2級 学科試験 - 国家検定キャリアコンサルティング技...

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平成 24 年度後期(第 9 回)12 月実施 キャリア・コンサルティング技能検定 厚生労働大臣指定試験機関 特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会 105-0011 東京都港区芝公園 1 丁目 6 8 号泉芝公園ビル 5 TEL03-5402-5588 2 級 学科試験 ◆平成 24 年 12 月 16 日(日) 試 験 時 間 ◆1 0 : 3 0 ~ 1 2 : 1 0 ( 1 0 0 分 ) ★注意事項★ 1.本試験の出題形式は、4肢択一式 50 問です。 2.机上には、受検票、筆記用具、時計以外のものは置かないでください。 3.試験中は、携帯電話・PHS など全ての電子機器は使用できません。必ず電源を切 って、カバンの中などにしまってください。多機能付時計やストップウォッチは、 時計としてのみ使用できますが、アラームや音の出る機能は使用できません。 4.試験時間中は、乱丁・落丁・印刷不鮮明に関する質問以外はお受けできません。 5.不正行為があったときは、すべての解答が無効となります。 6.解答用紙の注意事項は、必ずお読みください。 7.試験終了の合図が告げられたら、直ちに筆記用具を置き、試験監督者の指示に従っ てください。 8.その他、試験監督者の指示に従ってください。 【退出時の注意事項】 1.試験開始後 30 分経過した時点で中途退出できます。中途退出する場合には、挙手 し、試験監督者の指示に従ってください。問題用紙はお持ち帰りください。 2.試験終了時刻 5 分前からは退出できません。試験終了後、試験監督者が解答用紙を 回収しますので、着席したままでお待ちください。 この試験の正答は平成 24 12 17 日(月)10 時以降、当協議会のホームページに掲載します。 http://www.career-kentei.org/mondai/平成 25 3 21 日(予定)に、受検者全員に合否通知書を送付いたします。 合格者は、当協議会のホームページに受検番号を掲載してお知らせします。 http://www.career-kentei.org/goukaku/ 無断転載を禁ず

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Page 1: 2級 学科試験 - 国家検定キャリアコンサルティング技 成24年度後期(第9回)12月実施 キャリア・コンサルティング技能検定 厚生労働大臣指定試験機関

平成 24 年度後期(第 9 回)12 月実施 キャリア・コンサルティング技能検定

厚生労働大臣指定試験機関

特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会 〒105-0011 東京都港区芝公園 1 丁目 6 番 8 号泉芝公園ビル 5 階 TEL03-5402-5588

2 級 学科試験 実 施 日 ◆平成 24 年 12 月 16 日(日)

試 験 時 間 ◆10: 30~ 12: 10( 100 分 )

★注意事項★

1.本試験の出題形式は、4肢択一式 50 問です。 2.机上には、受検票、筆記用具、時計以外のものは置かないでください。 3.試験中は、携帯電話・PHS など全ての電子機器は使用できません。必ず電源を切

って、カバンの中などにしまってください。多機能付時計やストップウォッチは、

時計としてのみ使用できますが、アラームや音の出る機能は使用できません。 4.試験時間中は、乱丁・落丁・印刷不鮮明に関する質問以外はお受けできません。 5.不正行為があったときは、すべての解答が無効となります。 6.解答用紙の注意事項は、必ずお読みください。 7.試験終了の合図が告げられたら、直ちに筆記用具を置き、試験監督者の指示に従っ

てください。 8.その他、試験監督者の指示に従ってください。

【退出時の注意事項】 1.試験開始後 30 分経過した時点で中途退出できます。中途退出する場合には、挙手

し、試験監督者の指示に従ってください。問題用紙はお持ち帰りください。 2.試験終了時刻 5 分前からは退出できません。試験終了後、試験監督者が解答用紙を

回収しますので、着席したままでお待ちください。

○ この試験の正答は平成 24 年 12 月 17 日(月)10 時以降、当協議会のホームページに掲載します。 (http://www.career-kentei.org/mondai/) ○ 平成 25 年 3 月 21 日(予定)に、受検者全員に合否通知書を送付いたします。 ○ 合格者は、当協議会のホームページに受検番号を掲載してお知らせします。

(http://www.career-kentei.org/goukaku/)

無断転載を禁ず

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☆☆ 解答にあたっての注意事項 ☆☆

1.試験問題については、特段の指示のない限り、平成24年4月1日現在において施行されて

いる法令等に基づいて解答してください。

2.4つの選択肢の中から答えを1つだけ選び、その番号を解答用紙の解答欄の位置にマーク(均

一に濃く塗りつぶす)してください。マークした箇所が読み取れない場合は採点されません。

また、2箇所以上マークした場合も採点されません。

《試験問題で使用される用語について》

◎「相談者」とは、自らの進路相談、職業相談、人事労務に関する相談などキャリアに関する相

談に来た人の事を指し、問題文では「クライエント」、「クライアント」と同意語として使用し

ています。

「キャリア・コンサルタント」とは、相談者の希望に応じて実施されるキャリアに関する相談

とその他の支援を行う者をいい、問題文では「キャリア・カウンセラー」も含まれているもの

として使用しています。 ◎次の法令に関する名称について、問題文では略語を使用しています。 ・労働者災害補償保険法:労災保険法 ◎外国人名は姓をカタカナで示し、( )で欧文表記をしています。

