120419サブゼミ意思決定(2)-2

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確確確確確確確確確 確確確確確確確確確 確確確確確確確確確確 確確確確確確確確確 確確確確確確確確 意意意意意意意

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意思決定論の第2回のメイン部分の資料です。

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Page 1: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

確実性下の意思決定

リスク下の意思決定

不確実性下の意思決定

曖昧性下の意思決定 無知下の意思決定

意思決定の種類

Page 2: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

選択肢: a   

選択時の状態: θ

選択の結果: x

意思決定の数理表現

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確実性下の意思決定( decision making under certainty )

選択による結果が確実に決まっているような状況での意思決定のこと。数理的な表現では、選択肢を a 、選択時の状態を θ 、選択の結果を x とし、複数ある状態 θ のうち、どれが生起するか選択前にあらかじめ分っている場合や、状態 θ が何であっても、選択肢 a による結果は x であることが決まっている場合がこれにあたる。5000 円の現金のプレゼントか、 5000 円の商品券のプレゼントかを選択するような状況。

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θ1= 金利下降 θ2= 現状維持 θ3= 金利上昇

a1: 銘柄1 x3:100 万円 x2:0 円 x1=:-100 万円

a2: 銘柄 2 x1=:-100 万円 x2:0 円 x3:100 万円

a3: 銘柄 3 x3:100 万円 x3:100 万円 x1=:-100 万円

選択肢( a):株の銘柄   

状態 (θ):金利の変動

選択の結果( x):利益

意思決定の数理表現

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リスク下の意思決定( decision making under risk )

選択によって生じる結果の確率があらかじめ分かっているような状況での意思決定のこと。数理的な表現では、選択肢を a 、選択時の状態を θ 、選択の結果を x とし、複数ある状態θ が確率として明示されている場合がこれにあたる。降水確率 30 %という予報を知っている場合に、傘を持って外出するかどうかを決定するような状況。

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リスク下の意思決定

θ1= 金利下降 θ1 が起こる確率 =30 % P(θ1)=0.3

θ2= 現状維持 θ2 が起こる確率 =50 % P(θ2)=0.5

θ3= 金利上昇 θ3 が起こる確率 =20 % P(θ3)=0.2

θ1= 金利下降 θ2= 現状維持 θ3= 金利上昇a1: 銘柄1 X3:100 万円 X2:0 円 X1=:-100 万円a2: 銘柄 2 X1=:-100 万円 X2:0 円 X3:100 万円a3: 銘柄 3 X3:100 万円 X3:100 万円 X1=:-100 万円

銘柄 3 を選択した結果、 100 万円の利益が出る確率は?P(θ1)+P(θ2)=0.3+0.5=0.8 80 %

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不確実性下の意思決定( decision making under uncertainty )

選択肢を決定したことによって生じる結果の確率が分らない状況での意思決定のこと。不確実性下の意思決定は、さらに曖昧性下の意思決定と無知下の意思決定に分類できる。

曖昧性下の意思決定 無知下の意思決定

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曖昧性下の意思決定( decision making under ambiguity )

状態と結果の関係は分かっているが、その出現する確率が曖昧な状況での意思決定のこと。確率が数値表現されず、「多分」、「結構」等の言語表現をされることもある。数理的な表現は、選択肢を a 、状態を θ 、結果を x とし、状態 θ が生じる確率が曖昧、もしくは不明な場合がこれにあたる。天気予報を知らず、誰かに今日は雨が降りそうか尋ねたら、「たぶん、降るんじゃない?」と言われた場合に傘を持って外出するかどうかを決定するような状況。

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曖昧性下の意思決定

χ1:-100 万円 χ2:0 円 χ3:100 万円a1: 銘柄

1P11 :不明 P12 :まあま

あP13 :不明

a2: 銘柄2

P21 :不明 P22 :まあまあ

P23 :不明

a3: 銘柄3

P31 :結構低い P32 :結構低い

P33 :多分高い

θ1= 金利下降 θ1 が起こる確率 = ? P(θ1)= ?

θ2= 現状維持 θ2 が起こる確率 = ? P(θ2)= ?

θ3= 金利上昇 θ3 が起こる確率 = ? P(θ3)= ?

選択肢:株の銘柄が 3 種類のうちのどれか。選択時の状態:金利の変動する確率は曖昧もしくは不明。選択の結果:現状維持・利益・損失のうちのどれか。

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無知下の意思決定( decision making under ignorance )

選択肢の範囲、選択時の状態、選択の結果のいずれかが未知または全てが未知の場合の意思決定のこと。数理的な表現では、選択肢をa 、状態を θ 、結果を x とし、 a 、 θ 、 x のいずれかが未知、もしくは全てが未知の場合がこれにあたる。選挙の際、候補者のうち誰が当選するか未知、当選後に候補者が掲げる公約を実行するかどうかが未知、公約が実現した際に、自分達の暮らしにどの程度の影響があるのかが未知のような場合。

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無知下の意思決定

A: 選択肢の範囲が未知。

Θ: 選択における状態が未知。

X: 選択の結果が未知。

選択肢の範囲、選択時の状態、選択の結果のどれが未知なのかによって、無知下の意思決定を細かく分類することもできると考えられる。

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規範的アプローチ( normative approach )人間が合理的な意思決定をするには、どうするのが望ましいか検討するアプローチ。公理や数学的モデルを使い、合理的な意思決の為のルールについて検討する。記述的アプローチ( descriptive approach )人間が実際にどのような意思決定をするのかを説明するアプローチ。実験や調査で、人間がどのような意思決定をするのかを検討する。

処方的アプローチ( prescriptive approach )人間の合理的な意思決定を支援をする為、現実の問題状況に合わせて意思決定をサポートすることを目的とするアプローチ。

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合理的な意思決定とは何か?

