平成28年5月16日(月)講義用スライド ppe...
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“PPE(PERSONAL PREVENTIVE EQUIPMENT)を
適切に使う” 平成28年度 モーニングセミナー
平成28年5月16日(月)講義用スライド
看護部_感染対策室 看護師長/感染管理認定看護師
丸岡 一恵
手指衛生が必要なとき(厚労省)
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手袋使用の有無にかかわらず、患者に直接接触する前には手指消毒をする。(ⅡA)
手が目に見えて汚染しているとき、あるいは蛋白性生体物質で汚染しているか、血液やその他の体液で汚染してい
るときは、石鹸あるいは手指洗浄消毒薬と流水で手洗いをする。(ⅡA)
目に見える汚れがない場合は、アルコールを主成分とする擦式手指消毒薬を用いて手指消毒をする。(ⅡA)
血液、体液あるいは分泌物、粘膜、傷のある皮膚や創傷被覆材に接触した後はたとえ目に見えて汚染がなくとも、
流水で手洗いをする。(ⅢA)
傷のない皮膚に触れた後は手指消毒をする。(ⅢA)
手袋を外した後は手指消毒をする。(ⅡA)
同じ患者であっても業務や処置の合間には異なる局所部位への交差感染を防ぐために手指消毒をする。(ⅡA)
芽胞菌(C. difficileなど)に接触した疑いがある場合はアルコールを主成分とする擦式手指消毒製剤ではなく、石
鹸と流水による手洗いあるいは手指洗浄消毒製剤と流水で手指を洗浄消毒する。(ⅡA)
手洗いの遵守率の向上には恒常的な教育・研修や、様々な介入(手洗いに関するキャンペーンの実施、手洗い状況
のモニター)を組み合わせて繰り返し行なう。(ⅢA)
手洗いによる刺激性接触皮膚炎の発症を抑えるためハンドローションやクリームで手の皮膚をケアする。(ⅢA)
手指衛生のタイミング
クイズ①
手指消毒が必要な臨床場面を1つあげてください。
流水と石けんよる手洗いが必要な場面を1つ上げてください。
手指衛生のタイミング
手指衛生の種類と違い
手洗い
流水と石けん
洗浄作用
手指消毒(アルコール)
消毒用アルコール
殺菌作用
細菌数 細菌数
手指衛生のタイミング
1/60 1/3000
リハビリテーション時の手指衛生は何回
• 患者に触れる前 • 患者に触れた後 (リハビリ終了後)
1回 2回
手指衛生のタイミング
リハビリテーション時の手指衛生
患者さんが 「痰がでる」といって ティッシュに痰を出した時
• ティッシュを取り出す
• ティッシュを患者に渡す
• 痰が出たティッシュを受け取る
• 使用したティッシュをゴミ箱にすてる
?回
手指衛生のタイミング
手指衛生で大切なこと
手洗いと手指消毒を知って、使い分ける。
手指衛生のタイミングは、ケアの前と後だけとは限らない。ケースにより、何度もある。
例)
バイタルサイン、採血、尿量測定(尿の廃棄)
手指衛生のタイミング
手指衛生が重要な理由
病院感染のほとんどが「接触感染」である
患者の皮膚や粘膜に直接接触する、侵襲的器具に接触するケアでは、医師と患者双方にリスクがある
「医師の手」⇒「患者の皮膚」「患者の皮膚」⇒「医師の手」
感染症を発症していない患者でも保菌や未検査による感染リスクがある
入院歴、地域連携、高齢・小児などで耐性菌保菌リスク高
易感染患者(基礎疾患、化学療法・放射線治療など)が混在
手指衛生のタイミング
消費者庁による「手洗いに関する実態調査」
トイレ後の手洗いについて
小便後に手洗いを行うと回答 87.7%
大便後に手洗いを行うと回答 92.0%
回答内容から判断すると 「15.4%の人がトイレの後に手を洗わない」と回答 している
手指衛生のタイミング
患者の「手」はきれい?
患者の手指衛生のタイミングと遵守率
手指衛生のタイミング 遵守率
お手洗い使用時 29.7%
食事の前 39.1%
病室に入るとき 2.9%
病室を出る時 6.7%
結果より、患者さんへ手指衛生の重要性を伝えることの重要性が示唆されます
Measurement of Patient Hand Hygiene in Multiorgan Transplant Units Using a Novel Technology: An Observational Study ; Infection Control and Hospital Epidemiology. 35(11), 2014) http://www.jstor.org/stable/10.1086/678419?seq=1#page_scan_tab_contents
手指衛生のタイミング
手洗いの手順「注意すべきポイント」
手指衛生のタイミング
手指消毒の手順「注意すべきポイント」
量
時
接
手指衛生のタイミング
個人用防護具(PPE)
防護用具を装着する目的
手袋:手が汚れない
ガウン:白衣が汚れない
マスク:口鼻腔の粘膜曝露を防ぐ
アイシールド・フェイスシールド:眼の粘膜の曝露を防ぐ
防護用具の適切な使用
PPEは、外す時には特に注意が必要
皮膚落屑 ホコリなど
血液 排泄物
※ 手袋の表面(汚れ)が手につかないように脱ぐ
防護用具の適切な使用
PPE使用時「注意すべきポイント」
PPEを外すべきタイミングを逃さない
PPEは、「〇〇前に着ける」「〇〇後に外す」でよいか?
ケア中にも交換すべきタイミングがある
おむつ交換時の手袋交換
すべてのPPEを着用する場合、手袋は最後に着けて最初に脱ぐ
防護用具の適切な使用
演習① 手を汚さないようにPPEを脱ぐ
1. 手指消毒後、手袋とエプロンをつける
2. 指先とエプロン表面に模擬汚れを付ける
3. 手を汚さないように手袋とエプロンをはずす
防護用具の適切な使用
手袋を外した後に手指衛生する理由
未滅菌の手袋には目に見えないピンホールがある
ビニール手袋の規格:医療用、検査用、雑品(一般用)
雑品にはピンホール基準はない
未使用品のピンホール率3~12%(使用後~66%)
看護部実験で採血/おむつ交換時50%の破損率
防護用具の適切な使用
まとめ
1. 手指衛生タイミングは、診察/処置の前中後に何度もある
手洗いと手指消毒を使い分ける
2. 個人防護用具(PPE)は、手を汚さないように外す
外す順番を間違えない
手袋のピンホールに注意する