平成30年度 機械工作・工具取り扱い 安全講習会 - osaka...
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平成30年度機械工作・工具取り扱い
安全講習会
工学研究科 技術部 安全技術Gr
内 容
1
1.作業を始める前に
2.工作機械の注意事項
3.電動工具の注意事項
4.手工具の注意事項
5.最後に
2ボール盤 縦フライス盤
旋盤
ベンチグラインダ
コンターマシン
工作機械の注意事項
大学にある機械工作設備
3
吹田キャンパス豊中キャンパス
ステューデントショップ
未来工学ファクトリ(M3棟1F130室)
工作センター(U8棟)
施設使用料が発生します!
4
ディスクグラインダ電動ドリル
インパクトドリルハンマードリル
振動ドリル
電動ドリルドライバ
電動工具の注意事項
手工具の注意事項
TONE製 [46点]工具セット カタログより
内 容
6
1.作業を始める前に
2.工作機械の注意事項
3.電動工具の注意事項
4.手工具の注意事項
5.最後に
ヒューマンエラーの分類(発生原因による分類)
7
http://humanerror.jp/index.htmlサイト:humanerror より
事故防止には前準備から
8
○ 機械の取り扱い中に起る事故の大半が、単純な原因
○ 機械の特性や、危険性等を認知し準備を行う
作業前の安全のための5原則1. 正しい服装2. 作業場所の整理整頓3. 作業の手順、方法4. 機械工具の正しい使用の確認5. 平静を保てる体調
「安全のための手引き 2018 安全衛生管理部 発行」より
1. 正しい服装
9
☆ 服 装
・ 長袖・長ズボンが基本たるみのない服装
(袖口を閉め、上着の裾をズボンに入れる。)
白衣・手袋は厳禁
・ 靴は必須。(出来れば安全靴を履く)☆ 保護具の使用
・ 保護メガネ・ 防塵マスク・ 安全靴・ 帽子等
回転部に服装の一部が絡まると重大(死亡)事故に直結する
機械作業で危険な服装
ネクタイ・白衣半袖・タオル 長い髪の毛
軍手・手袋ヒールの高い靴サンダル
保護メガネ
11
切屑・粉塵の飛び散り
必ず保護メガネを装着する
粉塵発生
防塵マスク
12
ディスクグラインダ
ベルトサンダ
健康被害中毒症状 (例アルミ中毒)塵肺 (アルミ、シリカ等)
削った部分は全て粉塵として空気中に撒き散らされる
粉塵が発生する作業では必ず防塵マスクを着用
粉塵が良く出る電動工具・工作機械
両頭グラインダ
例:3M 防じんマスク
安全靴
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落としても大丈夫 ぶつけても大丈夫
滑りにくいソール
先芯金属・樹脂のカップ
油汚れ破片の飛散
脱げやすい滑りやすい動きにくい
帽 子
14
・頭髪を包むことで巻きこみの防止・飛来物からの保護
・異常接近のセンサー
回転部と接近
どうしても作業点を覗き込んでしまう
2.作業場所の整理整頓
15
切屑の飛び散り
切りくず
作業中落下の恐れ
作業に邪魔
作業環境はどんどん悪化する
工具やレンチ類は、機械の上に置かない
機械の上や足元は、こまめに掃除し安全確保
滑り易くなり危険
工具はツールワゴンへ
3. 作業の手順、方法
16
いかなる作業においても事前に確認が必要
機械・工具の作業前点検破損、動作不良、設定異常
操作方法・作業内容の確認電源、始動、操作、停止、緊急停止等作業内容・工程の確認
機械の暖機運転駆動部(モーター、ハンドル、ステージなど)を動かして動作の安全・安定化を図る
4. 機械工具の正しい使用
17
使用する機械、道具について
加工原理・取り扱い・作業内容に関する知識をもつこと。
機械の仕様の範囲外の作業をしてはならない。
機械に適合した形状・寸法の刃物や作業具がある。
生半可に「間に合わせ」や「応用」を試みてはならない。
安全のために取り付けてある装置や器具を勝手に外し
てはならない。
必要な技術と経験について
はじめて使うときは、熟練者の実地指導を受けること。
指導事項を超えて使うときは必ず熟練者に相談すること。
5. 平静を保てる体調
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どうも集中できない
ねむい・・・
頭が痛い
花粉症で鼻水が・・・
のどが渇いた・・・暑い・・・
疲れた・・・
体調不良による集中力の低下
5. 平静を保てる体調
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バイトに遅れるこのあと授業が・・・・
早くしないと怒られる
もう10時間もやってるよ・・・真夜中だ・・・
トイレに行きたい
無理なスケジュールによる焦り
作業後の報告
20
使用中に発見した異常、不具合・・・発生した故障、破損・・・
必ず管理者に報告しましょう!!
