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新商品・ソリューション・サービス解説 138 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 DocuCentre SC2020 DocuCentre SC2020 DoceCentre SC2020は、モノクロ複合機の比率 が圧倒的に高い中国およびアジア太平洋地域の中小 規模事業所(SMB:Small and Medium Business) 市場において、モノクロ機ユーザーのカラー需要を積 極的に喚起することにより、カラー複合機の普及と市 場の拡大を目指した戦略商品で、2014年5月に中国 およびアジア太平洋地域で販売されたA3カラー複合 機である。 本商品は、従来の高価格/高画質/高機能であった A3カラー複合機のトレンドを破り、既存のカラープ リント技術の低コスト化と、開発初期段階からの生産 コスト低減により、求めやすい価格と高画質の両立を 実現した。さらに、対象市場の特性/環境を十分考慮 し、市場ニーズに特化した仕様を取り込んだ。 本稿では、商品概要と導入した主要技術について紹 介する。 Abstract The DocuCentre SC2020 is an A3 color multifunction device released in China and the Asia -Pacific region in May 2014. This strategic product is aimed at boosting demand for color printing by monochrome multifunction device users, popularizing color multifunction devices, and expanding the small and medium business (SMB) market in China and the Asia-Pacific region, where monochrome multifunction devices are predominantly used. This product broke the conventional trend of expensive A3 color multifunction devices featuring high performance and high image quality, and achieved both affordable price and high image quality by reducing the cost of existing color printing technology and the cost of production from early stages of development. We also implemented specifications for this product that focus on market needs, by fully considering the characteristics and environment surrounding the target market. This paper introduces an overview of this product and the main technologies incorporated in the product. 執筆者 田村 一夫(Kazuo Tamura片桐 秀男(Hideo Katagiri商品開発本部 グローバルプラットフォーム開発部 Global Platform Development & Program Management, Product Development Groupほか12【キーワード】 特化した仕様、求めやすい価格、高効率LEDプ リントヘッド、電流狭窄自己走査型発光素子 (CCSLED)、周期的濃度ムラ、低負荷現像、 エレキ部品優先、市場環境対応、小型・軽量、 生産要件 KeywordsSpecifications focused on needs, affordable price, highly efficient LED print head, current confinement self-scanning light emitting device (CCSLED), banding quality, low-load development, centered on electric components, adjust to market environment, small and lightweight, production requirements

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新商品・ソリューション・サービス解説

138 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015

DocuCentre SC2020 DocuCentre SC2020

要 旨

DoceCentre SC2020は、モノクロ複合機の比率

が圧倒的に高い中国およびアジア太平洋地域の中小

規模事業所(SMB:Small and Medium Business)

市場において、モノクロ機ユーザーのカラー需要を積

極的に喚起することにより、カラー複合機の普及と市

場の拡大を目指した戦略商品で、2014年5月に中国

およびアジア太平洋地域で販売されたA3カラー複合

機である。

本商品は、従来の高価格/高画質/高機能であった

A3カラー複合機のトレンドを破り、既存のカラープ

リント技術の低コスト化と、開発初期段階からの生産

コスト低減により、求めやすい価格と高画質の両立を

実現した。さらに、対象市場の特性/環境を十分考慮

し、市場ニーズに特化した仕様を取り込んだ。

本稿では、商品概要と導入した主要技術について紹

介する。

Abstract

The DocuCentre SC2020 is an A3 color multifunction device released in China and the Asia -Pacific region in May 2014. This strategic product is aimed at boosting demand for color printing by monochrome multifunction device users, popularizing color multifunction devices, and expanding the small and medium business (SMB) market in China and the Asia-Pacific region, where monochrome multifunction devices are predominantly used. This product broke the conventional trend of expensive A3 color multifunction devices featuring high performance and high image quality, and achieved both affordable price and high image quality by reducing the cost of existing color printing technology and the cost of production from early stages of development. We also implemented specifications for this product that focus on market needs, by fully considering the characteristics and environment surrounding the target market. This paper introduces an overview of this product and the main technologies incorporated in the product.

