第4回実施報告書

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第4回現地視察&協働ワークショップ実施報告書(確定版)

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Page 1: 第4回実施報告書

第 4回実施報告書( 2012/4/21-23実施)

2012年 5月 復興協働ネット

【現地視察&協働ワークショップ】

Page 2: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意

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実施概要

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Page 3: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意

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現地視察&ワークショップについて

実施目的 被災地復興支援を志す企業が、被災地の現状を把握し、自社事業を活かした復興支援を協働で検討する機会を提供する。

復興支援事業を実現するために必要なヒト、場所、資源を発掘し、現地との繋がりを強化する機会を提供する。

実施概要 被災地復興に関する様々な問題の中から、各回テーマを決めて実施。 被災地の現状を把握するためのフィールドワークとして複数の現地視察を実施。 視察した内容を元に、参加者・参加企業がそれぞれが実施できる復興事業についてワークショップにて集中的に討議。

討議結果を取り纏め、参加者、所属企業で共有。後日視察先へもレポート。

日程 : 2泊 3日(標準ケース) 頻度 :テーマ毎に複数回実施 対象者 :自社事業を活かした被災地での事業創出・支援活動を検討したい企業担当者

 自身の専門性を被災地支援活動に役立てたいと考えている企業人 費用 :現地視察、ワークショップ実施に必要な経費を負担して頂く

現地視察 ワークショップ+

Page 4: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意第 4回実施概要

実施日程 事前説明会 : 2012/4/11 現地視察 : 2012/4/21-23(仙台、石巻) フォローアップ : 2012/5/9

実施テーマ 仙台・石巻地域における被災地復興事業事例の視察および復興支援事業(特に雇用創出)の可能性検討。

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現地視察概要 訪問先 :仙台( 3か所)、石巻( 3か所) 宿泊先 :ホテル JALシティ仙台( 1日目)、石巻グランドホテル( 2日目) 参加者 : 9名(事務局、一部参加者含む)

参加企業・団体 アスクル株式会社 SCSK株式会社 一般社団法人 PMI日本支部 被災地支援団体ラブギャザリング コクヨファーニチャー株式会社 スカイライトコンサルティング株式会社 ソーシャルウィンドウ株式会社

Page 5: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意訪問先一覧

1日目: 4/21(土)【 No.1】コミュニティファンド「地域創造基金みやぎ」(仙台市)     http://www.sanaburifund.org/

【 No.2】震災復興起業家支援ファンド「MAKOTO」(仙台市) [新規 ]     http://www.mkto.org/

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2日目: 4/22(日)【 No.3】地域コミュニティ支援 NPO「石巻復興支援ネットワーク」(開北地区仮設団地:石巻市)

     http://yappesu.jimdo.com/

【 No.4】村づくり NPO「りあすの森」(白浜復興住宅建設現場:石巻市)

     http://blog.livedoor.jp/riasnomori/

【 No.5】地域エネルギー会社「おひさま株式会社」(石巻市) [新規 ]

     http://www.sustainergy.co.jp/press20111007.html

3日目: 4/23(月)【 No.6】地場産業「木の屋石巻水産」(石巻市) [新規 ]

     http://kinoya.co.jp/eccube/

【 No.7】復興庁宮城復興局・企業連携推進室(仙台市) [新規 ]

      http://www.reconstruction.go.jp/

※新規…第 4回で新たに訪問した団体・企業。

Page 6: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意

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訪問先紹介

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Page 7: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.1】地域創造基金みやぎ(さなぶりファンド)

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【実施概要】

・東北各県に対する資金を中心とする資源の仲介

・ NPO 等を中心とする市民社会の進展のための各種支援事業

【実施目的】

・社会的・経済的諸資源の仲介等をはかり、持続可能な郷土と、未来の子どもたちに誇りを持って受け継ぐことのできる新しい日本社会を創造する。

【実施主体】・一般財団法人地域創造基金みやぎ

【公開情報】• ホームページ( http://www.sanaburifund.org/)

【活動の特徴】• 未曾有の東日本大震災の発生を契機に、 NPO法人せんだい・みやぎ NPO センターを母体に設立された。

• 同センターが 2001年より運営してきた経営資源仲介システム「サポート資源提供システム」での運営ノウハウを活かし、震災復興と復興にとどまらない市民活動等への支援性資金の受け皿となり、支援をしたい団体・企業等と、支援を受けたい NPO 等の活動をつなぐ東北初のコミュニティ財団。

• 地域創造基金みやぎでは、地域の NPO/NGOをはじめとする多様な主体に、資金が提供される新たな流れをつくり、多彩な市民活動を市民自身が支え、一人ひとりの市民の力を束ね、大きな力に変えること目指している。

• そのための仕掛けとして、地域のコミュニティ組織、 NPO、中小企業、ソーシャルビジネス等に資金を提供するだけでなく、指定寄付型、テーマ提案型、協働募金型など先進的な取り組みも合わせて行っている。

Page 8: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意

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【地域創造基金みやぎの全体像】

作物の豊かな実りを願う「さなぶり」。地域創造基金みやぎが目指す、資金の仲介を通じた支援先の発展と、震災からの復興がこの「さなぶり」との共通する思いがあることと、東北発の財団であることから「さなぶりファンド」の愛称をつけられたそうです。

「さなぶり」に込める思い

【 No.1】地域創造基金みやぎ(さなぶりファンド)

Page 9: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.1】地域創造基金みやぎ(さなぶりファンド)

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【意見交換内容】• さなぶりファンドの思い:「いい仕事をするにはお金がいる。」地域で懸命に活動している人を支え、仕事に集中してもらうにはどうすれば良いか(単純に融資をするのではなく、支える仕組みとして機能)。申請書作成支援なども実施。

• 2011年度の実績1) セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとの 5年間、総額約 5 億円の助成事業等の協働を実施 →こども☆はぐくみファンド: 15団体、 1,220 万円( 2011年)の助成(原資は企業寄付)2) 英国ジャパンソサエティとの 3年間、総額 6,000 万円強の助成事業の協働実施 →ローズファンド: 8団体、 1,397 万円( 2011年)の助成3)日本国際交流センターより情報発信力強化等として 3年で 1,000 万円の助成を獲得