報告しないと・・・・対策ができない
修理、修繕、交換・・・・この後に使う人が危険
知らずに使うので・・・故障が大きくなる
費用、修理期間が増える・・・
被害拡大責任はあなたにも!!
ま と め
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安全な服装、環境を整える 取り扱いの知識を得る 作業前の点検・確認を行う 平静を保てる体調の管理
「ヒューマンエラー」を回避する努力が必要危険性を認識
認知ミス、誤判断、動作ミスを回避気の緩み等
忘却、過信による油断、手抜き
内 容
22
1.作業を始める前に
2.工作機械の注意事項
3.電動工具の注意事項
4.手工具の注意事項
5.最後に
23ボール盤 縦フライス盤
旋盤
ベンチグラインダ
コンターマシン
① 工作機械
コンターマシン(鋸盤)
24鋸刃で材料を切る機械
コンターマシンの使用の流れ(動画)
25
劣化した刃物は交換
刃物は消耗品である積極的に交換
切れ味が良いと・・・ 切れ味が悪いと・・・
小さい送りの力で
さくさく切れる
大きい送りの力でも
なかなか切れない
破損
飛散
小さな力 → 小さな事故 大きな力 → 大きな事故
刃の欠け
丸くなった刃
26
コンターマシン 事故例(無理な加工)
コンターマシンで材料を切断中、強く押し付けて作業していたので、刃を破断させてしまい、その拍子で姿勢を崩して手が接触し、指に深い切り傷を負った。
27
鋸刃ガイドは被削材の高さに合わせる。
鋸刃の延長線上に手を置かない。小さい材料は添え木等を当ててガイドする。
切れ味の悪い刃は交換する。
急な曲線の加工は鋸刃が折れる。
丸棒は固定具を使用して加工する
切り終りは材料をゆっくり進める。
運転が止まるまで鋸刃に近づかない
コンターマシン 注意事項
28
ボール盤
29ドリルで穴をあける機械
バイス
ドリル
ドリルチャック
ボール盤 ドリルの取付
ドリル取付部
ドリル挿入部
取付部取付不可
溝の無い部分をチャックドリルチャック 構造図
ここをくわえる
取付目安
30
ドリルが中心にあるか確認
ボール盤 ポンチ打ち
ポンチ穴
ドリル
センターポンチで凹ませる
31
ポンチ
31
ボール盤 事故例(無理矢理な加工)
鋼材ブロックに穴あけを行う際、ドリルと被削材の位置合わせを適当に行っており、ドリルが加工途中に曲がりだしたが無理やり押し込んだところ折れてしまった。そのはずみで姿勢を崩し、頭部をボール盤にぶつけた。
ドリルとポンチ穴の中心がずれていると・・・
32
ポンチ穴
回転数(切削速度)
Vベルト
周速度目安(一般的なもの)普通鋼 20m/minステンレス鋼 10m/minアルミなど非鉄金属 35m/min
回転数N[rpm] =1000×(切削速度V[m/min])
π×(ドリル径[mm])小径ドリルは高回転大径ドリルは低回転
段違い
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ボール盤 事故例(固定の不十分)
薄い鋼板に穴あけ中、ドリルが食い込み、鋼板の固定不十分のため、鋼板が振り回されて飛ばされてしまい、近くの作業者の腕に当たり負傷させた。
34固定せずに穴あけを行った場合(動画)
ボール盤 固定箇所数の違い浮き上がり回転
1カ所固定
3カ所固定2カ所固定
3か所以上の固定が望ましい
クランプ
ワークテーブル
作業エリア
固定をしていない場合
作業エリア
薄板が飛んで突き刺さる
35対角に付ける
クランプ 使用方法
平坦部で固定
固定物と直角に固定 当て木の利用
当て木
ななめだと簡単に外れる
傷、凹み、割れ防止
36
テーブルバイスその他の使用方法
接触面積を大きくする
異形物は軟らかいもので固定
木材等
木材
Vブロック
37
切りくずの状態
切りくずは先端が鋭利で危険素手で触らない、箒ではらう
38
ボール盤 事故例(不用意な服装)
保護めがねをかけないで、加工中をのぞきこんだところ、周りの切りくずと切削油が目に入り、目をこすろうとして手を顔に近づける途中に回転しているドリルに触れ、右手指を負傷した。
39
鉄板に穴を開ける際、ドリル刃に軍手が巻き込まれて指を負傷した。
保護メガネを必ず装着
手袋などの装着は厳禁
手袋等装着による事故例:37件/74件中厚生労働省『機械災害データベース』ボール盤・フライス盤の項目より