執筆者 田村 一夫(Kazuo Tamura) 片桐 秀男(Hideo Katagiri) 商品開発本部 グローバルプラットフォーム開発部 (Global Platform Development & Program Management,

Product Development Group) ほか12名

【キーワード】

特化した仕様、求めやすい価格、高効率LEDプ

リントヘッド、電流狭窄自己走査型発光素子

(CCSLED)、周期的濃度ムラ、低負荷現像、

エレキ部品優先、市場環境対応、小型・軽量、

生産要件

【Keywords】

Specifications focused on needs, affordable

price, highly efficient LED print head, current

confinement self-scanning light emitting device

(CCSLED), banding quality, low-load

development, centered on electric components,

adjust to market environment, small and

lightweight, production requirements

Page 2: 15-D3 田村 K10 20150319新商品・ソリューション・サービス解説 DocuCentre SC2020 140 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 4.1 高解像度化

新商品・ソリューション・サービス解説

DocuCentre SC2020

富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 139

1. はじめに

富士ゼロックスは、中国およびアジア太平洋

地域での販売を強化するため、ボリュームゾー

ンである中小規模事業所(SMB)市場向けに、

2012年から市場ニーズに特化した仕様と求め

やすい価格を両立したA3モノクロ複合機の新

商品を投入し、台数シェアを伸ばしてきた。し

かし、中国およびアジア太平洋地域のSMB市場

は、カラー複合機の占める割合が1割程度と、

カラー複合機が約7割を占める先進国のSMB

市場と比較すると、カラー化が非常に遅れてい

た。当社はこの市場でカラー化を強力に推進す

るため、既存のカラー機ユーザーだけでなく、

モノクロ機ユーザーのカラー需要を積極的に喚

起して、カラートランジションを引き起こし、

カラー複合機の普及と市場拡大を目指して

DocuCentre SC2020を開発した。

2. 商品概要

DocuCentre SC2020は、基本的なコピー、

プリント、スキャン機能に絞り込み、4.3イン

チのカラータッチスクリーンとシンプルな操作

パネルにより、各機能を直感的に操作すること

ができる。

さらに、A3モノクロ複合機並みのコンパクト

ボディに、高解像度カラープリント技術を凝縮

して1,200 x 2,400 dpiの高解像度印字を実

現し、黒線や文字の輪郭をなめらかに表現して

いる。生産性(A4LEF使用時)は、コピー/プ

リント時にカラー/モノクロともに毎分20枚、

スキャン時にカラー毎分19枚/モノクロ毎分

24枚を達成した。表1に主な仕様を示す。

3. DocuCentre SC2020の狙いと

搭載技術

モノクロ複合機開発での経験を踏まえると、

本商品でカラー需要を喚起するためには、対象

市場の特性/環境を十分考慮し、市場ニーズに

特化した仕様と求めやすい価格の両立が必須と

考えた。従来機種の改善要望分析/市場ユニー

ク要件の洗い出し/市場トレンド調査などから

仮説を立て、実地検証を行い、以下を狙いとし

て抽出した。

① 市場ニーズが高かった高画質の獲得

② 市場環境に合わせた信頼性の獲得

③ 求めやすい価格

以上を実現するために、本商品へ導入した、

高画質化技術、高信頼性技術、低コスト技術に

ついて以下に紹介する。

4. 高画質化技術

市場調査から、対象市場のユーザーは、求め

やすい価格帯のカラー複合機でも、高画質を期

待していることがわかった。本商品では、コス

トを抑えながら高画質を獲得するため、画質に

対してユーザー感度が高かった、高解像度化/

周期的濃度ムラ低減/濃度安定化の実現に注力

した。本章ではこれら狙いを実現した技術につ

いて述べる。

表1 本商品の主な仕様 Main specifications of this product

Item DescriptionType Desktop TypeMemory 512MBHard Disk Capacity NAColour Capability Full ColorScanning Resolution 600 x 600dpiPrinting Resolution 1,200 x 2,400dpi (Data Process :600 x 600dpi)Half tone 256 shades of Gray scales (16.7 million colors)Warm-up Time 39 seconds or less (at room temperature 20℃)

Original Paper Size Max. 297x432mm (A3, 11x17”)Paper Size Max A3, 11x17”

Min A5S (Bypass Tray:89x98mm)Paper Weight

Tray Tray1: 60 to 90gsm , Tray2(OPTN): 60 to 256gsm Bypass Tray 60 to 216gsm

First Copy Output Time <B/W> 8.6 sec (A4L) , <Color> 10.8 sec (A4L)Reduction/Enlargement

Size-to-Size 1:1+/- 0.7%Preset 50,70,81,86,100,115,122,141,200(%)Variable 25% to 400% (in 1% increments)

Copy /Print Speed

A4LEF <BW> 20ppm , <Color> 20ppmA4, B4, A3, B5LEF/B5 <BW> 12ppm , <Color> 12ppm

Copy /Print Speed(2 Sided)

A4LEF <BW> 17ppm , <Color> 17ppmA4, B4, A3, B5LEF/B5 <BW> 8.5ppm , <Color> 8.5ppm

Paper Tray Capacity

Standard Tray1: 250 sheets, Bypass tray: 100 sheetsOptional One Tray Module (Tray 2): 500 sheetsMax 850 sheets (Tray 1 + Tray2 + Bypass Tray)

