7.1. 地域活性化に資する産業連関分析とそのツール …...10 非鉄金属 179,243...

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148 7.観光施策の評価手法の検討(参考) 7.1. 地域活性化に資する産業連関分析とそのツール 7.1.1. 地域活性化の施策における経済評価の重要性 観光施策をはじめ、地方創生の一環として地域活性化を推進するに当たり、限られた予 算の中で各施策の成果を事前に評価した上で、意思決定を行うことが重要である。しかし、 政策案を作成する際、必要な費用をある程度計算できるものの、政策成果を経済的に把握 することが難しく、費用対効果(B/C)を把握することが難しい現状がある。(図表7-1)。 図表 7-1 政策成果を経済評価しない場合によくある課題 7.1.2. 有効な経済評価の手法の検討 政策案から経済効果を算出する過程は複雑である。観光施策で観光客数が増加した場合、 その観光消費(地元商品購入や入場料支払など)による経済効果を評価する必要がある。 地元商品なら、大田区全体で考えると、生産するために原料が必要で、その原料を生産す る原料もまた必要である。また、原料自体は大田区内に生産されたものとは限らない。さ らに、商品一つだけ考えても、店舗、仲介業者、輸送業をはじめ、様々な経済活動を起こ しながら消費者の手に届く。つまり、一つの商品が需要され生産されることは、経済効果 がその商品を生産する産業に留まらず、大田区全体及び大田区外の産業にも経済効果が波 及していく。従って、観光客一人が 500 円の買い物をしただけでも、これらの産業間の取 引過程を全て考慮し、それを経済波及効果として計算しなければならない。 対象: 観光地A 対象: 観光地B 目標とする 観光客数の 増加人数: 500人 目標とする 観光客数の 増加人数: 800人 費用: 2百万円 費用: 5百万円 対象: 観光地A 目標とする 観光客数の 増加人数: 400人 費用: 4百万円 対象: 観光地B 目標とする 観光客数の 増加人数: 600人 政策案① 政策案② 政策案③ 実施すべきか? 実施すべきか? 実施すべきか?

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7.観光施策の評価手法の検討(参考)

7.1. 地域活性化に資する産業連関分析とそのツール

7.1.1. 地域活性化の施策における経済評価の重要性

観光施策をはじめ、地方創生の一環として地域活性化を推進するに当たり、限られた予

算の中で各施策の成果を事前に評価した上で、意思決定を行うことが重要である。しかし、

政策案を作成する際、必要な費用をある程度計算できるものの、政策成果を経済的に把握

することが難しく、費用対効果(B/C)を把握することが難しい現状がある。(図表 7-1)。

図表 7-1 政策成果を経済評価しない場合によくある課題

7.1.2. 有効な経済評価の手法の検討

政策案から経済効果を算出する過程は複雑である。観光施策で観光客数が増加した場合、

その観光消費(地元商品購入や入場料支払など)による経済効果を評価する必要がある。

地元商品なら、大田区全体で考えると、生産するために原料が必要で、その原料を生産す

る原料もまた必要である。また、原料自体は大田区内に生産されたものとは限らない。さ

らに、商品一つだけ考えても、店舗、仲介業者、輸送業をはじめ、様々な経済活動を起こ

しながら消費者の手に届く。つまり、一つの商品が需要され生産されることは、経済効果

がその商品を生産する産業に留まらず、大田区全体及び大田区外の産業にも経済効果が波

及していく。従って、観光客一人が 500 円の買い物をしただけでも、これらの産業間の取

引過程を全て考慮し、それを経済波及効果として計算しなければならない。

対象:

観光地A対象:

観光地B

目標とする観光客数の増加人数:

500人

目標とする観光客数の増加人数:

800人

費用:

2百万円費用:

5百万円

対象:

観光地A

目標とする観光客数の増加人数:

400人

費用:

4百万円

対象:

観光地B

目標とする観光客数の増加人数:

600人

政策案① 政策案② 政策案③

実施すべきか?

優先順位は?

政策成果を比較できない

実施すべきか? 実施すべきか?

優先順位は?