• 今後の課題:(資金面)企業寄付の拡充、米国等、海外の震災支援資金の呼び込み     ( 1 ~ 3 億ドル規模でまだあると言われている)→企業への期待:寄付・助成金、ファンドへの出資などを通じた資金提供

• (支援面)支援を十分に受けられていない団体への支援(予算規模 500-1000 万円規模の団体の 8 割が資金面での問題を抱えている)→企業への期待:申請団体、支援団体へのプロボノ支援(申請書類作成、事業計画作成等

Page 10: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.1】地域創造基金みやぎ(さなぶりファンド)

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【参加者コメント(抜粋)】

• NPOの役割など単純に勉強になった。企業と現場の仲介役という意味では、それぞれの文脈や意識に開きがある実情を改めて認識。

• 支援先の物語・コンテンツを発掘してうまくフィードバックしていく「寄付先の見える化」という考え方、出し手へのレポート等を通じてナレッジの貯蔵所としての役割を担うという点等には、共感を覚えた。

• 財団はドナーと現地を繋ぐ存在。融資対象は従来の個人事業主、社会起業家から中小企業まで広げている点を理解できた。

• 単に助成金を提供するのではなく潜在的支援先の調査事業も積極的に行っている。仙台に拠点があることでリアルな情報を取れるのが強みではないか。

• 寄付等で集められたお金がどのように使われているかや、 NPOがどのような活動を行っているか解った。復興活動における財団法人の必要性が理解できた。

• 復興するにはお金が必要。お金をいかに循環させるかを考えていくことが必要だと感じた。

• 融資枠や助成制度があっても東北地域に根ざした NPOや企業では、人員・ノウハウ的に「申請をしたくても事務作業ができない」状況がある。

• 東北に根ざしていない基金組織や中間組織だと、結局ナレッジが東北以外に出て行ってしまう。お金だけでなくナレッジも東北でクローズしてまわせるようにならないと東北復興とは呼べないだろう。

Page 11: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.2】一般社団法人MAKOTO

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【団体理念】

『人の「志」の力となる』

【ビジョン】

世の中を良い方向に変えて行こうという志を持ってチャレンジする起業家が、 日本で最も集まり、最も成功しやすい環境を被災地に作る。 ここから挑戦する文化、再チャレンジできる文化を醸成し日本の夜明けを実現する。

【公開情報】

• ホームページ; http://www.mkto.org/

【事業概要】被災地のベンチャー・中小企業を支援し、「志」の求心力をベースとした事業創造を行っていく非営利団体として、以下の事業を実施している。

(1)復興をリードする企業作り

• 被災地の「志」企業を支援 (「志」を持った被災地の起業家・経営者の支援→ビジネスモデルよりも志を重視)

(2)復興を加速させる仕組み作り

• 復興金融スキームの創成 ( 非営利ファンド復興志士ファンド (仮称 )」の組成を準備中 )

• 復興志士のつながり形成( 2011年 9月 20日に「第 1回復興志士交流会 in 宮城」を開催。約 40名が参加)

Page 12: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.2】一般社団法人MAKOTO

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【意見交換内容】• MAOKOTO は地域型のベンチャーキャピタル。世界で通用する起業家の育成を目指している。

• 竹井さんはセキュリテ被災地応援ファンド( http://oen.securite.jp/)の発起人のひとり。

• 竹井さんの思い~ 「志」第一主義1)復興にもっとも必要なものは「アントレプレナーシップ」。日本に根差したアントレプレナーシップは「志」であり、覚悟を持ちリスクを取る人がキーマンである。「志」の雑草集団を作りたい。被災地を緑に変える。次の日本のリーダーは被災地から出る。2)志の 5つの基準:利他・滅私、大胆、慈愛、熱烈な支援者(劉備モデル)、情熱・熱意

• 被災地の求人・求職の状況について。求人もなくはないが、なかなかマッチングできていない(ミスマッチ)。被災地にはマネジメントできる人が少ない。経営者を支える右腕のニーズも多い。

• 現在の主な支援先:㈱GRA、㈱ラポールヘア、 Fandroid EAST JAPAN、㈱ 47Planning

Page 13: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.2】一般社団法人MAKOTO

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【起業家支援の具体的な内容】

■起業家支援:起業 & 再チャレンジ特区へ

•起業家育成→開業・創業が活性化→雇用のパイの拡大。

•経営人材の誘致。倒産経験者が再チャレンジできる環境を作る。

•起業・事業の失敗ノウハウを貯める仕組み作り(例:シリコンバレー、百戦錬磨の集う場)

■被災地の起業家は孤立することが多い~支える仕組みづくり

•復興志士交流会(起業家同士の交流・情報交換・勉強の場)

•起業家伴走プロジェクト㈱GRA(いちご生産、山元町)、㈱ 47PLANNING(屋台村「夜明け市場」)

•復興起業家支援協議会支援団体同士の横連携を深める。有識者によるアドバイザリーボード

■首都圏企業への期待:起業家伴走プロジェクトの例

•事業計画のブラッシュアップ

• ビジネスマッチング

•リサーチ

• WEBサイト構築

• 申請書類の作成、等

→ 大手外資系コンサルティング会社が支援を実施中。

Page 14: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.2】一般社団法人MAKOTO

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【参加者コメント(抜粋)】

• MAKOTOの活動そのものもそうだが、「志」の5段階評価といった話のほか、熱烈な支援者2人がいるかどうか、など起業家を見る視点も興味深かった。

• 企業の伴走役としての役割、起業家支援等の目線は、自社の役割にも通じる部分があると感じた。

• スタッフは個人事業主契約でまだ手弁当状態。被災地の経営者は同じレベルで相談できる相手が居ないため孤軍奮闘している(東北は経営者が少ない)ことが理解できた。

• 伴奏プロジェクトの企業側のメリットは、通常扱わない小規模案件を通じて若手が包括的コンサルの勉強をできること。

• 被災地から世界へ通じる起業家・経営者を育てるという話がとても感銘を受けた。被災地には潜在的な事業が多数あり、起業のチャンスもあると思う。

• 起業家への支援の条件に志のレベル、及び支援者がいるかで判断するという話が面白かった。志があり、支援者がいれば、スキルは自ずと付いてくるのだろうと思う。

• 伴走プロジェクトでは伴走役を社員プロボノで実現している点に興味。「生のビジネス立ち上げを一通り関わることができる」「志の高い、思いの強い人と触れ合う機会になる」「中小企業を知る」などのメリットがある。

