20分で語るfoss4gの10年
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2013年11月1日に開催されたFOSS4G 2013 Tokyoでの発表スライドです。TRANSCRIPT
20分で話すFOSS4Gの10年
A brief history of FOSS4G in 20 minutes
2013年11月1日株式会社オークニー 森亮
Toru Mori Orkney, Inc.
はじめに
はじめに• このお話は• OSGeo財団日本支部代表者じゃなくて
• 株式会社オークニーという会社の
• 創業者かつ経営者である
• 「森亮」の個人的なストーリーです
しかも、古い話です
10年は一昔どころじゃない
Sep. 2004
あの人は、今・・
Sep. 2004
あの人は、今・・
Sep. 2004
あの人は、今・・
Sep. 2004
あの人は、今・・
2013年
隔世の感
隔世の感
FOSS4Gで「地理院地図」が正式公開!
私的FOSS4Gのきっかけ
どうやって食べる?
どうやって食べる?• そもそも業界全体が伸び悩んでいる• 変化を好まない業界体質で、皆と同じことを後からやってもチャンスが少ない
• ならば、違うアプローチをしよう
• できれば、誰もやっていないことをしよう
事業の着想
事業の着想• ここが変だよジオ業界
• 技術や機能は語っても、ユーザーの視点が抜けがちな業界
• 実証実験がやたら多く、本当の利用者はどこ?
• メーカー製品の価格が高止まり、しかも日本語版はオリジナル版の数倍が横行
• ユーザーに官公庁が多いので「言い値」が通りがち
• だから、市場が余計に沈滞してしまう
• まず、この歪みを変えよう
• だったらどうやって変える?
オープンソース!
オープンソース!• まず、誰もが使えるようにしよう
• ユーザー本位の市場にしよう
• 2003年の春頃に調べ始める
• 当時は、Googleで検索しても日本語の情報はとても少ない
• 大阪市立大学(ラガワン・升本先生)のGRASS講座があったのは驚き!
• 少なくとも事業としてやっているところは無い
• 英語の情報は結構あるし、MapServerはかなり使われているらしい
• よし、やろう!!
2003年7月に事業化決意
2003年7月に事業化決意• ビジネス以前のハードルに遭遇
• 日本語環境で使えない
• GRASSもMapServerも文字化けする
• では、i18n対応をしよう!
• でもお金が無い!どこか助成事業は無いか?
• IPAが公募しているのを知る(締切まで半月くらい)
• 急遽大阪市立大学を訪問して升本先生、ラガワン先生にお会いする
• 共同プロジェクトとしてIPAに応募し、採択される
そして2004年
そして2004年
そして2004年
実は、その頃は
FOSS4Gが「本物」になり始めた時期
主要なFOSS4Gツールプロジェクトの開始時期
• GRASS GIS:1982年~
• MapServer:1994年~(OSSは1998年~)
• QGIS :2002年~
• PostGIS:2001年~
• GeoServer:2001年~
• OpenLayers:2005年~
• pgRouting:2005年~
• Leaflet:2010年~
主要なFOSS4Gツールプロジェクトの開始時期
• GRASS GIS:1982年~
• MapServer:1994年~(OSSは1998年~)
• QGIS :2002年~
• PostGIS:2001年~
• GeoServer:2001年~
• OpenLayers:2005年~
• pgRouting:2005年~
• Leaflet:2010年~
オークニーが事業開始したのはこの頃
主要なFOSS4Gツールプロジェクトの開始時期
• GRASS GIS:1982年~
• MapServer:1994年~(OSSは1998年~)
• QGIS :2002年~
• PostGIS:2001年~
• GeoServer:2001年~
• OpenLayers:2005年~
• pgRouting:2005年~
• Leaflet:2010年~
オークニーが事業開始したのはこの頃
OSGeo財団設立(2006年)
2000年代前半~半ば
2000年代前半~半ば• 「使える」FOSS4Gツールは限られていた
• 足りないところだらけで、どう使うかのコツが必要
• 開発コミュニティは小さくて顔が見えていた
• 主要メンバーとはすぐに顔見知りになれた
• 国内では事業性が不透明で、専業会社は出てこなかった
• やればやるほどノウハウが獲得でき、事業も先行できた
• 世界から見ても「日本にはオークニーしかいない」状態
■ Browser ClientsOpenLayers -‐ Browser GIS ClientGeomajas -‐ Browser GIS ClientMapbender -‐ Geoportal FrameworkMapFish -‐ Web Mapping Framework
■ Crisis Management Sahana Eden -‐ Disaster managementUshahidi -‐ Mapping and Timeline for events
■ Databases PostGIS -‐ SpaBal DatabaseSpaBaLite -‐ Lightweight DatabaseRasdaman -‐ MulB-‐Dimensional Raster DatabasepgRouBng -‐ RouBng for PostGIS
■ Desktop GIS Quantum GIS GRASS GIS gvSIG Desktop User-‐friendly Desktop Internet GIS (uDig) Kosmo Desktop OpenJUMP GIS SAGA OSSIM -‐ Image ProcessingGeopublisher-‐ CatalogueAtlasStyler -‐ Style EditorosgEarth -‐ 3D Terrain RenderingMB-‐System -‐ Sea Floor Mapping
■ NavigaBon and MapsGpsDrive -‐ GPS NavigaBonMarble -‐ Spinning GlobeOpenCPN -‐ Marine GPS ChartploRerOpenStreetMap -‐ OpenStreetMap ToolsPrune -‐ View, Edit and Convert GPS TracksViking -‐ GPS Data Analysis and ViewerzyGrib -‐ Weather Forecast Maps
