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2014 年度上智大学理工学部活動報告書 情報理工学科 目次<五十音順> ※( )内は 2014 年度の職名 荒井 隆行(教授)・・・・ 2 田村 恭久(教授)・・・・ 52 伊藤 潔(教授)・・・・・ 8 辻 元(教授)・・・・・・ 54 伊呂原 隆(教授)・・・・12 都築 正男(准教授)・・・ 56 大城 佳奈子(助教)・・・15 角皆 宏(教授)・・・・・ 58 小川 将克(准教授)・・・17 トリアン ファビアン(准教授)・・ 61 加藤 剛(准教授)・・・・19 中島 俊樹(教授)・・・・ 63 川中 彰(教授)・・・・・21 中筋 麻貴(准教授)・・・ 65 川端 亮(准教授)・・・・23 新倉 貴子(准教授)・・・ 67 後藤 聡史(講師)・・・・26 林 等(准教授)・・・・・ 69 五味 靖(准教授)・・・・28 萬代 雅希(准教授)・・・ 71 ゴンサルベス タッド(准教授)・30 平田 均(講師)・・・・・ 74 笹川 展幸(教授)・・・・33 藤井 麻美子(准教授)・・ 76 渋谷 智治(准教授)・・・35 古屋 晋一(准教授)・・・ 78 炭 親良(准教授)・・・・38 宮本 裕一郎(准教授)・・ 81 高岡 詠子(准教授)・・・40 矢入 郁子(准教授)・・・ 83 高橋 浩(准教授)・・・・45 山中 高夫(准教授)・・・ 85 田中 昌司(教授)・・・・49 和保 孝夫(教授)・・・・ 87 田原 秀敏(教授)・・・・51 1

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2014 年度上智大学理工学部活動報告書

情報理工学科

目次<五十音順>

※( )内は 2014 年度の職名

荒井 隆行(教授)・・・・ 2 田村 恭久(教授)・・・・ 52

伊藤 潔(教授)・・・・・ 8 辻 元(教授)・・・・・・ 54

伊呂原 隆(教授)・・・・12 都築 正男(准教授)・・・ 56

大城 佳奈子(助教)・・・15 角皆 宏(教授)・・・・・ 58

小川 将克(准教授)・・・17 トリアン ファビアン(准教授)・・ 61

加藤 剛(准教授)・・・・19 中島 俊樹(教授)・・・・ 63

川中 彰(教授)・・・・・21 中筋 麻貴(准教授)・・・ 65

川端 亮(准教授)・・・・23 新倉 貴子(准教授)・・・ 67

後藤 聡史(講師)・・・・26 林 等(准教授)・・・・・ 69

五味 靖(准教授)・・・・28 萬代 雅希(准教授)・・・ 71

ゴンサルベス タッド(准教授)・30 平田 均(講師)・・・・・ 74

笹川 展幸(教授)・・・・33 藤井 麻美子(准教授)・・ 76

渋谷 智治(准教授)・・・35 古屋 晋一(准教授)・・・ 78

炭 親良(准教授)・・・・38 宮本 裕一郎(准教授)・・ 81

高岡 詠子(准教授)・・・40 矢入 郁子(准教授)・・・ 83

高橋 浩(准教授)・・・・45 山中 高夫(准教授)・・・ 85

田中 昌司(教授)・・・・49 和保 孝夫(教授)・・・・ 87

田原 秀敏(教授)・・・・51

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所属 情報理工学科

氏名 荒井 隆行

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 音声コミュニケーションを中心とする音声科学・音響学・音響音声学

などにおける科学的探求とその応用

キーワード: 音声コミュニケーション,音声科学,音声生成,音声知覚,音響学,

音の福祉工学・障害者支援,音響音声学,音響教育 など

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

音声コミュニケーションに関わる一連の事象は「ことばの鎖(Speech Chain)」と呼

ばれ、音声科学・聴覚科学における基本的な概念となっているが、その音声コミュニ

ケーションに関して音声科学・聴覚科学、音響学、音響音声学のなどにおける科学的

側面とその応用に主な焦点を当てて研究を続けてきている。カバーする範囲は、次の

ような幅の広い学際的な研究分野を含む:①音響学と音響教育、②音響音声学を中心

とする言語学分野(音声学・音韻論)と教育応用(応用言語)、③音声生成を含む音声

科学と音声知覚を含む聴覚科学、④音声信号処理・音声強調、⑤障害音声の音響分析

や聴覚障害者・高齢者の音声知覚、⑥ディジタル信号処理専用プロセッサを用いた実

時間信号処理、音声処理アルゴリズムの開発、⑦音声の話者性、⑧その他、音声の福

祉工学・障害者支援、音に関する研究全般など。

以上のテーマにおいて、音声コミュニケーションにおける基礎的・科学的な分野の

探求とその応用を行う。①に関しては特に声道模型を用いた音響教育、あるいはその

他の教材開発などを探求する。②に関しては、音声学的なアプローチにより母語話者

の発音についてや第 2 言語習得者に対する教育的応用などを取り扱う。③に関しては、

音声の両耳融合聴などについて考える。④に関しては誰にでもどこにおいても聞き易

い音声や、音声強調処理としての「定常部抑圧処理」「子音強調・母音抑圧」「零挿入

処理」などについて取り扱う。⑤に関しては、障害音声に関する音響分析や聴覚障害

者・高齢者に対する音声知覚を取り扱う。⑥に関しては、ディジタル信号処理専用プ

ロセッサを使って、定常部抑圧処理や補聴処理、音声のプライバシーのための処理な

どを実時間で扱うための研究を行う。⑦に関しては、音声に含まれる話者性について

追及する。⑧に関しては、その他の音声によるバリアフリーに関わる研究や診断・治

療に関する研究を含む、音声研究全般を取り扱う。

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①に関したテーマとして以下の研究がある。

音声の生成に関する仕組み等を分かりやすく理解するため、「より人間らしい音声」

を生成する模型を中心とした教材・教育プログラムの開発等を進めた。特に、成人男

性に加え成人女性や子どもも対象に、日本語 5 母音のみならずその他の母音や子音を

含むより多様な音声の生成を試みた。

舌可動式声道模型:ブロックを用いた屈曲型の模型から各種母音が生成された。同

様の模型に鼻腔を追加し、鼻音化母音の生成にも成功した。舌の前半分が折れ曲がる

模型、および口腔形状を板ブロックの抜き差しで実現する模型によって子音(特には

じき音と接近音)を実現(特許出願済み)。スライド式3音響管(S3T):短くかつ細い

筒を用いた子ども・女性の母音を、科学教室用に開発。筒型および頭部形状:科学館

展示用に改良を続けた。ディジタル・パターン・プレイバック:イントネーションを

付加させたり歌声合成をするために基本周波数を可変させ、スペクトログラム・ボコ

ーダとして拡張。

教育プログラム等:研究成果として説明文、デモ動画・音声等をさらに充実させ、

Acoustic-Phonetics Demonstrations の web site から公開中(北海道大学など他機関による

利用も始まっている)。また、国立科学博物館のサイエンススクエアでは、2014 年は音

響教育展示にワークシートを導入した。

以上の研究成果について、まず今までの集大成として、日本音響学会誌にて次のよ

うなタイトルで招待論文が掲載された:

日本音響学会誌:「音声生成を直感的に理解するための声道模型とその教育応用」

(★招待論文)

そして、2 つの国際会議にて以下のタイトルで発表を行った(特に、INTERSPEECH は

世界で音声研究において最も権威のある国際会議):

Laboratory Phonology: "Perceptual cues of Japanese /r/ sounds: Formant transitions vs.

intensity dip"

INTERSPEECH: "Retroflex and bunched English /r/ with physical models of the human

vocal tract"

また関連して、別の国際会議(Forum Acusticum)では招待講演の共著者として日本の

音響教育の現状を報告した。日本コミュニケーション障害学会が発行する学術雑誌「コ

ミュニケーション障害学」において、次のタイトルの論文が出版された:

「構音の獲得に潜む音響的側面を探る:日本語ラ行音を中心に」

日本音響学会誌にて組まれた音響教育に関する特集号では、上記の招待論文の他、サ

イエンススクエアの取り組みに関する紹介などを含む記事が複数掲載された。その他、

日本音響学会の研究発表会にて次の招待講演を含む講演を行った:

「パターン・プレイバックからスペクトログラム・ボコーダへ」(★招待講演)

また、2014 年度は和歌山大学・石川高専・アメリカ Cincinnati 大学・California 大学 LA

校・オーストラリア Western Sydney 大学・ドイツ Munich 大学に模型を送り活用と評価

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を実施。そして、博物館・科学館との連携として、沖縄こどもの国・スイス Technorama・

ドイツ Haendel Haus(音楽家ヘンデルの生家)にて声道模型の展示を実現した。

②に関したテーマとして以下の研究がある。

「日本語母語話者の雑音環境下における英語の聞き取りについて」 (共同研究)

「韓国語の母音の分布について」(共同研究)

「文脈が音声の聞き取りに与える影響について」(共同研究)

「ドイツ語の弱化母音について」(大学院研究)

「日本語の促音について」(共同研究ならびに大学院研究)

「超音波診断装置を用いた発音時の調音器官の可視化」(大学院研究)

「日本語を母語とするスペイン語学習者の発音や聴取について」(大学院研究)

「音声に対する人間の修復・補完能力に関する研究」(大学院研究)

③に関したテーマとして以下の研究がある。

「音韻・韻律情報を用いた両耳融合聴に関する実験」(共同研究)

④に関したテーマとして以下の研究がある。

「雑音・残響が発話に与える影響」(共同研究・大学院研究)

「残響環境下での音声明瞭度の推定」(共同研究)

「残響環境下における前処理を用いた音声明瞭度の改善」(大学院研究・卒研)

⑤に関したテーマとして以下の研究がある。

「高齢者における delayed auditory feedback について」(大学院研究・卒研)

「高齢者の音声の聞き取り間違いと補聴」(共同研究・大学院研究)

「発話が困難な方々のための音声合成システムに関する研究」(卒研)

⑥に関したテーマとして以下の研究がある。

「音声のマスキングなどを含む音声信号処理」(大学院研究・卒研)

「ディジタル・パターン・プレイバックに関する研究」(卒研)

⑦に関したテーマとして以下の研究がある。

「感情を含む音声の個人性に関する研究」 (共同研究・大学院研究)

⑧に関したテーマとして以下の研究がある。

「動画に対する字幕付与に関する研究」(共同研究)

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

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上記2で述べたテーマごとに研究を進め、次のような成果が得られた。

①は招待論文 1 件、国際会議 3 件(招待講演 1 件)、国内発表 4 件(招待講演 1 件)、

寄書 1 件、解説 2 件、

②は原著論文 1 件、Letter/研究速報 4 件、解説 1 件、国際会議 4 件、国内発表 6 件、

③は原著論文 1 件を準備中、

④は国内発表 3 件、

⑤は Letter 1 件、国内発表 3 件、

⑥は Letter 1 件、国内発表 1 件、

⑦は国内発表 1 件、などを行った。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

上記2で述べたテーマにおいて、①はそのほとんどを荒井単独の科研費プロジェクトの一

環として行った。また、日本音響学会音響教育調査研究委員会ならびに博物館と連携して

国立科学博物館でのイベント参加などを行った。さらに、成果の一部が 2015 年以降に新た

に2つの博物館の展示として公開されるのを受け、2014 年度ではその準備を進めた(1つ

はドイツ Halle にある音楽家ヘンデルの生家の博物館 Händel Haus、もう1つはエストニア

国立博物館)。⑤はその一部を国立精神・神経医療研究センターとの共同研究で遂行、別の

一部を学内の言語聴覚研究センターとの共同研究で遂行。また、声を失った後のために ALS

を患った方の音声を録音。その録音音声を使ってテキスト入力を音声合成技術を介してご

本人の声で合成する「マイボイス」プロジェクトの一環として、合成技術の改善に貢献し

た。⑦は科学警察研究所との共同研究で遂行、⑧はその一部を学外共同研究として株式会

社フジヤマと産学連携で進めた。

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

ディジタル信号処理,福祉情報学,情報リテラシー・情報フルエンシー,

情報理工学実験,音声・音響工学,科学技術英語,音声・音響・聴覚情報処理,

ヒューマンコミュニケーション,ゼミナール

「情報理工学実験のテキスト」改訂

その他、音響音声学の分野を中心に、その周辺分野を含む範囲で教育用のマルチメディ

アコンテンツを研究室ホームページ上で以下のように公開しているが、そのコンテンツの

さらなる更新を進めた:

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音響音声学デモンストレーション(日本語版) http://www.splab.net/APD/index-j.html

Acoustic-Phonetics Demonstrations(英語版) http://www.splab.net/APD/index-e.html

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内) 電気・電子工学科長、(院)情報学領域主任、

理工予算・会計委員会、理工科学技術英語推進委員会、

(学科) 予算委員会(委員長)、将来計画委員会、

(学外) IEEE, Signal Processing Society, SLTC(音声言語委員会)委員(2010-2016)

アメリカ音響学会 Committee of Education in Acoustics 委員(2003-2015)

EURASIP(ヨーロッパ信号処理学会)

Journal on Audio, Speech and Music Processing (JASMP)

Associate Editor(2013 -2016)

International Speech Communication Association 会員

電子情報通信学会 査読委員

日本音響学会 音響教育調査研究委員会委員(2003-)

音バリアフリー調査研究委員会委員(2006-)

会誌部会編集委員(2005-)

国際渉外委員会委員(2005-)

代議員・評議員(2007-)

音響サイエンスシリーズ編集委員会委員(2013-)

論文賞推薦委員会(2007-)

日本音声学会 理事(2010-2016)

評議員(2004-2016)

広報委員会委員長(2013-2016)

日本コミュニケーション障害学会

「コミュニケーション障害学」編集協力委員(2013-2016)

日本音声言語医学会

評議員・査読委員(2014-2016)

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

【科研費】 研究代表者

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に関する体験型展示を出展。その他、博物館や科学館での声道模型を中心とする展示に貢

献。

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所属 情報理工学科

氏名 伊藤 潔

1.研究分野とキーワード

●研究分野: 情報システム工学,ソフトウェア工学 など

●キーワード:

ドメイン分析・モデリング,協調作業分析,ソフトウェア開発環境,プロトタイピング,

システム分析オントロジ,システムシミュレーション,性能評価, など

2.研究テーマ

ビジネス,産業,教育,社会などの様々な活動や業務を,コンピュータ支援の下で効果的に遂

行するシステムの総称である情報システムは,それらの活動や業務を実現するために,コンピュ

ータシステムの構成を決め,その上に,必要なソフトウェアを搭載して実現される.高い信頼性や,

品質,機能,性能をもつ情報システムとそのソフトウェアを開発・構築するための技術,方法,支

援環境を研究している.

研究は,ドメイン指向システム開発の方法論の構築,システム分析のためのドメインオントロジ

の構築,ダイアグラムモデルの利用と再利用の方法の構築,ダイアグラムモデルの性能評価の

方法の構築という 4 つの観点から進めている.

これらに基づき,(a)ドメインオントロジの構築と再利用,(b)各種ダイアグラムからのドメインオン

トロジの獲得,(c) ドメインオントロジの各種ダイアグラムへの変換,(d)トランザクションの振る舞い

分析からのデータベース獲得分析法,(e)データベースのスキーマの再利用システム,(f) Timed

STDs によるシステム分析法,(g) E-R 図の再利用の研究,(h)協調作業分析向き MCM のシミュレ

ーション法, (i)情報の流れと物流の分析向き DDFD のシミュレーション法などの研究を進めてい

る.

3.2014 年度の研究成果

(a) ドメインオントロジの構築と再利用

ある特定のシステムの分析結果を,オントロジを利用して記述すると,言葉の意味や使い方,他

の言葉との関係が理解しやすい.また,あらかじめ記述されたオントロジを再利用することで,構

築効率を向上させる.システム記述向けに特定のドメインのターム(用語)とタスク(仕事)に重点

を置き,オントロジを構築した.そのオントロジを可視化するためのダイアグラムとして,DODT2

(Diagram for Ontology of Domain Terms and Tasks)を考案し,その編集を支援するシステムとして,

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DODT2 Editorを実装した.また,より効率よくオントロジを構築するために,DODT2 Editorを用いた

オントロジの再利用法,ドメインオントロジの作成を簡易化するツールを実装した.

この研究は,卒業研究として進めている.

(b) 各種ダイアグラムからのドメインオントロジの獲得

システム分析に使用されるダイアグラムからドメインオントロジを獲得する手法を明らかにし,そ

の獲得支援のツールを開発した.IDEF で記述されたダイアグラムを対象とした.

この研究は,卒業研究として進めている.

(c) ドメインオントロジの各種ダイアグラムへの変換

ドメインオントロジを,システム分析の際に使用するダイアグラムである,MCMや IDEF図へと変

換して,オントロジダイアグラムをシステム分析の際に有用なものにする.またオントロジとして整

理された用語を,様々なダイアグラムで書かれたシステム分析に活用することを可能にする.

この研究は,卒業研究として進めている.

