9 1 60 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑦ 324 90 90 19 19 2.2 0.7 0.9 1 76 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑧ 84 85 85 8 12.5 1.2 0.3 0.9 1 41 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑨ 565 90 90 31 31 2.23 3.5 0.9 1 124 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑩ 144 90 90 12 12 1.75 0.4 0.9 1 48 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑪ 176 85 85 24 24 1.5 0.35 0.9 1 96 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑫ 54 85 85 22.22 11.75 1.8 0.4 0.9 1 67.94 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑬ 48 85 85 12 18.4 1 0.07 0.9 1 60.8 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

部品⑭ 48 85 85 55 25 2.5 1.2 0.9 1 160 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1

面積拡大率

    基板放熱情報 (配線仕様) 部品周囲

空気温度

上昇低減

(0~1)

追加表面積

(mm2)

部品放射率

外形寸法(mm) 基板モデル生成

【温度マージン】マージン計算② 部品温度計算

■次に「部品温度マージン計算シート」で全部品の温度を一括計算し、温度上限に対する余裕(温度マージン)を確認する。部品DBに登録してあれば、部品番号の入力だけで必要なデータを引用できる

温度マージン計算S

①筺体伝導放熱機器Sで計算した「内部空気温度上昇」と外気温度を入力(引用)します

②部品リストを作成します。部品DBに部品情報が格納されていれば部品番号を指定するだけで引用出来ます

③部品放射率はプラスチック、セラミックパッケージであれば0.9、金属パッケージであれば0.3を入力します

④面積拡大率と部品周囲温度上昇低減に1を入力します

⑤「基板モデル生成」ボタンを押して基板の等価熱伝導率等を設定します(自動)

⑥マージン一括計算ボタンを押して計算します

② ③ ④ ④

32

Page 33: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ケース チップ ケース チップ 現在値 目標値

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 -58.48 -58.48 148.48 148.48 221.20 75.00

部品② 100 90 90 11 11 1.7 0.38 4.10 4.10 85.90 85.90

部品③ 40 85 85 6 6 1 0.15 3.74 3.74 81.26 81.26

部品④ 144 100 100 10 10 1 0.55 2.94 2.94 97.06 97.06

部品⑤ 720 85 85 29 29 2.6 1 4.67 4.67 80.33 80.33

部品⑥ 16 100 100 10 20 1.5 0.8 5.10 5.10 94.90 94.90

部品⑦ 324 90 90 19 19 2.2 0.7 5.71 5.71 84.29 84.29

部品⑧ 84 85 85 8 12.5 1.2 0.3 2.31 2.31 82.69 82.69

部品⑨ 565 90 90 31 31 2.23 3.5 -21.81 -21.81 111.81 111.81 14.80 8.57

部品⑩ 144 90 90 12 12 1.75 0.4 5.23 5.23 84.77 84.77

部品⑪ 176 85 85 24 24 1.5 0.35 14.45 14.45 70.55 70.55

部品⑫ 54 85 85 22.22 11.75 1.8 0.4 7.39 7.39 77.61 77.61

部品⑬ 48 85 85 12 18.4 1 0.07 20.45 20.45 64.55 64.55

部品⑭ 48 85 85 55 25 2.5 1.2 8.10 8.10 76.90 76.90

熱抵抗Rca(℃/W) 外形寸法(mm) 機器実装時温度(℃)機器実装時

温度マージン(℃)

【温度マージン】マージン計算③ 部品温度計算

■基板への放熱を考慮して、全部品の温度を一括計算し、温度上限を超えない(温度マージンが+である)ことを確認する

温度マージン計算S

■この例では、2つの部品(①、⑨)が上限温度を超える危険部品として抽出された。

■次に対策の難易度を判定する。判定は 「目標熱抵抗」に着目し、下記の基準をベースとする

(数値は自然空冷機器の場合の一例である)

目標熱抵抗>30K/Wであれば基板レベルの対策でクリアできる可能性がある

目標熱抵抗<30K/Wであれば放熱器やプレートなどの冷却部品が必要

目標熱抵抗<10K/Wであれば大型のヒートシンクが必要

この判断から、「部品⑨は放熱機構が必要、部品①は基板で対策する」という結論が得られる33

Page 34: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【温度マージン】マージン計算④ 対策方針の検討

■放熱面積の増大◆基板での対策 <マージンシートのパラメータ>

・基板面方向への放熱 ⇒ 部品周囲の放熱面積確保 ------- パターン長さ(部品周囲領域)(部品間の距離をあける)

⇒ 基板面方向等価熱伝導率増 ----- パターンの熱伝導率(残銅率、銅厚確保)

・基板厚み方向への放熱 ⇒ ビアによる裏面への放熱 (実装部品Sで計算)

・部品-基板間熱抵抗低減 ⇒ サーマルボール、アンダーフィル等 (実装部品Sで計算)

◆放熱器の取付け ⇒ ヒートシンク/プレートの取付け --- 追加表面積

■部品周囲温度の低減

・部品/基板実装位置変更 ⇒ 気流の上流側への配置 ---------- 部品周囲空気温度低減率

⇒ 筐体下部(自然空冷)への配置 -- 部品周囲空気温度低減率

■熱伝達率の増大

・風速増大 ⇒ 吸気口からの突入風速利用 ------ 風速

⇒ ダクトによる風速増大 ------------- 風速

温度マージン計算S

■対策効果をより定量的に把握し、パラメータを決めるため、以下の3つの対策視点からシミュレーションを行う

34

Page 35: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

Rjc 風速

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ℃/Wパターン幅/

部品外周(mm)

パターン厚/

基板厚(mm)

パターン(基

板)の熱伝導率

部品接続配

線パターン本数

パターン表

面放射率

パターン長

さ(mm)m/S ケース チップ ケース チップ

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 0.9 1 11.4 1.6 40.2041 2 0.85 30 0 1 2.71 2.71 87.29 87.29

面積拡大率

    基板放熱情報 (配線仕様) 部品周囲

空気温度

上昇低減

(0~1)

部品放射率

外形寸法(mm) 機器実装時温度(℃)機器実装時

温度マージン(℃)追加表面積

(mm2)

基板モデル生成

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

Rjc 風速

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ℃/Wパターン幅/

部品外周(mm)

パターン厚/

基板厚(mm)

パターン(基

板)の熱伝導率

部品接続配

線パターン本数

パターン表

面放射率

パターン長

さ(mm)m/S ケース チップ ケース チップ

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 0.9 450 1 11.4 1.6 40.2041 2 0.85 5 0 1 0.18 0.18 89.82 89.82

面積拡大率

    基板放熱情報 (配線仕様) 部品周囲

空気温度

上昇低減

(0~1)

部品放射率

外形寸法(mm) 機器実装時温度(℃)機器実装時

温度マージン(℃)追加表面積

(mm2)

基板モデル生成

【温度マージン】マージン計算⑤ 対策方針の検討 温度マージン計算S

■部品①、⑨の熱対策を具体化する。ここではパラメータを振って大まかな対策方針をたてる。

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

Rjc 風速

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ℃/Wパターン幅/

部品外周(mm)

パターン厚/

基板厚(mm)

パターン(基

板)の熱伝導率

部品接続配

線パターン本数

パターン表

面放射率

パターン長

さ(mm)m/S ケース チップ ケース チップ

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 0.9 1 11.4 1.6 60 2 0.85 5 0 0 -41.73 -41.73 131.73 131.73

面積拡大率

    基板放熱情報 (配線仕様) 部品周囲

空気温度

上昇低減

(0~1)

部品放射率

外形寸法(mm) 機器実装時温度(℃)機器実装時

温度マージン(℃)追加表面積

(mm2)

基板モデル生成

(1)部品の周囲空気温度を外気と同じにしても温度オーバー

(2)450㎜2程度の放熱プレートを付ければ対策できる

(3)隣接部品との間を30㎜程度あければ対策できる

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

Rjc 風速

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ℃/Wパターン幅/

部品外周

(mm)

パターン厚/

基板厚(mm)