ボール盤 注意事項
準備時の注意
ケガキ、ポンチ作業を加工前に行う。
材料はバイス、万力等で固定する。
ドリルはチャックの中心に垂直に取り付ける溝の部分で固定してはいけない。
工具使用前に刃物の摩耗、欠けを確認。力任せに加工するとドリルが折れる。
適切な回転数を使用する。ベルトのたすきがけをしてはいけない。
40
ボール盤 注意事項
加工時の注意
回転部に顔を近づけて加工しない
貫通時はレバーに力を入れすぎない姿勢を崩したり、ドリルや材料が破損しやすい
回転が停止するまで手を出さない。
テーブル上の切屑はこまめに掃除する。箒などを使い、素手で払わない。
41
ベンチグラインダ
42
回転する砥石で金属を削る機械
ベンチグラインダの使用の流れ(動画)
43
ガード(シールド)
44
保護メガネと合わせて使用
立ち位置
45砥石の正面は避けて加工しましょう
砥石の使用方向
使用面を守らないと突然砥石が破壊する
角
側面は使用禁止
46
外周面
すきまへの巻き込みに注意
砥石が減るにつれてすきまが広がり、危険
被削材をしっかり固定した上で、何度もなでるように加工する
ワークレストと砥石のすきまを1~3mmに調節
47
傾けすぎ
ベンチグラインダ 注意事項
微小な粉塵が発生するためマスクを着用する。
必ず加工前に1分間以上の空運転をさせる。回転直後に砥石が突然破壊する恐れがある。
正面は危険なので横にそれて加工を行う。
材料は砥石に強く押しつけず、左右に動かして研削する。砥石の側面は使ってはいけない。
材料や切りくずは非常に熱くなるので注意。
砥石とワークレストの隙間に材料を巻き込まないように注意。隙間が大きい時は調節する。
48
旋盤
49
円筒部品を切削する機械
旋盤の使用の流れ(動画)
50
固定作業後の試運転のためスイッチを入れたと同時に、チャックハンドルをつけっぱなしだったことに気づいて、手を差し出したところ指にぶつかり手を骨折した。
51チャックハンドル
旋盤 事故例(危険行為)
旋盤 事故例(危険行為、服装の巻き込み)
旋盤でサンドペーパを用いて仕上げ加工の最中、軍手が工作物にひっかかって抜けず、体ごと旋盤に巻き込まれた。
52タオルの巻き込み(動画)
巻きこみの原因となる駆動部
ネジ切り用軸
縦送りハンドル
横送りハンドル
自動送り用軸
チャック主軸の貫通穴(側面)
設定により複数箇所が回転する。服等の巻き込みに注意する 53
切削中に異音がしたら
被削材等が揺れている
原因固定不良刃物の劣化作業条件の不適合機械のガタツキ など
刃物の破損被削物の破損被削物の脱落
耳につく音がしたら異常であることに気づく発生場所、原因を確認し、改善する
振動が大きくなると
~~~~~~~~
~~~~~~~~
騒音
旋盤
回転
振動
刃物
54
旋盤 心押しセンタでの支え
~~~~~~~~
~~~~~~~~
回転
振動
刃物
回転
刃物
湾曲
回転
刃物
心押しセンタ
振動、湾曲を抑える
長尺、細い、軟らかいなどの材料をあえて削る時は心押しセンタで支える
55
旋盤 バイトの取付
写真のバイト(刃物)取り付け時の突き出し量は工具の幅の1.5倍までにする
たわみ、振動が発生 たわみ、振動に強い
突き出し量 大 突き出し量 小
56
旋盤 事故例(切りくずに接触)
加工後刃物に切りくずが絡まり、工作物から刃物を離して切りくずを取り除こうと思い、手で引っ張ったところ、指を切り負傷した。
切りくずが工作物に絡み振り回されている様子(動画) 57
旋盤 注意事項準備時の注意
準備中は主電源を切る
材料は直径に合わせた突き出し量で固定する
バイト(刃物)は方向、刃の高さや突き出し量に注意して固定する
チャックハンドルを挿したままにしない。使ったらすぐに抜くことを習慣化する。
58
旋盤 注意事項加工時の注意
回転部の正面には立たない。
刃先を材料から離してから回転を停止する。
異常を感じたらすぐに足元のブレーキ。
自動送り使用時は、いつでも止められるように待機。自動送りを停止してから回転を停止する。
回転中の材料にヤスリ等を使用しない。
59
フライス盤
60
平面、溝加工を行う機械
フライス盤の使用の流れ(動画)
61
フライス盤 事故例(自動送りの確認忘れ)
フライス盤で作業中、テーブルの送りレバーを戻し忘れたのを気付かずに、ハンドルの目盛りを読んでいたところ、工具が被削材に接触し、破片が飛び散り顔面を負傷した。