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(2012.12)2 級学科試験問題

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問 1 近年の社会・経済動向に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.バブル崩壊以降の経営環境のもとで正規雇用の絞り込みが行われたが、1990 年代半ば

から 2000 年代半ばにかけ、若年層だけは正規雇用比率が上昇した。 2.1990 年代以降、賃金制度に成果主義が採り入れられ、能力開発も個人の主体性が強調

される傾向があったが、最近は、企業が短期的な視点で人材育成に取り組む方向性がま

すます重視されている。 3.企業は社会環境の激変の中で、他企業との厳しい競争に打ち勝つために、有能な人材

を育成することを目的とし、一律的な集団管理による能力開発を積極的に行っていく傾

向にある。 4.わが国の高齢者は就業意欲が高く労働力率も国際的にみて高水準で、希望する就業の

引退時期は、男女ともに「働けるうちはいつまでも働きたい」とする割合が最も高くな

っている。 問 2 第9次職業能力開発基本計画に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.職業能力を客観的に評価する「ものさし」をつくり、教育訓練と結びつけることで、

労働者の就職・転職を支援するとともに、労働者のキャリア形成やスキルアップへのイ

ンセンティブとする。 2.「新成長戦略」を反映し、介護・福祉、医療、子育て、観光、環境、コンテンツビジネ

スの6分野について、成長が見込まれる分野として人材育成に戦略的に取り組む。 3.可処分所得の低い求職者等に対する第2のセーフティネットとして、職業訓練・給付・

就職支援を行う求職者支援制度を新設する。 4.少子化、高齢化により、平成 32 年までに 433 万人の就業者数減(平成 21 年比)が見

込まれ、労働力需要と消費拡大の両面から、わが国経済の国際競争力の低下要因となっ

ている。

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(2012.12)2 級学科試験問題

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問 3 次のキャリア・コンサルタントの行動について、キャリア形成支援の専門家として最

も適切なものはどれか。

1.中学生に向けたキャリアに関する講演を学校長から依頼され、進路を決定する上で参

考になる話として、地元の求人動向や地元企業の中で、処遇や福利厚生に優れた企業だ

けを紹介した。 2.ある相談者との面接がうまくいかないため、あらかじめ面談内容を何度か録音し、そ

の中から特徴的なものを選び、その後、相談者に使用目的と内容を説明して逐語録を作

り、スーパービジョンを受けた。 3.異動など、節目があるたび相談に来ていた人の家族から、本人が亡くなったという知

らせを受け、最後の面接から6年にもなるので、家族に断ることもなく面接記録を処分

した。 4.会社を辞め、独立開業することになった相談者から、引き続き定期的な面接を受けた

いし、社員のことも相談したいので、取締役にと要請され、これを引き受けた。 問 4 キャリア・コンサルティングの役割の理解に関する次の記述のうち、最も適切なもの

はどれか。

1.相談者のキャリア形成に関する問題、すなわち相談者がどのように職業選択をし、ど

のように職業生活を送っていくかに関して、問題の解決を支援する活動である。 2.相談者が自分で問題を解決することが目的であり、相談者自らが本来もっている自分

らしさに気づき、自分自身の存在価値を追求することができるように支援することであ

る。 3. 相談者個人が対象で、中でもキャリアは本来個人に帰属する個別性の高いものであり、

相談者個人に対する支援が最も本来的な活動となる。 4.相談者にとって適切であったかどうかを評価するためには、長期間の経過観察が必要

だが、それは事実上難しいため、面接終了時の相談者の満足度によって評価するのが原

則である。 問 5 大学等におけるキャリア・コンサルタントの担う役割と能力に関する次の記述のうち、

最も適切なものはどれか。

1.大学等のキャリア・コンサルタントが担っている領域は、①個別相談、②インターン

シップ・セミナー・ガイダンス、③キャリア教育科目、④その他の教育科目と幅広くな

っている。 2.大学等においては、昨今、問題をかかえる学生や発達障がいの可能性がある学生など

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(2012.12)2 級学科試験問題

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も見受けられる。キャリア・コンサルタントは、専門家としてそのような学生にはでき

るだけ丁寧に、一人でじっくりと支援をしていく方が良い。 3.「キャリア・コンサルティングに関する実態調査」(「厚生労働省」平成 22 年度)によ

ると、キャリア・コンサルタントの活動領域の人数は、「大学・短期大学・専門学校(キ

ャリアセンターなど)」が最も多い。 4.大学等において求められる能力は、就職支援が中心になるため、個別相談スキルや長

期的支援よりも、キャリアシート作成や面接指導、内定獲得をめざした短期的就職支援

が重要である。 問 6 クランボルツ(Krumboltz, J. D.)に代表される偶発性理論の説明として、不適切な

ものはどれか。

1.想定外の出来事や偶然の出来事がキャリアに与える影響は大きい。 2.未決定であることは、新しい学習を促進し、可能性を広げるために必要な望ましいこ

とである。 3.出会いや経験は重要であり、それを引き起こすには、まず行動することである。 4.偶発的な出来事はなるべく避けるように、確たる計画設定が必須である。

問 7 ホランド(Holland, J. L.)の理論に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1.ホランド(Holland, J. L.)は、キャリア開発と職業選択に影響を与える主要なものと

