6 エネルギーの賦存量、利用可能量等調査 - mori, …6-2 6-1. 賦存量調査...

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6-1 第6章 エネルギーの賦存量、利用可能量等調査 本調査では渡島管内の森町を対象とし、比較の参考として八雲町、七飯町、鹿部町の近隣 3 自治体についても検討を行います。 図 6-1 本調査の対象市町村 対象市町村

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第6章 エネルギーの賦存量、利用可能量等調査

本調査では渡島管内の森町を対象とし、比較の参考として八雲町、七飯町、鹿部町の近隣 3

自治体についても検討を行います。

図 6-1 本調査の対象市町村

対象市町村

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6-1. 賦存量調査

ここでは、4 町において、再生可能エネルギーがどの程度利用可能かを把握するため、各種

エネルギーの賦存量及び利用可能量の推計を行います。

再生可能エネルギーは、エネルギーを利用する速度以上で自然界から補充されるものを指し、

詳細な定義などは団体などによって若干の差異があります。

本検討では、新エネルギーの中の発電分野・及び熱利用分野から地熱発電※を除いたものと

し、以下のエネルギーを対象とします。

※森町ではすでに道内唯一の地熱発電所が稼働している。

● 太陽光発電

● 太陽熱利用

● 中小水力発電

● 風力発電

● バイオマス

● 雪氷冷熱

● 地中熱利用

● 地熱(発電を除く)

*1 中小規模水力発電は 1,000kW以下のもの、地熱発電はバイナリー方式のものに限る

図 6-1-1 再生可能エネルギー・新エネルギーの分類例(資源エネルギー庁)

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ここで、賦存量とは、主に自然エネルギーが対象地域にどの程度存在しているかを示すもの

であり、現在ある資源を最大限利用すると仮定して推計するものとします。

利用可能量は、賦存量の推計では考慮していない社会的条件などの制約要因を設定して推計

するエネルギー量とします。

●太陽光発電 賦存量 : 【単位面積当たりの日射量】日射量データから太陽光パネルの単位出

力あたりの年間発電量を推計

利用可能量 : 【建物全てに設置した場合の発電量】建築物種別ごとにパネル出力を

設定し建築物棟数から推計(ツール)

●太陽熱利用 賦存量 : 【単位面積当たりの日射量】日射量データから太陽光パネルの単位面

積あたりの年間集熱量を推計

利用可能量 : 【建物全てに設置した場合の熱量】建築物種別ごとに設置面積を設定

し建築物棟数からを推計(ツール)

●中小水力発電 賦存量 : 【河川全体のエネルギー】普通河川を対象に推計した流量、河川の標

高差から発電出力・発電電力量を推計(ツール)

利用可能量 : 【価格条件設定下での河川全体のエネルギー】導入建設単価を考慮し

て推計(ツール)。参考として、地点ごとの推計結果を提示。

●風力発電 賦存量 : 【風速条件による風車あたりの発電量】大型用、小型用風力発電の風

況を整理し一定の発電規模の風車による 1機当たりの年間発電量を推

計(ツール)

利用可能量 : 【風速の小さい環境での参考値】比較的風速が低い環境でも発電可能

な小型風力発電による 1機当たりの年間発電量を参考値として推計

●バイオマス 賦存量 : 【各種統計資料からバイオマス原料量を整理】畜産廃棄物(メタンガ

ス)・汚泥(メタンガス)・食品残渣(メタンガス)・木質バイオマス

(直接燃焼)の発生量をデータベースから取得し、発熱量換算して推

計(ツール)

利用可能量 : 【バイオマス原料を使用する場合のシステム効率などを考慮したも

の】畜産廃棄物(メタンガス)・汚泥(メタンガス)・食品残渣(メタ

ンガス)・木質バイオマス(直接燃焼)の利用可能量をデータベース

から取得し、発熱量換算して推計(ツール)

●雪氷冷熱 賦存量 : 【町内の降雪量】雪を熱量換算して推計。ただし利用が困難と考えら

れる地域を除く。

利用可能量 : 【道路上の降雪量】除排雪で収集可能な雪量を熱量換算して推計

●地中熱 賦存量 : 【単位面積当たりの地中から取得可能な熱量】地中熱ヒートポンプシ

ステムを想定し、ボアホール(地中熱交換器)1 本当たりの熱量を推

利用可能量 : 導入施設ごとの個別設計となるため定量的な推計は行わない

●地熱 賦存量

: 【地温勾配図】地熱ポテンシャルマップの提示

利用可能量

: 導入施設ごとの個別設計となるため定量的な推計は行わない

※(ツール)と記載したものは、「新エネルギー賦存量等推計支援ツール(北海道経済部)」を活用したことを

表す。

※推計の際に参照とする統計資料のデータが「0」や「0に近い数値」になる場合やツールの計算方法によって、

賦存量が「0」となることがある。

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6-1-1. 太陽光発電

4 町の気象条件を元に、太陽光発電によって得られるエネルギー量を推計します。太陽光発

電による 1日あたりの発電量の算出方法は以下の式で定義します。

算出に必要なパラメータは、パネルにあたる日射量、標準状態での太陽電池の変換効率、定

格出力に必要な太陽光パネル面積、総合設計係数の 4 つです。

「NEDO 年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」では、日本各地の太陽光パネルの傾斜

角および方位に応じた日射量が示されています。ここでは、一般的な傾斜角度の範囲である

30°~50°及び年間最適傾斜角において、パネルを真南に設置した場合の月別日射量の月別推

移を図に示します。ここでは、データが公表されている地点である、森町、八雲町のデータを

活用し、七飯町・鹿部町については森町と同様とします。年間最適傾斜角は、森地点で 34.4°、

八雲地点で 32.8°となりました。

日射量は 4~6 月が高く、12 月が最も低くなっています。また、春~夏期にかけては傾斜角

が低いほど、秋~冬期にかけては傾斜角が大きいほど、受ける日射量は増加する傾向にありま

す。

1日あたり発電量の算出式

①Ep=(PAS×HA×K)÷GS

②PAS=ηPS×A×GS

①、②より

Ep=ηPS×A×HA×K

Ep:発電量(kWh/日)、PAS:標準状態での定格出力(kW)、HA:パネルにあたる日射量(kWh/日)、K:総合設

計係数(0.65~0.8)、GS:標準状態での日射強度(1kW/ m2)、ηPS:標準状態での太陽電池の変換効率、A:

定格出力に必要な太陽光パネル面積(m2)

NEDO 「太陽光発電導入ガイドブック」を参照

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図 6-1-2 森町・七飯町・鹿部町の傾斜角別日射量(方位角=0°(真南) データ地点:森)

図 6-1-3 (参考)八雲町の傾斜角別日射量(方位角=0°(真南) データ地点:八雲)

0

1

2

3

4

5

6

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

kWh/m2日傾斜角30°

傾斜角40°

傾斜角50°

最適傾斜角(34.4°)

0

1

2

3

4

5

6

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

kWh/m2日傾斜角30°

傾斜角40°

傾斜角50°

最適傾斜角(32.8°)

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単位出力あたりの年間発電量を推計し、これを 4町における太陽光発電の賦存量とします。

傾斜角別の日射量を元に月間発電量を推計します。パラメータは、太陽電池の変換効率と総

合設計係数とします。

上述した算定式を用いて、定格出力 1kW の太陽光パネルによる月間発電量をパネル傾斜角ご

とに試算します。試算条件は以下のとおりです。

●試算条件 ・定格出力:1kW ・パネル面積:6m2(メーカー公表値を参考) ・標準状態における変換効率:15%(メーカー公表値を参考)

総合設計係数

総合設計係数は、主に温度変動による損失、回路や機器による損失を補正する係数であり、

一般的に 0.65~0.8 程度と言われています。特に温度については、シリコン系の場合、モジュ

ール温度が 25℃から 1℃上昇するごとに、係数が約 0.005低下するといわれています。

北海道の気候は年間を通じて寒暖の差が大きいことから、気温の変化による影響は無視でき

ません。総合設計係数は JIS 規格で定めている方法で算出します。

総合設計係数 K=K’×KPT

計算条件:系統連系で蓄電は行わないシステムとし、パネルは屋根置きとする。

K’ 基本設計係数(年変動、経時変化、アレイ負荷、アレイ回路、インバータの負荷による損失補正)

→0.76

KPT=1-0.5×(モジュール温度-25)/100、モジュール温度=月平均気温+21.5℃

設定値および算出式は JIS C8907「太陽光発電システムの発電電力量推計方法」を参照

太陽電池の変換効率

太陽電池の変換効率は上昇しており、現在、主要メーカーの住宅用製品では、変換効率 13%

~15%が主流になっています。ここでは、最新の太陽光電池のメーカーカタログ値の平均値を

採用します。

変換効率:モジュール公称最大出力(W)÷(モジュール面積(m2)×放射照度 1000(w/m2))

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推計結果のまとめを表 6-1-1に、推計結果の詳細を次ページ以降に示します。

真南に設置した場合の定格出力 1kW あたりの発電可能量は、森町(・七飯町・鹿部町)で、

最適傾斜角 34.4°で年間 898kWh/年程度、八雲町で 32.8°で年間 849kWh/年と見込まれます。

月別に発電量を比較すると、森町では、最大月は 5 月で 97kWh/月となり、最小月である 12

月の約 2.3倍になります(八雲町では 5月と 12月の比較で約 2.6倍)。

年間発電量はパネル傾斜角で大きな差はありませんが、導入の際には、パネルへの積雪防止、

設置可能面積、設置場所の周辺環境等の要素を加味して決定する必要があります。

表 6-1-1 最適傾斜角・傾斜面日射量・出力 1kW当たり発電量の推計結果

名称 最適傾斜角 傾斜面日射量

(kWh/m2・日)

出力 1kW当たり発電量

(kWh/kW・年)

森 町

34.4° 3.71 898 (七飯町)

(鹿部町)

(八雲町) 32.8° 3.50 849

参考として、道内他自治体の発電量推計値を示します。

4町は、他自治体と比較して若干低い値となっています。

表 6-1-2 他市町村の発電量推計値

都市名 最適傾斜角 傾斜面日射量

(kWh/m2・日)

1kW出力当たり発電量

(kWh/kW・年)

森町(・七飯町・鹿部町) 34.4° 3.71 898

(八雲町) 32.8° 3.50 849

(札幌市) 34.8° 3.82 932

(旭川市) 33.6° 3.69 904

(函館市) 35.0° 3.78 927

(帯広市) 42.9° 4.29 1,060

(釧路市) 42.7° 4.19 1,035

※NEDO「日射量データベース閲覧システム」を参考に作成

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表 6-1-3 定格出力 1kWあたりの月間発電量の推計(森町(・七飯町・鹿部町))

月 日数 平均気温※

(℃)

屋根おき

モジュール

表面温度

(℃)

変換効率

(-)

総合設計係数

(-)

