2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形...
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関西大学総合情報学部 「応用数学(解析)」(担当:浅野晃)TRANSCRIPT
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A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
2014年度秋学期 応用数学(解析)
浅野 晃 関西大学総合情報学部
第2部・基本的な微分方程式 変数分離形の変形
第6回
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変数分離形(復習)
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2014年度秋学期
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, Kan
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変数分離形一般には
両辺それぞれを積分すると
と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/ 3/5 ページ
とすると
と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
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と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
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と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
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一般解に含まれる積分定数 C は, 初期値を代入して定まり,特殊解が得られる
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変数分離形一般には
両辺それぞれを積分すると
と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
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とすると
と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/ 3/5 ページ
と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/ 3/5 ページ
と表されます。このことから,!
1
xdx = −
!kdt
log |x|+ C1 = −kt+ C2
log |x| = −kt+ (C2 − C1)
x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)
(6)
となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。
ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から
dx
x= −kdt (7)
とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には
g(x)x′ = f(t) (8)
の形になっています。これを,x′ =dx
dtとして上記のやりかたで変形すると
g(x)dx = f(t)dt (9)
となり,両辺をそれぞれ積分して!
g(x)dx =
!f(t)dt+ C (10)
と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。
例題
x(t)の微分方程式
9x · x′ + 4t = 0 (11)
を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。
(解答)x′ =dx
dtとして変数を分離すると
9xdx = −4tdt (12)
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一般解に含まれる積分定数 C は, 初期値を代入して定まり,特殊解が得られる
今日は,変形によって変数分離形に持ち込める方程式です
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1.同次形
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2014年度秋学期
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sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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x/t の式になっている
とおくと
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
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この両辺を微分
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2014年度秋学期
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, Kan
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niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
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(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
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(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
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この両辺を微分
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sano
, Kan
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同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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よって
この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
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, Kan
sai U
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同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
とおくと
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
とおくと
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次形一般には
変数分離形になった
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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x/t の式になっている
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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この両辺を微分
積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次関数
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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関数 が k 次の同次関数であるとは
の形になっていること
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
同次関数
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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関数 が k 次の同次関数であるとは
の形になっていることtk をくくり出せる
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, Kan
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同次関数
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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関数 が k 次の同次関数であるとは
の形になっていること
微分方程式が
M, N がどちらも k 次の同次関数なら,x = ut とおいて
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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の形で
tk をくくり出せる
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同次関数
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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関数 が k 次の同次関数であるとは
の形になっていること
微分方程式が
M, N がどちらも k 次の同次関数なら,x = ut とおいて
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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の形で
tk をくくり出せる
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, 1)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期
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sano
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同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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関数 が k 次の同次関数であるとは
の形になっていること
微分方程式が
M, N がどちらも k 次の同次関数なら,x = ut とおいて
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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の形で
tk をくくり出せる
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, 1)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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分母分子を t でわると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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分母分子を t でわると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
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例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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分母分子を t でわると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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より
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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分母分子を t でわると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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より
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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分母分子を t でわると
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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より
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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分母分子を t でわると
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形
とおくと
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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より
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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t と u を分離
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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分母分子を t でわると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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同次形
とおくと
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
より
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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よって
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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t と u を分離
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期
A. A
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, Kan
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例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
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微分の関係に なっている
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2014年度秋学期
A. A
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例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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になるから,
微分の関係に なっている
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2014年度秋学期
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sano
, Kan
sai U
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例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
![Page 39: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/39.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
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上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
![Page 41: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/41.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
![Page 42: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/42.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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![Page 43: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/43.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
![Page 44: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/44.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