パターン(基

板)の熱伝

導率

部品接続配

線パターン

本数

パターン表

面放射率

パターン長

さ(mm)m/S ケース チップ ケース チップ

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 0.9 1 11.4 1.6 40.2041 2 0.85 5 1.5 1 4.81 4.81 85.19 85.19

面積拡大率

    基板放熱情報 (配線仕様) 部品周囲

空気温度上昇低減

(0~1)

部品放射率

外形寸法(mm) 機器実装時温度(℃)機器実装時

温度マージン(℃)追加表面積

(mm2)

基板モデル生成

(4)風速1.5m/sで強制空冷すれば対策できる

部品番号 ピン数チップ

温度上限

ケース

温度上限

消費電力

Rjc 風速

又は形状種別

(℃) (℃) 縦又は直径

横 高さ W ℃/Wパターン幅/

部品外周

(mm)

パターン厚/

基板厚(mm)

パターン(基

板)の熱伝

導率

部品接続配

線パターン

本数

パターン表

面放射率

パターン長

さ(mm)m/S ケース チップ ケース チップ

部品① 8 90 90 2.8 2.9 1.1 0.4 0.9 1 11.4 1.6 100 2 0.85 5 0 1 -58.36 -58.36 148.36 148.36

面積拡大率

    基板放熱情報 (配線仕様) 部品周囲

空気温度上昇低減

(0~1)

部品放射率

外形寸法(mm) 機器実装時温度(℃)機器実装時

温度マージン(℃)追加表面積

(mm2)

基板モデル生成

(5)周囲にベタパターンを設けても周囲を空けないと温度は下がらない

35

Page 36: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【第3ステップ】

熱対策の検討①~基板に熱を逃がす~

ここで使用するシート

Page 37: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

1.Thermocalcを使った部品・基板関連シート利用の流れ

■対策が必要な部品のうち、基板で対策できそうなものについて、より具体的な対策を検討します。部品配置間隔をあける、部品と基板の熱結合を強化する、ビアを設けるスプレッダを残す などが主な熱対策です

部品温度マージン計算S 対策の仕分けを行います

実装部品温度計算S 複数部品実装プレート

基板で冷却する風速を上げる

ヒートシンクやプレートを付ける

筐体に接触させて放熱する

基板実装時の温度予測

適ヒートシンクの設計・選定

筐体取り付け時の温度予測

熱対策具体案の検討

筺体の熱計算

ヒートシンク計算S

37

Page 38: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品①の熱対策 次に部品①(2.9×2.8mm MOSFET、0.4W)の温度を予測し、基板での対策を

検討する。特定の部品温度を計算する場合、基板全体の解析は必要なく、部品周囲の領域

(周囲50~60㎜程度)を切り出して解析すればよい。下記のように周囲50×50mm領域を切り出す。

実装部品温度S【基板】基板放熱計算①

②11 ×11

②11 ×11⑤29×29

⑧8×12.5

⑥10×200.8W

⑨31×31

⑪24×24⑬18×12

⑦19×19

⑩12×12

⑩12×12

⑧8×12.5

⑦19×19

⑫10×22

③6×6

10×100.6W

⑭55×25

①2.9×2.80.4W

この領域を切り出し実装部品温度計算Sを用いて計算を行う

0.70.3

10

BGA

SOP8

部品①

38

Page 39: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

0.4

0.8

0.6

部品① 部品④

部品⑥(裏)

10 20

10

10

10

10

10 10

10

切り出した基板の寸法を下記のように考える。また部品の詳細寸法のとおりとする

周囲空気温度60℃

周囲空気温度は筐体計算の結果を

用いる

部品①

実装部品温度S【基板】基板放熱計算②

39

Page 40: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

基板および部品のスペックは以下のとおりとする

■部品①

・部品サイズ:2.8×2.9×1.1mm ・消費電力:0.4W ・放射率:0.9

・Rjc熱抵抗:0.3℃/W

・リード形状: 長さ0.5㎜、断面0.127×0.2mm、本数 8、熱伝導率 180W/m℃

・リードの総表面積 3.632㎜2

■部品④

・部品サイズ:10×10×1mm ・消費電力:0.6W

■部品⑥(裏面搭載)

・部品サイズ:10×20×1.5mm ・消費電力:0.8W

■基板スペック

・解析基板領域:50×50mm ・板厚:1.6mm

・銅箔厚:35μm、熱伝導率 370W/mK、銅箔残存率は下記

・表層1層:銅箔残存率60% ・内層2層:銅箔残存率90%

・内層3層:銅箔残存率90% ・内層4層:銅箔残存率90%

・内層5層:銅箔残存率90% ・裏面6層:銅箔残存率60%

・放射率:0.85 ・プリント基板基材熱伝導率:0.54W/mK、厚み方向は0.35W/mK

【基板】基板放熱計算③ 実装部品温度S

40

Page 41: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

◆冷却条件 表面(m/s) 裏面(m/s)

風速(自然空冷は0m/s) 0 0

部品周囲空気温度 60.86 60.86

空気の流れ方向 5 表面 表面側

◆部品外形 6 裏面

部品パッケージ縦寸法(X方向) 2.8 (mm)

部品パッケージ横寸法(Y方向) 2.9 (mm)

部品高さ 1.1 (mm)

追加表面積 3.632 (mm2)

◆部品スペック 裏面側

ジャンクションケース間熱抵抗Rjc 0.3 (K/W)

部品の消費電力 0.4 (W)

ケース放射率 0.9

中央からリードまでの長さ(X) 1.4 (mm)

中央からリードまでの長さ(Y) 1.45 (mm)

ピンのある辺の数(1,2,4) 2

パッケージの等価熱伝導率 100 (W/mK) セル幅(mm)

◆部品搭載位置 縦方向セル番号 横方向セル番号

部品が搭載される位置(セル番号) 3 3

◆基板外形

基板 縦寸法(X方向) 0.05 (m)

基板 横寸法(Y方向) 0.05 (m)

基板板厚 1.6 (mm)

◆基板スペック 厚み(mm) 熱伝導率(W/mK)

表層銅箔 0.035 380

内層銅箔(合計) 0.14 380

裏層銅箔 0.035 380

基材(銅箔層除く) 1.39 0.35

基板表面/裏面の放射率 0.85 0.85

◆部品-基板間の接続

リード長さ 0.5 (mm)

リード断面積(縦×横) 0.0254 (mm2)

リード本数 8 本

リードの熱伝導率 180 (W/m℃)

部品-基板間の熱伝導体の断面積 8.12 (mm2)

部品基板間の熱伝導体の厚み 0.1 (mm)

熱伝導体の熱伝導率 0.03

◆サーマルビア (mm)

直径(内径) 0.2 熱伝導率(W/mK)

銅箔厚(mm) 0.018 380

本数(部品下部) 0 本

ビア充填材の熱伝導率 0.028 (W/mK)

計算反復回数 3

部品表面積 2.4292E-05

部品上面-空気への熱抵抗(K/W) 0

基板の消費電力(均一分布)W 0

自動分

部品計算

部品周囲

サーマルビア

1

2

3

4

5

6

7

1

2

3

4

5

6

7

基板水平置きなので、部品面は5、はんだ面は6を指定します

リードの表面積から概算します

内層は全内層の厚み合計を入力します。

各内層で残存率などが異なる場合、等価熱伝導率計算シートで内層部の等価熱伝導率を計算し、その結果を入力します。

ビア充填材がない場合には、空気の熱伝導率を入れます

中央からリードまでの長さ(横)

部品横

部品縦

中央からリードまでの長さ(縦)

部品パッケージの中央と端の温度差を計算するためにチップ中央から端子までの長さを入れます。BGAではバンプ列の中央までの長さを入れてください

リードが設けられた辺の数を入れます

BGA/QFPモールドパッケージは5、セラミックは15としてください。ディスクリート部品は大きな値(100以上)としてください

部品を搭載するセルのアドレスです。ここを変えたら必ず「自動分割」を押してください

部品底面の空気層からの熱伝導計算のために部品の底面積を入れます

部品と基板の間の隙間(Stand off寸法)を入れます

空気の熱伝導率を入れます(0.03W/mK程度)