発電量 kWh

傾斜角

30°

傾斜角

40°

傾斜角

50°

最適傾斜角

34.4°

1月 31 -3.2 18.3 0.15 0.783 53 57 60 55

2月 28 -3.2 18.3 0.15 0.783 67 71 73 69

3月 31 0.4 21.9 0.15 0.775 91 93 94 92

4月 30 5.8 27.3 0.15 0.752 96 94 90 95

5月 31 10.8 32.3 0.15 0.73 99 94 88 97

6月 30 15.3 36.8 0.15 0.714 89 84 78 87

7月 31 18.5 40 0.15 0.707 81 77 72 79

8月 31 20.9 42.4 0.15 0.692 80 77 73 79

9月 30 17.2 38.7 0.15 0.707 78 78 76 78

10月 31 11.2 32.7 0.15 0.73 73 75 76 74

11月 30 4.7 26.2 0.15 0.752 48 51 53 50

12月 31 -1.3 20.2 0.15 0.775 42 45 47 43

合計 365 897 896 880 898

※気象庁アメダス森データ平年値

図 6-1-4 月別の発電量試算結果(森町)

0

20

40

60

80

100

120

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

月間

発電

量[k

Wh/月

]

傾斜角30°

傾斜角40°

傾斜角50°

最適傾斜角34.4°

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表 6-1-4 (参考)定格出力 1kWあたりの月間発電量の推計(八雲町)

月 日数 平均気温※

(℃)

屋根おき

モジュール

表面温度

(℃)

変換効率

(-)

総合設計係数

(-)

発電量 kWh

傾斜角

30°

傾斜角

40°

傾斜角

50°

最適傾斜角

32.8°

1月 31 -3.5 18 0.15 0.79 44 47 49 45

2月 28 -3 18.5 0.15 0.783 61 64 66 62

3月 31 0.3 21.8 0.15 0.775 86 88 89 87

4月 30 5.7 27.2 0.15 0.752 94 92 88 93

5月 31 10.4 31.9 0.15 0.737 97 93 86 96

6月 30 14.4 35.9 0.15 0.722 87 82 76 85

7月 31 18.5 40 0.15 0.707 78 74 69 77

8月 31 20.9 42.4 0.15 0.692 77 74 70 76

9月 30 17.2 38.7 0.15 0.707 77 76 74 77

10月 31 10.9 32.4 0.15 0.73 69 71 72 70

11月 30 4.5 26 0.15 0.76 43 46 47 44

12月 31 -1.1 20.4 0.15 0.775 36 38 40 37

合計 365 849 845 826 849

※気象庁アメダス森データ平年値

図 6-1-5 (参考)月別の発電量試算結果(八雲町)

0

20

40

60

80

100

120

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

月間

発電

量[k

Wh/月

]

傾斜角30°

傾斜角40°

傾斜角50°

最適傾斜角32.8°

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6-1-2. 太陽熱利用

4町における太陽熱利用の賦存量は、アクティブソーラーシステム※を設置した場合の単位面

積当りの集熱量とします。

最適傾斜角の傾斜面日射量を表 6-1-5に再掲します。この傾斜面日射量を用いて単位面積当

りの年間集熱量を試算した結果を以下に示します。森町(・七飯町・鹿部町)で年間 1,950MJ/m2・

年となり、これを賦存量とします。

※機械的な装置を使用して積極的に太陽エネルギーを活用するシステム。この場合、太陽熱をパネルなどで集

熱して給湯や暖冷房などに利用するシステム等を指す。

表 6-1-5 最適傾斜角の傾斜面日射量

地区 最適傾斜角

(°)

傾斜面日射量

(kWh/m2・日)

森町(・七飯町・鹿部町)

(森地点データ) 34.4 3.71

(八雲町)

(八雲地点データ) 32.8 3.50

表 6-1-6 4町の単位面積当りの年間集熱量

名称 傾斜面日射量

(kWh/m2・日)

集熱効率

(%)

熱量換算値

(MJ/kWh)

稼働日数

(日/年)

単位面積当たり年間集熱量

(MJ/m2・年)

森 町

3.71 40 3.6 365 1,950 (七飯町)

(鹿部町)

(八雲町) 3.50 40 3.6 365 1,840

※新エネルギーガイドブック 2008(NEDO)による

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6-1-3. 中小水力発電

中小水力発電の賦存量は、北海道の「新エネルギー賦存量推計システム(H24.3)」を活用し

て推計します。中小水力発電の賦存量は以下の算定式で推計します。

本ツールの賦存量の算定方法は、環境省の「平成 21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャ

ル調査」に従っています。以下にこの調査の流量及び落差の算定方法を整理します。

(1) 流量

流量の算定の流れを以下に示します。流況曲線※から年間の稼働率が低くなりすぎないよう

な年間使用水量を決定しています。また、河川の水全てを発電に利用するのではなく、河川維

持に必要な維持流量を考慮しています。

流量のデータは国土交通省や各都道府県の観測所データを活用しています。

※流況曲線:年間の河川流量を多い順に分布させた曲線

図 6-1-6 流量算定の流れ

(環境省 平成 21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書)

賦存量(kWh)=9.8×流量(m3/s)×落差(m)×総合効率※

※総合効率:発電機効率及び水車効率を考慮したもの。ここでは 0.72 とする(「平成 21 年度再生可能エ

ネルギー導入ポテンシャル調査」)

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図 6-1-7 流況曲線による使用可能水量の設定

(環境省 平成 21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書)

(2) 落差

環境省の「平成 21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」では、河川に沿って、下

図に示すような仮想発電所という概念を導入し、賦存量の算定を行っています。

落差の設定には、Arc-GISの機能を活用し、国土地理院の数値地図情報などから、高低差(標

高差)を算出しています。

図 6-1-8 高低差の算出方法の概念図

(環境省 平成 21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書)

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(3) 推計結果

前述の手法をもとにした、「新エネルギー賦存量推計システム」による中小水力発電の推計結

果を以下に示します。

森町の合計は 41,200MWhであり、これを中小水力発電の賦存量とします。

表 6-1-7 4町の中小水力発電の賦存量(年間発電量)

市町村 賦存量(MWh/年)

森 町 41,200

(八雲町) 113,200

(七飯町) 13,000

(鹿部町) 43,500

合 計 210,900

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6-1-4. 風力発電

(1) 大型風力発電

「風力発電導入ガイドブック(2008 年 2 月改定第 9 版;NEDO)」によると、大型風車の運転

に必要な最低風速であるカットイン風速は、一般的に 3~4m/s です。また、事業化にあたって

は地上高さ 30m で年平均風速が 6m/s 以上が望ましいとされています。

4 町における地上 30m、50m、70m 上空の平均風速を図 6-1-9~図 6-1-12 に示します。どの

地上高でも事業化するうえで望ましいとされる平均風速を下回っており、大型風力発電の事業

化の可能性は低いものと考えます。

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6-15

地上高 30m地点での風況(年平均風速 5.2m/s)

地上高 50m地点での風況(年平均風速 5.8m/s)

地上高 70m地点での風況(年平均風速 6.2m/s)

図 6-1-9 森町の風況

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6-16

地上高 30m地点での風況(年平均風速 5.0m/s)

地上高 50m地点での風況(年平均風速 5.7m/s)

地上高 70m地点での風況(年平均風速 6.1m/s)

図 6-1-10 (参考)八雲町の風況

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地上高 30m地点での風況(年平均風速 4.8m/s)

地上高 50m地点での風況(年平均風速 5.3m/s)

地上高 70m地点での風況(年平均風速 5.5m/s)

図 6-1-11 (参考)七飯町の風況

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地上高 30m地点での風況(年平均風速 5.5m/s)

地上高 50m地点での風況(年平均風速 5.5m/s)

地上高 70m地点での風況(年平均風速 6.7m/s)

図 6-1-12 (参考)鹿部町の風況

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6-19

大型風力発電の賦存量は「新エネルギー賦存量推計システム(H24.3) 北海道経済部」を活

用して推計します。本システムは市町村ごとの再生可能エネルギーの賦存量を推計することが

可能であり、パラメータとして、前述の地上高 30m地点での年平均風速を用いています。

ここでは、1,000kW(1MW)級以上の発電機を 1基設置した場合を想定します。

システムを用いた推計結果を表 6-1-8~表 6-1-12 に示します。年間発電量は 2,000kW 級で

4,070MWh/年・基、1,500kWで 3,055MWh/年・基、1,000kWで 1,802MWh/年・基であり、この値を大

型風力発電の賦存量とします。

表 6-1-8 大型風力発電年間発電量推計値

2000kW級

(MWh/年・基)

1500kW級

(MWh/年・基)

1000kW級

(MWh/年・基)

森 町 4,070 3,055 1,802

(八雲町) 3,710 2,775 1,632

(七飯町) 3,355 2,497 1,465

(鹿部町) 4,610 3,477 2,061

合 計 15,745 11,804 6,960

表 6-1-9 大型風力発電の発電量推計結果(森町)

発電出力

(kW)

風速階級

(m/s)

2000kW級 1500kW級 1000kW級

出現率 発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh)

0 0 0.0000 0 0.0000 0 0.0000 0

0 1 0.0431 0 0.0417 0 0.0431 0

0 2 0.0806 0 0.0783 0 0.0806 0

0 3 0.1083 0 0.1056 0 0.1083 0

61 4 0.1238 66,166 0.1213 25,494 0.1238 24,948

149 5 0.1270 165,715 0.1251 94,254 0.1270 64,507

286 6 0.1196 299,616 0.1188 195,567 0.1196 123,618

472 7 0.1048 433,319 0.1050 298,034 0.1048 177,183

736 8 0.0861 555,056 0.0872 399,332 0.0861 232,279

1,032 9 0.0666 602,243 0.0682 443,002 0.0666 260,272

1,345 10 0.0487 574,028 0.0506 443,912 0.0487 253,938

1,591 11 0.0338 470,451 0.0356 397,722 0.0338 221,180

1,845 12 0.0222 358,716 0.0238 294,847 0.0222 169,928

1,940 13 0.0139 235,678 0.0151 198,035 0.0139 118,568

1,968 14 0.0082 142,105 0.0091 120,174 0.0082 72,208

1,989 15 0.0047 81,272 0.0053 69,386 0.0047 40,861

1,994 16 0.0025 43,924 0.0029 38,219 0.0025 22,028

2,000 17 0.0013 22,639 0.0015 20,094 0.0013 11,320

2,000 18 0.0006 11,094 0.0008 10,089 0.0006 5,547

2,000 19 0.0003 5,186 0.0004 4,839 0.0003 2,593

2,000 20 0.0001 2,314 0.0002 2,218 0.0001 1,157

- - - 4,069,522 - 3,055,219 - 1,802,133

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6-20

表 6-1-10 (参考)大型風力発電の発電量推計結果(八雲)

発電出力

(kW)

風速階級

(m/s)

2000kW級 1500 kW級 1000 kW級

出現率 発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh)

