学際領域研究者のたまごが思うこと10選-認知, 神経, 人工知能の視点から-...
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学際領域研究者のたまごが思うこと10選 -認知,神経,人工知能の視点から-
全脳アーキテクチャ若手の会
大澤 正彦
目次
1. 自己紹介 -オオサワ正彦は何屋さんなのか? - 2. ??? に光を当てる 「認知」「神経」「人工知能」 3. 何を定義するか?だれが定義するか? 4. 汎用人工知能なんてない 5. PPAP流 提案手法の作り方 6. 逃げるが恥だが論文が出る 7. “脳をまねた”は論文にならない! 8. なぜ全脳アーキテクチャか? 9. なぜ人は、複雑だと思い込むのか 10. シンギュラリティは本当に“技術的”特異点か?
(1/10) 自己紹介 -オオサワ正彦は 何屋さんなのか? -
(1/10) 自己紹介 -オオサワ正彦は何屋さんなのか? -
¢ 大澤 正彦 @ 慶應大M2, WBA若手の会 ¢ Q. オオサワ正彦は何屋さんなのか?(研究歴)
� B4: 深層学習の基礎研究 � M1: げっ歯類の海馬を参考にした
深層学習の基礎研究 � M2: げっ歯類を参考にした
深層学習によるインタラクション
(1/10) 自己紹介 -オオサワ正彦は何屋さんなのか? -
¢ 大澤 正彦 @ 慶應大M2, WBA若手の会 ¢ Q. オオサワ正彦は何屋さんなのか?(研究歴)
� B4: 深層学習の基礎研究 � M1: げっ歯類の海馬を参考にした
深層学習の基礎研究 � M2: げっ歯類を参考にした
深層学習によるインタラクション
¢ A. (多趣味な) 工学屋さんです。
(1/10) 自己紹介 -オオサワ正彦は何屋さんなのか? -
認知
神経
AI
(1/10) 自己紹介 -オオサワ正彦は何屋さんなのか? -
認知
神経
AI
認知
神経
AI
???
(2/10) ??? に光を当てる 「認知」「神経」「人工知能」
人間を調べる3つの研究領域 -認知, 神経, 人工知能-
¢ 認知 � ???を観察して、理解 � ブラックボックステスト的?
¢ 神経 � ???を解剖してみて、理解 � ホワイトボックス・・・?
¢ 人工知能 � ???を作ってみて、理解
人間を調べる3つの研究領域 -認知, 神経, 人工知能-
¢ 認知 � 人を観察して、理解 � ブラックボックステスト的?
¢ 神経 � 人を解剖してみて、理解 � ホワイトボックス・・・?
¢ 人工知能 � 人を作ってみて、理解
(3/10) 何を定義するか? だれが定義するか?
愛って、なんですか?
夢の中で3人の 研究者に聞いてみました (注:完全な妄想です)
-工学者 「あるエージェントが別の特定のエージェントに対して 快報酬を与える方策を選ぶようにバイアスをかけるアルゴリズムのこと」
-神経科学者 「オスとメスを一定期間かごの中で飼育した際に、●●分間に××回以上△△行動がみられる状態のこと。また**という脳領域では##という神経伝達物質が(ry」
-認知科学者 「愛ってさ、複雑なんだよ。」
(3/10) 何を定義するか?だれが定義するか?
¢ 工学者: 実装するための定義? � かっこいい名前も含めて,研究成果 � Deep Learning!!!!!
¢ 神経科学者: 現象に対するラベルとしての定義?
� いつ今の常識が崩れるかわからない? � 「海馬は記憶」という言い回しも避ける
¢ 認知科学者: 枠組みとしての定義? � 普段扱う専門用語だからこそ、むやみな定義はしない � あいまい性を持たせて、不本意な「定義の外側」をさける?
(3/10) 何を定義するか?だれが定義するか?
¢ 知能とは?
(4/10) 汎用人工知能なんてない
(4/10) 汎用人工知能なんてない
¢ Q. あなたが思う汎用人工知能の定義は?
¢ 認知科学者「汎用人工知能ってさぁ、ふくざts(ry」
¢ 神経科学者「脳内の神経細胞が(ry」
¢ 工学者「実世界で動作することに特化した人工知能」
(4/10) 汎用人工知能なんてない
¢ ブロック崩しの世界で動くDQNと, 実世界で動くドラえもんは ちがうか?
(5/10) PPAP流 提案手法の作り方
(5/10) PPAP流 提案手法の作り方
¢ I have a 既存手法…. ¢ I have a 既存手法…. ¢ Ah…..!!! ¢ 提案手法!!!
¢ Previous method ¢ Previous method ¢ Ah….!!! ¢ Proposed method
(5/10) PPAP流 提案手法の作り方
¢ 組み合わせ次第?