工具が回転していないまま材料が激突すると非常に危険(動力モーターが自動送り用と主軸工具回転用と2つある)
62
前後
フライス盤 注意事項準備時の注意
準備中は主電源を切る
材料と工具は確実に固定する。
加工時の注意
刃先を材料から離してから回転を停止する。
自動送り使用時は、いつでも止められるように待機。自動送りを停止してから回転を停止する。
早送り(高速の自動送り)は切削には使用しない。進行方向に注意して使用する。
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工作機械 まとめ
保護具の着用、巻き込み注意
工具を正しく取り付ける
材料を固定して加工する
危険な部分、方向には近づかない
64
施設の職員に指導してもらいながら加工しよう
内 容
65
1.作業を始める前に
2.工作機械の注意事項
3.電動工具の注意事項
4.手工具の注意事項
5.最後に
② 電動工具
66
ディスクグラインダ電動ドリル
インパクトドリルハンマードリル
振動ドリル
電動ドリルドライバ
電動ドリル
67
用途穴あけ加工
特徴ボール盤に設置できないような場合に穴あけができる
(金属などへの深穴は無理)先端工具:ドリル手で持つため穴の精度が悪いコンクリートは無理
回転方向に一定の力を加え続ける
電動ドリルドライバ
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用途ネジの取り付け取り外し
特徴クラッチ機能により、締め付けトルク調整が可能ドリルとして穴あけも可能(小径)先端工具:プラスビットなど
締め付けトルク調整1 N・m ~ 6.9 N・m 18段階
インパクトドライバー
69
用途木工のビス止め(コーススレッド)
特徴高負荷→回転方向に打撃を加える先端工具:プラスビットパルス状の回転トルクを得る穴あけ作業は厳禁
回転方向に打撃
低負荷 高負荷(コーススレッド)
振動ドリル
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用途コンクリート等への穴あけ作業
特徴進行方向に小さな打撃を加えるコンクリート等を破壊しながら進む小口径の穴があけられるハンマードリルより安価先端工具:専用のコンクリートドリル
進行方向(軸方向)に小さな打撃を加える
ハンマードリル
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進行方向(軸方向)に大きな打撃を加える
用途コンクリート等への穴あけ作業
特徴進行方向に大きな打撃を加えるコンクリート等を破壊しながら進む大口径の穴があけられる価格・複雑・大型先端工具:専用コンクリートドリル
使用例(動画)
72
ドリル系電動工具まとめ
73
工具 主な用途
電動ドリル 穴あけ加工
電動ドリルドライバー ネジの取り付け取り外し小径の穴あけ加工
インパクトドライバー 木工のビス止め(コーススレッド)
振動ドリル コンクリート等への穴あけ作業(小口径)
ハンマードリル コンクリート等への穴あけ作業(大口径)
高価なものでは、上記の機能が組み合わされたものがある。
作業内容によって、電動工具を選択する
適切な先端工具
74
ホールソー木材、金属(薄板)大口径
ダイヤモンドコアドリルコンクリート用大口径
ステップドリル(薄板用)
ドリル金属、(木材)等小口径 コンクリートドリル
コンクリート用
木工用ドリル
事故例
75
自宅にて作業を行っていた際、充電式の電動ドリルにて穴をあけていたら、材料を抑えていた左手の手袋がドリルに巻き込まれ、挫傷した。
電動ドリルを使用したらやけどをした。・過熱した刃によるやけど・電動工具を連続使用した後は、刃や本体が熱くなっている
軍手(手袋全般)
電動ドリルの巻き込み事故実験(動画)
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独立行政法人 国民生活センター よりhttp://www.kokusen.go.jp/douga/20111208_1_news/n-20111208_1_high.htm
ディスクグラインダ
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研削砥石 ワイヤーブラシ
砥石の交換は資格が必要!!