Continuous Copy 999 sheetsOutput Tray Capacity 250 sheets (A4)PDL Standard PCL6, PCL5e, HBPL (Host Based Print Language)

Option NAProtocol Ethernet TCP/IP v4/v6 (lpd, IPP, Port9100, WSD)

Operating System

PCL6 Driver Windows Server® 2003 / 2008 / 2012 , Windows Vista® / 7 / 8 / 8.1

Mac OS X-Driver

Mac OS X 10.5/10.6/10.7/10.8/10.9

Fonts Standard PCL6/5: 81 European fonts, 36 Symbol setOption NA

Connectivity Ethernet 100BASE-TX/10BASE-T , USB 2.0Power Supply AC220-240V +/- 10%, 10A for 50/60Hz +/- 3%Power Consumption Max: 2.2 kW or less (220V), 2.4 kW or less (240V)Dimensions W 595 x D 586 x H 549 mm (w/ Platen Cover)

W 595 x D 586 x H 634 mm (w/ DADF) Weight 43.5 kg (w/ Platen Cover) , 48.5 kg (w/ DADF)Space Requirement W 947 x D 586 mm (w/ Platen Cover,)

W 972 x D 586 mm (w/ DADF)

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DocuCentre SC2020

140 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015

4.1 高解像度化

当社はこれまで、独自の高精度で多機能な光

量補正技術を搭載して1チップ化した駆動ICを

有するLEDプリントヘッド(LPH:Light

Emitting Device Print Head)をカラープリン

ターやカラー複合機の露光装置に用いることで、

小型化と高画質化を両立してきた。

4.1.1 高効率LPH

LPHは、さらなる小型化と省電力化を目指し

つつ、発光量の向上を狙い、新規に電流狭窄自

己 走 査 型 発 光 素 子 ( CCSLED : Current

Confinement Self-Scanning Light

Emitting Device)を開発した。本技術は、当

社独自開発の垂直共振器面発光型半導体レー

ザ ー ( VCSEL : Vertical Cavity Surface

Emitting Laser)における電流狭窄構造の製造

技術を応用している。発光素子の発光部に電流

阻止層(酸化領域)を形成することで、発光領

域を中央部に集め、発光部の側面に流れていた

発光に寄与しない電流を抑制し、従来と同じ電

流を使用した場合でも、約3倍近くの光量を出力

できるようになった(図1)。これにより、発光

出力の安定化/省電力化/効率化を同時に実現

した。

この新規な電流狭窄自己走査型発光素子を

LPHに搭載することで、省エネルギーでありな

が ら 発 光 量 を 効 率 的 に 増 や し 、

1,200×2,400dpiの高解像出力を実現した。

さらに、発光素子にドライバー回路を内蔵する

ことで配線数を削減し、複数枚あった基板を1

枚に集約し、LPHの小型化を達成した。

4.1.2 LPH従動退避機構

LPHで高解像度を獲得するためには、感光体

ユニットの受光面とLPHの発光面の相対距離

が常に一定でかつ近接している必要があった。

従来は、LPHの基準ピンを感光体ユニットに突

き当てることで距離精度を確保していたため、

感光体ユニットの交換時に、レバー操作による

メカ機構でLPHを退避させる複雑な構造とし

ていた。しかし、感光体ユニットの挿抜だけで

距離精度を確保できるようにより簡易な機構を

目指し、LPHの形状と支持機構を根本から見直

した。LPHに感光体ユニットの挿抜案内形状と

位置決め基準面を形成することにより、感光体

ユニットの挿抜動作中に一定のクリアランスを

確保しながら、双方の位置決めを行う構成を確

立した(図2)。機構は、摩擦の小さい回転アー

ム式とし操作力も低減している。これらの工夫

で、簡易機構ながらレバー操作でLPHを退避さ

せる必要がなく、従来機相当の相対距離を維持す

ることが可能になり、高解像度を実現した。また

簡易構成により機構部品の半減化も実現した。

4.1.3 デジタル補正処理

LPHを効果的に使用して高画質を得るため、

以下のような上位クラスの機器に搭載されてい

た高機能デジタル補正処理機能を低コスト

図1 発光素子断面図 Cross section of the light-emitting device

図2 LEDプリントヘッド従動退避機構 Following attachment/detachment systems of the LED print head

非発光電流

電流阻止層

発光領域

電流

従来構造 電流狭窄構造

発光領域を広げ3倍の光量を獲得

従来の退避機構

操作レーバでLPHを退避

感光体ユニット挿入

LPH押し下がり退避 回転アーム

LPH

感光体

本商品の退避機構

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富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 141