【基板】基板放熱計算④ 入力方法

ヒートシンクを設ける場合、予め自然・強制フィンSで計算した結果を入力します

自動分割

0.6 0.6

0.9 0.9

0.6 0.6

実装部品温度S

41

Page 42: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

0.4320.168

0.116 0.684

1 2 3 4 5 6 71

2

3

4

567

1

2

3

4

567

30.609219 30.79517 31.00766 31.18649 33.401734 32.10277 31.67153 10

31.788666 32.99346 35.50567 32.6203 47.667254 34.24808 32.28931 7.2

32.701198 37.4553 66.54298 33.61308 44.814941 33.47134 31.8682 2.8

32.568052 34.35175 38.3982 33.37988 35.321522 32.19042 31.3545 5

32.326628 33.00579 33.80141 33.74823 32.511617 31.13757 30.65249 5

32.148908 32.75743 33.51478 34.93966 31.207081 30.07694 29.69717 10

30.965808 31.2178 31.51294 32.18118 29.793904 28.98964 28.71039 10

30.570491 30.69488 30.82307 31.11845 32.499074 31.89826 31.61036 50

31.488333 31.82256 32.08615 32.08877 34.39408 32.6508 31.97332

31.964088 32.50844 33.06584 32.67675 33.823369 32.24281 31.63037

32.182989 32.6985 33.16505 33.22358 33.029463 31.74937 31.24067

32.289697 32.94854 33.93375 35.00783 32.194532 31.04226 30.61957

32.467193 34.3976 41.5662 45.56386 31.609897 30.11906 29.70332

31.016142 31.38184 31.94055 32.84629 29.845847 28.99822 28.71249

5 5 2.9 17.1 10 5 5 50

1 2 3 4 5 6 7

解析セル数は7×7分割固定のため、以下のようにセル幅を決め、縦横7分割になるようにする。注目する部品は1つのセルに割り当てる。このため周囲部品は複数セルに分断される場合がある。その場合、発熱量をセルの面積比率で分配する。

0.4

0.116+0.684

0.432+0.168

部品①部品④

部品⑥(裏)

10 20

10

10

10

10

10 10

10

7.2

5

5

5 5 2.9

2.8

17.1 5 5

セル分割幅の入力

搭載部品の発熱量を与える。

発熱量は部品搭載領域に

面積比で分割して配置する

【基板】基板放熱計算⑤

各セルの高さ

各セルの幅

隣接部品は

発熱量のみをセルに割り振る

実装部品温度S

42

Page 43: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品ケース温度(℃) 112.87 52.009 130.022

部品チップ温度(℃) 112.99 52.129 130.322 基板温度上昇分布 セル高(mm)

25.893309 26.03142 26.14147 26.03443 27.409677 26.46774 26.13413 10

26.96392 28.00118 29.63082 27.11121 34.831327 27.98085 26.66907 7.2

27.665021 31.01062 46.4214 27.71769 33.131334 27.47889 26.42156 2.8

27.484891 28.95321 31.5187 27.45089 28.711033 26.70353 26.10733 5

27.047354 27.53487 27.97743 27.32343 26.898696 26.01356 25.69138 5

26.653279 26.87716 27.109 27.48062 25.965116 25.38892 25.18542 10

26.129465 26.22554 26.32985 26.55184 25.364757 24.93978 24.78976 10

25.906884 25.94817 25.9791 26.03145 26.532242 26.25086 26.11329 50

26.473481 26.59509 26.66167 26.58565 27.218032 26.57341 26.30045

26.759859 26.96198 27.11962 26.98642 27.077198 26.43444 26.17057

26.921334 27.15097 27.3393 27.39965 26.866424 26.25785 26.01506

27.045657 27.42208 27.93592 28.58219 26.633612 25.98398 25.75389

27.240104 28.32042 31.29936 33.59841 26.529259 25.61807 25.36528

26.44419 26.66986 26.9854 27.52628 25.652265 25.14099 24.97171

5 5 2.9 17.1 10 5 5 50

1 2 3 4 5 6 7

X

計算結果 温度マージン計算シートでは149℃の予測であったが、部品周囲に放熱面積があるため、厳密な計算では113℃と予想される。ただし温度上限90℃を超えてしまう

①②

対策の考え方 部品の温度を下げる方法は、「周囲の温度の低い部分とつなぐ」ことである①部品ケース温度上昇と基板面の温度上昇に差があれば、サーマルパッドやアンダー

フィルなど部品と基板の熱抵抗低減が有効②部品直下の基板温度上昇と周囲の温度上昇に差があれば残銅率アップによるヒート

スプレッド効果が効く③部品直下の基板温度上昇と基板裏面側の温度上昇に差があればビアや銅コアの

設置が効く⇒ この部品はスプレッダやビアの対策が有効と思われる

【基板】基板放熱計算⑥

43-4442-4341-4240-4139-4038-3937-3836-3735-3634-3533-3432-3331-3230-3129-3028-2927-2826-2725-2624-2523-2422-2321-2220-2119-2018 19

実装部品温度S

43

Page 44: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品ケース温度(℃) 96.205 35.345 88.3615

部品チップ温度(℃) 96.325 35.465 88.6615 基板温度上昇分布 セル高(mm)

26.087045 26.16288 26.22213 26.24453 27.628592 26.68256 26.34708 10

26.846532 27.27325 27.82253 27.14079 35.035047 28.1917 26.87986 7.2

27.244441 28.3883 32.72883 27.45267 33.32353 27.68704 26.6306 2.8

27.262637 27.85373 28.68338 27.40844 28.907638 26.91078 26.31509 5

27.094951 27.36249 27.58171 27.45411 27.103416 26.22027 25.89746 5

26.862115 27.06385 27.28295 27.6916 26.173548 25.59367 25.38869 10

26.358207 26.45108 26.55246 26.76953 25.570618 25.14156 24.99011 10

26.244089 26.30168 26.33576 26.30936 26.762791 26.47046 26.32944 50

26.94833 27.24504 27.54782 26.93399 27.45465 26.7934 26.51589

27.32071 28.06053 30.37109 27.40656 27.315175 26.65325 26.38458

27.422019 27.89798 28.46755 27.76282 27.100618 26.47487 26.22756

27.430171 27.87452 28.43509 28.87839 26.85953 26.19746 25.96379

27.519283 28.60407 31.57978 33.84197 26.744482 25.82615 25.57105

26.685745 26.90983 27.22198 27.75064 25.860898 25.34488 25.17398

5 5 2.9 17.1 10 5 5 50

1 2 3 4 5 6 7

X

部品ケース温度(℃) 109.99 49.127 122.817

部品チップ温度(℃) 110.11 49.247 123.117 基板温度上昇分布 セル高(mm)

25.931066 26.06935 26.17895 26.06735 27.438441 26.49537 26.16139 10

27.006708 28.04984 29.68859 27.14664 34.860184 28.00838 26.69618 7.2

27.710656 31.07717 46.58731 27.75571 33.160079 27.50623 26.44849 2.8

27.527867 29.00476 31.58553 27.48633 28.739487 26.73067 26.13408 5

27.085434 27.57494 28.01876 27.35595 26.926575 26.04036 25.71783 5

26.68611 26.90988 27.14122 27.51034 25.992129 25.41516 25.2114 10

26.159563 26.25539 26.35931 26.58001 25.39109 24.96554 24.81533 10

25.9439 25.98475 26.01483 26.06416 26.561196 26.27872 26.14078 50

26.512169 26.63373 26.69948 26.61899 27.246952 26.60114 26.32779

26.798463 27.00085 27.15802 27.01959 27.105897 26.46196 26.19771

26.95922 27.18897 27.3766 27.43234 26.894874 26.28518 26.04202

27.081531 27.45776 27.97084 28.61374 26.661593 26.01097 25.78056

27.272699 28.35269 31.33104 33.62812 26.556466 25.64452 25.39148

26.474464 26.69988 27.01502 27.55465 25.678816 25.16697 24.99749

5 5 2.9 17.1 10 5 5 50

1 2 3 4 5 6 7

X熱伝導性アンダーフィルにより3℃下弱がる

追加対策で Φ0.2サーマルビアを25本部品下に設け、内層、裏面に放熱する

さらに14℃下がる

リード長さ 0.5

リード断面積(縦×横) 0.0254

リード本数 8

リードの熱伝導率 180

部品-基板間の熱伝導体の断面積 8.12

部品基板間の熱伝導体の厚み 0.1

熱伝導体の熱伝導率 1

【基板】基板放熱計算⑦

◆サーマルビア (mm)