して、「遺伝的要素と特殊な能力」「環境条件やそこでのできごと」「学習経験」「課題に

対するアプローチスキル」の4つの要素を取り上げた。 2.ホランド(Holland, J. L.)は、職業興味検査(VPI)などのキャリア・ガイダンスの

ための具体的道具を開発した。 3.人間は、個人的特性と環境との相互作用の結果としてできあがるものであり、人は社

会的・環境的課題に取り組む独自の方法を身につけると考えた。 4.ホランド(Holland, J. L.)は、性格を6つの基本的タイプに分けて、六角形に表した。

六角形で隣り合っている性格タイプや職務は、距離が近いほど心理的類似性が高い。 問 8 キャリア研究者と関連の深い理論または概念の組み合わせとして、正しいものはどれ

か。

1.ナンシー・シュロスバーグ(Schlossberg, N. K.) - 組織心理学 2.ジョン・クランボルツ(Krumboltz, J. D.) - 社会的学習理論

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3.エドガー・シャイン(Schein, E. H.) - 構造的・交互作用論 4.ジョン・ホランド(Holland, J. L.) - キャリア構築理論 問 9 シャイン(Schein, E. H.)の理論に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1.キャリアは、「外的キャリア」と「内的キャリア」の2つの軸から捉えることができ

る。 2.個人の独自なキャリアには、いくつかにパターン化されたキャリア(職業)における

自己概念(セルフイメージ)があり、それを「キャリア・アンカー」と名づけた。 3.「キャリア・アンカー」は予測できるもので、職業と一対一で結びつく。 4.「キャリア・アンカー」を確かめるために、「何が得意か」「何をやりたいか」「何をや

っている自分が充実しているか」を問うと有効である。 問 10 カウンセリング理論に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.行動的アプローチでは、個人の問題行動は、不適切な行動の学習または適切な行動の

未学習によって起こされるものとして捉え、環境要因は考慮されない。 2.認知的アプローチでは、「問題が起きるのは、非合理的な思考によって考えたり行動し

たりするときである」と考える。 3.感情的アプローチでは、状況や環境そのものよりは、「クライエント自身の、現在の見

方や感じ方」を問題とする。 4.キャリア・カウンセリングでは、特定の理論だけにとらわれることなく様々な技法を

柔軟に活用することを、包括的・折衷的アプローチと呼んでいる。 問 11 いわゆる人間中心カウンセリングの基本的考え方に関する次の記述のうち、不適切

なものはどれか。

1.ロジャーズ(Rogers, C. R.)は、人間というものは自らの潜在能力を最大限に発展さ

せようと努力する存在であると捉えた。 2.クライエント中心療法は、精神分析や行動理論に対するアンチテーゼとして登場して

きたもので、実存分析などとともに第三勢力と呼ばれることがある。 3.ロジャーズ(Rogers, C. R.)のカウンセラーとしてのあり方は、フロイト(Freud, S.)

が述べた中立的態度と違って、クライエントへの強い関心によって支えられるべきとさ

れている。 4.クライエント中心療法の立場では、患者と呼ばないでクライエントと呼ぶが、これは

相談者をタテ関係の中で捉えることを控えようとしたからである。

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問 12 認知行動療法の理論と技法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1. 認知行動療法は、悩みの原因を誤った認知、歪んだ認知から来るものであると考え、間

違ったものの見方を修正し、変更することによって問題を解決しようとするものである。 2.行動療法では、行動そのものを問題にして扱うのに対して、認知行動療法では、考え

方や物事の受け取り方(認知)が行動に及ぼす影響を扱う。 3.セルフ・モニタリングとは、自分の内面の動きを見つめることをいい、自分の気持ち

が本当に自分の気持ちかどうかチェックすることをいう。 4.帰属理論とは、ものごとの原因を、自分の性格、態度、能力などの個人の内的要因に

求める理論体系である。 問 13 転職を目指すとき、採用選考に当たって企業から職務経歴書の提出を求められるこ

とが多いが、企業に提出する職務経歴書を作成する際のポイントに関する次の記述のう

ち、最も適切なものはどれか。

1.求人企業に対するアピールが目的であるため、職歴がアルバイト就業中心の場合は、

アルバイトの経歴は記載せず、やる気を中心に記載する。 2.求人企業に対するアピールが目的であるため、過去に転職が多い場合は、能力の幅が

広がったこと、好奇心が旺盛であることなど、転職の前向きな側面を記載する。 3.経験してきた職務の棚卸しが目的であるため、同じ業界への転職の場合は、応募企業

によく理解してもらえるので、経験職務は簡潔に記載すればよい。 4.経験してきた職務の棚卸しが目的であるため、同じ会社で同じ仕事を長く続けてきた

場合は、応募企業の業務内容を気にすることなく、年代別に職歴を記載する。 問 14 心理アセスメントに関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1.クライエントに必要な援助を理解し適切な処置方法を判断するために、観察、面接、

心理検査などによってその人の問題や人格を明らかにするのが心理アセスメントである。 2.観察法では、客観性、信頼性を高めるために、熟練した複数の観察者によって得られ

