20-2-010

30
問題1 ’微分積分・線形代数設問すべてについて解答すること。 1 3次主方行列 孟『!一) に関する以下の(1)~(3)の問いに答えよ。 (1)行列Aの固有値と固有ベクトルを求めよ。 (2)3次正方行列 晶晶 に対してP-1、4Pを計算せよ。 ’(3)牢の整黎πについてAπを求めよ。 逆三角関数に関する次のく1),(2)の問いに答えよ。 ①原点以外で定義された関数 〃一…『1圭+・・玲一1弱≒ の導関数を調べ、この関数のグラフを描け。 (2)図の2つの直角三角形△OAB,△OAdについて、各 辺の長さは AB=20A, AC=30A をみたしている。 三角形△OAqを点0中心に回転さぜてできる三角形 △OA’C’の辺OA’ば辺OB上にあるものとする。 このとき角∠AOC’の値を調べよ。 1 c B A

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問題1 ’微分積分・線形代数設問すべてについて解答すること。

1 3次主方行列

     孟『!一)

に関する以下の(1)~(3)の問いに答えよ。

 (1)行列Aの固有値と固有ベクトルを求めよ。

 (2)3次正方行列

     晶晶

に対してP-1、4Pを計算せよ。

’(3)牢の整黎πについてAπを求めよ。

皿 逆三角関数に関する次のく1),(2)の問いに答えよ。

 ①原点以外で定義された関数

   〃一…『1圭+・・玲一1弱≒

  の導関数を調べ、この関数のグラフを描け。

 (2)図の2つの直角三角形△OAB,△OAdについて、各

 辺の長さは

   AB=20A, AC=30A をみたしている。  ・

  三角形△OAqを点0中心に回転さぜてできる三角形

 △OA’C’の辺OA’ば辺OB上にあるものとする。

  このとき角∠AOC’の値を調べよ。

1

c

B

A

2

問題2 電磁気学 設問すべてについて解答すること。

以下の問題文中の物理量の単位はすべてSI単位系である。

1 次の(1)~(5)の問いに答えよ。真空中の誘電率は衡であワ、無限遠方の電位を三三とする。

(1)半径菰の球形導体Aが真空中に置かれている。こあ導体にρの電荷を与えた。このときの導体A

 の電位を求めよ。

(2)導体Aの電気容量を求めよ。

(3)次に、図1のように半径魂の球形導体Bを導体Aから十分長い距離五だけ離しておき」両者を

 導線でつないだ。ここで五は母、尾より十分大きく、各導体において電荷は導体表面に均一に分

布すると考えてよい。また導線に蓄えられる電荷は無視してよい。このときの導体A上にある電

荷を砿導体B上にある電荷を硫とする。二つの導体が等電位にあることから砿/硫を求めよ。

(4)(3)の状態での導体(導線でつながれた二つの球形導体)の電位と電気容量を求めよ。

(5)(3)の状態での、導体A表面における電場(電界)の強さを塚、導体B「表面における電場の強さを

尾とする。両者の黙黙/尾を亀、魂を使って表せ。

導線 導体B

導体A

図1

3

II 下の図2に示すように、2本の導体棒を平行に間隔びで水平に置き、その片端を抵抗丑に

接続した。この上へ、導体棒と垂直な向きとなるように、滑らかに転がる質量加の別な導体

棒(可動導体棒)をのせた。平行な2本の導体棒と可動導体棒は、電気的に抵抗ゼロで接

触しているものとする。鉛直上向きに磁束密度Bの一様な磁場が存在している。平行導体棒

の抵抗丑の側を上昇させ、水平から角度θだけ傾けたところ、重力(重力加速度g)によ

り可動導体棒が転がり始めた。以下の問いに答えよ。ただし、可動導体棒は、時刻0のとき

に抵抗丑から距離五の位置にあり、時刻6のときに速さだ斜め下に転がっているとする。

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

時刻孝のとき、鎖交する磁束の大きさφを求めよ。

時刻6のとき、平行導体棒の間に発生する起電力の大きさひを求めよ。

時刻≠のとき、抵抗丑に流れる電流1を求めよ。

時刻6のとき、可動導体棒が磁場から受ける力の大きさ刃を求めよ。

この力刃が重力と釣り合うと、可動導体棒の速さが一定になる。そのときの速さを

求めよ。

図2

4

問題3 数理科学 設問すべてについて解答すること。

1 藪のの常微分方程式

        〃”’(の+P(勾9”(勾+q(三彩’(勾+γ(勾〃(勾=0

の3つの解をψ1(ω),吻(ω)伊3@)とする。

                ψ1(勾ψ2(勾ψ3(の

           w(勾一回(・)ψ皇(⑳望急(の

                (ρ望(のψ餐(勾、曽9(忽)

