木の花ファミリー通信 vol.66 - 2013年2月

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木の花ファミリー通信 Vol.66 - 2013年2月

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Page 1: 木の花ファミリー通信 Vol.66 - 2013年2月

木の花ファミリー通信

2013年2月号・第66号

編集・制作/木の花ファミリー

©2013

木の花ファミリー

★木の花ファミリーとは

94年創立、富士山の麓で有機農業による

自給自足を生活の基盤に85人が血縁を超

えた家族として生活を営む共同体です。

 

このニューズレターはクリエイティ

ブ・コモンズにもとづき、原著作者の

クレジットを表示し、改変せず、非営

利目的で使用する限りにおいて、自由

に複製、頒布、展示することができます。

[4]木の花ファミリー通信 Vol.66 2013 年 2 月号

 

はじめまして。「くにさん」こと室

町国く

にあき輝です。41歳、長野県大町市の

コミュニティ「虹のファミリー・大

町ビレッジ」の創立メンバーです。

昨年11月から、ファミリーに滞在中

です。

 「虹のファミリー」は環境問題に取

り組む4人のグループで、2008

年に名古屋近辺で活動を開始しまし

大町だより

た。同年秋、木の花ファミリーと出

会って「これだ!こういう暮らしを

自分たちも創ろう」と直感した僕と

みほさん(62歳、女性)のふたりが、

2009年春に縁あった長野県大町

市の木崎湖畔に移住、「大町ビレッ

ジ」を創りはじめました。

 

ふたりで始めた「血縁を超えた家

族」は表面的には順調で、地元の方々

にも支えられ、見守られて、自給用

の農地も3年目には7反にまで広が

りました。しかし、その反面、ふた

りの心はなかなか調和せず、徐々に

対立が表面化していきました。農

地が雪に閉ざされる冬になるたび

に木の花に「里帰り」し、心を学

ぶ事を繰り返すものの、対立は深

まるばかりでした。

 

そんな対立がピークを迎えた昨

年の夏、もうこれ以上ふたりで暮

らすことは無理だと痛感した僕は、

木の花のみんなに相談しました。

すると、木の花のみんなは、僕が

いったん大町を離れて、木の花に

来ることを提案してくれたのです。

こうして僕とみほさんは、自分た

ちが始めた大町ビレッジの未来を

木の花のみんなに委ねることになっ

たのです。

 

木の花で暮らす中で、僕は自分の

中にあるエゴにたびたび直面するこ

とになりました。そのたびに深く落

ち込みましたが、その辛さが自分の

我の強さと比例している事が見えた

時、僕を苦しめてきたのは自分自身

の心だったことを腹に落とせたので

す。

 

そして昨年の暮れ、ひとりで「大

町ビレッジ」を継続しているみほさ

んをどのようにサポートしてゆくの

かを木の花のみんなと話し合いまし

た。その結果、この春から木の花と「大

町ビレッジ」はひとつの大家族、「アー

スファミリー」として動き出すこと

になったのです!

 

実は、僕の中には「いつか木の花

と一緒になりたい」という想いが以

前からありました。それが、僕自身

が「大町ビレッジ」を手放したとた

んに、こんな流れで実現していくこ

とになりました。

 

今春から動き出す「アースファミ

リー」から、どんな物語が紡ぎださ

れてゆくのでしょう。ドキドキワク

ワク、皆さんもどうぞお楽しみに!

(文/くに)

くにさん(右から2人目)の引率で、木の花キッズが雪遊びに行きました!

冬の「大町ビレッジ」。深い雪に覆われます

Page 2: 木の花ファミリー通信 Vol.66 - 2013年2月

[3]木の花ファミリー通信 Vol.66 2013 年 2 月号

卵南蛮

【材料】(4 人分)卵 4 個、白菜 2 枚(120g)、人参 40g、玉ねぎ 中 1/2個(50g)、青菜 少々<南蛮だれ>醤油 大さじ 4、砂糖 大さじ 2、酢 大さじ 2

【作り方】1. 卵をひとつずつ容器に割り、180℃の油の中に静

かに入れる。2. 広がる白身を真ん中に寄せてこんがり色づくまで

揚げる。3. 南蛮だれの半量を 1. にからめる。4. 野菜は、千切りにしてたれの残りをからめる。5. たれになじんだら、卵の上に野菜を盛って出来上

がり。

今月の木の花菜食レシピ

奈々さんは1期生の「みねっち」こ

と今里峰久さんのパートナーであり、

「たっきー」こと渡邉樹た

つきさんは1期生

の「ちかえもん」こと渡邉知香枝さ

んのご子息です。

 

学びの価値が人から人に伝わり、

広がっていく。EDEは、そんな場

になりつつあります。さあ、これか

らの1ヶ月間が何を生み出し、何を

この社会にもたらしていくのでしょ

うか。結果はまたご報告しますので、

みなさんもどうぞお楽しみに!