0 0 0.0000 0 0.0000 0 0.0000 0

0 1 0.0465 0 0.0451 0 0.0465 0

0 2 0.0866 0 0.0841 0 0.0866 0

0 3 0.1153 0 0.1124 0 0.1153 0

61 4 0.1301 69,538 0.1276 26,817 0.1301 26,219

149 5 0.1313 171,367 0.1296 97,607 0.1313 66,707

286 6 0.1212 303,772 0.1206 198,685 0.1212 125,333

472 7 0.1038 429,190 0.1043 296,015 0.1038 175,495

736 8 0.0830 535,152 0.0843 386,410 0.0830 223,950

1,032 9 0.0623 563,185 0.0641 416,175 0.0623 243,392

1,345 10 0.0440 518,788 0.0460 403,471 0.0440 229,501

1,591 11 0.0294 409,440 0.0312 348,521 0.0294 192,496

1,845 12 0.0185 299,560 0.0200 248,239 0.0185 141,905

1,940 13 0.0111 188,170 0.0122 159,635 0.0111 94,667

1,968 14 0.0063 108,088 0.0070 92,427 0.0063 54,923

1,989 15 0.0034 58,680 0.0039 50,740 0.0034 29,502

1,994 16 0.0017 29,996 0.0020 26,481 0.0017 15,043

2,000 17 0.0008 14,571 0.0010 13,146 0.0008 7,285

2,000 18 0.0004 6,705 0.0005 6,210 0.0004 3,353

2,000 19 0.0002 2,933 0.0002 2,793 0.0002 1,466

2,000 20 0.0001 1,220 0.0001 1,196 0.0001 610

- - - 3,710,356 - 2,774,568 - 1,631,847

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6-21

表 6-1-11 (参考)大型風力発電の発電量推計結果(七飯町)

発電出力

(kW)

風速階級

(m/s)

2000kW級 1500 kW級 1000 kW級

出現率 発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh)

0 0 0.0000 0 0.0000 0 0.0000 0

0 1 0.0504 0 0.0488 0 0.0504 0

0 2 0.0932 0 0.0905 0 0.0932 0

0 3 0.1228 0 0.1199 0 0.1228 0

61 4 0.1367 73,047 0.1341 28,199 0.1367 27,542

149 5 0.1354 176,764 0.1339 100,842 0.1354 68,808

286 6 0.1223 306,435 0.1220 200,888 0.1223 126,431

472 7 0.1020 421,703 0.1028 291,761 0.1020 172,433

736 8 0.0791 510,081 0.0807 369,815 0.0791 213,458

1,032 9 0.0574 518,632 0.0593 385,238 0.0574 224,137

1,345 10 0.0390 459,712 0.0410 359,815 0.0390 203,367

1,591 11 0.0249 347,707 0.0267 298,268 0.0249 163,473

1,845 12 0.0150 242,815 0.0164 203,073 0.0150 115,025

1,940 13 0.0085 144,995 0.0095 124,341 0.0085 72,946

1,968 14 0.0046 78,855 0.0052 68,278 0.0046 40,069

1,989 15 0.0023 40,368 0.0027 35,410 0.0023 20,295

1,994 16 0.0011 19,379 0.0013 17,390 0.0011 9,719

2,000 17 0.0005 8,805 0.0006 8,092 0.0005 4,402

2,000 18 0.0002 3,775 0.0003 3,569 0.0002 1,887

2,000 19 0.0001 1,532 0.0001 1,493 0.0001 766

2,000 20 0.0000 589 0.0000 592 0.0000 294

- - - 3,355,193 - 2,497,064 - 1,465,053

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6-22

表 6-1-12 (参考)大型風力発電の発電量推計結果(鹿部町)

発電出力

(kW)

風速階級

(m/s)

2000kW級 1500 kW級 1000 kW級

出現率 発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh) 出現率

発電量

(kWh)

0 0 0.0000 0 0.0000 0 0.0000 0

0 1 0.0386 0 0.0374 0 0.0386 0

0 2 0.0727 0 0.0706 0 0.0727 0

0 3 0.0989 0 0.0963 0 0.0989 0

61 4 0.1149 61,397 0.1124 23,628 0.1149 23,150

149 5 0.1203 157,038 0.1183 89,155 0.1203 61,129

286 6 0.1163 291,317 0.1152 189,647 0.1163 120,194

472 7 0.1050 434,308 0.1049 297,639 0.1050 177,588

736 8 0.0894 576,160 0.0901 412,568 0.0894 241,111

1,032 9 0.0720 650,466 0.0733 475,629 0.0720 281,112

1,345 10 0.0550 648,127 0.0567 497,540 0.0550 286,718

1,591 11 0.0400 557,886 0.0418 467,458 0.0400 262,287

1,845 12 0.0278 448,863 0.0294 365,054 0.0278 212,632

1,940 13 0.0184 312,640 0.0198 259,457 0.0184 157,287

1,968 14 0.0116 200,782 0.0127 167,364 0.0116 102,023

1,989 15 0.0071 122,879 0.0079 103,185 0.0071 61,779

1,994 16 0.0041 71,398 0.0046 60,965 0.0041 35,807

2,000 17 0.0023 39,748 0.0026 34,538 0.0023 19,874

2,000 18 0.0012 21,137 0.0014 18,769 0.0012 10,569

2,000 19 0.0006 10,773 0.0007 9,788 0.0006 5,387

2,000 20 0.0003 5,264 0.0004 4,900 0.0003 2,632

- - - 4,610,186 - 3,477,286 - 2,061,278

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6-23

(2) 小型風力発電

過去 30年間の 4町の年平均風速を以下に示します。七飯町と鹿部町には気象観測所が無いた

め、ここでは森町と同様としました。

森町観測所では 1.7m/s~3.0m/s程度で、30年平均では約 2.6m/s、八雲観測所では、2m/s~

2.7m/s、30年平均では約 2.2m/sです。

多くの風力発電のカットイン風速が 2.5m/s程度であるため、導入時の設備稼働率は非常に低

くなると考えられ、賦存量としては推計しないものとします。

ただし、近年では、カットイン風速が 1.0m/s付近の設備も開発されていることから、小規模

風力発電のメーカー値から、出力が数 kW程度の小型風力発電設備の年間発電量を利用可能量と

して推計します。

図 6-1-13 森町(・七飯町・鹿部町)の年平均風速(気象庁アメダス森町データより作成)

図 6-1-14 (参考)八雲町の年平均風速(気象庁アメダス八雲町データより作成)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

1981

1983

1985

1987

1989

1991

1993

1995

1997

1999

2001

2003

2005

2007

2009

年平

均風

速[m

/s]

年平均風速

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

1981

1983

1985

1987

1989

1991

1993

1995

1997

1999

2001

2003

2005

2007

2009

年平

均風

速[m

/s]

年平均風速

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6-24

6-1-5. バイオマス

バイオマスの賦存量・利用可能量の推計ツールとしては、代表的なものとして、NEDOの「バ

イオマス賦存量・有効利用可能量の推計(H23.3)」及び北海道の「新エネルギー賦存量推計シ

ステム(H24.3)」があります。

本検討において、推計方法は熱量換算・発電量換算値での推計であり、かつ最新である「新

エネルギー賦存量推計システム」をベースとします。エネルギーによっては、本システムのパ

ラメータ(入力値)として、「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計」の値を採用します。

(1) 畜産廃棄物

畜産廃棄物については、町内からの発生量を推計し、バイオガス発生量を熱量換算したもの

を賦存量とします。

「新エネルギー賦存量推計システム」により、町内で飼育されている家畜数のデフォルト値

を用いて試算します。結果を表 6-1-13~表 6-1-17に示します。

表 6-1-13 畜産廃棄物の賦存量(森)

畜種 年間発生量

(DW-t/年)

糞尿量原単位

(m3/t)

バイオガス発生量

(m3/年)

賦存量

(GJ/年)

乳用牛 0 25 0 0

肉用牛 3,122 30 93,660 1,254

豚 15,672 50 783,600 10,488

計 18,794 - 877,260 11,742

賦存量[GJ/年]

=バイオガス発生量[m3/年]×メタンガス含有率[%]×発熱量[MJ/m3]×プラント効率[%]

発生原単位:乳用牛 0.025、肉用牛 0.030、豚 0.050、メタン含有率:0.6、発熱量:37.18MJ/m3

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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6-25

表 6-1-14 (参考)畜産廃棄物の賦存量(八雲)

畜種 年間発生量

(DW-t/年)

糞尿量原単位

(m3/t)

バイオガス発生量

(m3/年)

賦存量

(GJ/年)

乳用牛 19,455 25 486,375 6,510

肉用牛 1,975 30 59,250 793

豚 5,408 50 270,400 3,619

計 26,838 - 816,025 10,922

表 6-1-15 (参考)畜産廃棄物の賦存量(七飯)

畜種 年間発生量

(DW-t/年)

糞尿量原単位

(m3/t)

バイオガス発生量

(m3/年)

賦存量

(GJ/年)

乳用牛 4,025 25 100,625 1,347

肉用牛 10,807 30 324,210 4,339

豚 0 50 0 0

計 14,832 - 424,835 5,686

表 6-1-16 (参考)畜産廃棄物の賦存量(鹿部)

畜種 年間発生量

(DW-t/年)

糞尿量原単位

(m3/t)

バイオガス発生量

(m3/年)

賦存量

(GJ/年)

乳用牛 0 25 0 0

肉用牛 2,949 30 88,470 1,184

豚 0 50 0 0

計 2,949 - 88,470 1,184

表 6-1-17 畜産廃棄物の賦存量(4町合計)

畜種 年間発生量※1

(DW-t/年)

糞尿量原単位

(m3/t)

バイオガス発生量

(m3/年)

賦存量

(GJ/年)

乳用牛 23,480 25 587,000 7,857

肉用牛 18,853 30 565,590 7,570

豚 21,080 50 1,054,000 14,108

計※2 63,413 - 2,206,590 29,535

※1「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の森町の賦存量値を採用

※2「採卵鶏」については有効なデータが無いためここでは除外した

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6-26

(2) 汚泥

汚泥については、利用を想定する汚泥の乾燥固形物重量よりバイオガス発生量を求め、これ

を熱量換算したものを賦存量とします。

「新エネルギー賦存量推計システム」により算出した、汚泥による発生熱量推計値を表

6-1-18に示します。森町の汚泥の賦存量は 35GJ/年とします。

表 6-1-18 汚泥の賦存量

森 (八雲)

汚泥種 年間賦存量※ 発生熱量 年間賦存量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

下水汚泥 0 0 123 657

し尿・浄化槽汚泥 6 35 1 6

集落排水汚泥 0 0 17 103

計 6 35 141 766

(七飯) (鹿部)

汚泥種 年間賦存量※ 発生熱量 年間賦存量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

下水汚泥 42 224 0 0

し尿・浄化槽汚泥 0 0 2 12

集落排水汚泥 0 0 0 0

計 42 224 2 12

4町合計

汚泥種 年間賦存量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年)