とおくときW@)は次を満たすととを示せ。

             W’(置)十P(ω)W(勾=0

II 常微分方程式 雪’(勾二.〃(ω)2,〃(0)=c(c≠0) の解を

                      〃(勾一Σ・勉♂

            π=0

の形とする。 このとき,次の問いに答えよ。‘

(1)(η十1)cη+1まcoc鴨+c1姦_1千…+cηco(η≧0)を示せ。

(2)藪¢)=c(1-cりr)一1G副くlcr1)を示せ。r

III 空間の領域をγ={@〃, Z);¢2十g2千Z2≦ユ}とし、ベクトル場を

         α(餌,~ノ,β)=(∬!ノ,一2コケβ,2/2z)      、      、

とするとき,次の問いに答えよ。

(i)yの境界θ上の点(¢,g,z)における、外向き単位法ベクトルη伽,㌢,z)を求めよ。

(・)・重積分伽▽・・)(一)d聯を求めよ・

(3)yの境界を3として、次のGaussの発散定理を示せ。

       伽▽・α)(騨融一三(・・切(卿θ

5

6

問題4 A[無機化学],B[無機材料]                           ,

AまたはBの設問のどちらかを選択して解答し,解答用紙の選択記号欄に,選択したAまたはBの記毎

を記入すること。

A[無機化学]設問すべてについて解答すること。

1 次の(1)、(2)の問いについて答えよ。一

 (1)Cu2÷のアンミン錯体の生成反応における逐次生成定数を表に示す6 Kざ値がさわめて小さい理由を

  説明せよ。

logKl    logK2   .10gK3    10gK4    10gK5

4.24    3.59    2.97    2.20    -0.57

(2)同じ濃度の[Mn(H20)6](ClO4)2とKMnO4の溶液をそれぞれ調製した。前者は非常に淡い色を呈した

 のに対し、後者は非常に濃い色であった。この違いを説明せよ。ただしMnの基底状態は[Ar]3d54s2

 である。                                  、   ’

H 白金(II)錯体は一般的に平面型構造を有しており1、トランス効果が働くことがよく知られてい

  る。これに関して以下の(1)一(3)の問いに答えよ。ただしトランス効果の大きさはNOガ>CDNH3

  >H20であるとする。

 (1)抗ガン剤であるシスプラチンは。ゴ町[PtC12(NH3)2]で表される。シスプラチンをテトラクロロ

   白金(ID・酸カリウムからトランス効果を利用して合成する行程を下記の例にならって記せ。

(2) [PtCl(NO2)(NH3)(H20)]錯体には異性体が存在する。その構造を例の構造表記にならって全て』

  記せ。

(3) トランス効果を利用して(2)の異性体をそれぞれ作り分けたい。(1)にならってその行程

  を記せ。ただし出発錯体はテトラクロロ白金(II)酸カリウムもしくはテトラアンミン白金(II)

  塩化物とする。

7

B[無機材料]設問すべてについて解答すること。

 固体酸化物形燃料電池では、安定化ジルコニアなどの酸化物イオン伝導性固体電解質を用い、アノ

ード側に水素、カソード側に空気を送り込んで、800~1000QCで作動させる。

(1)固体酸化物形燃料電池の起電力発生原理を模;式的に図示して説明せよ。

(2)固体酸化物形燃料電池のアノード側とカソード側で生じる反応を、電子e一を含む反応式で示せ。

(3)電池の起電力Eは、E=一∠GO/ηF (ηは反応電子数)で表される。一∠GO(全電池反応のギブズ標

準自由エネルギー変化)=一228.6kJ/1no1、 F(ファラデー定数)=9.65×104 C/molとするとき、 Eを求

めよ。1         1

(4)閉鎖系中で水の生成反応が起こるとき、水素、酸素、水蒸気のそれぞれの分圧問には化学平衡が

成り立つ。水素分圧ρ(H2)、酸素分圧p(02)、水蒸気分圧p(H20)を用いて、反応物質と生成物質

の圧力を決める平衡定数、属{を表せ。                    ’

(5)安定化ジルコニアと非安定化ジル血ニアの違いを、添加物および結晶系とを関連づけて説明せよ。

(6)安定化ジルコニアが酸化物イオン伝導を示す理由を説明せよ。

(7)部分安定化ジルコニアが高強度・高靱性を示す理由について説明せよ。

(8)部分安定化ジルコニアを低温(たとえば200℃程度)の水のある雰囲気中で保持すると、クラッ

クが生じたり、強度低下が起こることがある。この原因について説明せよ。

8

    〕:)

・)・

,)〕シ・

・)◎

・)◎人

・)〔ヅ

・)C

問題5 A[有機化学],B[高分子合成]

空路1当て1まるイ頃 式を書1・以下の三脚から9旧せよ・

    CH20H』

3)H。 @ 」蟹               l  HO          . pyridin6

                  0

        L旧H3CN

      MeO H, re’1、x

       1)NH2NH2

       2)NaO臼, EtOH

        190℃.

NH2

  CH3  1)NaNO21HCl

      2)C・・C[3

  0

    CH3手HCHO・Me2NH1白Cl

  o

    ・」諜□        .190。C

臼.

   []「

匹]』

9

B[高分子合成1設問すべてについて解答すること二

1 逐次重合に関する以下の問いに答えよp

 (1)括弧内に当てはまる構造式を書き,反応式を完成させよ。構造は,繰り返し単位となる箇所の

み示せば良い。          1

     0       0

室温

・幡・0       0

A

・場・一q:〉・{淋

   ~加熱脱水

B

一(「ノー・HS倉SH光照射

C

D

(2)ジアミンとジカルボン酸クロリドから低温溶液重縮合によってポリアミドを合成する場合,塩

化リチウムなどの無機塩を添加すると,生成ポリマーの分子量が増加することがある.この理由に

ついて考察せよ。

H 連鎖重合に関する以下の問いに答えよd・

 (1)メタクリル酸2一ヒドロキシエチルは,ラジカル重合を行うとポリマーが得られるめに対し,ア

ニオン重合を行ってもポリマーが得られない。開始剤として臭化エチルマグネシウムを用いた場合

 を例として,この理由を説明せよ。

 (2)スチレンのカチオン重合では,生長末端カチオンがフリーデルクラフッ反応を起こして連鎖移

動反応が起こることがある。得られるポリマーの末端構造式を示せ。

 (3)α一アミノ酸の準カルボン酸無水物(NCA)の開環重合でホモポリペプチドを合成することがで

                                        CH3きる。右に示すアラニンから合成されるNCAの構造式を示せ。また,たへキシル                                        人アミンを開始剤とした重合によって得られる高分子の構造式を示せ。連鎖移動反 HO2C                                          NH2

