平成23年度石炭基礎講座 石炭地質学・非在来型燃...

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平成23年度石炭基礎講座 石炭地質学非在来型燃料資源について 石炭地質学 非在来型燃料資源について レジュメ レジュメ 石炭地質学 石炭非在来型燃料(天燃ガス) 資源ついて 石炭石炭の生成環境 資源ついて 非在来型とは ルベ ドメタンCBM) 石炭生成と地質時代 日本炭田 コールベドメタンCBM) シェールガス 日本炭田 探査法 炭質炭質評価法 今回はメタンハイドレトの 炭質炭質評価法 石炭組織 今回はメタンハイドレ トの 話はなし 1

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Page 1: 平成23年度石炭基礎講座 石炭地質学・非在来型燃 …Cecil博士他は、インドネシア の現世ピトドムをピートドームを研究し、 ピートドームの地形および内

平成23年度石炭基礎講座

石炭地質学・非在来型燃料資源について石炭地質学 非在来型燃料資源について

レジュメレジュメ

石炭地質学

石炭とは

非在来型燃料(天燃ガス)資源について• 石炭とは

• 石炭の生成環境

資源について

• 非在来型とは

ルベ ドメタン(CBM)• 石炭生成と地質時代

• 日本の炭田

• コールベッドメタン(CBM)• シェールガス日本の炭田

• 探査法

炭質と炭質評価法 今回はメタンハイドレートの• 炭質と炭質評価法

• 石炭組織

今回はメタンハイドレ トの話はなし

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平成23年度石炭基礎講座

石炭とは石炭とは

• 石炭は、化石燃料(fossil fuel)石炭は、化石燃料(fossil fuel)• 化石燃料は次の3種類がある

石炭 : 固体燃料石炭 : 固体燃料石油 : 液体燃料天然ガス:気体燃料気

• 化石燃料はエネルギー資源の大部分を占める.

• 他のエネルギー資源としては他のエネルギ 資源としては,核燃料自然エネルギー(太陽,風力,地熱,潮汐など)バイオマス

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平成23年度石炭基礎講座

木炭と石炭木炭と石炭

造• 木炭は,樹木を蒸し焼き(乾留)し製造する→ バイオマス

• 石炭は堆積層中に夾在する• 石炭は堆積層中に夾在する→ 化石燃料 (fossil fuel)

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平成23年度石炭基礎講座

石炭はどのように存在しているか石炭はどのように存在しているか

地層中 挟まれ• 地層中に挟まれて存在する

砂岩層や泥岩層• 砂岩層や泥岩層と互層を形成しているいる

• 基本的に堆積岩の地質の一部での地質の 部である

• 石炭は連続して分布する。

北海道美唄市石狩層群美唄夾炭層

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平成23年度石炭基礎講座

地層構造の影響地層構造の影響

• 地層は構造運動により変形する• 地層は構造運動により変形する

• 地質構造運動が小さければ地層はほぼ水平

• 夾在する炭層も緩傾斜 → 採炭し易い

ドイツ・ライン褐炭田 米国・パウダーリバー炭田

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平成23年度石炭基礎講座

複雑な地質構造(北海道・赤平地区の例)複雑な地質構造(北海道 赤平地区の例)

• 断層と褶曲で変形が大きい• 断層と褶曲で変形が大きい。

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平成23年度石炭基礎講座

炭層は側方変化をする炭層は側方変化をする

(Diessel, 1992より)

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平成23年度石炭基礎講座

石炭の堆積環境石炭の堆積環境

が• 従来は流木説・サイクロセム説が主流だった。→ しかし矛盾が多い

• 80年代以降、ピートドーム説が主流となる

現世(完新世)のピ トド ムの研究• 現世(完新世)のピートドームの研究→ 過去へのアナロジー

• 夕張炭田の炭層の分布

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平成23年度石炭基礎講座

サイクロセム説サイクロセム説

数十層の炭層が 堆積岩中• 数十層の炭層が、堆積岩中に繰り返して夾在するアメリカのペンシルベニア紀石炭カの ンシル ア紀石炭の研究から、サイクロセム(堆積輪廻)の考え方が提出された出された