• 雇用創出とは実は「働く人にとって良い環境を作る」こと。そもそも東北の産業全体がずっと「受け身」であったという事実。今後はいろんな業種業態の仕事のキャリアステップの中に、別の「手に職をつける」ルートがあってもいいはず(例:大工さんが英語を習得する機会とか)。

Page 15: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.3】 石巻復興支援ネットワーク(やっぺす石巻)

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【ミッション】

・笑顔でつながろう~未来へ向かって~

【事業内容】

・子供支援、街づくりに関連したイベント企画

・仮設住宅内コミュニティー形成

・地元起業家支援・雇用創出支援

・現地コーディネート

【公式ホームページ】• http://www.yappe-ishinomaki.jpn.org/

【活動の特徴】• 子どもの環境教育、子育て中のお母さん方の相談会等を運営していた「環境と子どもを考える会」が母体となり、震災後、支援団体「つなプロ」のメンバーともに本団体を立ち上げ( 2011年 5月)。

• 団体スタッフの多くも被災者という厳しい状況の中で、地元の草の根パワーを活用した石巻の復興を目指す。

• 震災直後は、つなプロ(被災者を NPOとつないで支える合同プロジェクト)の構成団体として石巻エリアを中心に現地コーディネート、地元外の支援団体への支援を実施。

• 現在は仮設住宅の入居者支援、コミュニティ創出支援を起点に、子供の遊び場創出(プレイパーク)、地域街づくりコーディネートなど様々な活動を展開中。

• 5月には、内閣府復興支援型地域社会雇用創造事業交付金事業の事業実施団体として、社会起業家創出、地域雇用創出に向けた「やっぺす!起業支援ファンド」を設立。

Page 16: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【補足】石巻市開成地区仮設団地(トゥモロービジネスタウン)

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【仮設団地概要】

• 石巻市開北地区にある市内最大級の仮設団地。現在約 1150戸の仮設住宅が建設済。

• 石巻市中心街から車で 15 分程度であるものの、もともと商業団地として開発された場所であることからスーパーなどの生活関連施設が極端に少ない(周辺にコンビニが 2店舗程度。ただし、仮設団地建設後、仮設のフルーツ屋、らーめん屋もできまたとのこと)。

• プレハブメーカー系の仮設住宅。

• 石巻復興支援ネットワークの仮設住宅内コミュニティー形成支援先のひとつ( 4/22 は本仮設団地の集会室を意見交換会場として利用させて頂きました)

Page 17: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.3】 石巻復興支援ネットワーク(やっぺす石巻)

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【意見交換内容】• 訪問先は開成地区にあるトゥモロービジネスタウン仮設住宅です。仮設住宅に住む方々の生活環境、雇用状況についてお話を伺いました。

• 現在発生している問題としては、地域コミュニティの作り直し、生活インフラの未整備(学校、病院、こどものお遊び場など)。最近は治安の問題も出て来ているとのこと。

• 住民間の問題では、格差の問題が出始めている。これは経済格差だけでなく、精神的な格差、仮設団地間の支援格差などもある。

• 雇用の問題では、求人・求職のミスマッチの問題が大きい。実際、現在石巻の求人倍率は0.7倍と震災前よりも高い。

• 自立支援では仕事の確保が重要だが、失業手当の長期支給、支援馴れ、生業として長期的に続けられる仕事の不足などが再就職を妨げていると言われている。

Page 18: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.3】 石巻復興支援ネットワーク(やっぺす石巻)

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【雇用創出支援について】

• 石巻復興支援ネットワークでの雇用支援としては、まず女性向けの手仕事斡旋がある。

• 現在、ブローチ、ポーチ、コットンパール、シルクリボンなどの仕事を提供している。これらは全国的に人気があり。ある程度の数の販売が可能。ただし、恒久的な仕事、一家を支える仕事とするのはなかなか難しい。

■東北支援プロジェクト「 EASTLOOP」( https://www.facebook.com/EASTLOOP)

被災地・岩手県と宮城県の女性約 150人が登録・参加している手仕事プロジェクト。コンセプトは、お買い物を通じて、被災地に「笑顔」と「収入」を届ける。

■SONRISA「 Amanecer -石巻コラボアクセサリー」( http://sonrisa.ocnk.net/)

石巻のママブランドとして、コットンパール、天然籍のブレスレット等の製作を、子育て中のママたちの手仕事として提供している。

• 雇用創出に関する新しい取り組みとしては、地域社会雇用創造事業の受託がある。これは被災地向けの国の雇用創出施策。具体的には社会起業家育成とインターンシップからなる。

• 例えば社会起業家育成は全体で 600人の枠のうち 20人を石巻復興支援ネットワークが担当している。同じくインターンシップも 50人担当することになるが、ここは地元 NPOの特色を生かして、石巻を中心とする女性、若者向けにプログラムを提供する予定。

■「やっぺす!起業支援ファンド」( http://www.yappesufund.jp/)

被災地における起業と雇用を創造するため、社会的課題を解決するための新規性のある事業を行う「社会的企業」の起業を支援する取り組み

Page 19: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.3】 石巻復興支援ネットワーク(やっぺす石巻)

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【参加者コメント(抜粋)】

• 最前線で活動する団体の一つとして子供の遊び場確保などきめ細かな支援が、印象的であった。

• 精神面・経済面での格差、支援の格差、「支援慣れ」・様子見・勤労意欲低下の話は今後も引きずる話と感じた。

• 被災地によって状況が異なること再認識した。→南三陸:都市が壊滅丸ごと移転→コミュニティの立ち上がり早い。→石巻:都市が半分残る→生活は便利だが分散で自治が立ち上がらない。

• 求人倍率は 0.7倍と震災前より良いにも関わらず、人が集まらない現状がある(求人内容は土木や有期が多い、支援馴れでやる気を削がれている)。

• 仮設住宅の方々をなんとか元気づけようという気持ちが伝わってきた。

• 手仕事等、地道な作業だが、次につながるきっかけになると思う。手に職を身につけることの推進が必要だと思う。

• 引きこもってしまった人たちを外に出させる為の検討が必要だと思うが、諸団体が仮設住宅を直接訪問できないルールになっている。

• 当初、テレワークの紹介を始めたが ITスキル不足でなかなかうまくいっていないとのこと(手取り足取り教えられる人がいないのが問題)。

Page 20: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.4】村づくり NPO「りあすの森」

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【団体概要】

・震災復興と地域づくりを推進する事業型 NPO(申請中)