(d) トランザクションの振る舞い分析からのデータベース獲得分析法

E-R 図は,トランザクション情報が深く関わるデータベースの構造を表すダイアグラムであるた

め,各々の関係性が不明瞭である場合には作成が難しくなる.本研究では,システムのトランザク

ションで必要な情報を付加しながら要求分析し,精密化された状態遷移図から E-R 図を作成する

ナビゲーションシステムを開発した.

この研究は,博士前期課程研究,卒業研究として進めている.

(e) データベースのスキーマの再利用システム

データベーススキーマは,リレーションおよびリレーション間の関係を表すデータベース構造の

定義である.働きの似た情報システムのデータベースでは,このスキーマの構成が類似している

ことが多い.本研究では,様々なシステムのスキーマを比較して類似性を調べ,さらにこの類似性

の観点からデータベースを再利用し,新たなデータベースを図的に作成するツールの開発を行っ

た.スキーマの新たな再利用方式として,スキーマのパターン化を行い,このパターンによって再

利用元となるスキーマを提示できるよう実装した.リレーション間の関係を表す参照アークと更新

アークの導入も行った.

この研究は,卒業研究として進めている.

(f) Timed STDs によるシステム分析法

複数の人や装置の協調作業のシステムを構築するために,その機能分析と性能評価を効果的

に行うため,協調作業システムの分析の際に,時間概念を有した並行な状態遷移図

(Collaborative Timed STDs)でモデル化し,それを,離散型シミュレーションモデルに変換して,性

能評価を行った.このCollaborative Timed STDsを用いて,規模が大きく複雑な対象システムのダ

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イアグラムを作り,各パラメータに数値を与えシミュレーションする.このダイアグラムを.視覚的に

もわかりやすく描くことができる Editor を開発した.また,それを,GPSSを用いてシミュレーション

を行う Timed STD-to-GPSS Translator を実装し,その実用性を求めるために例題集を作成した.

この研究は,卒業研究として進めている.

(g) E-R 図の再利用の研究

E-R 図(Entity-Relationship Diagram)とデータベーススキーマの間で相互変換を行い,システム

の全体像を文字情報と図で明示的に表すことで,人にとってシステム全体のイメージがわかりや

すく,また複数人でそのイメージを共有できるようにすることが目的である.ここで作成したツール

は,それらの変換を可能な限り自動化する.ここで用いた E-R 図では,エンティティの種別を導入

し,その表記法を工夫した.E-R 図による記述は,より業務の流れをつかみやすくなるよう,その

記述方法を考案した.

この研究は,卒業研究と博士前期課程研究として進めている.

(h)協調作業分析向き MCM のシミュレーション法

協調作業における「情報の流れ」,「モノの流れ」,「作業の流れ」を把握,分析し,そのモデルを

MCM(Multi-Context Map)で表し,このモデルをシミュレーションし,システム評価を行って効率的

な協調作業システムを構築する.このため,MCM モデルをシミュレーションする方法の検討を行っ

た.

この研究は,博士前期課程研究として進めている.

(i)情報の流れと物流の分析向き DDFD のシミュレーション法

POS システム,在庫管理システム, サイバーモールなどの複数の情報システムでは,情報の流

れと物流は相互に作用し, 密接な関わりを持っている.情報の流れと物流を効率的に分析するた

めに DDFD (Distribution and Data Flow Diagram) を考案し,DDFDによって記述された分析モデル

をシミュレーションする方法の検討を行った.

この研究は,博士前期課程研究として進めている.

4.大学内外における共同的な研究活動

●「システムの開発法と教育法の研究会」

(上智大,北海道情報大,青山学院大,足利工業大の教員との共同研究)

●足利工業大学大学院セミナ,2014 年 7 月 7 日

「システム分析向きドメインオントロジに基づくドメインモデルの構成法」

5.教育活動

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●情報システム工学,情報理工学Ⅱ(コンピュータソフトウェア),基礎情報学,

理工学概論Ⅱ,基礎プログラミング,情報システム工学,

情報システム特論,情報学ゼミナールⅠ,情報学ゼミナールⅡ

プログラミング技法,情報リテラシ(データの収集・分析・利用) などを担当

●「情報システム工学用のテキスト」「コンピュータソフトウェア用のテキスト」

「基礎情報学用のテキスト」「プログラミング技法用のテキスト」「基礎プログラミング用のテキ

スト」「情報システム特論のテキスト」などのウェブ教材を改訂

6.教育研究以外の活動

(学内)

●情報科学教育研究センタ所長

●全学共通委員会委員

(学外)

●Society for Design and Process Science (SDPS), Fellow

● 同 Journal of Integrated Design and Process Sciences, Editorial Board Member

● 同 国際会議 SDPS2015, Program Committee Member

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所属 情報理工学科

氏名 伊呂原 隆

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 経営工学,生産・物流システムに関する研究,人道支援ロジスティクス

キーワード: 工場管理,生産管理,サプライチェイン,最適化,シミュレーション

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要

があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「Item characteristics based ordering policies decision in multi-item inventory control」

「人道支援ロジスティクス」

「間欠需要を考慮した在庫管理」

「物流センターにおける在庫管理と補充作業の効率化」

「物流センターにおけるオーダーピッキングの効率化」

「物流センターにおける入出荷スケジューリング」

「物流センターにおける出庫業務の効率化」

「環境を考慮したクローズドループサプライチェイン」

「半導体企業のサプライチェイン計画」

「経済成長を考慮したサプライチェイン計画」

「配送を考慮した多品種製品の在庫管理」

「エネルギー消費を考慮した生産スケジューリング」

(展望)

経営工学における「生産・物流システムの効率化」というテーマで研究に取り組んでいる.

効率的な生産・物流を実現するためには,モノづくりの場である工場と,完成した製品を効

率よく運ぶためのサプライチェインの両者に関する研究が必要である.前者については,工

場内におけるエネルギー消費を考慮した生産スケジューリング,また倉庫内における在庫

管理やピッキング方法に関する研究などを行っている.後者のサプライチェインに関して

は,サプライヤーから工場,物流センターを経由し顧客に至るまでのグローバルサプライチ

ェイン並びに,使用後の製品を顧客から回収して製品もしくは部品としてのリユース,リサ

イクルなどを考慮した物流の研究を行っている.また,近年増加傾向にある大規模災害発生

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時における支援物資等の効率的な輸送方法確立に関する研究も行っている.商業用サプラ

イチェインとは異なる評価指標や制約条件が必要となるが,従来研究や実際の災害状況な

ども考慮しながらより有用なモデルおよび解法の構築を行っていきたい.

3.2014 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

原著論文 8 本,国際会議 7 件,国内会議 7 件の研究成果発表を行った.主たる内容とし

ては,「配送を考慮した多品種製品の在庫管理」「人道支援ロジスティクス」「物流センター

における補充戦略」等に関する研究について原著論文としての研究成果をまとめることが

できた.この他の研究についても,国際会議や国内会議において研究成果の発表を行うとと

もに,すでにいくつかの論文誌へ投稿を行っている.

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)

民間企業 4 社とはそれぞれ「クローズドループサプライチェイン」「需要構造を考慮した

在庫管理」「半導体製品のサプライチェイン」「物流センターにおける入出荷業務の効率化」

等に関する共同研究,外国大使館と 1 件の「物流ネットワーク構築」に関する共同研究を行

った.いずれも明確な役割分担と,徹底した議論により,予想以上の研究成果が得られてい

る.

5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

システム工学特論,オペレーションズ・リサーチ,生産工学,経営情報学,社会情報学

プログラミング演習,情報フルエンシー,経営統計学,ゼミナール,論文指導など

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

・全学:入学センター長,IR 推進委員,大学院委員会委員,大学評議会構成員,学部長会

議構成員,長期計画企画拡大会議構成員など

・理工:理工入試委員会 副委員長

・学科:予算委員

(学外)

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・公益社団法人 日本経営工学会 理事(研究・表彰担当)

・一般財団法人 日本規格協会「生産管理研究会」主査

・公益財団法人 日本生産性本部 経営アカデミー 生産革新マネジメントコース 講師

・公益社団法人 日本生産性本部 サービス産業生産性協議会 サービス業の「仕組み化」開

発研究会 研究員

・公益社団法人 日本生産性本部 日本インダストリアル・エンジニアリング協会 IE レビ

ュー誌 編集委員

・APIEMS(Asia Pacific Industrial Engineering and Management Society) 理事

・Board member in the International Society of Management Engineers

・Editorial board member in the Journal of Transport, Construction & Engineering

・Editorial board member in the Journal of Management Science and

Financial Engineering (MSFE), Area editors of Production, SCM and Logistics

・4th IIE Asian conference in Xi’an, China, Program Committee

・6th International Conference on Operations and Supply Chain Management, Bali,

Indonesia, International committee

など

7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

特になし.

以上

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所属 情報理工学科

氏名 大城 佳奈子

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野:結び目理論とカンドル代数

キーワード:結び目、絡み目、曲面結び目、曲面絡み目、ハンドル体結び目、空間グラフ、

カンドル、対称カンドル、分岐被覆

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「カンドルを一般化する概念の研究」

「カンドル理論の応用と曲面絡み目の諸性質についての研究」

(展望)

カンドルとは結び目図式の基本変形に対応する公理を備えた代数系であり、結び目を区別

する重要な道具として利用されている。カンドルやカンドルを一般化する概念について詳

しく研究することで、強力な結び目不変量構成が期待されている。また、曲面絡み目や絡

み目、空間グラフ、ハンドル体絡み目に関する様々な応用研究が期待できる。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

主に以下の研究を行った。

1.結び目の線形アレキサンダーカンドル彩色と結び目で分岐する3次元球面の有限被覆空

間との関係性についての研究を一般化し, (p,r)-型アレキサンダーカンドル彩色について

の結果を得た。

2.空間グラフの捻じれアレキサンダー不変量についての結果を論文として纏めた。

また、日本数学会での講演を含め 5件の研究発表を行った。

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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

なし

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

複素関数論(各学科2クラス用)、幾何学基礎、情報理工学演習I、ゼミナールI、卒

業研究I、数学 BII(多変数微積)、幾何学特論I、情報理工学演習 II、ゼミナール II、

卒業研究 II

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)図書委員(数学領域)、理工自己点検評価 FD委員、広報委員

(学外)選挙管理委員(日本数学会トポロジー分科会)

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

「ひらめき☆ときめきサイエンス」の開催(上智大学)(主担当者:中筋先生)

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所属 情報理工学科

氏名 小川 将克

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 移動通信システム,無線 LAN,無線応用技術

キーワード: 無線アクセス方式,省電力方式,通信品質制御方式,無線分散ネット

ワーク

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「モバイルルータの省電力化に関する基盤研究」

「スマートハウスのための無線通信技術に関する基盤研究」

「ワイヤレスネットワークを活用した人物混雑度推定に関する基盤研究」

(展望)

・スマートフォンのデザリング機能やモバイルルータを利用して,無線 LAN 機器をインタ

ーネットに接続する利用形態が急速に普及している.モバイルルータやスマートフォンは

バッテリ駆動のため,駆動時間を拡大させるための省電力技術の研究に取り組んでいる.

・電力不足により,家庭内に設置された電子機器の消費電力の制御をするために,無線通

信技術が適用される.しかし,適切なネットワーク構成や無線通信方式が確立されていな

いために,スマートハウスのための無線通信技術の研究に取り組んでいる.

・様々なワイヤレスネットワークの制御情報を活用して人物混雑度を推定するためのアル

ゴリズムの研究にも取り組んでいる.

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

・無線 LAN における省電力技術

・スマートハウスにおける無線通信システムの干渉評価

・センサーネットワークにおけるパケット損失率の定式化

.無線 LAN を活用した人物混雑度推定

研究業績は,上智大学教員教育研究情報データベースを参照のこと.

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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(学部)

情報リテラシー(一般)

コンピュータネットワーク

情報通信工学の基礎

信号基礎論

情報通信工学

情報理工学実験ⅠⅡ

ゼミナールⅠⅡ

(大学院)

ワイヤレス通信工学

ADVANCED ELECTRICAL AND ELECTRONIC ENGINEERING 2

大学院演習ⅠAⅠBⅡAⅡB

電気・電子工学ゼミナールⅠAⅠBⅡAⅡB

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

科学技術国際交流委員(STEC)

情報ネットワーク専門委員会委員

理工教職課程委員

(学外)

電子情報通信学会 通信ソサイエティ執行委員会 会員事業企画幹事

電子情報通信学会 通信ソサイエティ会員事業企画・運営会議 委員

電子情報通信学会 コミュニケーション委員会 委員

電子情報通信学会 モバイルネットワークとアプリケーション研究専門委員会 専

門委員

情報処理学会 論文誌ジャーナル/JIP 編集委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 加藤 剛

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野:数理統計学,統計的データ解析,ウェーブレット解析

キーワード:統計モデル構築,先物取引,年金運用,数学,データ解析

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「年金運用の商品先物のリスク計測」(大学院研究)

「サーキットブレーカー制度を考慮した商品先物のリスク評価」 (大学院研究)

「言語聞き分けに関する統計的データ解析」(学内研究支援)

東京商品取引所における先物取引は,現状では十分活用されているとは言いがたい状

況であり,2013 年 3 月期決算まで 4 年連続で赤字が続いている.商品取引(主に先物)

に対する日本人投資家の姿勢,取引制度設計などの問題もあると考えられるが,統計分

野の研究に関わる者から見ると,東京商品取引所における先物取引のリスク評価に関す

る満足な情報が提供されていないことも投資家が二の足を踏む理由の一つではないかと

考える.

そこで,2013 年度までに大学院生と共同で進めてきた商品先物のリスク評価の研究を,

取引の実態にさらに近い形に発展させる.具体的には,2013 年度までの研究で,1 日あ

たり 1 回までのサーキットブレーカーの発動を前提に分次データにもとづくリスク評価

指標算出の方法を完成させた.これを,現実に行われている,1 日あたり 3 回までのサ

ーキットブレーカーの発動,および,100 分の 1 秒以内の取引間隔に対応したリスク表

指標算出方法に改良する.

また,年金積立金管理運用独立行政法人が,運用資産に占めるリスク資産の割合増や

す方向に動いている.そのため,2008 年のリーマン・ショックのような,リスク資産の

大きな暴落を事前に予測することが重要になる.これまでに行った年金運用データの観

察から,リスク資産の価値の変動による年金運用額の振れ方について,リーマン・ショ

ックのような大きな出来事の前は,普段よくある額の下落時の振れ方とやや異なること

が見て取れた.そこで,変化点の検出に優れているウェーブレット変換を活用して,リ

スク資産の暴落が予測される場合,リスク資産から年金基金を引き上げる警告を 2 段階

程度で出す仕組みを研究中である.

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3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

理工学部内の他研究室から持ち込まれた日本語聞き分けの問題について,統計的デー

タ解析の分野で支援を行い,その相談者の論文が学会誌に受理される成果を得た.

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

株式会社情報機構主催

「初めて学ぶ人でも使えるようになる 多変量解析入門」講師

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(i) 学部

情報リテラシー(統計処理)(フリーウェアで操作が容易な統計的データ解析用ソ

フトウェア「Rコマンダー」に対応した独自の教材を作成)

数学 C(確率統計)(データ処理を重視した,情報理工学科向けの内容に変更.統

計的データ解析用ソフトウェア「R」に対応した独自の教材を作成.中間試験と期

末試験を,日本語,英語,中国語の 3カ国語で対応)

卒業研究ゼミを英語と中国語で実施

理工学部英語コース(Green Science and Engineering)で Mathematics C1 (Statistical

Data Analysis) を担当

(ii) 大学院

理工学研究科英語コースで Statistical Data Analysis を担当

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)情報理工学科 2014 年次生担任

スーパーグローバル委員(情報理工学科)

(学外)日本数学会統計数学分科会運営委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

上智大学の教員を主な対象に,「データを取得したけれども,分析方法が分からない」

という問合せに対し,積極的に技術と知識の提供を行い,教育と研究活動の支援を行っ

ている.これは,理工学部の看板となっている領域融合と文理融合の実践である.

