社区養老のモデルづくりへの挑戦

23
社社社社社社社社社社社社社社社 発発発 2016 発 4 発 24 発 発発発発

Upload: csnettoyota

Post on 19-Jan-2017

137 views

Category:

Healthcare


0 download

TRANSCRIPT

社区養老のモデルづくりへの挑戦発表者:陳 燕日 期:2016年4月24日場 所:駒澤大学

中国の「社区養老」の困難1.中国の高齢化の特徴2.中国における高齢化の現状3. 「社区サービス」とは4. 「社区養老サービス」5.社区養老の課題

中国の人口発展の現状

3

http://www.census.gov/population/international/data/idb/informationGateway.php   より筆者作成。

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

11.48 13.62 13.95

13.04

5.5 6.1 6.8 7.7 8.6 10.1 12.4 14.3

17.2

21.0 24.1 25.3

26.8

総人口 (億人) 65歳以上(%) ※ 1970 年代末 一人っ子政策実施

1990年、 2010年、 2022年、 2045年の人口ピラミット図

4

筆者作成。出典: http://www.census.gov/population/international/data/idb/informationGateway.php

1990年 2010年

2022年 2045年

人口高齢化の速さ: 7%→14% 日本は 24年、中国はやや短くなる 高齢人口の規模の大きさ:世界高齢者人数の 4分の 1 「未富先老」:経済が富む前に年老いてしまうこと         ( 2013年一人当たりのGDP(名目)に 6,958.69ドル) 「未備先老」:整備・準備ができる前に年老いてしまうこと 「空の巣家庭」:一人暮らし高齢者世帯、夫婦のみ高齢者世帯 「失独家庭」:一人っ子を失った家庭を指す 「失能高齢者」:食事、着替え、ベッドの乗降、排泄、室内移動、           入浴の基本動作が 1項目以上できない者

中国における高齢化の現状

5

  2012年 2013年80歳以上高齢者数 2,200万人 2,300万人失能高齢者数 3,600万人 3,750万人慢性病高齢者数 9,700万人 10,000万人空の巣高齢者数 9,900万人 10,000万人失独家庭数 100万世帯 107.6万世帯呉玉韶主編( 2013)『老齢藍皮書―中国老齢事業発展報告』より、筆者作成

中国の高齢化の特徴

6

1.人口高齢化のスピードの速さ2.高齢化の進行の地域間格差3.高齢人口の規模の大きさ4.「未富先老」、「未備先老」5.空の巣家庭の増加6.失独家庭の増加

社区サービスとは 1987年の「全国都市部社区服務活動座談会」: 社区サービス (社区服務 )の重要性について、「政府の指導のもとで、社区内の成員を動員し、互助的な社会サービス活動を促進し、地域で当該社区の社会問題を解決する」必要がある。 1993年、『関与加速社区服務的意見』: 社区サービスは社区の成員のニーズを満たすため、社会福利性と住民へのサービス提供などの役割を持つ。 『社区服務体系建設規劃 (2011-2015年 )』: 社区サービスの内容は就労支援、社会保険、社会サービス、文化娯楽、社会治安等であり、行政の公共サービス事項が徐々に社区を範域として行われるようになり、社区のボランティア登録制度も広がってきている。家政サービス、不動産管理会社、養老・保育、食品配送、修理サービス、再生資源のリサイクルなどのサービスの提供、及びスーパー、市場、朝食などのサービスにも取り組んでいる。 

「社区養老サービス」 社区サービスの中の高齢者向けの部分は社区養老サービスに分類され、中国の養老サービスの主なモデルとなる。(鄭建文  1998) 社区養老サービスは在宅養老サービスをサポートするために重要であり、托老所と在宅養老の機能を持ち、サービスを提供する。 (『社会養老服務体系建設規劃( 2011~ 2015年)』)

☞ 市場サービスを中心しつつ、地域における多様な社会資源を社区レベルで統合し、有償・無償のサービスを組み合わせ、地方政府による購買支援や供給支援を活用する。  

☞ 「多元的社区包括サービスシステム」の構築8

社区養老の課題1. 地域特性によってニーズが異なること2. 自治組織である社区居民委員会は街道弁事処の下請け業務で多忙3. 高齢化問題の解決のノウハウが蓄積されていないこと⇒専門職員が不足4. 住民意識ができていない5. 財源の確保が困難