ASIC ( Application Specific Integration

Circuit)に実装し、マシンに搭載した。

IReCT ( Image Registration Control

Technology):当社保有のカラーレジスト

レーション補正技術で、LEDの印字位置ズ

レ情報、およびIBTベルト上に書かれた補

正用パターンを光センサーで読み取った情

報から、歪みと曲がりを同時にデジタル処

理で補正し、色ズレの少ない画像を再現し

ている。

IE(Image Enhancement):主走査方向

と副走査方向の両方に微細な画素制御を行

うイメージエンハンスメント画像処理技術

により、黒の線や文字のアウトラインなど

のジャギー(ギザギサ)をよりスムーズに

再現している。

EE(Edge Enhancement):中間調の線

や文字の輪郭部に対してスクリーン処理を

切り替えて、ジャギーを低減した鮮明な画

像を再現している。

4.2 周期的濃度ムラ低減

従来は、商品開発と並行して周期的濃度ムラ

品質の作り込みを実施していた。そのため、開

発途中で他のトラブル対策などにより設計変更

が発生すると、その都度周期的濃度ムラ品質調

整が必要となり、膨大な工数がかかっていた。

この課題を改善するため、開発初期段階からシ

ミュレーション技術を活用して、周期的濃度ム

ラ品質の向上を目指した。具体的には、周期的

濃度ムラへの影響が大きい露光装置、本体フ

レーム、歯車駆動系のそれぞれに対してシミュ

レーションによる固有値解析を行った(図3)。

周期的濃度ムラが発生しやすい固有値を算出し、

それを回避するように加振源となる歯車の噛み

合い周波数を設計した(図4)。

また、感光体ユニットの交換を可能にするた

め、現像器はリトラクト機構を装備する必要が

あり、駆動の受け渡しにカップリングの採用を

決定した。しかし、駆動連結技術に従来使用し

ているオルダムタイプや2爪タイプのカップリ

ングを用いると、駆動伝達時に軸芯がズレた場

合に、変動/振動が助長され、現像器全体が振

動して周期的濃度ムラを引き起こす課題があっ

た。そこで今回は、軸芯ズレが許容できる新た

な駆動連結技術として、駆動伝達部相方にユニ

バーサルタイプ(3爪タイプ)のカップリング

を採用した。

ユニバーサルタイプのカップリングは、シ

ミュレーションおよび実験検証により、軸芯ズ

レが発生した場合でも、周期的濃度ムラを抑制

でき、ロバスト性を確保できることを確認して

いる(図5)。本方式を採用したことで現像器自

体の振動/変動が抑制でき、振動による周期的

濃度ムラを低減できた。

図3 固有値解析のシミュレーション結果 A simulation of eigenvalue analysis

図4 歯車の噛み合い周波数 Gear meshing frequency

カップリング中心軸に掛るモーメント力を低減

図5 駆動連結技術のシミュレーション結果 A simulation of drive connection technology

ドライブ

フレーム

LPH

現像器

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142 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015