直径(内径) 0.2銅箔厚(mm) 0.018

本数(部品下部) 25ビア充填材の熱伝導率 0.028

実装部品温度S

44

Page 45: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品ケース温度(℃) 95.47 34.61 86.5253

部品チップ温度(℃) 95.59 34.73 86.8253 基板温度上昇分布 セル高(mm)

26.335614 26.40637 26.45978 26.47138 27.573019 26.63971 26.3068 10

27.023297 27.41483 27.89678 27.3011 34.812579 28.10962 26.82195 7.2

27.371711 28.38539 31.99046 27.55267 33.146613 27.61202 26.57368 2.8

27.379105 27.93793 28.6724 27.48665 28.802151 26.84715 26.26123 5

27.134199 27.40267 27.61964 27.45964 27.043487 26.16835 25.84866 5

26.841901 27.04176 27.25906 27.6629 26.130769 25.55053 25.3457 10

26.32809 26.42024 26.52084 26.73582 25.532147 25.10216 24.95044 10

26.458543 26.50345 26.52658 26.48795 26.750684 26.44074 26.29507 50

27.05404 27.29309 27.53015 27.03393 27.411869 26.74831 26.47078

27.367567 27.96378 29.76185 27.44749 27.276353 26.60707 26.33788

27.454519 27.85876 28.32501 27.74623 27.065882 26.42904 26.18072

27.414782 27.83037 28.36054 28.77073 26.813653 26.15177 25.91808

27.488286 28.56796 31.53939 33.79553 26.702072 25.78355 25.52837

26.653676 26.87675 27.18791 27.71427 25.821995 25.30521 25.13406

5 5 2.9 17.1 10 5 5 50

1 2 3 4 5 6 7

X

43-4442-4341-4240-4139-4038-3937-3836-3735-3634-3533-3432-3331-3230-3129-3028-2927-2826-2725-2624-2523-2422-2321-2220-2119-2018 19

部品周辺(隣接部品と反対側)にベタパターンを設ける(部品面、はんだ面とも)

【基板】基板放熱計算⑧

1 2 3 4 5 6 7

1 1 1 11 1 1 11 1 1 11 1 1 1

内層合計

裏層

1 1 1 11 1 1 11 1 1 11 1 1 1

熱伝導率X 熱伝導率Y 熱伝導率Z 厚み

W/mK W/mK W/mK mm

1 380 380 380 0.0352 0.35 0.35 0.35 0.0353 308 308 308 0.0354 20 30 0.35 2

物性値番号

備考

33-3432-3331-3230-3129-3028-2927-2826-2725-2624-2523-2422-2321-2220-2119-2018-1917-1816-1715-1614-1513-1412-1311-1210-119-108 9

さらに1℃下がる。ただし目標の90℃以下にするのは厳しいことがわかる。

隣接発熱体の影響が大きいので、レイアウトの変更を検討する

実装部品温度S

45

Page 46: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

部品ケース温度(℃) 76.734 15.734 39.3346 各セルの消費電力(W)設定表

部品チップ温度(℃) 76.854 15.854 39.6346 基板温度上昇分布 セル高(mm) 表面側 ※発熱体が搭載されている場所に消費電力を入力してください

8.1739667 8.135438 8.013737 7.45389 6.7897127 6.58013 6.512336 10

8.6387118 8.90031 9.146269 7.658014 6.7943296 6.557164 6.483387 7.2

8.7841249 9.665959 13.02519 7.753159 6.7585021 6.519091 6.446305 2.8

8.6191208 9.037628 9.545948 7.606594 6.7066716 6.48068 6.411454 5

8.1014459 8.196307 8.167755 7.296221 6.5977825 6.415202 6.355971 5

7.3761871 7.336455 7.24411 6.889421 6.4449757 6.313313 6.268797 10

6.9521561 6.91083 6.845226 6.637528 6.3246985 6.226012 6.192011 10

8.143719 8.091324 7.961647 7.43248 6.7948188 6.605667 6.541727 50 裏

8.5097162 8.651585 8.727744 7.58283 6.7900554 6.580783 6.512071 面

8.568983 9.071335 10.84572 7.61398 6.7510887 6.542466 6.474903 側

8.4059263 8.633266 8.853655 7.48825 6.7036901 6.504894 6.440243

7.9928731 8.021551 7.942007 7.24917 6.6154747 6.442682 6.385546

7.3862045 7.340401 7.246464 6.909422 6.4737263 6.343345 6.299109

6.9830847 6.941189 6.875412 6.66849 6.3553626 6.256409 6.222298

5 5 2.9 17.1 10 5 5 50 ※裏面側は透視図になります

1 2 3 4 5 6 71

2

3

4

5

6

7

1 2 3 4 5 6 7

1

2

3

4

5

6

7

X

実装部品温度S

周りの部品をすべて削除してみる

部品温度は大幅に下がる

■周囲部品を離すことで、部品の温度目標が達成できる。配置の変更が必要と思われる

部品ケース温度(℃) 88.928 27.928 69.8203 各セルの消費電力(W)設定表

部品チップ温度(℃) 89.048 28.048 70.1203 基板温度上昇分布 セル高(mm) 表面側 ※発熱体が搭載されている場所に消費電力を入力してください

19.81931 19.83928 19.80949 19.54728 19.968135 21.24143 20.11714 10

20.465143 20.79184 21.13871 19.95345 20.767321 28.4571 20.83074 7.2 0.432

20.789537 21.75886 25.27956 20.20191 20.503586 26.6325 20.3858 2.8 0.168

20.776161 21.30161 21.94461 20.18758 20.102636 22.17827 19.82516 5

20.179473 20.2436 20.26714 20.11305 19.314497 19.06378 18.59996 15

20.490451 20.67016 20.87647 21.28359 19.333183 18.44105 17.99174 10

20.25881 20.34194 20.42869 20.59514 19.056899 18.19673 17.75813 10

19.819525 19.82566 19.78861 19.56143 19.866636 20.31736 19.98129 60 裏

20.370389 20.57548 20.75078 19.90188 20.070066 20.7932 20.0534 面

20.623313 21.21154 23.15575 20.12951 19.970668 20.46499 19.79117 側

20.634896 20.96874 21.3294 20.2067 19.843189 20.0831 19.51784

20.344416 20.46662 20.59703 20.65241 19.451463 19.01613 18.65831

21.123499 22.22922 25.26705 27.61503 19.957535 18.59439 18.10103 0.116 0.684

20.53759 20.75718 21.06151 21.5523 19.305987 18.32737 17.86829

5 5 2.9 17.1 10 10 10 60 ※裏面側は透視図になります

部品横Y

1 2 3 4 5 6 71

2

3

4

5

6

7

1 2 3 4 5 6 7

1

2

3

4

5

6

7

X

隣接部品を各々15㎜離すことで、90℃以下にできる

【基板】基板放熱計算⑨

46

Page 47: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【第4ステップ】

熱対策の検討②~ヒートシンクや筐体を使う~

基板で対策できない部品は、自然空冷であれば、ヒートシンクをつけるか、筐体に熱を逃がすかどちらかになります。強制空冷であれば部分的に風速を上げる手段も考えられます

ここで使用するシート

Page 48: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

1.Thermocalcを使った熱対策検討の流れ■基板で対策できない部品はヒートシンクを設ける、筐体を使って放熱する などの

対策になります。

部品温度マージン計算S 対策の仕分けを行います

複数部品実装プレート

基板で冷却する風速を上げる

ヒートシンクやプレートを付ける

筐体に接触させて放熱する

基板実装時の温度予測

適ヒートシンクの設計・選定

筐体取り付け時の温度予測

熱対策具体案の検討

筺体の熱計算

実装部品温度計算S ヒートシンク計算S

48

Page 49: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【ヒートシンク】ヒートシンク設計■温度マージン計算シートで抽出されたもう一つの危険部品「部品⑨」について対策を検討する

