1 復習 - 北海道大学labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/coast/wp-content/uploads/...s...
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流体力学
1 復習
1.1 Taylor Series (テイラー級数)
f(x0 +∆x, y) = f(x0, y) +∂
∂xf(x0, y)∆x+
∂2
∂x2f(x0, y)
(∆x)2
2+ · · ·
+∂n
∂xnf(x0, y)
(∆x)n
n!+ · · · (1)
f(x0 + ∆x, y0 +∆y) = f(x0, y0) +∂
∂xf(x0, y0)∆x+
∂
∂yf(x0, y0)∆y
+∂2
∂x2f(x0, y)
(∆x)2
2+
∂2
∂y2f(x0, y0)
(∆y)2
2+
∂2
∂x∂yf(x0, y0)(∆x∆y) + · · ·
+∂m+n
∂xm∂ynf(x0, y0)
(∆x)m(∆y)n
m!n!+ · · · (2)
1.2 ベクトル演算
1.2.1 Dot Product (内積)
a = axi+ ayj + azk, b = bxi+ byj + bzk
a · b = |a||b|cosθ = axbx + ayby + azbz (3)
1.2.2 Cross Product (外積)
|a× b| = |a||b|sinθa× b = (axi+ ayj + azk)× (bxi+ byj + bzk)
= (aybz − azby, azbx − axbz, axby − aybx) (4)
1.2.3 Gradient (勾配)
∇p = grad(p) = (∂p
∂x,∂p
∂y,∂p
∂z) (5)
∇ = (i∂
∂x+ j
∂
∂j+ k
∂
∂z) (6)
1.2.4 Divergence (発散)
∇ · a = div(a) =∂ax∂x
+∂ay∂y
+∂az∂z
(7)
∇ ·∇p =∂2p
∂x2+∂2p
∂y2+∂2p
∂z2= ∇2p = ∆p (8)
1.2.5 Curl or Rotation (回転)
∇× a = (∂az∂y
− ∂ay∂z
,∂ax∂z
− ∂az∂x
,∂ay∂x
− ∂ax∂y
) (9)
1.2.6 その他ベクトル公式
∇ · (∇× a) = 0 (10)
∇×∇p = 0 (11)
1.2.7 テンソル
スカラー⇒量⇒温度,密度,エネルギー..ベクトル⇒方向をもつ⇒速度テンソル⇒ベクトルを引数としてベクトルを値とする作用素 (行列)⇒応力
e.g. ベクトル a,bとテンソル T が a=T bは, ax
ay
az
=
Txx Txy Txz
Tyx Tyy Tyz
Tzx Tzy Tzz
bx
by
bz
(12)
2 保存則
質量保存則 ⇒ 密度 ρ (水:1g/cm3,空気:0.0012g/cm3) ⇒ 連続式
運動量保存則 ⇒ ρu, ρv, ρw ⇒ Euler式 (完全流体),Navier-Stokes
式 (粘性流体)
エネルギー保存則 ⇒ e.g. 12(u
2 + v2 + w2) ⇒ Bernoulli式,エネ
ルギー輸送方程式
2.1 質量保存則
ある領域 (V )の流体の質量の増加=その領域の表面 (S)を通して流入す
る流体の質量
d
dt
∫VρdV = −
∫S(ρu · n) (13)
ここで,nは外向き単位法線ベクトル.
ベクトルAに対するGaussの発散定理∫S(ρA · n)dS =
∫V∇ ·AdV (14)
スカラーあるいはベクトル qに対する Leibnizの積分定理
d
dt
∫Vq(x, y, z, t)dV =
∫V
∂
∂tq(x, y, z, t)dV (15)
を適用すると, ∫V
∂ρ
∂t+∇ · (ρu)dV = 0 (16)
これは,x, y, zに位置し,1辺が∆x,∆y,∆zである立方体微小要素の
質量変化を Taylor展開で近似して考えることもできる.[∂ρ
∂t∆t
]∆x∆y∆z = −
[∂ρu
∂x+∂ρv
∂y+∂ρw
∂z
]∆x∆y∆z∆t (17)
任意の領域に対して (16), (17)式を恒等的に満足する条件
∂ρ
∂t+∇ · (ρu) = 0 (18)
∂ρ
∂t+∂ρu
∂x+∂ρv