た一致度の高いものを観察結果とすることがある。 3.面接法は、援助に必要な情報の収集と信頼関係の確立、適切な援助への導入を面接に

おいて行う。 4.心理検査の実施にあたっては、手引や解説書に頼るのではなく、クライエントの状況

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にあわせて、カウンセラー独自のやり方を工夫し、適切な情報を得なければならない。 問 15 心理検査、キャリアガイダンス・ツールに関する次の記述のうち、最も適切なもの

はどれか。

1.高校生を対象とした 20 名程度のセミナーで職業興味を調べたい時、「VPI 職業興味検

査」を利用することができる。 2.「VRT カード」は、職業を示す写真やイラストを見てやってみたいかどうかを分類する、

カードソートタイプのキャリアガイダンス・ツールである。 3.「キャリア・インサイト」は、利用者が一人で活用するコンピュータ支援型のガイダン

スシステムなので、担当者による相談などの支援は必要ない。 4.「職業レディネス・テスト」は、職業経験が少なかったり職業の知識に偏りがみられた

りする場合には、大学生であっても実施することができる。 問 16 職業適性・職業興味検査などに関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1.「VPI 職業興味検査」は、6つの興味領域(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、

慣習的)尺度と5つの傾向(自己統制、地位志向など)尺度から、職業興味や職業認知

における心理的特徴を得る。 2.「キャリア・インサイト MC」は、適性診断、総合評価、職業情報、キャリア・プラン

ニングの4つのコーナーにより構成されている。適性診断コーナーは、能力、興味、価

値観、行動特性の4つの検査を含む。 3.「職業レディネス・テスト」は、6つの職業領域(現実的、研究的、芸術的、社会的、

企業的、慣習的)への興味・自信と、3方向の日常行動特性(対情報、対人、対物)か

ら、職業興味、基礎的志向性と職務遂行に関する自信度の特徴を得る。対象は高校生以

上である。 4.「一般職業適性検査(GATB)」は、15 種の下位検査(紙筆検査 11 種、器具検査4種)

から9種の適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知

覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を測定し、適性職業群を示す。 問 17 職業理解に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.職業理解とは、仕事内容や職務遂行要件の理解だけではなく、産業や労働市場、雇用 状況など、関連情報の理解を含む。

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2.職業と職種とは一般に同義語として扱われているが、両者を厳密に区分すると、個人 の側からみた仕事の種類を職種という。

3.日本標準職業分類における職業とは、仕事に伴う報酬の有無には関係せず、個人の従

事する仕事がすべて該当する。 4.職務分析や職務調査における「職務」とは、日本標準職業分類でいえば、小分類レベ

ルの職業にあたる。 問 18 職業理解に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.産業とは、事業所において社会的な分業として行われる財貨及びサービスの生産また

は提供にかかるすべての経済活動のことである。 2.職業の全体像をわかりやすくするために、職業を類似性や関係性で分類し整理したも

のが職業分類である。 3.「職業ハンドブック OHBY」は、中学生から大学生までを対象とし、約 550 職種につい

ての職業検索、適職検索ナビ、キャリア分析ナビから構成されている。 4.「キャリア・インサイト」は、18 歳~30 歳代前半までの学生や若年求職者を対象とし、

対象利用者自身による自己理解の促進、職業意識の啓発を目的として、4つの職業選択

プロセスを経験できる。 問 19 キャリアアップのための講習、訓練の受講等に関する次の記述のうち、最も適切な

ものはどれか。

1.雇用保険(失業給付)を受給できない求職者に対する求職者支援訓練では、職業訓練

受講期間中、受講者全員に1月あたり 10 万円の給付金が支給される。 2.従業員が自発的に技能検定を受検する際、企業がその経費を負担する制度を就業規則

などに設けて支援を行う場合、企業規模にかかわらず企業に対して助成金が支給される。 3.一定期間以上雇用保険に加入している人が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講

し修了した場合に、要した費用の 20%(上限 10 万円)が本人に支給される。 4.失業中の雇用保険受給者が公共職業訓練を受講する場合、受講料は無料(テキスト代

等は自己負担)となるが、受講期間は失業中とは認められないので、失業手当は支給さ

れない。 問 20 職業能力開発の方法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.OJT(On the Job Training)は、仕事を通じて行われるので、時間的にもコスト的に

も効率的であり、多くの人を同時に教育することができる。 2.OJT(On the Job Training)は、現場の上司や先輩に負うところが大きいが、上司や

先輩など教える側の能力や熱意に左右されずに教育効果を得ることができる。

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3.Off-JT(Off the Job Training)は、日常業務の中では習得できない知識や情報を、各

従業員の能力や必要性に応じてきめ細かく習得することができる。 4.労働者の自己啓発に対する支援策としては、教育訓練機関や通信教育に関する情報提

供、受講費用などの補助、社内での自主的な勉強会などに対する援助などがある。 問 21 わが国の女性雇用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.役職別管理職に占める女性割合の推移を見ると、長期的には増加傾向にあるが、「民間