用途研磨・切断など木材、金属、石材など
ベンチグラインダ 高速カッター
他に
ディスクグラインダ
挙動の予測
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・常に同じ当て方・常に同じ負荷・動作はゆっくり
加工物
当て方によって変化力が加わる方向破片の飛び散る方向
キックバックに注意
動作中の電動工具が飛んで来たり材料が飛ばされたるすること
・両手でしっかり保持・加工物の確実な固定
ディスクグラインダー事故例(キックバック動画)
79
独立行政法人 国民生活センター よりhttp://www.kokusen.go.jp/douga/20111208_1_news/n-20111208_1_high.htm
80
危険予知訓練 KYT
電動工具 まとめ
81
服装・保護具(保護メガネ・マスク等)の確認適切な電動工具、先端工具を使用する作業環境を整える力のバランスをとる無理な体勢で行わないサポート製品の採用
大怪我につながりやすい工具です。使用方法が分からない場合は技術部に相談を!!
内 容
82
1.作業を始める前に
2.工作機械の注意事項
3.電動工具の注意事項
4.手工具の注意事項
5.最後に
手工具
ボルト1本で起こる重大事故
84
チャイナエアライン120便炎上事故(2007/08/20)
抜け落ちた1本のボルトがアームに押されて燃料タンクに突き刺さり燃料漏れ、炎上
ボルト1本、ネジ1本が重大事故につながる
工具の理解を深め、適切な作業を行うことが重要
ネジの弛みによる事故
85
平成25年7月15日 札幌9時4分発の釧路行き『スーパーおおぞら3号』が新札幌駅を発車
後、配電盤から焦げくさい臭いがすることに気づいた。列車を停止させて点検していたところ、火花が発生した。
配電盤内の二つの配線の端子同士が接触している部分の面積が少なくなり、これにより抵抗が増加して発熱した。
同社は「取り付けるネジに弛みがあった」と見ている。
プラス・マイナスドライバー
86
用途プラス・マイナスの溝が掘られたネジを回して取り付け・取り外しを行う
特徴ネジの取り付け、取り外しが容易なめやすい
失敗例:なめてしまったネジ
87
ドドライバーを差し込む溝の角がなくなっている
正常なネジ
なめたネジ
「なめる」 : 角を潰すこと
ネジの締め付け、取り外しができない
なべ子ネジ
ドライバーの使い方
88
外れないことに重点を置き、奥まで差込み、ネジに真っ直ぐを保ち
ながら押し80%、回し20%の力配分で慎重に回す。
適切なサイズ
手持ちでは押しの力が弱くなめる原因
ねじ回しの重要ポイント ②
ねじ回しの重要ポイント ①
+ ドライバーのサイズ
89
No.0 No.1 No.2 No.3No.00
#1(75)
#2-100mm
P.1-75
+2・-6×100mm
軸の長さ
ネジとドライバーサイズの対応
90
不適切使用による破損・変形
91
曲がっている
欠けている
破損・変形した工具では正常な作業はできない
本来用途以外の使用は厳禁
固いネジ・なめたネジのはずし方
92
ハンマーでたたく
インパクトドライバ(ショックドライバ)を利用
浸透性潤滑剤を利用
金ノコでマイナスの溝を入れる衝撃
振動
摩擦を減らす
浸透性潤滑剤
真上からたたく
なめたネジ 金ノコで溝を入れ、マイナスネジにしてしまう
隙間が開く
回転が発生
なめたネジのはずし方
93
エンジニア社 ネジザウルス (生協にて購入できる)
ネジをつかむのに特化したペンチ
レンチ類
94
ボックスレンチ
めがねレンチ
ソケットレンチ
ボックスドライバ
六角棒レンチ
用途ネジ、ボルト、ナットを回して取り付け取り外しを行う工具
スパナ(オープンエンドレンチ)
モンキーレンチ
スパナ(オープンエンドレンチ)
95
用途六角形ボルト・ナットの取り付け・取り外し
特徴非常になめやすい慎重な取り扱いが必要後に述べるメガネレンチ・ボックスレンチの使用を推奨
なめてしまったボルト
96
正常なボルト角をなめて丸くなったボルト
角をなめて丸くなったボルト
少しでもなめたら新品と交換
スパナの性質と適切な使用方法
97
スパナ
奥でくわえ、直角を保つ
サイズがあっていないと角をなめる
サイズが合ったものを用いる
外れるなめる
奥で咥えている
先で咥えている