¢ 完成したものはPPAPとは? ¢ P(Proceedings), P(Paper), AP(Academic Post)
(6/10) 逃げるが恥だが論文が出る
(6/10) 逃げるが恥だが論文が出る
¢ 正直ディープラーニングで世界トップになるのは難しい
¢ 論文を出すなら、レッドオーシャンで戦わない!
¢ 組み合わせを工夫して、ちょっと逃げる
¢ ディープラーニングと脳だったら?? ¢ ディープラーニングと脳と認知だったら???
(7/10) “脳をまねた”は 論文にならない!
(7/10) “脳をまねた”は論文にならない!
¢ 投稿者「脳をまねてこんな手法を提案した!(どやっ)」 ¢ 査読者(工学)「工学的有用性は?」 ¢ 査読者(神経科学)「そんなの脳のモデルじゃない」
¢ 脳をまねて人工知能を作ろう。 っていう怪しいコミュニティがあったような・・・?
(8/10) なぜ全脳アーキテクチャか?
(8/10) なぜ全脳アーキテクチャか?
¢ 私が思う全脳アーキテクチャのメリット: 体系性 ¢ 部分的にまねるのではなく、脳全体を見据える ¢ さまざまな分野の知見を
脳という地図にマッピングできる
¢ 「全脳アーキテクチャは未来地図」
1. Introduction 全脳アーキテクチャらしさを⽣かした 研究の⽅法論の検討
1. 現状の技術の問題点を検討 2. 問題点に関連する機能の実現⽅法を
現状の技術と脳(全体)との間で⽐較 3. 機能を実現する脳領域に関する仮説 4. ピックアップした脳領域の考察
1. 機能 (部分的) 2. 機能 (全体的、アーキテクチャとして) 3. 仕組み(神経科学的知⾒)
5. モデル化
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提案したモデル・技術に 体系性を与える
1. Introduction 全脳アーキテクチャらしさを⽣かした 研究の⽅法論の検討
– 現状の技術の問題点を検討 ⇒ランダムな探索, 実世界への応⽤ – 問題点に関連する機能の実現⽅法を
現状の技術と脳(全体)との間で⽐較 ⇒抑制・脱抑制
– 機能を実現する脳領域に関する仮説 ⇒前頭前野にフォーカス
– ピックアップした脳領域の考察 • 機能 (部分的) ⇒ 抑制 • 機能 (全体的、アーキテクチャとして) ⇒ 調停 • 仕組み(神経科学的知⾒)⇒ Accumulator
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(9/10) なぜ人は、 複雑だと思い込むのか
(9/10) なぜ人は、複雑だと思い込むのか
¢ 人は、複雑?
¢ 吊り橋理論 ¢ 自分で自分を解釈する自己モデル ¢ 不完全性定理の話 ¢ リカレントニューラルネットワーク
¢ 自分で自分を理解するのはすごく難しい。 ¢ 自分で見たら複雑でも、客観的に見たら・・・?
(10/10) シンギュラリティは本当に “技術的”特異点か?
(10/10) シンギュラリティは本当に“技術的”特異点か?
¢ 今日のまとめ � 工学として「汎用人工知能」の定義考えてみたら,
現状の技術の延長線上だった ¢ 「実世界で動作することに特化した人工知能」
� 神経科学や認知科学,人工知能の知見を PPAPしたり,逃げ恥したりしながら組み合わせると 今までに掘り進められてこなかったゴールにたどり着く? ¢ 全脳アーキテクチャという未来地図を片手に
� 人間って複雑ですごく難しいように見えるけど いろいろな角度から人を見てみると、意外と単純? ¢ 自分で自分を見ると、どうしても過剰に複雑に見えてしまう。
¢ 新たな問い: シンギュラリティって 技術の先にあるものなのだろうか??
(10/10) シンギュラリティは本当に“技術的”特異点か?
¢ 自分たち自身のことを、いろいろな方向から解釈して
¢ 自分たちが感じていた○○っていう複雑さって 脳の××が働いて、複雑に感じてただけだから 人工知能では△△って方法で実現できるかも!
¢ 技術もだけど、考え方とか、とらえ方とか、 ¢ 例えば、解釈的特異点????????
まとめ
1. 自己紹介 -オオサワ正彦は何屋さんなのか? - 2. ??? に光を当てる 「認知」「神経」「人工知能」 3. 何を定義するか?だれが定義するか? 4. 汎用人工知能なんてない 5. PPAP流 提案手法の作り方 6. 逃げるが恥だが論文が出る 7. “脳をまねた”は論文にならない! 8. それでも全脳アーキテクチャ研究者になる理由とは 9. なぜ人は、複雑だと思い込むのか 10. シンギュラリティは本当に“技術的”特異点か?