• この考えは、一回の海進海退サイクルの間に一つの炭退サイクルの間に つの炭層が形成されるという考えである

現在 海水順変動 考えと• 現在の海水順変動の考えと類似する

(Diessel, 1992より) 9

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平成23年度石炭基礎講座

流木説流木説

• 陸上高等植物の集積・堆積陸上高等植物の集積 堆積作用を、異地性起源説である流木説で説明する場合が多かった多かった

• 石炭組織分析(後述)でも、石炭の大部分が木質から石炭の大部分が木質から成ることで当時流木説が広く支持された

説 対 炭層中• この説に対し、炭層中にほとんど堆積物を含んでいないこと、厚さ数mの炭層がいこと、厚さ数mの炭層が数10kmも続く場合があることなど説明困難な問題が多く存在した多く存在した

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平成23年度石炭基礎講座

パウダーリバー炭田(米国)パウダーリバー炭田(米国)

炭層はほとんど堆積物を含まない炭層はほとんど堆積物を含まない

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平成23年度石炭基礎講座

ピートドームの発達

近年は 炭 形成機構とし

ピ トド ムの発達

• 近年は石炭の形成機構としてピートドーム(高位泥炭, rising bog)が注目を集めている

• 従来から地形学、農業土壌学の分野では泥炭地の研究が行われていた行われていた

• 米国地質調査所(USGS)のCecil博士他は、インドネシア

の現世ピ トド ムを研究しの現世ピートドームを研究し、ピートドームの地形および内部構造を明らかにした

• この結果は石炭に応用されている

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平成23年度石炭基礎講座

尾瀬ヶ原の高層泥炭地高層泥炭地

(ピートドーム)

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平成23年度石炭基礎講座

現世(完新世)のピートドームの研究現世(完新世)のピ トド ムの研究

Depositional Rate of Peat

00 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

C14 AGE (Year,B.P.)

100

200

300

400

500

600

700

DEP

TH (c

m)

700

800

900

1000

SARAWAK RIAU(SUMATRA) OZE

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平成23年度石炭基礎講座

地層では:夕張地区炭層対比地層では:夕張地区炭層対比160m

120

140m

100m

120m

60m

80m

40m

60m

0m

20m

1 2 3 4 5 6 7 8 9

北 ← 約20km → 南15

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平成23年度石炭基礎講座

夕張地区炭層対比(炭層10×)400m

350m

400m7

8炭層層厚:10 X

250m

300m平安8尺層

9

200m

平安8尺下層

3

4 5

6

100m

150m

6尺層1

2

0

50m

10尺層

8尺層

0m

夕張

1鉱

夕張

2鉱

(鉱口

付近

)夕

張2

鉱 (中

央立

坑)

平和

清水

新鉱

(北部

)

新鉱

(南部

)

真谷

地(桂

坑)

真谷

地(楓

坑)

北 ← 約20km → 南

夕張

夕張

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平成23年度石炭基礎講座

石狩炭田石狩炭田夕張地区

炭層等層厚線図炭層等層厚線図(10尺層)

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平成23年度石炭基礎講座

石炭の生成環境石炭の生成環境

• 現在はピートスワンプ・ピートドーム説が有力

• 全てに適応可能かは不明

• 日本の他の炭田での解析や夕張の詳細な解日本の他の炭田での解析や夕張の詳細な解析が必要かと考えている

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石炭生成と地質時代

英国

ドイツ

ポー

ランド

ロシア

南アフリカ

インド

インドネシア

ベトナム

本州

筑豊炭田

三池炭田

常磐炭田

天北炭田

苫前炭田

留萌炭田

石狩炭田

釧路炭田

6茅沼炭田

新第三紀 △ △ ◎

古第三紀 △ △ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○

白亜紀 ○ ○

ジュラ紀 ○

三畳紀 ●

二畳紀 ◎ ◎ ◎ ◎

石炭紀 ◎ ◎ ◎ ◎

デボン紀

●:無煙炭 ◎:瀝青炭 ○:亜瀝青炭 △:褐炭

ビクトリア州ラトロー

ブバレー

ホンゲイ炭(

クアンニン炭田)