∂y+∂ρw
∂z= 0 (19)
∂ρ
∂t+ u
∂ρ
∂x+ v
∂ρ
∂y+ w
∂ρ
∂z+ ρ(
∂u
∂x+∂v
∂y+∂w
∂z) = 0 (20)
1
ρ
dρ
dt=
1
ρ
dρ
dp
dp
dt(21)
右辺 1ρdρdp は圧縮率∼ 0.45× 10−10cm2/dyn
非圧縮性の仮定⇒非圧縮性流体
∂u
∂x+∂v
∂y+∂w
∂z= 0 (22)
2.2 運動量保存則
ニュートンの第 2法則
ΣFi = mα (23)
Fi: 圧力,粘性力,外力 (重力),α:加速度 (=du/dt)
2.2.1 実質微分と慣性力
流れを特徴付ける流体粒子に追従する量 f(x, y, z, t)
∂f
∂t+ u
∂f
∂x+ v
∂f
∂y+ w
∂f
∂z(24)
実質微分
D
Dt=
∂
∂t+ u
∂
∂x+ v
∂
∂y+ w
∂
∂z=
∂
∂t+ (u ·∇) (25)
f を流速 u(u, v, w)とすると
Du
Dt=∂u
∂t+ (u ·∇)u (26)
流速ベクトルの各成分は
Du
Dt=
∂u
∂t+ u
∂u
∂x+ v
∂u
∂y+ w
∂u
∂z(27)
Dv
Dt=
∂v
∂t+ u
∂v
∂x+ v
∂v
∂y+ w
∂v
∂z(28)
Dw
Dt=
∂w
∂t+ u
∂w
∂x+ v
∂w
∂y+ w
∂w
∂z(29)
定常流 ∂∂t → 0
x軸に対して一様 ∂∂x → 0
2.2.2 圧力
境界面に垂直に働く→ 完全流体では全ての方向に等しい値をとる (等
方性)
Fp = (−∂p∂x,−∂p
∂y,−∂p
∂z) (30)
2.2.3 オイラー (Euler)の運動方程式
後述する粘性力を考えず(完全流体),慣性力と圧力,外力とにより運
動量の保存を記述する以下の式をオイラー (Euler)の運動方程式という.
Du
Dt=
∂u
∂t+ u
∂u
∂x+ v
∂u
∂y+ w
∂u
∂z= −1
ρ
∂p
∂x+Kx (31)
Dv
Dt=
∂v
∂t+ u
∂v
∂x+ v
∂v
∂y+ w
∂v
∂z= −1
ρ
∂p
∂y+Ky (32)
Dw
Dt=
∂w
∂t+ u
∂w
∂x+ v
∂w
∂y+ w
∂w
∂z= −1
ρ
∂p
∂z+Kz (33)
ここで,K = (Kx,Ky,Kz)は外力ベクトルであるベクトル表記では,
Du
Dt=∂u
∂t+ (u ·∇)u = −1
ρ∇p+K (34)
2.2.4 粘性力
流体の変形⇒内部応力の発生
変形と回転
流速 u(u, v, w)のそれぞれの軸 (x, y, z)方向の勾配(速度勾配テンソル)
E
E =
∂u∂x
∂u∂y
∂u∂z
∂v∂x
∂v∂y
∂v∂z
∂w∂x
∂w∂y
∂w∂z
(35)
E は,流体要素の変形を表す対称テンソル (S)と回転を表す非対称テン
ソル (Ω)に分けられる (E = 12S + 1
2Ω)
E =1
2
2∂u∂x
∂u∂y + ∂v
∂x∂u∂z + ∂w
∂x∂v∂x + ∂u
∂y 2∂v∂y
∂v∂z + ∂w
∂y∂w∂x + ∂u
∂z∂w∂y + ∂v
∂z 2∂w∂z
+1
2
0 ∂u∂y − ∂v
∂x∂u∂z − ∂w
∂x∂v∂x − ∂u
∂y 0 ∂v∂z − ∂w
∂y∂w∂x − ∂u
∂z∂w∂y − ∂v
∂z 0
(36)
Sは流体の変形を引き起こし,その各成分をひずみ速度またはひずみ率と
呼ぶ.Ωは流体の回転を引き起こし,その成分を渦度と呼ぶ.
Ω は,渦度ベクトル ω = (ωx, ωy, ωz) から構成される.ここで,ωx =∂w
∂y− ∂v
∂z, ωy =
∂u
∂z− ∂w
∂x, ωz =
∂v
∂x− ∂u
∂yである.
流体を変形させる粘性力→ひずみ率に比例(ニュートン流体)
τ = µS =
τxx τxy τxz
τyx τyy τyz
τzx τzy τzz
= µ
2∂u∂x
∂u∂y + ∂v
∂x∂u∂z + ∂w
∂x∂v∂x + ∂u
∂y 2∂v∂y
∂v∂z + ∂w
∂y∂w∂x + ∂u
∂z∂w∂y + ∂v
∂z 2∂w∂z
(37)
µは粘性係数である.
2.2.5 粘性流体の運動方程式
(23)に粘性力,圧力,外力をそれぞれ代入すると
∂u
∂t+ (u ·∇)u = −1
ρ∇p+
1
ρ∇ · τ +K (38)
ここで,ρは密度,K は外力ベクトルである.