対数の和→ 真数の積
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
対数の和→ 真数の積
対数の◯倍→ 真数の◯乗
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
対数の和→ 真数の積
対数の◯倍→ 真数の◯乗
定数は任意なので,絶対値が外れる
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページ
上の式の両辺を積分すると
2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形
前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。
同次形の微分方程式
関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx
dt= f(
x
t). (1)
この方程式は,x
t= uとおくと x = utですから,dx
dt= t
du
dt+ uとなり,
tdu
dt+ u = f(u)
1
f(u)− udu =
1
tdt
(2)
と変数分離形に変形できます。
ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx
dt=
M(x, t)
N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次
関数なら,x = utとするとdx
dt=
M(x, t)
N(x, t)
=tkM(u, 1)
tkN(u, t)=
M(u, 1)
N(u, 1)=
M(xt , 1)
N(xt , 1)
(3)
となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x
t+ xの一般解を求めてください。
(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx
dt=
1− xt
1 + xt
(4)
となりますから,この方程式は同次形です。そこで x
t= uとおくと dx
dt= t
du
dt+ uとなり,与えられた
方程式は
tdu
dt+ u =
1− u
1 + u1
1−u1+u − u
du =1
tdt
u+ 1
u2 + 2u− 1du = −1
tdt
(5)
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
の微分がという変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
になるから,
微分の関係に なっている
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
対数の和→ 真数の積
対数の◯倍→ 真数の◯乗
定数は任意なので,絶対値が外れる
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
に戻すと
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
![Page 48: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/48.jpg)
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
![Page 49: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/49.jpg)
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
2.1階線形
![Page 50: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/50.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
1階線形微分方程式一般には の形になっているもの
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
![Page 51: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/51.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
1階線形微分方程式一般には の形になっているもの
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
と置くと, 一般解は
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
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= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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![Page 52: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/52.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
1階線形微分方程式一般には の形になっているもの
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
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= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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と置くと, 一般解は
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
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= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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なぜならば
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
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#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
1階線形微分方程式一般には の形になっているもの
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
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= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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と置くと, 一般解は
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
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= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
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= p(t)P (t)x+ p(t)x′
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*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
なぜならば
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
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= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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積の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
1階線形微分方程式一般には の形になっているもの
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
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#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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と置くと, 一般解は
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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なぜならば
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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積の微分
指数の合成関数の微分
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
1階線形微分方程式一般には の形になっているもの
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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と置くと, 一般解は
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
なぜならば
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
積の微分
指数の合成関数の微分
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって,両辺を積分して
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
![Page 62: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/62.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
![Page 64: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/64.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
![Page 66: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/66.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
![Page 68: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/68.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
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とすると
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
例題を解いて,一般解を求めよ。
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
にあてはめると
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
前ページの式から
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
よって
という変数分離形になります。ここで d
du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する
と,C を積分定数として1
2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)
となります。よって,別の定数Aを使って
log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)
t2(u2 + 2u− 1) = A(7)
とあらわすことができます 1。u =x
tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A
となります。■
1階線形微分方程式
関数 x(t)についての1階微分方程式が
dx
dt+ P (t)x = Q(t) (8)
の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp
!"P (t)dt
#とおくと,(p(t)x)′が
(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′
=
$exp
%&P (t)dt
'(′x+ p(t)x′
= p(t)P (t)x+ p(t)x′
= p(t))P (t)x+ x′
*= p(t)Q(t)
(9)
となることから,C を積分定数として
p(t)x =
&p(t)Q(t)dt+ C
x =1
p(t)
%&p(t)Q(t)dt+ C
' (10)
と解くことができます。
例題
関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。
(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ
1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 2/3 ページ
とすると
部分積分
![Page 71: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/71.jpg)
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
![Page 72: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/72.jpg)
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
2′.ベルヌーイの 微分方程式
![Page 73: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/73.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
(n ≠ 1)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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![Page 83: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052322/557dc72cd8b42a8a4e8b4fe8/html5/thumbnails/83.jpg)
2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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代入
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
代入
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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2014年度秋学期
A. A
sano
, Kan
sai U
niv.
ベルヌーイの微分方程式一般には
なぜならば
の形
両辺を微分する
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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(n ≠ 1)
とおくと1階線形微分方程式に変形できる
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/ 3/3 ページ
て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
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水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
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水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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て p(t) = exp!"
1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として
etx =
$ettdt+ C
= ett−$
etdt+ C
= ett− et + C
x = t− 1 + Ce−t
(11)
と求められます。■
ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての
dx
dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)
の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から
1
xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)
となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると
u′
u= (1− n)
x′
x(14)
となります。(14)式を (13)式に代入すると
1
1− n
u′
u+ P (t) = Q(t)
1
u
u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)
となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。
問題
関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。
1. x′ =x− t
2t
2. tx′ − x = 1
3. x′ + x = tx2
参考文献
水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075
水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8
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1階線形
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sai U
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今日のまとめ
同次形 1階線形 ベルヌーイ