下水汚泥 165 881

し尿・浄化槽汚泥 9 53

集落排水汚泥 17 103

計 191 1,037

※「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の賦存量値を採用

賦存量[GJ/年]

=年間有効利用量[t/年]×発熱量 [GJ/DW-t]×プラント効率[%]

発熱量:汚泥 8.9GJ/DW-t、し尿・浄化槽汚泥 9.7GJ/DW-t、集落排水汚泥 10.1 GJ/DW-t

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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6-27

(3) 食品残渣

食品残渣については、利用を想定する食品残渣の乾燥重量よりバイオガス発生量を求め、こ

れを熱量換算したものを賦存量とします。

「新エネルギー賦存量推計システム」により算出した、食品残渣による発生熱量推計値を表

6-1-19に示します。森町の食品残渣の賦存量は 6,875GJ/年とします。

表 6-1-19 食品残渣の賦存量

森 (八雲)

種類 年間賦存量※ 発生熱量 年間賦存量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

食品加工残渣 737 1,282 465 809

家庭系生ごみ 268 3,280 385 4,712

事業系厨芥類 189 2,313 131 1,603

計 1,194 6,875 981 7,124

(七飯) (鹿部)

種類 年間賦存量※ 発生熱量 年間賦存量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

食品加工残渣 135 235 116 202

家庭系生ごみ 400 4,896 66 808

事業系厨芥類 119 1,457 69 845

計 654 6,588 251 1,855

4町合計

種類 年間賦存量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年)

食品加工残渣 1,453 2,528

家庭系生ごみ 1,119 13,696

事業系厨芥類 508 6,218

計 3,080 22,442

※「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の賦存量値を採用

賦存量[GJ/年]

=年間有効利用量[t/年]×発熱量[GJ/DW-t]×プラント効率[%]

発熱量:食品加工残渣 2.9GJ/DW-t、家庭系生ごみ 20.4GJ/DW-t、事業系厨芥類 20.4GJ/DW-t

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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6-28

(4) 木質バイオマス

木質バイオマスについては、利用を想定する木質系バイオマスの乾燥重量より、種類ご

との発熱量から熱量を推計し、これを賦存量とします。

「新エネルギー賦存量推計システム」によりにより算出した、木質バイオマスによる発

生熱量推計値を表 6-1-20~表 6-1-24 に示します。森町の木質バイオマスの賦存量は

247,045GJ /年とします。

表 6-1-20 木質バイオマスの賦存量(森町)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 2,652 18.1 47,993

切捨間伐材 4,077 21.3 86,832

農業系 果樹剪定枝 14 11.5 163

稲藁 981 13.6 13,345

もみ殻 241 14.2 3,429

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 3,075 10.8 33,206

草木系 ササ 299 13.6 4,065

ススキ 686 13.6 9,329

製材系 国産材製材廃材 2,077 18.1 37,600

外材製材廃材 224 18.1 4,062

廃材系 建築廃材 295 18.1 5,347

新増築廃材 74 18.1 1,342

造園系 公園剪定枝 29 11.5 332

合 計 - - 247,045

賦存量[GJ/年]

=年間発生量[t/年]×発熱量[GJ/DW-t]

発熱量:それぞれ表に記載

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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6-29

表 6-1-21 (参考)木質バイオマスの賦存量(八雲町)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 4,882 18.1 88,368

切捨間伐材 7,383 21.3 157,251

農業系 果樹剪定枝 0 11.5 0

稲藁 1,381 13.6 18,784

もみ殻 360 14.2 5,110

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 1,156 10.8 12,486

草木系 ササ 5,359 13.6 72,878

ススキ 135 13.6 1,840

製材系 国産材製材廃材 3,035 18.1 54,933

外材製材廃材 328 18.1 5,935

廃材系 建築廃材 320 18.1 5,790

新増築廃材 80 18.1 1,453

造園系 公園剪定枝 96 11.5 1,105

合 計 - - 425,933

表 6-1-22 (参考)木質バイオマスの賦存量(七飯町)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 1,216 18.1 22,017

切捨間伐材 1,889 21.3 40,242

農業系 果樹剪定枝 225 11.5 2,588

稲藁 2,441 13.6 33,203

もみ殻 645 14.2 9,165

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 1,747 10.8 18,871

草木系 ササ 1,396 13.6 18,987

ススキ 1,390 13.6 18,907

製材系 国産材製材廃材 389 18.1 7,050

外材製材廃材 42 18.1 762

廃材系 建築廃材 572 18.1 10,361

新増築廃材 144 18.1 2,601

造園系 公園剪定枝 8 11.5 87

合 計 - - 184,841

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6-30

表 6-1-23 (参考)木質バイオマスの賦存量(鹿部町)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 602 18.1 10,896

切捨間伐材 1,057 21.3 22,515

農業系 果樹剪定枝 0 11.5 0

稲藁 0 13.6 0

もみ殻 0 14.2 0

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 2 10.8 20

草木系 ササ 293 13.6 3,991

ススキ 101 13.6 1,375

製材系 国産材製材廃材 130 18.1 2,350

外材製材廃材 14 18.1 254

廃材系 建築廃材 109 18.1 1,971

新増築廃材 27 18.1 495

造園系 公園剪定枝 0 11.5 0

合 計 - - 43,867

表 6-1-24 木質バイオマスの賦存量(4町合計)

分類 種類 発生量※ 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 9,352 18.1 169,273

切捨間伐材 14,406 21.3 306,840

農業系 果樹剪定枝 239 11.5 2,751

稲藁 4,804 13.6 65,332

もみ殻 1,247 14.2 17,705

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 5,980 10.8 64,582

草木系 ササ 7,347 13.6 99,921

ススキ 2,312 13.6 31,450

製材系 国産材製材廃材 5,632 18.1 101,932

外材製材廃材 608 18.1 11,013

廃材系 建築廃材 1,297 18.1 23,468

新増築廃材 325 18.1 5,891

造園系 公園剪定枝 133 11.5 1,525

合 計 - - 901,683

※「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の賦存量値を採用

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6-31

6-1-6. 雪氷冷熱

森町の降雪を重量換算し、雪の融解潜熱から熱量としたものを雪氷冷熱の賦存量とします。

降雪は町の全域に賦存しますが、ここでは雪の収集が困難と考えられる、山林、田、畑、池沼

を除いた面積を賦存量の推計に用いるものとします。

推計の結果 17,110,820GJ/年となり、この値を森町の雪氷冷熱の賦存量とします。

図 6-1-15 期間降雪量の推移(気象庁アメダス 森及び八雲データ)

表 6-1-25 雪氷冷熱の賦存量推計

項目 単位 森町 (八雲町) (七飯町) (鹿部町)

賦存量用面積 km2 218.00 585.00 77.00 61.00

m2 218,000,000 585,000,000 77,000,000 61,000,000

期間降雪量 m 4.7 6.51 4.7 4.7

総体積 m3 1,024,600,000 3,808,350,000 361,900,000 286,700,000

降雪時雪密度 t/m3 0.05 0.05 0.05 0.05

雪量 t 51,230,000 190,417,500 18,095,000 14,335,000

融解潜熱 GJ/t 0.334 0.334 0.334 0.334

賦存量 GJ/年 17,110,820 63,599,445 6,043,730 4,787,890

4町合計 GJ/年 91,541,885

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1983

1985

1987

1989

1991

1993

1995

1997

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

期間

降雪

量[c

m/年

]

森町 八雲町森町八雲町

平均期間降雪量(cm)470651

雪氷冷熱の賦存量[GJ/年]

=期間降雪量[m/年]×町面積※1[m2]×降雪時雪密度[t/m3]※2×融解潜熱[GJ/t]

※1利用困難と考えられる面積を除外する。

※2 0.05t/m3とする。北海道開発局道路設計設備基準「ロードヒーティング設備」の雪密度設定値

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6-32

6-1-7. 地熱利用及び温度差熱利用

(1) 地熱

環境省の「平成 22 年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」によると、温度が 53℃

以上の地熱利用の賦存量は、北海道全体で 2,016万 kW(全国 3,310万 kW)とされています。現

在の国内の地熱発電の総量は約 50~60万 kWなので、今後の開発の可能性も大きく残されてい

ます。市町村ごとの賦存量を試算するのは難しく、本ビジョンでは推計を行いませんが、参考

として地温勾配図を示します。

図 6-1-16 北海道地温勾配図((地独)北海道立総合研究機構地質研究所)

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(2) 地中熱

森町における地中熱利用の賦存量は、ボアホール(地中熱交換器)を活用する地中熱ヒート

ポンプシステムを想定し、ボアホール 1本あたりの採熱量から、単位面積当たりの採熱量とし

て試算します。

ボアホールとは、図 6-1-17のように、地下数 m~百数十 mに掘削された垂直孔の中にパイプ

を用いて流体を流すなどして、地中から採熱するものです。

一般的なボアホールの規模及び採熱量から、単位面積当たりの年間採熱量を試算した結果を

下表に示します。単位面積当たりの年間採熱量は、7,231MJ/m2・年であり、これを地中熱の賦

存量とします。

表 6-1-26 森町の単位面積当たりの年間集熱量

単位長さあたり

採熱量

(W/m)

掘削深

(m/本)

必要面積

(m2/本)

稼動可能日数

(日/年)

COP

(-)

単位面積当たり

年間採熱量

(MJ/m2・年)

30 100 19.63 365 3 7,231

図 6-1-17 ボアホール概要図

2.5m

ボアホール

2.5m

5m

地中熱の賦存量[MJ/m2・年]

=ボアホール長さ[m/本]×単位長さ当たり採熱量[W/m]×(COP※/(COP-1))×稼働時間[時

間]÷必要面積[m2/本]

※Coefficient Of Performance エネルギー消費効率の目安として使われる係数。消費電力 1 kWあたりの能力を表した値 北海道大学地中熱利用システム工学講座著「地中熱ヒートポンプシステム」を参照

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6-34

6-1-8. 賦存量のまとめ

上記の検討結果をまとめます。

表 6-1-27 賦存量推計結果のまとめ

種類 賦存量推計値(全て年間)

市町村 森 (八雲) (七飯) (鹿部)

太陽光発電(単位出力あたり)[kWh/kW・年] 898 849 898 898

太陽熱利用(単位面積あたり)[MJ/m2・年] 1,950 1,840 1,950 1,950

中小水力発電(全河川合計)[MWh/年] 41,200 113,200 13,000 43,500

風力発電

[MWh/台]

大型(1,000kW級) 1,802 1,632 1,465 2,061

小型 -

バイオ

マス

[GJ/年]