山西省大同炭田

遼寧省撫順炭田

遼寧省阜新炭田

山東省諸炭田

中国

西ベンガル州諸炭田

北海道

日本

スマトラ・カリマンタン

九州

国名

豪州

米国

地域 ・ 炭田名

アパラチア・イリノイ炭田

シュ

レジア炭田

ルー

ル炭田

クズバス炭田

シドニー

炭田.ボー

エン炭田

新生代

中生代

古生代

西部諸炭田

ウィッ

トバンク炭田

イングランド諸炭田

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平成23年度石炭基礎講座

アメリカ

• 炭田は 東部(アパラチア) イリノイ 西部に分けられる

アメリカ

• 炭田は,東部(アパラチア),イリノイ,西部に分けられる

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平成23年度石炭基礎講座

日本の炭田日本の炭田

主 な炭 分布 北• 主要な炭田分布は北海道と北部九州に集中しているしている

• 他には,九州の延長部に相当する山口県宇部 び福島 茨部周辺および福島・茨城両県の太平洋岸に広がる常磐炭田が存広がる常磐炭田が存在する

• 天北炭田以外の各炭ず も 第田はいずれも古第三

紀に形成された炭田であるある

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平成23年度石炭基礎講座

複雑な石狩炭田複雑な石狩炭田

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平成23年度石炭基礎講座

九州の炭田九州の炭田

重要な炭 は• 重要な炭田は筑豊炭田三池炭田三池炭田崎戸-松島炭田高島炭田高島炭

佐世保(北松)炭田

• 三池,松島,高島炭田は海底炭鉱炭鉱

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平成23年度石炭基礎講座

筑豊炭田筑豊炭田

• 炭田の地質については九州石炭鉱業会、九州炭鉱業技術連盟 り詳細なデ タあり石炭鉱業技術連盟により詳細なデータあり

• 東落ちのハーフグラーベンが2列ある

• 東側の列:田川、直方東

• 西側の列:上山田 飯塚 直方西• 西側の列:上山田、飯塚、直方西

• 主要夾炭層は、三尺五尺層、竹谷層、上石層、遠賀層(直方以北)遠賀層(直方以北)

• 炭田全体で炭層の厚さに大きな変化なし

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平成23年度石炭基礎講座

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平成23年度石炭基礎講座

石炭探査の一般的な手順石炭探査の 般的な手順

海底炭田

地質調査 近くの陸上部の地質調査一地質の状況・執事

調査項目 陸上炭田

霞頭調査(踏査)、地質図・炭柱図

屈折法 音波探査(スバーカ)

反射法   ↓   (エアガン)

電気探査 (音波探査不可能の場合は地東探査)

構造調査(物理探査)

地震探査  概査

電気探査 (音波探査不可能の場合は地東探査)

炭層調査  層序ボーリング兼     電気検層

  構造ボーリング      密度検層

層序ボーリングその他→(試料分析)

ボーリング位置

電機検層

密度検層等(γ-γ検層)

海上ボーリング・・・・浅部はやぐら又は円筒式、深部は船上式又は半沈潜水式のやぐらを利用。一般に工事費は陸上に比べて極めて高く、 多数のポ-リング

精査 精査ボーリング

構造調査並びに調査

(γ γ検層)