(文/なかのん)

バーになる前に1人目を生んだ時は、

育てていくだけで精一杯だった。今

はみんなに支えられている安心感が

あるから、育児を楽しむ余裕が生ま

れたよ」とこはるちゃん。

 

もう一人のすめらくんは、2月13

日に2094グラムで産まれてきま

した。母親のわたしは、今回が初出産。

産まれる前、ファミリーの間ではゆ

みか(結未花)という女の子の名前

が用意され、誰もが女の子だと予想

していたのですが、産まれてきたの

第 2 期 EDE 受講生のみんな

調理:あいちゃん

は男の子!さあ、名前は?と考えた

時に、すめら(皇)という名前がイ

ンスピレーションとして降りてきた

のでした。

 

2人とも低体重で生まれ、2、3週

間ほど入院していましたが、その後

は順調に体重も増え、母乳の量が追

いつかないほどです。

 

これから双子のように共に育って

いく2人の成長を見守ることは、ファ

ミリーみんなの喜びです。(

文/みほ)

エコビレッジ・デザイン・

エデュケーション(EDE)、

いよいよ開始!

 

2月17日、22歳から66歳までの個

性豊かな14名の受講生をお迎えし

て、いよいよ第2期エコビレッジ・

デザイン・エデュケーション(ED

E)が開講しました!先月号でご紹

介した被災地在住のリック・ミッケ

ルソンさんも、おかげさまで皆さま

のご支援により目標額以上の寄付が

集まり、無事に参加することができ

ました。

 

今回の受講生は、ほ

とんどの方がファミ

リーや第1期生とのつ

ながりがある方々で

す。「うねちゃん」こ

と畝う

村雅之さん、「お

けちゃん」こと桶橋

崇たかふみ文さん、「たけちゃ

ん」こと飼し

だ田武志さん

の3名は1期生であ

る「やっしー」こと林

正則さんと活動を共

にしている仲間です。

「なんなん」こと今里

Page 3: 木の花ファミリー通信 Vol.66 - 2013年2月

木の花ファミリー通信 Vol.66 2013 年 2 月号[2]

ゆうひくんとすめらくんが

誕生しました!

 

ファミリーに2人の新しい仲間が

産まれました。ゆうひ(結宇光)と

すめら(皇)。2人とも男の子です。

 

1月26日、2222グラムとゾロ

目の体重で誕生し、とがった耳、大

きな目、広いおでこが特徴のゆうひ

くんは、みんなからよく「宇宙人み

たい」と言われています。

 

母親のこはるちゃんは、今回が2

人目の出産です。「ファミリーのメン

た。東栄町の11地区のうち、下粟代

地区で祭りの中心となる「花太夫」

を務める一ノ瀬三紀男さんからは祭

りの前後に行う神事を、そして小林

地区花祭り保存会の皆さまからは舞

や笛、太鼓、「切り草」と呼ばれる会

場の飾りに至るまでをご指導いただ

きました。

 

メンバーが代わる代わる東栄町を

訪問していくうちに、ファミリー全

体が何か大きな力に導かれるように、

新たな祭りの誕生に向かって進んで

いきました。花祭りは舞と笛と太鼓

の三位一体で表現されますが、これ

まで笛どころか楽器の演奏経験もな

いメンバーの中からも「笛を吹きた

い」という人が続出。舞手たちは毎

晩夜中まで練習を重ね、そんな大人

たちの熱気が伝わったのか、「花の舞」

という子どもの舞の舞手である小学

1、2年生たちも練習が休みと聞く

と「えー、やりたーい」と声を揃え

るほど。「少年の舞」の舞手である中

学生たちも、練習に向かう車の中で

学校の宿題をこなして自主練習に励

みました。会場設営を担当した建築

チームは、土間で行われる本場の雰

囲気を再現するべく、会場となるホー

ルに矢倉を組み、切り草を飾り、室

内用にアレンジした本場そっくりの

釜戸まで作る徹底ぶり。そのメンバー

たちが練習や準備に専念できるよう

にと、洗濯などの当番を代わって陰

で支えるメンバーの姿もありました。

 

