呼吸する発電機 vortex [重力渦水式小水力発電システム]

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重力渦水式小水力発電システム 呼吸する発電機 VORTEX http://www.gifu-shinoda.co.jp/ 篠田株式会社

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水質浄化システムから生まれた重力渦水式小水力発電システムGWVPP(日本名:VORTEX)の紹介。 河川や用水の水を渦のちからによって曝気して水中に酸素を取り込み、水棲生物の生命活動を促進する環境に配慮した小水力発電システムです。写真はオーストリアのオーバーグラーフェンドルフにある10kWのパイロット版。 設置には現地調査が必要となりますので、詳細は[email protected]までお問合せ下さい。

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Page 1: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

重力渦水式小水力発電システム

呼吸する発電機

VORTEX

http://www.gifu-shinoda.co.jp/

篠田株式会社

Page 2: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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1. 小水力発電

2. メリット・デメリット

3. エネルギーの計算式

4. 水車の種類

5. VORTEX

6. 基本構造

7. 環境効果

8. メンテナンス

9. 安全性

10. 設置実績

重力水渦式小水力発電システム

呼吸する発電機 VORTEX

篠田株式会社

Page 3: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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1. 小水力発電

発電用水車を水の力によって回転させることで発電

「環境性」と「安定性」を兼ね備えた純国産エネルギー

出力1,000kW以下の比較的小規模な発電設備の総称

過疎地など、地方の電力需要にも臨機応変に対応。

篠田株式会社

CO2排出量が少なく、クリーンな再生可能エネルギー。

出力1,000kW以下はミニ水力、100kW以下はマイクロ水力ともいう。

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1. 小水力発電

篠田株式会社

小水力発電の導入

→小水力発電の導入には経済性以外の付加価値が重要

小規模の水力発電は、大規模のものと比較すると、経済性の良いものではない

CO2排出量の削減

環境教育 地域振興環境貢献

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1. 小水力発電

篠田株式会社

小水力発電の導入

CO2の削減について

小水力発電は、化石燃料の燃焼により発電する火力発電とは異なり、CO2を排出しない自然エネルギーです。この自然エネルギーで発電した電力を利用すると、その分だけCO2の排出量を削減できたとみなすことが出来ます。

1kWh発電した時にどれだけCO2を削減できたかは「CO2排出係数」を用いて計算します。

年間CO2削減量(kg) = 年間発電量(kWh) × CO2排出係数(kg-CO2/kWh)

【計算例】ある自然エネルギー源により年間50,000kWh発電した場合(CO2排出係数を0.55とする)

年間CO2削減量(kg) = 50,000(kWh) × 0.55(kg-CO2/kWh)= 27,500(kg)

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1. 小水力発電

篠田株式会社

小水力発電の導入

大規模水力発電と比べ、平地にコンパクトに設置する事が可能

太陽光や火力発電と異なり、水流が水車を回し、モーターを回転させる様子を直接

見る事が出来る。

→環境教育の場として利用できる

近年では、こども向け教材に再生可能エネルギーに関する事が取り上げられたり、授

業で水車を製作したりと、環境に関する教育が盛んになってきている。

環境教育への導入について

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1. 小水力発電

篠田株式会社

導入前の手続き

調

地元住民との合意形成

地元住民

水利使用許可等

国土交通省 河川国道事務所河川管理課

発電設備認定等

地方経済産業局資源エネルギー環境部電力事業課電気事業法

河 川 法

電力会社との協力

電力会社

地 元 対 応

電 力 協 議

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2. メリット・デメリット

篠田株式会社

再生可能エネルギーの中でも、小水力発電は年間を通じて出力がほぼ一定で、

同出力であれば、太陽光発電や風力発電と比べて3~10倍の電力量が得られる。

水量が出力に大きく影響するため、発電に適した流量と落差が得られなければ設

置は不可。つまり、どこへでも設置できるというものではない。

水力発電(出力5kW)

5kW x 24時間 x 365日 x 0.8(利用率)=35,000kWh/年

太陽光発電(出力5kW)

5kW x 3.77時間* x 365日 =6,880kWh/年(*NEDO, 岐阜市平均日射時間)

約5倍の電力量

水力発電(出力5kW)

落差1mの場所で、0.8㎥/sの流量が確保できる場所に限られる

太陽光発電(出力5kW)

