3歳児健診で視力低下を認め,先天性トキソプラズ...

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425 平成29年 5 月20日 3 歳児健診で視力低下を認め,先天性トキソプラズマ症と 診断した 1 例 1) 大森赤十字病院小児科, 2) 救急総合診療科 森内 優子 古川 真紀 大沼 健一 馬庭 (平成 28 年 9 月 5 日受付) (平成 29 年 3 月 9 日受理) Key words : congenital toxoplasmosis, serological screening test, retinochoroiditis トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)は加熱処理不 十分な肉類摂取やガーデニング等により感染する .妊 娠中に初感染し胎盤感染すると先天性トキソプラズマ 症を発症するリスクがある .妊娠初期の感染では重 症例が多く,妊娠中後期の感染では出生時に症状を呈 さない不顕性例が多い )~.今回我々は,妊娠初期の トキソプラズマ抗体が陰性の母親から出生し,3 歳児 健診での視力低下を契機に診断に至った症例を経験し たので,文献的考察を加え報告する. 患者:3 歳,男児. 主訴:視力低下. 現病歴:3 歳児健診用の視力スクリーニングキット を用いた検査で右視力低下が疑われ,当院眼科を受診 した.眼底検査で右黄斑部に白色及び黒色色素沈着を 伴う円形の瘢痕病変と,それにともなう著明な右視力 低下が認められたことから,先天性トキソプラズマ症 が疑われ,当科を受診した. 母親の妊娠分娩歴:35 歳,0 回経妊 0 回経産.生肉 摂取歴,ガーデニング歴,海外渡航歴,ペット飼育歴 なし.妊娠初期のトキソプラズマ抗体陰性(IHA 法 で160 倍未満),風疹抗体価32 倍(HI 法),梅毒抗体 陰性(RPR 法,TPHA 法),HBs 抗原及び HCV 抗体 陰性.妊娠経過中の頸部リンパ節腫脹,発熱なし.胎 児エコーによる水頭症,子宮内胎児発育遅延の指摘な し. 出生歴:在胎 39 週5 日,正常分娩で出生.体重 2,900 g,身長 48.7cm,頭囲 35.0cm,胸囲 29.8cm.仮死,け いれんなし. 発達歴:頸定 3 カ月,座位 7 カ月,つかまり立ち 1 歳,つたい歩き 1 歳 1 カ月,歩行 1 歳 5 カ月. 既往歴:なし. 生肉摂取歴:なし. 初診時現症:身長 91.6cm(-0.49SD),体重 13.0kg (-0.45SD),カ ウ プ 指 数 15.5,頭 囲 50.1cm(-0.38 SD).運動,精神,社会性発達は年齢相当.神経学的 異常所見なし.難聴なし.斜視,小眼球なし.心雑音, 肺雑音なし.肝臓,脾臓触知なし. 初診時検査所見:血液検査;Table 1.頭部 CT 検 査;石灰化,脳室拡大なし.腹部超音波検査;肝臓, 脾臓腫大なし.聴性脳幹反応;I-V 波の遷延なし.眼 底所見;右黄斑部に白色及び黒色色素沈着を伴う円形 の瘢痕病変あり(Fig.1).視力検査;右(0.1),左(1.2). 経過:母子共に血清トキソプラズマIgG抗体陽 性,IgM 抗体陰性であり,特徴的な眼底所見 と後天 的な感染リスクが乏しいことから,先天性トキソプラ ズマ症と診断した.母親の妊娠初期のトキソプラズマ 抗体が陰性であることから妊娠中後期に初感染し,児 は出生時に不顕性感染していた可能性が考えられた. 現時点では瘢痕病変に対する化学療法が確立されてい ない ことや薬の副作用 等も含め家族と話し合いを重 ねた結果,治療は行わないこととした.ただし,先天 性トキソプラズマ症では両側に眼病変がみられるとす る報告もあることから ,本症例は診断時に右視力が ほぼ失われた状態であり,今後対側にも病変が出現す ると生活能力に大きな影響を及ぼすことが予測された ため,2,3 カ月毎の診察と眼底検査により注意深く 経過を追う方針とした.経過観察中,定期的にトキソ プラズマ抗体測定を行った(Table2).その間,他の 血液検査異常は認められなかった.また,視力低下等 の自覚症状もなかった.しかしその後,4 歳 6 カ月時 別刷請求先:(〒3540021)富士見市鶴間 1967―1 イムス富士見総合病院小児科 森内 優子