人間は合理的な意思決定をしているのか?

どうすれば、より良い合理的な意思決定ができるのか?

規範的アプローチ

記述的アプローチ

処方的アプローチ

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合理的な意思決定とは?

弱順序が成立している

比較可能性 推移性

独立性の公理が成立している

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比較可能性( comparability )選択肢を比較した際に、必ずよりどちらか一方が好き、もしくは 2 つとも同じくらいと言えるということ。リンゴとミカンどちらが好きかという質問に「リンゴ」と答えることができる状態。

推移性( transitivity )XよりYを好み、YよりもZを好むなら、XよりもZを好むということ。リンゴとミカンではリンゴが好き、ミカンとバナナではミカンが好きであれば、リンゴとバナナではリンゴが好きであるということ。

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比較可能性と推移性が成立している状態⇒弱順序

∀x,y∈A, x y∨ y x.~

∀x,y,z∈A, x y∧ y∨y z⇒x z.~

∀ (全て , 任意の) ∈(含まれる)   (~選好する、好む)∨ (または)     ∧(かつ)         

比較可能性

推移性

意思決定において常に弱順序は成立しているのか?

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比較可能性が成立しない例:私と仕事どっちが大事?

どっちが格好いい?

意思決定において推移性が成立しない例商品 A 商品 B 商品 C

商品 A 商品 B 商品 C

値段 ◎ ○ △

デザイン

○ △ ◎

機能 △ ◎ ○

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推移性が成立しない例 : じゃんけん

商品 A

商品 B

商品 C

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独立性公理( independence axiom )2つの選択肢が等価で各結果が得られる確率が等しい場合、これらの結果の効用は2つの選択肢を選ぶ上で無視され、それぞれの違いに基づいて選択されるということ。独立性公理が成立していれば、各選択肢の持つ属性を比較・検討し、その違い(優劣)によって選択が可能であり、合理的な意思決定が可能。

独立性公理から逸脱した場合、選好に一貫性がなくなる為、合理的な意思決定ができない。

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rppyrppx )1()1(

][

A

に関して0,1任意のp

yが成り立つなら、xについて、zある任意の結果x、y

独立性公理

共通部分は無視され、違う部分の優劣によって選択が行われる。

独立性公理は常に成立しているのか?

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どちらが

食べたいですか?

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独立性の公理からの逸脱

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意思決定問題の数理表現

比較可能性

推移性

独立性公理

記述的アプローチ

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行動意思決定論(緑色の教科書)

非推移性に関する実験概要

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推移性が満たされているかを検討する実験トゥベルスキー( Tversky,1969 )

500円

0円

a

475円

0円

b

450円

0円

c

425円

0円

d

400円

0円

e

Page 27: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

500円

0円

a

475円

0円

b

?450円

0円

c

?

450円

0円

c

425円

0円

d

? ?400円

0円

e

500円

0円

a

400円

0円

e

?

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ギャンブル 勝率 賞金 期待値a 7/24 500 円 146 円b 8/24 475 円 158 円c 9/24 450 円 169 円d 10/24 425 円 177 円e 11/24 400 円 183 円

賞金>勝率 賞金>勝率 賞金>勝率 賞金>勝率

賞金<勝率推移性を満たさない=非推移

a b b c c d d e

e a

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ある大学への入学志願者が 5 人います。彼ら 5人について、知性、情緒的安定性、社会性の得点が分かっています。知性を最も重視した上で、どの志願者を入学させるべきかを決定して下さい。志願者 知性 情緒安定性 社会性

a 69点 84点 75点b 72点 78点 65点c 75点 72点 55点d 78点 66点 45点e 81点 60点 35点

Page 30: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

a

知性 情緒安定性 社会性69点 84点 75点

b

知性 情緒安定性 社会性72点 78点 65点

?3点差

Page 31: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

c

知性 情緒安定性 社会性75点 72点 55点

b

知性 情緒安定性 社会性72点 78点 65点

?3点差

Page 32: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

d

知性 情緒安定性 社会性78点 66点 45点

c

知性 情緒安定性 社会性75点 72点 55点

?3点差

Page 33: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

e

知性 情緒安定性 社会性81点 60点 35点

d

知性 情緒安定性 社会性78点 66点 45点

?3点差

Page 34: 120419サブゼミ意思決定(2)-2

e

知性 情緒安定性 社会性81点 60点 35点

a

知性 情緒安定性 社会性69点 84点 75点

?12点差

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比較した選択肢間で、「知性」の得点差が小さい( 3点差)場合

↓他の 2 つの得点の高い方を選択。

比較した選択肢間で、「知性」の得点差が大きい(12点差)場合

↓「知性」の得点の高い方を選択。

推移性を満たさない=非推移性