【実施目的】

・懐かしさの残る未来地域づくりを目指す。

・学びの場を中心に、1000年以上持続でき、  世界とつながった村づくりにチャレンジします。

【公開情報】

・ヨシ原再生プロジェクト  ( http://cocorocolor.com/owner/ow_home1.html)

【活動の特徴】• りあすの森では、震災の経験を活かし、現代の日本社会が抱えている問題を合わせて解決する、新しい未来を

生み出したいと考えている。新しい未来とは、この 先 1000年を見越した活動であり、東北にあるあらゆる智恵、世界にあるあらゆる智恵を集め、持続可能 な暮らしを創ること。

• 活動の第一歩として、石巻の北上地区に新しい教育によるスロービレッジの建設を構想中。

【活動の方針】• 自然豊かな石巻の復興支援(復興住宅支援、社会インフラ復興支援、産業復興支援、文化財復興支援、歴史文化復興支援等)

• 懐かしさの残る新しい村づくり(シェアコミュニティ事業、地域活性化事業、地域貨幣事業、古民家再生事業、手仕事支援事業、1人一品支援事業等)

• 自律・個性・体験による人づくり(自然自由学校事業、自然体験学習事業、職人の村事業、農業漁業体験事業、おじいちゃんおばあちゃん塾事業等)

Page 21: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【補足】白浜地区復興住宅(※りあすの森にて維持管理を実施)

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【実施概要】

・永住型の木造住宅による復興住宅建設・提供

【実施目的】

・被災地における仮設住宅以外の住環境選択肢の提供

・職住近接による集落コミュニティの維持・再構築

・三陸らしい住環境・地域社会の提案

【実施主体】・工学院大学、芽組工務店、熊谷産業

【公開情報】

• 朝日新聞( http://www.asahi.com/housing/news/TKY201105090201.html)

【活動の特徴】• 約 600 万円といわれる仮設住宅に必要な建築・撤去費用を恒久的な住宅の建築予算に充当するという新しい発想での復興住宅提供を目指すモデルプロジェクト。

• 具体的には永住型木造住宅を約 1,200 万円で建築し、 600 万円を復興住宅予算、 200 万円を被災者支援助成金として充当することにより、被災者の実負担を 400 万円にするというもの。この 400 万円を賃貸物件として提供し、回収するというモデル。

• 工学院大学 125周年記念事業のひとつとして実施。現状では復興予算の転用制度が未整備であることから、上記費用のうち、復興住宅予算部分にあたる費用( 600 万円)を LIXIL(住生活グループ)が工学院大学に寄付する形で拠出。

• 旧北上町白浜地区に 11棟を建設。 2011/11/23の入村式後、各戸に入居が進んでいる。

Page 22: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.5】地域エネルギー会社「おひさま株式会社」

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【ミッション】

・再生可能エネルギーで地域から復興へ

【事業内容】

・当初から取り扱う再生可能エネルギー:太陽光発電、木質バイオマス、太陽熱温水など

・導入方法:省エネルギーに繋がる窓の断熱強化、廃熱回収ヒートポンプ、 LED照明等

【公開情報】プレスリリース• http://www.sustainergy.co.jp/press20111007.html

【活動の特徴】• 被災地における再生可能エネルギーと省エネルギーの導入普及を通じて 旧来のエネルギー社会 ( 原発や化石燃料依存 )に戻るのでなく、新しい地域エネルギー社会の姿を実現する。

• 具体的な事業としては、導入プロジェクトの開発・設計や、技術の選定と調達・工事のアレンジ、導入資金の調達、設備の運用・保守など。実際の工事施工は地元業者への発注で対応予定。それらのエネルギー対策をすることで、同時に地産地消の経済循環を起こしていくことを目指している。

• 事業資金は基本的には借入金及び市民からの出資により調達。また地域内では関連工事の新規需要を作ることと、木質燃料を地元から出すことで、新たな仕事と雇用を生み出し、復興に貢献する。

• 長期のメンテナンスや環境価値( CO2の削減量やグリーンエネルギー証書取りまとめ・売買等)の活用も含む、総合的なエネルギーサービスとして提供する。

Page 23: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意X 【 No.5】地域エネルギー会社「おひさま株式会社」

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【意見交換内容】1.金融面

• 資金調達はケースに応じて、信用金庫からの融資および市民参加のファンドによる捻出等で図る予定。

• 当社がユーザーに代わって設備を購入して使えるように貸すことで、ユーザーにとっての導入のしやすさが大きく前進する。

2.技術面

• 建物のエネルギーに関する分析・設計を基に、地域の公共施設、事業所や住宅向けに、性能が良く効果の高い技術を選び組み合わせて提供する。

• 個別の建物の事情を診断して最適なシステム設計やシミュレーションを行う外、太陽熱温水、地中熱・排水熱ヒートポンプ、換気、輻射暖房のパネルヒーター等の国内外先進技術の 導入も視野に入れ最適なものを提供し、地域の石油等の化石エネルギーの消費を効果的に減らしていくことに寄与していきたい。

• 災害時の備えとして、自立電源・バックアップ電源としての提供も行う。

3.当面の取組

• 対象としては、公共施設、民間事業所、家庭、更には水産加工や農業ハウス等の地域の産業向けに、環境エネルギー設備の導入を進めていく。

• 特に、災害防備、即ちバックアップ電源や・自立電源 (即ち太陽光発電や木質バイオマス熱電併給と、蓄電池の組合せ )などについては、地域内の避難所となる拠点や、病院・福祉施設などに対して、優先的に提案をしていきたい。

Page 24: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.5】地域エネルギー会社「おひさま株式会社」

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【参加者コメント(抜粋)】

• スマートコミュニティといっても、思った以上に地味 /地道な実態もあるのだと初めて知った。

• 消費者の意識・生活スタイルが体験等を通じてどう変えていけるか、といった視点は、漁業の世界にも通じる話と感じた。

• 印象に残った話としては「林業が儲かる仕組みをつくる(良い木材は流通させ間伐材を燃料用に流用)」、「電力会社による搾取構造から抜け出す(配電部分を地域で持てれば抜け出せる)」など。