応は起こらないものとして考え,ポリマーの両末端の構造も分かるように書け。

10

問題6 A[高分子材料],B[生体高分子], C[生化学]

A,BまたはCの設問のいずれかを選択して解答p,解答用紙の選択記号欄に,選択したA, Bまた

はCの記号を記入すること。

A[高分子材料]設問すべてについて解答すること。

1 次の高分子の各組み合わせにおいて,分子構造から高分子の性質の違い説明せよ。

   (a)ポリ(1,4一ブタジエン)のシス体とトランス体

   (b)枝分かれ構造の少ないポリエチレンと枝分かれ構造の多いポリエチレン

   (c)’ポリアクリル酸とポリプロピレン

H 次の高分子を具体的に例を挙げて説明せよ。

   (a)耐熱性高分子

   (b)両親媒性高分子

   (c)キラル高分子    1

   (d)加水分解反応により主鎖の切断を起こす高分子

   (e)トリブロック共重合体

   (f)網目構造を有する高分子’

11

B[生体高分子]設問すべてについて解答すること。

1次の文が正しければ○,誤っているときは誤りの部分を指摘、し正しい文にせよ。

(1)核酸は糖と塩基からなるヌクレオチドがホスポジエステル結合で結ばれている。

(2)DNAは左巻きの二本鎖を形成し,この間にはたらくAとT, GとC、の間の水素結合で安定化する。

(3)AとTの多いDNA配列はdとCの多いDNA配列に比べ熱安定性が低い。

(4)制限酵素とはプラスミドと呼ばれるbNA鎖を切断する酵素である。

(5)リボソームはRNAとタンパク質からなるリボヌクレオプロテインである。

II次の問いについて答えよ。             1

(1)タンパク質の二次構造を3種類挙げ,それらを使って三次構造とは何戸・を40字以内で説明せよ。

(2)タンパク質の高次構造形成に重要な相互作用(結合)を3っ挙げよ。

皿 細胞膜に関する次の記述のかっこ内に適切な語句を入れ,下線部についての問いに答えよ。

細胞膜は(ア),(イ),(ウ)から形成され,(エ)膜構造をとる分子集合体である。膜を介する物質輸送には,

濃度勾配に沿った(オ)輸送,濃度勾配に逆らっての(カ)輸送がある。また,膜の融合と解裂をともなう細胞

の外から内へ,内から外への物質輸送があり,それぞれ(キ)および(ク)という。このように、細胞膜は 三

惑により生命活動を維持している。

下線部の動的機構において,膜の流動性に関係する分子拡散を何というか。また,その流動性に影響する(ア)

分子の構造因子を1つ挙げよ。                                   ’.

IV繊維に関する次の問いに答えよ。

(1)三大天然繊維の一般名称とその主成分の物質名を記せ。

(2)三大天然繊維iに対応する三大合成繊維の名称と構造式を記せ。

(3)繊維になりえる高分子の熱的性質を40字以内で記せ。

12

、C[生化学]設問すべてについて解答すること。

1獺(1)と脂質(・)に関する以下の蝉中の(ア)一(ソ)に当てはまる最も幽嬉鄭訟

 (1) ヒトの生体内で生理的に最も重要な役割を担っているのはグルコースであるが、グルコースに

は異性体が存在する。α一D一グルコースとβつ一グルコースの関係を(ア )と呼ぶ。

 ヘミアセタールである糖と糖のヒドロキシ基の脱水縮合により(イ )結合が形成される。二糖

類でGlu(α1→4)Gluで示される化合物は(ウ )である。

 でんぷんの主成分は、多糖である(エ )と(オ )で下り、(オ )は(α1→6)結合を

含む。動物細胞に存在する(オ )と類似の貯蔵多糖は(カ )である。

 グルコースの(β1→4)結合で形成される多糖は(キ )であるが,ほとんどの動物はそれを

分解する酵素を持っていないこ、とが知られている。

 (2) 脂肪酸は、生体内に多量に存在するが、炭素数18個からなるものが多い。C18あ飽和脂肪

酸は(ク )であり、C18-1で示されるオリーブオイルに豊富に含まれる不飽和脂肪酸は(ケ )

                  ノである。C18-2で示される大豆油や紅花油に豊富に含まれる脂肪酸は(コ )である。 n-3系不

飽和脂肪酸でC18-3で示されるのは(サー)である。エイコサノイドの前駆体である脂肪酸は

 (シ )である。

 3分子の脂肪酸と1分野のグリセロールが結合して形成される脂質は(ス )と呼ばれる。一方、

生体膜を構成する主な脂質は(セ )である。(セ )の代表として(ソ )があげられる。

II以下の文章を読み,(1)~(3)の問いに答えよ。

 酵素のリン酸化による酵素活性調節は,細胞内の代謝調節に重要な役割を果たしている。ヒトにお

いて,酵素中のリン酸化されるアミノ酸残基は_一L_)_である。このリン酸化を触媒する酵素は(エ )であり,サン酸基の供給源は.(オ )である。”

 (1) 下線部(ア~ウ)の3つめアミノ酸を1文字記号で示せ

 (2) (エ)の酵素名を英語で記せ。

 (3), (オ)の名称を記せ。

III DNA代謝に関する以下の文章の(ア)~(ケ)に当てはまる最も適切な言葉を記せ。

 DNA複製で鋳型DNA鎖が読まれる方向は(ア )である。このDNA合成では、まず短鎖のRNAで

ある(イ )が合成され、それに引き続きDNA鎖が合成される。        .