政策成果を比較できない

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こうした経済波及効果の算出方法として有用とされるのは、産業連関分析である。産業

連関分析とは、各産業部門の取引関係、場合によっては雇用者所得や家計最終消費との関

係を含め、同じフレームワークで計算を行い、最終需要の変化(例えば、観光客数の増加)

がもたらす経済波及効果を算出するための手法である。しかし、産業連関分析による経済

波及効果の算出は、高度な専門知識と計算技術が必要なため、経験を積んだ一部の研究者

等の専門家が実施してきた傾向がある。

今回は、本調査の受託機関と連携し、経済波及効果の評価手法として産業連関分析を採

用し、大田区の観光施策の成果評価に使用できないか検討した。また、その活用手法とし

て、複雑な産業連関分析を Webアプリケーションの形でユーザーインターフェイスを創り、

専門知識がなくてもシンプルな操作で経済波及効果を算出できるような形を試行的に作成

した。

7.1.3. 経済波及効果の算出に必要な作業の検討

現在、大田区を対象にした産業連関表は存在しない。大田区の産業連関表を作成するた

めには、大田区の経済的指標を計測する大規模な調査を別途実施する必要がある。今回は、

あくまで、「手法の検討と試行」という側面から、東京都の産業連関表を基に、大田区を対

象に産業連関分析を簡易的に実施した。観光施策の効果を評価するためには、下記で示す 3

つの作業が必要である。

① 観光統計量の推計

事後的には、観光消費に伴う経済波及効果を算出するため、アンケート調査等から

観光客数を把握し、観光消費額を推計する必要がある。一方、事前評価の場合、観光

客数を想定した上で、それに基づいて観光消費額を推計することになる。そのための

材料として、アンケート調査等により一人当たりの観光消費額を推計する必要がある。

これらについては、3-2節で詳述する。

② 大田区産業連関表の作成

産業連関分析を行うためには、分析対象地域の産業連関表を作成し、それをデータ

としてインプットする必要がある。産業連関表については、7.2.1項で解説する。

③ 経済波及効果分析ツールの作成

産業連関分析による経済波及効果の算出は、専門的な知識と計算技術が必要なため、

研究者によるところであった。今回、受託機関による経済波及効果分析ツール「ATENEV」

を活用し、経済波及効果を計算できるようにしている。ATENEV の活用の仕組みは、図

表 7-2のとおりである。

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図表 7-2 ATENEVのサービスの仕組み

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7.2. 観光経済波及効果把握手法の検討

大田区の観光経済波及効果把握手法を確立するために、今回の調査の一環として大田区

産業連関表(以下「大田区表」)の作成を試行した。今回調査した観光統計量と共に、受託

機関が開発した経済波及効果分析ツール「ATENEV」にて推計する。なお、産業連関表の

作成方法は、今回は試行であることから、大田区の経済指標等の調査を別途実施せず、東

京都産業連関表を活用して、観光経済波及の測定の試行のために作成するものである。

7.2.1. 大田区産業連関表の作成の考え方

7.2.1.1. 経済統計データの収集整理

大田区表の作成にあたっては、平成 26 年現在最新の平成 17 年の東京都産業連関表(以

下「東京都表」)をベースに行う。ただし、東京都表は、財貨・サービス部門と本社部門が

区別された2地域間表という特別な形式になっている。そこで、本社部門に関しては財貨・

サービス部門の比率で案分した後、地域・部門を統合し、地域内産業連関表形式に変換す

る。ここまでは、小分類の 280部門で作業する。その後、全国表と同じ大分類の 34部門表

に統合し、大田区表の推定と経済波及効果の算定に使用する。

次に、大田区表を作成するためには、東京都表から生産額及び域内最終需要額を案分す

る必要がある。製造業以外の生産額の案分指標は、事業所・企業統計調査の従業者数デー

タ、(図表 7-3 の A)、製造業の生産額の案分指標は、工業統計調査の従業者数データ、(図

表 7-3の B)、域内最終需要の案分指標は、国勢調査の人口データ(図表 7-3の C)より推定

する。

図表 7-3 案分指標として利用する統計データ

統計 年次 案分指標 備考

A 事業所・企業統計調査 平成 18年 従業者数 平成 17年直近のデータ

B 工業統計調査 平成 17年 従業者数 秘匿箇所が多いため「製造品出荷額等」のデータ

を利用できない

C 国勢調査 平成 17年 人口 -

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7.2.1.2. 大田区の生産額推計

産業部門別の案分指標(東京都の生産額に占める大田区の生産額の割合)を東京都表の

生産額に乗じて大田区表の生産額を推計する。結果は、図表 7-4のとおりである。

図表 7-4 大田区の生産額の推計結果(1/2)

全国表(大分類) 東京都の生産額

(百万円)

大田区の生産額

(百万円)