非圧縮性条件 (22)を粘性項に与え, 流速ベクトルのそれぞれの成分で表示
すると
Du
Dt=∂u
∂t+ u
∂u
∂x+ v
∂u
∂y+ w
∂u
∂z= −1
ρ
∂p
∂x+ ν(
∂2u
∂x2+∂2u
∂y2+∂2u
∂z2) +Kx(39)
Dv
Dt=∂v
∂t+ u
∂v
∂x+ v
∂v
∂y+ w
∂v
∂z= −1
ρ
∂p
∂y+ ν(
∂2v
∂x2+∂2v
∂y2+∂2v
∂z2) +Ky (40)
Dw
Dt=∂w
∂t+ u
∂w
∂x+ v
∂w
∂y+ w
∂w
∂z= −1
ρ
∂p
∂z+ ν(
∂2w
∂x2+∂2w
∂y2+∂2w
∂z2) +Kz (41)
ここで,動粘性係数 ν = µ/ρである.ベクトル表記では,
Du
Dt= −1
ρ∇p+ ν∇2u+K (42)
上式を非圧縮性流体の Navier-Stokes式と呼ぶ.Navier-Stokes式は,慣
性系の流体に働く全ての応力バランスを記述し,流体に関わる応用の殆ど
において基礎式とした適用されている.
2.2.6 運動量保存則 (一般導出)
固定されたある領域 S 内の運動量の単位時間あたりの増加=面 S 上の
応力 (σ)のつくる力積+体積力
d
dt
∫VρudV =
∫S(σ · n)dS +
∫VρKdV (43)
Gaussの発散定理から ∫S(σ · n)dS =
∫V∇ · σdV (44)
Reynoldsの輸送定理は,
d
dt
∫VqdV =
∫V
∂q
∂t+∇ · (qu)dV (45)
ここで,運動量 q = ρuである.これらより,∫V
[∂ρu
∂t+∇ · (ρu : u)−∇ · σ − ρK
]dV = 0 (46)
V は任意なので,
∂ρu
∂t+∇ · (ρu : u) = ∇ · σ + ρK (47)
これが一般的な(圧縮性流体)運動方程式 (Navier-Stokes式)である.こ
こで,ベクトル同士のテンソル積∇ · (ρu : u) = (∇ρu)u+ ρu∇ ·uなので,上式を整理し,質量保存則 ∂ρ
∂t +∇ · (ρu) = 0を使い,ρ = const.と
すると,非圧縮性の運動方程式が得られる.
∂u
∂t+ (∇u)u =
1
ρ∇ · σ +K (48)
ここで,非圧縮性 (∇ · u = 0)を考えると,応力テンソル σは
σ = −pI + 2λ(∇ · u)I + τ ≈ −pI + τ (49)
λ:第 2粘性.I:単位テンソル.
非圧縮性流体では,
σ = −p
1 0 0
0 1 0
0 0 1
+ µ
2∂u∂x
∂u∂y + ∂v
∂x∂u∂z + ∂w
∂x∂v∂x + ∂u
∂y 2∂v∂y
∂v∂z + ∂w
∂y∂w∂x + ∂u
∂z∂w∂y + ∂v
∂z 2∂w∂z
(50)
2.2.7 境界面上の流れ
粘性力を考えるかどうかによって境界面上の流れが満たすべき条件が異
なる.
完全流体に対しては,固体境界上において流体は滑って移動する条件,「滑
り条件 (slip condition)」を満足する.すなわち,一様な流速 u0で水平板
上を流れる完全流体の境界上の流速は u = u0である.これは現実的な流
れではあり得ないが,近似的に粘性力が無視できるような流れにおいて
は,流れの単純化の目的で使われる.
粘性流体に対しては,固体境界上において流体は,固体に付着する(固体
の速度に一致する)条件「付着条件 (non-slip condition)」を満足する.す
なわち,一様な流速 u0で静止した水平板上を流れる粘性流体の境界上の
流速は u = 0である.この時にはたらくせん断力は,物体にはたらく力を
決定する.
2.2.8 渦の発生,輸送,消滅
2次元 Euler式についてローテーション (回転)を考える.
∂
∂t(∂u
∂z−∂w∂x
)+u∂
∂x(∂u
∂z−∂w∂x
)+w∂
∂z(∂u
∂z−∂w∂x
)+(∂u
∂z−∂w∂x
)(∂u
∂x+∂w
∂z) = 0
(51)
2次元平面上の渦度 ωy = ∂u∂z − ∂w
∂x と非圧縮性連続式より,
Dωy
Dt=∂ωy
∂t+ u
∂ωy
∂x+ w
∂ωy
∂z= 0 (52)
この式は,完全流体において,初期に渦が無い流れの中には渦が生まれる
ことはなく,また初期に渦がある場合はその渦は消えることなく輸送され
ることを表している.