• 被災地で自然エネルギーの事業を行う意義が解った(原子力、火力に代わるエネルギーの必要性の話や、被災地ではこれから新規の建物が新しく建てられる話など)。

• 自然エネルギーを活用した事業は今後、急成長すると思うので、おひさま株式会社に期待できるところは大きいと感じた。

• 東北には「木質バイオマス」に活かせる資源が多い、また、街自体がなくなってしまったことから「ゼロベースで街を創れる」との話が印象的。

• 化石資源に頼らない街・コミュニティを創りたい、ユーザー自身が、自分の使う電力の『ポートフォリオ』を作り、かつ、それを実現できるようにしたいとの話が興味深かかった。

• 「木質バイオマス」は間伐材を運搬したり、製材したり、ペレットを生産する作業が必要なため「雇用」を生み出す力があるとのこと。

Page 25: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.6】地場産業「木の屋石巻水産」

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【企業理念】

1.商品開発に全力を尽くす

2.前向きに考えるチャレンジ(前進・進歩・成長)

3.鯨文化の保存使命感・社会的役割

【事業内容】

・缶詰部門カレイの縁側缶詰(内閣総理大臣賞受賞)金華さば・さんま・真いわし缶詰(フレッシュパック)鯨缶詰・各種缶詰の製造卸販売

・加工部門アミエビ・煮干小女子・小女子佃煮・鯨ベーコン鯨塩皮・鯨刺身・鯨竜田揚の製造販売

【公開情報】 http://kinoya.co.jp/eccube/(ホームページ)

【活動の特徴】• 石巻の大手水産加工会社で「鯨大和煮」に代表される鯨肉加工品や金華さばの缶詰などが有名。

• 震災により社屋、工場とも全壊し会社存続が危ぶまれるものの、社員と熱意と石巻を支援する人々との励ましもあり、再建に向けて歩み始める。

• 石巻漁港近くの道路に横たわる「鯨大和煮」の巨大タンクは同社のもので、石巻市では誰もが知る存在。

• 石巻に緊急物資を届けた帰りの便で流された同社の缶詰を持ち帰り、流された缶詰を洗い流して販売した「希望の缶詰」が注目を集める。

• 現在、現在、旧社屋で仮操業中であるが、 2013年 1月を目途に社屋・工場を再建する予定。

Page 26: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.6】地場産業「木の屋石巻水産」

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【意見交換内容】• 木の屋石巻水産は現在元の本社ビルを仮店舗として営業を行っています、当日は木村副社長、広報担当の松友さんに震災直後、その後のお話を聞かせて頂きました。

• 震災後一か月は「やるのか?やめるのか?」と社長とともに葛藤。しかし、集まった社員の「やりましょう」との声を聞いて再開を決意。

• 現在、 2013年 1月を目標に、元の社屋の土地と美里町に新しい社屋を建設中。 2か所に分けたのはリスク分散の意図もあるが、内陸に水産加工場があることでまた新しいものが生れるのでは?との期待もあるとのこと。

• 木村副社長が進めている「三陸海産再生プロジェクト」( http://www.sanriku-pj.org/)がある。このプロジェクトを発展させて新しい物流を作りたという大きな野望がある。

• やりたい方向性としては「本当に美味しいもの(料亭にも出せる)」「消費者に直接繋がる(会員制)」「石巻セット(定期的に送る、らでぃしゅぼうやの様なもの)」の 3つ。

Page 27: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意【 No.6】地場産業「木の屋石巻水産」

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【参加者コメント(抜粋)】

• 被災の現場、海洋投棄などの復旧の実態を垣間見た。

• 事業再開は周辺でも1割程度、募集しても人が集まらないといった現状の中、サポーター制度や「お涙頂戴ではない価値のあるものを提供」といった攻めの姿勢が印象的であった。

• また、復旧~工場の内陸移転などの話を通じての社員との関係も印象に残った。

• 地震発生から、津波の被害、その後の復興作業の話が聞けてとても為になった。

• スーパーと同じ土俵では戦えない。高くてもみんなに喜んでもらえるような良い品を作りたいという考えが復興活動に結び付いていると思う。

• 日本人は昔から肉ではなく魚を食べる文化であるという話は考えさせられた。

• 水産加工業界・水産業界の構造的な問題として、流通経路がブラックボックス化しているという。ここにメスを入れ、生産者が、消費者へ直接リーチ(直販)する「新しい流通」スキームを作りたいと考えているという話が印象的。

• 安物とは違う「すばらしく美味しい缶詰を作る」ことが競争力の源泉であり、プレミアム感を感じたい消費者へリーチすることは死活問題。一方で、営業力、マーケティング力の弱さ。そういうスキルや経験、発想を持つ者が絶対的に少ない。また直販するということは自分たちで在庫管理をしなければならない。ITから冷凍庫まで、足りないものだらけとのこと。

• 結果として、石巻市内にかつて 400社以上あった水産加工業者は、現在まだ 5 ~ 6社しか再建できていないという話は現地にいる分、より臨場感がある。

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社外秘 取扱注意【 No.7】復興庁宮城復興局・企業連携推進室

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【復興庁の役割】

復興庁は、一刻も早い復興を成し遂げられるよう、

被災地に寄り添いながら、前例にとらわれず、果断に

復興事業を実施するための組織(内閣に設置)。

【業務内容】

(1)復興に関する国の施策の企画、調整及び実施

(2)地方公共団体への一元的な窓口と支援、等

【組織体制】

本庁(東京)

復興局(岩手、宮城、福島)

【公開情報】 http://www.reconstruction.go.jp/(ホームページ)

【企業連携推進室の役割】

• 復興特別区域制度等を活用した復興事業を行うにあたり、民間企業と被災地方公共団体、国が連携することが重要となることから、経済団体等から派遣された職員のノウハウを積極的に活用する体制を整えるため、本庁および各復興局に企業連携推進室を設置( 2012年 4月 1日)。

• 具体的な役割としては以下の通り:- 被災地復興の企業連携に関し、地方公共団体及び民間企業と意見交換を実施- 企業連携に係る諸課題を把握し関係省庁と連携して対応を検討- 企業連携プロジェクトについて、「国と地方の協議会」の分科会を開催し、事業化を支援- セミナー、展示会、制度説明会等の開催、先行優良事例集、Q&Aの作成等