大田区

の割合 データ

1 農林水産業 108,419 1,290 1.2% A

2 鉱業 27,189 41 0.2% A

3 飲食料品 1,695,737 69,432 4.1% B

4 繊維製品 225,860 4,879 2.2% B

5 パルプ・紙・木製品 434,533 21,092 4.9% B

6 化学製品 1,683,867 92,998 5.5% B

7 石油・石炭製品 153,618 34,595 22.5% B

8 窯業・土石製品 303,838 19,463 6.4% B

9 鉄鋼 315,731 61,216 19.4% B

10 非鉄金属 179,243 25,853 14.4% B

11 金属製品 489,759 92,063 18.8% B

12 一般機械 1,464,628 351,597 24.0% B

13 電気機械 1,188,616 116,152 9.8% B

14 情報・通信機器 1,319,819 98,155 7.4% B

15 電子部品 917,771 63,124 6.9% B

16 輸送機械 1,693,917 94,637 5.6% B

17 精密機械 661,136 49,945 7.6% B

18 その他の製造工業製品 2,868,211 122,102 4.3% B

19 建設 9,564,383 371,227 3.9% A

20 電力・ガス・熱供給業 1,936,850 48,736 2.5% A

21 水道・廃棄物処理 1,125,236 28,314 2.5% A

22 商業 25,723,462 910,861 3.5% A

23 金融・保険 17,812,909 246,700 1.4% A

24 不動産 13,994,244 448,166 3.2% A

25 運輸 9,212,275 854,223 9.3% A

26 情報通信 25,331,261 454,454 1.8% A

27 公務 6,652,197 177,853 2.7% A

28 教育・研究 5,059,183 136,335 2.7% A

29 医療・保健・社会保障・介護 5,387,296 216,294 4.0% A

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全国表(大分類) 東京都の生産額

(百万円)

大田区の生産額

(百万円)

大田区

の割合 データ

30 その他の公共サービス 818,126 24,232 3.0% A

31 対事業所サービス 24,908,751 631,389 2.5% A

32 対個人サービス 10,024,053 313,825 3.1% A

33 事務用品 268,593 20,226 7.5% A

34 分類不明 761,448 28,611 3.8% A

7.2.1.3. 内生部門、粗付加価値部門等の推計

内生部門及び粗付加価値部門は、大田区の生産額に東京都表の投入係数及び粗付加価値

係数を乗じて推計する。

域内最終需要部門は、全ての数値に人口比(東京都の人口に占める大田区の人口の割合)

を乗じて推計する。ただし、家計外消費支出に関しては、粗付加価値部門における家計外

消費支出の合計値を、最終需要部門の消費支出割合によって割り当てる。

移出と輸出は、それぞれ東京都表の移出率と輸出率(生産額に占める移出と輸出の割合)

を、移入と輸入は、それぞれ東京都表の移入率と輸入率(域内需要に占める移入と輸入の

割合)を大田区表の数値に適用して求める。

7.2.1.4. バランス調整

上記のように産業連関表を推計しても、基本的に投入額と産出額が一致しない。最後の

作業として、投入額と産出額が大田区の生産額に一致するよう、RAS法を用いたバランス調

整を行う。反復計算は 23 回で収束し、投入産出誤差は1円未満である。これにより、大田

区表が完成する。

7.2.1.5. 大田区産業連関表の表の見方

上記の手順を経て作成した大田区表は、図表 7-6(p.155)のとおりである。表の見方は

全国共通なので、総務省編「産業連関表の作成について」(平成 21 年3月)を参考にしつ

つ解説する。

(1)産業連関表とは

・ 区民経済を構成する各産業部門は、相互に網の目のように結び付き合いながら生産

活動を行い、最終需要部門に対して必要な財・サービスの供給を行っている。

・ ある一つの産業部門は、他の産業部門から原材料や燃料等を購入(投入)し、これ

を加工(労働・資本等を投入)して別の財・サービスを生産する。そして、その財・

サービスをさらに別の産業部門における生産の原材料等として、あるいは家計部門

等に最終需要として販売(産出)する。このような「購入-生産-販売」という関

係が連鎖的につながり、最終的には各産業部門から家計、政府、輸出などの最終需

図表 7-4 大田区の生産額の推計結果(2/2)

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要部門に対して必要な財・サービス(大田区内ではそれ以上加工されない)が供給

されて、取引は終了する。

・ 産業連関表は、このようにして、財・サービスが最終需要部門に至るまでに、各産

業部門間でどのような投入・産出という取引過程を経て、生産・販売されたもので

あるのかを、一定期間(通常1年間)にわたって記録し、その結果を図表 7-5のよ

うな行列(マトリックス)の形で一覧表に取りまとめたものである。

図表 7-5 全国の産業連関表のひな形

※全国の産業連関表のひな形であるため、都道府県間の交易額を表す移出と移入がないなど、

大田区産業連関表と少し異なる。

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図表 7-6 平成 17年大田区産業連関表(大分類 34部門表)