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所属 情報理工学科

氏名 川中 彰

1.研究分野とキーワード

研究分野:視覚情報処理、コンピュータグラフィックス、視覚パターンの認識

キーワード:画像・映像、オブジェクト認識、3次元ポリゴンメッシュ、データ圧縮、

3次元モデル生成、電子透かし、生体認証、凸状最適化、投影再構成、

3次元モデル検索、周回頂点構造化、ウェーブレット変換、

コンピュータグラフィックス、交通標識画像認識

2.研究テーマ

「ステレオマッチングにおける凸状最適化手法に基づいた視差生起確率の推定」

「HSV 閾値処理と SVM を用いた速度標識の画像認識精度の向上」

「垂直軸回りのプロジェクションを用いた 3 次元画像モデルの部分検索」

「構造化クラスタリングと動き補償予測を用いた動的3D メッシュデータの圧縮」

「車載カメラを用いた地理把握向上のための3D 形状推定」

「周回頂点構造化リメッシングを用いたウェーブレット変換によるポリゴンメッシュ

幾何データの圧縮」

「形状・カラー・仲介データを含むポリゴンメッシュモデルの統合的符号化」

「鏡面反射追跡法の3次元メッシュ頂点追跡への拡張」

「Watermarking with Displacement Tolerance Using Wavelet Transform」

「任意形状画像の携帯撮影画像からの探索技術の開発」

「Retrieval of 3D Shape Model Using Rendering Image as Query」

(展望)

高度な情報通信を実現するための基盤技術として、多次元信号処理技術に基づいて、

視覚情報の効率的表現や視覚情報からの物体認識について研究を進めていく。

特に、インターネットなどの社会的インフラストラクチャの整備や有効活用に資する

技術開発を目標として研究を進める。

これまで取り組んできた3次元画像・映像技術の向上と活用にため、ステレオマッチ

ング手法の改善、3次元幾何座標の算出、全方位画像への奥行の統合、インタラクティ

ブな補正、触覚ディスプレイへの表示などの進展を図っていく。さらに、画像・映像の

符号化、人工現実感生成、個人認証、顔の認識、コンピュータ・ビジョンなどの課題を

進展させる。

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3.2014年度の研究成果

視覚情報表現に関する研究について、(1) ステレオマッチングにおける凸状最適化手法に

基づいた視差生起確率の推定、(2) フレーム毎に推定された3次元形状からの3次元地図の

作成、(3) 構造化クラスタリングと動き補償予測を用いた動的3D メッシュデータの圧縮等

を実施した。

画像・映像の認識に関する研究について、(1) HSV 閾値処理と SVM を用いた速度標識の

画像認識精度の向上、(2) 垂直軸回りのプロジェクションを用いた 3 次元画像モデルの部分

検索、(3) Retrieval of 3D Shape Model Using Rendering Image as Query 等を実施した。これら

の研究成果は国際学会等で公表した。

4.大学内外における共同的な研究活動

次の共同研究を進めている。

株式会社ナビタイムジャパンと「ナビゲーションのための画像認識に関する研究」

明星大学・福田光一教授と「物体形状情報の効率的表現方法に関する研究」

玉川大学・大竹敢教授と「非線形処理を含めた視覚情報処理に関する研究」

5.教育活動

(学部)

基礎情報学,画像情報工学,ヒューマンコミュニケーション,理工学概論,情報理

工学実験Ⅰ、情報理工学実験Ⅱ、情報理工学演習Ⅲ,ゼミナールⅠ,ゼミナールⅡ,

卒業研究Ⅰ、卒業研究Ⅱ

(大学院)

パターン認識特論,大学院演習ⅠA、B,大学院演習ⅡA、B,大学院演習ⅣA、B,

情報学演習ⅠA、B,情報学演習ⅡA、B,研究指導

6.教育研究以外の活動

理工学専攻主任、理工教育研究推進委員会委員、理工広報委員会委員長、発明委員

会委員、理工振興会運営委員会委員、

7.その他

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所属 情報理工学科

氏名 川端 亮

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 情報システム,ソフトウェアの分析,設計に関する研究

キーワード: 情報システム分析,情報システム設計,ソフトウェア分析,ソフトウ

ェア設計,仕様図面の再利用

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

情報システムの開発を効率的に進めるための方法やツールの研究を行う.情報システム

の開発では,何もない状態からシステム化の対象を分析・設計するのではなく,経験的に,

既存の情報システムの開発時に行われた分析・設計の結果から,近い物を探し,再利用し

ている.既存のシステムの分析結果から再利用可能な近い物を探してくることは,人間の

手作業による部分が大きい.これをコンピュータでできる限り効率的に行うシステムとし

て実現していくことが求められる.

(a) システム仕様図面の構造と意味の観点からの検索と再利用 (大学院生テーマ)

(b) 業務フロー部品の再利用(学部生テーマ)

(c) 三層モデルに基づくシステム分析(学部生テーマ)

(d) トランザクション分析からのE-R図生成(学部生テーマ)

(a)について,再利用可能なシステムの仕様図面を探し出すことは,人間の作業によるとこ

ろが大きい.この作業を計算機により支援することで効率化が期待できるが,次のような

難しさがある.

・ダイアグラム中の要素の意味を表すために,要素に付けられたラベルの記述が人によっ

て異なる書き方をされている

・再利用する時に,似たものを探すが,人間は,既存の図面と探そうとしている要素のラ

ベルの記述から,概念が共通のものを認識している.

コンピュータが解釈可能なように,ラベルの記述をある程度,形式的にすることで,多く

のダイアグラムから再利用可能な候補を探し出すことが可能になるものと考える.

(b)について,似ている業務であればシステムの振る舞いや構造,つまり「実装」の前段階

である「要求・設計」の情報を再利用できる可能性が高い.

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そこで,システム開発工程の「要求・設計」情報である業務フローのダイアグラム情報

を再利用し,システム分析の作業を効率化する方法の開発を行う.業務フローのダイアグ

ラムの構造から再利用の単位となる「経路」を定義し,機械的に抽出する.この抽出した

経路を可視化し,人手によって組み合わせることで,業務フローの情報を再利用する.

(c)について,ソフトウェアアーキテクチャの1つとして,三層モデルがある.三層モデル

に基づく分析モデルに於いて,システムが異なっても,共通に利用可能な構造が見受けら

れる.このような構造をパターンとして抽出し,再利用できるのではないかと考える.

(d)について,情報システムの中核であるデータベースの設計モデルに ER 図がある.情報

システムは,ユーザからの要求をトランザクションとして処理することに着目し,このト

ランザクションの分析結果に含まれる情報を使う事で ER図の設計を効率化できると考える.

その設計のプロセスを明らかにする.

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

(a)について,

前年度までに行ったこの研究の基本概念部分と,一部機能を実装したエディタについて

の研究成果を国際会議 ICEEで大学院生の佐々木拓真氏が発表し,Best Paper Awardを受賞

した.前年度に引き続き,各ノードに格文法で意味づけをした Petri Net のシステム記述

から,構造と意味の観点で検索する機能の設計,実装を行った.検索結果について,意味

と構造の観点から検索対象との近さをどのように判断するか検討を行った.

(b)について

協調業務分析向きダイアグラム MCM によるシステム記述を対象に業務フロー部品を抽出

する方法を検討した.前年度までのダイアグラム Petri Net はフローを表すアークが1種

類であったのに対し,MCM では,token, information, material を表す3種のアークがあ

る.また,分岐・合流を表すノードが5種類ある.これらを考慮し,既に開発済みの業務

フロー部品再利用システムに改良を加えた.

(c)について

三層モデルに基づき,データフロー図と状態遷移図を組み合わせたダイアグラムによる

分析法を使い,POSシステムとオンラインショッピングシステムに適用した.また,再利用

可能なパターンについて,修正を行った.

(d)について,トランザクションによる分析

図書館システム,オンラインショッピングシステム,DVDレンタルシステム,銀行システ

ム,不動産システムを例に,分析法を適用した.また,この分析法を使って E-R 図を抽出

するには,どの程度詳細な STD記述が必要かについての実験,考察を行った.

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

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該当なし

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

情報リテラシ演習(データの収集・分析・利用),情報フルエンシー(システム情報処理),

情報フルエンシー(プログラミング技法),情報リテラシ演習(情報学)

情報理工学Ⅱ(コンピュータソフトウェア),プログラミング言語論,ソフトウェア工学,

情報理工学演習Ⅱ,基礎プログラミング,情報理工学概論,社会情報学,ソフトウェア特

論,卒業研究Ⅰ,Ⅱ,ゼミナールⅠ,Ⅱ,情報学ゼミナールⅠ~Ⅳ,研究指導演習Ⅰ~Ⅳ

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

情報理工学科サイバー委員,情報理工ネットワーク構想委員,理工市ヶ谷キャンパス委員

会,教育研究用コンピュータシステム等運営委員,理工同窓会委員,同窓会担当者連絡係

(学外)

上智大学理工学部同窓会理事

Society of Design and Process Science (SDPS) のInternational Conference on IDPT

(Integrated Design and Process Technology) Program Committee 委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

該当なし

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所属 情報理工学科

氏名 後藤 聡史

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 作用素環論,部分因子環の指数理論

キーワード: 作用素環,部分因子環,テンソル圏,fusion 圏,グラフ,

代数的量子場の理論,共形場理論,位相的場の理論 など

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。

また、必要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「部分因子環の代数的/組合せ構造とその応用」

「情報不完備ゲームとその応用」(卒業研究)

「ダブル・オークションとメカニズムの顕示原理」(卒業研究)

「摩擦がある市場におけるポートフォリオ最適化」(卒業研究)

(展望)

関数解析学の一分野である作用素環論の中で,特に部分因子環の指数理論について研究

を行っている.

部分因子環の分類の不変量として現れる paragroup は,代数的/組合せ構造が,量子群・

可解格子模型・位相的場の理論・結び目と低次元トポロジー・共形場理論・代数的量子場

の理論など他分野の数学・数理物理学に現れる数理的対象の構造と共通する部分(および

異なる部分)を持っているため,それらの間の関係を調べることが,分野間の相互関係の

みならず,それぞれの分野を深く理解するために重要である.

計算機を使って具体的な例を計算することを含め,部分因子環とその不変量を深く調べ

てその構造を解明することにより,様々な分野の相互関係とその背後にある数理現象の理

解に役立てていきたいと考えている.

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3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

◇ Classification of quantum subgroups of quantum SU(2)

--- from the viewpoint of subfactor theory (上智大学数学談話会,2014 年 7 月)

○ 執筆中の数編の論文のうち,以下のものを投稿した.

◇ Mixed quantum double construction of subfactors, preprint

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

【春学期】

数学 BI(微分積分)(情報理工学科用クラス),数学演習 I(情報理工学科用クラス),

情報理工学演習Ⅲ,ゼミナールI,卒業研究I

【秋学期】

フーリエ・ラプラス解析,測度論,ゼミナールⅡ,卒業研究Ⅱ,解析学特論Ⅳ

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)【全学】図書館委員,【理工学部】理工入試委員

【情報理工】建物委員,予算委員

【数学領域】設備機器管理委員,図書委員,会計委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 五味 靖

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 岩堀ヘッケ環および鏡映群の表現論

キーワード: 岩堀ヘッケ環,鏡映群,コクセター群,マルコフトレース,ガウス和,

ストリング C 群, 抽象的多面体

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

1.「一般の巡回ヘッケ環上のマルコフトレースの構成」

2.「岩堀ヘッケ環に対するガウス和の構成」

3.「ストリング C 群の分類」

(展望)

1.「一般の巡回ヘッケ環上のマルコフトレースの構成」というテーマで研究に取り組んで

いる。岩堀ヘッケ環上のマルコフトレースは一般的に構成されたが、その構成の巡回ヘッ

ケ環への拡張を研究している。その構成から,幾何学や表現論への応用が期待される。

2.「岩堀ヘッケ環に対するガウス和の構成」というテーマで研究に取り組んでいる。元々

数論的に構成されたガウス和を自然に有限ワイル群へ拡張することに成功し、さらに A 型

岩堀ヘッケ環にまで拡張された。それらをほかの型の岩堀ヘッケ環へ拡張すべく研究して

いる。

3.「ストリング C 群の分類」というテーマで研究に取り組んでいる。位数が小さい場合や

特別なタイプについては分類されているが, 一般の場合については分類が完成していない。

ストリング C 群が特に 2-群の場合について研究し, まずは分類がまだされていない位数

1024 の場合の分類の完成を目指している。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

A型岩堀ヘッケ環上のガウス和に関する論文を雑誌に投稿した。

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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

理工学部共同研究:「ヘッケ環及びそれに関連する代数のモジュラー表現論」(澤田伸晴)

「Regular abstract polytopes and their automorphism groups」

(Mark L. Loyola (Ateneo de Manila University))

学外共同研究:「Regular abstract polytopes and their automorphism groups」

(Ma. Louise Antonette De Las Penas (Ateneo de Manila University))

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

数学 BⅠ(微分積分), 数学 BⅡ(多変数微積), 代数学Ⅰ(群論), つくるⅠ,

数学演習Ⅰ, 理工基礎実験演習, 情報数理演習Ⅰ, ゼミナールⅠ・Ⅱ, 卒業研究Ⅰ・Ⅱ

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)SLO 企画委員会, 理工広報委員会, 理工同窓会委員

情報理工学部 3 年クラス担任,数学科 4 年クラス担任

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

平成 26 年度科研費:基盤研究(C)「岩堀ヘッケ環および鏡映群の表現論」(80 万円)

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所属 情報理工学科

氏名 ゴンサルベス タッド (TAD GONSALVES)

1.Research Field and keywords

Research Field: Evolutionary Computation & Design of Expert systems

Keywords: Soft Computing, Genetic Algorithm,Optimization,Simulation, Expert

Systems

2.Research themes

Application of Evolutionary Computation techniques to solve problems of the type:

Optimal design of business and service systems

Minimization of energy consumption

Optimal staff allocation and team building in project management

Optimizing capacity problems

Computer games

Most real-world applications involve a large number of variables. Designing a system

with efficient and optimal performance invariably leads to a combinatorial optimization

problem, which cannot be solved by conventional computational methods. Evolutionary

algorithms are designed to solve these types of combinatorial optimization problems in

a reasonable amount of time. This method is an approximate, but intuitive approach

based on making a computational model of the evolutionary processes that are found in

nature. Evolution is a random process with starts with a limited set of objects, subjects

them to evolutionary process which in the long-run results in the suppression of the

defective objects and the emergence of better-fit or optimal objects.

The Evolutionary Algorithms work on a similar principle. They start with a small

number of random solutions to a given problem and apply evolutionary operators to

these solutions. After many repeated runs (called generations), the inferior solutions are

eliminated or replaced and only the superior solutions with respect to the numerical

value of an objective function are allowed to evolve.

This approach is meta-heuristic in nature, meaning it is domain-independent and

hence can be applied to a wide range of problems. In my research, I have attempted to

apply this optimization technique to problems in domains like service systems, project

management, railway engineering, computer games, etc.

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3. Research presentation and publications in 2014

1. Tad Gonsalves and Takafumi Shiozaki (2015). Solving Capacity Problems as

Asymmetric Travelling Salesman Problems, International Journal of Artificial Intelligence & Applications (IJAIA), Volume 6, Number 1, pp.53-65.

(http://www.airccse.org/journal/ijaia/current2015.html)

2. Tad Gonsalves and Takafumi Shiozaki, Ant Colony Optimization for capacity

problems, ITCS2015, January, 2015.

3. Fernández Rodríguez, A.; Fernández-Cardador, A.; Cucala, A.P.; Domínguez,

M.; Gonsalves, T.; Design of robust and energy efficient ATO speed profiles of

metropolitan lines considering train load variations and delays, IEEE Transactions on Intelligent Transportation Systems. December, 2014.

4. Tad Gonsalves, Hybrid Swarm Intelligence, Encyclopedia of Information Science and Technology, (3rd ed., Mehdi Khosrow-Pour ed.), Information

Science Reference, 2014, pp. 185-196.

5. Tad Gonsalves, Web Mining – the state of the art, Encyclopedia of Information Science and Technology, (3rd ed., Mehdi Khosrow-Pour ed.), Information

Science Reference, 2014, pp. 1937-1947.

6. Tad Gonsalves and Akihiko Oguro: Feed-forward Neural Network Training

using Particle Swarm Optimization, Advances in Computer Science and Engineering, 2014, 12(1):1-13.

7. María Domínguez, Antonio Fernández-Cardador, A. Paloma Cucala and Tad

Gonsalves: Multi Objective Particle Swarm Optimization algorithm for the

design of efficient ATO speed profiles in metro lines, Engineering Applications of Artificial Intelligence, vol. 29, March 2014, pp. 43–53.

8. Tad Gonsalves and Yasuaki Nishimoto, Data Clustering through Particle

Swarm Optimization driven Self-Organizing Maps, ICSIIT2015, March, 2015.

9. Tad Gonsalves and Yasuaki Nishimoto, Classification of Blog writers,

SDPS2014, June 2014.

10. Tad Gonsalves and Ayako Fukunaga, Expert system for maintaining a healthy

life-style, SDPS2014, June 2014.

4. Joint Research Project

I was working on the optimization of the operation of a sea-bed wench system to be

placed in the Arabian sea, at the National Institute of Oceanography, Goa, India, from

July-Sept, 2014.

5.Educational responsibilities

Courses Taught

English for Science & Engineering (Courses: 2F, H), Simulation Engineering (undergrad),

Simulation Engineering (grad school), Simulation Engineering (Green Science Program),

Information Literacy, Java Programming, Information Technology Experiment I & II (Coordinator),

Dept. seminar.

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Under-grad thesis directed:

1. Design of Othello playing agent using the Harmony Search Algorithm and Neural

Networks.

2. Designing optimal time-table using the Artificial Immune Algorithm

3. Twitter data mining for predicting stock prices.

4. Mine-sweeper application using Neural Networks and Genetic Algorithm

5. Word similarity measuring system using Differential Evolution

6. Extra-curriculum activities

Being the head of the publicity group of the Department, I am in-charge of

organizing the Open Campus in summer.