 2重鎖DNAの複製では、まず2重鎖が(ウ )に1より分離され1本鎖DNAとなる。このそれぞれ

の1本鎖DNAで連続的に読忌れるDNA鎖を(エ )と呼び、もう、1方の不連続に読まれるDNA鎖を

(オ )と呼ぶ。(オ )におけるDNA合成ではDNA断片がいくつも合成されるが、その断片は

(カ )と呼ばれる。

 大腸菌のDNAポリメラーゼでは1-IIIが知られているが、これらの全ての酵素はプルーフリーディ

ングのための(キ ).活性を持っている。一方、DNAポリメラーゼ1のみは(ク )活性を持つ

13

ており、DNA合成の前方に存在するDNAやRNA塗除去することができる。DNAポリメラーゼ1が作用し

て・できるDNA鎖の砂クをつなぎ合わせる酵素が.(ケ).である.・

IV 真核生物のmRNA合成過程における主要なRNAプロセシングを3っ述べよ。

14

問題7 A[基礎物理化学],B[材料物理化学], C[高分子物理化学]

A,BまたはCの設問のいずれかを選択して解答し,。解答用紙の選択記号欄に,選択したA, Bまた

はCの記号を記入すること。

A[基礎物理化学] 設問すべてについて解答すること。

I Franck-Condonの原理について100字程度で説明せよ。

1 分子式がX2Yで表される三原子分子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、波数670 cm-1お

よび2350cガの2つの吸収ピークが観測された。

(1)これら以外に吸収ピークは存在しないとして、この分子構造の概略を推定し、その理由を説明せ

  よ。

(2)2つの吸収ピークに対応する分子の振動様式を図示して、その理由を説明せよ。

㈲ (1>で推定した分子構造を調べるのに適当な実験法を挙げて、その理由を説明せよ。

15

B[材料物理化学]                         い

設問1の文中の括弧[1]~[10]に語句を入れるとともに、設問HからVIについて解答せよ。

(解答用紙に該当する番号・記号(H,3,Cなど)とそれに対応する答を順番に記載せよ)。

1

皿 ボイル・シャルルの式に比べファン・デル・ワールスの式の優れている点を、

  定数αとわの意味を含め簡潔に説明せよ(100文字程度)。

】V クラウジウス・クラへ。イロンの関係を用い、RとCが共存するときに

  生じる現象を、変数五と△7の意味を含め簡潔に説明せよ

  (100文字程度)。

V 現象[8]について,Aの初期形状が半径Rの球と仮定し,

  ギプスの自由エネルキ㌧を表す式を記述せよ。但し,B相とA相

  の[刀の差を△μとする)。

VI設問Vで求めた式に基づき,[9]が促進されるための条件を

  述べよく式と併せて,100文字程度)。

1 原子や分子で構成される系は,密度が極端に低いとき,構成要素の間の相互作用が無視できるか

僅かであり,気体となる。温度7,圧力Pの下での実在気体にういては,次のファン・デル・ワールスの式=

(ρ+IV2α/72)(7-1肪)=1晩7が成り立つにこで,2>は体積7内の原子や分子の数,αとみは

原子や分子の種類による定数,んはボルツマン定数)。密度が増して構成要素間の相互作用が強くなり

互いに結合し,液体や固体となる。構成成分が一様な系の一回分を相と呼び,温度7,圧力Pの

下で安定な領域を示した相図は,一般的に下図のようになる。図の曲線で囲まれた各領域において,

気体、液体、固体が存在し,曲線の交点は[1],曲線の端点は[2]と呼ばれている。7やPの変化に

ともない曲線を交叉する現象を[3]と呼び,AからBでは[4], AからCでは[5], BからCでは[6]

が起こる。曲線上の一定の7,Pの下では,2.つの相が共存し,両者の[7](μ)が等しくなる。

 下図において,BとCが共存するとき、クラウジウス・クラペ如ンの関係:φ/4:τ’二五/Zへ7が成立する

 (ここで,五,△7は変化量)。また,BからAあるいはCからBが生じ始める現象は[8]と呼ば

れている。両相の間に界面が発生するので,界面エネルギー7(単位表面積当たり)を考慮したギ

プスの自由エネルキ㌧に基づき議論される。BからAへの過程は[9]と呼ばれ,材料工学において重要な

位置を占めてきた。近年では,急速に冷却してRの状態を凍結した[10]や、CからAへの過程によ

り作製した薄膜や微粒子などの材料も重要になっている。

 図のA、B、 Cの各領域は、気体、液体、固体の何れに相当するか。

P

0

AB

[2コ→レ

㍗一[1]