企業の係長相当職」でも、その割合はまだ 10%台である。 2.労働力率を縦軸に、年齢階級を横軸にとって女性の労働力率を図示すると、その形状

はアルファベットの M 字型に近くなるが、M 字の底にあたる部分は近年ますます深まる

傾向にある。 3.女性の育児休業取得率は長期的には増加傾向にあり、平成 20 年度以降は7割台で推移

している。 4.グラスシーリング(ガラスの天井)という言葉は、女性にとって昇進は容易ではない

が、力を加えればガラスが割れるように、思い切って挑戦すれば道は開けるという意味

で用いられている。 問 22 わが国の月例賃金、とくに基本給部分を構成する賃金に関する次の記述のうち、最

も適切なものはどれか。

1.勤続年数によって決まる勤続給や年齢で決まる年齢給は、代表的な年功賃金であり、

今日でもわが国の賃金の主流を占めている。 2.職務給は仕事自体の重要度、難易度、責任度などで決まる賃金である。役割給は組織

における役割に応じて決まる賃金であり、職務給とともに仕事給の一種といえる。 3.職能給は、職務遂行能力のグレードである職能等級(職能資格)とその等級における

習熟度に応じて決まる能力給であり、特に中小企業で普及している。 4.成果給や業績給は、業務目標の達成度や担当業務の遂行度に応じて決まる賃金であり、

企業にとって経済合理性があるので、今ではわが国の賃金の主流になっている。 問 23 雇用調整に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.雇用調整とは、労働力需要の変化に応じて労働力の供給量を減少させるもので、労働

時間の調整、労働者数の調整など、数量の調整に重点が置かれている。 2.一時帰休とは、雇用関係を維持したまま就業を一定期間停止するもので、アメリカで

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(2012.12)2 級学科試験問題

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行われているレイオフ(lay off)と同じような雇用調整の取り組みである。 3.ワークシェアリングとは、賃金の減少を伴うことなく、労働者の労働時間を短くする

ことで、雇用者数の維持・拡大をはかる雇用調整の取り組みである。 4.日本の雇用調整は、まず労働時間の調整から始まり、次に労働者数の調整、労働者配

置の調整、労働時間と労働者数の調整など、多様に実施されている。 問 24 最近の労働市場に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.2010 年の完全失業率を年齢階級別にみると、全年齢平均が5%台であるのに対して、

55 歳以上の高年齢者の失業率は7%台であり、15~34 歳の若年齢者よりも高くなって

いる。 2.大学等進学率は、過去 20 年間で 20%以上上昇しているが、一方で、20 年前に比べて、

大学卒業時に就職も進学もしていない者は増えていない。 3.雇用者数に占める女性の割合は増加しているものの、パートやアルバイトなどの非正

規労働者として働く人が増えている傾向にある。 4.非正規労働者の割合を年齢階級別にみると、55 歳以上の高年齢者よりも、15~34 歳の

若年齢者の方が、割合が高い。 問 25 労働市場に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.労働力調査における完全失業者とは、仕事がなくて調査期間中に少しも仕事をしなか

った者のうち、就業が可能でこれを希望している者をいい、求職活動の有無を問わない。 2.有効求人倍率は、内閣府が公表している景気動向指数において、景気の動きにほぼ一

致して動く一致系列に位置づけられている。 3.有効求人倍率とは、ハローワークにおける前月からの繰り越し分を含む求職者数を同

じく繰り越し分を含む求人数で除したものである。 4.労働力人口とは、15 歳以上 65 歳未満の就業者と完全失業者を合わせたものをいい、就

業者とは、従業者と休業者を合わせたものをいう。 問 26 社会保険関連法規に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.厚生年金保険の適用事業所に雇用される満 65 歳の者は、一定の要件を満たせば厚生年

金保険の被保険者となる。 2.事業主都合による離職者は、病気やけがによりすぐには就職することができない場合

であっても、雇用保険法の基本手当を受給することができる。

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(2012.12)2 級学科試験問題

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3.健康保険の被保険者が、正常分娩をした場合、療養の給付の対象になる傷病に該当し

ないため、健康保険からは何らの給付も受けることはない。 4.労災保険の適用を受けるには、労災保険法の「労働者」である必要があり、これ以外

の者は、労災保険に加入することができない。 問 27 労働・雇用関係法令は、労働市場、個別的労働関係、団体的労使関係という3つの

分野を規律している。この3つの分野を、次のように定義し、A から F に示す法律をそ

の目的、内容などからみて最も関連の深い分野に分類したときに、その組み合わせとし

て最も適切なものはどれか。

労働市場:求人・求職の媒介・結合の仕組みや労働力の育成・調達・供給・調整の仕組

みに関する分野 個別的労働関係:個々の労働者と使用者との間における労働に関する契約の締結、展開、

終了に関する分野 団体的労使関係:労働者団体の組織と運営や労働者団体と使用者・使用者団体間の協議

や交渉に関する分野 A:雇用対策法 B:労働組合法 C:労働基準法 D:労働関係調整法 E:職業安定法 F:労働契約法 1.労働市場:A と F 個別的労働関係:C と D 団体的労使関係:B と E 2.労働市場:B と D 個別的労働関係:A と F 団体的労使関係:C と E 3.労働市場:E と F 個別的労働関係:B と C 団体的労使関係:A と D 4.労働市場:A と E 個別的労働関係:C と F 団体的労使関係:B と D 問 28 うつ病に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.睡眠障害は、うつ病患者の約 30%に認められる。 2.うつ病患者では、アルコールや薬物の乱用・依存が併発しやすい。 3.家族および職場からの生活情報は、診断や治療の参考とはなりにくい。 4.身体疾患をもつ患者は、うつ病を発症しにくい。