(単位:百万円)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 1 2 3 4 5 6

農林水産業

鉱業飲食料品

繊維製品

パルプ・紙・木製品

化学製品

石油・石炭製品

窯業・土石製品

鉄鋼非鉄金属

金属製品

一般機械

電気機械

情報・通信機器

電子部品

輸送機械

精密機械

その他の製造工業製品

建設

電力・ガス・熱供給業

水道・廃棄物処理

商業金融・保険

不動産 運輸情報通信

公務教育・研究

医療・保健・社会保障・介護

その他の公共サービス

対事業所サービス

対個人サービス

事務用品

分類不明

内生部門計

家計外消費支出(列)

民間消費支出

一般政府消費支出

総固定資本形成(公的)

総固定資本形成(民間)

在庫純増

区内最終需要計

区内需要計

輸出 移出(控除)輸入

(控除)移入

区内生産額

1 農林水産業 47 0 9,589 4 101 22 4 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 485 261 0 0 31 0 1 30 0 24 108 773 35 14 5,533 0 0 17,060 629 20,389 0 0 25 -225 20,817 37,878 6 287 -4,556 -32,326 1,290

2 鉱業 0 0 0 0 8 57 1,913 571 13 946 3 7 0 0 0 2 0 28 362 9,198 1 0 0 0 2 0 1 19 2 0 2 0 0 13 13,148 -56 -49 0 0 -62 -34 -200 12,948 0 38 -12,526 -420 41

3 飲食料品 31 0 10,632 4 3 121 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 99 0 0 0 58 0 0 131 0 88 79 3,120 23 3 31,172 0 148 45,715 7,606 155,145 1,097 0 0 1,551 165,401 211,116 285 41,923 -28,450 -155,442 69,432

4 繊維製品 10 0 55 1,131 51 22 16 22 21 8 47 283 116 105 175 59 53 323 776 16 40 1,314 372 15 1,387 597 435 91 673 228 1,062 984 348 422 11,256 846 22,615 0 2 2,428 -959 24,932 36,188 110 2,401 -20,936 -12,884 4,879

5 パルプ・紙・木製品 13 0 564 23 3,733 894 10 142 37 32 187 361 339 412 213 66 189 5,000 13,046 64 108 3,171 966 249 3,508 10,030 396 1,065 984 218 1,687 1,645 8,704 752 58,809 923 3,144 3 61 2,653 824 7,607 66,416 447 15,623 -8,372 -53,023 21,092

6 化学製品 75 0 331 142 276 12,114 64 178 134 51 307 990 503 505 526 673 147 3,937 1,525 95 461 3 9 8 259 1,071 188 636 28,480 27 1,982 1,944 454 867 58,962 1,588 18,327 0 0 0 -321 19,594 78,556 6,034 80,838 -10,671 -61,758 92,998

7 石油・石炭製品 50 0 156 11 34 121 591 161 270 25 136 189 49 34 73 291 26 144 2,136 2,876 411 1,004 81 409 94,810 361 1,815 1,731 703 77 1,228 1,422 0 1,003 112,426 263 30,358 0 0 0 -44 30,577 143,003 201 30,009 -16,105 -122,515 34,595

8 窯業・土石製品 1 0 100 0 133 277 66 2,909 48 10 136 835 352 133 864 679 719 108 17,223 5 102 148 5 17 41 7 36 334 278 18 94 693 96 518 26,985 224 1,495 0 0 0 183 1,902 28,886 1,279 10,318 -2,157 -18,864 19,463

9 鉄鋼 0 0 0 0 308 1 0 34 22,526 6 8,357 12,357 1,645 439 169 4,143 458 77 4,935 0 17 0 0 0 133 0 6 0 2 0 26 10 1 698 56,347 0 -154 0 -118 -1,298 84 -1,486 54,861 2,146 52,847 -5,923 -42,715 61,216

10 非鉄金属 0 0 65 0 57 193 0 25 472 3,290 2,160 3,325 3,101 1,783 1,128 1,294 791 439 2,490 9 4 5 0 0 5 19 46 0 207 2 26 96 19 456 21,505 12 520 0 0 -763 -12 -243 21,262 2,485 22,983 -6,429 -14,447 25,853

11 金属製品 1 0 362 16 371 488 17 103 31 17 9,099 8,262 1,561 1,018 584 855 874 535 35,572 75 28 1,658 15 130 998 140 1,937 20 84 32 651 894 6 437 66,871 348 2,061 1 15 3,258 245 5,928 72,799 1,906 68,621 -3,079 -48,183 92,063

12 一般機械 0 0 0 0 23 1 0 11 19 3 76 72,027 620 225 155 385 499 43 2,064 1 171 2 0 0 95 5 127 0 0 0 10,294 58 1,211 0 88,115 42 722 0 1,146 86,087 388 88,385 176,500 51,165 265,558 -15,163 -126,463 351,597