   C

16

C[高分芋物理化学]設問すべてについて解答すること。1

1 下記文中の[A ]~[F]に当てはまる語句を記せ。

  高分子水溶液と純水を半透膜(水分子のみが透過可能な膜)を介して接触させると、高分子水溶

  液相と純水相とを移動可能な水分子は、その二相での[A ]が等しくなるように、[B ]

  相から、[C ]相に移動し、二相の圧力差がHと成6た状態で平衡に達する。この圧力差nを

  [D ]と呼ぶ。このとき純水相中及び高分子水溶液相中での水分子の[A ]はそれぞれ

  (1)、(2)となり、高分子水溶液相中の水分子の活量,α1,は(3)式で表される。

   ∫41(7,po) (1)、 μ1(7,po+H)一部1(τ,po+n)+R71n朔 (2)

          一R71n・,=μρ’(7,po+n)一μρ1(7,po)  (3)

  ここで、Rとrはそれぞれ気体定数と絶対温度である。温度を一定とした場合、(3)式の右辺

                                         むユ  は、4μρ1(77,P)を圧力poからpo+Hまで積分したものとなり、水分子の部分モル体積を角と

  し、これが庄力に依存しないと仮定すると、下記より、(4)式が得られる。

      μ21(7,po+H)一μρ1(筑P・)一1∫炉n曜1(乳P)=∫詩Hア掘一ア11 H

                   1~7                rl=一=石τlnαi    (4)

                   71

  ここで、高分子水溶液が理想溶液で、かつ、希薄溶液の場合、高分子水溶液中の高分子のモル分

  率をκ2、水分子のモル分率をκ1、高分子のモル数をη2、水分子のモル数をη1とすると、

  一ln・1劉・・1一一1・(1一・、)≡[E]≡竺が成り立ち、(4)式は、(5)式で表せる。

                     ηf

                Hギ・・ (5)

                        ここで・7は高分子水野の簾で・7=7叫である・こ9ような一趨の麟中の瀬粒

 子数によって決まる溶液の性質は[F コ性質と呼ばれる。

H 上記設問1で、高分子に分子量分布がある場合を考える6分子量ルf1から、Mグの高分子がそれぞ

  れ単位体積あたり6~(∫=1~ノ)[gl含まれる高分子溶液では、(5)式は、(6)式で示される。

      H=〔舞+…計7一鞍喘R7 (・)

ここで、Mは高分子の平均分子量:、 o.は単位体積当りに含まれる全高分子の重量である。また、

単位体積中に含まれるゴ成分の高分子数を呪とし、アボガドロ数を2ぬとおくと、0∫は(7)式

で表される。

17

(1)

(2)

(3)

1¢一O嘱三一享制.(・)

(6)式及び、(7)式より、高分子水溶液のnの測定より得られる平均分子量冴を表

す式を導け。

上記平均分子量πは、[X ]平均分子量と呼ばれる。[X ]に当てはまる譜句を

答えよ。

高分子の平均分子量は、測牢法により異なる平均分子量が得られる。光散乱法より得ら

れる平均分子量蔽= ?で表さ副Yコ平均分子量と呼齢

[Y ]に当てはまる語句を答えよ。

18

問題8 A[物質解析],B[無機構造解析], C[結晶物性]

A,BまたはCの設問のいずれかを選択して解答し,解答用紙の選択記号欄に,選択したA, Bまた

はCの記号を記入すること。

A[物質解析]

以下に示す10種類の機器分析法の中から3つを選び,測定法の根拠となる原理・用いる装置の概念

図・この方法によって入手できる情報や特長・使用例などについて,それぞれ解説せよ。必要に応じ

て図を使用してよい。

原子吸光秀析法(AAS)

誘導結合プラズマ発光分析法(ICPrAES)

紫外可視吸収分析法(UVVIS),吸光光度法

蛍光分析法

核磁気共鳴吸収法(NMR)

質量分析法(MS)

イオン選択電極法(ISE)

蛍光X線分析法(XR:F)

クロマトグラフィー(LC,GCなど)

電気泳動法(CEなど) 〔

・19

B[無機構造解析]

 [1コ~[5]に入れるべき適当な語,数字または式を解答せよ。

 下図はMgO-CoO系状態図である。 MgO, CoOの結晶はいずれもNaC1構造である。また,イ

オン半径もMg2+は0.66A, Co2+は0.72Aとあまりかわらない。従って,全組成範囲にわたっ

℃[1]が生成していることがわかる。このような[1]の特徴は[2]が連続的に変化するこ

とである。組成60%の[2]はおおよそ[3]℃である。またこの[1コのX線回折ピークは,

MgOの三面からの回折ピークに比較して[4コ:角度側へずれる。これは,小さいMg2+が大きい

Co2+に置き換わり格子間隔ゴが広がる為である。このことはBraggの回折条件式(nλ=[5])

から容易に理解できる。ただし,nは反射次数,λはX線波長である。また,ゴの変化は[6]

則に従い[1]の組成(モル濃度)に比例することが知られている。

2800,

  2600

 Qし2400

遡2200唄

2000

1800

液相

    韓燈

ぐN)ぐ

111

 O

CoO20   40   60   809

組成(重量%)

図MgO-CoO系状態図

100

MgO

20

C[結晶物性] 次の文章を読み,(1)~(7)の問いに答えよ。

 1成分系の溶融金属を冷却していくと,原子は融点!塩)付近で固体特有の原子配列に近い小集

団を形成する。この原子小集団を半径7の球形とみなし,結晶構造は固相のそれと同一であると考え

る.単位体積の溶融金属が結晶化したときのエネルギー変化量(化学的駆動力)を∠G (>0),単                                      V                ノ位面積当たりの固相/液相界面エネルギーをσ(>0)とすると,温度7<集において半径7の原