自然空冷で冷却するには、部品⑨に(1)ヒートシンクを付ける (2)筺体に付ける の2つの対策しかない。まずヒートシンクを設計する。「自然空冷フィンシート」を用いて計算すと高さ20㎜、ベース35×35㎜程度のフィンが必要になる

自然フィンS

筺体伝導放熱Sで計算した空気温度を入力します

グリースや熱伝導シートの熱抵抗を入力します。大よそ次頁の値になります

温度マージン計算Sで求め

た現在熱抵抗×2を入力します。基板側放熱経路の熱抵抗ですが、現在熱抵抗はヒートシンク取付面の放熱を含んでいるため、小さめです。これを補正するため2倍とします

49

Page 50: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

機器外形寸法:W220×D200×H100、使用温度範囲:0~40℃筺体材質:樹脂(熱伝導率0.3W/mK)、 厚み:3㎜、 放射率:0.9通風口:2×30㎜のスリット 35個 (2100㎜2)総消費電力:30W+(4W)

基板:W200×D180×t1.6、14W、 放射率:0.85電源:W180×D60×H80、10W、放射率:0.3ユニット:W150×D130×H50、6W、放射率:0.3

部品⑨:31×31×2.23 ㎜ 消費電力 3.5W BGA 565P、 ケース放射率0.9★基板の裏面(下側)に実装

TIM 熱伝導率1W/mK、厚み2㎜、断面積31×31 ⇒ 熱抵抗=2.1K/W

■機器構成 200

130

■基板

【筺体伝導】部品を筐体に付けて冷やす

220

100 基板

200

ユニット180

部品(基板下面に搭載)

部品⑨を基板裏面に移動し、筐体底面に接触させる方法をとる

実装条件は下記のとおりとする。この場合の部品の温度を予測せよ。

3.5W

TIM50

Page 51: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【筺体伝導】部品を筐体に付けて冷やす①■部品を筺体に取り付けることで、筐体内部温度も下がる。まず「筐体伝導放熱機器S」で

内部空気温度を計算すると、20.9℃となる 幅(m) 0.22 実効風量(m

3/s)

奥行き(m) 0.2

高さ(m) 0.1 内部圧損

通風口面積(m2) 0.0021 0

部品/筐体面以外の 発熱量 (W)

放射率(表面)

放射率(裏面)

熱伝導率(W/mK)

ケース厚みmm

ケース内面風速 m/s

ケース外面風速 m/s

面周囲空気温度℃

外表面積m2

(自動計算可)

内表面積m2

(自動計算可)

筐体面に取付けた発熱量(W)

外表面の熱抵抗(K/W)

上面(デフォルト条件) 0.9 0.9 0.3 3 40 0.0419 0.039416 0 0

底面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.0419 0.039416 0 0

正面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.022 0.020116 0 0

背面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.022 0.020116 0 0

左面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.02 0.018236 0 0

右面 0.9 0.9 0.3 3 40 0.02 0.018236 0 0

■実装部品1(発熱体7)

基板■実装部品2(発熱体8)

UNIT■実装部品3(発熱体9)

POW

幅(m) 0.2 幅(m) 0.15 幅(m) 0.18

奥行き(m) 0.18 奥行き(m) 0.13 奥行き(m) 0.06

高さ(m) 0.0016 高さ(m) 0.05 高さ(m) 0.08

発熱量(W) 14 発熱量(W) 6 発熱量(W) 10

放射率 0.85 放射率 0.3 放射率 0.3

実装位置 1 (0~1) 実装位置 1 (0~1) 実装位置 1

取付面番号/上 取付面番号/上 取付面番号/上

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

取付面番号/側 取付面番号/側 取付面番号/側

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

取付面番号/下 取付面番号/下 取付面番号/下

接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗 K/W 接触熱抵抗

接触面積 m2 接触面積 m2 接触面積

追加表面積 m2 追加表面積 m2 追加表面積

発熱体風速 m/s 発熱体風速 m/s 発熱体風速

接触部放射考慮 1 接触部放射考慮 1 接触部放射考慮 1

温度 温度上昇

内部空気温度(上部) 60.909 20.909 筐体上面 表面温度 56.987 16.987

 筐体底面 表面温度 58.056 18.056

 筐体正面 表面温度 50.787 10.787

 筐体背面 表面温度 50.787 10.787

 筐体左面 表面温度 49.071 9.071

 筐体右面 表面温度 49.071 9.071

 通風口排気風速m/s

 実装部品1 表面温度 77.468 37.468 実装部品2 表面温度 72.507 32.507 実装部品3 表面温度 80.507 40.507

0.169

筺体伝導放熱S

51

Page 52: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■部品の熱は筐体面に拡散するため、筐体面の温度分布を計算する必要がある。筺体伝導放熱機器Sは筐体面1節点のため、分布計算ができない。そこで筐体底面をフィンのないヒートシンクとみなし「複数部品実装プレート」を使用する。

複数部品実装HS

◆冷却条件

0 (m/s)

0 (m/s)

5

40 60.9

◆プレート ファン回転効果 0

220 (mm)

160 (mm)

1.5 (mm)

0.3 (W/mK)

0.9

0.9

3

1フィン面積拡大率自動設定

プレートフィン面放射率

計算反復回数

プレート部品面放射率

表面風速(部品搭載面)

裏面風速(フィン面)

空気の流れ方向

周囲空気温度(フィン/部品)

プレート横(21分割方向)

プレート縦(7分割方向)

プレート板厚

プレート熱伝導率

フィン面側は部品取付け面と反対側(底面外側)なので外気温度になります。部品側は内部空気なので40+20.9℃になります

プレートは水平面上向きになります

自然空冷では0とします

筐体底面のサイズを入れます

筐体板厚と熱伝導率を入れます

筐体両面の放射率を入れます

追加表面積

または Rca

列番号 行番号 0

面積拡大率

(フィン面)

板厚(mm)

面積拡大率

(部品面)

熱伝導率

(W/mK)

部品の消費電力(W)

放射率部品縦(mm)

部品番号 Rcp(K/W)

部品高さ(mm)

部品横(mm)

11 4 31 31 2.23 14.77 2.1 0.9 3.5 1 1 0.3 1.5

セル幅(mm) 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 31 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45

21.5 54.4286 53.4093 53.3168 53.3001 53.2971 53.2965 53.2965 53.2966 53.297 53.2982 53.3036 53.2982 53.297 53.2966 53.2965 53.2966 53.2977 53.3034

21.5 53.8249 52.951 52.8782 52.8645 52.8619 52.8615 52.8618 52.8632 52.8684 52.8845 52.9739 52.8845 52.8684 52.8632 52.8618 52.8617 52.8627 52.8684

21.5 53.787 52.9222 52.8519 52.8388 52.8365 52.8365 52.839 52.8507 52.9024 53.1084 54.6505 53.1084 52.9023 52.8507 52.839 52.8367 52.8372 52.8426

31 53.8676 52.9371 52.857 52.8426 52.8405 52.8428 52.8585 52.9478 53.4554 56.3449 96.6139 56.3444 53.4539 52.9473 52.8583 52.8429 52.8411 52.8457

21.5 53.7517 52.927 52.8638 52.8522 52.8502 52.8503 52.8524 52.8628 52.9096 53.1003 54.5572 53.0861 52.8287 52.8495 52.8502 52.85 52.8507 52.8552

21.5 53.7568 53.0232 52.9043 52.885 52.8818 52.8814 52.8815 52.8826 52.8866 52.8998 52.9754 52.8986 52.8831 52.8815 52.8813 52.8813 52.882 52.8859

21.5 54.1074 53.3097 53.2603 53.2523 53.2511 53.2509 53.2508 53.2509 53.2512 53.2519 53.2556 53.2519 53.251 53.2509 53.2508 53.2509 53.2513 53.2542

