29p-0980 病モ ルマ ス由 ニ ーロスフェアにおけるヒト み...
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29P-0980Sandhoff病モデルマウス由来ニューロスフェアにおけるヒト組み換え Hex A酵素の取り込み◯黒田 麻祐子1,鈴木 俊宏1,小谷 政晴2,田島 陽一3,4,川島 育夫3,4,兎川 忠靖1,辻 大輔5,伊藤 孝司5,千葉 靖典6,福重 智子7,金蔵 拓郎7,櫻庭 均1,4(1明治薬大・分析化学,2奥羽大薬,3都臨床研・分子医療,4明治薬大・臨床遺伝学,5徳島大院薬,6産総研・糖鎖医工セ,7鹿児島大院医歯)
〔目的〕Sandhoff 病(SD)は、リソソーム性 -ヘキソサミニダーゼ(Hex)を構成している -サブユニットの遺伝子変異に基づく遺伝病である。本症はHex AおよびHexBの活性の低下により、基質である GM2ガングリオシド等の糖複合体が主に中枢神経系細胞に過剰蓄積し、神経系に重篤な障害を来たす。我々は SDの病態解析や治療法開発への応用を目的として、SDモデルマウスおよび野生型(WT)マウス由来のニューロスフェア(NS)を樹立し、その性状と応用に関して基礎的な検討を行なった。〔方法〕Hex Aおよび全 Hex活性はそれぞれ、4-MU誘導体を基質として、蛍光法により測定した。細胞内に蓄積した GM2ガングリオシドについては免疫蛍光染色法で、病理学的変化については電子顕微鏡を用いて解析した。分化誘導後の SDモデルマウス由来 NSの培養液中に組み換えヒト Hex A酵素を添加し、当該酵素の効果を解析した。〔結果と考察〕SDモデルマウス由来 NSにおける Hex Aおよび全 Hex活性はWTマウス由来 NSと比較して著しく低下していた。SDモデルマウス由来 NSは、WTマウス由来 NSと比較して細胞内の GM2ガングリオシドの蓄積量が多いことが確認できた。また、電顕で多数の層状封入体の存在が確認された。組み換えヒト Hex A酵素を、分化誘導後の SDモデルマウス由来 NSに添加したところ、Hex Aおよび全 Hex活性の増加と病理学的変化の改善が認められた。今回樹立した SDモデルマウス由来 NSは SDとしての生化学的特徴を持つこと
から、神経系における SDの病態解析や酵素補充療法における神経系への酵素取り込み効率等の検討に役立つと考えられる。