ななめ
口が開く
過剰な力を加えると口が開き、角をなめる
適切な使用方法
98
回す方向を守る
ハンマーでたたかない
外れたときに危険破損しやすい
逆方向に回すと破損しやすい
延長しない
想定以上の力が加わり破損する
鉄パイプなど
モンキーレンチ
99
用途六角形ボルト・ナットの取り付け・取り外し
特徴可動範囲内の任意のサイズで使用可能開口幅が狂いやすい非常になめやすい普段使用には向かない
ウォーム
下あご
上あご
下あご支え部
ウォームを回して下あごを調節し任意の開口幅にできる
適切な使用方法
100
開口幅は都度調整する
緩まない方向に回す
奥までさしこみ、直角を保つ
モンキーレンチ
ボルト
下あごを押し付け安定 下あごを押し上げ不安定
メガネレンチ (ボックスエンドレンチ)
101
用途六角ボルト・ナットの取り付け・取り外し
特徴ボルト・ナットを取り囲むように接触なめにくい工具が外れにくい推奨
ボックスレンチ
102
用途六角ボルト・ナットの取り付け・取り外し
特徴取り付け部が円筒状ボルト・ナットを 取り囲むように接触なめにくい工具が外れにくい
円筒状
メガネ・ボックスレンチの性質・適切な使用方法
103
くわえる箇所が多い
斜めになりにくい
メガネレンチ
スパナ
中途半端にくわえるすぐに外れる
基本的にメガネ・ボックスレンチを使用する
スパナメガネレンチ
ボックスレンチ
ボックスレンチ
窮屈な分、遊びが少ない
六角棒レンチ
104
用途六角穴のネジの取り付け取り外し
特徴接触部が多いなめにくいたわみ、ねじれやすい
ヘックスレンチヘキサゴンレンチ
適切な使用方法
105
たわみ
たわまない、ねじれない物を利用
ねじれ
ボールジョイントの利用
シャフトが細いのでたわみ、ねじれが発生しやすい
欠点接触部が減る細くなる
大きな力を加えられない
奥まで差し込む
すきま
適切な使用方法間違いやすいインチとミリ
106
少しでもグラつく場合はサイズが違う
2
3
4
5
6
インチ規格ミリ規格
サイズ
単位mmのスケール
2
3
5/64(1.984)
65.5
4
5
2.5 3/32(2.381)1/8 (3.175)
5/32(3.969)3/16(4.763)
7/32(5.556)1/4 (6.350)
失敗例:ねじ切ったボルト
107
過剰な締め付けトルク
ねじ切れ
残ったボルト ボルトのあたま
締め付けは適正トルクで
108
新品のボルト
塑性変形したボルト
弾性域で使用することで、戻る力で締まる
ピッチゲージ
ピッチゲージ
適正締め付けトルク
109
一般的なボルト(ネジ)はコレ 力任せに締め付けても逆効果固くなってから、一締め付けで
トルクレンチ
締め付けトルクの目安
110
ねじの呼び径
TN・m
使用レンチサイズ対辺寸法 (使用側)
全長mm
締め付け荷重 kg
M4 1.5 6 ✕ 7 (7) 129 1.16M6 5.2 8 ✕ 10 (10) 166 3.13M8 12.5 10 ✕ 13 (13) 193 6.48
M10 24.5 13 ✕ 17 (17) 242 10.12
電動ドリルドライバ
111
用途ネジの取り付け取り外し
特徴クラッチ機能により、締め付けトルク調整が可能ドリルとして穴あけも可能(小径)先端工具:プラスビットなど
締め付けトルク調整1 N・m ~ 6.9 N・m 18段階
用途口径の大きなものをつかむ棒材、パイプなどをつかめる
特徴口径を変えることができる板材をつかむ箇所と棒材をつかむ箇所がある
プライヤ
112
板物や線をつかむ歯
線を切る刃
丸棒やパイプをつかむ歯
口の開きを変更ピボット
(ウォーターポンププライヤー)
丸棒やパイプをつかむ歯適切な使用方法
113
持ち手部分は握力がかかりやすい幅にする
板材、棒材で挟む場所を変える
広すぎ
適切
板物や線をつかむ歯
線を切る刃 口の開きを二段階で変更できる
ペンチ
114
用途小口径・薄板物を掴む、引っ張る、ねじる、曲げる硬銅線、ケーブルなどを切る
特徴電気工事関係でよく利用される太目のケーブル(針金)が切れる力をかけやすい太い物、厚い物を掴めない
ペンチの適切な使用方法
115
太い、厚い物には不向き
プライヤとの違い 歯に対して真っ直ぐにひねる
歯を横に倒すようにひねると刃こぼれする
ベンチグラインダ 事故例(不用意な固定)