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平成29年 5 月20日

3 歳児健診で視力低下を認め,先天性トキソプラズマ症と

診断した 1例

1)大森赤十字病院小児科,2)同 救急総合診療科

森内 優子1) 古川 真紀1) 大沼 健一1) 馬庭 厚2)

(平成 28 年 9 月 5 日受付)(平成 29 年 3 月 9 日受理)

Key words : congenital toxoplasmosis, serological screening test, retinochoroiditis

序 文トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)は加熱処理不

十分な肉類摂取やガーデニング等により感染する1).妊娠中に初感染し胎盤感染すると先天性トキソプラズマ症を発症するリスクがある1).妊娠初期の感染では重症例が多く,妊娠中後期の感染では出生時に症状を呈さない不顕性例が多い1)~3).今回我々は,妊娠初期のトキソプラズマ抗体が陰性の母親から出生し,3歳児健診での視力低下を契機に診断に至った症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

症 例患者:3歳,男児.主訴:視力低下.現病歴:3歳児健診用の視力スクリーニングキットを用いた検査で右視力低下が疑われ,当院眼科を受診した.眼底検査で右黄斑部に白色及び黒色色素沈着を伴う円形の瘢痕病変と,それにともなう著明な右視力低下が認められたことから,先天性トキソプラズマ症が疑われ,当科を受診した.母親の妊娠分娩歴:35 歳,0回経妊 0回経産.生肉摂取歴,ガーデニング歴,海外渡航歴,ペット飼育歴なし.妊娠初期のトキソプラズマ抗体陰性(IHA法で 160 倍未満),風疹抗体価 32 倍(HI 法),梅毒抗体陰性(RPR法,TPHA法),HBs 抗原及びHCV抗体陰性.妊娠経過中の頸部リンパ節腫脹,発熱なし.胎児エコーによる水頭症,子宮内胎児発育遅延の指摘なし.出生歴:在胎 39 週 5 日,正常分娩で出生.体重 2,900

g,身長 48.7cm,頭囲 35.0cm,胸囲 29.8cm.仮死,けいれんなし.

発達歴:頸定 3カ月,座位 7カ月,つかまり立ち 1歳,つたい歩き 1歳 1カ月,歩行 1歳 5カ月.既往歴:なし.生肉摂取歴:なし.初診時現症:身長 91.6cm(-0.49SD),体重 13.0kg

(-0.45SD),カウプ指数 15.5,頭囲 50.1cm(-0.38SD).運動,精神,社会性発達は年齢相当.神経学的異常所見なし.難聴なし.斜視,小眼球なし.心雑音,肺雑音なし.肝臓,脾臓触知なし.初診時検査所見:血液検査;Table 1.頭部 CT検査;石灰化,脳室拡大なし.腹部超音波検査;肝臓,脾臓腫大なし.聴性脳幹反応;I-V 波の遷延なし.眼底所見;右黄斑部に白色及び黒色色素沈着を伴う円形の瘢痕病変あり(Fig. 1).視力検査;右(0.1),左(1.2).経過:母子共に血清トキソプラズマ IgG 抗体陽

性,IgM抗体陰性であり,特徴的な眼底所見1)と後天的な感染リスクが乏しいことから,先天性トキソプラズマ症と診断した.母親の妊娠初期のトキソプラズマ抗体が陰性であることから妊娠中後期に初感染し,児は出生時に不顕性感染していた可能性が考えられた.現時点では瘢痕病変に対する化学療法が確立されていない1)ことや薬の副作用4)等も含め家族と話し合いを重ねた結果,治療は行わないこととした.ただし,先天性トキソプラズマ症では両側に眼病変がみられるとする報告もあることから5),本症例は診断時に右視力がほぼ失われた状態であり,今後対側にも病変が出現すると生活能力に大きな影響を及ぼすことが予測されたため,2,3カ月毎の診察と眼底検査により注意深く経過を追う方針とした.経過観察中,定期的にトキソプラズマ抗体測定を行った(Table 2).その間,他の血液検査異常は認められなかった.また,視力低下等の自覚症状もなかった.しかしその後,4歳 6カ月時