筐体面を21×7個のセルに分割して計算します。部品が接触する筐体の位置に部品の寸法等を入れます。ここでは筐体底面の中央(セル番号11-4)に部品を接触させます

等分割 部品自動分割

Rcaは基板側の熱抵抗(温度マージン一括計算シートで計算した現在熱抵抗Rca)を入力します。RcpはTIMの熱抵抗です

一度当分割を押した後、部品自動分割を押します。部品サイズに合わせてセルのサイズが自動で決まります。その後、解析計算を押します

0

1

11

フィン高さ(ベース厚除く)mm

フィン枚数

フィン厚さ t1 (mm)

平板なのでフィン高さは0です

【筐体伝導】部品を筐体に付けて冷やす②

52

Page 53: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

セル幅(mm) 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 31 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45

21.5 52.1769 52.2062 52.2772 52.387 52.5329 52.7103 52.9119 53.1271 53.3409 53.5338 53.854 53.5347 53.3422 53.1289 52.9143 52.7133 52.5367 52.3916

21.5 52.2185 52.2586 52.3499 52.4917 52.6843 52.9267 53.2154 53.542 53.8898 54.2302 54.8478 54.2311 53.8911 53.5438 53.2178 52.9298 52.6881 52.4964

21.5 52.2857 52.3408 52.4638 52.6588 52.9334 53.2977 53.7627 54.3377 55.0232 55.7949 57.4496 55.7957 55.0245 54.3394 53.765 53.3007 52.9372 52.6634

31 52.3238 52.3922 52.5457 52.7952 53.161 53.675 54.3874 55.3756 56.7626 58.7477 70.6444 58.7483 56.7637 55.3771 54.3894 53.6778 53.1644 52.7995

21.5 52.191 52.2446 52.3649 52.556 52.8256 53.184 53.6423 54.2103 54.8889 55.6542 57.2982 55.6543 54.8889 54.2113 53.6441 53.1865 52.829 52.5602

21.5 52.0549 52.0931 52.1796 52.315 52.4995 52.7326 53.0111 53.3271 53.6648 53.9965 54.6 53.997 53.6657 53.3284 53.013 52.7352 52.5028 52.3191

21.5 51.9617 51.9886 52.0544 52.1564 52.2923 52.458 52.6469 52.8492 53.0509 53.2336 53.5376 53.2342 53.0519 52.8507 52.6489 52.4606 52.2957 52.1607

■筐体が樹脂のため、熱拡散が少なく、部品の温度は93.4℃になる。

筐体面も91.8℃と高温になるためNG

セル幅(mm) 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 31 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45 9.45

21.5 51.8614 51.0394 50.9783 50.9685 50.9669 50.9667 50.9667 50.9667 50.9668 50.9672 50.9688 50.9672 50.9668 50.9667 50.9667 50.9667 50.9673 50.9705

21.5 51.4304 50.725 50.679 50.6714 50.6701 50.6699 50.67 50.6706 50.6728 50.6805 50.7229 50.6805 50.6728 50.6706 50.67 50.67 50.6705 50.6737

21.5 51.4111 50.7134 50.6691 50.6619 50.6608 50.6608 50.6621 50.6689 50.7027 50.853 51.991 50.8529 50.7027 50.6689 50.6621 50.6609 50.6611 50.6641

31 51.4755 50.7261 50.6748 50.6667 50.6656 50.667 50.6772 50.7428 51.1661 53.8993 93.39 53.8989 51.165 50.7425 50.6771 50.667 50.6659 50.6685

21.5 51.3896 50.7206 50.6809 50.6745 50.6735 50.6735 50.6747 50.6808 50.7117 50.852 51.9348 50.8419 50.6477 50.6713 50.6733 50.6734 50.6737 50.6763

21.5 51.389 50.7944 50.708 50.6955 50.6936 50.6934 50.6934 50.6939 50.6956 50.702 50.7384 50.7015 50.6938 50.6933 50.6933 50.6934 50.6937 50.6959

21.5 51.6337 50.9905 50.9601 50.9558 50.9552 50.9551 50.9551 50.9551 50.9552 50.9555 50.9566 50.9554 50.9552 50.9551 50.9551 50.9552 50.9554 50.957

■筐体内側に0.5㎜のアルミ板を貼り、部品をアルミ板(熱伝導率130W/mK)に

接触させると、部品温度は71℃と大幅に低減できる。

筐体底面温度もMAX65℃であり、問題ない

以上より、部品⑨を筐体で冷却するためにはアルミ等のスプレッダを用いて熱拡散を行うことが重要である

【筐体伝導】部品を筐体に付けて冷やす③ 複数部品実装HS

計算の結果、筐体が樹脂では高温になる。アルミのスプレッダを設けることで対策できる

53

Page 54: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

【補足】様々なヒートシンクの計算例

ここで使用するシート

Page 55: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

フィン高さ : 40 mm以下

フィンベース外形(幅×長さ) : 60 mm×60 mmフィンベース厚さ : 2mmフィン厚さ : 1mm以下

フィン放射率 : 0.9

フィン熱伝導率 : 209 W/m℃

部品消費電力 : 10W

部品周囲温度 : 50℃

フィン-部品熱抵抗 : 0.5 ℃/W

部品ケース温度上限 : 90℃

60×60mmで10Wの部品に、プレート型ヒートシンクを取り付ける。

(1)その寸法を以下のように制限した場合、 も効率の良いフィンの枚数は何枚か?

フィン枚数を 適化し、フィン高さを 小化せよ

(2)熱源(部品)の大きさが10×10×1㎜の場合、熱源をヒートシンクベースの中央に

置いた場合と端に置いた場合とではどの程度の温度差があるか?

【ヒートシンク】自然空冷ヒートシンクの 適化①

フィン厚さ t1

フィン長さL

フィン間隙 b

ベース厚さ t2

フィン高さ

重力方向

フィンベース幅

目標熱抵抗=(90-50)/10-0.5=3.5K/W

55

Page 56: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

◆フィン裏面表面積を考慮しない場合

フィン温度上昇 フィン温度 部品温度

温度℃ 34.3661 84.3661 89.3661

熱抵抗 (K/W) 3.43661 3.93661◆フィン裏面表面積を考慮した場合 352.705604

フィン温度上昇 フィン温度 部品温度

温度℃ 29.7056 79.7056 84.7056

熱抵抗 (K/W) 2.97056 3.47056◆ 適フィン間隙 裏面放熱無 裏面放熱有

適フィン間隙 mm 5.81885 6.0244裏面放熱無 裏面放熱有

◆面積拡大率 5.58011 3.18303

◆過渡熱応答特性 重量(g) 熱容量(J/K)

63.414 57.2628

裏面放熱無 裏面放熱有

時定数(秒) 196.79 170.103加熱時温度上昇 26.8833 24.6135冷却時温度上昇 7.48275 5.09213

フィン高さ (ベース含:mm) 32

フィン長さ (mm) 60

フィンベース幅 (mm) 60

ベース厚さ t2 (mm) 2

フィン厚さ t1 (mm) 1

フィン枚数 9

フィン放射率 0.9

フィン熱伝導率 (W/mK) 209

フィンベース総発熱量 (W) 10

周囲空気温度 (℃) 50

フィン-部品熱抵抗 (K/W) 0.5

実装基板の熱抵抗 (K/W) 0

フィン部の減少表面積 (mm2) 0

現在のフィン間隙 (mm) 6.375

フィン面の表面積(mm2) 28800

基底部の表面積(mm2) 3060

外壁・端面の表面積(mm2) 5160

フィン総表面積(裏面除く) 37020

包絡ブロック表面積(裏面除く) 11280

フィン包絡体積(mm3) 115200

フィン効率 0.9856

フィン実体積(mm3) 23400

■フィン高さは30㎜、フィン枚数を9枚とすると、熱抵抗3.43K/Wで部品温度を89.4℃にできる(フィン裏面側の放熱なし)