=⇒渦の不生不滅の定理(Lagrangeの渦定理)
粘性流体では,同様にNavier-Stokesのローテーションをとると,
∂
∂t(∂u
∂z− ∂w
∂x) + u
∂
∂x(∂u
∂z− ∂w
∂x) + w
∂
∂z(∂u
∂z− ∂w
∂x) + (
∂u
∂z− ∂w
∂x)(∂u
∂x+∂w
∂z)
= ν
[∂2
∂x2(∂u
∂x+∂w
∂z) +
∂2
∂z2(∂u
∂x+∂w
∂z)
](53)
となり,同様な代入により,次の渦輸送方程式が得られる.
Dωy
Dt=∂ωy
∂t+ u
∂ωy
∂x+ w
∂ωy
∂z= ν(
∂2ωy
∂x2+∂2ωy
∂z2) (54)
右辺は,粘性流体における渦度の拡散を表す.
2.2.9 速度ポテンシャル
2次元の流れ中の2点A, Bを結ぶ曲線Cについて速度ベクトルu(u,w)
の接線方向 ds(dx, dy)の線積分は,
ϕ(AB) =
∫ B
Au · ds (55)
AB間の経路によらない積分は ϕの完全微分 dϕを使って次のように表さ
れる.
ϕ(AB) =
∫ B
Adϕ =
∫ B
A∇ϕ · ds (56)
これらより,流速u(u,w)は速度ポテンシャル ϕを使って以下のように記
述できる.
u =∂ϕ
∂x(57)
w =∂ϕ
∂z(58)
この時,uの回転をとると (∇× u)
∂u
∂z− ∂w
∂x= 0 (59)
つまり,渦なし流れを表す.
2.2.10 流れ関数
線要素に直交する速度ベクトルの線積分を考えると,
ψ =
∫ B
Au · nds (60)
ここで,nは単位法線ベクトル,ds = |ds| AB間の経路によらない積分
は ψの完全微分 dψを使って次のように表される.
ψ =
∫ B
Adψ =
∫ B
A∇ψ · ds (61)
速度ベクトルは
u =∂ψ
∂z(62)
w = −∂ψ∂x
(63)
これらの式より,速度ポテンシャルと流れ関数には以下の関係が存在す
ることがわかる.∂ϕ
∂x=∂ψ
∂z(64)
∂ϕ
∂z= −∂ψ
∂x(65)
これをコーシー・リーマンの関係という.
流線:ψ=constantとなる線 (速度ベクトルの方向と流線上の点の接線
が一致する)
2.3 ベルヌイ (Bernoulli)の定理
オイラーの運動方程式 (∂u∂t + (u ·∇)u = −1ρ∇p +K)の移流項 (非線
形項)は次のように変形できる.
(u ·∇)u = ∇(1
2|u|2)− u× (∇× u) (66)
ここで,上式の右辺第二項の∇× uは渦度ベクトル (ω)をあらわしてお
り次のように書くことができる.
∇× u = ω = (∂w
∂y− ∂v
∂z,∂u
∂z− ∂w
∂x,∂v
∂x− ∂u
∂y) (67)
こうして,変形したオイラー式を整理すると
∇[1
2|u|2 + p
ρ+ gz
]= u× ω − ∂u
∂t(68)
2.3.1 定常流の流線上のベルヌイ式
u×ωは,流速ベクトル及び渦度ベクトルの両者に直交するので,流線
上に沿って考えると流線方向の成分は常に0.即ち,1本の流線に対して
ベルヌイ式は
∇[1
2|u|2 + p
ρ+ gz
]= 0 (69)
流線に沿って積分すると
1
2|u|2 + p
ρ+ gz = C(s) (70)
2.3.2 非定常,非回転 (ω = 0)流れのベルヌイ式
ω = 0及び速度ポテンシャル (u = ∇ϕ)を導入すると
∇[∂ϕ
∂t+
1
2|u|2 + p
ρ+ gz
]= 0 (71)
積分すると∂ϕ
∂t+
1
2|u|2 + p
ρ+ gz = C(t) (72)
流線上に限定されず,どの位置でも適用できる.なお,定数関数C(t)は,速
度ポテンシャルに含めることで消去することも可能である (ϕ′(x, y, z, t) =
ϕ(x, y, z, t) + f(t),ここで ∂f(t)∂t = C(t)).
∂ϕ′
∂t+
1
2|u|2 + p
ρ+ gz = 0 (73)
3 ポテンシャル流れ
速度ポテンシャル u = ∇ϕを導入し,非圧縮性流体の連続式∇ ·u = 0
に代入すると,
∇2ϕ = ϕ = 0 (74)
を得る.この式をラプラス方程式という.
非圧縮性の渦なし流れにおいては,ϕはラプラス方程式の解でなければな
らない.⇒非圧縮性渦なし流れの速度場を求める問題は,与えられた境界条件を満たす関数 ϕを見つける問題に帰着する.つまり,非圧縮の連続
式と渦なしの条件だけから,速度場が導かれる.