I am also a Committee member of the following international committees &

conferences:

1. Academy & Industry Research Collaboration Centre (AIRCC)

2. Conference on Computer Science & Information Technology (CoSIT2014)

3. Society for Design and Process Science (SDPS)

I am a reviewer of the following international journals:

1. Journal of Soft Computing, Elsevier

2. Journal of Artificial Intelligence

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所属 情報理工学科

氏名 笹川 展幸

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 神経細胞の情報伝達機構に関する薬理学的研究、神経科学

キーワード: 神経細胞、神経伝達物質、開口放出、生理活性物質、生物由来毒素

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

神経系細胞における分泌小胞の膜融合過程と細胞内動態の調節機構の研究: 近年、SNARE蛋白質を

中心とした分子間の相互作用や各種小分子の調節によって開口分泌現象を理解しようとする研究が

盛んであるが、そのメカニズムの全容は解明されていない。細胞表面での開口現象をアンペロメトリ

ー法で解析すると共に、分泌小胞の細胞内動態を可視化し時空間的に解析することにより、新規な現

象の発見やその機構の解明を目指している。 さらに、神経系細胞の情報伝達機構に及ぼす新規生物

由来物質や毒素の作用機序につき検討する。 それら物質の作用機構の理解を、前記テーマへフィー

ドバックし、相乗効果を期待している。 臨床で使われる薬物、特に抗うつ薬や漢方薬等のシナプ

ス小胞の開口放出過程や小胞内伝達物質量及ぼす作用についても検討する。 ニューロンにおける

アミントランスポーターの分子生物学的研究は急速に進み、数種の中枢神経系疾患との係わり、また

抗うつ薬の投与によるSNARE蛋白質の発現量の変化等が報告されている。アンペロメトリー法では、

1つのシナプス小胞中の伝達物質の量的変化が生きた単一ニューロンで定量でき、またその動態を解

析出来るので、抗うつ薬の長期投与がおよぼすアミントランスポーターの機能変化や開口分泌に対す

る効果を薬理学的に解析する予定である。 また、神経変性疾患関連因子が神経細胞の開口分泌反応

におよぼす作用および漢方薬の神経細胞の各種機能に対する効果についても共同研究を開始した。

3.2014年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

従来、ドパミンニューロンと副腎髄質クロマフィン細胞を神経系細胞のモデルとして研究対象とし

て用いてきたが、新たに小脳顆粒細胞初代培養細胞の実験系の導入を目指し、培養法、その神経伝達

物質であるグルタミン酸の分離・定量法の基礎的検討を行い基礎的データを得た。 また、副腎髄質

クロマフィン細胞を用い細胞骨格関連タンパク質の分泌顆粒供給機構、膜融合機構、分泌顆粒の細胞

内動態における役割について検討した。 その結果、アクチンフィラメントの重合反応が分泌顆粒の

供給機構に重要な役割を果たしている事、さらに膜融合過程を制御している可能性を示唆する結果を

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得た。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

国立研究開発法人国立がん研究センター・がん患者病態生理研究分野長・上園 保仁先生と抗がん

剤治療を受けている際に、食欲を改善させる作用のある漢方薬「六君子湯(りっくんしとう)」の神

経系細胞の機能に対する作用の総合的検討を目的として共同研究を開始した。 卒業研究の 1つのテ

ーマとして、基礎的検討を行った。

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

入門毒物学、ヒトの生物科学、理工学概論、基礎生物学、情報生物学の基礎、福祉情報学、

神経情報薬理学、ゼミナール、卒業研究、

理工基礎実験演習、物質生命理工実験A、情報理工学実験Ⅰ、 生物科学実験Ⅲ

細胞内情報伝達論、生物科学ゼミナール、大学院演習、研究指導演習、Environmental Life Science

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内) 全学学務委員、情報理工学科就職委員

(学外) 東京慈恵会医科大学薬物治験審査委員会委員

東京慈恵会医科大学医療機器治験審査委員会委員

日本薬理学会学術評議委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 澁谷 智治

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 情報の符号化とその周辺の数理的問題に関する研究

キーワード: 量子誤り訂正符号,量子情報,振幅ダンピング量子通信路,

(古典)誤り訂正符号,符号化アルゴリズム,反復復号アルゴリズム,

ランク変調,フラッシュ符号,compressed encoding,

尤度計算アルゴリズム,機械学習

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

1. Compressed Encoding を利用したフラッシュメモリの記憶容量増大に関する研究

2. Compressed Encoding における最小支配集合探索アルゴリズムに関する研究

3. 反復復号に適した低コスト EAQEC 符号の構成に関する研究

4. 振幅ダンピング通信路に適した量子誤り訂正符号の構成に関する研究

5. 有限体上のヤコビ法により反復符号化可能な線形符号の誤り訂正能力の向上に関す

る研究

6. ノンパラメトリックベイズモデルに基づく機械学習を用いたネットワーク分割に関

する研究

7. ネットワークの特性に基づくモジュラリティの選択に関する数値的検討

(展望)

情報に対する様々な符号化に関する研究を行っている。

フラッシュメモリの長寿命化を実現する符号化に関する研究(テーマ1,2)では,フ

ラッシュメモリの物理特性に配慮した情報の表現を実現する符号化法について検討してい

る。特に,フラッシュメモリの書き換え頻度を抑制しつつ記憶容量の最大化を実現するよ

うな符号化の一つである “Compressed Encoding” を用いた際に,フラッシュメモリの記憶容

量を増大させるための手法について詳細な検討を行っている。また,Compressed Encoding

を用いた際の書き換え可能回数の限界値についても検討している。

量子誤り訂正符号に関する研究(テーマ3,4)では,量子力学に特有の事象を情報処

理における需要なリソースととらえることによって,従来不可能とされていた誤り訂正符

号の構成に向けての基礎理論の構築を行っている。特に,量子もつれを利用することによ

って,これまで構成が不可能とされてきたある種の量子誤り訂正符号が構成できることを

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明らかにし,その具体例の構成を行っている。また,量子通信に特有の通信路に適した高

効率量子誤り訂正符号の具体構成にも取り組んでいる。

情報に対する誤りへの耐性を付加する符号化に関する研究(テーマ5)では,符号化の

高速化やより高性能な誤り訂正符号の開発に取り組んでいる。特に,高速符号化可能でか

つ誤り訂正能力の高い LDPC 符号の具体的構成に取り組んでいる。

ビッグデータを解析する主要な手法の一つである機械学習に関する研究(テーマ6)を

今年度より立ち上げた。今年度は特に「ノンパラメトリックベイズモデルに基づく機械学

習」を取り上げ,その基礎理論についての検討を進めた。また,ネットショップにおける

推薦商品の提案などでも頻繁に用いられる「ネットワーク分割問題」を通じて,機械学習

アルゴリズムの具体的実現についても取り組んだ。さらに,モジュラリティと呼ばれる評

価関数を用いたネットワーク分割手法(テーマ7)にも合わせて取り組み,ネットワーク

分割に用いられる各種手法の比較についても検討を行った。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

2で述べた研究テーマに対し,以下の研究成果を得た。

- Compressed Encoding を利用したフラッシュメモリの記憶容量を増大するための符

号語割り当て法

- 量子もつれを利用したスタビライザー符号,特に反復復号に適した具体的符号の構成 - 次数分布に基づく高性能リバーシブル LDPC 符号の構成方法

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(学部)

情報通信工学の基礎,情報理工学Ⅲ,暗号・符号理論と情報セキュリティ,離散数学

卒業研究 I・II,ゼミナール I・II 理工基礎実験・演習(情報演習担当,演習のデザインとテキストの作成)

情報リテラシー演習,情報フルエンシー(情報メディア活用)

(大学院)

情報理論特論

大学院演習 IA・IB,IIA・IIB,情報学ゼミナール IA・IB,IIA・IIB,研究指導

(学外非常講師)

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情報理論(中央大学)

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)情報理工学科

学科サイバー委員,学科建物委員

情報学領域

入試委員

(学外)電子情報通信学会

著作権管理委員会 委員

基礎・境界ソサイエティ 庶務幹事

ソサイエティ論文誌編集委員会 査読委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

科学研究費補助金 基盤研究(C)(平成24年度~26年度,360万円)

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所属 情報理工学科

氏名 炭 親良

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 生体医工学、医用超音波、核磁気共鳴医学、リモートセンシング、通信、

可視化工学(ビジュアリゼーション)、セルラー/ティッシュエンジニアリング、計測シス

テム工学、環境計測、多次元信号処理、波動応用、光学応用、電気電子工学応用、逆問題

等に関する研究など。

キーワード: ヒト、組織、血液、細胞、神経回路、診断、治療、再生医療、癌、

梗塞疾患、動態観測、コミュニケーション、超音波、電磁波、光、核磁気共鳴、熱、マイ

クロスコープ、レーダー、ソナー、非破壊検査、省エネなど。

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

研究テーマ:

「超音波イメージング技法の開発」

「超解像に関する研究」

「超音波を用いた組織内変位ベクトル/歪テンソル計測イメージング技法の開発」

「超音波を用いた組織内粘弾性特性計測イメージング技法の開発」

「超音波を用いた組織内電気活動/電気物性計測イメージング技法の開発」

「超音波や電磁波を用いた低侵襲的加熱治療法(治療計画法を含む)の開発」

「強力超音波や放射圧の反射波と散乱波を用いた計測およびイメージング技法の開発」

「超音波や電磁波を用いた組織内温度/熱物性計測イメージング技法の開発」

「光学各種計測」

「赤外線計測イメージング」

「熱波応用」

「各種治療による組織変性のモニタリング技法の開発」

「電気磁気計測に基づく神経回路網イメージング技法の開発」

「コヒーレントおよびインコヒーレント信号処理」

「非線形信号処理」

「レーダー、ソナー、コミュニケーション応用」

(展望)

上記の研究テーマを中心に、医療、セルラー/ティッシュエンジニアリング、リモート

センシング、環境等に貢献することを目的に研究開発に取り組んでいる。工学的に、

又は、臨床的に応用レベルに達しているものもあるが、基礎研究であるものもある。

広範な分野へ貢献できる取り組みであり、新しい計測イメージング技法の開発に基づ

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き、「みる」、「なおす」、「つくる」ことを追求している。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

上記の研究テーマに関して研究開発を行った。計測精度や治療精度を向上させた。特に、

超音波画像の高分解能化と歪テンソル計測に関し、飛躍的に精度を向上させた。

得られた成果を以下の如く行うと共に知財化を図った。

国際会議(ITEC、5頁プロシーディング) 2件 国内研究会(電子情報通信学会超音波研究会他、6頁以上の執筆原稿資料の公開) 2件 国内会議(日本超音波医学会、生体医工学会) 5件 国内特許登録1件

国内特許出願4件

米国特許登録2件

米国特許出願1件

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

(大学院)SLO産学技術交流会ポスター展示

「複数の超音波ビームを用いた組織変位計測 -基礎実験」

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(学部)生体医工学、可視化工学、基礎物理学、電磁気測定、情報理工実験I とII、ゼミ

ナールI とII、卒業研究I とII (大学院)医用画像工学、情報学ゼミナールIA、IIA、IB、IIB、大学院演習IA、IIA、

IB、IIB、研究指導、論文指導

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)電気電子工学科クラス担任、SLO 企画委員会委員 (学外)Honorary editorial board of Reports in Medical Imaging

Editorial board of Journal of Medical Engineering

Editorial board of International Journal of Biomedical Imaging

Editor of Medical Imaging and Computational Biosimulation

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

特に無し。

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所属 情報理工学科

氏名 高岡 詠子

1.研究分野とキーワード

研究分野: 医療・環境・教育・福祉を支えるアプリケーション構築やデータ解析

キーワード: コンピュータと社会(医療・環境・教育・福祉),データベース,Web

アプリケーション,医療情報システム,多言語情報提供システム,地域医療連携,ビッグ

データ管理,気象データ解析,タッチタイプ,高校情報教育,プログラミング教育

2.研究テーマ

1. 環境測定フレームワークの実用的な運用:所属している LiveE!プロジェクトでは各地

に簡易気象センサを設置し,インターネットを通して環境情報を提供するというイン

フラ構築を行いつつその有効性を検証している.このプロジェクトをベースにしてデ

ータ解析やデータ取得アプリケーション構築などを含めたフレームワークの運用を目

指している.海外への設置も徐々に進められており,今後ヨーロッパやアジアへさら

に展開する予定である.

2. 医療・看護・福祉・介護分野における多言語対応情報提供システム構築:

第 5 回(2014~15 年度) 教職協働・職員協働イノベーション研究において,システ

ム構築のための人的・組織的ネットワーク作りを行っている.2015 年度以降は本格的

な設計・実装に向けて始動する.

3. 地域医療連携等の医療情報ビッグデータ分析による医療から介護への推移分析研究:

共同研究契約を結んでいる(株)久保田情報技研との共同研究である.介護施設や医

療情報の企業,医師,看護婦,医療情報システム研究会との共同研究であり,症状や

処方データから病名を推測するなどを目的とした分析アルゴリズムを構築することで,

ビッグデータの価値ある分析を行う,医療と介護の関連付けを研究し,地域にみられ

る在宅介護への移行等の判断を行う(長期目標).長期目標を達成するために 2014 年

度は下記(1)~(3)の3つのアプリの設計と構築を行った.今後はサーバに情報をアップ

ロードする機能を追加する.

4. 初等中等教育におけるプログラミング・情報教育:高大連携事業において,いくつか

の高校で情報やプログラミングの授業を行い,現在大学で行っているような情報フル

エンシーの考え方を中学,高校レベルで効果的に教育する方向を模索していく.海外

の研究者とのディスカッションを通して開発した教育法は海外の Web サイトでも紹

介されており,今後も共同で研究を進めていく計画がある.タッチタイプに関するデ

ータ解析も行っており,高大連携を行っている高校では高校生のタイピングデータを

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取得させてもらい,そのデータを今後解析する予定がある.

3.2014年度の研究成果

(1) 医療情報連携を目指した血圧測定情報参照アプリの設計と構築

一つのサーバから複数の医師や複数の患者がアクセスをし,必要な医療情報の取得や

測定値をサーバに送るといった医療情報連携を目指し,本研究では医師と患者が使用

する血圧と脈拍に特化した情報参照アプリの設計と構築を行った.

(2) 多職種による情報連携を目指した血圧測定情報参照アプリの設計と構築

多職種による情報連携を目指した,血圧測定情報参照アプリの基盤となる開発を行っ

た.今回作ったシステムは,端末のみで機能するため,今後の展望として,情報連携

を図り,実用化を目指す上で,データをサーバに送信するなどの機能の追加が求めら

れる.

(3) 医療情報連携を目指した電子お薬手帳参照アプリの設計と構築

医師が使用する電子お薬手帳参照アプリの設計と構築を行った.誰がどの薬を飲んで

いるのか,薬の情報を正確に管理できる,処方箋についている QR コードを読み取る

ことで登録を行う機能に加え,手入力による登録ができる機能を追加した.

(4) 看護・福祉・介護分野における多言語対応情報提供システム構築を目指した人的・組

織的ネットワークの構築

日本における医師や看護師,介護福祉士,社会福祉士・精神保健福祉士等福祉に携わ

る方々,さらには専門性のあるボランティアが外国人の方とスムーズにコミュニケー

ションをとるための支援をすることを目的とし,上智大学に存在する社会福祉学科,

看護学科,情報理工学科という学際的な視点から医療・看護・福祉・介護に焦点を当

てた多言語対応情報提供システムの構築を目指した人的・組織的ネットワークの構築

を行った.外国人患者さんの多い数カ所の病院を訪問し,多言語対応情報提供システム

の必要性や具体的な運用のニーズについてインタビューを行った.また,学内の各組

織への協力の要請を行った.その結果,学内外で協力をいただける体制が整った.

(5) 高等学校における実用的プログラミングの教育実践

独立行政法人科学技術振興機構が行っているサイエンス・パートナーシップ・プログ

ラム(SPP)授業の一環として千葉県立柏の葉高等学校情報理数科で行っているプログ

ラミング実践授業

(当該高校の Webサイト http://cis.kashiwanoha.ed.jp/?page_id=820)に伴う研究.

高校生が実用的なプログラムを書くことを目的として,高校において希望者を対象に,

夏休みの数日間のプログラミング教育を設計し,開発し,評価するという試みを 2012

〜2014年度に行った.講座の目的を「実用的なプログラムをつくる」ことに置き,講

座の最後に生徒がアプリケーションを作ることで,実用的プログラミングスキルを身

につけたかどうか確かめることを行った.2014年度は,過去 2年間の研究を踏まえて

コンテンツやスケジュールを改善し講座を展開した.例年と異なり大半の生徒が 1 年

生であったが,学習意欲が高く,事前課題の取組も良く,プログラミングに対しての

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興味がある生徒が多かった.後半部分の理解度のバラつきはあったものの,全体的に

昨年度よりも理解度は上がったと評価できた.またプログラム作品を自ら作って発表

した生徒の割合も増加した.意欲のある生徒に短期間で実用的プログラミングスキル

を習得させるための教育効果が得られたと考えられる

(6) タッチタイピング初心者・中級者の打鍵特性の解析

初心者タイピスト 14名と中級者タイピスト 9名を対象に前年度までに行われた実験デ

ータの解析を行った.本研究では初心者タイピストごと,中級者タイピストごとにも

目を向けてより詳細なデータ解析を行った.さらに打鍵特性式を参考に初心者と中級

者の総合打鍵特性式を導くことで打鍵特性を明らかにした.