症 例

別刷請求先:(〒354―0021)富士見市鶴間 1967―1イムス富士見総合病院小児科 森内 優子

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森内 優子 他426

感染症学雑誌 第91巻 第 3号

Fig. 1 Fundus photograph: At the age of 3 years, the macular region in the right eye showed a round scarring lesion with black and white pigmentation (indicated by white arrowhead), which sig-nificantly reduced visual acuity.

Table 1 The initial laboratory findings

Hematology Biochemistry Toxoplasma antibody(ELISA)WBC 6,900 /µL BUN 16.9 mg/dL <Patient>Neu 41.0 % Cre 0.3 mg/dL IgG >240 IU/mLEos 7.1 % Na 139 mEq/L IgM 0.1Bas 0.4 % K 4.1 mEq/LMon 7.5 % Cl 106 mEq/L <Mother>Lym 44.0 % T-Bil 0.4 mg/dL IgG >240 IU/mL

RBC 442×104 /µL AST 34 IU/L IgM NegativeHb 12.2 g/dL ALT 14 IU/LHt 35.1 % LDH 241 IU/LPlt 27.3×104 /µL TP 6.7 g/dL

Alb 4.2 g/dLViral markers Glu 95 mg/dLHIV Ab Negative IgG 898 IU/mL

IgA 47 IU/mLIgM 91 IU/mLC3 117 mg/dLC4 21 mg/dLCH50 38.9 mg/dL

Table 2 Time course of changes in toxoplasma antibody(ELISA)

3-year-old 3-year-1-month-old 3-year-8-month-old 4-year-old 4-year-6-month-old 4-year-9-month-old

IgG IU/mL >240 135 176 163 >240 >240

IgM 0.1 0.1 0.1 0.1

の眼底検査で左黄斑乳頭から下耳側にかけて活動病変である網膜の白濁が認められたため(Fig. 2),専門施設において,熱帯病治療薬研究班の研究参加同意を得て,ピリメタミン,スルファジアジン,ロイコボリン,ステロイドによる治療を開始した.治療開始から約 2カ月後には,黄斑近傍にわずかな滲出病変を認め

るのみに改善し(Fig. 3),0.6 まで低下した左視力が1.0 に回復した.治療経過中,スルファジアジンによる薬剤過敏症が疑われ,クリンダマイシンへ変更したが,肝機能障害のため,さらにアジスロマイシンへ変更し,計 8週間の治療を行った.

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先天性トキソプラズマ症 427

平成29年 5 月20日

Fig. 2 Fundus photograph: At the age of 4 years and 6 months, white opacities (indicated by white arrowheads) were observed from the macula and optic disc to the inferior temporal area in the reti-na of the left eye. Opacity of the vitreous body was also noted. Visual acuity in the left eye de-creased from 1.2 to 0.6.

考 察日本における先天性トキソプラズマ症の発症はきわめて稀とされていたが,近年では年間 5~10 例が報告され,増加傾向にある6).矢野らの報告1)によると,妊婦の初感染率(約 0.13%)と出生数から,年間 1,000人~10,000 人の妊婦が初感染し,思春期から成人までの発症を含め年間 130~1,300 人の先天性トキソプラズマ症児が出生すると推定される.妊娠初期の初感染では胎児感染率は低いが,胎児死亡や顕性感染(水頭症,脳内石灰化,網脈絡膜炎等)等重症例が多い.それに対し,妊娠中後期の初感染では胎児感染率は高い

