#26 walk
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ニュージーランド、オークランドでの散歩日記。 今回は海まで歩きました。 こっちは今夏です!TRANSCRIPT
shishiNo.26
Walkby Anna Matsuoka
はじめに
ニュージーランドの今週末は夏の始まりが高らかと宣言された
ような気候だった。 温かく、植物は茂り、空はからっと晴れ
て、街の至る所から開花したジャスミンの匂いがしてくる。
女の子達は着々と薄着になってきているし、街には恋人達が溢
れ、みんな手をつなぎながら散歩している。
こりゃ出掛けるしかない。 散歩だ、散歩だ!
目的は今年初めての海水浴だ。 通過地点はうちの横の公園と、
博物館、マングローブの林。 そんな散歩のビジュアルダイア
リー、はじまりはじまり。
まず、公園
家を出て、海への近道のために公園を通る。 街で一番都市的
でモダンな公園。 でも日本と比べたら大きな植物がボンスカ
生えている。人が小さく見える。 思わず、植物に抱きつきた
くなる。
なんで大きな植物って見ると、抱
きつきたくなるんだろうね。 駆
け寄って、抱きついたり登ったり
したくなる。 木に誘われる。
って事で、この国では、誘惑に負
けた人達が木の上に結構いる。
私も比較的頻繁に木に登る。
この公園の坂の部分には現代美術
がメインに展示されている美術館
が隠れている。 美術館のテラス
には日光浴をしながら朝ご飯を食
べている人達がいて、見ていると
幸せな気分になる。
次に、大学が見えてくる
公園を抜けると大学。 骸骨みたいな時計塔がシン
ボル。 大学の周りの道は街路樹が植えられていて、
散歩にすごく適している。 生物学の学部棟の周り
にはバラの花園があるからそこを突っ切る。
丘の上には博物館
大学を抜けて、道を渡って、ちょっとした獣道を通り、
坂を上ると博物館が見えてくる。
ここは国立博物館であると同時にこれまでニュー
ジーランドが参戦した戦争の追憶の場でもある。
慰霊碑があり、博物館の最上階は戦没者への祈りの
場になっている。 いろんな国の歴史が交差した後
を見る場。
建物の床面積自体は他の国の博物館と比べて小さい
ほうだと思う。 だけれども、ここの展示物はなか
なかに面白い。 特にポリネシアの島々の文化に関
する展示がものすごく、ものすごく、ものすごく面
白い。 「いやー、知的に面白いね」とかって次元で
は収まらず、ポリネシア文化圏の物って単純にかな
り面白いのだ。 生き物として、人間ってすごいと
思わさせられる。 彼らはオセアニア中をカヌーで
航海して発展していった。 その時点でかなりすご
い。 私なら三分で難破する。 そんな彼らの航海
技術、世界観が表れている文化芸術、本当に見飽き
ない。
あとね、なんか全体的に漫画っぽくって、日本人か
らするとなじみやすい。
なんだか気持ちがわかる。
親近感。 被りたくなるよ、
こんなすごいお面があったら。
海はまだまだ とりあえず腹ごしらえ
急いで進んだら散歩じゃないか
ら、ゆっくりと海を目指す。
腹ごしらえも忘れない。
この時点で結構つかれてて、「も
し一緒にいる子が、もう今日は
帰ろうよ」っていってきたら、
その案に飛びつくなと思いなが
らご飯を食べる。
あとは海まで歩くのみ
お昼を食べて、カフェに置いて
あった新聞も読んで、すこし疲
れが抜けたから、やっぱり海に
行く事にする。
海までとことことひたすら歩
く。 こういう抜け道を探して、
海がある方向に向かって、色ん
な細い道を通る。
一面、マングローブ。
「確かに、そこ歩いてみたい」って場所に獣道や吊り橋とかがかかっている。
ここは線路まで通っている。 ここ電車で通ったら気持ちが本当にいいだろうな。
やっとこさ、海
後の事は泳ぎ疲れて忘れちゃった。
夏の散歩の帰り道は、とても静か。
Fin
松岡杏奈
工業デザイナー /shishi のデザイナー。 鎌倉出身。
ニュージーランドのオークランド在住。
多摩美術大学を中退後、ニュージーランドの大学に留学。
その後地元の企業にインハウスデザイナーとして勤務。
東京でたまたま会った坪野君と、元々の友達だったしおねと shishi を始める。
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