石炭分析

選炭分析

に比 て極めて高く、 多数のポ リング実施は困難

同     左 炭質調査 試料分析

総合結果

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平成23年度石炭基礎講座

概査の手法概査の手法

• 地表地質調査で炭層を見• 地表地質調査で炭層を見つける

• 露頭が無い場合はボーリング調査が主ング調査が主

開発区域:カラハリ砂漠27

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平成23年度石炭基礎講座

地質図、柱状対比図、炭層対比図地質図、柱状対比図、炭層対比図

質 夾炭 広が を把握• 地質図で夾炭層の広がりを把握

• 柱状図、炭層図で対比し、連続性や炭層の厚さを把握

• 地域での炭層分布、炭量を把握地域での炭層分布、炭量を把握

地質図、地質断面図地層柱状対比図

炭層対比図

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平成23年度石炭基礎講座

炭質評価炭質評価

• 炭質評価炭質評価炭質評価法

工業分析元素分析元素分析発熱量石炭組織分析ビトリナイト反射率(Ro)粘結性試験

炭質区分炭質区分炭質評価における問題点

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平成23年度石炭基礎講座

炭質評価とは炭質評価とは

• 石炭は被熱エネルギーの増加により変化するする

• それに伴い石炭は、泥炭→褐炭→亜瀝青炭 瀝青炭 半無煙炭 無煙炭と変化炭→瀝青炭→半無煙炭→無煙炭と変化

• 被熱エネルギー量を示す抽象的な指標→ 石炭化度(熟成度)

• 石炭化度を測定する種々の方法がある• 石炭化度を測定する種々の方法がある→ 炭質評価法

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平成23年度石炭基礎講座

炭質評価法炭質評価法

業分析• 工業分析

• 元素分析元素分析

• 発熱量

組 析• 石炭組織分析

• ビトリナイト反射率(Ro)ビトリナイト反射率(Ro)• 粘結性試験(コークス化試験)

• その他

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平成23年度石炭基礎講座

工業分析とは工業分析とは

• 分析方法は「JIS M8812 石炭類• 分析方法は「JIS M8812 石炭類及びコークス類工業分析法」(1993)によって定義されている

• 石炭の組成を、水分、灰分、揮発分、固定炭素と定義する

揮発分は900℃で7分間加熱に• 揮発分は900℃で7分間加熱により減量した分

• 指標と用いる場合は水分、灰分指標と用いる場合は水分、灰分を除いた無水無灰ベース(dry,ash free)に計算する

密• 揮発分は石炭中の水素分と密接に関係する

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平成23年度石炭基礎講座

70

daf

60

TS (w

t%, d

揮発分と水素分の 50C

ON

TEN

T

水素分の関係

50

E M

ATT

ER

関係

40V

OLA

TILE

300.600 0.800 1.000 1.200 1.400

ATOMIC H/C RATIO

V

ATOMIC H/C RATIO

TAIHEIYO(MAIN) IKESHIMA TAKASHIMAPORONAI Minami-Ohyubari KARIMANTANFuxin(Cretacous) Jaoping(Jurassic)

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平成23年度石炭基礎講座

無水無灰ベース(dry ash free)とは無水無灰 ス(dry ash free)とは

• 石炭化度の指標として最もよく用いられるのが揮発石炭化度の指標として最もよく用いられるのが揮発分値である(固定炭素値でも同じ)。

• 指標値として用いる場合は、石炭ではない水分、灰指標値 用 場合 、 炭 分、灰分を除いた、無水無灰ベースの揮発分値を求める必要がある無水 無灰ベ スの揮発分値(VMd f)を求める計算• 無水・無灰ベースの揮発分値(VMdaf)を求める計算式は以下の通りであるVMdaf = 100 x VMadVMdaf 100 x VMad

100 - MOIS - ASHVMad:揮発分値(実測値),wt %MOIS 水分値(実測値) t %MOIS:水分値(実測値),wt %ASH:灰分値(実測値),wt %

• 問題となるのは鉱物質の中に900℃では一部分解• 問題となるのは鉱物質の中に900℃では一部分解するものがあるということ

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平成23年度石炭基礎講座

無水無灰ベース(dry ash free)とは無水無灰 ス(dry ash free)とは

• 日本の場合、1949年に配炭公団(当時)が求めた全国平均的値の1.08の灰分補正率を用めた全国平均的値の の灰分補 率を用いている。

灰分が少ない石炭ではΔVMの影響は少ない• 灰分が少ない石炭ではΔVMの影響は少ない

が、逆に灰分の多い場合、揮発分値の信頼度が くな 合が高度が低くなる場合が高い。

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平成23年度石炭基礎講座

発熱量とは発熱量とは

石炭の発熱量の測定は 「JIS M8814 石炭類及びコ クス• 石炭の発熱量の測定は、「JIS M8814 石炭類及びコークス類-発熱測定法(1983)」によって規定されている