が,不顕性感染のため気づかれにくい例が多く,無治療の場合,その多くが成人になるまでに網脈絡膜炎や神経症状等の症状を呈するとされる1)~3).このことから,実際の報告数と推定数に差が生じる要因の一つとして,本症例のように妊娠中後期に初感染し不顕性のため診断に至っていない症例が他にも存在している可能性が考えられた.先天性トキソプラズマ症は早期診断及び早期治療が有用な感染症である.妊娠初期の抗体検査が陽性の場合,IgG アビディティの測定を行い,感染時期を推定する7).ハイリスク母体に対して治療を行うことで胎

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森内 優子 他428

感染症学雑誌 第91巻 第 3号

Fig. 3 Fundus photograph: The white opacities (indicated by white arrowheads) observed from the macula and optic disc to the inferior temporal area in the retina of the left eye showed improve-ment, leaving only slight opacities around the macula after treatment. Visual acuity in the left eye also showed recovery from 0.6 to 1.0 after treatment.

児感染予防効果があるとする報告や8),より早期から母体治療を行うことで児の重症化予防に繋がるとする報告がある9)10).また,顕性である新生児に対して約 1年間治療を行うことで,網脈絡膜炎や神経症状の予後改善が望める11)12)とされる.しかし,本症例のように,出生時に不顕性であり乳幼児期以降に診断に至った児への治療は確立されておらず,治療が有効とされる活動病変の再燃に備え,長期にわたるフォローが必要となる13).本症例では定期的な診察と眼底検査により,早期に活動病変を発見し治療が行われたことで,眼病変の進行を防ぐことができたと考えられる.これらを踏まえると,治療が有効な妊婦や新生児を見逃さないための妊婦健診での抗体検査は重要であるが,日本では全妊婦を対象とした抗体スクリーニング検査の有用性は確立されていない.産婦人科診療ガイドラインでは推奨レベルC(考慮の対象となるが必ずしも実施が勧められているわけではない)とされており6),厚生労働科学研究による母子感染の全国調査の結果,2011年の妊婦健診におけるトキソプラズマ抗体検査実施率は 48.5%にとどまっていた14).一方,妊婦の抗体陽性率が高いフランスでは,妊娠初期に全妊婦に対して抗体検査を実施しており,抗体陰性の場合には毎月抗体検査が繰り返され,初感染が確認された場合には直ちに治療を開始するなど医療経済学的見地からもその意義が認められている15).日本でも近年の食文化の変化や国際化にともない,妊婦の抗体スクリーニング検査について見直す時期に来ているのではないかと思われる.

以上より,先天性トキソプラズマ症の発症予防や予後改善のため,日本でも妊婦健診での抗体検査の確立が必要であると思われる.さらに,妊娠初期の抗体が陰性である妊婦への啓発が大切であり,状況に応じて中後期にも抗体検査を行うなど感染予防策を再考する必要があると考えられる.謝辞:診断に際して重要な検査のご協力をいただきました大森赤十字病院眼科 秋山朋代先生に深謝いたします.また,治療を行っていただくとともに有益なご助言をいただきました国際医療研究センター国際感染症センター 加藤康幸先生,山元佳先生に深謝いたします.利益相反自己申告:申告すべきものなし

文 献1)矢野明彦,青才文江,野呂瀬一美:日本におけるトキソプラズマ症.九州大学出版会 2007;1―67.

2)Dunn D, Wallon M, Peyron F, Petersen E, Peck-ham C, Gilbert R:Mother-to-child transmissionof toxoplasmosis : risk estimates for clinicalcounselling. Lancet 1999;353:1829―33.

3)Wallon M, Franck J, Thulliez P, Huissoud C,Peyron F, Garcia-Meric P, et al.:Accuracy ofreal-time polymerase chain reaction forToxoplasma gondii in amniotic fluid. Obstetricsand gynecology 2010;115:727―33.

4)杉山謙二,貝沼圭吾,中村春菜,山城洋樹,西森久史,小川昌宏,他:先天性トキソプラズマ症の診断によりピリメタジン/スルファドキシンで治療中,Stevens-Johnson 症候群を発症した 1

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先天性トキソプラズマ症 429

平成29年 5 月20日

例.小児科臨床 2011;85:1653―8.5)Phan L, Kasza K, Jalbrizikowski J, Noble AG,Latkany P, Kuo A, et al.:Longitudinal study ofnew eye lesions in children with toxoplasmosiswho were not treated during the first year oflife. American Journal of Opthalmology 2008;146:375―84.