13 電気機械 1 0 0 0 4 2 0 0 0 0 8 3,954 11,126 1,801 886 1,408 721 14 2,754 0 4 133 2 7 223 113 691 66 14 0 1,614 84 0 118 25,749 630 21,541 0 1,382 26,800 645 50,997 76,746 30,315 76,261 -14,496 -52,674 116,152

14 情報・通信機器 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 91 32 8,156 8 589 1 2 522 0 1 55 8 7 55 55 1,114 6 5 1 946 26 0 0 11,679 11,495 28,539 0 2,500 58,748 -374 100,907 112,586 17,686 62,524 -43,718 -50,923 98,155

15 電子部品 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 7 5,632 18,873 25,415 15,223 310 5,045 147 76 0 0 18 14 0 3 374 1,262 79 0 0 2,726 0 465 0 75,672 24 1,496 0 0 0 330 1,850 77,522 20,459 37,677 -20,694 -51,841 63,124

16 輸送機械 15 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0 0 0 41,113 0 0 0 0 0 0 0 0 14,209 0 7,817 6 0 0 2,473 11 0 0 65,650 0 30,903 0 841 60,284 409 92,437 158,087 13,490 54,145 -17,896 -113,190 94,637

17 精密機械 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 782 110 49 2 47 5,842 5 24 0 3 670 11 3 26 200 238 3 1,475 0 275 82 0 0 9,851 146 6,289 0 507 15,676 -280 22,337 32,188 14,026 31,242 -13,077 -14,434 49,945

18 その他の製造工業製品 16 0 1,083 141 426 1,007 25 148 663 1,395 308 4,204 1,920 3,554 1,131 2,470 1,910 20,988 5,129 522 1,092 4,162 5,512 236 3,176 21,707 5,214 4,121 1,556 1,039 13,829 2,928 3,624 732 115,966 2,151 26,380 6 628 10,749 32 39,947 155,913 3,438 56,027 -13,922 -79,354 122,102

19 建設 3 0 96 24 83 254 108 87 215 52 311 703 286 272 169 154 119 193 22,459 2,083 922 2,184 776 17,427 7,662 1,156 1,718 2,593 1,044 45 1,268 1,351 0 0 65,818 0 0 0 70,148 202,456 0 272,604 338,422 0 50,736 0 -17,931 371,227

20 電力・ガス・熱供給業 4 0 529 35 122 381 151 137 564 197 768 1,814 459 419 807 572 256 715 778 3,636 1,253 5,587 696 1,709 9,774 2,041 1,882 2,193 2,212 109 1,558 5,307 0 262 46,926 28 27,804 0 0 0 0 27,832 74,758 262 3,695 -10 -29,968 48,736

21 水道・廃棄物処理 0 0 123 5 19 199 9 45 44 18 71 556 68 39 64 76 43 71 314 196 1,136 1,383 323 184 2,524 491 2,257 1,125 1,025 47 256 3,665 0 430 16,812 18 9,915 6,333 0 0 0 16,265 33,077 43 2,099 -13 -6,892 28,314

22 商業 47 0 3,485 264 947 1,571 163 533 1,842 263 2,089 10,971 4,703 4,410 1,413 3,017 2,131 4,340 15,187 959 605 94,655 1,190 543 41,479 6,493 3,382 2,763 9,963 463 8,413 16,577 3,548 839 249,249 11,061 239,514 16 1,896 78,806 1,036 332,329 581,578 18,120 534,076 -5,672 -217,241 910,861

23 金融・保険 12 1 492 153 316 1,091 1,118 469 957 990 1,050 4,128 848 613 628 559 651 1,086 2,880 649 138 16,196 24,298 12,006 15,869 2,175 356 476 1,347 182 10,831 1,876 0 14,862 119,305 1 50,417 0 0 0 0 50,418 169,723 3,129 116,318 -3,424 -39,047 246,700

24 不動産 2 1 246 37 144 578 514 151 532 199 575 1,617 376 233 213 108 136 378 900 338 82 16,360 2,897 21,706 9,083 7,390 165 899 1,009 345 2,602 3,357 0 115 73,291 0 346,494 192 0 0 0 346,686 419,976 307 47,636 -13 -19,741 448,166

25 運輸 93 3 3,322 199 1,062 2,841 1,489 2,387 2,623 981 3,445 9,871 3,024 3,143 1,708 2,199 1,516 7,721 25,929 2,353 1,723 55,571 6,798 1,933 184,218 14,699 10,318 4,814 5,955 919 14,406 13,795 1,751 3,912 396,724 7,001 178,439 -356 248 8,762 359 194,453 591,176 80,464 329,572 -36,898 -110,092 854,223