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問 29 睡眠障害の対処方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.就寝前のカフェイン、タバコは避けることが望ましい。 2.眠気・疲労度に合わせ、臨機応変に起床時間を調整することが望ましい。 3.睡眠薬を利用する前に、まずは「寝酒」を勧めることが望ましい。 4.休日は出来るだけ「寝だめ」を心がけるのが望ましい。 問 30 労働者の心の健康に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.同一職場でみられるメンタルヘルス不調は、症状も類似になりやすい。 2.メンタルヘルスケアをより効果的に推進するため、健康情報を含む労働者の個人情報

は、職場関係者で広く共有することが重要である。 3.労働者の心の健康は、身体の健康に比較し、職場配置、人事異動、職場の組織等の人

事労務管理と密接に関係する要因によって、より大きな影響を受ける。 4.労働者にみられる心の健康問題は、もっぱら職場のストレス要因を主因としており、

個人生活におけるストレス要因があったとしても、その要因が与える影響は少ない。 問 31 次の文章の空欄に入る語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。

「(A)は、職業的発達段階とそれに対応する発達課題を提示し、人の発達段階には、成

長段階、探索段階、確立段階、(B)、衰退段階の5段階があり、確立段階以降の段階で

ミニサイクル(新成長-新探索-新確立)が(C)に繰り返されることを提唱した。」 1.(A)スーパー(Super, D. E.) (B)維持段階 (C)螺旋状 2.(A)シャイン(Schein, E. H.) (B)維持段階 (C)直線状 3.(A)スーパー(Super, D. E.) (B)発展段階 (C)直線状 4.(A)シャイン(Schein, E. H.) (B)発展段階 (C)螺旋状 問 32 ライフステージと発達課題に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせはど

れか。

A. 発達障がいは、中枢神経系の障害に起因するのではく、養育環境や親のしつけなどに

よる問題が関係している。 B. 自閉症は発達障がいの一つとされ、社会性、コミュニケーション、想像力(興味)の

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領域について、発達の偏りがあるとされている。 C. 就職活動や職業生活では、社会性やコミュニケーション能力などが求められるため、

学校を卒業し就職の段階になって初めて困難に直面することが少なくない。 D. 療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を所持していない発達障がい者は、ハローワーク

が実施するトライアル雇用や職場適応援助者の援助を受けられない。 1.A と B 2.A と D 3.B と C 4.C と D 問 33 ライフステージと発達課題に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.ギンズバーグ(Ginzberg, E.)は、発達課題(developmental task)という概念を最初

に提示した研究者である。 2.スーパー(Super, D. E.)は、発達段階の間には、暦(生活)年齢にゆるく関連した移

行期があるとしている。 3.シャイン(Schein, E. H.)は、人が生きている領域(役割が存在するという意味での

領域)を大きく8つのサイクルに分け、それぞれのサイクルに段階を設けた。 4.ハンセン(Hansen, L. S.)は、人は安定期と各段階の節目にある 5 年間の過渡期を繰

り返しながら発達するとしている。 問 34 シャイン(Schein, E. H.)の考えをもとにしたライフステージと発達課題に関する

次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.キャリア・アンカーは、仕事経験がほとんどなくても発見できるので、仕事の世界へ

エントリーする前段階でも、様々なテストから予測することができる。 2.キャリア初期は、未経験ゆえの不安を克服し、自信をもつようにする時期である。 3.キャリア中期では、組織において明確なアイデンティティを確立するとともに、他者

への助言者という役割も引き受けるようになる。 4.キャリア中期の危機の段階では、自らの助言者としての責任を完遂するとともに、ど

のように引退するかを考えることが課題となる。 問 35 キャリアにおける転機に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.ハンセン(Hansen, L. S.)によると、仕事は他の生活上の役割との関係の中で捉えら

れるが、組織の変革と個人の転機は直接の関わりが少ないため、個人と組織の変革は結

びつける必要がない。

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2.シュロスバーグ(Schlossberg, N. K.)によると、キャリア転換の起こり方は、「予期し

ていなかったことが起きる場合、予期していたことが起きない場合」「自ら決断して起こ

した出来事、起こさない出来事」「人間の発達プロセスの中で起きるもの」の3つに分け

られる。 3.ブリッジズ(Bridges, W.)によると、トランジションのプロセスでは、終焉(Ending)、静

止(Standing Still)を経て、開始(Making a Beginning)へ至るとされている。 4.レビンソン(Levinson, D. J.)によると、人は生涯に何度か訪れる過渡期において、生活

構造を維持し安定化させることが主たる課題であるとされている。 問 36 ロジャーズ(Rogers, C. R.)の来談者中心療法のカウンセラーに求められる基本的

態度について、次の文章の空欄に当てはまる語句の組み合わせのうちで、最も適切なも

のはどれか。

「カウンセラーは、クライエントに対して無条件の(A)をもつこと、クライエントの内的

世界を(B)的に理解し、それを相手に伝えること、クライエントとの関係において、

心理的に安定しており、ありのままの自分を受容していること、つまり(C)、という3

つの基本的態度をもっていることが重要である。」 1.(A)肯定的関心 (B)感情 (C)純粋性 2.(A)積極的評価 (B)共感 (C)純粋性 3.(A)積極的評価 (B)感情 (C)自己受容 4.(A)肯定的関心 (B)共感 (C)自己一致 問 37 相談者が、「いくら頑張っても、思うようにならなくて。もう、就職活動に疲れまし