3.1 いろいろなポテンシャル流れ
ラプラス方程式は線形なので解の重ね合わせが可能である.ラプラス式
の2つの解 ϕ1,ϕ2とすると ϕ3 = ϕ1 + ϕ2もまた解.
3.1.1 一様流
ϕ = U · x (75)
ここで,U = (U1, U2, U3).
3.1.2 湧き出しと吸い込み
球座標 (r,θ,φ)上で,原点を中心とする球対称な解をみつける.
ϕ =1
r2∂
∂r(r2
∂ϕ
∂r) = 0 (76)
の解は.
ϕ = −mr
+ C (77)
ここで,m,Cは定数.流速は半径方向成分のみであり,ur =∂ϕ∂r = m
r2. こ
れは,mの符号に応じて,流れの湧き出し,吸い込みを表す.
3.1.3 半無限体
x軸に沿う一様流 (ϕ1 = Ux)と湧き出し (ϕ2 = −mr )の重ね合わせ
ϕ = Ux− m
r(78)
よどみ点の座標 x = −√m/U,x → ∞における半径 2
√m/U の半無限
筒状の物体を過る一様流れを表す.
x軸上で速度が 0となる淀み点 (x = a)は,
∂ϕ
∂r= −u+
m
a2= 0 (79)
a = −√m/u (80)
3.1.4 二重湧き出し
近接する同強度の湧き出しと吸い込みを考える.
ϕ = −mr1
+m
r2(81)
Q1とQ2の距離 2ϵを近づけていくと,漸近解
ϕ ∼ −µcosθr2
(82)
をえる.ここで,µ = 2ϵm.次の図の様な流線を持つ流れとなる.
3.1.5 球を過ぎる一様流
一様流 ϕ1 = Uxと二重湧き出し ϕ2 = −µcosθr2との重ね合わせの解
ϕ = U(r +a3
2r2)cosθ (83)
これは,半径 aの球を過ぎる一様流を表す.ここで,µ = −Ua3/2.球面上 (r = a)では,不透過条件 (∂ϕ∂n = 0)から接線方向流速のみ存在し,
uθ = (1
r
∂ϕ
∂θ)r=a = −3
2U sin θ (84)
3.2 一様流中に置かれた球にはたらく力
二重湧き出し流れの速度ポテンシャルをつかって,球に及ぼす力を求
める.
3.2.1 完全流体の場合
物体に及ぼす力
F = −∫S0
pndS (85)
ここで,S0:表面積,p:圧力,n:外向き法線ベクトル.圧力は,一般化さ
れたベルヌイ式より
p
ρ= −3
2
dU
dta cos θ +
9
16U2 cos 2θ − 9
16U2 − gz + C(t) (86)
流れ方向の力
Fx = −ρ∫ π
02πa sin θadθp cos θ (87)
圧力を代入すると,定常流れ (dUdt = 0)では,Fx は常に0.つまり,球
には流れ方向の力がはたらかないという実際にはあり得ない結果となる.
これは,完全流体 (非粘性)という仮定の矛盾によるものであり,ダラン
ベールのパラドックスという.なお,非定常の場合,式 (86)第 2項によ
る水平方向の力は以下のようになり,球が排除した水の質量 (ρV )の 1/2
が付加的に作用する力 (付加質量力)が発生する.
Fx = 2πρa3dU
dt=
4
3πρa3 × 3
2× dU
dt= ρV CM
dU
dt(88)
ここで,CM は付加質量係数と呼ぶ (球の場合は,CM = 3/2).
鉛直方向の力
静水圧をあらわす p = −ρgz = −ρga cosφ
Fz = −ρ∫ π
02πa sinφadφp cosφ =
4
3πa3ρg = ρV g (89)
Fz は物体にはたらく浮力を表す⇒アルキメデスの原理.
3.2.2 粘性流体の場合
粘性流体の運動方程式Navier-Stokes式の非線形項 (移流項)を無視⇒Stokes
近似∂u
∂t= −1
ρ∇p+ ν∇2u (90)
上式の発散をとると圧力のラプラス式が得られる.
∇2p = 0 (91)
定常流れを仮定すると,運動方程式は
∇2u =1
µ∇p (92)
上 2式の解 (遅い粘性流れ)は次のように与えられる (計算メモ参照).
p = A∂
∂x(1
r) = −Ax
r3(93)
u = A
(1
2µ
∂
∂x(∂r
∂x)− 1
µr
)= − A
2µ(1
r+x2
r3) (94)
v = A1
2µ
∂
∂y(∂r
∂x) = −Axy
2µr3(95)
w = A1
2µ
∂
∂z(∂r
∂x) = −Axz
2µr3(96)
ここで,Aは定数.一方,実際の流れ (u∗,v∗,w∗)は粘性流れとポテンシャ
ル流れの和で表してよい(ヘルムホルツ分解).
p∗ = p∞ + p (97)
u∗ = U +∂ϕ
∂x+ u (98)
v∗ =∂ϕ
∂y+ v (99)
w∗ =∂ϕ
∂z+ w (100)
ここで,これらは無限遠 (r → ∞)での境界条件 u∗ → U , v → 0, w → 0,
p→ p∞を満足していることが分かる.一方,二重湧き出しの速度ポテン
シャルが球を過ぎる流れを表すことは既に習っている.