グラインダ作業で試料をペンチ等でつかんで研削中、思わず手をゆるめてしまい試料が回転に巻き込まれて5m飛ばされた。周囲の作業者の位置によっては被災するところであった。
116
ペンチ
ロッキングプライヤー
117
特徴
挟んだ状態でロックできる
118
用途針金(ユニクロームメッキ)銅・アルミ線(細)などの切断
特徴○切断面がきれい○切れ味がよい×ペンチに比べ歯がもろく刃
こぼれしやすい×固い物、太い物を切れない電気工事によく利用される
ペンチ
ニッパー
曲面
フラット
歯の形状
ニッパー
119
よく切れるからといって安易に使用しない
刃こぼれ
ボルトクリッパー用途線材、棒鋼、硬銅線、鎖などの切断
ピアノ線クリッパー
切断にも適切な工具を選択
手工具 まとめ
120
工具の構造・用途を理解する
適切な力のかけ方・トルク量で使用する
破損・変形があれば交換する
内 容
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1.作業を始める前に
2.工作機械の注意事項
3.電動工具の注意事項
4.手工具の注意事項
5.最後に
122縦フライス盤 旋盤 手工具
工作機械 旋盤縦フライス盤ボール盤コンターマシン
手工具 トルクレンチドライバ(電動を含む)その他
電動工具 ドリルドライバージグゾーその他
工作機械、手工具、電動工具について理解深め、安全を図る
要 保険加入
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機械工作・工具取り扱い安全講習会【実技編】
主催 工学研究科 技術部
日時 5/30(水) 、6/7日(木)
所要時間 13:10-16:10 3時間
告知 メールおよびポスター
申込方法 技術部HPの登録フォーム
費用 無料
会場 未来工学ファクトリ
対象 学部生 院生 教職員
人数制限 各日20名
コンターマシン
「安全のための手引き 2018」安全衛生管理部 発行
「大阪大学」・「安全衛生管理部」で検索!
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学内・学外の医療機関吹田地区
保健センター
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学生教育研究災害傷害保険(学研災)正課中(授業中・研究活動中)、学校行事中、学校施設内にい
る間、学校施設内外での課外活動中又は通学中・大学施設間移動中に被ったケガに対し、その治療日数に応じて保険金が支払われる全国規模の補償制度であり、本学学生も入学時に全員が加入することとしています。
契約年数 保険料(工学研究科の場合)
4年間 3,300円/4年間分
3年間 2,600円/3年間分
2年間 1,750円/2年間分
1年間 1,000円/1年間分
(大阪大学HPより)
対象 契約者自身
加入条件 学生
窓口 大学生協
請求方法 大学生協
請求期限 発生日から30日以内
対象範囲 保険金の種類 入院加算金
正課中
学校行事中
死亡 2,000万円後遺障害 120万~3,000万円医療 3,000円~30万円(治療日数1日以上)
4,000円/日(1日目から補償)
通学中
学校施設間移動中
死亡 1,000万円後遺障害 60万~1,500万円医療 6,000円~30万円(治療日数4日以上)
4,000円/日(1日目から補償)
学校施設内外の課外活動中
大学施設内にいる間
死亡 1,000万円後遺障害 60万~1,500万円医療 3万~30万円(治療日数14日以上)
4,000円/日(1日目から補償)
安全のための手引記載あり
125入学時は4年分を加入されている。在学年数が増えた場合は更新手続きを!!
工学研究科 技術部
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大阪大学大学院工学研究科 技術部〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 中央機械棟(福利厚生棟北側、入口はF1棟側)TEL:06-6879-7807 / FAX:[email protected]
設計製作部門U5棟管理室(内線7597)
設計製作部門