4.大学内外における共同的な研究活動

<共同研究>

株式会社 久保田情報技研との共同研究

「在宅医療・介護を支えるアプリケーションの開発」というテーマで2014年4月

1日 ~ 2016年3月31日の期間で共同研究契約を締結.医療現場のニーズに合

わせ,介護施設で働く介護士,看護師や訪問看護,在宅医療を行う医師や看護師が使

用するアプリケーションを開発するという内容である.

医療情報システム研究会との共同研究

理工学部同窓会が設立した当該研究会のメンバーとして所属.2014 年度卒業研究テー

マ(上記(1)~(3))について理工学部同窓会から表彰された.

第 5 回(2014~15 年度) 教職協働・職員協働イノベーション研究

2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会で上智大学ができること:医療・

看護・福祉・介護分野における多言語対応情報提供システム構築を目指した人的・組

織的ネットワークの構築とシステムの概念設計

2015 年 1 月から 9 月までの期間,社会福祉学科,看護学科,神学部,学術情報局研究

推進センターとの共同研究を行っている.詳細は上記 3(4)参照.

LiveE!協議会に所属し,企業,大学等と共同で研究を行っている.詳細は下記の通り.

個人や組織により設置運営される「デジタル百葉箱」等が自律的に生成・取得する,

気象情報や都市活動に関する情報など,広義の地球(Earth)に関する 生きた(Live)環

境(Environment)情報が自由に流通し共有される電子(Electronics)情報基盤を形成発

展させ,自律的で自由な 環境情報の利用法,安心安全で効率性の高い活動空間(=

環境)の創造を目指す. 地球温暖化対応のような環境保護対策での利用はもちろん

のこと,教育,公共サービス,ビジネスアプリケーションなどの分野での自由で自律

的な利用法につい て,積極的な働きかけを行う.

都立多摩科学技術高校との高大連携活動: LiveE!高大連携活動の一環として,「気象

観測データの可視化アプリケーションの構築」を行っている.

千葉県柏の葉高等学校との高大連携活動: LiveE!高大連携活動および科学技術振興機

構より支援を受けサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト事業活動の一環とし

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て『Webプログラミングの技術を学び,人の役に立つソフトウェアを作成する−環境セ

ンサのネットワークとデータを活用した情報の可視化−』(2014 年度 SPP 課題名)を行

った.

千葉県立柏の葉高等学校:情報理数科第8回研究発表会平成 27 年 3 月 14 日(土)に参加

5.教育活動

科学技術英語(情報),データベース,情報科学特論,情報フルエンシー(情報科学と人間),

情報学演習 I,研究指導,大学院演習 IA,IIA,IB,IIB, 卒業研究 I,II,情報学ゼミナール

IA,IIA,IB,IIB,ゼミナール I,II,プログラミング演習,社会情報学,Basic Informatics(英

語コース)

科学技術英語(情報),データベース,情報科学特論,情報フルエンシー(情報科学と

人間),情報学演習 I,プログラミング演習,Basic Informatics の各授業の資料作成.Moodle

にほぼすべてアップロード

オープンキャンパス(7/31)体験授業「私でもプログラミングでゲームが作れる?」

<学外>

明治学院大学:情報科教育研究1,情報科教育研究2,教育の技術と方法

国際基督教大学:コンピュータと人間,情報科教育法 II

放送大学テレビ:計算事始め’13テレビ放映,オープンコースウェア

千葉県立柏の葉高等学校:

「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」に係るプログラミングの指導

第1回 6月 13日

第2回 6月 20 日

第3回 7月 10 日

第4回 7月 24 日

第5回 8月 1日

6.教育研究以外の活動

(学内)

理工 2014 年度就職担当委員(情報学)

テイヤール・ド・シャルダン委員会委員

カトリックセンター委員会委員

情報理工学科平成 23 年度新入生担任

教育用コンピュータ環境整備委員会委員(情報理工学科)

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情報理工学科カリキュラム委員

(学外)

国際基督教大学非常勤講師

明治学院大学非常勤講師

独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験委員

情報処理学会コンピュータと教育研究会運営委員

情報処理学会学会誌編集委員会委員 EWG 主査

情報処理学会論文誌ジャーナル/JIP 編集委員会委員小委員会(情報システムグル

ープ[Information Systems Group])委員(2014 年 6 月まで)

情報処理学会初等中等教育委員会委員

情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」(TCE)編集委員

情報処理学会情報処理教育委員会若手奨励賞 WG 委員

LiveE!プロジェクト主催第 3 回コンテスト運営委員長

東京都立 多摩科学技術高等学校平成 26 年度スーパーサイエンスハイスクール

(SSH)運営指導委員

7.社会貢献活動,その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください.)

SSH 第 1 回運営指導委員会(東京都立多摩科学技術高校,平成 27 年 5 月 28 日(水))

SSH 第 2 回運営指導委員会(東京都立多摩科学技術高校,平成 27 年 10 月 16 日(木))

SSH 第 3 回運営指導委員会(東京都立多摩科学技術高校,平成 27 年 3 月 3 日(火))

平成 26年度 2年課題研究発表会(IT領域)(東京都立多摩科学技術高校,平成 27年 3月 23日(月))

2013 年度情報処理学会学会活動貢献賞, 2014.

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所属 情報理工学科

氏名 高橋 浩

1.研究分野とキーワード

研究分野: 超高速光通信システム

キーワード: 光ファイバ通信,変調方式、光信号処理、光変調器、光集積回路

2.研究テーマ

「超高速光通信ネットワークの実現に向けた通信方式・光信号処理の研究」

情報化社会の進展とともに、IP(internet protocol)データのトラフィックは今なお急増

を続けており、光ファイバを用いた通信ネットワークのさらなる高速化は喫緊の課題であ

る。そのため、新たな変調方式を用いて光送受信機が1秒間に送受信するビット数(伝送

速度)を高める必要がある。

従来、光ファイバ通信ではデジタル信号の1と0を光の On と Off で表現、すなわちレー

ザ光源の点滅で情報を送っていたが、その伝送速度は概ね 10Gbit/sが限界であった。近年、

情報に応じて光の位相を変化させることで、1つの信号に複数ビットの情報を含めること

のできる多値変調方式に移行し、現在は 100Gbit/s が実現されている。今後、伝送速度を

さらに高めるには、多値度をさらに上げる、変調効率を高める、複数チャネルを多重する

など、変調方法に新たな手法を導入する必要がある。また、光ファイバ材料である石英ガ

ラスの屈折率の分散や非線形性に起因する伝送信号波形歪みに対する補償も必要である。

本研究では、これら諸問題を解決し超高速光通信の実現を目指している。具体的には、ベ

ースバンドにおけるデジタル信号処理方式の検討、新しい光変調器の構造や駆動法の検討、

ファイバ伝送中の信号波形の検討、受信機における光信号処理およびデジタル信号処理の

検討などを行う。

また、上記研究で培われた光集積回路や光信号検出手法を光ファイバ通信以外の分野(例

えば、バイオ/医療における光学的高感度センシング)へ適用するなど、研究対象範囲を

徐々に広げて行く方針である。

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3.2014年度の研究成果

■超高速伝送実現に向けた研究として、以下の研究を行った。(卒業研究 3件)

(1)過剰損失のない新規ベクトル変調器に関する研究

通常用いられるベクトル変調器では、複素平面上における直交2軸で光を合成するため

3dB の原理損失が発生する。この損失を発生させない構造として、位相変調器と振幅変

調器を直列につないだ構成を提案し、その動作をシミュレーションにより検討した。そ

の結果、損失が0で従来のベクトル変調器とほぼ同等の信号を生成できることを示した。

(2)線形変調器を用いた伝送特性向上に関する研究

QPSK(quadrature phase shift keying)等の位相変調方式において、シンボル遷移時間中

の入出力関係が線形でない場合、高調波歪が発生する。この歪成分は波長多重通信にお

ける隣接チャネルに対する雑音となるため、できるだけ少ないことが望ましい。本研究

では、線形な変調器と従来の非線形な特性の変調器の両方について、QPSK信号を生成し

光ファイバを伝送した時の受信特性を評価し、線形変調器を用いることで伝送特性が改

善できることを明らかにした。

(3)倍速 2段駆動法による 256Gbit/s、DP-QPSK信号の生成と復調に関する研究

昨年度提案した 2 段駆動法の継続的研究として、この方法を dual polarization QPSK信

号の生成に適用し、変調速度 32Gbaudに対応した高周波デバイス・光変調器を用いても、

最終の伝送速度が 256Gbit/sの信号を生成できることを明らかにした。

※倍速駆動法の原理提案として以下の発表を行った

高橋浩、富田遼斗、「2 段変調による高シンボルレート化の基礎検討」、電子情報通信学

会ソサイエティ大会、C-3-2, 2014

■光集積回路/光信号処理回路技術に関して、以下の講演/発表を行った(共著)。

(1)T. Yoshida, H. Asakura, H. Tsuda, T. Mizuno, H. Takahashi, Silica-Based 100-GHz

Spacing Integrated 40-λ 1×4 Wavelength Selective Switch, Photonics Technology

Letters, vol. 26, pp.451-453, 2014

(2)S. Hayashi, T. Ikeda, T. Mizuno, H. Takahashi, H. Tsuda, Multi-functional

optical signal processing using optical spectrum control circuit, Proc. SPIE 9365,

Integrated Optics: Devices, Materials, and Technologies XIX, 936519, February 7,

2015

■光ネットワークと経済活動の類似性の研究に関して、以下の講演を行った。

小関健、高橋浩、竹田陽介、江口尚隆、ロンドン模型による SNA の経済構造解析、電子

情報通信学会技術研究報告、NLP2014-2, 2014

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4.大学内外における共同的な研究活動

・光ネットワークと経済活動の類似性の研究(共同研究、本学名誉教授)

・光回路技術のセンシングデバイスの応用を目指した探索的研究(共同研究、通信会社)

・次世代超高速光通信方式に関する研究(共同研究、通信装置&光デバイスメーカ)

5.教育活動

■学内の授業

・電気回路 I

・通信ネットワークシステム(光通信ネットワーク関連)

・ヒューマンコミュニケーション(電話、インターネット、携帯電話の基礎)

・情報理工学演習 III(Matlab プログラミング)

・情報理工学実験 I(CMOS 基本特性評価)

・情報理工学実験 II(CMOS 動作シミュレーション)

・卒業研究 I、II

・ゼミナール I(光ファイバ通信の概論)

・ゼミナール II(光ファイバ通信の概論)

・通信用光回路工学[大学院](光導波路、光フィルタ、光変復調)

・Advanced Electrical and Electronic Engineering[大学院、英語コース]

■学外の授業、セミナー講師

・オープンキャンパス模擬授業「インターネットをささえる超高速光ファイバ通信」

・教員免許状更新講座「情報通信技術の基礎」

・上智福岡高校出張授業「インターネットをささえる超高速光ファイバ通信」

・光集積回路に関するセミナー講演(応物学会、微小光学研究会)

・光ファイバ通信に関するセミナー講演(光とレーザの科学技術フェア)

6.教育研究以外の活動

(学内)

・情報理工学科 広報委員

・理工学部 市ヶ谷キャンパス委員会 委員

(学外)

・電子情報通信学会 コミュニケーション委員会 委員

・国際会議(OptoElectronics and Communication Conference) 総務委員

・国際会議(12nd International conference on optical internet) プログラム委員

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・IEEE/OSA Journal of Lightwave Technology, Associate Editor

・応用物理学会 微小光学研究会 実行委員

・超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会 技術調査部会委員

7.社会貢献活動、その他

特になし

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所属 情報理工学科

氏名 田中 昌司

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 感性脳科学,脳イメージング

キーワード: 音楽脳,脳機能ネットワーク,思考・認知制御,ワーキングメモリー,

社会脳,心の理論

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要

があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

人間の認知機能と脳ネットワーク活動の関係

脳ネットワーク・アーキテクチャー:音楽,共感性などとの関連性

自己と他者の理解のための脳ネットワークの研究

感情を伴う顔情報処理ネットワークの研究

ワーキングメモリーの容量と精度に関する計算論的研究

展望:

脳イメージング法による人間の脳活動と知性の関係を研究している.とくにネットワー

ク解析に重点を置いて,脳内情報処理メカニズムの解明につながる研究を行っている.新

しい手法として,安静状態の脳活動データから脳ネットワークの抽出を行い,様々な脳内

情報処理との関連を調べている.さらに,それをベースにして,教育,コミュニケーショ

ン,社会性などの今日的課題への応用を目指している.

音楽脳のネットワーク解析を行っている.音大生は幼少のころから継続して音楽トレー

ニングを受けてきているので,それが脳にどのような影響を及ぼしているかを解明する.

音楽は,共感や感情の制御,自己・他者理解など,人間が生きていく上で大切な能力を高

めると言われている.本研究の目的は,脳内のどのようなネットワークがそのような機能

を担っているのかを明らかにすることである.順天堂大学のMRI センターにおいて,音大

生と上智大生の脳イメージング実験を行う(上智大学および順天堂大学生命倫理委員会の

承認済み).同じ条件で,MRI, DTI, fMRI データを取得する.現在までに,上智大生に比

べて音大生が統計的に優位に大きさが異なる脳部位が複数特定された(Sato et al. 2015).

また,脳内ネットワークに関しても,強度が優位に異なる結合あるいはネットワークが検

出されている.左右差に関しても興味深い結果を得ている.今後は,脳機能との関連や音

楽トレーニングにおける脳の使い方などに関して考察を進める予定である.

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3.2014年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

順天堂大学医学部および桐朋学園大学音楽学部との共同研究によって,音楽脳のイメ

ージング研究を行った.具体的には,上智大生の脳と比較することによって,局所的

な大きさの違い(VBM 法),構造ネットワーク(DTI 法),機能ネットワーク(fMRI

法)などを詳細に調べた(現在進行中).

順天堂大学医学部との共同研究によって,視覚情報処理を行っている脳から脳波を記

録し,判別分析や主成分分析などの多変量統計解析を行い,初期の視覚情報処理に関

する脳ダイナミクスと事象関連電位との統計的な関係を研究した.

慶応大学医学部との共同研究によって,統合失調症患者の脳のワーキングメモリー回

路のモデルを構築した.また,このモデルを用いて,統合失調症の薬物治療に関する

考察(提言)を行った.

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)

脳イメージング実験(順天堂大学・医学部,桐朋学園大学・音楽学部)

統合失調症脳の計算論的研究(慶応大学・医学部)

人間の脳活動とマウスの行動解析(学内共同研究)

5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

学習・記憶・認知,脳科学,ヒューマンコミュニケーション,

情報理工学実験1,2,情報学セミナー,卒研指導,

大学院セミナー,大学院演習,研究指導

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内) 理工人事委員会委員,理工 STEC委員

(情報理工学科) 市谷キャンパス委員

7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

なし

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所属 情報理工学科

氏名 田原秀敏

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野:複素領域での偏微分方程式の研究

キーワード:偏微分方程式、複素領域、正則解、形式解、特異点、ラプラス変換、

ボレル総和法

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「ラプラス・ボレル変換のq-類似とq-差分方程式の研究」

「非線型偏微分方程式の形式解の収束性の研究」

「非線型偏微分方程式の解の存在領域の研究」

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

2014年度は、原著論文1編、国際会議1件、国内学会4件の発表を行った。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

特になし。

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

偏微分方程式、数学A、数学演習、情報数理演習Ⅰ、卒業研究Ⅰ、微分方程式の基礎、

解析学特論Ⅱ、卒業研究Ⅱ

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)理工教育推進センター運営委員会委員

(学外)Tokyo Journal of Mathematics 編集委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

科研費・基盤(C)(代表)

「複素領域での非線型偏微分方程式の解の特異点の研究」600 千円

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所属 情報理工学科

氏名 田 村 恭 久

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

・ 教育の情報化

・ 電子教科書

・ 学習活動記録データの収集・分析・活用(ラーニング・アナリティクス)

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

・ 教育の情報化:ICT Connect 21技術標準化 WG 座長として、教育の情報化に関連する機

能や仕様を整理し、省庁・教科書会社・教育委員会・教員・学習者などの利害関係者と

の合意形成を今後図る。研究では、協調学習を支援するシステムの研究開発を推進して

いる。

・ 電子教科書:文部科学省の仕様策定プロジェクトに参加し、技術仕様を議論している。

また、IMS GLCや IDPFなど国際機関が制定した仕様を調査し、国内の電子教科書仕様と

の整合性を図る。この一方、仕様を議論する EDUPUB プロジェクトに参加し、学習活動

記録データの形式や、教師用指導書の記述形式を提案している。

・ 学習活動記録データの収集・分析・活用:電子教科書の操作(ページめくりやクイズ回

答)履歴を収集する機能を研究している。今後、収集したデータを用いて学習者にフィ

ードバックをかける方法について検討する。また、この分野の研究を集積する学会を立

ち上げ、知見の共有につとめる。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

・ 原著論文:2本

・ 口頭発表:21本(招待講演含む)

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

・IDPF/IMS/W3C EDUPUB Workshop Tokyo, 2014/9/16-18

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5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