ϕ = Bxa3
2r3(101)
ここで,Bは定数.実際の流速は球の表面上 (r = a)で,0となる (付着
条件,u∗ = 0).この境界条件より,定数A,Bを以下の様に決定するこ
とができる.
A =3
2µaU (102)
B = −U2
(103)
これらを代入し,流速及びある力を次のように決定できる.
p∗ = −3
2µaU
x
r3(104)
u∗ = U − aU
4r(a2
r2+ 3) +
3aUx2
4r3(a2
r2− 1) (105)
v∗ =3aUxy
4r3(a2
r2− 1) (106)
w∗ =3aUxz
4r3(a2
r2− 1) (107)
流れ方向 (x軸方向)の力は,単位法線ベクトルを nとして
Fx =
∫σxn|r=adS =
∫σxndS =
∫ π
0sin θadθσxn|r=a (108)
ここで,
σxn|r=a = (x
rσxx +
y
rσxy +
z
rσxz)r=a (109)
=1
a
[−xp∗ + 2µx
∂u∗
∂x+ µy(
∂u∗
∂y+∂v∗
∂x) + µz(
∂u∗
∂z+∂w∗
∂x)
]=
3
2
µU
a
(計算メモ参照). これを (108)に代入し積分すると,Stokes近似による球
に働く力は
Fx = 6aπµU (110)
これを Stokesの抵抗則という.
<計算メモ> (93)の微係数
∂p
∂x= −A
r3+ 3
Ax2
r5
∂2p
∂x2=
9Ax
r5− 15Ax3
r7
∂p
∂y= 3
Axy
r5
∂2p
∂y2=
3Ax
r5− 15Axy2
r7
∂p
∂z= 3
Axz
r5
∂2p
∂z2=
3Ax
r5− 15Axz2
r7
(94)の微係数
∂u
∂x= − A
2µ(x
r3− 3
x3
r5)
∂2u
∂x2= − A
2µ(1
r3− 12
x2
r5+ 15
x4
r7)
∂u
∂y=
A
2µ(y
r3+ 3
x2y
r5)
∂2u
∂y2= − A
2µ(− 1
r3+ 3
y2
r5− 3
x2
r5+ 15
x2y2
r7)
∂u
∂z=
A
2µ(z
r3+ 3
x2z
r5)
∂2u
∂z2= − A
2µ(− 1
r3+ 3
z2
r5− 3
x2
r5+ 15
x2z2
r7)
(105),(106),(107)の微係数
∂u∗
∂x= −aU
4(−3
a2x
r5− 3
x
r3) +
6aUx
4r3(a2
r2− 1) +
3
4aUx2(−5
a2x
r7+ 3
x
r5)
∂u∗
∂y= −aU
4(−3
a2y
r5− 3
y
r3) +
3
4aUx2(−5
a2y
r7+ 3
y
r5)
∂u∗
∂z= −aU
4(−3
a2z
r5− 3
z
r3) +
3
4aUx2(−5
a2z
r7+ 3
z
r5)
∂v∗
∂x=
3
4
aUy
r3(a2
r2− 1) +
3
4aUxy(−5
a2x
r7+ 3
x
r5)
∂w∗
∂x=
3
4
aUz
r3(a2
r2− 1) +
3
4aUxz(−5
a2x
r7+ 3
x
r5)
3.2.3 抗力
圧力,粘性力による流れ方向の力を抗力と言い,一般に抗力係数Cdを
用いて以下のように書く.
Fd =ρ
2CdU
2S (111)
S:代表断面積.Stokesの抵抗則を代入すると,
Cd =24
Re(112)
ここで,Reynolds数 Re = Ud/ν(d:球の直径).Stokes則は,Reynolds数
が小さい時のみ有効.
一定速度で静水中を沈降する球の終末沈降速度wT は,抗力=重力-浮
力として計算すると,
wT =
√8(γ − 1)ag
3Cd(113)
ここで,γは,物体の比重である.
一般に,非定常性に係わる力 Fm(88)を含めて,物体に作用する力は,
F = Fd + Fm =ρ
2CdSU |U |+ ρCmV
dU
dt(114)
Cm:慣性力係数(付加質量係数,式 (88)では 1.5),V :物体の体積.
