第9回 企業内リーンスタートアップ勉強会

2012年12月5日 宮原 忍

おことわり Ø 今回の資料を作成するにあたって、以下の文献を参考にしました。 ü ゼロからわかる事業計画書の作り方 CD-ROM付／井口嘉則 　 http://www.amazon.co.jp/dp/4820746014

Ø また、本資料に記載されている内容は全てフィクションであり、実際の個人・団体・事件等とは一切関係ありません。

ディスカッション・テーマ Ø  今から、新規事業における伝統的な事業計画書（サンプル）をお見せ致します。

Ø  リーンスタートアップの5つの原則を踏まえた上で、事業計画書（サンプル）の改善案をグループで考えてみて下さい。

リーンスタートアップの5つの原則

原則1： アントレプレナーはあらゆるところにいる 原則2： 企業とはマネジメントである 原則3： 検証による学び 原則4： 構築ー計測ー学習 原則5： 革新会計

ペット関連インターネットサービス 事業計画書

2012年12月5日

かもめ株式会社 事業開発部 かもめ 太郎

事業計画書サンプル

目次 I.  はじめに 1.  提案の背景

II.  事業の概要 1.  ビジネスモデル 2.  事業理念と事業ビジョン 3.  顧客および顧客ニーズと市場規模 4.  生体供給市場 5.  取扱商品・サービスと営業エリア 6.  本事業と競合の重要成功要因 7.  マーケティングプラン（商品・価格・チャネル・広告宣伝） 8.  ビジョン・ストーリー 9.  競争優位性

III.  事業化方法とステップ IV.  事業収支の前提条件 V.  事業収支計画とファイナンスプラン VI. 本事業にともなうリスク

事業計画書サンプル

日本のペット生体市場が抱える問題を解決するため、 飼い主とブリーダーのマッチングサイトを提案します

提案の背景

ペットの飼育環境の整備が求められている

年間約50万頭（全体の2.5%）が保健所で処分されている事実

ペットショップとは生体売買を目的にした商売ということ ペットショップの形態は日本特有である

ü  イギリス：生体を展示販売することは虐待とされ、生体を扱うペットショップは存在しない ü  アメリカ：ほとんどの州で生後9週間未満の子犬を展示、陳列することを禁止している ü  スイス：ペットショップでの子犬の販売を禁止している

欧米では禁止されている販売方法である

事業計画書サンプル

事業の概要 事業コンセプト

安全で信頼できるブリーダーからペットを飼えるWebサイト ペットと人間がパートナーとして共存できる市場を構築

主な事業内容

Service: ブリーダーを探せます Price: ペット購入に関わる手数料 Place: Webサイト Promotion: Web上での集客

事業計画書サンプル

ビジネスモデル

ブリーダー 本事業 （かもめ株式会社）

飼育希望者情報

飼育希望者

ブリーダー情報

飼育希望者情報

提携ペットショップ

集客支援

成約情報

¥ (成約マージン40%)

引き取り場所の提供 引き取り場所の提供

成約情報 成約情報

Ø  かもめ株式会社はペットの飼育希望者に対して、ブリーダーとのマッチング・サービスを提供する。

ブリーダー情報

事業計画書サンプル

事業理念、事業ビジョン Ø  事業理念

ü  飼育希望者とブリーダーの透明な場を創造し続ける ü  当該サービスを通して人間と動物のよりよい環境を創造し続ける ü  動物愛護にのっとったコンプライアンスの順守 ü 処分されるペット数の軽減に貢献

Ø  5年後の事業ビジョン ü  ブリーダー経由のペット売買規模 10億円（市場規模：1,319億円） ü  参加ブリーダー数が国内No.1 1,000社（市場全体：1,500社） ü  飼育希望者数が国内No.1 100万人