・ 担当科目:理工学概論、理工基礎実験演習、教育情報工学、情報リテラシー演習

・ 情報学領域主催サマーハッカソン 2014/8/5-8

・ JMOOC講座:「大航海時代の日本:日欧文化交流の歴史(ヒストリア)」

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

・ 全学 FD委員会 副委員長

・ 全学自己点検・評価実施小委員会 委員

(学外)

・ 学習分析学会 理事長(就任予定)

・ ICT Connect 21 技術標準化 WG 座長

・ 総務省先導的教育システム実証事業 評価委員

・ 文部科学省デジタル教材等の標準化に関する企画開発委員会 第一分科会委員

・ JEPA (日本電子出版協会)フェロー

・ ISO/IEC JTC1/SC36 (e-Learning) e-Textbook Project co-editor

・ IDPF/W3C/IMS EDUPUB Project co-editor

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 辻 元

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野:コンパクト・ケーラー多様体の研究

キーワード:ケーラー多様体,モンジュ・アンペール方程式, ベルグマン核, 極値的測

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

コンパクト・ケーラー多様体のケーラー変形について,多重種数の変形不変性を研究してい

る。手法は、極値的測度の変動の対数多重劣調和性を示すことで証明することを試みてい

る。

この手法で、既に射影代数多様体の変形については、多重種数の変形不変性を証明済みで

ある。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

極値的測度の力学系を構成し、その正規化された極限が標準測度になることを証明した。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。

S.Boucksom(エコール・ポリテクニック)とベルグマン核の力学系によるケーラー・リッ

チ流の構成を研究している。

KSCV10(韓国、慶州) Some dynamical systems of extremal measures 2014.8.10

複素幾何学菅平シンポジウム: Stability of pluricanonical systems on K\”ahler

deformations

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5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

幾何学Ⅱ、微分幾何学の基礎、図形の世界、数学入門Ⅱ、情報理工演習Ⅱ、ゼミナールⅠ、

セミナールⅡ、大学院演習Ⅰ、大学院演習Ⅱ、研究指導、卒業研究Ⅰ、卒業研究Ⅱ、幾何

学Ⅲ

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)理工学部人事委員、理工学部資格審査委員、STEC委員

(学外)日本数学会評議員、日本数学会 JMSJ編集委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 都築 正男

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

保型表現とそのL関数、跡公式

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

保型表現のL関数の特殊値或いは保型形式の周期積分が、表現のコンダクターを変動させ

たとき漸近的にどのように振る舞うかという点に注目した研究をここ数年継続して行っていま

す。このような視点から発せられる問題群は「一般リンデレーフ予想」や「一般ラマヌジャン予

想」などL関数論における深い未解決問題をはじめ、ラプラシアン(不変微分作用素)やヘッケ

作用素の固有値分布における「スペクトルギャップ」の存在問題、保型表現の分類などとも関

連して面白く興味を惹かれています。

研究には跡公式(trace formula とその変種を用いるのですが、これらの公式自体をより使い

やすい形にすることにも関心があります

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

一般の CM代数体上すべてのアルキメデス素点において負の固有値を一つだけ有するよう

な非退化エルミート空間とその総正な1次元部分空間の組が定義するユニタリー群の代数

的対称対を考える。大きい方のユニタリー群の保型表現は、小さいユニタリー群のアデー

ル軌道に沿って非消滅周期を有するベクトルを含むとき distinguished と呼ばれる。この

ようなクラスの保型表現は最初にとった CM体上の2次一般線形群の保型表現で2次分裂ユ

ニタリー群からの非安定的基底変換で得られるものによって記述されるはずであるが、今

年度はその証明に着手した。ユニタリー群と2次一般線型群双方で適切な相対的跡公式を

構成し、十分多くのテスト関数の matching familyに対して その幾何サイドを比較一致さ

せるという今や標準的となった手法を採用する。24年度でユニタリー群サイドの研究と、

不分岐テスト関数に関する matching family の構成を完了した。

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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

代数学基礎、微分方程式の基礎、数学演習II、情報数理演習III、

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

全学FD委員

(学外)

雑誌「数学」常任編集委員(2014年7月から2年間)

数学雑誌東京ジャーナル編集委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 角皆 宏

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 数学・整数論・構成的ガロア理論

キーワード: ガロア理論・ガロアの逆問題・生成的多項式・ネーター問題・モジ

ュライ空間・点配置空間

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要

があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「構成的ガロア理論」特に、

「複比型ネーター問題とその周辺」

「種数 1 の dessin の計算」

(展望)

「構成的ガロア理論」とは、数の対称性を記述するガロア理論に於いて、特に、興味深

い対称性を狙って構成すること、更に可能な限り簡潔な形で実際に計算すること、などを

主眼とする分野で、代数的整数論・数理情報技術など理論・実用双方への応用も期待され

る。中でも特に上記の幾つかのテーマを中心に研究を進めている。

「複比型ネーター問題とその周辺」については、6次の複比型ネーター問題について、全

ての可移部分群についての解決を目指しており、現状では 16種のうち最も困難と思われる

2 種を残すのみとなった。この 2 種についての解決に取り組むと共に、特に 6 次の場合に

特徴的な現象である外部自己同型で捻った作用(外捻り作用・exotic action) との関係を明ら

かにしたい。関連する問題として、複比の体と差の比の体の固定群の間の相対的有理性の

問題について、偶数次可移部分群についての出来るだけ広範囲な知見を得たい。種数 1 の

dessin の計算については、6 次の場合の完全な表を作ること、2 点が完全分岐する場合につ

いて組織的な知見を得ること、を当面の目標とする。

2.1 卒業研究での研究テーマ

初等整数論のテキスト講読の後、各自で選んだテーマに沿って研究した。

「RSA暗号の計算とその高速化」

「フェルマーテストとカーマイケル数」

「素数を表すオイラーの 2次式の一般化」

「-2進法とその演算」

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2.2 修士論文での研究テーマ

「近似計算を利用した種数 1の Belyi対の計算」

種数 1 の dessin の計算をテーマに、対称性などを利用することが出来ず簡単に計算でき

ない場合に取り組み、近似計算と数論的な性質とを併せ考えて正しい解を求める方法で、

未解決だった幾つかの場合の Belyi対を計算することに成功した。

3.2014年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

「複比型ネーター問題とその周辺」については、6次の複比型ネーター問題について、未解

決で最も困難な 2 種の場合が残っているが進展は得られなかった。複比の体と差の比の体

の固定群の間の相対的有理性の問題については、従来得ている成果をより組織的かつ簡明

にまとめて原著論文として投稿中である。種数 1の dessinについては、修論指導での共同

研究により、6次の場合の計算が困難で未解決の場合の一部が解決し、最も困難な一つの場

合を残すのみとなった。2点が完全分岐する場合については、発表には至っていないが、次

数が大きくても比較的容易に計算できる手法を得ており、近年の関連研究との関係につい

て検討している。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)

橋本喜一朗氏(早稲田大学)を中心とする構成的ガロア理論研究グループでの共

同研究

中村博昭氏(大阪大学)を中心とする数論的基本群研究グループでの共同研究

科学研究費補助金による構成的ガロア理論研究グループでの共同研究

早稲田大学整数論セミナーに継続的に参加

その他、各種研究集会への参加

5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

学内担当授業科目

春学期:「理工基礎実験・演習」(情報演習・機能創造理工学科クラス)・「計算機

数学」・「ゼミナールⅠ」・「卒業研究Ⅰ」・「教育実習Ⅰ」(教育実習事前事後指導)・

「代数学特論Ⅰ」・「数学ゼミナールⅠA・ⅡA」・「大学院演習ⅠA・ⅡA」

秋学期:「理工学概論(情報理工)」・「情報数理演習Ⅱ」・「代数学Ⅲ(ガロア理論)」・

「数の世界」・「ゼミナールⅡ」・「卒業研究Ⅱ」・「数学ゼミナールⅠB・ⅡB」・「大

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学院演習ⅠB・ⅡB」

その他

早稲田大学教育学部数学科非常勤講師「代数 3」(秋学期)

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

学内

全学:TEAP型入試検討委員

理工学部・理工学研究科:教職課程委員・大学院担当教員資格審査委員

情報理工学科:2年クラス担任・カリキュラム委員・教育用コンピュータ環境整備

委員・将来計画委員・ネットワーク構想委員

数学領域:数学領域主任・計算機委員

学外

日本数学会情報システム運営委員(2010年 7月~2014年 6月・任期 2年・2 期)

7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

以上

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Department: Information and Communication Sciences

Name: Fabien Trihan

1. Research area and keywords

Pure Mathematics, Number Theory, Arithmetic Geometry

2. Research theme

I study p-adic cohomology, elliptic curves and classical conjectures related to them like

Birch and Swinnerton-Dyer conjecture, Iwasawa theory of elliptic curves over function

fields of characteristic p.

Prospects. I hope to develop a Geometric Iwasawa Theory with p-adic coefficients generalizing

the case of elliptic curves to more general p-adic coefficients.

3. Research results for fiscal year 2014

Published Papers

1) Lai, King Fai; Longhi, Ignazio; Tan, Ki-Seng; Trihan, Fabien; An example of non-cotorsion Selmer group. Proc. Amer. Math. Soc. 143 (2015), no. 6, 2355–2364.

2) Trihan, Fabien; Yasuda, Seidai The ℓ-parity conjecture for abelian varieties over

function fields of characteristic p>0. Compos. Math. 150 (2014), no. 4, 507–522.

3) Arithmetic Geometry over Global Function Fields (Advanced Courses in

Mathematics - CRM Barcelona) Gebhard Böckle (Author), David Burns (Author), David Goss (Author), Dinesh Thakur (Author), Fabien Trihan (Author, Editor), Douglas Ulmer (Author), Francesc Bars (Editor), Ignazio Longhi (Editor)

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Conferences (as speaker)

Beppu (September 2014) and Imperial College London (March 2015) On the Geometric Iwasawa

Conjecture

Research Stay

University of Caen, invited by Prof. David Vauclair of Caen University (August 2014, December

2014)

3. Collaborative research activities both on and off campus

-JSPS Grant 2015-2019,

Title Geometric Iwasawa Theory

-Attended the Colloquium seminar at our department and also the seminars of Todai on

arithmetic geometry.

4. Educational activities

-Math A, B and Tutorial for Green Engineer (Spring Semester)

-English for Science and Engineering (Spring Semester)

-Seminar for 3rd year student (yearlong)

-Seminar for 4th year student (yearlong)

-Master course, Algebraic Curve (Autumn semester)

5. Activities other than educational research

-I attended the monthly meetings of the math group and of the faculty -Committee member of English for Science and Engineering

6. Social contribution activities and others

-I attended the Orientation camp 2014

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所属 情報理工学科

氏名 中島 俊樹

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 代数学

キーワード: 量子群、結晶基底、幾何結晶、クラスター代数

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

基本指標の結晶基底の単項表示

結晶基底の多面体表示と単項結晶表示

Double Bruhat cell 上の cluster 変数の単項結晶表示

(展望)

基本指標の結晶基底の単項表示についてA,B,C,D 型について結果が得られたので、よ

り統一的な手法による研究を進めたい。

多面体表示との関係も明らかになってきたので、そちらについても研究を計画中。

Double Bruhat cell 上のクラスター代数と結晶基底の関係についても明確になってきて

いるのでより深い考察をしていきたい。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

2篇の論文が出版された。

海外招待講演3回

今後は上記の展望の基本指標の結晶基底の単項表示のみならず、クラスター代数を含む

新しい研究分野の開拓にも力を注ぎたい。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

Kailash C.Misra 教授 (North Carolina State University)、 五十嵐真奈(本学PD)と

アファイン幾何結晶について共同研究を遂行中。また、大学院生の金久保有輝とクラスタ

ー代数と結晶基底についての共同研究も遂行中である。

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5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

数学AII, 現代数学A, 環と加群、情報理工学演習 III,代数学特論II,

ゼミナールI, II, 卒業研究I, II、大学院演習IIA,IIB, IIIA,IIIB、数学ゼミナールIIA,IIB

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)情報理工学科長、数学科長、理工推進委員会,発明委員会、

市谷キャンパス委員会

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 中筋 麻貴

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野:  解析数論と関連分野間の相互関係    

キーワード :  保型形式,保型表現,組合せ論的表現論,  

Casselman基底,Hecke環,可解格子模型, Yang-Baxter方程式  

K-理論的P-Schur関数,Littlewood-Richardson規則

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、

必要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「ワイル群多重ディリクレ級数」

       「Casselman問題」    

       「K-理論的Schur P-関数」

       「ルービックキューブ群とキューブ理論の第二基本定理」   (卒研)

「ルービックキューブ群の半直積構造」 (卒研)

「ルービックキューブ群における共役と短完全列」   (卒研)

(展望)解析数論の分野において中心となる「対称性」をもつ特殊な関数の性質や挙動について研  

究に取り組んでいる.本研究では,解析数論からの視点に限らず,様々な分野や理論の視点から

その性質について解析を行っている.  保型形式および保型表現の研究から導入された「ワイル群

多重ディクレ級数」は,最近の研究から,組合せ論的表現論(量子群の結晶基底,可解格子模型等)

やシューベルトカルキュラス等と関係していることか期待されており,これらの分野間の相互関

係を明確にし,これによりこれまで未解決であった各分野の問題に対して貢献していく.  

3.2014年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報デー

タベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

(Casselman問題について)

半単純代数群のIwahori部分群に対して不変となる主系列表現の基底であるCasselman基底の

明示公式の解明に取り組み,シューベルトカルキュラスの観点から考察することにより,

先行研究において得られていたBump-Nakasuji予想に新しい進展を得ることができた.具体

的には,Casselman基底がYang-Baxter基底と関係していること,およびCasselman基底の

Dualityについて関係式を得ることができた.

(K-理論的Schur P-関数について)

Littlewood-Richardson規則のK-理論的P-Schur関数への拡張の第一歩として,semistandard

decomposition tableauxを集合値に拡張したset-valued decomposition tableauxを定義した.これ

を用いて,数式処理ソフトを用いることで,いくつかの例を計算し,先行研究で定義され

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ていたset-valued marked shifted tableauxとの全単射の存在の予想を得た.

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してく

ださい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

岡山大学 成瀬弘氏との共同研究「Casselman問題とシューベルトカルキュラス」

韓国Ajou大学のSoojin Cho氏,池田岳氏との共同研究「K-理論的Schur関数とset-valued

decomposition tableaux」

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(学内)

複素関数論,科学技術英語2A, 解析学特論, 常微分方程式,フーリエ・ラプラス解析,情

報数理演習II, ゼミナールI, ゼミナールII, 卒業研究I, 卒業研究II, 大学院演習IA, 大

学院演習IB

(講義科目以外)

ひらめき☆ときめきサイエンス「ルービックキューブと数学」テキスト作成

(学外)

三鷹ネットワーク大学「数学はこんなに面白い!5」「素数の分布」テキスト作成

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や

各種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)課程委員,談話会委員

(学外)WINJ(数論女性の集まり)世話人,

第3回シューベルトカルキュラス研究集会世話人

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 新倉 貴子

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 老化に伴う脳疾患の研究、生理活性物質の機能の研究

キーワード: 神経変性疾患,アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、神経細胞、細胞

生存因子

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、

必要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

アルツハイマー病の病態機序の解明

筋萎縮性側索硬化症の病態機序の解明

細胞生存因子の作用機序解明

(展望)

脳の機能、特に加齢に伴う変化を理解することを目的として、アルツハイマー病や筋

萎縮性側索硬化症といった神経変性疾患の病態発生の機序を明らかにするとともに、

その裏側にある正常な脳の働きの分子レベルでの解明に取り組んでいる。また、細胞

生存因子ヒューマニンの作用機序を解析し、細胞の生存に必要な分子機構を明らかに

しようと考えている。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報デー

タベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究において、家族性 ALS の原因因子である SOD1 変異体

がタンパク質翻訳後修飾の SUMO 化を受けると凝集性が増すとともに非修飾 SOD1 タン

パク質の安定性も促進することを見いだした。SOD1 の凝集化は ALS において神経細胞

死を誘導する原因とされており、今回発見した仕組みが ALS における病態の成立や促

進に関与することが考えられる。この研究成果を学会および論文発表した。

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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してく

ださい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

アルツハイマー病における神経原繊維変化の発生機序の解明(慶應義塾大学)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

細胞神経科学,細胞神経科学特論,基礎生物学,理工基礎実験,ゼミナール

ヒトの生物科学、理工学概論、卒業研究、生物科学ゼミナール

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や

各種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)[全学]ハラスメント委員、学生留学委員、動物実験委員、

[理工学部]動物実験小委員(委員長)、理工安全委員

[情報理工学科]学科教育用コンピュータ環境整備委員

(学外)

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 林 等

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 通信・ネットワーク工学,電子デバイス・電子機器

キーワード: ビッグデータ処理,無線通信回路,無線センサネットワーク,非接触

IC カード,RFID,RFIC,無線通信システム

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

○データセンターの無線化によるグリーン ICT に関する研究

○第 5 世代移動通信システム(5G)を加速するテラヘルツ/ミリ波帯マルチバンド送受信

機の研究

○電気とガスのベストミックスを実現する次世代スマートメータリングシステム

○テレビ放送帯(470-710MHz)のホワイトスペースの有効活用に向けた低歪送受信機の研

○NFC(Near Field Communication), M2M(Machine to Machine/Machine to Management)

に向けた高速起動・低消費電力符号化方式の研究

○920MHz 帯無線センサネットワークの低消費電力化に向けた隣接無線機判定法の研究

○震災発生後における民間企業による緊急物資提供サービスに関する研究

○スマートグリッドサービスにおけるセキュリティ要件に関する研究

(展望)

(1)「Internet of Things(モノのインターネット)」を実現する無線センサネットワ

ークの低消費電力・高信頼伝送

○電気とガスのベストミックスを実現する次世代スマートメータリングシステム

・センサノードであるスマートメータ(無線端末)の低消費電力化と、これをサポートす

る無線センサネットワークの構成の研究をしている。

・東京電力株式会社のプレスリリース「スマートメーターの設置開始について(平成 26 年

4 月 2日)」によれば、平成 32 年度までにサービスエリア全てのお客様へスマートメータが

設置される予定である。

(2)「Internet of Things(モノのインターネット)」を実現する無線センサノードの

小型化・低消費電力化

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○第 5 世代移動通信システム(5G)を加速するテラヘルツ/ミリ波帯マルチバンド送受信

機の研究

・低遅延なリアルタイム通信を実現する高速起動符号や超高周波回路の研究をしている。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

米国 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)の国際会議で日本の

スマートメータリングシステムについて発表を行った。

H. Hayashi, “Evolution of Next-generation Gas Metering System in Japan,” Proc. 2014

IEEE MTT International Microwave Symposium (IEEE IMS2014), Jun. 2014.