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社外秘 取扱注意【 No.7】復興庁宮城復興局・企業連携推進室

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【意見交換内容】• 「復興交付金」(まちづくりに必要な資金を自治体に交付する、復興庁の主な事業のひとつ。町移転や、復興住宅の建設等)を自治体が上手く活用できるよう支援することが大切である。

• 仮設住宅の延長が先日発表されたが、雇用のミスマッチや自治会コミュニティ形成、心のケアなど 2年目に突入して問題がますます複雑化すると認識している。

• 企業連携推進室は 4月に立ち上がったばかり。まずは、各企業、経済団体などのヒアリングから着手しており、今後、復興庁として支援すべき事例を把握していく予定である。

• 雇用の募集はあるが応募が無いというミスマッチが発生している。大企業の工場を誘致する、などは現実的ではなく、地域経済をどう活性化していくのかという課題を解く必要がある。

• 現時点で、企業連携推進室の実行すべき施策は明確になっていない。例えば、被災地企業のニーズや非被災地の企業の提供可能リソースに関する意見交換を継続的に行う場などの検討を行っている。

• 企業連携室には民間企業からの出向者も多く、民間視点での議論がしやすい素地がある。復興に向けた想いのある多様な企業に耳を傾けながら具体的な活動を進めていきたい。

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社外秘 取扱注意【 No.7】復興庁宮城復興局・企業連携推進室

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【参加者コメント(抜粋)】

• 復興庁でどのような事を行っているかがよく分かった。

• 出向者・民間の力・ネットワークが活かされている一方、各省庁との位置関係が理解しきれないまま終わった。

• できることを模索中といった印象も感じたが、だからこそ、できることもあるのかも?

• 「企業連携」という意味では復興庁との絡み方のイメージが今のところ湧かなかった。

• 「想いとニーズを繋げる場」というワードは、自社の事業にも通じるキーワードとして印象に残った。

• 現状は民間企業との連携は十分にできているとは言えず、今後の課題だと感じた。

• 企業連携推進室には民間人からの派遣者が多いので、今後の連携はやり易いのではと思った。

• 被災地以外の企業「本業を活かした活動」の考え方は 2つあると思う。①東北を「マーケットとして見る」②「企業活動(バリューチェーン)の一環を東北にリンクさせる」。

• 目先の利益に直結する行政の動きはわかりにくい。これをどうわかりやすく発信していくか、が、復興庁の大きな課題のひとつであると思った。

• 専門家が入ることにより(例:プロジェクトマネジメント)、物事がスムーズに進むこともある:南三陸町の仮設図書館など)。いろいろな制約があり簡単ではないが、企業所属のスペシャリストを被災地にどんどん送り込む仕組みを作れないか。 

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社外秘 取扱注意

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ワークショップレポート

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社外秘 取扱注意被災地の現状について(参加者感想)

石巻市・雄勝・女川町など含め、思った以上に広範囲・徹底的に津波にやられている、という印象。職住の両方をいっぺんに失うことの重さ。石巻の復旧は1%程度では?との話。

仙台の活況と仙台からの被災地支援者が少ないという話も印象的。

自社の物流センターを除けば初の被災地訪問であったが、敢えて最前線の被災者より、長く支えてきた人々と会うことで大枠を理解するには良い機会だった。1年が経過した今の復興状況の格差や、支援の副作用的課題を知れたのも良かった。

震災から1年たったが、復興活動は思うように進んでいないと感じた。しかしながら、数は少ないが志ある人が少しずつ増えてきて、着実に復興へ歩みだしていると感じた。

被災地の復興活動に携わっている方の話を聞いて、心を打たれた話も多く、現在の復旧状況や課題も見えてきた。

ボランティア活動を通じて何度か現地入りを経験しているものの、事業視点でリサーチ・インタビューする機会が無かったので、その点で極めて大きな情報収集が行えた。

比較的「ポジティブ」な人々が多かったが、実際はもっとネガティブになっている方や苦しんでいる方が多いのだろう。そういう方々とも接点を持てると、よりよかった。(難しいとは思うが)

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Page 33: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意企業ができる復興支援活動について(全体)

ボランティア派遣については何らかの形で継続実施していきたい。

事業との融合という視点では、今自社の持っているつながりをどう活かせるか、あるいは、 BtoBtoEという視点で、さらにアイディアを掘り下げる余地があるように感じた。

「このタイミングでは遅いのでは?」との当初想定に対し、「企業の接触が減っているので、接触・拡散してくれることが重要」との声に、むしろこれからが重要と感じた。

被災地だからできることや、欠点を利点に変えるという視点でアイデアが生まれるのでは。例えば:津波で流された跡地の活用。震災の経験。復興住宅や新たな工場の建設。自然・森林が多い。海が近い。寄付金、補助金の活用。マスコミに取材される。志ある人が集まってくる。等

実は私たち東京で働く社会人の多くは「自分たちには何か特筆すべきスキルがあるわけではない」→「だからきっと被災地に行っても役に立てないだろう」と、勝手にハードルを上げて、勝手にしり込みしてしまっているところがあるのではないだろうか。その背景には「今、被災地域でどんなニーズがあるのかがわからない」という情報不足があると考える。

まず、我々自身が「普通」だと思っている社会人としてのスキルが、今被災地域で求められているニーズそのものであること、そして「自分から知ろうとする」「受身でなく自律的に行動する」というスタンスが何よりも大事だということ、それに気づいてもらうことが、企業内 CSR推進担当者の大きな課題であると改めて確信することができた。

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Page 34: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意企業ができる復興支援活動について(訪問先との協業・雇用創出)

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地域創造基金みやぎ(さなぶりファンド)• 支援先 NPOに対する事務用品等の提供など• 商品の販路としての自社流通網活用の可能性

MAKOTO(復興志士ファンド)

石巻復興支援ネットワーク(やっぺす石巻) おひさま株式会社

木の屋石巻水産 復興庁宮城復興局・企業連携推進室

• 起業家支援メニューに対する協力(オフィス立上げサポート等)