■フィン裏面からの放熱があれば、熱抵抗は3K/W以下になる

現在フィン間隔が適フィン間隔に

近くなるようフィン枚数を変えます

自然空冷フィンS

【ヒートシンク】自然空冷ヒートシンクの 適化②

56

Page 57: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

セル幅 8.33 8.33 8.33 10 8.33 8 .33 8 .33

8 .333

8 .333

8 .333

10 91.87

8 .333

8 .333

8 .333

セル幅 10 8.33 8.33 8 .33 8.33 8.33 8.33

10 106.1

8 .333

8 .333

8 .333

8 .333

8 .333

8 .333

■発熱体がベースプレート内に分布する場合は「汎用ヒートシンクシート」を使用します。 部品の大きさを10×10×1㎜とし、コーナーに置くと106℃、中央では91.9℃となる

汎用ヒートシンクS32

60

60

2

1

9

0.9

209

0

0

50

50

50

20

10

4.414204

6.375

36780 包絡体積 111600 mm3

3 熱抵抗 2.900309 K/W

6 面積拡大率 6.662518 倍

フィン高さH(ベース厚含む)mm

フィン長さ L (mm)

ベース幅 W(mm)

ベース厚さ t2 (mm)

適フィン間隙b

フィン厚さt1 (mm)

部品面側の風速(フィン平行方向)m/s

フィン枚数

部品面側の空気温度  ℃

放射率

フィン熱伝導率(W/mK)

フィン面側の風速(フィン平行方向)m/s

エリア幅(強制空冷時のみ有効) (mm)

フィン面側の空気温度  ℃

グラフ階調

反復回数

現在フィン間隙b

総消費電力モニター (W)

エリア高さ(強制空冷時のみ有効) (mm)

HS表面積mm2

列 行

1 1 10 10 1 0.5 0.9 10 1

セル番号部品縦(mm)

部品高さ(mm)

部品の消費電力

(W)

部品横(mm)

部品面側の面積拡

大率

Rcp(K/W)

放射率

【ヒートシンク】自然空冷ヒートシンクの 適化③

57

Page 58: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

前問の部品の消費電力を20Wとし、1m/Sの風速で強制空冷する。

ヒートシンクは下図の断面のダクト内に設置されるものとする。

フィン高さをどこまで低くすることができるか検討せよ。

70

フィン高さ : 少とする

フィンベース外形(幅×長さ) : 60 mm×60 mmフィンベース厚さ : 2 mmフィン厚さ : 1mmフィン枚数 : 適枚数とする

フィン放射率 : 0.9

フィン熱伝導率 : 209 W/m℃

部品消費電力 : 20W

フィン-部品熱抵抗 : 0.5 ℃/W

部品ケース温度上限 : 90℃

部品周囲温度 : 50℃

70

【ヒートシンク】強制空冷ヒートシンク①

ヒートシンク裏面側は自然対流とする

58

Page 59: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

フィン高さ (ベース含:mm) 24 ◆フィン裏面表面積を考慮しない場合

フィン長さ L (mm) 60 部品温度上昇 部品温度℃ 排気温度

フィンベース幅 (mm) 60 温度℃ 39.700751 89.70075 55.621ベース厚さ t2 (mm) 2 部品熱抵抗 1.8445201 K/W

フィン厚さ t1 (mm) 1 ◆フィン裏面表面積を考慮した場合

フィン枚数 15 部品温度上昇 部品温度℃

フィン放射率 0.9 温度℃ 36.942705 86.94271フィン熱伝導率 (W/mK) 209 部品熱抵抗 1.7065456 K/W

フィンベース総発熱量 (W) 20 裏面放熱無 裏面放熱有

風速(フィン平行方向) m/s 1 ◆面積拡大率 6.150049 3.33749周囲空気温度 (℃) 50 ◆過渡熱応答特性 重量(g) 熱容量(J/K)

フィン-部品熱抵抗 (K/W) 0.5 73.17 66.07251

フィン面追加表面積 (mm2) 0 裏面放熱無 裏面放熱有

ダクト内面放熱面積 (mm2) 0 時定数(秒) 88.83582 79.7195現在のフィン間隙(mm) 3.21429 加熱時温度上昇 25.972117 23.57085 300秒後

フィンピッチ 4.21429 冷却時温度上昇 0.9182857 0.560066 300秒後

強制空冷フィンでは周囲のバイパスの大きさにより、 適フィン枚数が異なる

ここではフィン枚数15枚とし、限界高さを求めると24㎜になる 強制空冷フィンS

【ヒートシンク】強制空冷ヒートシンク②

59

Page 60: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

図のようなヒートシンクにA、B、C、D、Eの5つのパワー部品が搭載されている。各部品のケース表面温度を求めなさい。(すべて100℃以下にできるか)また、部品をどのように配置(並べ替え)したら も温度が下がるか?

高温度を 小化するレイアウトを求めよ

4

室温:45℃

【ヒートシンク】複数部品実装ヒートシンク①

山洋電気□52DCファン109P0512A702

A C E29

9.5

99

B D

20 20

A C E

30

29 B D50

20 20

■ヒートシンク: ベース99×29mm、フィン高さ20mm(ベース厚除く)、フィン枚数8枚

ベースプレート厚み2mm、フィン厚み1mm、熱伝導率 170W/mk

放射率 0.3 ダクト高さ(フィン高さ方向)30mm、ダクト幅50mm

■室温: 45℃ ■ファン 109P0512A702■部品: 外形寸法 横11×縦17×高さ(厚み)5mm、放射率 0.9

ヒートシンクとの間の接触熱抵抗は 0.2K/Wとする

■消費電力: 部品A:3W、部品B:5W、部品C:10W、部品D:12W、部品E:7W

ダクト

60

Page 61: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

型番定格電圧

(V)使用電圧範囲

(V)定格電流

(A)定格入力

(W)定格回転数

(min-1)大風量

(m3/min)大静圧(Pa)

音圧レベル(dB)

質量(g)

109P0512A702 12 10.2-13.8 0.21 2.52 6800 0.375 69.7 36 55

部品番号 品名 ピン数チップ温度上限(℃)

ケース温度上限(℃)

横(mm)

縦(mm)

厚み(mm)

消費電力(W)

接触熱抵抗Rcp

1 部品A 3 125 100 11 17 5 3 0.22 部品B 3 125 100 11 17 5 5 0.23 部品C 3 125 100 11 17 5 10 0.24 部品D 3 125 100 11 17 5 12 0.25 部品E 3 125 100 11 17 5 7 0.2

■部品リスト

■使用ファン

【ヒートシンク】複数部品実装ヒートシンク②

61

Page 62: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

計算には「複数部品実装ヒートシンクS」または「汎用ヒートシンクS」を使用します。

これらのシートは熱回路網法を使って、ベース部分を分割するため、 初に分割案を考えておきます。「複数部品実装ヒートシンクS」は横方向21分割なので、5つの部品を下図のように実装すると横方向がちょうど21分割になります。(分割は21でなくてもよい。使わないセルはセル幅を小さくしておきます)

3W 5W 10W 12W 7W

【ヒートシンク】複数部品実装ヒートシンク③

列番号 3 7 11 15 19

縦方向は中央(行番号4)に配置します

複数部品実装HS S

62

Page 63: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

0 (m/s)

0 (m/s)

1

45 45

◆プレート ファン回転効果 0

99 (mm)

29 (mm)

2 (mm)

170 (W/mK)

0.3

0.3

3

1フィン面積拡大率自動設定

プレートフィン面放射率

計算反復回数

プレート部品面放射率

表面風速(部品搭載面)

裏面風速(フィン面)

空気の流れ方向

周囲空気温度(フィン/部品)

プレート横(21分割方向)

プレート縦(7分割方向)

プレート板厚

プレート熱伝導率

■複数部品実装ヒートシンクシートへの入力 複数部品実装HS S

追加表面積

または Rca

列番号 行番号 0

面積拡大率

(フィン面)

板厚(mm)

面積拡大率

(部品面)

熱伝導率

(W/mK)

部品の消費電力(W)

放射率部品縦(mm)

部品番号 Rcp(K/W)

部品高さ(mm)

部品横(mm)