その他、論文 2本、国際会議 3件の研究成果発表を行った。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

ADVANCED ELECTRICAL AND ELECTRONICS ENGINEERING 2,センサネットワーク特論,

基礎情報学,情報通信工学の基礎,計測と制御,通信ネットワークシステム,

情報理工学実験 I,情報理工学実験 II,ゼミナール I,ゼミナール II,

卒業研究 I,卒業研究 II,大学院演習IA,大学院演習IB,大学院演習 IIA,

大学院演習 IIB,電気・電子工学ゼミナールIA,電気・電子工学ゼミナールIB,

電気・電子工学ゼミナール IIA,電気・電子工学ゼミナール IIB

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)理工サイバーネットワーク委員会 委員,情報理工学科サイバー委員

(学外)電子情報通信学会 通信ソサイエティ執行委員会 卓越技術データベース 幹事,

電気学会 スマートグリッドにおける需要家施設サービス・インフラ調査専門委

員会 委員,電気学会 スマートグリッドに関する電気事業者・需要家間サービス

基盤技術調査専門委員会 委員,The 2014 IEEE International Conference on

Communication, Networks and Satellite (IEEE COMNETSAT 2014) Technical

Program Committee Member

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 萬代 雅希

1.研究分野とキーワード

研究分野: 情報通信工学,ネットワークに関する研究 キーワード: 情報通信ネットワーク,プロトコル,無線通信,インターネット

2.研究テーマ

「周辺のモバイル端末間における能動的キャッシュ利用に関する研究」

「無線 LAN における一時的パケットロスに対応したレートアダプテーションに関する研

究」

「他端末への影響を考慮したセルラ・無線 LAN 接続に関する研究」

「端末間通信を用いた協調データ転送方式に関する研究」

「音声信号を用いた複数端末測距手法に関する研究」

「Openflow 利用によるネットワーク省電力化の為のトラフィック制御」

「コンテンツ指向ネットワークにおけるルーティングを用いた輻輳制御」

「モバイル端末を用いたカーブ検知時間差による乗車位置の推定」

「スマートフォンにおける複数のネットワークインタフェースを用いた協力ダウンロー

ド手法」

「アダプティブストリーミングにおける QoE 向上のためのスイッチングアルゴリズム」

「登録・編集機能を備えた地図共有システム」

「ヘテロジニアスな通信経路におけるマルチパス TCP」

「コンテンツ指向型車車間ネットワーク」

「全二重無線通信を用いたネットワークプロトコル」

(展望)

「無線通信技術を中心としたネットワーキング技術の大容量化・省電力化・高機能化およ

びネットワーク技術を用いたアプリケーションの創出」の研究に継続して取り組んでい

る.近い将来,超小型コンピュータが生活環境に埋め込まれ,超多数の無線機器からの大

量の情報をクラウド上に送信,蓄積することで,高度なサービスを実現する IoT(Internet of

Things)時代が到来する.その場合,限りある無線周波数資源を効率良く活用・共有する無

線ネットワーク技術,さらにクラウド側のバックボーンネットワークやモバイル端末の省

電力化,高度化,大容量化が喫緊の研究課題である.

無線ネットワーキング技術の研究開発としては,全二重無線を適用したネットワークア

ーキテクチャの研究や,レートアダプテーションの適用,複数無線インターフェイスの併

用および切り換えのためのネットワーク制御手法およびプロトコルのネットワーク性能を

高めるクロスレイヤデザインに取り組み,無線周波数資源の有効活用を目指している.

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また,ネットワークアプリケーション技術やそのための各種要素技術の研究開発にも取

り組んでいる.具体的には,移動端末の位置把握手法として,音波を活用した屋内測位手

法および加速度センサを活用した地下鉄における乗車車両推定に取り組んでいる.また,

インターネットでの動画像ストリーミングに関して,人間の体感品質を向上する研究を行

っている.さらには,動画等の大容量コンテンツをネットワーク内のルータにキャッシュ

するコンテンツ志向ネットワークに関する研究にも取り組んでいる.

3.2014 年度の研究成果

無線ネットワークング技術に関しては,マルチホップ環境におけるホップ数の増大に対

してもスループット(通信容量)が低下しないルーティングおよびスケジューリング手法

を考案した.また,複数無線インターフェイスの併用のためのマルチパス TCP におけるス

ループット向上手法を考案した.複数無線インターフェイスの切り替え手法としては,無

線 LAN のネットワーク負荷状態に応じて LTE に接続するネットワーク制御手法や,近隣モ

バイル端末との協力ダウンロード手法を提案し,実際のスマートフォン上での実装実験に

よりダウンロード高速化の有効性を確認した.

ネットワークアプリケーション技術やそのための各種要素技術の研究開発に関しては,

ユーザの体感品質を向上するストリーミング方式に関して,画像品質の頻繁な切り替えと

急激な画像品質の低下が体感品質に大きく影響することを利用した画像スイッチング手法

を提案し,実システム上での実験評価によりその有効性を明らかにした.また,音を使っ

た屋内測位および地下鉄での乗車車両推定に関しても,提案手法をスマートフォン上に実

装し,実験評価により有効性を確認した.

4.大学内外における共同的な研究活動

・文部科学省 科学研究費補助金・基盤研究(A)「超多端末モバイルを支える無線資源極限 利用アーキテクチャの実証的基礎研究」大阪大学・渡辺尚教授他 ・文部科学省 科学研究費補助金・萌芽研究「自然環境の負担の少ない高機能サステイナ ブルセンサーネットワークの構築法」大阪大学・渡辺尚教授他 ・文部科学省 科学研究費補助金・基盤研究(B)「コンテンツ指向ネットワーキングの実現 に向けた次世代ネットワーク制御の研究」関西大学・山本幹教授

5.教育活動

・理工学総論(情報理工学科) ・情報通信工学の基礎 ・マルチメディア情報社会論 ・情報理工学 I(コンピュータアーキテクチャ) ・コンピューティングアーキテクチャ ・情報ネットワーク特論 ・電気電子情報産業概論 ・情報理工学実験 I,II

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・情報リテラシー ・情報フルエンシー(情報とネットワーク社会) ・ゼミナール I,II

6.教育研究以外の活動

(学内) ・理工学部 カリキュラム委員 ・情報理工学科 2年次クラス担任 ・情報理工学科 教育用コンピュータ環境整備委員会 委員 ・情報理工学科 広報委員 (学外) ・電子情報通信学会 通信ソサイエティ 英文論文誌 編集副委員長 ・電子情報通信学会 ネットワークシステム研究専門委員会 専門委員 ・IEEE東京支部 Technical Program Committee, Secretary ・国際会議 IEEE International Symposium on Reliable Distributed Systems (SRDS2014), Registration Chair

7.社会貢献活動、その他

・電子情報通信学会 通信ソサイエティ 活動功労賞

・2014 年度上智大学教員免許状更新講習 講師「情報通信技術の基礎 〜 先端技術を

やさしく学ぶ〜」

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所属 情報理工学科

氏名 平田 均

1. 研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してくださ

い。)

研究分野: 力学系・微分方程式

キーワード: 数理生態学

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

時間遅れのある感染症数理モデルの安定性解析

生態系における動的平衡と準安定性

力学系とカオス (卒業研究)

(展望)

感染症に関する数理モデルは、微分方程式を使った決定論的モデルと、確率論的モデルに

大別されるが、特に決定論的モデルにおいては、全個体群を S(Susceptible), I(Indected),

R(Recovered)の三つのグループに分けて解析する SIR モデルが基本的である。この基本モ

デルを元にして、現実の感染症により適合するようなさまざまの派生モデルが考案され、

数学的にも医学社会学的にも研究が進められている。

現実の感染症においては、例えば未感染者が感染者と接触してから実際に発症するまでに

時間差があるなどの時間遅れを伴うため、数理モデルにおいてもそのような時間遅れを取

り入れるのが現実的であるが、そのようなモデルでは単純な微分方程式では扱えず、より

複雑な関数微分方程式となる。このような遅れを取り入れた感染症モデル方程式において、

その解の漸近挙動や安定性の解析を行い、現実の現象と比較する事を目的とする。

より一般的な問題として、生態系において定常状態ではないにも関わらず現実に「安定的

に」存在し観測されるような状態を定式化し解析する事に興味を持っている。この問題に

関しては、「動的平衡」や「準安定」といった疑念がすでに存在しているものの、未だにそ

れらの概念では捉えきれていない現象もあるので、より広範な概念を数学的に正しく構築

し、解析を行う事が長期的な目標である。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

SIR を始めとするさまざまな感染症モデルにおいて、現実の感染症に即した時間遅れを

感染症モデルにおける確率論的解析についての幾つかの文献を読み、遅れを含んだ感染症

モデルへの応用を考察した。

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卒業研究指導では、力学系全般に関する基礎的なテキストである「カオス : 力学系入門 」

(K.T. アリグッド, T.D. サウアー, J.A. ヨーク著 : シュプリンガー・ジャパン)を用い

てテキストセミナーを行い、離散力学系におけるカオス現象に関して卒業論文として纏め

た。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

第 38 回横須賀市市民大学において、「自然科学と社会科学の中の数学:天体力学とゲーム

理論を例として」と題する講座を開講し、8回講座のうち 5回を担当した。

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

数学 AI (線形代数学:物質生命理工クラス)

数学 AII (線形空間論:機能創造・物質生命理工クラス)

数学演習 I (物質生命理工クラス),

数学入門 I(全学共通科目),

数学科教育法 IV

物理数学と固有値問題

ゼミナール I, II, 卒業研究 I,II

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

理工学振興会事業実施委員

理工学部 カリキュラム委員

情報理工学科 カリキュラム委員 (数理系担当)

情報理工学科入試委員 (委員長)

(学外)

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 藤井麻美子

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

非侵襲脳活動計測用 3次元拡散光 CT、

非侵襲皮下組織血流計測、

近赤外分光法、f-NIRS、脳機能イメージング、線形逆問題法、深部選択フィルタ行列、

表層皮膚血流、深部大脳皮質循環、組織血流速度、酸素飽和度、脳循環、レーザード

ップラー法、ゆらぎ、光の干渉、細胞の電気モデル、細胞浮腫、細胞膜の変性、イン

ピーダンス計測

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

無侵襲生体情報計測法や装置の開発:NIRS(近赤外分光計測法)とも呼ばれる脳活動に

連動する血液循環を計測する装置がありますが、深さに関する情報が得られません。

これを 3次元化すれば深部と表層とを分けて可視化できます。

脳循環情報や心拍情報の解析:NIRS では脳の循環に関する脈波情報も得られます。こ

の情報を捨てずに、生体の緊張に関する状態を評価する方法を検討しています。

血液のインピーダンス計測による血球細胞の変性の解析:アルコールやブドウ糖によ

って特性が変化しますが、これを理論的解析と併せて調べることにより細胞膜の変性

や細胞形状についての推定が可能となります。

皮下の微小循環(毛細血管)の血液の速度を非侵襲で計測する手法の開発:褥瘡など

の抹消の循環不良は長期入院患者などにとって大きな問題です。これを大掛かりな検

査装置なしでベッドサイドで調べる方法をシミュレーションとモデル実験で確認しな

がら推定アルゴリズムの検討を行っています。

展望)生体に負担なく安全に健康情報を取得する方法について工学的立場でアプロー

チする。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

生体工学シンポジウム 2014 bme35 レーザドップラー血流計測の 2 層モデルでの実験的

検討

第 53回生体医工学会 レーザドップラー血流計測の 2層モデルでの実験的検討

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第 53回生体医工学会 近赤外光イメージングにおける逆フィルタ法による表層皮膚血

流抑圧効果の比較

生体医工学シンポジウム レーザードップラー血流計測の2層モデルでの実験的検討

電気学会 医用・生体工学技術研究会 NIRS計測における線形逆問題利用による表層

および大脳皮質血流信号分離

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

医用光工学 毎回のプレゼン資料および学生配布用講義資料、

生体医工学 毎回のプレゼン資料および学生配布用講義資料、

情報リテラシー(一般)のプレゼン資料、

基礎理工学実験、

情報理工学実験 I 第 1章のテキスト その他の講義資料、

情報理工学実験Ⅱ、

情報理工学演習Ⅱ ネットワークおよび DB入門講義テキスト作成、

福祉情報学 毎回のプレゼン資料および学生配布用講義資料、

卒業研究 I、II、

ゼミナール I、II、

電気・電子工学ゼミナールⅡA、ⅡB

大学院演習ⅡA、ⅡB、

研究指導

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)

情報理工学科広報委員長

上智大学理工安全委員

上智大学「人を対象とする研究」に関する倫理委員会委員

上智大学研究機構委員

(学外)

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 理工学部 情報理工学科

氏名 古屋晋一

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野:音楽家の熟練技能を解明する研究,音楽家の疾患の治療法を開発する研究

キーワード:非侵襲脳電気刺激,脳情報制御,動作分析,筋活動分析,ビッグデータ解析,

機械学習,音楽医科学

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

音楽家の技能熟達支援

音楽家の脳神経疾患の完治

局所性ジストニアの病態理解・定量診断法の開発・治療法の開発

過剰訓練が脳神経可塑性に及ぼす影響の解明

スキル向上インターフェースの開発

(展望)

本研究室は,①音楽家が高度な技能を獲得するメカニズムを解明し,熟達を支援する新し

い学習理論や練習方法の開発,②音楽家が過剰な訓練によって発症する脳神経疾患の病態

機序を解明し,疾患による脳機能異常を正常化する治療法の開発に取り組んでいる.その

ため,楽器演奏時の身体動作をデータグローブや高速度カメラ,力センサー,筋電図で計

測する「身体運動学的アプローチ」,生体を傷つけない脳磁気刺激(TMS)や機能的 MRI

を用いて音楽家の脳機能を評価する「神経生理学的アプローチ」,微弱な電流を脳に印加す

る装置(tDCS)や運動機能訓練を用いて,生体機能回復を行う「神経リハビリテーション

的アプローチ」を用いた研究に取り組んでいる.さらに,脳や身体の大規模な生体情報か

ら,スキルや疾患に関する情報を抽出する「データサイエンス的アプローチ」を用いるこ

とで,「医工芸連携」による音楽家の QOL向上を実現する.

3.2014年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

全業績は www.neuropiano.netを参照のこと.