• 発熱量の単位はSI単位系ではMJ/kgであるが、わが国ではが

gkcal/kgまたはcal/gが慣用的に使用されている

1000kcal/kg = 4.187MJ/kg• アメリカや欧州諸国では熱量の単位として BTU/lbが比較的アメリカや欧州諸国では熱量の単位として、BTU/lbが比較的

よく使われている1kcal/kg = 1.8 BTU/lb

無水無灰ベ スの発熱量は 水分 灰分および発熱量の値• 無水無灰ベースの発熱量は、水分、灰分および発熱量の値を用いて計算によって求める。

• CVdaf = 100 x CVad 100 – 1.08×ASH – MOIS

CVad:発熱量測定値 ASH:灰分測定値 MOIS:水分測定値

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平成23年度石炭基礎講座

各石炭化度指標の熟成での変化各石炭化度指標の熟成での変化

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平成23年度石炭基礎講座

石炭組織とは石炭組織とは

炭を顕微鏡 観察 た時 色調 光沢• 石炭を顕微鏡下で観察した時に、色調、光沢、形態の異なる種々の部分が認識できる

• これらの各部分は、組織成分(マセラル)とよばれるれる

• マセラル組成は、石炭の原材料となった植物の部位の違いや 泥炭化作用の段階での化の部位の違いや、泥炭化作用の段階での化学的環境条件の差などを反映したもの

マセラル組成は石炭の特徴を決定する要素• マセラル組成は石炭の特徴を決定する要素の一つ

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平成23年度石炭基礎講座

石炭組織石炭組織

幾春• 石狩層群幾春別層の石炭

Vit ビトリニ ト• Vit:ビトリニットDeg:デグラディニットSc:スクレロチニットSc:スクレロチニット

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平成23年度石炭基礎講座

石炭組織とは石炭組織とは

日本では 石炭組織分析は「JIS M8816 石炭微細• 日本では、石炭組織分析は「JIS M8816 石炭微細組織成分及び反射率測定法(1992)」で規定

• 組織成分は 顕微鏡下での光学的特徴や形態によ• 組織成分は、顕微鏡下での光学的特徴や形態により3つのマセラルグループに区分される

ビトリニットグループ(vitrinite group)グジ グ プ(

g pエグジニットグループ(Exnite Group、イナーチニットグループ(Inertinite Group)

各グル プは更にいくつかのマセラルに細分されて• 各グループは更にいくつかのマセラルに細分されている

• 国際石炭組織委員会(ICCP)による区分は 亜瀝青• 国際石炭組織委員会(ICCP)による区分は、亜瀝青炭以上と褐炭以下の2種類がある

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平成23年度石炭基礎講座

マセラル区分マセラル区分

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デェグラディニットについてデェグラディニットについて

• 紫外線で蛍光を発するな光を発するなどエクジニットに近いトに近い

• Deg含有量とH/C,O/Cの

相関から性相関 性質を推定

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デェグラディニットについてデェグラディ ットについて

• 明らかにエクジニットグループ(TypeII)にはいypる

• 日本炭の高水素分の原因

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石炭化度指標の問題点石炭化度指標の問題点

• 石油探鉱ではビトリナイト反射率(Ro)理由:堆積岩中の分散有機物に有効理由:堆積岩中の分散有機物に有効欠点:異地性の混入、酸化の影響など

炭田地域では 発熱量と揮発分の組み合わせが• 炭田地域では、発熱量と揮発分の組み合わせが有効

理由 工業分析 発熱量は石炭の炭質理由:工業分析、発熱量は石炭の炭質評価で必要不可欠

欠点 分析にある程度の量の石炭が必要欠点:分析にある程度の量の石炭が必要

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発熱量・揮発分による石炭化度評価発熱量 揮発分による石炭化度評価

