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7.金属および半導体の電気伝導度 今井(M2)・渡邉(B4)

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7.金属および半導体の電気伝導度

今井(M2)・渡邉(B4)

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実験目的

• 本実験は、金属と半導体の電気伝導度の温度依存性を測定することにより、講義等で習得した知識を関連させて、試料それぞれの電気伝導について考察してほしい。

また、金属および半導体に対するバンド構造の考え方、バン

ド理論について学んでほしい。

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• 電気伝導度に関して

実験1 金属と半導体の電気伝導度

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抵抗率と電気伝導度

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抵抗率と電気伝導度②

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測定回路 (4端子法) 4端子法による回路の特徴として、標準抵抗、試料の抵抗それぞれに流れる電流が同じになる。よって、以下の式より抵抗率が導くことができる。

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電流向き反転用スイッチの作成

接触抵抗等、試料以外の抵抗をキャンセルするため、電流の向きを反転させ、測定電圧の差をとり平均する

𝑉𝑠 =𝑉1 − 𝑉2

2

𝑉1 = 𝑉𝑥 + 𝑉𝑒𝑥𝑡 𝑉2 = (−𝑉𝑥) + 𝑉𝑒𝑥𝑡

𝑉𝑥:試料の電圧

𝑉𝑒𝑥𝑡:接触抵抗の電圧

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測定試料 • 金属 銅:長さ13m 直径 0.14mm

Sn:長さ10m 直径 0.2mm

• 合金 マンガニン(組成比Cu84Mn12Ni4)長さ 7m 直径0.2mm

• 半導体 サーミスタ

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実験装置図

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金属における電気抵抗の要因:電子の散乱

金属原子→イオン+電子と考える

1.不純物と結晶欠陥

不純物や点欠陥(イオンが失われていたり、周期

上誤った場所に存在しているとき)により、イオンの

周期性が乱れることで散乱を起こす。

2.イオンの格子振動

イオンは不純物や欠陥がなくても、温度上昇によっ

て増加した運動エネルギーによる振動で、周期構造

の決まった場所からずれてしまう。融点以下ではイ

オンは平衡点からと多く離れることはない。

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エネルギ-バンド 複数の電子が存在するとき、その個数分だけ電子のエネルギー準位は分裂する。電子が多数となると、これらのエネルギー準位は密集しているため区別できない。

そこで、電子の持ちうるエネルギー に幅を持たせたものをエネルギーバンドと呼ぶ。

電子の取りうる範囲を許容帯、電子が入らない範囲を禁制帯と呼ぶ。禁制帯の取りうる幅をバンドギャップと呼ぶ。

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金属と半導体のバンド構造

金属のバンド構造

伝導帯に電子が入っており、伝導電子として振舞う。許容帯の丁度半分電子が満たされる状態が最も電気が流れやすい。

半導体、絶縁体のバンド構造

伝導帯と価電子帯からなる。半導体と絶縁体の区別は、バンドギャップの大きさで決まり、バンドギャップが大きいと絶縁体、小さいと半導体となる。伝導帯に存在する電子は、熱励起や不純物によって現れる。

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実験2 半導体のホール効果測定

• 実験1において半導体におけるキャリア密度とキャリアの易動度について考察する必要性がでてきたので、2つの温度依存性と関係性を調べる。

電気伝導度 𝜎 = 𝑛𝑞𝜇 𝑛:キャリア密度

𝑞:キャリアの素電荷

𝜇:キャリアの易動度

※ここで出てきたキャリアとは、電子もしくは正孔である。

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ホール効果について

X方向に電流を流した状態で、磁場をZ方向

にかけると、正孔もしくは電子がローレンツ力によりY方向もしくは(-Y)方向に偏向する。

𝑅𝐻 =𝐸𝑦𝑗𝐻

=1

𝑛𝑒

𝑅𝐻:ホール定数  𝐸𝑦: Y方向の電場 𝐻:磁場

𝑒:素電荷 𝑛:キャリア密度

𝑓 = −𝑒(𝑬 + 𝒗 × 𝑯) 𝑓:ローレンツ力 𝑬:電場

𝒗:キャリアの速度 𝑯:磁場

𝜇 = 𝜎𝑅𝐻 𝜇:キャリア密度 𝜎:電気伝導度

以上の式からキャリア密度と易動度の関係を導くことができる。

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実験装置

上図のようなムカデ型と呼ばれる試料を用いる。

今回用いる半導体:Si

この半導体がP型なのかN型なのかは実験から考察してほしい。