た」と言ったときの応答の仕方について、明確化の例として最もふさわしいものはどれ

か。

1.「就職活動に疲れた。なるほど」と、話題の中心を明確にする。 2.「くじけそうになっているのですね」と、言外の気持ちを明確にする。 3.「どんな時にそう思うのですか」と、事実関係を明確にする。 4.「うん、うん」とうなずきながら、自分が相談者の味方であるという立場を明確にする。 問 38 ロジャーズ(Rogers, C. R.)の来談者中心療法に関する次の記述のうち、誤ってい

るものはどれか。

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1.来談者中心療法は、来談者を中心に据える心理療法ないしカウンセリングであり、パ

ーソン・センタード・セラピー(PCT)ともいう。 2.来談者の成長に向かう力(成熟したい、適応したい、独立したい、生産的でありたい

という衝動)をよりどころにするが、欠けている部分はカウンセラーが補う。 3.カウンセラーは、感情とともに表現される態度を深く理解し、それを受容したことを

徹底的に伝える。そうすれば、二人の間に温かで受容的な雰囲気を作り出すことができ

る。 4.来談者は意識しようとしなかった領域にも目を向け、あるがままの自分を受け入れ、

新しい目標を選び、より大きな成長と成熟に向かっていく。 問 39 エンカウンター・グループに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.エンカウンター・グループとは、集中的グループ体験である。体験過程を通じて、人

間としての成長と対人関係およびコミュニケーションの開発と改善を促す手続である。 2.起源は、ロジャーズ(Rogers, C. R.)が第二次世界大戦直後にシカゴ大学で始めた、

カウンセラー養成のための集中的グループ経験である。 3.前提となるのは、①人間の実現傾向を信頼し、②病理モデルではなく成長モデルを採

用し、③促進的雰囲気があれば人は自己理解と行動改善を実現できるという仮定である。 4.グループ体験が深まると、休憩や、食事や、散歩など、他の時間にも援助し合うよう

になるが、グループ内での成長と発展のためにはマイナスに作用する恐れがある。 問 40 職業理解やその支援に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.日常での生活体験、テレビや新聞報道などによって職業理解は促進され、より体系的

で幅広い職業理解が形成される。 2.職業人による講話や彼らへのインタビューでは、詳細で現実的な職業情報が得られる

だけでなく、聴き手に職業への関心や意欲を啓発することができる。 3.インターンシップでは、職業を実際に体験できるため、五感を通じて多面的かつ集中

的に職業を理解できるが、体験できる職業は限られる。 4.今日では、種々の印刷物や DVD、さらにインターネットなどにより多くの職業情報を

収集できるが、職業選択に際しては、それらを自らの目標や関心などから取捨選択し、

吟味することが重要である。 問 41 職業情報の提供や活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

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1.職業情報では、平均的な職務の内容や労働条件が記載されているが、地域や事業所の

規模により差異がある場合には、それらを含めて提供することが重要である。 2.職業情報では、通常、職務とそれに必要とされる知識・技能や資格が記載されている

が、これらの情報は進路や職業選択における学科や訓練コースの選択に役立つ。 3.職業情報では、通常、その職業に関する適性や興味特性が記載されているが、これら

の情報は心理テストの結果と照らして職業選択に役立てることができる。 4.ほとんどの職業情報は、キャリア・コンサルタントなどの専門家の指導やインストラ

クションが行われることを前提に提供されている。 問 42 システマティック・アプローチのプロセスにおいて、「目標の設定」が終わって「方

策の実行」に入る前に、キャリア・コンサルタントが自問自答し、確認すべきことに関

する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.クライエントが持っている欲求を、1 つ 1 つのターゲットとして表現することを支援し

たか。 2.自分が、目の前のクライエントを援助するキャリア・コンサルタントとして最適では

ないと判断した場合、他のより適当な機関や個人にリファーしたか。 3.ターゲットの達成のために、自分はクライエントと一緒に努力したい意思をはっきり

と伝えたか。 4.具体的な行動計画を入念に検討したか。クライエントがするべきことや責任は決めら

れているか。 問 43 キャリア・コンサルタントの環境への働きかけの認識と実践に関する次の記述のう

ち、最も適切なものはどれか。

1.キャリア・コンサルタントには守秘義務があるが、企業内の問題は周囲の協力が不可

欠であるため、必要があれば自己の責任において、クライエントの上司、人事部、産業

医などと相談することができる。 2.キャリア・コンサルタントは、クライエントに対する支援だけでは解決できない問題

に対して、クライエントの同意を得て周囲に働きかけを行い、たとえばクライエントの

異動などにも関与することがある。 3.精神疾患の可能性があるクライエントに対しては、プライバシーの問題があるため、

安易に他へリファーせず、クライエントの状態をよく見極め、精神疾患であることが確

認できた後に専門医にリファーする。 4.キャリア開発は生き甲斐、働き甲斐の問題であるので、クライエントの意思を最大限

尊重することが最も重要である。そのため、企業内のキャリア・コンサルタントは、ク

ライエントの代弁者として会社と折衝を行う立場にある。

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問 44 キャリア・コンサルタントの環境への働きかけの認識と実践に関する次の記述のう