35~45㎡の日の当たる土地があれば発電可能

Page 9: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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3. エネルギーの計算式

篠田株式会社

発電出力P(kW)の求め方

発電出力P[kW]=9.8×落差[m]×流量[㎥/s]×変換効率[%]

ここで

・9.8は重力加速度

・変換効率はタービン、発電機、ギア等のロスの合計値

出力は、落差と流量でほぼ決まります。

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4. 水車の種類

篠田株式会社

タイプ 種類 特徴

密閉型水車

ペルトン

大きな落差、流量が必要

出力規模が大きい

山間部向け

フランシス

カプラン

開放型水車

上掛け水車

落差、流量が少なく済む

出力規模が小さい

平地向け

らせん水車

渦式水車

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5. 重力渦水式小水力発電機 VORTEX

篠田株式会社

回転タンク底部の排水孔から、流水を排水

する際に出来る渦の力を利用して発電

平地で多く見られる低流量・低落差の小川や

水路に適した小水力発電システム

呼吸する発電機 VORTEX

発電目的以外にも溶存酸素量の向上が期待

できる、環境に配慮した発電システム

低落差・小流量

シンプルな構造

環境にやさしい

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5. 重力渦水式小水力発電機 VORTEX

篠田株式会社

重力渦式水車VORTEX

従来型水車(上掛け、下掛け)

特徴円形タンク底部の排水孔から排水時に

出来る渦を利用して水車を回転させる

横軸の水車へ上部又は下部からの流水の力

を利用して水車を回転させる

必要落差 0.7m~ 2m~

コスト(10kW規模)

本体価格のみでおよそ2500万円 総建設費3000~5000万円

サイズ横幅:6m程度

高さ1.5m

横幅:水路幅程度

高さ:地上3~4m

効率 65% 60~65%

環境影響簡易的な魚道で遡上が可能

曝気効果により浄化能力活性化魚の遡上には別途魚道が必要

メンテナンス小型の漂流物は水車に詰まることなく

通過するため除去頻度が少なく済む

漂流物が流れ込まないようにする対策が必

要。溜まった漂流物の除去が必要

VORTEXの優位性

Page 13: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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5. 重力渦水式小水力発電機 VORTEX

篠田株式会社

おおよそこの領域

低落差:0.7m~2m 少流量:0.05㎥~20㎥

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6. 基本構造

篠田株式会社

支持体

発電機

遊星ギア

導水路

回転タンク

タービン

魚道

底部排水孔排水路

VORTEXの構成要素

Page 15: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

低圧連係、逆潮流ありの場合に用いられる

インバーターと組み合わせる事で、

系統連系の技術要件をクリアしやすい

低圧連係、逆潮流無しの場合に用いられる

価格が安い

自立運転の場合、使用は難しい

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6. 基本構造

篠田株式会社

発電機

発電機には様々な種類があり、VORTEX設置の際には目的に応じて使い分けられる。

発電機

直流発電機

交流発電機

同期発電機

誘導発電機

永久磁石同期発電機(PMG)

電磁石同期発電機

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6. 基本構造

篠田株式会社

遊星ギア

遊星キャリア :入力太陽歯車 :出力内歯車 :固定

の場合

増速比は (Za+Zc)/Za

= × (Za+Zc)/Za

発電機の回転数は700~1500rpm程度だが、低落差向けの水車は100~500rpm程度の低速で回転して

いるため、増速機を用いて回転数を上げる必要がある。

VORTEXの場合、水車が35rpm前後で回転しているため、20~40倍のギア比の増速機が必要となり、

通常の歯車機構やプーリーでは大がかりな装置になってしまうため、遊星ギアを採用し、省スペー

ス化を図っている。

遊星歯車( 歯 数 Z b )

内歯車(歯数 Z c )

遊星キャリア(遊星歯車の公転により回転)

太陽歯車( 歯 数 Z a )