26 情報通信 9 0 308 41 182 934 420 147 365 239 621 3,151 1,465 1,108 539 285 320 699 2,489 573 737 14,085 6,168 773 5,676 73,560 4,583 3,327 2,100 885 63,395 4,552 0 431 194,166 1,090 47,486 116 4,713 69,687 -350 122,742 316,908 2,475 222,970 -6,531 -81,367 454,454

27 公務 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8,397 8,397 0 2,813 166,643 0 0 0 169,456 177,853 0 0 0 0 177,853

28 教育・研究 1 0 387 36 99 5,707 1,111 416 346 1,210 483 9,514 7,306 5,125 4,181 2,581 2,212 865 591 396 20 940 71 1 1,096 2,565 48 984 18 0 433 51 0 991 49,783 0 44,927 35,131 0 0 0 80,058 129,841 3,662 18,022 -7,030 -8,161 136,335

29 医療・保健・社会保障・介護 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 7 6 2 22 8 2 1 4,051 0 3 11 0 10 4,125 2,667 73,281 134,878 0 0 0 210,826 214,951 3 2,630 -20 -1,270 216,294

30 その他の公共サービス 0 0 51 5 10 124 94 23 92 23 58 359 49 65 27 22 14 46 60 19 27 122 87 26 137 77 0 33 81 764 313 239 0 42 3,089 0 17,906 0 0 0 0 17,906 20,995 175 4,535 -311 -1,162 24,232

31 対事業所サービス 27 1 3,228 109 727 6,232 1,095 806 1,231 535 2,171 13,141 5,524 4,311 2,977 3,091 1,682 3,686 16,094 2,901 2,065 29,072 28,175 12,170 62,350 58,602 11,909 8,869 8,821 1,428 112,412 9,331 0 1,888 416,658 469 19,113 0 969 8,366 0 28,917 445,575 5,087 286,186 -8,473 -96,987 631,389

32 対個人サービス 3 0 3 1 1 3 0 1 2 0 5 23 14 13 6 6 3 17 79 6 6 372 48 260 321 4,042 141 208 2,595 68 883 11,406 0 149 20,685 62,938 236,032 0 0 0 0 298,970 319,655 10,318 19,585 -25,379 -10,354 313,825

33 事務用品 5 0 306 33 88 278 82 98 248 170 410 1,856 528 334 368 152 123 265 307 106 96 4,620 1,021 333 2,532 1,147 521 839 749 239 1,268 1,082 0 20 20,226 0 0 0 0 0 0 0 20,226 0 0 0 0 20,226

34 分類不明 16 0 199 35 202 69 26 355 318 45 299 2,374 334 227 40 297 82 719 3,210 168 364 3,312 561 3,689 6,488 4,368 222 3,077 929 45 2,519 1,023 0 0 35,611 0 0 0 0 0 0 0 35,611 582 0 -5,535 -2,047 28,611

内生部門計 484 8 35,711 2,448 9,532 35,586 9,086 9,964 33,613 10,706 33,187 173,385 65,329 63,940 34,281 67,501 26,564 53,174 180,173 27,244 11,616 256,899 80,111 73,843 468,322 213,493 58,939 40,568 80,254 7,240 259,489 121,205 20,226 38,510 2,602,632 112,142 1,663,863 344,059 84,939 632,662 3,485 2,841,150 5,443,782 290,106 2,547,383 -357,477 -1,693,713 6,230,081

1 家計外消費支出(行) 33 2 1,871 130 597 3,783 577 661 1,397 982 2,963 10,835 3,684 2,872 1,871 1,313 1,220 3,187 6,995 841 572 30,157 7,378 2,444 14,177 16,267 4,230 1,956 3,288 792 13,410 8,168 0 273 148,925

2 雇用者所得 321 18 18,073 1,803 7,749 29,810 11,955 5,314 15,706 8,936 43,199 115,756 35,107 21,449 19,032 16,587 15,780 44,394 150,565 6,591 9,071 368,566 65,528 32,670 219,165 115,726 91,159 76,128 110,158 14,616 182,236 102,167 0 1,638 1,956,973

3 営業余剰 307 8 7,554 170 1,771 15,377 7,335 1,740 5,430 2,599 5,560 28,310 5,669 4,389 3,563 3,981 2,626 11,831 4,998 3,973 2,292 157,341 56,483 187,861 33,265 43,107 0 823 7,740 125 62,007 39,140 0 -17,916 689,460

4 資本減耗引当 77 3 2,323 132 558 4,692 2,499 722 2,073 944 3,230 12,363 3,832 3,423 2,898 3,010 2,275 4,985 19,060 7,711 3,512 52,689 26,893 132,124 87,468 50,545 21,514 15,947 14,271 1,289 94,136 24,299 0 5,637 607,132