3.3 無次元数
2次元Navier-Stokes式
∂u
∂t+ u
∂u
∂x+ w
∂u
∂z= −1
ρ∇p+ ν
(∂2u
∂x2+∂2u
∂z2
)− g (115)
U :代表流速,T :代表時間,L:代表長さとすると,それぞれの項のオーダー
は
(1) 左辺 1項目:非定常項=⇒ UT−1
(2) 左辺 2, 3項目:非線形項(移流項)=⇒ U2L−1
(3) 右辺 1項目:圧力項=⇒ Pρ−1L−1
(4) 右辺 2項目:粘性項=⇒ νUL−2
(5) 右辺 3項目:重力項=⇒ g
Strouhal数 St= LTU ⇐=(1)の (2)に対する比
Euler数 Eu= PρU2 ⇐=(3)の (2)に対する比
Reynolds数 Re=ULν ⇐=(2)の (4)に対する比
Froude数 Fr= U√gL
⇐=(2)の (5)に対する比の平方根
4 水の波
4.1 対象とする波
1. 様々な水の波 (表面張力波,風波,津波,うねり,潮汐など)のうち
風に起因する波 (風波)を対象.重力が復元力として作用する.
2. 深水域での発生,発達時の風波の諸元 (波高,周期)は,(1)風速,(2)
風の吹送時間,(3)吹送距離で決定される.
3. 相対的に深い海域において,水位変動が小さく,水面の線形の境界
条件で近似可能な波 (微小振幅波)を対象.
4. 浅い海域では,水位変動が大きくなり,非線形境界条件によって近
似可能な波 (有限振幅波)へと遷移する.
4.2 微小振幅波
速度ポテンシャルのラプラス式に対する境界値問題
∇2ϕ = 0 (116)
4.2.1 境界条件
運動学的境界条件
境界面の形が F (x, y, z, t) = 0で与えられるとする.
境界面上の流体粒子は常に境界面上に存在する→ F を微小時間∆tに対
してテイラー展開して整理する.
DF
Dt=∂F
∂t+ u
∂F
∂x+ v
∂F
∂t+ w
∂F
∂z= 0 (117)
単位法線ベクトルn = ∇F/|∇F |をもって整理すると,F = 0上において,
u · n =−∂F
∂t
|∇F |(118)
<固定境界 (一定水深の場合)>∂F∂t =0, F = z + h→ n=(0, 0, 1) より (h:水深)
u · n = w = 0 (119)
<固定境界 (水深が変わる場合)>
∂F∂t =0, F = z + h(x, y) → n =
( ∂h∂x
, ∂h∂y
,1)√( ∂h∂x
)2+( ∂h∂y
)2+1より
w = −u∂h∂x
− v∂h
∂y(120)
<移動境界 (自由水面)>
F = z − η(x, y, t) → n =(− ∂η
∂x, ∂η∂y
,1)√( ∂η∂x
)2+( ∂η∂y
)2+1より (η:水位変動)
w =∂η
∂t+ u
∂η
∂x+ v
∂η
∂y(121)
力学的境界条件
一般化されたベルヌイ式
∂ϕ
∂t+
1
2(u2 + v2 + w2) +
p0ρ
+ gz = C(t) (122)
周期境界条件
波長 L, 周期 T とすると
ϕ(x, t) = ϕ(x+ L, t) (123)
ϕ(x, t) = ϕ(x, t+ T ) (124)
上の境界条件を線形化し,ラプラス式を解くと,以下の速度ポテンシャ
ルの解
ϕ =H
2
g
σ
cosh k(h+ z)
cosh khsin(kx− σt) (125)
と,波の波長と周期の関係を表す以下の分散関係式を得る.
σ2 = gk tanh kh (126)
ここで,σ:角周波数 (=2π/T ), k:波数 (=2π/L), H:波高,h:水深.分散関
係式を使って速度ポテンシャルの解を整理すると
ϕ =H
2
σ
k
cosh k(h+ z)
sinh khsin(kx− σt) (127)
4.2.2 分散関係式
双曲線関数
sinh kh =ekh − e−kh
2(128)
cosh kh =ekh + e−kh
2(129)
tanh kh =sinh kh
cosh kh(130)
非線形である分散関係式 σ2 = gk tanh khは,浅水波 (π/10 < kh < π)
kh
tanh kh
cosh kh
sinh kh
ekh/2
kh
図 1: 双曲線関数
双曲線関数 大きな kh(深水波,kh > π) 小さな kh (長波,kh < π/10)
sinh kh ekh/2 kh
cosh kh ekh/2 1
tanh kh 1 kh
表 1: 双曲線関数の近似値
では,逐次計算で解く必要があるが,深水波,長波は双曲線関数の漸近値
を使って近似できる.