• 過去のデータが多く残っている過去のデ タが多く残っている

• 純炭ベース(daf)へ計算が必要

• 熱熟成による変化と起源有機物による変化が直交方向化が直交方向

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炭質区分 について(日本)炭質区分 について(日本)

日本の炭質区分基準はJIS M1003で定義さ• 日本の炭質区分基準はJIS M1003で定義されている。

• 基本的には補正無水無灰ベースでの発熱量を基準にしている。を基準 る。

• 瀝青炭以上で固定炭素を揮発分で割った燃料比を基準に用いている料比を基準に用いている。

• 米国のASTMに似た体系である。

• 水素分に富む自国の石炭に有利なようになっている。

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炭質区分(JIS-M1002より)炭質区分(JIS M1002より)

分 類 発熱量(補正無水無灰基) kj/kg (kcal/kg)

燃料比 粘結性 備 考炭 質 区分

無煙炭 (A)

A1 4.0以上

非粘結 火山岩の作用で生じたA2

火山岩の作用で生じたせん石

瀝青炭 (B、C)

B135,160以上(8,400以上)

1.5以上強粘耗

B2 1.5未満

C33,910以上35,160未満 (8,100以上

8,400未満〉粘 結

亜瀝青炭 (D E)

D32,650以上33,910未満 (7,800以上

8,100未満)弱粘結

亜瀝青炭 (D、E)

E30,560以上32,650未満 (7,300以上

7,800未満)非粘結

褐 炭 (F)

F129,470以上30,560未満 (6,800以上7,300

未満)非粘結褐 炭 (F) 非粘結

F224,280以上29,4ケ0未満 (5,800以上

6,800未満)

燃料比=固定炭素/揮発分(無水無灰基)燃料比 固定炭素/揮発分(無水無灰基)

〈注)発熱量く補正無水無灰基)=発熱量/く100一灰分補正率×灰分一水分〉×100

ただし、灰分補正率は配炭公摘の方式による.〈参考文献:昭和24年4月配

炭公団技巧局薦技術資料第2帳及び石炭局構炭鼻計算基準解配車) 48

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米国の石炭分類米国の石炭分類

• ASTMによる区分

• 我が国と類似の体我が国と類似の体系

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在来型石油・天然ガス鉱床では在来型石油 天然ガス鉱床では

プ• 根源岩から発生 → 移動 → 集積のプロセスで鉱床成立

• 貯留層は,砂岩or石灰岩(まれに火山岩類)

貯留形態は 砂岩や石灰岩など 空隙に貯• 貯留形態は,砂岩や石灰岩などの空隙に貯留される

• 集積構造は,背斜や断層,層位トラップなど

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非在来型石油・天然ガス鉱床とは非在来型石油 天然ガス鉱床とは

在来 な 特徴をも• 在来型でない特徴をもつ

• 主なものとしては# タイトサンドガス# コールベッドメタ(CBM)( )# シェールガス# メタンハイドレート(MH)( )

• MH以外は商用化されているいる

JOGMEC HPより

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在来型・非在来型燃料鉱床の概念図在来型 非在来型燃料鉱床の概念図

(from USGS)

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米国の非在来型天燃ガス生産量米国の非在来型天燃ガス生産量

年• 2010年はシェールガスは20% 25

30

f)

Shale GasTight gasLower 48 Onshore ConventionalLower 48 Offshore

• 2035年には50%超える

20

duct

ion

(tcf Lower 48 Offshore

Coalbed MethaneAlaska

• CBMは10%前後

• タイトサンドガスは10

15

ral g

as p

ro• タイトサンドガスは

25%程度

シ ルガス革命

5

Nat

u

• シェールガス革命ガス輸入国

輸出国へ

0

1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035Year

→ 輸出国へ 1TCF ≒ 283 億m3

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CBMとはCBMとは

• 石炭層から発生するガス• 石炭層から発生するガス

• ガスの起源は問わない

• 炭層ガスとの和訳もあるが最近はCBMまた、Coal Seam Gas (CSG)とも呼ばれるまた、 ( ) も呼ばれる

• 一般にメタンが99%以上のためCoal Bed Methaneが使われている使われている

• 広義には,坑内採掘に伴うガス抜きで発生するガス(Coal Mine Gas 略してCMG)や廃止鉱山からのガスCoal Mine Gas,略してCMG)や廃止鉱山からのガス(Abundant Mine Methane, AMM), 通気中のガスVAM(Ventilation Air Methane)もCBMに入るVAM(Ventilation Air Methane)もCBMに入る