下記のようにデータを入力します。フィン面の風速は自動計算されるので入力不要

「等分割」ボタンを押した後に、部品部以外の寸法の決められたセル幅を手修正します

【ヒートシンク】複数部品実装ヒートシンク③

■フィンデータ入力

20 30

1 50

8 10

フィン高さ(ベース厚除く)mm

フィン枚数

フィン厚さ t1 (mm)

ダクト高さ (強制空冷時)

高精細グラフ階調数

ダクト幅 (強制空冷時)

3 4 11 17 5 0.2 0.9 3 11.082 1 170 2

7 4 11 17 5 0.2 0.9 5 11.082 1 170 2

11 4 11 17 5 0.2 0.9 10 11.082 1 170 2

15 4 11 17 5 0.2 0.9 12 11.082 1 170 2

19 4 11 17 5 0.2 0.9 7 11.082 1 170 2

列番号→ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21

セル幅(mm) 2 2 4.7143 3 3 3 4.7143 3 3 3 4.7143 3 3 3 4.7143 3 3 3 4.7143 4.7143 4.7143

4.14286 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

4.14286 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

4.14286 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

4.14286 0 0 3 0 0 0 5 0 0 0 10 0 0 0 12 0 0 0 7 0 0

4.14286 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

4.14286 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

4.14286 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

63

Page 64: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■入力データ(mm)

ヒートシンク幅 (mm) 29 (m) ダクトの数

フィンピッチ (mm) 4 0.029 5.6

フィン厚み (mm) 1 0.004

フィン高さ (mm) 20 0.001

流れ方向長さ(奥行)(mm) 99 0.02

縦方向ダクト分割数(水管数) 1 0.099

発熱体消費電力(W) 37 水管厚(mm)

発熱体-放熱器の熱抵抗 (C/W) 0 0

フィン間風速 (m/s) 2.23126696フィン空隙率

外側の放射率 0.3 0

周囲空気温度(℃) 45ファン回転率

フィンの熱伝導率 (W/mK) 170 1

その他の圧損係数 0 隙間Amm 隙間Bmm 隙間Cmm ファンメーカ

ファン個数 1 10.5 10.5 8 型名

通風抵抗/圧損係数 38602.97 3.97529 外形 52 mm

発熱体の温度上昇/温度(℃) 55.73101 100.731 大風量 0.375 m3/分

放熱器温度上昇/温度(℃) 55.73101 100.731 0.57645343 実効静圧 1.162696123 Kg/m2

ヒートシンクの熱抵抗 1.506243 ℃/W 0.593012 0.5764534 実効風量 3.29E-01 m3/分

フィンベ-ス面の面積拡大率 10.902 倍 ファン個数 1

フィン効率 97.21% ダクト平均風速 3.915586287 m/S

フィンダクトチャネル数 7 圧力損失 0.011379925 Pa

109P0512A702

山洋電気

風速指定計算

水冷モジュール計算へ

ファン選定

■計算結果

強制フィンデータ引用

ファン再計算

発熱体消費電力(W)発熱体-放熱器の熱抵抗(K/W)

フィンピッチ(mm)フィン厚み(mm)

ヒートシンク幅(mm)

ダクト分割数

隙間B(mm)隙間A(mm)

隙間C(mm)

水管厚(mm)

■ファン選定 冷却ファンの指定は「強制空冷熱交換器S」で行います。シートを切り替えファン個数、ファン選定、その他圧損係数(ここでは0)のみ行います。

他の入力項目は、複数部品実装HSの値が適用されます

複数部品実装HS S

強制空冷熱交換器S

【ヒートシンク】複数部品実装ヒートシンク④

セル幅(mm) 2 2 11 3 3 3 11 3 3 3 11 3 3 3 11 3 3 3 11 2 2

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

17 0 0 3 0 0 0 5 0 0 0 10 0 0 0 12 0 0 0 7 0 0

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

「部品自動分割」ボタンを押すと下記のように部品のサイズでセル幅が自動的に設定されます。手入力した部分はそのままです

64

Page 65: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

セル幅(mm) 2 2 11 3 3 3 11 3 3 3 11 3 3 3 11 3 3 3 11 2 2

2

2

2

17 96.1369 100.194 98.0299 99.9773 96.3881

2

2

2

セル幅(mm) 2 2 11 3 3 3 11 3 3 3 11 3 3 3 11 3 3 3 11 2 2

2

2

2

17 92.6629 97.3307 103.717 107.415 106.295

2

2

2

■「複数部品実装プレート」計算結果

「複数部品実装S」に戻り「強制空冷熱交換器リンク計算」を実行します。

現状設計案では 高温度は、107.4℃になる

下流側の温度が高い 並べ替えると均一になる

3W10W12W7W 5W

3W 5W 10W 12W 7W

【ヒートシンク】複数部品実装ヒートシンク⑤複数部品実装HS S

フィン枚数を7枚に減らして、部品を並べ替えると 高温度は100.2℃になる

プレート温度

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Page 66: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

種別 内容単体税込価格

()内はバージョンアップ

コーポレート契約版税込価格

()内はバージョンアップ

熱設計プロセスナビゲータ(Thermocalc 2014)

42種の熱計算シート(筐体・基板・部品・フィン・日射・基礎式等)と、ファンDB、物性値DBを集めた熱設計

計算専用プログラムです。基板やヒートシンクの温度分布解析など高度なシミュレーションも可能です。EXCEL2002以上が必要です。

62,100円

(Vup18,630円) 540,000円

(Vup 108,000)

熱回路網法プログラム(Nodalnet V5.2)

熱抵抗回路網法によって、定常/過渡応答/非線形の熱解析を行うEXCELプログラム。52種類の熱コンダク

タンス計算式や各種モデルの自動生成機能をビルトインしました。EXCEL2002以上で稼動します。適用サン

プル集が付属しています。

32,400円

(Vup 6,480円)

270,000円

(Vup 54,000)

・単体版は、ドングル版とノードロック(PC固定)版があります。ドングル版はドングル(USBメモリーキー)が挿入されたパソコンでのみ使用できます。

・ノードロック版は登録されたパソコンでのみ使用できます・コーポレート版は、事業所内のコピーが自由です

(同一企業、組織でも事業所にまたがった使用はできません)

Thermocalc 2014 のご利用案内

■ご購入のお申し込みは、

Webより : http://www.thermo-clinic.com トップページ

⇒熱設計計算ツール ⇒ 購入申込み

メールで : [email protected] まで

■価格一覧

■使用条件

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Page 67: 熱設計プロセスナビゲータ Thermocalc のご紹介

■単体版 制限事項 個人用購入契約は下記の条件の下に使用が許諾されます

①ノードロック版の使用範囲は、特定パソコン(Macアドレス登録)に限定されます。

使用するパソコンのMACアドレスを事前にご連絡いただきます。

②ドングル版の使用範囲は、USBハードキーを装着したパソコンに限定されます。USBポート付のパソコンで

あればキーの挿入により、使用可能になります。

③バージョンアップについては別途費用が発生します。

バージョンとは 「2014」に相当する数字です。レビジョンとは管理版数です

ドングル版の新規ご購入の場合は、ドングルキー(USBメモリ)を郵送致します。

ノードロック版の新規ご購入、およびバージョンアップの場合は、ダウンロードまたはデータ送付いずれかの形式で

ご提供致します。また、基本的に旧バージョンの保守、改良は行ないませんのでご了承下さい。

④ノードロック版の場合、レンタルマシンの更新やマシントラブルに限り、ライセンスの再発行は無償で対応します

➄ドングル版のハードキー故障時の再発行は、旧ハードキーとの引き換えとなります(ドングル費用5,000円)。

ドングルキーを紛失した場合は、再発行できませんのでご注意ください。

➅価格は予告なく変更させて頂きます。 2014年4月25日に消費税アップに伴う価格改定を致しました

■コーポレート版 制限事項 コーポレート一括購入契約は下記の条件の下に使用が許諾されます

①適用範囲は、同一敷地内に限定されます。この中での使用は自由(コピーフリー)です

②同一敷地内での重複購入の確認は、弊社では行いません。

③バージョンアップについては別途費用が発生します。

Thermocalc 2014 使用上の注意点

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