子小集団が形成したことによる系の自由斗ネル早目変化量∠G(r)は{④}である。アが臨界半径る

よりも小さな原子小集団は【⑦】とよばれ,偶然形成されても自然に消滅してしまう。たまたま

F>るの原子小集団が生成すると,これらは安定であり,さらに成長を続ける。この原子小集団は,

ア=㌃のとき【⑦】,7>るのときは【㊥】とよばれている1通常,σの温度依存性は無視できる

が,∠G.は過冷却の度合い∠T=塩一77に比例して増加する。

 過冷却状態からの結晶化過程を,【㊥】の発生頻度力(7)とその成長速度♂(7)に分けて考えよう。

原子が一個ずつ結晶相に取り込まれる描像のもとで,潜熱の排除過程を無視し,温度に依存する項の

みに注目することにする。カ(7)は単位時間当たりに生成する【㊥】の数であり,次式で表される。

  カ(7)=1(、×exp(一∠G*焼B7)×{③}(式1)

一方,3(T)は界面の三嘆長速度であり,∠G.が小

さいときは次式で近似できる。

  3(7)《1(、1んB7¶)×{⑧}×∠G.   (式2)

     ホここで,∠G=∠G(る),K、とK、は係数柘はボ

ルツマン定数である。カ(7)と♂(7)の曲線を描くと,

例えば右図のようになる。

大↑

璽吃

陰ミ

みの

&の

0  7a温度7

Zb rm

.(1)【⑦】,【④】,および【㊥】に当てはまる適切な語句を記せ。

(2)、{④}に当てはまる式を記し,∠G(7)のグラフを図示せよ。

(3)∠¢=L4のとき,るならびに∠びを訂を含む式で鉱但し五は融解の潜熱である.

      る         ・       .

(4)(式1)と(式2)の{⑬}には同じ式を当てはめることができる。{③}に該当する適切な式を

 記すとともに,何を意味するのか説明せよ。必要な定数は各自で定義して用いよ。

(5)図において冗および嬬まで過冷してから結晶化をおこなった場合,どのよう.な組織が得られ

 ると予想されるか。鳳および嬬のそれぞれについて説明せよ。

(6)1温度7(<殊)に急冷して保持すると,結晶化は時間’の経過とともに進行し,その速度はカ(7)

 と駁7)の両方に依存する。結晶化の開始時間と終了時間の概降脅恒温(等温)変態図(時間一

 温度一変態図,TTT線図)に示せ。

(7)十分に大きな冷却速度で急冷すると,結晶化が抑制され,過冷却液体のランダムな原子配列の

 まま固体になる。結晶化が抑制できる最小の冷却速度(臨界冷却速度)を(6)で示したTTT線図

 を用いて説明せよ。

21

22

問題9 A[高分子物性],B[無機i材料物性], C[材料物理]

A,BまたはCの設問のいずれかを選択して解答し,解答用紙の選択記号欄に,選択したA, Bまた

はCの記号を記入すること。

A[高分子物性]設問すべてについて解答すること。

1 弾性率Eのバネと,粘性係数ηのダッシュポットとを並列につな吟だ,

右図に示すようなフォークト模;型について,次の(1)~(3)の問いに答えよ。

 (1) 時間芦0以降,一定の応力σb.を与え続ける,クリープ測定を行っ  E

  た。この時の歪みの時間依存性7⑦を表す式を導け。

 (2) (1>の結果から,∫と7⑦の関係を模;式的に図示せよ。また,粘性係

  数η=0の場合と比較レダッシュポットの存在がクリープ測定の結果

  に与える影響について説明せよ。

 (3)∫=・。におけるクリープコンプライアンスを記せ。

η’

II右の図は,よく絡み合った単分散直鎖状ポリスチレンの,

160℃におけるせん断貯蔵剛性率G’の合成曲線の模式図で

ある。こめ図について,次の(1)~(3)の問いに答えよ。

 (1)領域Bにおけるプラトー剛性率儀から,ゴム弾性

  理論を用いて,絡み合い点間分子量M,を求めることが

  できる。(恥=2.77×105Paであった場合のM.を,有効数

  字3桁で求めよ。ただし,160℃におけるポリスチレン

  の密度を1.oqgcm-3とし,必要であれば気体定数R=18.31

  Jmorl K1を用いよ。

 (2)

 (3)

9窒 A C

lo9(αTω1sec1)

領域A,B, Cの各領域における,高分子鎖の運動性の特徴を,それぞれ記せ。

領域Aの,最も低周波数域におけるG’の直線部分について,予想される傾きの値を記せ。

皿次の文章を読み,(1)~(4)の問いに答えよ。

 高分子Aと高分子Bを,一定圧力あ下で,溶融状態から徐々に冷却して固化させたところ,Aは結

晶化せず,ガラス転移温度(恥)でガラス化した。一方Bは結晶化温度(既)で結晶化した。

 (1)高分子Aの自由エネルギーならびに体積は,ろ近傍でどのように変化するか,それぞれ記せ。

 (2)高分子8の自由エネルギーならびに体積は,現近傍でどのように変化するか,それぞれ記せ。

 (3) 高分子Aのろ近傍,ならびに高分子3の興1近傍で,各高分子鎖の形態や配置はどのように

  変化するか,それぞれ記せ。

 (4)-(1)~(3)で示した状態変化の相違から,ガラス化と結晶化の違いについて説明せよ。

23

B[無機材料物性]