北京市の高齢者サービスの基本状況1.高齢者人口2.高齢者サービスの政策3.高齢者サービス施設

北京市の高齢者人口 2014年末: 60歳以上の高齢者常駐人口は 212. 3万人( 14.9%)、予期寿命: 81.35歳。

北京市における高齢者サービス政策発表先・年数 政 策 名 称

京民老齢発( 2009) 504号

関与貫徹落実『北京市市民居家養老(助残)服務(“九養”)弁法』的意見

京民老齢発( 2011) 149号

関与実施 95歳及以上老年人補助医療制度的通知京政発( 2013) 32 号 北京市人民政府関与加速推進養老服務業発展的意見京政弁発( 2013) 30 号

北京市人民政府弁公庁関与転発市老齢工作委員会弁公室北京市老年人社会保障和社会優待弁法的通知

京政弁法( 2013) 56 号

北京市人民政府弁公庁印発関与加速本市養老機構建設実施弁法的通知

2014年 2月 北京市 2014年街(郷・鎮)養老照料中心建設工作方案2015年 1月 北京市第十四回人民代表大会第3次会議

――― 北京市居家養老服務条例

高齢者サービス・施設設置状況(2013年末)サービス内容 設置状況

養老(障害者支援)“小餐卓”⇒食事支援 4,240 カ所托老(障害)所 4,363 カ所社区日中ケアセンター(ベッド数) 4,397 カ所( 6,078ベッ

ド)社区居宅養老管理サービスセンター 196 カ所社区養老ケアセンター 102 カ所養老施設(ベッド数) 410 カ所( 80,516ベッ

ド)高齢者病院と看取り・緩和ケア病院(ベッド数) 23 か所( 3,409ベッド)高齢者活動ステーション・室 6,655 カ所高齢者協会 6,857所

北京市老齢工作委員会弁公室 ( 2013)より

※ 養老サービス券( 2014年名称変更⇒養老(障害支援)カード) :  100元 /一人・月• 2010年からスタート、対象者: 80歳及び 80歳以上高齢者、• 9 種類のサービス(買い物、家政サービス、薬品医療、散髪、飲食、社区コンビニ、老年文化、養老施設、日中ケアセンター)• 2013年一年間給付額: 4.5 億元、養老(障害支援)支援場所: 1.7万か所

2009年北京市市内区社会養老施設の配置図                        ベッド数≧ 100 

■ベッド数> 200●200 >ベッド数>100

出典:陳喆 胡恵琴 (2014)「老齢化社会建築設計規划-社会養老と社区養老」機械工業出版社  p.1814

楽齢の挑戦1.経緯2.今までの挑戦3.事業内容

楽齢の経緯課題:空の巣高齢者、貧困高齢者のためのサービス提供が少ない 対象:社区にいる在宅の高齢者を対象発展: 2006年   楽齢合作社 2008年   北京楽齢老年文化発展有限企業の設立 2011年   楽齢老年社会工作サービスセンター(NPO) 2015年   第 4サービスステーション OPEN         第 5サービスステーションを準備

今までの挑戦ボランティア活動  若い人⇒不安定性、高齢者⇒リスクの高さ居宅サービス  専門性が見えない、収支アンバランスデイサービス(日托)  概念が良いであるが、利用者が少ない

5 か所の居宅養老サービスステーション

楽齢・高齢者サービスモデル

高齢者の活性化2

貧困高齢者の支え3

専門的なケアデイ +24 時間托老+ 訪問

1

楽齢・高齢者サービスモデル

活性化した高齢者 貧困高齢者の支え楽齢社区居宅養老総合センター

ソーシャルワーカー

専門的な

サービス

社会的な資源専門的なケア

北京のこれらの挑戦を、日本の専門家はどう見ているのか

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 20120

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

8,479 8,565 9,319 9,873 10,003 12,720 14,391 15,497

50116

30021

53170

44237

56156

87931

1382 4036 5216 6903 7861 8182

20224 2209225836 24999 25380

社区サービスセンター 社区サービスステーション(年)

社区サービス機関数の推移

出処:沈潔・澤田ゆかり編著( 2016)『ポスト改革期の中国社会保障はどうなつのか』ミネルヴァ書房 pp.210