5 間接税(除関税・輸入品商品税) 74 2 4,330 196 886 3,752 3,156 1,063 2,999 1,687 3,930 10,963 2,535 2,086 1,481 2,281 1,483 4,543 12,712 3,216 1,266 45,662 12,823 19,371 33,094 15,390 2,011 1,243 3,558 609 20,608 18,860 0 481 238,354

6 (控除)経常補助金 -6 0 -430 0 -1 -2 -13 -1 -2 0 -6 -16 -5 -3 -3 -35 -3 -12 -3,276 -840 -16 -451 -2,518 -148 -1,267 -75 0 -329 -2,975 -439 -498 -13 0 -11 -13,396

粗付加価値部門計 806 33 33,720 2,431 11,560 57,412 25,508 9,499 27,603 15,148 58,877 178,212 50,823 34,215 28,843 27,136 23,381 68,928 191,054 21,492 16,698 653,963 166,588 374,322 385,901 240,961 118,913 95,767 136,040 16,992 371,899 192,620 0 -9,898 3,627,449

区内生産額 1,290 41 69,432 4,879 21,092 92,998 34,595 19,463 61,216 25,853 92,063 351,597 116,152 98,155 63,124 94,637 49,945 122,102 371,227 48,736 28,314 910,861 246,700 448,166 854,223 454,454 177,853 136,335 216,294 24,232 631,389 313,825 20,226 28,611 6,230,081

Page 9: 7.1. 地域活性化に資する産業連関分析とそのツール …...10 非鉄金属 179,243 25,853 14.4% B 11 金属製品 489,759 92,063 18.8% B 12 一般機械 1,464,628

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(2)産業連関表の構成

・ 産業連関表では、タテ方向の計数の並びを「列」(column)という。列には、その

部門の財・サービスの生産に当たって用いられた原材料、燃料、労働力などへの支

払いの内訳(費用構成)が示されており、この支払いを産業連関表では、「投入」

(input)と呼んでいる。

・ 一方、ヨコ方向の計数の並びを「行」(row)と呼ぶ。行には、その部門の財・サー

ビスがどの需要部門でどれだけ用いられたのか、その販売先の内訳(販路構成)が

示されており、この販売を「産出」(output)という。

・ 以上のように、産業連関表は、各産業部門における財・サービスの投入・産出の構

成を示していることから、「投入産出表」(Input-Output Table (略して I-O表))