事業計画書サンプル

顧客および顧客ニーズと市場規模 ターゲット顧客 飼育希望者1 飼育希望者2 ブリーダー1 ブリーダー2

　プロファイル 42歳 妻と10歳の子供と3人暮らし 親が子供のときに犬を飼っていて犬が大好き。

30歳 夫婦2人暮らし ペットを飼うことを憧れていた。

40歳 兼業型ブリーダー ペットで生計を立てていないが趣味でブリーダーをしている。

50歳 専業型ブリーダー ペットで生計を立てている。

　顧客数 犬を飼っている1,000万世帯のうち5%が新たに飼うことから、50万世帯が潜在顧客（世帯）数となる

養殖事業者1,500件のうち1～2割がブリーダー。 150～300社のブリーダーが潜在顧客。

　ニーズ ペットに対する責任感を強くもっており、本当に飼えるかどうか計画している。 犬にとって幸せなブリーダーから飼いたいと思う。 しかし、本当にいいブリーダーが探せない。

ペットを飼うことを憧れていたい。 ネットで探すとブリーダーから飼うのが良さそうだが、直に見られるペットショップでも探そうとしている。 本当に健康なペットを飼いたいと思う。

ペットの提供者、飼育者ともに正しいと思っておらず自分の思いをもっと広めたい。 ブリーダーとしての収益を高めたいが養殖型にはなりたくないと思っており、収入と趣味が両立することを願っている。

多数のペットを扱ってきたが、できればペットを商売道具として考えないように自身の収入とペット事業が両立することを願っている。

市場 規　模（金額・数量） 特　徴

ペット市場全体 9,100億円 市場規模の年度変化は微小

　生体 1,319億円（ペット市場全体の14.5%） 2人以上の世帯の3割が飼育 50万世帯×10万円（1頭あたりの平均価格）

　フード、用品 7,380億円 ペット関連用品の市場は拡大傾向

ü  健康で安全なペットを飼いたい ü  健康で安全なペットを飼うための方法を知りたい

ü  健康で安全なペットを販売したい ü  健康で安全なペットをビジネスとして成り立つ場が欲しい

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生体供給市場

1～2割がブリーダー 150～300社

4～5割が専業繁殖者 600～750社

ペット生体市場全体1,319億円 1,500事業者で生産

1社年間5頭を販売すると 750～1,500頭／年

1社年間30頭を販売すると 18,000～22,500頭／年

スタートアップのコアターゲット

今後を狙うボリュームターゲット

事業計画書サンプル

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取り扱い商品・サービス提供イメージ

項　目 ブリーダー 関連商品

事業コンセプト 安全・安心で信頼できるブリーダーを探せるWebサイト

提供するもの・こと （内容と価格感）

・質の高いブリーダーを紹介 ・受け取りのための場所を提供 （ペットショップによる管理と飼育方法を伝授）

ペットに関連するグッズおよび関連商材の紹介

提供形態 ・Webにて提供（検索システム） ・受け取り場所としてペットショップを活用

自社に商品を抱えるのではなく、商品の紹介と口コミ（価格.com型モデル）

特徴 ・ブリーダーからペットを探せる ・受け取りがペットショップで対応できる

ペットに付随する情報をカスタマー視点で探せる

サービス提供エリア 全国 全国

今のペットショップは生体を商品としているため、 ペットを人生のパートナーとしてサポートできる形態へ移行してもらう

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本事業と競合の重要成功要因 本事業 競合Ａ 競合Ｂ 競合C

会社名 かもめ株式会社 ペットナビ 個人ブリーダー ペットショップ

ターゲット 顧客

飼育希望者（2人以上の世帯）

ニーズ ブリーダーを選びたい ペットを安く飼いたい 安全で安心なペットを飼いたい

かわいい

商品・価格 5万円～20万円 10万円～25万円

販売方法 Webで紹介し、対面販売 店舗販売

プロモー ション

Web 店舗

強み・弱み

強み：ブリーダーから探すこと 弱み：ブリーダーから探すことの認知が低いこと

強み：安くペットを飼えること 弱み：生体売買と見えること

強み：特になし 弱み：個人でやっているため集客力が弱く、取り扱い種類も少ない

強み：ペットの実物を見られる 弱み：生体売買と見えること

資本金

売上

経常利益

従業員数

重要成功 要因

安心・安全で信頼できるブリーダーを多数抱える

取り扱い種類の豊富さと価格 安心・安全を伝える ペットをその場で見る・触れる

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マーケティングプラン Ø  現在想定している商品、価格、チャネル、プロモーションに関する主な特徴は以下のとおり；