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CBMと在来型ガス鉱床の相違点CBMと在来型ガス鉱床の相違点

• CBMでは石炭層に、ガス分子が吸着することによりガスが貯留されているとによりガスが貯留されている

• 減圧により,石炭よりメタンが脱着

• 坑井から水を抜くことで減圧を実現し,ガスを生産生産

• 1坑井当たりの生産量が少ない

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CBM放出のメカニズムCBM放出のメカニズム

差圧分ガスが放出

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CBMの回収法CBMの回収法

地 水を汲む と よる• 地下水を汲むことによる減圧効果でガスを回収

• 石炭の透過率(浸透率)が重要重要

• 透過率改善のための地下で水圧破砕等の処理下で水圧破砕等の処理が必須

米国サンフ ン堆積盆で• 米国サンファン堆積盆では坑井は1000本以上

(from USGS)

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日本のCBM開発日本のCBM開発

• これまで炭鉱でのガス抜きとしては多くの実績がある績がある

• 商業ベースでのCBM開発の実績はない

• 廃止鉱山を利用したCBM生産、MGT発電の

テストが北海道赤平市新赤平鉱山(旧住友テストが北海道赤平市新赤平鉱山(旧住友赤平炭鉱)でおこなわれた

夕張市でCO2炭層固定化予備実験で• 夕張市でCO2炭層固定化予備実験でECBM回収実験がおこなわれた

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新赤平鉱山新赤平鉱山

Micro Gas Turbine(30kw x 5)

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夕張CO2炭層固定(ECBM)予備実験夕張CO2炭層固定(ECBM)予備実験

• CO2を炭層に注入し、CBMの回収増進を目指す

• CO2の炭層への浸透率• CO2の炭層への浸透率

が低く、入り難く増進効果が低

CO2注入井

果が低い

• N2の場合は、増進効果N2の場合は、増進効果が大きい

CBM生産井60

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シェールガスとはシェ ルガスとは

• 地下深部のシェール(頁岩)層中の微少空間に溜まっていたガス

• もし移動できたら在来型鉱床を形成したかも

ガ を回収するために人 的にシ を破• ガスを回収するために人工的にシェールを破砕する必要がある

• ガスを回収する面積を稼ぐためにシェール層を水平掘削(ボーリング)しているを水平掘削(ボ リング)している

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シェールガスの開発シェ ルガスの開発

• 水平掘削

• 水圧破砕水圧破砕

マーセラス頁岩でのイメージ

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北米のシェールガス資源北米のシェ ルガス資源

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シェールガス鉱床の条件シェ ルガス鉱床の条件

• ガスの起源は熱分解ガス

• 頁岩中に有機物が多い頁岩中に有機物が多い5wt%以上

• 熱熟成度が高い• 熱熟成度が高いガス発生帯(石油熱分解帯)

炭質で言えば 低揮発分瀝• 炭質で言えば、低揮発分瀝青炭~亜無煙炭

岩が広く分布する• 頁岩が広く分布する

地中での有機物の変化についての概念図)(Tissot & Welte,1978より)

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我が国のシェールガス資源我が国のシェ ルガス資源

• シェールガスは未調査• シェ ルガスは未調査

• 広範囲に安定したシェール層はほとんどない層はほとんどない

• 古い時代の堆積岩層は、地殻構造運動 変形が著し殻構造運動で変形が著しい

• 若い地層は、熱熟成が低い

• 新潟の一部は可能性有り?

• 熱分解の残骸と思われるも

新潟堆積盆の坑井、深度4500m付近のケロジェン(左:透過光,中央:反射光,右:紫外線2次蛍光)

• 熱分解の残骸と思われるものが見える

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