またシミュレーション技術を活用し、受け渡

し部の爪構成の 適化を行った。

以上の活動により、周期的濃度ムラを未然に

防止し、さらには開発工数約40%削減にも貢献

した。

4.3 濃度安定化

低コスト現像器で安定した濃度を獲得するた

め、現像装置の駆動トルクの負荷低減と、少量

の現像剤の安定循環を両立させた、低負荷現像

技術を導入した。

現像装置の駆動トルクは、現像ロール表面に

現像剤層を形成する層規制部での圧力と、現像

器内を循環する現像剤の量の2つが支配的であ

る。層規制部の圧力を低減するには、現像剤層

の均一性を損なわずに構成を確立する必要が

あった。本商品では、現像ロールに内蔵された

マグネットの磁束密度のシミュレーションによ

り、 適な磁束密度分布を見出した。これによ

り、モーターの駆動トルクを約30%低減でき、

シンプルな構成の新規層規制方式をA3機では

じめて実現した。

また、現像剤を循環搬送させるAugerの形状

を、従来の連続したスパイラル状の羽から不連

続に配置したPhase Shift Auger(図6)に変

更した。さらにその他搬送部材の形状やAuger

の配置を 適化した結果、現像剤の撹拌性能と

搬送能力を同時に向上させ、従来の現像器に対

して約35%減量した現像剤でも安定した濃度

を獲得できるようになった(図7)。

5. 高信頼性技術

当社はこれまで、対象市場に多くの商品を提

供してきたが、商品自体の損傷が生じたり、紙

詰まりや画質ディフェクトが頻発したりするな

ど、想定外のトラブルが発生することもあった。

これらトラブルの原因究明を目的に市場調査を

行ったところ、市場ユニークな用紙銘柄の多さ、

設置される環境(電源、気温、湿度)の違い、

物流での荷扱い、使いやすさの感覚の差、故障

と判断する感覚の差など、何れも先進国市場と

は異なる、市場ユニークな使用実態に起因して

いることがわかった。このような状況を把握で

きていなかったため、品質に与える影響や商品

企画に十分反映できず、トラブルの発生につな

がっていた。

本商品は、過去事例を基に対象市場ユニーク

な特性/環境を積極的に調査/分析し、得られ

たデータを商品企画の段階から、設計/評価活

動に取り込むことで、従来の課題に対処し、さ

らなる信頼性確保を目指した。本章では、対象

市場ユニークな用紙対応、設置環境(電源)対

応について述べる。

5.1 用紙対応

対象市場では、さまざまな銘柄の用紙が流通

していて、その中には対象市場ユニークな用紙

があり、その用紙起因により紙詰まりや画質

ディフェクトが発生し、信頼性の低下を招いて

いた。この課題に対し、全銘柄の用紙を評価す

ることで対処できるが、銘柄数も多く現実的で

はない。そこで各銘柄の「用紙の物性値」に着

目して、以下の活動を実施した。

流通用紙の把握:対象市場で流通している

用紙銘柄を調査した。一部地域では商流が

複雑なため、販売元とお客様双方をゲート

として情報収集を行った。その結果、流通

している用紙銘柄のユニークな実情を国/

地域の単位で把握することができた。

用紙の物性値把握:流通している用紙を入

手し、26項目の用紙物性でデータベースを

構築し、各物性値のばらつきを視覚的に捉

えた(図8)。

図6 Phase Shift Augerの形状 Feature of the phase shift auger

図7 現像器の内部構成図 Internal structure of the developer unit

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富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 143

対策前A

対策前B

対策後

外部入力コネクタとの接地パターン

品質基準設定:用紙物性値のばらつきに対

し、ロバスト性を確保するため、各物性の

上下限値の用紙銘柄を選定した。これによ

り、用紙物性のばらつき限度品でも品質を

獲得できるように、品質基準を新たに設定

し、商品仕様へ反映した。

これらの活動により、膨大な用紙銘柄が存在

する市場に対しても、設計/評価の中で確認す

べき用紙銘柄が10種類程度に絞り込めた。また

品質基準も明確になったことで、効率的に紙詰

まりや画質ディフェクトなどの用紙検証が実施

でき、用紙に関わる品質問題の発生防止ができた。

5.2 設置環境(電源)対応

対象市場では、マシンの中の電子基板の故障

が頻繁に発生していた。その課題に対処するた

め、過去に市場導入した商品の部品交換情報を

調査した。この調査から特定のエレキ部品の故

障/交換が、一部の地域や季節に偏って発生し

ていることがわかった。そこで、該当するお客

様先を実際に訪問し、マシンの設置環境や地域

要因を調査したところ、以下の事実がわかった。

電源や基板の交換が、夏季に多く発生して

いた。

夏季に、電力需要対応のため計画停電を頻

繁に実施していた。

夏季に雷が多く発生していた。

お客様の設置環境において、たとえば壁コ

ンセントの接地端子が屋外のグランドと未

接地だったなど、屋内の電気配線が正しく

行われていないことが多かった。

上記事実から基板の故障は、落雷もしくは停

電復帰時におけるサージ電圧/サージ電流の発

生とアース未接地、という対象市場ユニークな

ストレス条件が原因であることがわかった。

そのため、基板と電源のサージ電圧対応を強

化することにした。対策の1つとして、外部入

力ケーブルとマシンフレームとの接地強化を実

施した(図9)。対策前の基板A、Bに比べ、対

策後の基板は、外部入力コネクター部分とフ

レーム接地部との接続を強化し、ケーブル経由

で印加されるサージ電圧をフレームにスムーズ

に逃げるようにした。

前述対策を含む複数対策の実施により、雷の

ような高電圧を想定した静電気放電(ESD:

Electro-Static Discharge)試験などによる疑

似的なサージ電圧を発生させても、基板の故障発

生率が大幅に低減されることを確認している。

6. 低コスト技術

従来の開発プロセスは、設計者が商品仕様の

主要な技術セットを決め、それをレイアウトに

反映しながら空いたスペースにエレキ部品など

を配置して、全体のレイアウトを作り込み、ほ

ぼ確定させた後に生産/調達部門からの要求/

指摘を取り入れて、 終的なレイアウト/図面

を完成させていた。

この進め方だと、エレキ部品の仕様/配置が

後追いになるため、エレキ部品の低コスト設計

が困難であった。また、レイアウトがほぼ確定

しているため、生産/調達部門から、組み立て

工数改善やより安価な材料への切り替えなどの

コスト低減施策の提案があっても、導入を断念

図8 用紙物性値のデータベース A database on the physical properties of paper

図9 外部入力部の接地強化対策 Measures to reinforce the grounding of external input parts

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DocuCentre SC2020

144 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015

本商品従来機

信号本数50%削減

することが多くあった。

本商品は、コスト低減のため、レイアウトを

確定する前に、エレキ部品優先の設計思想を導

入し、また生産/調達視点でのコスト低減施策

を積極的に取り入れる進め方を導入した。

本章では、低コスト/小型/軽量化技術とし

て、エレキ部品優先の設計、ドライブユニット

設計、ユニット構造設計、スキャナーのCIS

(Contact Image Sensor)化、生産要件取り

込みについて述べる。

6.1 エレキ部品優先の設計

コスト比率の高い電子基板などのエレキ部品

の低コスト化は、機能や性能を主眼に置いた設

計の進め方では、困難である。たとえば、機能

追加のため、モーターやセンサーなどの制御信

号が増えれば、それを駆動するためのICチップ

やハーネスなどが増大し、コストアップとなる。

特に、高額なCPUを搭載したASICのリソース

を超える制御信号の要求があった場合、さらに

高額なASICを選定しなければならず、コストは

上がってしまう。

そこで、エレキ設計を優先し、モーターやセ

ンサーを制御するIn/Out信号の本数を抑制し

て、必要 低限の制御本数で従来同等レベルの

機能/性能を実現できるように設計を行った。

具体的には、ASICから供給可能な制御信号本数

をエレキ設計だけではなく、システム全体で達

成すべき目標として設定した。制御仕様を関係

者の合意の下で明確にすることで、過剰な制御

仕様を抑制し、適正品質を得ることができた。

さらに、 も効率的にエレキ部品を配置でき

るように、初めに電子基板の配置を決めてから、

全体の機内レイアウトの設計を行った。その結

果、電子基板とモーターやセンサーの位置関係

がシンプルになり、ハーネスの長さや本数、固

定するためのクランプなどの部材を抑制できた。

またシンプルなレイアウトになったことで、

電子基板と中継や分岐を伴わずに1対1で接続

できるモーターやセンサーが増え、製造作業性

が高まり、低価格な圧接構造のハーネス比率を

上げることができた。

これらの結果、信号本数は従来機の約50%減

を実現し、電子基板および電線コストを大幅低

減できた(図10)。さらにシンプルなレイアウ

トになったことで、エレキ部品の組み立てコス

トも約50%以上削減した。

6.2 ドライブユニット設計

エレキ部品優先の設計、小型/軽量化による

メカトロ部品の低減とスペースの制約に対応す

るため、カラー/モノクロの切り替え機構と

モーター配置を特徴とした新規ドライブユニッ

トを開発した。

従来のカラー/モノクロの切り替えは、モノ

クロマーキングユニットとカラーマーキングユ

ニットを個々のモーターで制御することで実現

していた。今回は、モノクロマーキングユニッ

トとカラーマーキングユニットの駆動伝達経路

をカップリングで連結し、定着器を駆動する

モーター、ソレノイド、2段歯欠けギア、リン

クを用いてカップリング離接することで切り替

えを実現した。

また部品構成は、マーキングユニット側に、

容積の大きい電源基板のエリアを確保するため

奥行きサイズを抑えた駆動部品のみを配置し、

用紙搬送側には、容積の大きいモーターやカ

ラー/モノクロの切り替え機構を配置した。

駆動伝達部品の累積による速度変動/回転ム

ラなどの機械的な変動悪化に対しては、シミュ

レーションと実験を繰り返し行い、 適なギア

構成と剛性により対処した(図11)。

この機構により、従来機同等の速度調整/正

逆回転/独立駆動の要求を満たしながら、メカ

トロ部品点数、容積共に約40%減を達成した。

図10 従来機比50%ダウンした信号本数 A 50% reduction in the number of signals ascompared to the previous model

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富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 145