①査読のある国際学術論文に掲載された論文: 計 13報

②著書:1報

③受賞(学会より授与):2件

④学会発表:3件

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

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①共同研究

国立精神神経医療研究センターと音楽家の局所性ジストニアの脳イメージング研究

ヤマハ株式会社と生体計測装置の共同開発

ハノーファー音楽演劇大学およびゲッティンゲン大学と音楽家の脳刺激研究

②シンポジウムのオーガナイズ

国際学会 Neurosciences and Music V においてシンポジウム「Individual Differences in

Movement Coordination: Effects of Training, Aptitude, and Neurological Disorders」をオ

ーガナイズ(2014年 5月,フランス)

③講演会

1. 2015年 3月 国立精神神経医療研究センター 先進脳画像研究部・神経研究所 セミ

ナー

2. 2015 年 2 月 エリザベト音大・上智大学 交換企画記念講演 「音楽医科学が拓く

音楽家の未来」

3. 2015年 2月 日本ピアノ指導者協会(PTNA)ジャスミン音の庭ステーションにて講

4. 2015年 1月 カワイ表参道店パウゼにて特別講座

5. 2015年 1月 ヤマハ本社(浜松)にて「医工芸連携が実現する音楽演奏科学」

6. 2015年1月 慶應義塾大学SFCにて出張講義「音楽家の身体運動制御と運動器疾患」

7. 2015年 1月 レ・ヌーヴォレ 中津にて 「脳科学から見た最適な奏法と練習法」

8. 2014年 12月 福田靖子賞基金 特別ワークショップ「ピアニストに必要な脳と身体

のトレーニング~未来を担う若い音楽家の皆さんへ~」

9. 2014年 12月 東京音楽大学にて出張講義「ピアニストのための脳と身体の科学」

10. 2014年 11月 日本神経治療学会にて招待講演「Musician's dystoniaとその治療」

11. 2014 年 11 月 JST 新技術説明会にて講演「身体技能と脳神経疾患の計測・評価・制

御」

12. 2014 年 11 月 国際ワークショップ「Cognitive/perceptual-motor control of human

motor behavior」にて招待講演「Neuroplasticity of musicians: pros and cons」(※英語)

13. 2014年 9月 国立精神・神経医療研究センターにおける神経科学会のサテライトシン

ポジウム 「運動制御システムの研究の最前線」にて招待講演「Loss of hand dexterity in

musicians with focal dystonia and its restoration using non-invasive stimulation」

14. 2014年 8月 Japan Society for Motor Control & Neuro-rehabilitationにて招待講演「音

楽家医科学の現状:病態と神経リハビリテーション」

15. 2014 年 8 月 PTNA ピアノフェスティバル(東京音大)にて招待講演「音楽家の脳×

科学者の脳 Vol.1」.

16. 2014年 6月 慶応義塾大学 KiPASにて招待講演「音楽と科学のシナジー:文化を紡ぐ

脳と身体の科学」

17. 2014年 6月 朝日カルチャーセンター新宿教室にて講座「ピアニストの脳に迫る」

18. 2014 年 5 月 理研 BSI にて招待講演「Musicians' Cramp: Pathophysiology and

neuro-rehabilitation of focal hand dystonia」(英語)

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5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(担当科目)

1. ヒューマンコミュニケーション

2. 電子回路

3. 情報理工学 I (コンピュータアーキテクチュア)

4. 情報理工学実験 I

5. 情報理工学実験 II

6. 情報学ゼミナール IA

7. 情報学ゼミナール IB

8. 卒業研究 I

9. 卒業研究 II

(テキスト,資料作成)

1. 情報理工学実験 II 指導書作成(分担)

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学外)

1. 国際会議 Society for Music Perception and Cognition 2015にて,Scientific Advisory

Board(2015年)

2. 国際学術誌 Behavioral Neurology誌にて特集号「Music in the Brain: From Listening to

Playing」の Guest Editor(2015年)

3. 国際会議 International Conference of Students of Systematic Musicology (SysMus14)

にて,Scientific Committee(2014年)

4. 国際誌 Frontiers in Human Neuroscience 誌にて特集号「Sensory-motor control and

learning of musical performance」の Guest Editor(2014年)

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

<メディア活動>

1. 2014年 10月 NHK Eテレ「ハートネット TV」出演(10月 2日,20時~20時半)

2. 2014年 9月 Natureオンライン版にて研究紹介

3. 2014年 8月 ウォールストリートジャーナルにて研究紹介

4. 2014年 6月 ビートたけし氏と対談(新潮 45,8月号に記事掲載:pp.280-291)

5. 2014年 5月 Faculty1000 にて研究推薦(Annals of Neurology誌の論文)

6. 2014年 5月 日本経済新聞にて研究紹介

7. 2014年 5月 産経新聞にて研究紹介

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所属 情報理工学科

氏名 宮本 裕一郎

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 組合せ最適化,オペレーションズ・リサーチ など

キーワード: ネットワーク設計,数理最適化 など

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要

があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

「観光資源配置最適化」

「流れの安全性に着目したネットワーク設計」

(展望)

主に,交通計画に最適化を適用するテーマで研究に取り組んでいる。

適用する交通計画は多岐にわたる.交通機関の利用者が(利己的な)最適なルート選択を

できるという前提のもとで,どのように施設を配置すればよいかという研究をしている.

例えば,具体的には,観光資源の配置によって人やモノの流れがどうなるかを予測した上

で最適に観光資源を配置する方法などである.また,交通と言うのは大げさかもしれない

が,(主に小学校などの)児童が集団下校する際の経路を安全性の観点から最適に設計する

ことも扱っている.

これらの研究で培われた最適化手法を,今後は,より幅広い応用分野に適用していく予定

である.

3.2014年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

流れの安全性に着目したネットワーク設計に関しては,2013 年度に多層ネットワークの概

念を導入して柔軟性のある経路を設計できるようにした.2014 年度は実際に数値計算実験

を行い,計算時間を調べるとともに,出力結果から非自明な知見を得た.

観光資源配置最適化は,2013 年度終盤から始まった研究であり,現実の状況を見据えつつ

問題の本質を残したモデル化を行った.そして,小規模なデータに対する数値計算実験(最

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適化計算)を行い,最適化問題としての難しさを確認し,最適解の定性的性質を考察した.

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)

「流れの安全性に着目したネットワーク設計」および「観光資源配置最適化」は他大学の

研究者との共同研究である.

また,横須賀市民大学にて,平田講師と共同で複雑システムをテーマにした講義を行った.

5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(学内講義・演習)データ構造とアルゴリズム,ロジスティクス工学,数理最適化特

論,情報学演習 II,情報理工学演習 III,情報リテラシー(情報学),情報リテラシー(一

般),ゼミナール I・II など

(非常勤講師)情報工学概論(アルゴリズムとデータ構造),数理手法 III(数理最適化)

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内) 理工サイバー委員,情報理工学科 3年クラス担任

(学外) 日本オペレーションズ・リサーチ学会活性化委員会委員,日本応用数理学会

学会誌編集委員,日本応用数理学会離散システム研究部会幹事

7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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所属 情報理工学科

氏名 矢入 郁子

1.研究分野とキーワード 研究分野:コンピュータヒューマンインタラクション,人工知能,アシスティブテクノロジー キーワード:ユニバーサルデザイン,バリアフリーデザイン,人間行動センシング,

機械学習など 2.研究テーマ

スマートフォンを利用した車いすライフログデータの収集と利用の研究

視覚障害者と晴眼者との協調作業を促進する CHI の研究

視覚障害者のタッチパネル利用を支援する CHI の研究

屋内行動モニタリングシステムの開発とプライベート空間における人間行動分析

子供向け学習コンテンツのデザインの研究

遠隔ユーザのためのエモーショナルインタラクションの研究 など

(展望)

ヒューマンインタフェースと人工知能とを基礎とした,学術的インパクトの高い,社会に

役に立つ研究遂行を目指している.現在は,目の見えない人や寝たきりの人も含めた全て

の人々が,情報通信技術を公平に利用して安心した生活ができ,社会参加や自己表現がで

きる支援技術の研究開発を中心に研究と教育,社会への情報発信を行っている.

3.2014 年度の研究成果

2014年度は,前年度の研究成果の学会発表,論文投稿に努めるとともに,(1)千代田学助成, (2)平成 26〜 28(2014〜2017)年度,科学研究費補助金,基盤研究(C),「見えないことが障害にならないコラボレーション空間デザイン」,の 2つの助成研究を中心に,卒業研究6件・修士論文研究 3件を実施した.具体的な研究内容については上記2に一部を示した. 4.大学内外における共同的な研究活動

- 筑波大学附属視覚特別支援学校と視覚障害児の教育支援と情報補償技術に関する意見

交換

- 国立研究開発法人 情報通信研究機構 光ネットワーク研究所との研究提携 - 情報理工学科 田村教授 視覚障害者向け電子教科書技術を共同開発

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5.教育活動 メディア工学,ゼミナール I,ゼミナール II,卒業研究 I,卒業研究 II,マルチメディア情報社会論,情報リテラシー,基礎生物・情報実験・演習,情報理工学演習 I,情報メディアコミュニケーション学,大学院演習 IA,情報学ゼミナール IA,大学院演習 IB,情報学ゼミナール IB

6.教育研究以外の活動

(学内) 理工学振興会運営委員,情報理工学科入試委員,全学キャリア形成支援委員会

委員 (学外) ヒューマンインターフェース学会理事,ヒューマンインターフェース学会会誌

編集委員会委員長,人工知能学会全国大会委員,独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター評価委員会,総務省独立行政法人評価委員会情報通信・宇宙開発分科会専

門委員,総務省情報通信審議会情報通信技術分科会 IP ネットワーク設備委員会専門委員,総務省情報通信審議会情報通信政策部会研究開発戦略委員会専門委員 UbiComp 2015(The 2015 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous

Computing), Accessibility Chair

The 13th Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence (PRICAI) , Program

Committee PC Members

7.その他 千代田学 x上智大学 第一回サマーハッカソン 主催

<外部資金> - 科学研究費補助金,基盤研究(C),「見えないことが障害にならないコラボレーション空間デ

ザイン」(140万円) - 千代田学助成(998千円)

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所属 情報理工学科

氏名 山中 高夫

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 物体認識の研究(画像の認識,ガスの認識など)

キーワード: コンピュータビジョン,パターン認識,機械学習

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

画像の認識

・物体認識,物体検出

・視線推定,顕著性推定

・掌紋認証

・画像処理ハードウェア(GPU, FPGA)

ガスの認識

・生物の嗅覚情報処理機構

・嗅覚順応モデル

・ニューラルネットワークのハードウェア実装

(展望)

物体認識技術として,画像の認識及びガスの認識に取り組んでいる。画像の認識では,画

像中にある一般的な物体の名前や場所,数を理解する問題(一般物体認識)や画像による

個人認証手法として掌紋認証などに取り組んでいる。また,画像認識では計算コストが高

くなりがちなので,GPU や FPGA を利用した計算の高速化にも取り組んでいる。ガスの認

識としては,ガスセンサの選択性不足を補うために,嗅覚順応モデルを応用した手法を提

案し,そのニューラルネットワークのハードウェア化に取り組んでいる。生物の物体認識

能力は,現状の工学的手法に対して精度の面からも速度の面からも圧倒的に優れているの

で,そのような生物の認識方法を参考にしながら,工学的に有用な物体認識技術を開発し

たい。

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3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

・ Deformable Part Model におけるパーツ数に対する物体検出精度の評価

・ 可視化手法による局所特徴量の評価

・ Python による画像方向認識アルゴリズムの実装

・ 深層畳み込みニューラルネットワークにおける各階層の特徴量評価

・ 対数尤度を用いた顕著性マップ評価指標の構築

・ スーパーピクセルを用いた Spatial Pyramid Matching による一般物体認識

・ 非接触型掌紋認証における位相限定相関法を利用した位置合わせ手法

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

特になし

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

(学部)

多変量解析, 基礎情報学, 感覚情報処理, 情報理工学実験 I, II, 情報リテラシー演習,ゼミ

ナール I, II,輪講,卒業研究及び講究 I, II

(大学院)

センシングシステム工学,研究指導演習 I-IV, 情報学ゼミナール I-IV

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)2011 年度情報理工学科入学生クラス主任(情報理工学科カリキュラム委員兼任),

情報理工教育用コンピュータ環境整備委員会委員,情報理工予算委員会委員,

電気電子工学科カリキュラム委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

特になし

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所属 情報理工学科

氏名 和保 孝夫

1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 電子デバイス、集積回路

キーワード: 半導体電子デバイス、アナログ/デジタル(A/D)変換器、

ナノ構造、CMOS アナログ回路設計、異種技術集積化、

ΔΣ変調器、InAs ナノワイヤ

2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し、研究の中長期的展望を記述してください。また、必

要があれば、卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)

(ア) ナイキストレート A/Dインターフェース(A/D変換器)

1. 冗長性を有する非バイナリ逐次近似 A/D変換器の研究

2. 電荷シェア型逐次比較型 A/D変換器の設計

(イ) 化合物半導体ナノワイヤと回路応用

1. InAsナノワイヤ/CMOSヘテロ集積化技術に関する研究

2. InAsナノワイヤ/CMOSヘテロ集積回路のセンサ応用に関する研究

(ウ) オーバサンプリングΔΣ型 A/D変換器

1. ダイナミック共通ソース積分器を用いた低消費電力ΔΣ変調器の研究

2. 多ビット MASH型ΔΣ変調器における DAC非線形性

(展望)

次世代情報通信システムに必須であるアナログ/デジタル・インターフェース(A/D イン

ターフェース)を対象として、電子デバイス、集積回路、システム/アルゴリズムを横断的

に捕らえて学術的、工学的基盤を構築することを目的としている。(1)近い将来、半導体

集積回路の情報処理能力が一層向上すること、(2)これに伴い、センサ等を含む多様な情

報機器のネットワーク化が一層進むと予想されること、(3)ネットワークにおける情報通

信の媒体やセンシング対象は自然界におけるアナログ量であること、(4)それに対して情

報処理そのものはデジタル領域で実行されること、以上の理由により、A/Dインターフェー

スの重要性が今後ますます高まるものと判断し、主研究対象に選んでいる。

従来の研究は、デバイス、回路、システム/アルゴリズムの各階層別のアプローチを基本

としていたが、本研究においては階層間を横断する複数のテーマを設定し、革新的 A/D イ

ンターフェースを提案すること(中期的展望)、また、多岐にわたる A/Dインターフェース

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の体系化を図ること(長期的展望)を目指している。

基盤技術としてはシリコン CMOS 技術と化合物半導体成長/プロセス技術を基本として、

最先端コンピュータ支援回路設計(CAD)ツールを駆使したアナログ/デジタル回路設計と、

回路試作、性能評価実験を進める。また、半導体技術の進展にマッチしたデジタル支援ア

ナログ回路としてΔΣ変調方式を取り上げ、回路設計・試作と方式検討を並行して進める。

更に、従来の二値論理の枠組みを超えた多値論理の回路応用による A/D 変換性能向上の可

能性について研究を進める。

3.2014 年度の研究成果(論文発表、学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ

ベース」に必ず記入してください。ここでは、達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)

1. CMOS回路設計/試作評価: 前年度に設計したダイナミック共通ソース積分器を用いた

2次ΔΣ変調器の性能を詳細に評価した結果、消費電力が動作周波数に比例することが

分かり、予想通りのダイナミック動作が確認できた。また、同じ 0.35µm テクノロジを

用いた従来の報告値とほぼ同等の性能指標(FOM)が得られた。今後、レイアウトの最

適化により寄生容量を削減すれば、一層の性能改善が期待できる見通しを得た。上記

積分器における一層の消費電力削減を目指し、スイッチトキャパシタ回路の容量充放

電過程を簡素化したレベルシフト型回路を考案した。さらに、それを用いたフィード

フォワード型ΔΣ変調器を設計し、回路シミュレーションにより約 40%の電力削減が可

能であることが分かった。逐次比較 A/D変換器において、2の重み付けを容量に持たせ

た上位 M ビット判定部と、それを電荷に持たせた下位 N ビット判定部からなるチャー

ジシェア型を対象として、Mと Nの最適配分方法を検討した。Nが大きいと低消費電力

化に有利であるが、スイッチ MOSFETへの電荷注入のため、その上限が存在することを

明らかにした。例えば 8ビット構成では、最適な分割が上位 5ビット/下位 3ビットで

あることが分かった。

2. ナノワイヤ/CMOS集積回路を用いた化学センサの可能性: 前年度までに確立したプロ

セス手法を用いて、CMOS基板上に InAsナノワイヤを集積化した回路の化学センサへの

応用可能性を検討した。アセトン、エタノール、純水などを InAsナノワイヤ上に滴下

し、同じ基板上に搭載したΔΣ変調器を用いてそのコンダクタンス変化をデジタル的

に評価した。その結果、それぞれに特徴的な変化を見出すことに成功し、ナノワイヤ

/CMOSセンサの実現の可能性を示すことができた。

3. 粘菌型ニューロ A/D 変換器の基本検討: 低消費電力実現に向けた抜本的な対策とし

てニューラルネット型 A/D 変換器に着目し、粘菌コンピューティングを模倣した回路

構成で実装した。冗長性を採用することで局所解による量子化誤差の増大を抑止でき

る可能性を見出し、今後さらに検討を進める価値があるとの判断に至った。

4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究、学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ

さい。その他、シンポジウム、講演会、セミナー開催などがありましたら、これに加えてください。)

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学内共同研究:「化合物半導体ナノワイヤと CMOS回路の集積化技術に関する研究」(機能創造

学科)

海外共同研究者(科研費)Werner Prost (Duisburg-Essen 大学、ドイツ)

5.教育活動(担当した講義、実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外

における教育活動、またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)

集積回路の基礎、ディジタル回路、電子デバイス、情報理工学実験 I、情報理工学実験 II

(主査),ゼミナール、集積回路工学

6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員、事務局などを記入してください。クラス担任や各

種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)

(学内)理工科学技術英語推進委員

(学外)多値論理研究会 オブザーバ(顧問)

2014 IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic, プログラム委員

電子情報通信学会 エレクトロニクスソサエティ 電子デバイス研究専門委員会 顧問

2014 Asia Pacific Workshop on Advanced Semiconductor Devices (AWAD) 電子情報通信

学会エレクトロニクスソサエティ主催 アドヴァイザリィ委員

電子情報通信学会 エレクトロニクスソサエティ 査読委員

7.社会貢献活動、その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

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