■ SpaBal ToolsGDAL/OGR -‐ GeoSpaBal Data TranslaBon ToolsGMT -‐ Cartographic RenderingMapnik -‐ Cartographic RenderingOTB -‐ Image ProcessingMapTiler -‐ Create Map TilesR SpaBal Task View -‐ StaBsBcal ProgrammingGeoKeRle -‐ Data IntegraBon
■ Web Servicesdeegree GeoServer MapGuide Open Source MapServer QGIS mapserver GeoNetwork -‐ Metadata Catalog and Catalog Services for Web52°North WPS -‐ Web Processing Service52°North SOS -‐ Sensor ObservaBon ServiceZOO Project -‐ Web Processing Service
これでもFOSS4Gツールの一部にしか過ぎません
主要なFOSS4Gツールプロジェクトの開始時期
• GRASS GIS:1982年~
• MapServer:1994年~(OSSは1998年~)
• QGIS :2002年~
• PostGIS:2001年~
• GeoServer:2001年~
• OpenLayers:2005年~
• pgRouting:2005年~
• Leaflet:2010年~
オークニーが事業開始したのはこの頃
OSGeo財団設立(2006年)
主要なFOSS4Gツールプロジェクトの開始時期
• GRASS GIS:1982年~
• MapServer:1994年~(OSSは1998年~)
• QGIS :2002年~
• PostGIS:2001年~
• GeoServer:2001年~
• OpenLayers:2005年~
• pgRouting:2005年~
• Leaflet:2010年~
オークニーが事業開始したのはこの頃
OSGeo財団設立(2006年)
GoogleMaps(2005年)
主要なFOSS4Gツールプロジェクトの開始時期
• GRASS GIS:1982年~
• MapServer:1994年~(OSSは1998年~)
• QGIS :2002年~
• PostGIS:2001年~
• GeoServer:2001年~
• OpenLayers:2005年~
• pgRouting:2005年~
• Leaflet:2010年~
オークニーが事業開始したのはこの頃
OSGeo財団設立(2006年)
GoogleMaps(2005年)
iPhone(2007年)
僕らが目の当たりにしたもの
専門領域での技術進歩市場拡大
FOSS4G
僕らが目の当たりにしたもの
専門領域での技術進歩市場拡大
コンシューマITでのジオ系技術進歩ジオ周りの市場拡大FOSS4G
僕らが目の当たりにしたもの
専門領域での技術進歩市場拡大
コンシューマITでのジオ系技術進歩ジオ周りの市場拡大FOSS4G
コミュニティ
僕らが目の当たりにしたもの
専門領域での技術進歩市場拡大
コンシューマITでのジオ系技術進歩ジオ周りの市場拡大FOSS4G
コミュニティ
GoogleApple
最近のFOSS4Gは
専門家と「コミュニティ」を対象にしている
「オープンパズル」が揃ってきた✓ ハードウェア
✓ ソフトウェア
✓ コミュニティ
「オープンパズル」が揃ってきた✓ ハードウェア
データ ✓ ソフトウェア
✓ コミュニティ
今後、コミュニティを対象とした
サービスが広がる
特に、最近感じるホットなトレンドは二つ
1. データを徹底的にいじくる2. 結果をすぐに配信する
データを徹底的にいじくる
データを徹底的にいじくる• QuantumGISやGRASS GISの利用者が日本でも急増
• 機能強化が加速
• 商用ツールの高価なエクステンションに対応する機能も多い
• 日本語対応
• OSGeo財団日本支部のメンバーが尽力しています
• 使い方が学べる
• 各地で講習会も開催されるようになっています
• 使い方を紹介した日本語のサイトも増えています
• 本が出ます(古今書院から)
結果をすぐに配信する
結果をすぐに配信する• MapBoxの成功
• http://www.mapbox.com
• 自分の「地図」を配信できるクラウドサービス
• ベースマップはOpenStreetMapで、その上に簡単に主題図をオーバーレイできる
• 月額5ドルから、手頃な料金プラン
• サービス開始からまだ丸2年少々で、Foursquare, USA
Today, Evernote, Greenpeaceなどが採用
データをいじくる
結果を配信する
配信システムを構築する
数年前まで
なかなか手頃なデータが見つからない
データを徹底的にいじくる
結果をすぐに配信する
ネットからデータをダウンロード
今なら
データを徹底的にいじくる
結果をすぐに配信する
ネットからデータをダウンロード
今なら
オープンデータ
GRASSQGIS
R
MapBoxCartoDB
QGIS Cloud
システム開発が不要になってきているのです
徐々に
システム開発は、利用者にとってボトルネックでした
お金も時間も知識も要るからです
そこから解放される日が来つつあります
行き着く先はコミュニティが主人公
の時代
この流れを支えるのが
FOSS4Gツールの発展
ところで、
オークニーはどうする?
データを徹底的にいじくる
結果をすぐに配信する
ネットからデータをダウンロード
今なら
オープンデータ
GRASSQGIS
R
MapBoxCartoDB
QGIS Cloud
データを徹底的にいじくる
結果をすぐに配信する
ネットからデータをダウンロード
今なら
オープンデータ
GRASSQGIS
R
MapBoxCartoDB
QGIS Cloud
配信システムを構築する
データを徹底的にいじくる
結果をすぐに配信する
ネットからデータをダウンロード
今なら
オープンデータ
GRASSQGIS
R
MapBoxCartoDB
QGIS Cloud
配信システムを構築するオークニーのコア事業
つい3日前まで
現在
要するに・・業態転換
FOSS4Gに理解のある顧客層
FOSS4Gに理解のある顧客層
FOSS4Gに理解のある顧客層
一般の業務システム利用層
FOSS4Gに理解のある顧客層
一般の業務システム利用層
FOSS4G
FOSS4Gと共に