30人分の衣装を手がけ、4日連続

で徹夜をした衣装担当のまりちゃん

は言います。「普段だったらとてもで

きないこと。やっぱり、何か見えな

い力に動かされていたんだね」。

 

当日は小林地区から駆けつけてく

れた伊藤恒夫さんの見守る中、全員

が持てる力を最大限に発揮し、祭り

の場が一体となって大きなうねりが

生まれるような、ダイナミックな空

間となりました。伊藤さんに感想を

聞くと、一言、「完璧です!」。その

言葉に、皆も大拍手でした。

 

未熟ながらも、本物の祭りとして

の第一歩を踏み出した「富士浅間木

の花祭り」。小林地区の皆様の温かい

ご指導のもと、奥三河の地から富士

のふもとへ受け継がれゆくこの祭り

がこれからどのように進化していく

のか、楽しみです。(文/ともこ)

(左回りに)山見鬼、子鬼のゆりか、榊鬼、獅子舞、茂吉鬼、おつるひゃら、四つ舞で最高潮の盛り上がり

(左から)みほちゃん、すめらくん、ゆうひくん、こはるちゃん

Page 4: 木の花ファミリー通信 Vol.66 - 2013年2月

祭りの伝統と未来への光

~富士浅せんげん間木の花祭り

 

2月3日、ファミリーで「富士浅

間木の花祭り」が開催されました。

当日は晴天に恵まれ、青空の下で雄

大な富士山を眺めながら神事を執り

行い、その後「おひさまハウスひま

わり」のホールにて数々の舞が奉納

されて、祭りは大盛況のうちに幕を

閉じました。

 「富士浅間木の花祭り」は、愛知県

奥三河地方の東栄町で700年以上

続いているといわれ、国の重要無形

民俗文化財にも指定されている「花

祭り」に由来しています。その昔、

熊野からやって来た修し

ゅげんじゃ

験者たちが「人

間は修業によって新しい人格へと生

まれ変わることができる」という教

えを歌や舞を通して村人にわかりや

すく演じてみせたことが始まりとい

われる花祭りは、人々の「生まれ清

まり」の場として脈々と受け継がれ

てきました。日本の祭りの多くは「見

Vol.66

木の花ファミリー通信

トピックス

ファミリーでは、今、エコビレッジ・デザイン・エデュケーションの受講生たちと共に、いのちのつながりへの学びを深めています。新たな生命の誕生と共に、東栄町へ、そして大町へと、心のネットワークが広がっていく今日このごろです。(ようこ)

2013 年 2 月号

[1]木の花ファミリー通信 Vol.66 2013 年 2 月号

木の花ファミリー/特定非営利活動法人ぐりーんぐらす  電話 : 0544(66)0250 FAX : 0544(66)0810

〒 419-0302 静岡県富士宮市猫沢 238-1 おひさまハウスひまわり

ホームページ : http://www.konohana-family.org メールアドレス : [email protected]

る祭り」「見せる祭り」ですが、花祭

りではまず舞手たちが神々を降ろす

神座となり、観衆も神のとりついた

舞手と共に舞うことで穢け

れを祓われ、

新たな生命力を授かります。人と神々

が一体となって夜通し舞い踊るこの

祭りは、地元の人々にとっても深い

想い入れのあるものであり、舞の中

で登場する数々の鬼は「鬼様」と呼

ばれ親しまれています。

 

ファミリーでは、これまでも毎年

2月3日に花祭りの要素を取り入れ

た節分祭を行ってきました。ファミ

リーの節分祭では、鬼に敬意を込め

て「鬼は内、福も内」と豆まきをし

ます。それは、鬼が人々の心の闇を

浮かび上がらせ、光へと向かうこと

を教えてくれる大切な存在だからで

す。その大切な祭りを、形式的なも

のではなく、魂のこもった本物の祭

りにしたい――そんな想いがファミ

リーの中に芽生え始めた昨年、花祭

りの存続に長年尽力され、ファミリー

の古くからの友人でもある大野富士

夫さんのご厚意により、本場東栄町

の方々から直接ご指導をいただくと

いう機会に恵まれることとなりまし

(左回り)滝祓い、湯立て神事、ホールに組まれた矢倉、少年による三つ舞、花の舞