とも呼ばれている。

・ また、「中間需要部門」は、各財・サービスの生産部門であり、各部門は生産のた

めに必要な原材料、燃料等のいわゆる中間財の購入(買い手)部門であり、これら

を加工(労働、資本等を投入)して生産活動を行っている。

・ 「最終需要部門」は、具体的には消費、投資及び輸出であり、主として完成品とし

ての消費財、資本財等の買い手である。

・ 「粗付加価値部門」は、各財・サービスの生産のために必要な労働、資本などの要

素費用その他である。

(3)産業連関表のタテ・ヨコの合計値「生産額」

・ 産業連関表は、ある産業の費用内訳(タテ)の合計と、産出内訳(ヨコ)の合計が

一致するように作表されている。

・ タテ(ヨコ)の合計を「生産額」と表記し、ある産業の生産高(売上)に相当する

ものである。

・ 「区内総生産」とは異なる数字であるため、注意を要する。

(4)区内総生産(GRP)をみる

・ 粗付加価値の行をすべて合計すると、区内総生産(GRP)に相当する。

・ つまり、区内における生産活動(経済活動)において、産出した付加価値の合計額

となる。

(5)間接税とは

・ 財、サービスの生産、販売、購入、または、使用に関して課せされる租税及び税外

負担で、税法上損金算入が認められていてその負担が最終購入者へ転嫁することが

予定されているもの。

・ 国税では、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、自動車重量税、地方税では、事業

税、地方たばこ税、特別地方消費税、固定資産税などがこれに相当する。

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(6)経常補助金とは

・ 経常補助金とは、産業振興を図る、あるいは製品の市場価格を低める等の政府の政

策目的によって、政府サービス生産者から産業に対して一方的に給付され、受給者

の側において収入として処理される経常的な交付金である。

・ 産業連関表では、マイナス符合で表記される。

(7)家計外消費支出とは

・ 家計外消費支出とは、いわゆる「企業消費」に該当し、交際費や接待費など企業そ

の他の機関が支払う経費である。

(8)民間消費支出とは

・ 主として、家計の消費支出であり、区内の一般家計が消費した財・サービスが表記

されている。

・ どのような産業(品目)に、どの程度一般家計が投資しているかがわかる。

(9)産業間の「結びつき」の幅広さをみる

・ ある産業について、産業連関表をタテにみると、生産するために材料を購入してく

る産業部門(金額が0以外のもの)が表記されており、この部門数が多い産業ほど、

裾野が広く多部門の需要を喚起する産業と考えることができる。

(10)区内産業別の域外依存度をみる

・ 移輸入は、区外で生産され、区内で消費された金額を示している。

・ 区内生産額(列)との大小関係をみることで、区外に依存度の高い産業を把握する

ことができる。

・ 区外への依存度を低下させる(=区内での生産を高める)ことで、区内の経済波及

効果を高めることができる。

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7.2.2. 経済波及効果分析ツール

7.2.2.1. 大田区版 ATENEVの概要と利用方法

今回は、図表 7-7 のような流れで、観光客数、観光消費額調査結果、大田区表をベース

に、経済波及効果(生産誘発額、粗付加価値誘発額、就業者誘発数)を算定する。

まず、観光消費額調査結果を集計して一人当たり観光消費額を推定し、これに観光客数

を乗じることで観光消費額の合計値を求める。そして、同調査における観光消費支出割合

を、観光消費額の合計値に乗じて産業部門別観光消費額(最終需要ベクトル)を推計する。

次に、大田区表から逆行列係数(移輸入控除)を算出し、産業部門別観光消費額との積

を取り、生産誘発額を算定する。さらに、平成 17年の東京都表の雇用表による労働投入係

数、大田区表による粗付加価値係数をそれぞれ生産誘発額に乗じ、就業者誘発数及び粗付

加価値誘発額を求める。

図表 7-7 経済波及効果算定の流れ

調査結果の集計

東京都産業連関表の雇用表

本調査の大田区産業連関表

観光消費額合計

観光客数

産業部門別観光消費額

付加価値係数

本調査の観光消費額調査

産業部門別生産誘発額

就業者誘発数 粗付加価値誘発額

逆行列係数(移輸入控除)

労働投入係数

観光消費支出割合

一人当たり観光消費額

本調査で作成した主要なデータ

分析に使用する想定データ

経済波及効果の算定結果

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今回は、大田区全体及び来訪地別の観光客数による経済波及効果を算出できる経済波及

効果分析ツール「大田区版 ATENEV」を開発した。

図表 7-8 大田区版 ATENEVの操作画面(「大田区全体」選択時)

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7.2.2.2. 大田区版 ATENEVの使用例

下記の 3つの事例を用いて ATENEVの使い方を具体的に説明する。

事例 1:大田区全体で来訪客が 10,000人増加した場合の生産誘発額の算出

①「大田区全体」を選択する。

② 10,000 人の数値を入力する。

③ 生産誘発額の計算結果を確認する。

事例 2:池上本門寺に 200人、郷土博物館に 100人の来訪客が増加した場合の「飲食料品」

部門の生産誘発額の算出

①「来訪地別」を選択する。

② 池上本門寺、郷土博物館にそれぞれ 200人、100人の数値を入力する。

③ 詳細結果表示ボタンを押す。

④「飲食料品」部門の生産誘発額を確認する。

①②

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事例 3:大田区全体で来訪者数が 500人減少した場合の粗付加価値誘発額の低下分の算出

※ATENEV では、マイナス数値の入力も可能なため、何等かの理由で来訪客数が減少した場合の

経済損失も計算できる。

①「大田区全体」を選択する。

② -500人の数値を入力する。

③ 詳細結果表示ボタンを押す。

④「粗付加価値誘発額」の低下分を確認する。

④③

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7.2.3. 計算結果の整合性確認

ATENEV による大田区の経済波及効果の算出結果が既存の公表数値に比べてどの程度整合

しているかを確認するため、図表 7-9にて東京都観光客数等実態調査と比較する。図表 7-9

によると、同じ観光消費額に対して大田区版 ATENEVは東京都に比べて 30%前後経済波及効

果が少ない。しかし、区レベルは東京都全体よりも自給率が小さい(自地域への経済波及

が少ない)ことを踏まえると、これは妥当な数値だといえる。経年的に見ても、大田区と

東京都の差は安定している。

図表 7-9 東京都観光客数等実態調査の公表数値と大田区版 ATENEVの計算結果の比較

年次 観光消費額 生産波及効果(百万円) 差

(百万円) 東京都による公表数値 大田区版 ATENEVの計算結果

H17 4,008,063 8,601,062 6,703,232 28%

H18 4,273,733 9,390,509 7,147,548 31%

H19 4,442,797 9,758,301 7,430,297 31%

H20 4,484,263 9,803,028 7,499,646 31%

H21 3,963,956 8,674,517 6,629,466 31%

H22 4,536,542 9,836,026 7,587,080 30%

H23 3,998,682 8,630,855 6,687,543 29%

H24 4,687,375 10,142,699 7,839,338 29%

H25 5,246,315 11,333,111 8,774,130 29%

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