家畜

廃棄物

乳用牛 0 6,510 1,347 0

肉用牛 1,254 793 4,339 1,184

豚 10,488 3,619 0 0

汚泥 下水汚泥 0 657 224 0

し尿・浄化槽汚泥 35 6 0 12

集落排水汚泥 0 103 0 0

食品残渣 食品加工残渣 1,282 809 235 202

家庭系生ごみ 3,280 4,712 4,896 808

事業系厨芥類 2,313 1,603 1,457 845

木質 林地残材 47,993 88,368 22,017 10,896

切捨間伐材 86,832 157,251 40,242 22,515

果樹剪定枝 163 0 2,588 0

稲藁 13,345 18,784 33,203 0

もみ殻 3,429 5,110 9,165 0

麦わら 0 0 0 0

その他農業残渣 33,206 12,486 18,871 20

ササ 4,065 72,878 18,987 3,991

ススキ 9,329 1,840 18,907 1,375

国産材製材廃材 37,600 54,933 7,050 2,350

外材製材廃材 4,062 5,935 762 254

建築廃材 5,347 5,790 10,361 1,971

新増築廃材 1,342 1,453 2,601 495

公園剪定枝 332 1,105 87 0

雪氷冷熱(町全体)[GJ/年] 17,110,820 63,599,445 6,043,730 4,787,890

地熱[GWh/年] -

地中熱(ボアホール 1 本の単位面積あたり)

[MJ/m2・年]

7,231

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6-35

6-2. 利用可能量調査

ここで利用可能量は、賦存量の推計では考慮していない社会的条件などの制約要因を設定し

て推計するエネルギー量とします。

6-2-1. 太陽光発電

太陽光発電の利用可能量については、建築物の種別ごとに単位出力を設定し、傾斜角と発電

効率などから年間の発電量を推計するものとします。これは、北海道の「新エネルギー賦存量

推計システム(H24.3)」の“建築棟数方式”の考えに基づいて推計するものです。

ここで棟数と建築物種別ごとの単位出力は、推計ツールのデフォルト値を採用し、出力あた

りの年間発電量については、前述の賦存量推計で算出した値を用いるものとします。また、太

陽光パネルの傾斜角は最適傾斜角ではなく、積雪・着雪を考慮し 40°とします。

利用可能量[kWh/年]

=Σ各月の発電量[kWh/kW]×建築物あたりの単位出力[kW/棟]×対象町内の建築物数[棟]

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6-36

賦存量推計で示した出力あたりの月別発電量を以下に再掲し、このデータを用いて推計した

結果を次ページ以降に示します。

年間発電量はそれぞれ森町 42,457MWh、八雲町 47,544 MWh、七飯町 49,824 MWh、鹿部町 8,596

MWhとなり、これらを利用可能量とします。

表 6-2-1 (再掲)定格出力 1kWあたりの月間発電量の推計(森町・(七飯町・鹿部町))

月 日数 平均気温※

(℃)

屋根おき

モジュール

表面温度

(℃)

変換効率

(-)

総合設計係数

(-)

発電量 kWh

傾斜角

30°

傾斜角

40°

傾斜角

50°

最適傾斜角

34.4°

1月 31 -3.2 18.3 0.15 0.783 53 57 60 55

2月 28 -3.2 18.3 0.15 0.783 67 71 73 69

3月 31 0.4 21.9 0.15 0.775 91 93 94 92

4月 30 5.8 27.3 0.15 0.752 96 94 90 95

5月 31 10.8 32.3 0.15 0.73 99 94 88 97

6月 30 15.3 36.8 0.15 0.714 89 84 78 87

7月 31 18.5 40 0.15 0.707 81 77 72 79

8月 31 20.9 42.4 0.15 0.692 80 77 73 79

9月 30 17.2 38.7 0.15 0.707 78 78 76 78

10月 31 11.2 32.7 0.15 0.73 73 75 76 74

11月 30 4.7 26.2 0.15 0.752 48 51 53 50

12月 31 -1.3 20.2 0.15 0.775 42 45 47 43

合計 365 897 896 880 898

※気象庁アメダス森データ平年値

表 6-2-2 (再掲)(参考)定格出力 1kWあたりの月間発電量の推計(八雲町)

月 日数 平均気温※

(℃)

屋根おき

モジュール

表面温度

(℃)

変換効率

(-)

総合設計係数

(-)

発電量 kWh

傾斜角

30°

傾斜角

40°

傾斜角

50°

最適傾斜角

32.8°

1月 31 -3.5 18 0.15 0.79 44 47 49 45

2月 28 -3 18.5 0.15 0.783 61 64 66 62

3月 31 0.3 21.8 0.15 0.775 86 88 89 87

4月 30 5.7 27.2 0.15 0.752 94 92 88 93

5月 31 10.4 31.9 0.15 0.737 97 93 86 96

6月 30 14.4 35.9 0.15 0.722 87 82 76 85

7月 31 18.5 40 0.15 0.707 78 74 69 77

8月 31 20.9 42.4 0.15 0.692 77 74 70 76

9月 30 17.2 38.7 0.15 0.707 77 76 74 77

10月 31 10.9 32.4 0.15 0.73 69 71 72 70

11月 30 4.5 26 0.15 0.76 43 46 47 44

12月 31 -1.1 20.4 0.15 0.775 36 38 40 37

合計 365 849 845 826 849

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6-37

表 6-2-3 太陽光発電の利用可能量推計結果(森町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 5,554 120 9 2 1 970

出力 kW/棟 3 10 35 35 35 30

1月 MWh/月 950 68 18 4 2 1,659

2月 MWh/月 1,183 85 22 5 2 2,066

3月 MWh/月 1,550 112 29 7 3 2,706

4月 MWh/月 1,566 113 30 7 3 2,735

5月 MWh/月 1,566 113 30 7 3 2,735

6月 MWh/月 1,400 101 26 6 3 2,444

7月 MWh/月 1,283 92 24 5 3 2,241

8月 MWh/月 1,283 92 24 5 3 2,241

9月 MWh/月 1,300 94 25 5 3 2,270

10月 MWh/月 1,250 90 24 5 3 2,183

11月 MWh/月 850 61 16 4 2 1,484

12月 MWh/月 750 54 14 3 2 1,310

合計 MWh/年 14,931 1,075 282 63 32 26,074

総計 MWh/年 42,457

表 6-2-4 (参考)太陽光発電の利用可能量推計結果(八雲町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 5,390 260 12 5 2 1,121

出力 kW/棟 3 10 35 35 35 30

1月 MWh/月 922 148 24 10 4 1,917

2月 MWh/月 1,148 185 30 12 5 2,388

3月 MWh/月 1,504 242 39 16 7 3,128

4月 MWh/月 1,520 244 39 16 7 3,161

5月 MWh/月 1,520 244 39 16 7 3,161

6月 MWh/月 1,358 218 35 15 6 2,825

7月 MWh/月 1,245 200 32 13 5 2,590

8月 MWh/月 1,245 200 32 13 5 2,590

9月 MWh/月 1,261 203 33 14 5 2,623

10月 MWh/月 1,213 195 32 13 5 2,522

11月 MWh/月 825 133 21 9 4 1,715

12月 MWh/月 728 117 19 8 3 1,513

合計 MWh/年 14,489 2,329 375 155 63 30,133

総計 MWh/年 47,544

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6-38

表 6-2-5 (参考)太陽光発電の利用可能量推計結果(七飯町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 8,925 200 9 4 1 878

出力 kW/棟 3 10 35 35 35 30

1月 MWh/月 1,526 114 18 8 2 1,501

2月 MWh/月 1,901 142 22 10 2 1,870

3月 MWh/月 2,490 186 29 13 3 2,450

4月 MWh/月 2,517 188 30 13 3 2,476

5月 MWh/月 2,517 188 30 13 3 2,476

6月 MWh/月 2,249 168 26 12 3 2,213

7月 MWh/月 2,062 154 24 11 3 2,028

8月 MWh/月 2,062 154 24 11 3 2,028

9月 MWh/月 2,088 156 25 11 3 2,055

10月 MWh/月 2,008 150 24 11 3 1,976

11月 MWh/月 1,366 102 16 7 2 1,343

12月 MWh/月 1,205 90 14 6 2 1,185

合計 MWh/年 23,991 1,792 282 126 32 23,601

総計 MWh/年 49,824

表 6-2-6 (参考)太陽光発電の利用可能量推計結果(鹿部町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 1,295 0 1 1 0 188

出力 kW/棟 3 10 35 35 35 30

1月 MWh/月 221 0 2 2 0 321

2月 MWh/月 276 0 2 2 0 400

3月 MWh/月 361 0 3 3 0 525

4月 MWh/月 365 0 3 3 0 530

5月 MWh/月 365 0 3 3 0 530

6月 MWh/月 326 0 3 3 0 474

7月 MWh/月 299 0 3 3 0 434

8月 MWh/月 299 0 3 3 0 434

9月 MWh/月 303 0 3 3 0 440

10月 MWh/月 291 0 3 3 0 423

11月 MWh/月 198 0 2 2 0 288

12月 MWh/月 175 0 2 2 0 254

合計 MWh/年 3,479 0 32 32 0 5,053

総計 MWh/年 8,596

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6-39

6-2-2. 太陽熱利用

太陽熱の利用可能量の推計については、太陽光発電と同様とし、建築棟数から算出します。

建築物あたりの設置面積は、太陽光発電の単位出力とパネル単位面積(6m2/kW)から想定し

ました。

結果を以下に示します。

年間集熱量は、森町 552,807MJ/年、八雲町 619,114MJ/年、七飯町 648,747MJ/年、鹿部町

111,946MJ/年となり、これを利用可能量とします。

表 6-2-7 太陽熱利用の利用可能量推計結果(森町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 5,554 120 9 2 1 970

想定設置

面積 m2/棟 18 60 210 210 210 180

1月 MJ/月 11,692 842 221 49 25 20,421

2月 MJ/月 14,471 1,042 274 61 30 25,273

3月 MJ/月 19,234 1,385 364 81 40 33,593

4月 MJ/月 19,996 1,440 378 84 42 34,923

5月 MJ/月 20,618 1,485 390 87 43 36,009

6月 MJ/月 18,830 1,356 356 79 40 32,886

7月 MJ/月 17,405 1,253 329 73 37 30,397

8月 MJ/月 17,806 1,282 337 75 37 31,099

9月 MJ/月 17,621 1,269 333 74 37 30,774

10月 MJ/月 16,512 1,189 312 69 35 28,838

11月 MJ/月 10,883 784 206 46 23 19,008

12月 MJ/月 9,327 672 176 39 20 16,290

合計 MJ/年 194,395 13,999 3,676 817 409 339,511

総計 MJ/年 552,807

利用可能量[MJ/年]

=Σ各月の日射量[kWh/m2]×建築物あたりの設置面積[m2]×集熱効率※[%]

※賦存量同様 40%とする

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6-40

表 6-2-8 (参考)太陽熱利用の利用可能量推計結果(八雲町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 5,390 260 12 5 2 1,121

