120607サブゼミ意思決定(8)
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アレのパラドックスとエルスバーグのパラドックスのppt資料です。TRANSCRIPT
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アレのパラドックス
エルスバーグのパラドックス
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期待効用理論( expected utility theory)
各選択肢の効用の期待値を比較し、最も期待効用が大きい選択肢を選択するという理論。リスク下の意思決定の代表的理論。期待効用理論は人間の意思決定を心理的な観点からも説明しており、理論としての合理的な意思決定だけでなく、実際に人に質問をして得られたデータを基にしており、記述的アプローチの先駆けであると考えられる。
おさらい
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期待値( expected value)選択の結果として獲得できる金額やポイントと、結果の確率を掛け合わせたもの。
効用( utility)選択肢を選択した結果に対する意思決定者の主観的な価値や望ましさのこと。選好関係を表現する実数値で、意思決定を数理的に分析し、予測や説明が容易になる。
おさらい
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期待効用理論は現実の人間の意思決定を反映しているのだろうか?
期待効用理論の反例として代表的な2つのパラドックス
ともに独立性公理から逸脱しており、期待効用理論が現実の意思決定を十分に反映したものではないことを示している。
アレのパラドックス
エルスバーグのパラドックス
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独立性公理( independence axiom)2つの選択肢が等価で各結果が得られる確率が等しい場合、これらの結果の効用は2つの選択肢を選ぶ上で無視され、それぞれの違いに基づいて選択されるということ。独立性公理が成立していれば、各選択肢の持つ属性を比較・検討し、その違い(優劣)によって選択が可能であり、合理的な意思決定が可能。
独立性公理から逸脱した場合、選好に一貫性がなくなる為、合理的な意思決定ができない。
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rppyrppx )1()1(
][
A
に関して0,1任意のp
yが成り立つなら、xについて、zある任意の結果x、y
独立性公理
共通部分は無視され、違う部分の優劣によって選択が行われる。
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アレのパラドックス( Allais paradox)
選択肢A
100%: 1万円
選択肢B
1 %
: 0円10%: 5
万円89%: 1
万円
問題①
選択肢Aと選択Bでは、どちらを選択しますか?
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アレのパラドックス( Allais paradox)
選択肢C
89%: 0円 11%: 1万円
選択肢D
90%: 0円 10%: 5万円
問題②
選択肢Cと選択Dでは、どちらを選択しますか?
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選択肢A
100%: 1万円
選択肢B
1 %
: 0円10%: 5
万円89%: 1万
円選択肢C
89%: 0円 11%: 1万円
選択肢D
90%: 0円 10%: 5万円
アレのパラドックス
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選択肢A
100%
1万円
選択肢B
1 %
0円10%5万円
89%1万円
選択肢A
1%
1万円10%1万円
89%1万円
選択肢B
1%
0円10%5万円
89%1万円
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選択肢C
89%0円
11%1万円
選択肢D
90%0円
10%5万円
選択肢C
89%0円
1%1万円
10%1万円
選択肢D
89%0円
1%0円
10%5万円
![Page 12: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/12.jpg)
選択肢A
1%
1万円10%1万円
89%1万円
選択肢B
1%
0円10%5万円
89%1万円
選択肢C
89%0円
1%1万円
10%1万円
選択肢D
89%0円
1%0円
10%5万円
![Page 13: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/13.jpg)
選択肢 A1%: 1万
円10%: 1万
円89%: 1万
円
選択肢 B 1%: 0円 10%: 5万円
89%: 1万円
万万万 510.0001.0110.0101.0 uuuu
BA
選択肢 C89%:0円
1%: 1万円 10%: 1万円
選択肢 D89%:0円 1%: 0円 10%: 5万円
)5(10.0)0(01.0)1(10.0)1(01.0 万万万 uuuu
DC
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DC
BA
アレのパラドックスは心理実験において、多くの実験参加者によって示されることが分かっている。
= =
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選択肢A
選択肢B
選択肢C
選択肢D
パラドックスが生起する原因として、人間が確実な利得を不確実な利得よりも高く選好するという確実性効果( certainty effect)が挙げられる。