6)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン産科編 2014.

7)小島俊行,越智良文,永井晋平,森嶋かほる,佐山晴亮,松岡奈央,他:トキソプラズマ症.臨床と微生物 2014;41:319―24.

8)Remington JS, Klein JO, Wilson CB, Baker CJ:Infectious Diseases of the Fetus and NewbornInfant. Saunders 2006;6:947―1091.

9)Hotop A, Hlobil H, Gross U:Efficacy of rapidtreatment initiation following primaryToxoplasma gondii infection during pregnancy.Clinical Infectious Diseases 2012;54:1545―52.

10)瀬戸上貴資,太田栄治,合志光史,廣瀬伸一:

重症先天性トキソプラズマ症の 1例.福岡大学医学紀要 2012;39:257―61.

11)Roizen N, Swisher CN, Stein MA, Hopkins J,Boyer KM, Holfels E, et al.:Neurologic and de-velopmental outcome in treated congenitaltoxoplasmosis. Pediatrics 1995;95:11―20.

12)Wallon M, Kodjikian L, Binquet C, Garweg J,Fleury J, Quantin C, et al.:Long-term ocularprognosis in 327 children with congenitaltoxoplasmosis. Pediatrics 2004;113:1567―72.

13)Wallon M, Garweg JG, Abrahamowicz M, CornuC, Vinault S, Quantin C, et al.:Ophthalmic out-comes of congenital toxoplasmosis followed untiladolescence. Pediatrics 2014;133:601―8.

14)厚生労働科学研究による母子感染の全国調査2011 年.

15)Thulliez P:Screening programme for congeni-tal toxoplasmosis in France. Scandinarian Jour-nal of Infectious Diseases. Supplementum1992;84:43―5.

A Case of Congenital Toxoplasmosis in an Infant Discovered Through Visual ImpairmentDuring a Health Check-up

Yuko MORIUCHI1), Maki FURUKAWA1), Kenichi OHNUMA1)& Kou MANIWA2)1)Department of Pediatrics and 2)Department of Emergency and General Medicine, Omori Red Cross Hospital

Toxoplasmosis is an infectious disease transmitted by ingestion of inadequately cooked meat, etc. If awoman is infected with Toxoplasma gondii for the first time during pregnancy, the fetus is at risk of congeni-tal toxoplasmosis (via placental infection). We herein report on a patient who was born to a mother with anegative toxoplasma antibody test at an early stage of pregnancy, and was later diagnosed as having con-genital toxoplasmosis based on decreased visual acuity at a medical check-up. A 3-year-old boy presented toour hospital with suspected low vision in the right eye. Fundus examination showed macular scarring in theright eye with accompanying reduced visual acuity. Both mother and child were positive for toxoplasma an-tibody IgG and negative for IgM, and the child was diagnosed as having congenital toxoplasmosis based oncharacteristic fundus findings. While being followed closely without treatment, retinochoroiditis of the lefteye developed at the age of 4 years and 6 months, and treatment with pyrimethamine, sulfadiazine, leuco-vorin, and steroid was then started at another institution. This treatment improved visual acuity and fundusfindings in the left eye. Congenital toxoplasmosis is an infectious disease in which early diagnosis and earlytreatment are beneficial. No therapy, however, has yet been established for children with non-apparent dis-ease at birth and whose diagnosis was made after infancy, such as the child in our present report. Takingthese factors into consideration, antibody tests during the prenatal check-up are important in order not tooverlook potentially treatable pregnant women or infants, though the usefulness of antibody screening testsin all pregnant women has not been established in Japan. A thorough review of antibody screening tests inpregnant women, given circumstances such as the recent changes in food culture and internationalization,would appear to be warranted.

〔J.J.A. Inf. D. 91:425~429, 2017〕