想定設置

面積 m2/棟 18 60 210 210 210 180

1月 MJ/月 11,347 1,825 295 123 49 23,600

2月 MJ/月 14,044 2,258 365 152 61 29,207

3月 MJ/月 18,666 3,001 485 202 81 38,822

4月 MJ/月 19,406 3,120 504 210 84 40,359

5月 MJ/月 20,009 3,217 520 217 87 41,614

6月 MJ/月 18,274 2,938 475 198 79 38,006

7月 MJ/月 16,891 2,716 439 183 73 35,129

8月 MJ/月 17,281 2,779 449 187 75 35,940

9月 MJ/月 17,100 2,750 444 185 74 35,565

10月 MJ/月 16,025 2,577 416 173 69 33,328

11月 MJ/月 10,562 1,698 274 114 46 21,967

12月 MJ/月 9,052 1,455 235 98 39 18,826

合計 MJ/年 188,657 30,334 4,901 2,042 817 392,363

総計 MJ/年 619,114

表 6-2-9 (参考)太陽熱利用の利用可能量推計結果(七飯町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 8,925 200 9 4 1 878

想定設置

面積 m2/棟 18 60 210 210 210 180

1月 MJ/月 18,789 1,403 221 98 25 18,484

2月 MJ/月 23,254 1,737 274 122 30 22,876

3月 MJ/月 30,909 2,309 364 162 40 30,407

4月 MJ/月 32,133 2,400 378 168 42 31,611

5月 MJ/月 33,132 2,475 390 173 43 32,594

6月 MJ/月 30,259 2,260 356 158 40 29,767

7月 MJ/月 27,969 2,089 329 146 37 27,514

8月 MJ/月 28,614 2,137 337 150 37 28,149

9月 MJ/月 28,316 2,115 333 148 37 27,855

10月 MJ/月 26,534 1,982 312 139 35 26,103

11月 MJ/月 17,489 1,306 206 91 23 17,205

12月 MJ/月 14,988 1,120 176 78 20 14,745

合計 MJ/年 312,386 23,333 3,676 1,633 409 307,310

総計 MJ/年 648,747

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6-41

表 6-2-10 (参考)太陽熱利用の利用可能量推計結果(鹿部町)

項目 単位 戸建住宅 集合住宅 小学校 中学校 高等学校 事業所

棟数 棟 1,295 0 1 1 0 188

想定設置

面積 m2/棟 18 60 210 210 210 180

1月 MJ/月 2,726 0 25 25 0 3,958

2月 MJ/月 3,374 0 30 30 0 4,898

3月 MJ/月 4,485 0 40 40 0 6,511

4月 MJ/月 4,662 0 42 42 0 6,769

5月 MJ/月 4,807 0 43 43 0 6,979

6月 MJ/月 4,390 0 40 40 0 6,374

7月 MJ/月 4,058 0 37 37 0 5,891

8月 MJ/月 4,152 0 37 37 0 6,027

9月 MJ/月 4,109 0 37 37 0 5,965

10月 MJ/月 3,850 0 35 35 0 5,589

11月 MJ/月 2,538 0 23 23 0 3,684

12月 MJ/月 2,175 0 20 20 0 3,157

合計 MJ/年 45,326 0 409 409 0 65,802

総計 MJ/年 111,946

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6-42

6-2-3. 中小水力発電

(1) 利用可能量

1) 4町全体の利用可能量

「新エネルギー賦存量推計システム」のもととなっている「(環境省)平成 21年度再生可能

エネルギー導入ポテンシャル調査」では、中小水力発電の導入の出力単価をパラメータとし、

利用可能量を算出しています。これは、道路や送電線からの距離などの社会条件を考慮して、

導入地点ごとの概算建設費を算定したもので、出力あたり建設高の区分ごとに水力発電の利用

可能量を推計しています。

シナリオⅢの建設単価 260万円/kWは、設備利用率 60%の場合の発電単価 500円/(kWh/年)

に相当し、補助金などを考慮した場合に実現可能性がある数値としています。

結果を以下に示します。ここでは、経済的な閾値を考慮した最大値である、40,743MWh/年を

利用可能量とします。

表 6-2-11 利用可能量推計結果 単位:MWh/年

シナリオⅠ

(100万円/kW未満)

シナリオⅡ

(150万円/kW未満)

シナリオⅢ

(260万円/kW未満)

森 町 0 23,447 40,743

(八雲町) 12,094 21,849 90,856

(七飯町) 0 2,844 11,991

(鹿部町) 0 42,091 43,538

合 計 12,094 90,231 187,126

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6-43

(2) 現地調査

前述の推計値は河川全体の落差及び流量を利用した全河川利用可能量であるため、ここでは

参考として、いくつかの河川を対象として現地調査を行い、地点別の発電量の推計を行います。

これにより、河川ごとの具体的な発電可能量を把握し、中小水力発電導入にあたっての課題

の抽出に活用します。

i. 調査対象

調査対象として、森町内の河川 9本を対象とします。ここでは、河川利用の中小水力発電の

導入が比較的簡易と考えられる、町管轄の普通河川の中でも比較的規模の大きいものを選定し

ています。これら河川の調査を行い、発電適地の選定や設置に関わる課題の抽出に活用します。

表 6-2-12 現地調査対象河川

本川 河川名 流域面積

(km2)

流路延長

(km) 備考

濁川 濁川 35.9 10.6

鳥崎川 鳥崎川 72.4 20.8

駒ヶ岳ダム、砂防堰堤、鳥崎渓

谷八景

森川 森川 8.4 9.7 青葉ヶ丘公園横を流れる

茅部中の川 茅部中の川 11.2 9.1

尾白内川 尾白内川 47.9 16.8 上流に砂防堰堤

折戸川

赤井川 44.5 11.2

板小屋沢川(赤井川支流) 5.1 5.4

精神川(赤井川支流) 9.6 8.5

ババ沼川(赤井川支流) 2.7 1.7

図 6-2-1 対象河川位置概要図(国土地理院 電子国土より作成)

尾白内川

鳥崎川

森川 茅部中の川

濁川

赤井川

精神川

板小屋沢川

ババ沼川

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6-44

ii. 調査地点

森町内の普通河川を対象に、それぞれの河川の現地調査地点の選定は以下の方針で行います。

・道路に近接している地点

・北電柱に近接していると考えられる地点

・電力需要施設に隣接している地点

・湾曲部など短い距離で落差を多くとれる地点

図 6-2-2 現地調査地点位置図 1

3m

濁川 濁-1

濁-2

濁-4

(濁-5)

濁-7

濁-8

濁-9

濁-11

濁-12

濁-3

濁-6

濁-10

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6-45

図 6-2-3 現地調査地点位置図 2

図 6-2-4 現地調査地点位置図 3

鳥崎川鳥-1

鳥-2

(鳥-3)

鳥-4

鳥崎川

鳥-5

鳥-6

鳥-7

鳥-8

鳥-9

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6-46

図 6-2-5 現地調査地点位置図 4

図 6-2-6 現地調査地点位置図 5

森川

森-2

森-4

森-5

森-6

森-4

森-1

森-3

茅部中の川・尾白内川

尾-2

尾-3

尾-4

尾-5

茅-1

茅-2

(茅-4)

茅-5

茅-3

尾-1

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6-47

図 6-2-7 現地調査地点位置図 6

図 6-2-8 現地調査地点位置図 7

尾白内川

尾-6

赤井川 周辺

(バ-2)

バ-1

赤-1

板-2

板-1

精-1

赤-2

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6-48

iii. 調査結果

各地点の現地調査結果については参考資料 1に記載します。

今回調査対象とした河川においては、短距離で数 m以上の落差を確保できる地点がほとんど

確認できない状況でした。ただし、青葉ヶ丘公園横や町役場近隣の河川水路において、低落差

対応型の縦軸クロスフロー水車等を導入し、普及啓発・環境教育用の設置は可能と考えられま

す。また、鳥崎川河口付近(道管理の二級河川)についても短い距離での大きな落差は確認で

きませんでしたが、比較的大きな流量が賦存しています。

図 6-2-9 鳥崎川河口付近 1

図 6-2-10 鳥崎川河口付近 2

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6-49

iv. 流量推計

日本の河川の流量観測データは、比較的大きな河川を主な対象として国土交通省の「水文水

質データベース」や、北海道建設部の「雨量・水位・流量年表」で公表されています。

中小水力発電の導入検討にあたって、対象河川の流量データがない場合、近隣河川の流量と

流域面積から推計を行うことが考えられます※。

森町内の河川には観測所が無いため、近隣市町村の観測所を参照します。今回対象としてい

る河川の流域面積は大きくても数十 km2 程度であることを考慮し、ここでは近隣市町村の観測

所のうち、距離が近く、対象としている流域面積が小さい「大野川(図中 C)」の流量データを

活用するものとします。

※「課題の抽出」の部分で詳述しますが、中小水力発電の具体的な検討の際には、導入地点における連続的な

流量観測が必要です。

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6-50

図 6-2-11 近隣観測所位置

表 6-2-13 大野川観測所諸元

観測所名 大野川

位 置 北斗市清水川 164-2

流域面積 111.1km2

観測期間 昭和 60年~

観測方法 水圧式水位計

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6-51

大野川観測所の流量データを以下に示します。

豊水・平水・低水・渇水流量はそれぞれ、年間の河川流量を多い順に並べたときに、それぞ

れ 95日目、185日目、275日目、355日目に相当します。

図 6-2-12 大野川観測所流況(25年平年値)

v. 落差推計

現地調査における対象河川の落差については、地図上で確認できる上流端・下流端の標高差

とし、国土地理院の「電子国土」を用いて推計します。

vi. 発電量推計

前述の手法をもとに推計した、対象河川の流量・落差・理論水力推計結果を表 6-2-14 に示

します。ここで「発電出力」及び「根間発電量」は、以下の式に基づいて算出します。

発電出力[kW]=9.8×流量[m3/s]×落差[m]×総合効率[%]

年間発電量[kWh] =発電出力[kW]×年間稼働率[%]

なお、発電量推計の中の落差については、現地調査での対象地点の落差が 5mを超える地点が

なかったため、超低落差※を想定し一律で 5mとして発電量を推計します。

※「中小水力開発促進指導事業基礎調査(新エネルギー財団)」では、低落差を 10m以下、超低落差を 5m以下としている

5.4

3.1 1.9

0.9 0.1

y = 585.82x-1.146

R² = 0.8705

0

5

10

15

20

0 50 100 150 200 250 300 350

流量

[m

3/s]

日数

流量(m3/s)日数 流量(m3/s)

最大流量 1 460.31

豊水流量 95 5.44平水流量 185 3.05低水流量 275 1.87渇水流量 355 0.85最小流量 365 0.10

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6-52

表 6-2-14 中小水力発電出力推計値

河川名 低水流量

(m3/s)

想定落差

(m)

総合効率※1

発電出力

(kW)

年間発電量※2

(kWh)