長波 σ2 ≈ ghk2,よって波速 C = L/T = σ/k ≈√gh
深水波 σ2 ≃ gk,よって波速 C ≈ g/σ
4.2.3 進行波の流速と圧力
微小振幅波の速度ポテンシャル (106)と分散関係式 (105)から,進行波
の水平,鉛直流速と圧力をそれぞれ次のように決定できる.
u =∂ϕ
∂x=H
2σcosh k(h+ z)
sinh khcos(kx− σt) (131)
w =∂ϕ
∂z=H
2σsinh k(h+ z)
sinh khsin(kx− σt) (132)
p = −ρgz − ρ∂ϕ
∂t= −ρgz + ρg
H
2
cosh k(h+ z)
cosh khcos(kx− σt)(133)
pの第 1項を静圧 (ps),第 2項を動圧 (pd)と呼ぶ.
4.2.4 重複波の流速と圧力
xの正方向へ進行する波と逆方向に進行する波の重ね合わせを考える.
ϕs = ϕx+ + ϕx− = −H g
σ
cosh k(h+ z)
cosh khcos kx sinσt (134)
us =∂ϕs∂x
= Hσcosh k(h+ z)
sinh khsin kx sinσt (135)
ws =∂ϕs∂z
= −Hσ sinh k(h+ z)
sinh khcos kx sinσt (136)
ps = −ρgz + ρgHcosh k(h+ z)
cosh khcos kx cosσt (137)
4.3 エネルギーフラックス
ある断面を過ぎって単位時間に進行波によって輸送されるエネルギー量
(エネルギーフラックス)=波による仕事率=(F =∫ η−h pdudz) 波 1周期平
均のエネルギーフラックス
F =1
T
∫ t0+T
t0
∫ η
−hpdudzdt
≈ ρg
8H2C
2(1 +
2kh
sinh 2kh)
=ρg
8H2Cg (138)
ここで,群速度 Cg = dσdk = C
2 (1 +2kh
sinh 2kh)である.Cgに長波近似を行う
と Cg ≈ C,深水波近似を行うと Cg = C/2となり,波の伝達に伴い波速
Cに対して相対的に速くなる (波速Cは伝達と共に遅くなることに注意).
4.3.1 エネルギーフラックスの保存
砕波や海底面近傍の乱れによるエネルギー損失を無視すると,波向きに
沿ってエネルギーフラックスは保存される (F =一定).沖の地点Aと岸側
の地点 Bでエネルギーフラックスは保存を考えると
ρg
8H2
ACgABA =ρg
8H2
BCgBBB (139)
HB = HA
√CgA
CgB
√BA
BB(140)
ここで,B は波向線間隔.深水域の波を基準とし,H0,C0 を深水波の波
高,波速とすると (それぞれ沖波波高,沖波波速と呼ぶ),
H = H0
√C0
2Cg
√B0
B= H0KsKr (141)
Ks:浅水係数,Kr:屈折係数.
4.3.2 水粒子の軌道
進行波
平均位置 x = (x, z)からの変位 ξ = (ξ, ζ)
ξ(x, t) ≈∫
u((x, t)dt (142)
ξ = −A sin(kx− σt) (143)
ζ = B cos(kx− σt) (144)
A =H
2
cosh k(h+ z)
sinh kh,B =
H
2
sinh k(h+ z)
sinh kh
変位 ξと ζ は,次の様に楕円の式により記述される.
(ξ/A)2 + (ζ/B)2 = 1 (145)
A, Bはそれぞれ楕円の長軸,短軸を表すことになる.平均鉛直座標 z = 0
の時,水粒子の鉛直変位は水位変動と一致する(水粒子は水面上にある).
長波近似A ≈ HT4π
√gh , B ≈ H
2 (1 +zh)
図 2: 水粒子軌道の座標の定義
深水波近似A ≈ H2 e
kz = A
重複波
ξs(x, t) ≈∫
us((x, t)dt (146)
ξs = −A cosσt (147)
ζs = B cosσt (148)
A = Hcosh k(h+ z)
sinh khsin kx,B = H
sinh k(h+ z)
sinh khcos kx
変位の絶対値 r
r =√A2 +B2 =
H
2
√2(cosh 2k(h+ z)− cos 2kx
sinh kh(149)
4.3.3 物体に作用する波力
直立壁に作用する波力
直立壁前面では,反射波が発生するため重複波動場となる.この時の海底
から静水位までの区間の壁面に働く波力は
F =
∫ 0
−hpsdz = ρg
h2
2+ ρg
H
ktanh kh cos kx cosσt (150)
円柱に作用する波力
海に設置された直径 Dの円柱状杭式構造物に働く波力は,圧力,せん断
力が既に円周方向に積分されモデル化されている (93)式を使い,進行波
の水平流速を代入することで計算できる.
F = Fd + Fm =
∫ 0
−h
ρ
2Cdu|u|dS +
∫ 0
−hρCm
∂u
∂tdV (151)
=ρg
16H2CdD(1 +
2kh
sinh 2kh)| cos(kx− σt)| cos(kx− σt)
+ρg
8HCmπD
2 tanh kh sin(kx− σt)
図 3: 海中の円柱と座標系