この選択肢の中で 1つだけ、他と大きく異なるものがある。
100%の確率で 1万円が手に入る。
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選択肢 A 100%: 1万円
選択肢 B1 %: 0
円10%: 5万
円89%: 1
万円選択肢 C 89%: 0円 11%: 1万円選択肢
D90%: 0円 10%: 5万円
Aと Bのどちらを選択するかという質問に対して、Aを選択する人が多く、 Cと Dのどちらを選択するかという質問に対しては、 Dを選択する人が多い。しかし、実際には Aと Bの組み合わせと、 Cと Dの組み合わせは同じ選択肢の比較をしている為、①でAを選択する人が多ければ、②で Cを選択する人が多いはずである。これは独立性の公理からの逸脱によって引き起こされると考えられる。
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選択肢C
89%: 01%: 1万円
10%: 1
万円
選択肢D
89%: 0 1%: 010%: 5
万円
選択肢A
1%: 1万円
10%: 1万円
89%: 1万円
選択肢B
1%: 010%: 5万円
89%: 1万円
選択肢 Aと選択肢 Bを比較する際に、【 89%: 1万円】は Aと Bで共通する部分なので、独立性の公理に従えば、この共通部分を無視し、残りの部分を比較して決定を行う。同様に選択肢 Cと選択肢 Dも同様に【 89%: 0(ハズレ)】が共通部分なので無視される。すると、 Aと C、 Bと Dは同じになる。従って、①で Aが選択される割合が多いのであれば、②では Cが選択される割合が多いはずである。
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ある壺の中に合計 90個の玉が入っており、その内訳は、赤玉が 30個、黒玉と黄玉が合わせて 60個である。ただし、黒玉と黄玉の比率は分からない。
エルスバーグのパラドックス
![Page 19: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/19.jpg)
ある壺の中に合計 90個の玉が入っており、その内訳は、赤玉が 30個、黒玉と黄玉が合わせて 60個である。ただし、黒玉と黄玉の比率は分からない。
選択肢 A 赤玉:1万円 それ以外: 0(ハズレ)
選択肢 B 黒玉:1万円 それ以外: 0(ハズレ)
エルスバーグのパラドックス
選択肢Aと選択Bでは、どちらを選択しますか?
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選択肢 C赤玉 or黄玉:1万
円黒玉: 0(ハズ
レ)選択肢
D黒玉 or黄玉:1万
円赤玉: 0(ハズ
レ)
ある壺の中に合計 90個の玉が入っており、その内訳は、赤玉が 30個、黒玉と黄玉が合わせて 60個である。ただし、黒玉と黄玉の比率は分からない。
エルスバーグのパラドックス
選択肢Cと選択Dでは、どちらを選択しますか?
![Page 21: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/21.jpg)
選択肢 A 赤玉:1万円それ以外: 0(ハ
ズレ)
選択肢 B 黒玉:1万円それ以外: 0(ハ
ズレ) )()( bPrPBA
選択肢 C赤玉 or黄玉:1万
円黒玉: 0(ハズ
レ)選択肢
D黒玉 or黄玉:1万
円赤玉: 0(ハズ
レ) )()( ybPyrPDC
![Page 22: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/22.jpg)
)()()(
)()()(
yPbPybP
yPrPyrP
選択肢 C赤玉 or黄玉:1万
円黒玉: 0(ハズ
レ)選択肢
D黒玉 or黄玉:1万
円赤玉: 0(ハズ
レ) )()( ybPyrPDC
C
D
赤玉よりも黒玉が出る確率の方が高いと判断している。
![Page 23: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/23.jpg)
)()( bPrPBA
)()( ybPyrPDC
% %
![Page 24: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/24.jpg)
エルスバーグのパラドックス( Ellsberg paradox )
問題①選択肢 A 赤玉:1万円 それ以外: 0
選択肢 B 黒玉:1万円 それ以外: 0
問題②選択肢 C 赤玉 or黄玉:1
万円黒玉: 0
選択肢 D 黒玉 or黄玉:1万円
赤玉: 0各問題でどちらかの選択肢を選択させると①では Aが選択される割合が多く、②では Dが選択される割合が多い。①は当たりが赤玉か黒玉かという違いであり、②は共通する部分である【黄玉が当たり】を無視すると、当たりが赤玉か黒玉かという違いであり、①と②は同じということになる。従って、①で Aを選択する人が多ければ、②では Cを選択する人が多いはずである。これは独立性の公理からの逸脱によって起こると考えられる。
![Page 25: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/25.jpg)
エルスバーグのパラドックスの心理的原因として、意思決定者が曖昧さを避けようとする曖昧性忌避( ambiguity aversion)が考えられる。これは結果の確率が不明の場合は、人々は曖昧さを嫌って、その曖昧な選択肢の選択を避けるという性質である。
選択肢 A
( 30/90)
選択肢 B
( ?/90)
選択肢 C
( ?/90)
選択肢 D
( 60/90)
![Page 26: 120607サブゼミ意思決定(8)](https://reader036.vdocuments.net/reader036/viewer/2022062419/558e691d1a28abff658b4586/html5/thumbnails/26.jpg)
アレのパラドックス
エルスバーグのパラドックス
確実性効果
曖昧性忌避