次の文章を読み、設問すべてについて解答すること。数値は有効数字3桁で求めよ。ただし、プ

ランク定数乃=6.63×1σ34[Js],電気素量θ=L60×10-19[C],電子質量〃3=9.10×10831[kg]とせよ。

1.二酸化ケイ素(Sio2)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)

の複合酸化物薄膜(モル比SiO2:ZrO2=3:2)をCVD法_100

(日本語名・(・))により成膜し、薄膜の光濠

透過スペクトルを図1に得たとする。紫外町域での駅                          50強い光吸収のほかに、薄膜の基板および空気界面で蟹

の反射により( (b)  〉パターンが現れ、その

極大および極小透過率での波長はサイズパラメータ

ξ斤ξ(λ,,)昌2η4/λ∫を定義すると、ξf一ξ,+1=1/2なる関係式

を満足した。この式は波数島二1/λ,を用いて、

    △ん,=1/λ,一1/λ崩瓢1/4η4    式(1.1)

のように表すこともできる。すなわち、△島のデータ

より薄膜の屈折率ηが分かれば膜厚4が評価できる。

そこで、薄膜の屈折率ηは激成性が成り立つ*ものと

して各構成要素のモル屈折率のデータから理論的に’

求め、次いで膜厚の評価を行うこととした。このと

き、膜は十分緻密で酸素原子の量は化学量論に従う

とし、屈折率の波長分散は無視できるものとする。

0

A Cρ一ρ巳

B D

 400      600      800      1000

・  波長λ【nm】

  図1.光透過スペクトル

表1。光透過率における極大・極小値の波長位置

場所 ’ λ,/㎜ ん,/cm二1 △ん,/cml 1

A 1 331.5

B 2 420.0

C 3 573.0

D 4 901.3

E 5 2,111.0

 ,*加成性:各成分の寄与が平均的に現れる性質については、近似的に構成成分による丁丁性が成り立つ。

 すなわち、着目する物性をPとして構成成分に1~〃諺の番号を付し、’それらの含有率をム乃善,_,端とする

  と、近似的に次の関係が成り立つ。

    P篇P1石+P2乃+.._+P晶  ここで、P1,P2,P3,...,P,,は成分1~碑の、物性Pに対する寄与率で一一性因子と呼ばれる。

(1)SiO2, ZrO2および,それらの化合物ZrSiO4の鉱物名を記せ。

(2)(a)~(b)に適当な語句を記せ。

(3)SiO2およびZrO2のモル屈折率はηsio、=1.475,ηz面、=2.20であるとし、作成レた薄膜の理論

 屈折率κを算出せよ。

(4)光透過スペクトルに現れる極大・極小値を示す波長を調べたところ表1の結果を得た。空欄に

 入る数値を算出した上で波数間隔麟,の平均値を求めよ。

(5)(4)で得られた波数間隔△ん,の平均値を用いて、式α1)より膜厚4を算出せよ。

(6)Sio2, ZrO2などの絶縁性薄膜はトンネル現象のエネルギー障壁層として利用できる。今、仕事

  関数:φ=3.0[eV]の電極で挟み、次式に従う電流密度一電圧(ノーの特性を得た・

   ノ讐炉駆p幽ただ辱意(・2ジ 係数αの値を㎜(eV)11憧位で求めよ。なお、計算では而=1.34gを用いてよい。

(7)また、膜厚4=1.σおよび1.2[皿1]の超薄膜にそれぞれ同じ電圧を印加しトンネル電流密度ノ1

 およびノ2を得た。loglo(ノ1グ2)はいくらになるか。ただし、 Ioglo1。2=0.0792, loglo『-0434である。

24

C[材料物理]設問すべてについて解答すること。

転位のまわりの弾性応力場に関連して,以下の問いに答えよ。

1 転位の自己エネルギーについて説明せよ。

H 結晶が弾性的に等方性の連続体で近似できるとして,らせん転位のまわりの弾性応力場を計算:せ

 よ。ただし,転位線を直交座標のz軸にとり,剛性率をσ,バーガースペクトルの大きさをみとす

 る。また,刃状転位の場合と比較して,らせん転位の弾性応力場の特徴を述べよ。

皿 上記の結果を利用して,らせん転位の自己エネルギーを求めよ。ただし,転位芯の半程をア。,転

 位問の平均距離を2ア1とする。

IV 距離4だけ離れた2本の平行ならせん転位間に働く力を求めよ。これらの転位のバーガースベク

  トルの大きさがわに等しく,かつ同じ符号の場合,転位間の力は引力か斥力かを示せ。

V 図のように,1本のらせん転位はz軸に沿っており,もう1本のらせん転位はx軸に平行である

 とする。ここで,転位線の向きを転位線に平行な座標軸の正の方向にとるときに,2本のらせん転

 位のバーガースペクトル西は,図に示すように同じ符号で同じ大きさであるとする。このとき,κ

 軸に平行ならせん転位に働くカ(単位長さあたり)を計算せよ。また,このようなカを受けた結果,

 κ軸に平行であった転位はどのような形状に変化するかを定性的に図示して説明せよ。

                     :                     iア」→

L

0

ルz

25

26

問題10 A[化学工学],B’[無機材料プロセッシング], C[材料プロセスエ学]