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6. 基本構造

篠田株式会社

魚道

通常、落差1.5mの小水力発電を設置した時、魚が遡上できるようにするためには1.5mの高さを

登れる長い魚道や休息プールが必要。VORTEXの場合は、高さ1.5mの回転タンクを設置しても、

タンク底部に魚道を接続する事で、短い距離の魚道1本で済む。

流速が早く

圧力が小さい

下に落ちる流れは

弱くなる

魚が上りやすい=

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6. 基本構造

水は低い堰を通って導水路へ流れ込みます。同時に余水路を設ける事で、

増水時に回転タンクに設計量以上の水が流入する事を防止します。

篠田株式会社

流木によるタービンへの影響を防ぐため、目の粗い柵を設置します。

電球やりんご程度の大きさのものは問題なく流れていきます。

上面図

Page 19: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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6. 基本構造

回転タンクに流れ込んだ水が、底の穴から排水されるまで

の数十秒間激しく回転運動をする際、空気中の酸素が水中

に取り込まれ、溶存酸素量が向上します

篠田株式会社

溶存酸素量が向上することにより、タンクの内壁に藻や水

棲生物が繁殖し、それらをエサとする魚や小生物が生息す

るようになります。

断面図

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7. 環境効果

水質浄化装置から進化したVORTEX

篠田株式会社

開発者Zotlötererさん(オーストリア人)

「沼の自己浄化力を活性化するための水曝気システム」

池の魅力的な景観はキープしたい

「そうだ、娘のために庭の池をプールにしよう」

Zotさんのこだわり

沼=流れの無い水 → 汚泥がたまりやすく酸素が欠乏

化学物質は使いたくない

Page 21: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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7. 環境効果

水質浄化装置から進化したVORTEX

篠田株式会社

VORTEXの開発者であるZotlöterer(ツォットロータラー)さんは、愛娘のために庭の池をプールにすることを考えま

した。そこで、池の魅力的な景観を保ちつつ、子供の安全を考えて化学物質を使用せず快適な水泳環境を確保するた

めに、有害物質および栄養物質の自然な分解を加速化させ、沼の水を持続的に浄化する「沼(遊泳用の池)の自己浄

化力を活性化するための水曝気システム」を発明しました。

流れの無い水は汚泥がたまりやすく酸素が欠乏しやす

い傾向があります。回転タンク内の水の渦の回転運動

によって、水と空気の間の自然なガス交換が行われ、

酸素がしっかりと水に結合し、それによって沼内の微

生物が有害物質および栄養物質を分解できるようにな

ります。

この特許技術により、Zotlöterer(ツォットロータ

ラー)さんの池の水は、1999年の設置以来、抜群の透

明度を誇り、彼の発明はオーストリアで数々の水に関

する賞を受賞しています。

Page 22: 呼吸する発電機 VORTEX [重力渦水式小水力発電システム]

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7. 環境効果

バイオリアクターとしてのVORTEX

篠田株式会社

タンクの水草1㎡あたり1000匹の小生物が生息

藻や小生物をエサとする魚がタンク内外に生息

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8. メンテナンス

シンプル構造、故にメンテナンスも簡単。

篠田株式会社

週1回 柵の点検(5~10分)

月1回 ギアの点検

年1回 オイル交換

タービン羽根の間隔は、狭くても14cm程度

魚や枯葉などはもちろん、電球も問題なく通過

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9. 安全性

フェンスで囲い、「立入禁止」表示する。

タンクの上をグレーチング等でカバーする。

篠田株式会社

設置箇所に適した安全対策

↑並列設置も可能↓

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10. 設置実績

篠田株式会社

世界に広がるVORTEX

オーストリアオーバーグラーフェンドルフ

落差:1.5m流量:0,9m³/s出力:8,3 kW年間発電量:60000kWh2006年から稼働

インドネシアバリ島

落差:1.5m流量:? 水利権許可申請中2007年学校付近に設置2012年新型タービン設置予定

ドイツヴィンターベルク(Winterberg)

落差:2×1.4m流量: 0.5m³/s出力:2×3.8kW 年間発電量:36000kWh

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10. 設置実績

篠田株式会社

世界に広がるVORTEX

ラトヴィア

落差:1.5m流量:0.5m³/s出力:4.4kW 年間発電量:24.000kWh

オーストリアヴィミッツ(Wimitz)

落差:0.9m流量:2×0,7m³/s 出力:2×3.5kW 年間発電量:27.000kWh

ドイツヴィンターベルク(Winterberg)

落差:1.4m 流量:0.5m³/s出力:3.8kW 年間発電量:18000kWh

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