濁川 0.60 5 0.72 21 102,711

鳥崎川 1.22 5 0.72 43 207,139

森川 0.14 5 0.72 5 24,033

茅部の中川 0.19 5 0.72 7 32,044

尾白内川 0.81 5 0.72 28 137,043

赤井川 0.19 5 0.72 7 32,044

板屋沢川 0.09 5 0.72 3 15,450

精神川 0.14 5 0.72 5 24,319

ババ沼川 0.03 5 0.72 1 4,864

※1平成 20年度未利用落差発電包蔵水力調査報告書

※2ここでは稼働率 55%とした。「平成 20年度未利用落差発電包蔵水力調査報告書」

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6-2-4. 風力発電

風力発電については、大型風力では風速が小さく事業化するうえで望ましいとされている、

地上高さ 30m で年平均風速が 6m/s 以上を下回っています。

また、小型風力発電も年平均風速が小さく事業化の可能性は低いと考えられます。ここでは、

参考として、発電出力が数 kWと非常に小さい発電設備における発電量を利用可能量として推計

します。

ここでは、最大出力 4kW及び 0.15kWの設備を導入した場合を想定します。

4kWの場合の製品の性能値は以下の通りであり、本資料から発電量を 1,700kWh/台とします(

性能グラフ読み取り値)。

※ニッコー株式会社 ホームページ

図 6-2-13 小型風力発電の性能値(4kW)

0.15kWの製品の性能値は以下の通りであり、年平均風速(2.3m/s)から予想される年間発電

量は 11.4kWh/台となりました(メーカーヒアリング値)。

図 6-2-14 風小型力発電の性能値(0.15kW)

定格出力 2kW

定格風速 9.5m/s

最大出力 4kW

風車直径 4,400㎜

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6-2-5. バイオマス

バイオマスに関する利用可能量の推計方法は、前述の賦存量と同様とし、本システムへのパ

ラメータ(入力値)として、「バイオマス利用可能量・有効利用可能量の推計」の“利用可能量”

の値を採用します。なお、各バイオマスの利用可能量の考え方については参考資料に示します。

(1) 畜産廃棄物

畜産廃棄物については、町内からの発生量を推計し、バイオガス発生量を熱量換算したもの

を利用可能量とします。

年間発生量に未利用率を設定し、利用可能量とした場合の推計結果を以下に示します。

利用可能量は 1,174GJ/年という結果となりました。

利用可能量[GJ/年]

=バイオガス発生量[m3/年]×メタンガス含有率[%]×発熱量[MJ/m3]×プラント効率[%]

発生原単位:乳用牛 0.025、肉用牛 0.030、メタン含有率:0.6、プラント効率:0.6、発熱量:37.18MJ/m3

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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表 6-2-15 利用可能量の推計結果(畜産廃棄物)

畜種 年間発生量※ 糞尿量原単位 バイオガス発生量 利用可能量

(DW-t/年) (m3/t) (m3/年) (GJ/年)

乳用牛 0 25 0 0

肉用牛 312 30 9,360 125

豚 1,567 50 78,350 1,049

計 1,879 - 87,710 1,174

(八雲)

畜種 年間発生量※ 糞尿量原単位 バイオガス発生量 利用可能量

(DW-t/年) (m3/t) (m3/年) (GJ/年)

乳用牛 1,945 25 48,625 651

肉用牛 197 30 5,910 79

豚 541 50 27,050 362

計 2,683 - 81,585 1,092

(七飯)

畜種 年間発生量※ 糞尿量原単位 バイオガス発生量 利用可能量

(DW-t/年) (m3/t) (m3/年) (GJ/年)

乳用牛 402 25 10,050 135

肉用牛 1,081 30 32,430 434

豚 0 50 0 0

計 1,483 - 42,480 569

(鹿部)

畜種 年間発生量※ 糞尿量原単位 バイオガス発生量 利用可能量

(DW-t/年) (m3/t) (m3/年) (GJ/年)

乳用牛 0 25 0 0

肉用牛 295 30 8,850 118

豚 0 50 0 0

計 295 - 8,850 118

4町合計

畜種 年間発生量※ 糞尿量原単位 バイオガス発生量 利用可能量

(DW-t/年) (m3/t) (m3/年) (GJ/年)

乳用牛 2,347 25 58,675 785

肉用牛 1,885 30 56,550 757

豚 2,108 50 105,400 1,411

計 6,340 - 220,625 2,953

※「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の有効利用可能量値を採用

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(2) 汚泥

汚泥については、利用を想定する汚泥の乾燥固形物重量よりバイオガス発生量を求め、これ

を熱量換算したものを利用可能量とします。

賦存量から既存の有効利用量を差し引いたものを年間有効利用量として設定して推計した結

果を以下に示します。

利用可能量は森町では 0GJ/年という結果となりました。

表 6-2-16 利用可能量の推計結果(汚泥)

森 (八雲)

汚泥種 年間利用可能量※ 発生熱量 年間利用可能量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

下水汚泥 0 0 0 0

し尿・浄化槽汚泥 0 0 1 6

集落排水汚泥 0 0 1 6

計 0 0 2 12

(七飯) (鹿部)

汚泥種 年間利用可能量※ 発生熱量 年間利用可能量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

下水汚泥 0 0 0 0

し尿・浄化槽汚泥 0 0 0 0

集落排水汚泥 0 0 0 0

計 0 0 0 0

4町合計

汚泥種 年間利用可能量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年)

下水汚泥 0 0

し尿・浄化槽汚泥 1 6

集落排水汚泥 1 6

計 2 12

※「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の有効利用可能量値を採用

利用可能量[GJ/年]

=年間有効利用量[t/年]×発熱量 [GJ/DW-t]×プラント効率[%]

発熱量:汚泥 8.9GJ/DW-t、し尿・浄化槽汚泥 9.7GJ/DW-t、集落排水汚泥 10.1 GJ/DW-t

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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6-57

(3) 食品残渣

食品残渣については、利用を想定する食品残渣の乾燥重量よりバイオガス発生量を求め、こ

れを熱量換算したものを利用可能量とします。

それぞれ年間有効利用量を設定して推計した結果を以下に示します。

利用可能量は 5,125GJ/年という結果となりました。

表 6-2-17 利用可能量の推計結果(食品残渣)

森 (八雲)

種類 年間利用可能量※ 発生熱量 年間利用可能量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

食品加工残渣 287 499 181 315

家庭系生ごみ 268 3,280 385 4,712

事業系厨芥類 110 1,346 77 942

計 665 5,125 643 5,969

(七飯) (鹿部)

種類 年間利用可能量※ 発生熱量 年間利用可能量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年) (DW-t/年) (GJ/年)

食品加工残渣 52 90 45 78

家庭系生ごみ 400 4,896 66 808

事業系厨芥類 70 857 45 551

計 522 5,843 156 1,437

4町合計

種類 年間利用可能量※ 発生熱量

(DW-t/年) (GJ/年)

食品加工残渣 565 982

家庭系生ごみ 1,119 13,696

事業系厨芥類 302 3,696

計 1,986 18,374

※「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計(NEDO)」の有効利用可能量値を採用

利用可能量[GJ/年]

=年間有効利用量[t/年]×発熱量[GJ/DW-t]×プラント効率[%]

発熱量:食品加工残渣 2.9GJ/DW-t、家庭系生ごみ 20.4GJ/DW-t、事業系厨芥類 20.4GJ/DW-t

※「新エネルギー賦存量推計システム」

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(4) 木質バイオマス

木質バイオマスについては、利用を想定する木質系バイオマスの乾燥重量より、種類ごとの

発熱量から熱量を推計し、これを利用可能量とします。それぞれ年間有効利用量を設定して、

推計した結果を以下に示します。

利用可能量は木質系合計で 45,409GJ/年という結果となりました。

表 6-2-18 森町の利用可能量の推計結果(木質バイオマス)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 102 18.1 1,839

切捨間伐材 164 21.3 3,486

農業系 果樹剪定枝 11 11.5 125

稲藁 147 13.6 2,002

もみ殻 36 14.2 514

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 2,355 10.8 25,432

草木系 ササ 299 13.6 4,065

ススキ 343 13.6 4,664

製材系 国産材製材廃材 134 18.1 2,417

外材製材廃材 9 18.1 156

廃材系 建築廃材 16 18.1 289

新増築廃材 10 18.1 183

造園系 公園剪定枝 21 11.5 237

合 計 - - 45,409

利用可能量[GJ/年]

=年間発生量[t/年]×発熱量※[GJ/DW-t]

※発熱量:それぞれ表に記載

「新エネルギー賦存量推計システム」

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表 6-2-19 (参考)八雲町の利用可能量の推計結果(木質バイオマス)

(八雲)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 169 18.1 3,050

切捨間伐材 291 21.3 6,206

農業系 果樹剪定枝 0 11.5 0

稲藁 207 13.6 2,818

もみ殻 54 14.2 767

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 829 10.8 8,951

草木系 ササ 5,358 13.6 72,868

ススキ 68 13.6 920

製材系 国産材製材廃材 195 18.1 3,531

外材製材廃材 13 18.1 229

廃材系 建築廃材 17 18.1 313

新増築廃材 11 18.1 198

造園系 公園剪定枝 69 11.5 788

合 計 - - 100,639

表 6-2-20 (参考)七飯町の利用可能量の推計結果(木質バイオマス)

(七飯)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 50 18.1 911

切捨間伐材 77 21.3 1,632

農業系 果樹剪定枝 172 11.5 1,977

稲藁 366 13.6 4,981

もみ殻 97 14.2 1,375

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 503 10.8 5,437

草木系 ササ 1,396 13.6 18,985

ススキ 695 13.6 9,453

製材系 国産材製材廃材 25 18.1 453

外材製材廃材 2 18.1 29

廃材系 建築廃材 31 18.1 559

新増築廃材 20 18.1 354

造園系 公園剪定枝 5 11.5 62

合 計 - - 46,208

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表 6-2-21 (参考)鹿部町の利用可能量の推計結果(木質バイオマス)

(鹿部)

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 27 18.1 493

切捨間伐材 48 21.3 1,018

農業系 果樹剪定枝 0 11.5 0

稲藁 0 13.6 0

もみ殻 0 14.2 0

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 1 10.8 16

草木系 ササ 293 13.6 3,990

ススキ 101 13.6 1,375

製材系 国産材製材廃材 8 18.1 151

外材製材廃材 1 18.1 10

廃材系 建築廃材 6 18.1 106

新増築廃材 4 18.1 67

造園系 公園剪定枝 0 11.5 0

合 計 - - 7,226

表 6-2-22 4町を合計した利用可能量の推計結果(木質バイオマス)

4町合計

分類 種類 発生量 発熱量 賦存量

(DW-t/年) (GJ/DW-t) (GJ/年)