ち、最も不適切なものはどれか。

1.キャリア・コンサルティングでは、クライエントを取り巻く周囲の人々を大切なサポ

ート資源として捉えることができる。 2.大学でのキャリア教育を推進する上で、キャリア・コンサルタントに期待される役割

の一つは、大学の教育方針、教育ニーズに沿った社会の教育資源の活用にある。 3.組織内のキャリア・コンサルティングでは、課題解決が急がれるため、キャリア・コ

ンサルタントの経験に応じて、心理的介入を積極的に行うことが望ましい。 4.キャリア開発を組織で展開する上では、経営者の経営方針やキャリア開発に対する人

事理念を明確に出来るように組織へ働きかけて行くことは、重要な活動である。 問 45 キャリア・コンサルタントのネットワークの認識と実践に関する次の記述のうち、

最も不適切なものはどれか。

1.組織の中での適正配置の不備や組織のモチベーション低下が認められる時は、キャリ

ア・コンサルタントは、経営管理部門や人事部門などのリソースと連携を取ることが有

益である。 2.再就職支援では、個人の能力開発、労働市場や職業情報など、関連分野が多岐にわた

るので、関係する専門家と信頼できるネットワークの形成が重要となる。 3.キャリア・コンサルタントの行う支援活動の一つにインターンシップなどがあるが、

それは、地域企業や学校とのネットワークの形成支援を行う活動である。 4.発達障がい者の就労支援では、公平性を期すことが大切なので、キャリア・コンサル

タントは、標準的な支援方法を関連する組織と相談して進めることが望ましい。 問 46 キャリア形成、キャリア・コンサルティングに関する教育、普及活動について述べ

た次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.キャリア・コンサルティングの導入によって、自己理解や職場内のコミュニケーショ

ンが促進され、従業員がより自立的に働けるようになることは、生産性の向上や社員の

定着率の向上のためにも重要である。 2.キャリア・コンサルティングが必要になるのは、メンタルヘルスの問題を抱える従業

員のみであるため、一般の従業員がキャリア・コンサルティングの対象になることはな

い。 3.自分史の作成と自己の振り返りなどの自己理解を深める活動は、従業員に自分の将来

を考えさせることによって転職などが増える可能性があるため、望ましくない。 4.キャリア・コンサルティングは、人事課の社員が計画し一般の社員が取り組むもので

あるため、その内容や進め方については、管理職の理解を得る必要はない。

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問 47 キャリア形成、キャリア・コンサルティングに関する教育、普及活動について述べ

た次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.日本のキャリア・コンサルティングの歴史はまだ浅いため、キャリア・コンサルタン

トが多数活躍してきた米国を理想として、キャリア教育の環境を整備していく必要があ

る。 2.社内のキャリア形成の浸透と普及にあたっては、自律型キャリアの個人に焦点を当て

るべきで、従来の人事労務管理の視点は必要ではない。 3.自律型キャリア形成の支援には、適性、能力、興味、パーソナリティなど、個人の評

価に関する知識とともに、産業・組織心理学の知識などが必要である。 4.障がい者、母子家庭の母、生活保護受給者など、就職が困難とされる人々への就労支

援は、キャリア・コンサルタントの支援領域ではなく、行政や福祉の領域の問題である。 問 48 スーパービジョンに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.スーパービジョンでは、キャリア・コンサルタントという専門職の態度・人間理解と

関わりの技能などの習得を、実践に即して訓練される。 2.スーパービジョンの目的は、①コンサルティング・スキルの向上、②ケースの理論化・

概念化、③専門職としての役割取得、④スーパーバイザーの自己理解と自己受容である。 3.スーパービジョンの方法は、1 対 1 で一定期間、継続的に行われる個人スーパービジョ

ンが基本であるが、実施上の必要に応じて、グループスーパービジョンもある。 4. スーパービジョンは一度経験すれば良いというものではなく、キャリア・コンサルタ

ントとしての資質を一層向上させる観点から、継続して受ける必要がある。 問 49 キャリア・コンサルタントの自己研鑽に関する次の記述のうち、最も適切なものは

どれか。

1.キャリア・コンサルタントは、常日頃の生活の中で、相手に対する純粋な関心と人間

の尊厳に対する畏敬の念を培わなければならない。 2.時間には限りがあるので、キャリア・コンサルタントは、自分の専門領域だけ学習し

ていれば十分である。 3. キャリア・コンサルタントは、一定の力量があると認められた資格者なので、あとは

自分の思うとおりに実践経験を積んでいけばよい。 4.キャリア・コンサルタントは、人間としての姿勢が重要なのであり、指導者のスーパ

ービジョンは受けても受けなくてもよい。

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問 50 キャリア形成支援者としての姿勢に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれ

か。

1.キャリア・コンサルタントは、個人のキャリア形成支援のみを業とする者である。 2.キャリア・コンサルタントが企業と契約している場合は、常にその企業を優先するこ

とを貫かなければならない。 3.キャリア・コンサルタントは、キャリア形成支援の専門家であるから、メンタルヘル

ス不調のことは知らなくてもよい。 4.キャリア・コンサルタントは、キャリア形成支援の専門家であるから、先ず自分自身

のキャリア形成に取り組んでいなければならない。

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