• 商品の販路としての自社流通網活用の可能性

• NPO事業支援に対する協力(事務用品などのオフィス立上げサポートを提供)。

• 起業家支援メニューに対する協力(小規模事業者向けにオフィス立上げサポートを提供)。

• 伴走プロジェクトにて、 ITコンサルタントや、営業企画・提案経験者、プロジェクトマネージャー経験者が支援参画しつつ東北拠点を作っていくイメージを具体的に持つことができた。

• 支援先 NPOに対する事務用品等の提供など• 商品の販路としての自社流通網活用の可能性(寄

付付き商品など)。

• 被災地で実際に他社と提携して提案を進めている事案あり、ビジネスモデルとして参考になった。

• 「木質バイオマス」についてはじめてよく知る機会を得られた。太陽光発電だけでは競争力が無いことは自覚していたので非常に良い判断材料となった(既に担当事業部門に連携済み)。

• 商品の販路としての自社流通網活用の可能性(寄付付き商品など)

• 営業企画・提案経験者、プロジェクトマネージャー経験者、 IT専門家などで新規事業の立ち上げ支援ができるのではないか。

• 官民一体となった復興活動の推進。被災地でのリーダを育成する為の協力。

• プロジェクトマネジメントのセミナー実施。• 復興活動で行われているプロジェクトへのアドバイス等の実施。

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社外秘 取扱注意事業創造・雇用創出に向けたアイデア例

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【 1】販路開拓・寄付調達支援

【 3】事業立ち上げ支援パッケージ

【 2】スモールビジネス向け人材育成プログラム

さなぶりファンド MAKOTO(復興志士ファンド) やっぺす起業ファンド

シェアオフィス

PCプリンタ 事務用品

企業 A 企業 B 企業 C

支援先 支援先 支援先

①再販の難しい型落ち商品在庫等を提供②小規模事業者向けにパッケージ化

④支援先・融資先の事業を立ち上げ支援として紹介・斡旋

③数万円程度の格安パッケージとして提供

寄付付き商品 防災用品 復興支援

商品

木の屋石巻水産(缶詰)

やっぺす(手仕事商品)

①復興ストリー付商品の買い取り

・・

②自社通販サイトでの販売

③自社社員、自社顧客への推薦

被災地企業MAKOTO

(復興志士ファンド)

やっぺす起業ファンド

企業 A

企業 B

企業 C

事業企画

会計・経理

営業

①各企業の専門人材をプロボノ派遣

③現地支援者+専門家人材による被災地企業支援チームの組成

④事業推進支援、新事業立ち上げ支援実施

②被災地企業の現地支援者の参加(伴走人材)

⑤支援後、スモールビジネス推進のスキル・ノウハウを獲得

・木の屋石巻水産・おひさま株式会社、等

Page 36: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意ワークショップ内容について

参加各位からの情報や気づきも多く、刺激となった。

時間も限られており、意見交換の場という認識。

みなさん色々な分野で活躍していて、色々な考えや、しっかりとした信念を持っていたので、自分一人では思いつかないようなアイデアが出てきて勉強になった。

ワークショップでツール(手法)を使用して議論すると、より効果も上がると思う。たとえば、SWOT 分析やKJ法をブレーンストーミングで行うとアイデアも出やすく、議論の結果も残り、効果も上がると思う。

CSR 推進担当者(もっと参加者が多いかと思っていました)だけでなく、さまざまな経験・見地からの意見が交換できたのは純粋に楽しい経験だった。

ワークショップと銘打つからには、付箋や、模造紙などを使って、その場で出てきたアイデアのかけらを「見える化」しながら意見交換したほうが、参加者の記憶に残りやすく、振り返りやすいのではないだろうか。

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Page 37: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意まとめ

第4回目となる今回は、被災地復興において最大の課題である「雇用創出」を主テーマに視察・意見交換、ワークショップを実施し、企業が各社の強みを活かしてできることについて、3つの方向性を見出した。

ひとつは、販路開拓や寄付金調達等の被災地以外でできる支援。例えば BtoB企業ではカタログに寄付つき商品などを掲載することで、ビジネスの繋がりを活かして大きな力を結集することができる。ただし既存商品そのままではなく、売れる工夫が必要な場合もある。

また社員向け( BtoE)に復興事業の商品やツアー等を紹介することで、福利厚生の一環としても活用でき、復興支援への参加を促す効果がある。被災地の方々は忘れ去られることを恐れており、顧客、社員の繋がりを活かした継続支援は企業ならではの支援となる。

2つめは、復興事業で不足している「雇用を生み出せる人材」を企業から派遣する支援。復興予算で経済的には再開の目処がたっても、震災前から産業衰退が課題となっている地域では人材流出が深刻だ。特に地元企業の経営幹部や新規事業を担える人材の多くは都会に出ており、 U ターン I ターンで人材を獲得する必要がある。ただし仕事を辞めて移住するのは簡単ではない。

そこで企業から復興事業を担う人材を出向の形で派遣することが考えられる。一人を派遣するだけではなく、企業内でチームをつくり、後方支援する仕組みをつくれば大きな力となる。自社社員が直接被災地で頑張る姿を知ることで、他の多くの社員の当事者意識を高める効果がある。

3つめは、自ら雇用を生み出す起業家の支援。起業家支援ファンド(助成基金)への資金提供がひとつであり、さらに社員によるプロボノ支援や、自社商品・サービスを安価で提供する方法もある。0から1を生み出す起業は多くの困難を伴うが、企業にとっても新しい事業を生み出す可能性がある。

過疎化・高齢化が進んだ東北の被災地では、社会課題解決を目指すソーシャルビジネスが注目され、内閣府や経済産業省でも力を入れ始めている。復興への熱い志を持つ「社会起業家」への支援は、勇気あるスタートアップを応援するとともに、企業のあり方・働き方を見つめなおす機会にもなる。

雇用創出はつまり需要の創出である。産業衰退が進んだ地域での需要創出は簡単ではないが、被災地に不足している、都会や海外の広い視野、企業が持つ多くの人材・知恵・ネットワークを活かすことで、可能性が大きく広がっていくと考えられる。それはまた企業にとってビジネス機会、人材育成機会となる。

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Page 38: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意最後に

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今回の現地視察&ワークショップを通じて 第 4回では実施の地場企業を訪問するとともに、それを支える制度的支援、資金調達、雇用創出支援に関する団体を加えることにより、線としての事業創出・雇用創出を体験できる内容となっていたかと思います。