モーター定着器駆動EXIT駆動FC/BW切替え駆動

モータードラム駆動IBT駆動

モーター現像器駆動紙送り駆動

リンクバー

YMC駆動伝達カップリング

2段歯欠けギアソレノイド

用紙搬送側にモーターを搭載

電源基板のエリアを確保

・変位や応力の特に高い赤色箇所を重点強化・条件を振って重点部品の抽出漏れを回避

6.3 ユニット構造設計

モノクロ複合機からカラー複合機へのトラン

ジションを加速させるためには、モノクロ複合

機が設置されているスペース内に収まるサイズ

と、設置の容易さが求められる。そのため、従

来のカラー複合機からの小型化と軽量化が必要

であり、モノクロ複合機のマシンサイズ(幅 x

奥行き)以下を目指しシステムレイアウトを検

討した。奥行き寸法では、電子基板と駆動部品

の重なりによるサイズアップを避けるため、基

板の小型化や駆動ユニットのモーター部の配置

を3Dモデル上で繰り返し検討し、モノクロ複合

機と同程度のマシンサイズを実現した(図12)。

また、軽く扱いやすいマシンにするため、ユ

ニット構造を一から見直した。6.2節で述べた

ようにドライブユニットはメカ機構を導入して

モーターの数を減らすとともに、1つのアセン

ブリーに構成することで重量を低減した。また

マーキングユニットや電子基板も必要な機能に

特化し重量を低減した。重量低減に伴い、各ユ

ニットの剛性/強度が低下する課題が発生した

が、各ユニットを支える構造体を工夫すること

でユニットの弱さを補っている。具体的にはシ

ミュレーション技術を応用して、構造体とユ

ニットが組み付いた状態の大規模解析を繰り返

し行い、構造体の部品ごとにマシン全体に対す

る剛性/強度や画質/信頼性への寄与度を算出

した。寄与度の高い部品は従来よりも強くして

各ユニットの剛性/強度を補い、寄与度の低い部

品は従来よりもさらに削減や板厚を低減するこ

とで構造体の構成部品を 適化した(図13)。

6.4 スキャナーのCIS化

本商品のスキャナーは、同クラスのカラー複

合機としてはじめてCIS方式を採用した。一般

にCIS方式は安価な読み取り方式であるが、従

来の縮小光学系(CCD:Charge Coupled

Devices)方式と比べ光学特性の焦点深度

(DOF:Depth Of Focus)が0.15mm程度

と極端に浅く、原稿浮きに対して弱い。原稿を

密着させることができるプラテン原稿では大き

な課題にならないが、当社保有技術で原稿を浮

かせて読み取るDADF(Duplexing Automatic

Document Feeder:自動両面原稿送り装置)

方式との組み合わせにおいて、必要な解像力が

図13 構造体の強度シミュレーション A simulation of structural strength

図12 モノクロ/カラ―複合機のサイズ比較 Size comparison between the monochrome multifunction device and color multifunction device

カラー複合機(本商品)モノクロ複合機

図11 ドライブユニットの構成図 Structure of the drive unit

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146 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015