商品・サービス 価　　格 ・メイン商材：安心で安全な犬・猫を扱うブリーダーを紹介する ・サブ商材：ペットに付随する商品、サービスを提供する

・ペットショップと同等からその半額程度でペットを購入できるようにする ・本事業体の売上は契約成立に対し成果報酬40%の収益とする

チャネル プロモーション ・Webサイトを中心としたチャネル ・Web上での集客および保健所、NPO、

動物病院を巻き込んだPR活動を実施する

事業計画書サンプル

ビジョン・ストーリー 今年になって息子が小学校に入り、育児も仕事も落ち着いてきた。 先週、息子と近所のホームセンターにあるペット売り場でペットを見た。そろそろ我が家にも犬が欲しいと思えてきた。 ただ、ペット売り場で息子が言った一言が気になっていた。 「あのワンちゃんって売れ残ったらどうなるのかなぁ・・・」 早速、Webでいろいろ探してみた。 どうやら売れ残りのペットたちの行き先がそれなりにあって、仕入れ以下の値段で販売もしているらしい。 最近では保健所につれていくことも少なくなってきたようだ。さらに調べてみると、どうやらペットショップにいるペットたちにはいくつかの問題があることがわかった。 ü  親犬はひたすら交配させられ、子供を生み続けさせるらしい。 ü  生後すぐに親元から離されるため、免疫力が低下し死亡する確率が高いらしい。 このままペットショップで買うことには気が引けた。 1週間後、友人とペットのことで話をしていると日本にもしっかりしたブリーダーがいることを知った。その夜に調べてみると、ブリーダーのサイトや多数のブリーダーからペットを供給しているサイトをいくつか発見した。ほとんどのサイトは子犬を商品かのように写真で全面掲載しているサイトだ。 その中で一つだけ、ブリーダー自身が全面に出ているサイトがあった。まるでブリーダーが自分の子供のように犬を大切に育てているかのように。 その後、このサイトからブリーダーに会うことになった。

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競争優位性

ブリーダーからペットを探せること

ペットを低価格で提供できること

全国のペットショップと連携をとるため、受け取りの不安を解消する

飼育方法およびサポート対応がペットショップでできる

本事業

ペットナビ

個人ブリー

ダー

ペット

ショップ

探す 決める 受け取る 飼育する

◯ ◯ ◯ ◯ × ◯ × × ◯ × × ×

事業計画書サンプル

× × ◯ ◯

事業化方法とステップ

現在

1stステップ：革新期 2013年度

2ndステップ：安定期 2014年度

3rdステップ：改革期 2015年度～

準備 【準備段階】 時間

【共感を呼ぶ段階】

【共感する段階】

【業界を変える段階】 【当該ステップの取り組み】 n 生体以外のペット事業参入

【当該ステップの取り組み】 n 設備、事業制度の向上 n ステークホルダーの満足度向上

【当該ステップの取り組み】 n 市場へのPR n ブリーダー、専業繁殖者の取り込み

n 協力ペットショップの取り込み

事業の成長

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事業収支の前提条件 1頭あたりの平均価格：100,000円 1頭あたりの取引マージン額：40% ブリーダーの年間取扱い頭数：5頭 専業繁殖者の年間取扱い頭数：30頭 5年後の事業状況 ・ブリーダー：300事業者が出店 ・専業繁殖者：700事業者が出店 ・年間取扱い頭数：22,500頭の取引成立 ・年間取扱い売買高：22億5,000万円

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2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度

登録事業者数の推移

ブリーダー 専業繁殖者

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事業収支計画とファイナンスプラン n  初期投資額（資本金）　4,000万円 n  売上高　　　　　　　　初年度　1,700万円　５年度　10億円 n  利益率　　　　　　　　初年度　-135％　５年度　67％　　　 n  累損回収　　　　　　　2013年度から累積損益黒字化

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 売上高 17,000 128,000 345,000 610,000 1,000,000 経常利益 -23,000 56,320 175,950 359,900 670,000 累積経常利益 -23,000 33,320 209,270 569,170 1,239,170

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1,200,000 事業収支の推移（単位：千円）

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本事業に伴うリスク

Ø 市場および消費者ニーズの精度 Ø 法制度の変革にともなう事業継続リスク

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