A,BまたはCの設問のいずれかを選択して解答レ,解答用紙の選択記号欄に,選択したA, B,ま

たはCの記号を記入すること。

A[化学工学]設問すべてについて解答すること。

1 温度の低い水平平板上を,より高温の糟性流体が乱流状態で流れている。このときの熱移動現象

  に関与する無次元数を求めよ。

∬ 円管内を水が乱流で流れている。管の長さ五を一定にして}管内径4を1/2にすると,圧力損失

  は何回になるか記せ。ただし,流量g,管摩擦係数プは一定であると仮定する。

m 固体内の一次元非定常熱伝導に関する次式を微小要素の熱収支をとることにより導け。

   ∂刀∂’=α(∂2z〆∂κ2)

  ここで,7は温度,’は時間,αは熱拡散係数,κは位置を表すものとする。

IV 内径20mmの平滑管内を45℃の糟性流体が体積流量113〃hで流れている。この粘性流体は,40℃

  のとき,粘度15mPa・s,密度950kg/m3,50℃のとき,粘度5mPals,密度850kg/m3であったとす.

  る。このときの管摩擦係数を求めよ。

27

臼{無機材料プロセッシング]

 スピノーダル分解について,以下の設問に答えよ。

状態図は,一般には熱平衡状態を示すが,液相から固相が析出

する過程で非平衡な状態を経て析出する揚詰もある。いま,二

つの成分A,Bが警解している液相A。Bl“を考え,組成炉。1と

ん=q~の問の組成侮でZ相分離が起きるとする。

(1)系の自由エネルギーGをエンタルピー私温度エエント

  ロピー8を用いて表せ。

(2)横軸を組成κ,縦軸を自由エネルギーσとして,入ピノー

  ダル分解が生じる揚合の自由エネルギーσと組成xの関係

  を示すグラフの概略を描け。

LIi

 !

 …

 …

L

L1+L2. .L2

                              A  C1 組成κ c2 B

                             図1.二回分からなる液相侮Bけ                             の状態図

!3)この系の状態図について,横軸を組成κ,縦軸を温度τとしたときの溶解度ギャップ曲線(バ

  イノーダル曲線)を図1の実線で表すとする。L,LbL2は単一組成の液相状態を表し,組成c1

  とC2の間で二種類の組成。1, C2の液相L1, L2が共存することをこの図は表す。この状態図にス

  ピノーダル分解が輕きる範囲の概略を点線を用いて示せ。

(4)この点線をスピノーダル曲線と呼ぶとき,点線は(2)で求めた自由エネルギー一組成曲線の

  各温度丁における変曲点の軌跡になっている。スピノーダル曲線上での組成κと自由エネルギ

  一σの間に成り立つ関係式を示せご

(5)ガラスのスピノーダル分解を利用して,多孔質ガラスを作製する方法がある。Na20・B203・SiO2

  系ガラスから分相ガラスを作り,多孔質ガラ’スを作る基本プロセスを下記に示す。

  棚ケイ酸ガラス  ⇒  分相ガラス    [⇒  多孔質ガラス           ①処理1          ②処理

①,②の各処理にふさわしい言葉,または処理の内容を記せ。

28

C [材料プロセス工学] 設問すべてについて解答すること。

1炭素反応に関する下記のブドワー反応式(①式反応)について問(1)~(5)に答えよ。

            CO2(9)+C(s)・2CO(9)①

(1)①式の反応を相律によって解釈することにする。 独立成分の数、相の数は幾つか。具体的な化

学種、相を明示して答えよ。

(2)相律の自由度は幾つか。この自由度より言えることを示せ。

(3)①式の反応に関して、ルシャテリー・ブラウンの原理から何が言えるか説明せよ。

(4)①式反応の標準自由エネルギー変化 △Goを温度の関数で表せ。

 但し、

   C(s)+1/202(9)・CO(9)△Go・一1117100-87,65 T(J)②

    C(s)+02(9)ニCO2(9)△Go・一394100二〇.84 T(」)③

(5)①式反応の平衡定数Kを炭素め活量acとガス分圧で示せ。また、平衡定数Kを温度の関数で示

せ。

H 1600℃で0.005mass%Nを含んだ20 mass%Cr溶鉄がある。この場合において、問(1)~(6)に答

えよ。但し、溶融純鉄は1気圧の窒素下では0.045mass%の窒素を溶解する。また、相互作用助係

数はeN(N)=0, eN(c「)=一〇.045である。

(1)溶鉄弓の窒素と窒素ガス間の反応式を明示せよ。

(2)ジーベルツの法則とは何か? 本間の窒素の場合を例として説明せよ。

(3)平衡定数Kを溶秘中の窒素活量aNと窒素ガス分圧で示せ。次に、ヘンリー基準の窒素活量aNを

三三中の窒素濃度mass%Nによって示せ。但し、窒素の活量係数をfNとする。

(4)溶鉄中の窒素活量に及ぼす他元素1の影響を示す活量係数fNiと相互作用助係数の間の関係式塗

示せ。これより、rがNとCrにおける各活量係数fNlを求めよ。

(5) 1気圧の窒素下での溶融純鉄中の窒素濃度から平衡定数Kを求めよ。

・(6)0.005mass%N牽含んだ20 mass%Cr溶鉄と平衡する窒素分圧(気圧)を求めよ。

29

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