得られないという課題があった。

今回、DOFの浅さを克服する独自のDOF補正

技術を確立し、CIS方式と原稿浮上方式との組

み合わせを可能にした。さらに生産工程の簡素

化を狙ったスキュー調整レス構成も導入した結

果、性能を維持しながら、従来機よりコストを

約30%低減した。

6.4.1 DOF補正技術

DOF補正は、焦点深度を拡大する画像処理技

術である。焦点のボケた画像に対し一般的な強

調処理を行うと、画線部はシャープになるが、

網点部などはスジ/線のようになり、原稿の忠

実再現ができず官能的画像品質は悪化するとい

う課題があった。詳細な画像分析から、CISは

主/副走査それぞれに異なった周波数特性を持

ち、特に主走査は、原稿の浮きに対して極端に

急峻な特性があり、原稿の浮き高さが0.3mm以

上になると、ほとんど解像できないことがわ

かった(図14)。その改善策として人の視覚特

性を重視し、低周波成分の振幅を強め、高周波

成分の振幅を弱めるバンドパスフィルターの重

みを主/副走査それぞれ独立に 適化した(図

15)。本画像処理を低コストASICのリソース内

に実装し、また原稿走行高さのバラツキに対応

する仕組みも導入することで、画線部と網点部

を忠実に再現でき、量産品質を確保した。その

結果、原稿浮上方式への適用を可能とした。

6.4.2 スキュー調整レス構成

CIS方式は、CISモジュールやその他部品の実

寸法に依存してスキューバラツキが悪化するた

め、メカ調整機構を導入する必要があり、部品

コスト、調整/検査コストの課題があった。そ

のため、今回、新規スキューオフセット構成を

考案した。スキャン時に各部品間の隙間が一定

方向に寄るようにパラメーター設計を実施し、

スキューバラツキを極小化した。その上でCIS

位置決めをあらかじめシフトしておくことでス

キューを 適化した。これにより、メカ調整機

構を導入する必要がなくなり、スキューの累積

公差を従来の約50%に抑制でき、スキュー調整

レスで従来機同等性能を確保した(図16)。

6.5 生産要件取り込み

組み立て工数低減につながる生産要件(生産

プラットフォーム要件)を開発初期段階にイン

プットし、生産準備開始時期をレイアウト/図

面の完成後から、完成前に開始するフロント

ローディングを行う変革プロセスを実践した。

その結果、主要な生産プラットフォーム要件の設

計反映を実現し、以下のような成果を達成した。

① フロントローディングを行うことで、従来プ

ロセスで設計フィードバックが困難であった

主要生産要件コネクトルール(モジュール配

置、ハーネス/電子基板配置 適化)を設計

に反映できた。その結果、従来機よりハーネ

ス取り付け工数を約60%削減できた(図17)。

図16 スキュー調整レス構成 A structure not requiring skew adjustment

■従来 ■スキューオフセット機構

ガタによりスキューバラツキ

スキャン中ガタ寄せでスキュー安定

あらかじめガタ分オフセットしておき 適化

+BELT

SHAFT

HOUSING CIS

点線:読取ライン

GUIDE

図14 CISの解像力特性 Characteristics of CIS resolution

一般的強調フィルター適用 バンドパスフィルター適用(本商品適用)

画線部を忠実に再現できない

0

1

2

3

4

5

6

0 2 4 6 8 10 12

LP/mm低 周波数 高

Filt

er重

一般的強調フィルター特性0

1

2

3

4

5

6

0 2 4 6 8 10 12

LP/mm

副走査フィルター特性

主走査 フィルター特性

Filt

er重

低 周波数 高

網点部を忠実に再現できない 網点部を忠実に再現

画線部を忠実に再現

0

20

40

60

80

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

解像

副走査

主走査

原稿浮き高さ[mm]

高い

低い

0.3mm以上浮くと解像力が極端に低下

図15 一般的な強調フィルターとバンドパスフィルター

General enhancement filter and band-pass filter

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② 開発初期段階から、生産メンバーが検討に入

り込み、設計者と協力して、ネジ統一/ネジ

削減/グリス削除/組み立て自動化のための

部品形状 適化設計などを実施した。その結果、

従来機より組み立て工数を約50%削減できた。

7. おわりに

本稿で示してきたような主要技術の導入によ

り、DocuCentre SC2020は、基本的な性能

/機能をベースに直感的な操作感、高画質、市

場環境対応といった市場ニーズに特化した仕様

を求めやすい価格で実現した商品である。

中国およびアジア太平洋地域での販売は好調

で、本商品で目指したカラー複合機の普及と市

場拡大による市場のカラー化は順調に推移して

いるが、まだまだ拡張速度は遅い。より多くの

ユーザーがカラー文書を当たり前と感じられる

環境を手に入れ、カラー文書を中心としたユー

ザーコミュニケーションの活性化と業務の生産

性向上のため、我々は今後も改善要望分析/市

場ユニーク要件抽出/市場トレンド調査などを

継続的に実施し、さらに低コスト技術の開発も

積極的に進め、もっと求められるA3カラー複合

機を提供し、カラー化を一段と加速させていく。

筆者紹介

田村 一夫 商品開発本部 グローバルプラットフォーム開発部に所属

専門分野:商品システム開発

片桐 秀男 商品開発本部 グローバルプラットフォーム開発部に所属

専門分野:商品システム開発

瀬戸 政則 デバイス開発本部 イメージングプラットフォーム開発部に所属

専門分野:露光技術開発

廣江 伸弘 デバイス開発本部 イメージングプラットフォーム開発部に所属

専門分野:Motion Qualityシステム設計

田中 英明 デバイス開発本部 第一マーキングプラットフォーム開発部に所属

専門分野:現像設計

青木 宏之 富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社に所属

専門分野:エレキ設計

柳澤 修 CS品質本部 品質革新部に所属

専門分野:信頼性工学

宇土 修 商品開発本部 グローバルプラットフォーム開発部に所属

専門分野:システムレイアウト設計

早川 裕二 商品開発本部 グローバルプラットフォーム開発部に所属

専門分野:機械設計、システムレイアウト設計

沼崎 朗 デバイス開発本部 デバイスシステムプラットフォーム開発部に所属

専門分野:機械設計

植松 真理 富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社に所属

専門分野:スキャナー・機械設計

田井 慎一 富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社に所属

専門分野:スキャナー・エレキ設計

北市 泰寛 富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社に所属

専門分野:スキャナー・機械設計

高橋 寿行 生産本部生産 プラットフォーム技術部に所属

専門分野:生産技術

図17 主要生産要件コネクトルールの 適化 Optimization of the connection rule for mainproduction requirements