森林系 林地残材 348 18.1 6,294

切捨間伐材 579 21.3 12,342

農業系 果樹剪定枝 183 11.5 2,102

稲藁 721 13.6 9,800

もみ殻 187 14.2 2,656

麦わら 0 13.6 0

その他農業残渣 3,689 10.8 39,836

草木系 ササ 7,346 13.6 99,908

ススキ 1,207 13.6 16,412

製材系 国産材製材廃材 362 18.1 6,553

外材製材廃材 23 18.1 424

廃材系 建築廃材 70 18.1 1,267

新増築廃材 44 18.1 801

造園系 公園剪定枝 95 11.5 1,087

合 計 - - 199,482

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6-61

6-2-6. 雪氷冷熱

利用可能量については、以下の式に基づいて推計するものとします。この式は以下の流れに

沿った考え方のもと設定しています。

・ 年間の総除雪延長に設定道路幅を乗じたものを総除雪面積とする。

・ 除雪はある一定の降雪量以上の時のみ実施されるものとする。この除雪時の降雪量以

上の年間平均値を平均除雪深とする。

・ 総除雪面積に平均除雪深を乗じたものを利用可能雪量とする。

・ 雪を冷熱源として利用する場合、外気温や日射により冷熱需要家に供給できずに融解

してしまう量が一定量存在する。利用可能雪量のうち需要家へ供給可能な冷熱量とし

て有効雪氷利用率を設定する。

推計の結果を以下に示します。道路の種別ごとに推計を行っていますが、森町合計では、利

用可能量が 13,185GJという結果となりました。

表 6-2-23 雪氷冷熱の利用可能量の推計結果(全道路)

全道路

項目 単位 森町 (八雲町) (七飯町) (鹿部町)

実延長 km 243,994 469,567 290,990 85,372

車道面積 m2 1,033,413 1,982,597 1,379,917 357,414

平均除雪深 m 0.17 0.15 0.17 0.17

想定除雪回数 回 11.0 15.8 11.0 11.0

総体積 m3 1,973,749 4,802,277 2,635,548 682,637

降雪時雪密度 t/m3 0.05 0.05 0.05 0.05

雪量 t 98,687 240,114 131,777 34,132

融解潜熱 GJ/t 0.334 0.334 0.334 0.334

有効雪氷利用率 - 0.4 0.4 0.4 0.4

利用可能量 GJ/年 13,185 32,079 17,605 4,560

4町合計 GJ/年 67,429

雪氷冷熱の利用可能量[GJ/年]

=年間の除雪面積[m2]×平均除雪深[m]×降雪時雪密度[t/m3]×融解潜熱[GJ/t]×有効雪氷

利用率[%]

※利用困難と考えられる面積を除外する。

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表 6-2-24 雪氷冷熱の利用可能量の推計結果(1級道路)

1級

項目 単位 森町 (八雲町) (七飯町) (鹿部町)

実延長 km 69,196 84,419 54,815 10,865

車道面積 m2 324,277 453,778 307,852 62,050

平均除雪深 m 0.17 0.15 0.17 0.17

想定除雪回数 回 11.0 15.8 11.0 11.0

総体積 m3 619,347 1,099,148 587,977 118,511

降雪時雪密度 t/m3 0.05 0.05 0.05 0.05

雪量 t 30,967 54,957 29,399 5,926

融解潜熱 GJ/t 0.334 0.334 0.334 0.334

有効雪氷利用率 - 0.4 0.4 0.4 0.4

利用可能量 GJ/年 4,137 7,342 3,928 792

4町合計 GJ/年 16,199

表 6-2-25 雪氷冷熱の利用可能量の推計結果(2級道路)

2級

項目 単位 森町 (八雲町) (七飯町) (鹿部町)

実延長 km 43,135 84,155 34,778 125,076

車道面積 m2 265,669 523,663 273,460 91,968

平均除雪深 m 0.17 0.15 0.17 0.17

想定除雪回数 回 11.0 15.8 11.0 11.0

総体積 m3 507,410 1,268,424 522,290 175,653

降雪時雪密度 t/m3 0.05 0.05 0.05 0.05

雪量 t 25,370 63,421 26,115 8,783

融解潜熱 GJ/t 0.334 0.334 0.334 0.334

有効雪氷利用率 - 0.4 0.4 0.4 0.4

利用可能量 GJ/年 3,389 8,473 3,489 1,173

4町合計 GJ/年 16,525

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6-63

表 6-2-26 雪氷冷熱の利用可能量の推計結果(その他の道路)

その他

項目 単位 森町 (八雲町) (七飯町) (鹿部町)

実延長 km 131,663 300,993 201,397 55,340

車道面積 m2 516,193 397,473 905,727 203,396

平均除雪深 m 0.17 0.15 0.17 0.17

想定除雪回数 回 11.0 15.8 11.0 11.0

総体積 m3 985,894 962,765 1,729,877 388,473

降雪時雪密度 t/m3 0.05 0.05 0.05 0.05

雪量 t 49,295 48,138 86,494 19,424

融解潜熱 GJ/t 0.334 0.334 0.334 0.334

有効雪氷利用率 - 0.4 0.4 0.4 0.4

利用可能量 GJ/年 6,586 6,431 11,556 2,595

4町合計 GJ/年 27,168

図 6-2-15 除雪出動時の降雪量の抽出の概念図(森町)

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6-64

6-2-7. 地熱利用及び温度差熱利用

(1) 地熱

環境省の「平成 22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」では、各種の自然、社会

条件を考慮して推計した導入ポテンシャルで、北海道全体で 518万 kW(全国 1,419万 kW)とさ

れています。

市町村ごとの利用可能量を試算するのは難しく、本ビジョンでは試算しませんが、近年では

既存発電所の還元水などを利用した発電・熱利用も注目されています。森町には既存の地熱発

電所があり、また、比較的低温域の熱水・蒸気が利用可能なバイナリー発電設備も開発されて

きていることから、今後の研究が重要と考えられます。

(2) 地中熱

地中熱ヒートポンプの導入に当たっては、それぞれ個別地点の設計になるため、利用可

能量としての数値検討は行いません。

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6-65

6-2-8. 新エネルギー利用可能量のまとめ

上記の検討結果をまとめます。

表 6-2-27 4町の利用可能量のまとめ

種類 利用可能量推計値(全て年間)

市町村 森 (八雲) (七飯) (鹿部)

太陽光発電(MWh/年) 42,457 47,544 49,824 8,596

太陽熱利用(GJ/年) 553 619 649 112

中小水力発電

(全河川合計)

(MWh/年)

(260万円/kW未満) 40,743 90,856 11,991 43,538

(100万円/kW未満) 0 12,094 0 0

個別地点 5~200程度 - - -

風力発電

(kWh/台)

大型 -

小型(4kW級) 1,700

バイオ

マス

(GJ/年)

家畜

廃棄物

乳用牛 0 651 135 0

肉用牛 125 79 434 118

豚 1,049 362 0 0

汚泥 下水汚泥 0 0 0 0

し尿・浄化槽汚泥 0 6 0 0

集落排水汚泥 0 6 0 0

食品残渣 食品加工残渣 499 315 90 78

家庭系生ごみ 3,280 4,712 4,896 808

事業系厨芥類 1,346 942 857 551

木質 林地残材 1,839 3,050 911 493

切捨間伐材 3,486 6,206 1,632 1,018

果樹剪定枝 125 0 1,977 0

稲藁 2,002 2,818 4,981 0

もみ殻 514 767 1,375 0

麦わら 0 0 0 0

その他農業残渣 25,432 8,951 5,437 16

ササ 4,065 72,868 18,985 3,990

ススキ 4,664 920 9,453 1,375

国産材製材廃材 2,417 3,531 453 151

外材製材廃材 156 229 29 10

建築廃材 289 313 559 106

新増築廃材 183 198 354 67

公園剪定枝 237 788 62 0

雪氷冷熱(全道路)(GJ/年) 13,185 32,079 17,605 4,560

地熱[GWh/年] 地域全体としての試算は未計上。ただし道南地域では

今後も期待されるエネルギー

地中熱 個別設計のため利用可能量としては未計上。需要家周

辺のボアホール設置可能状況による。

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6-66

熱利用関連の利用可能量の比較と、参考として役場庁舎の燃料消費量を記載したものを以下

に示します。

図 6-2-16 利用可能量と役場庁舎の燃料消費量比較(熱利用エネルギー)

553

0

125

1,049

0

0

0

499

3,280

1,346

1,839

3,486

125

2,002

514

0

25,432

4,065

4,664

2,417

156

289

183

237

13,185

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000

太陽熱

乳用牛

肉用牛

下水汚泥

し尿・浄化槽汚泥

集落排水汚泥

食品加工残渣

家庭系生ごみ

事業系厨芥類

林地残材

切捨間伐材

果樹剪定枝

稲藁

もみ殻

麦わら

その他農業残渣

ササ

ススキ

国産材製材廃材

外材製材廃材

建築廃材

新増築廃材

公園剪定枝

雪氷冷熱(全道路)

利用可能量[GJ/年]

役場庁舎の燃料消費量

約1,500GJ/年(灯油+A重油)

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6-67

参考として、各エネルギーの利用可能量の灯油換算量と相当世帯数を表 6-2-29に示します。

それぞれの考え方は以下の通りです。

・灯油換算:利用可能量(GJ)を灯油の標準発熱量を用いて換算したもの(1GJ=1,000MJ)

・相当世帯数(電気):利用可能量(MWh)を 1世帯あたりの電力消費量で換算したもの

・相当世帯数(熱):灯油換算量(kL)を 1世帯あたりの灯油消費量で換算したもの

・利用可能率:主にバイオマスについて、賦存量と利用可能量の重量ベースを比較したも

表 6-2-28 換算に用いた係数

項目 単位 数値

1世帯あたり電力消費量 kWh/世帯・年 4,429

1世帯あたり灯油消費量 L/世帯・年 1,113

灯油発熱量 MJ/L(GJ/kL) 36.7

役場の燃料消費量(灯油+A重油) GJ/年 1,500

※家庭用エネルギーハンドブック 2009 北海道値

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6-68

表 6-2-29 利用可能量の灯油換算、相当世帯数及び利用可能率

項目 灯油換算

(kL)

相当世帯数

(世帯)

利用可能率

(%)

該当重点

プロジェクト

(第 7章参照)

太陽光発電

- 9,586 -

①-1

②-2

②-3

太陽熱利用 15 13 - -

風力

発電

大型 - 1未満 - -

小型 - 1未満 - ②-2

中小水力 個別地点 - 1未満 - ②-1

バイオ

マス

家畜廃

棄物 乳用牛 0 0 -

③-3

肉用牛 3 3 10

豚 28 25 10

汚泥 下水汚泥 0 0 -

し尿・浄化槽汚泥 0 0 -

集落排水汚泥 0 0 -

食品

残渣

食品加工残渣 13 12 39

家庭系生ごみ 89 80 100

事業系厨芥類 36 32 58

木質 林地残材 50 45 4

①-2

③-4

切捨間伐材 94 84 4

果樹剪定枝 3 3 76

稲藁 54 49 15

もみ殻 14 13 15

麦わら 0 0 -

その他農業残渣 692 622 77

ササ 110 99 100

ススキ 127 114 50

国産材製材廃材 65 58 6

外材製材廃材 4 4 4

建築廃材 7 6 5

新増築廃材 4 4 14

公園剪定枝 6 5 71

雪氷冷熱(全道路) 359 322 - ③-1

地熱 - ③-2

地中熱 - -