またワークショップでは、これまで通り、 1日目、 2日目に振り返りと意見交換の時間を 3時間程度実施するとともに、後日、フォローアップ会を開催して、企業として支援・協業できるアイデアの洗い出しとその具体化につなげる手法を採用しております。

上記アプローチは本ワークショップの大きな特徴であり、内容を洗練させながら、今後も継続していきたいと思います。

復興協働ネットでは、今後も現地の企業・団体の皆様を繋げ、新しい協働事業・プロジェクトを創出するきっかけづくりを行っていく所存ですのでご協力の程よろしくお願いいたします。

本件問い合わせ先

第 5回について 第 5回については現在、 6月中旬の実施を予定しております。 日程、訪問先については調整中ですが、第 4回同様、 2泊 3日を想定しています。

【復興協働ネット 事務局】鷹野秀征( NPO法人パブリックリソースセンター       /ソーシャルウインドウ株式会社)

斉藤学(スカイライトコンサルティング株式会社)

[email protected]

[email protected]

Page 39: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意

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(参考)復興協働ネットの提供事業について

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Page 40: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意1.復興協働ネットの事業と本ワークショップの位置づけ

SB/CB事業創出

協働プロジェクト

社会貢献活動 チャリティイベント

スポンサー(被災地支援目的)

寄付(企業、社員)ボランティア

寄付つき商品等プロボノ

NPO・企業の協働 PJ

広告・宣伝(被災地支援)

SB/CB事業立ち上げ・推進

起業家育成

ボランティア・プロボノコーディネート/ツアー

現地視察・協働ワークショップ

協働プロジェクト推進支援・起業家支援 リーダー候補人材派遣プログラム

復興協働ネットでは、首都圏を中心とする民間企業に対して企業ボランティア等の社会貢献活動や被災地企業・団体との協働プロジェクトを生み出す仕組みを構築することにより、被災地の経済活動に関する関心を高め、事業創出に必要な人的リソースを継続的に被災地へ呼び込むことを通じて、被災地での事業創出人材不足の解決に貢献することを目指しています。

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【注】 SB:ソーシャルビジネス、 CB:コミュニティビジネス

Page 41: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意

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2.実施事業の概要

1. 情報連携・発信/交流促進 ・・・・・・・・[提供先]首都圏企業• セミナー、意見交換会、勉強会の開催。調査レポート公開• 企業同士での検討部会のコーディネート、ホームページ、ソーシャルメディアでの情報発信の実施。

2. ボランティア・プロボノコーディネート ・・[提供先]被災地企業・団体/首都圏企業• 企業向けボランティアツアーの企画・コーディネート、復興支援団体へのボランティアの派遣。• 被災地のニーズに合わせた企業の専門人材(プロボノ)のマッチング、コーディネートの実施。

3.現地視察&協働ワークショップ ・・・・・・[提供先]首都圏企業• 被災地の現状を把握するためのフィールドワーク(現地視察、意見交換)と復興事業について考えるワークショップを組み

合わせたプログラム。

4.協働プロジェクト推進支援/起業家支援 ・・[提供先]被災地企業・団体/首都圏企業• 企業と被災地の行政機関、復興支援団体との協働事業・協働プロジェクトの企画、立上げ、推進支援。• 被災地で SB/CB創業を目指す起業家候補人材の育成、スタートアップ企業の事業推進支援の実施。

5.リーダー候補人材派遣プログラム ・・・・・[提供先]被災地企業・団体/首都圏企業• 復興に必要な人材が足りていない被災地企業・団体に対し、「販路拡大」、「商品開発」、「業務改善」、「ITによるオ

ペレーション効率化」といったプロジェクトを切り出し、会員企業のリーダー候補人材を現地に派遣する。

Page 42: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意3.組織体制・運営主体

企業人(個人)

企業(法人)

企業人(個人)

企業(法人)

被災地コミュニティ 公的機関 NPO・ NGO

ソーシャルウインドウパブリックリソースセンター

新興事業創出機構(専門家派遣)

運営事務局

1. 情報連携・発信/交流促進1. 情報連携・発信/交流促進

2. ボランティア・プロボノコーディネート2. ボランティア・プロボノコーディネート

4.協働プロジェクト推進支援/起業家支援4.協働プロジェクト推進支援/起業家支援

3.現地視察&協働ワークショップ3.現地視察&協働ワークショップ

5.リーダー候補人材派遣プログラム5.リーダー候補人材派遣プログラム 協力企業(参加企業支援、コンテンツ提供、個別サポート) 日本財団、創コンサルティング、イースクエア、 CSRアジア シータス &ゼネラルプレス

協力企業(参加企業支援、コンテンツ提供、個別サポート) 日本財団、創コンサルティング、イースクエア、 CSRアジア シータス &ゼネラルプレス

協働推進活動/ニーズマッチング復興協働ネット

被災地復興に繋がる SBの創出

SB/CB創出に賛同する会員企業として参加

被災地での SB/CB創出に賛同するアドバイザーとして参加

・・

・・

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Page 43: 第4回実施報告書

社外秘 取扱注意4. 2011年度実績

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情報連携・発信/交流促進 復興支援セミナー、ワークショップの実施(東京:各 4回) 被災地での支援団体と企業担当者の交流会開催(計 3回)

調査・研究事業 被災地ニーズ調査・被災地支援団体向けボランティア斡旋(岩手、宮城にて随時) 企業ボランティアツアーの企画、現地コーディネートの実施(計 3回)

現地視察&協働ワークショップ 第 1回: 2011/9/11 ~ 9/13(仙台・石巻) 第 2回: 2011/10/22 ~ 10/24 (仙台・石巻・東松島) 第 3回: 2011/12/3 ~ 12/5(仙台・石巻・亘理・山元)

協働プロジェクト推進支援/起業家支援 民間主導型復興住宅建設プロジェクト推進支援(宮城県) 古民家再生プロジェクト立上げ支援(宮城県) 十三浜漁業復興プロジェクト推進支援(宮城県) 製造業:大手企業新規事業立ち上げ支援(東京) 製造業:復興関連事業計画支援(東京) 放送業:復興支援に関する NPOとの協業マッチング支援(東京)

リーダー候補人材派遣プログラム 2012年度新規事業