問₆ 問₅ ア ものとして最も適当なものを次のうちから選び を文中 … ·...

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46

7  文学的文章⑵

イ 

姉に自分の気持ちをきちんと伝えられなかった自分のいたらな

さがなさけない。

ウ 

楽しみにしていた遠足に行けそうもないとわかり、くやしくて

しかたない。

エ 

姉が悪いのではないのに、遠足に行けない無念さを姉にあたっ

てしまって申しわけない。

問₅ 

にあてはまることばとして最も適当なものを次のうちから

選び、記号で答えなさい。

ア 

なんだか気味が悪くなって

イ 

気分を変えて楽しい話をしようと

ウ 

とつぜん出て行っておどろかそうと

エ 

泣き顔を見られるのがいやさに

問₆   

線⑤「どうしても割ってやる」に表れている「僕」の気持ち

を文中から九字で書きぬきなさい。

 

問₇ 

この文章から読み取れる、六年生のときの「僕」について述の

べた

ものとして最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。

ア 

幼おさな

さゆえに感情的になるところはあるが、他人の気持ちを思い

やれる心は持ち合わせている。

イ 

自分の感情を理り

論ろん

的に分ぶん

析せき

できはするが、理り

屈くつ

でなっとくでき

ないことにむきになる傾けい

向こう

がある。

ウ 

事実をしっかり理り

解かい

する力は持っていながら、それに気付いて

いないふりをするずるさが見られる。

エ 

一見従じゅう

順じゅん

だが、人からどう思われるかを気にして行動するとこ

ろがある。

 

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

 

二か月、三か月とすぎた。まだ兵へい

太た

郎ろう

君は学校に姿すがた

をみせない。その

あいだ久きゅう

助すけ

君は兵太郎君についてほとんど何もきかなかった。ただ一度

こういうことがあった。ある朝久助君が教室にはいってくると、ちょう

どいきちがいに、ふたりの級友が机つくえ

を一つ廊ろう

下か

へさげ出していった。「だ

れのだい。」と何げなくきくと、ひとりが「兵タンのだよ。」と答えた。

それだけであった。それからこういうことがもう一度あった。薬屋の音おと

次じ

郎ろう

君が、ある午後裏うら

門もん

の外で久助君を待っていて、いまから兵タンの

ところへ薬を持っていくからいっしょにいこうとさそった。久助君はび

っくりしたが同意して出かけた。薬はアスピリンというよく熱をとる薬

だそうである。兵太郎君はかぜをひいたのがもとだから、このアスピリ

ンで熱をとればすぐなおってしまうと、音次郎君は医者のように自信を

もっていった。ほんとにそうだ、と知らないくせに久助君も思った。そ

れにしても、それほどよくきく薬ならなぜもっと早く持っていってやら

なかったのだろう。やがていつもは通らない村はずれの常じょう

念ねん

寺じ

のまえに

きた。常念寺の土ど

塀べい

の西南のすみに小さな家が土塀によりかかるように

(じじつ、すこし傾かたむ

いている。)たっている。それが兵太郎君の家である。

ふたりは土塀にそって歩いていった。兵太郎君の家のまえにきた。入いり

口ぐち

があいていて中は暗い。人がいるのかいないのかコトリとも音がしない。

陽ひ

のあたる閾しきい

の上で猫ねこ

が前まえ

脚あし

をなめているばかりだ。ふたりの足はとま

らなかった。むしろ足ははやくなった。そして通りすぎてしまい、それ

きりだったのである。

 

久助君はほかの友だちと笑ったり話したりするのがきらいになった。

そして、ひとりでぼんやりしていることが多かった。それからひどくわ

すれっぽくなった。何かしかけてわすれてしまうようなことが多かった。

いま手に持っていた本が、ふと気づくともう手になかった。どこにおい

2

*1

①②

*2

510152025

47

7  文学的文章⑵

たか、いくら頭をしぼってもおもいだせないというふうであった。お使

いにいって、買うものをわすれてしまい、あてずっぽうに買って帰って、

まるでラジオできく落語みたいだと笑われたこともあった。

 

もとから久助君は、どうかするとみなれた風景や人びとの姿が、ひどく

殺さっ

風ぷう

景けい

にあじきなくみえ、そういうもののなかにあって、自分の魂たましい

が、ち

ょうど茨いばら

のなかにつっこんだ手のようにいためられるのを感じることが

あったが、このころはいっそうそれが多く、いっそうひどくなった。こ

んなつまらない、いやなところに、なぜ人間はうまれて、生きなければ

ならぬのかと思って、ぼんやり庭の外の道をながめていることがあった。

また、冷たい水にわずか五分ばかりはいっていただけで、病気にかかり

死なねばならぬ(久助君には兵太郎君が死ぬとしか思えなかった。)人間

というものが、いっそうみじめな、つまらないものに思えるのであった。

 

三学期の終わりころ、ついに兵太郎君が死んだということを久助君は

耳にした。弁べん

当とう

のあと久助君は教きょう

壇だん

のわきでひなたぼっこをしていた。

すると、向こうのすみで話し合っていた一いち

団だん

の中から、

「兵タンが死んだげなぞ。」

とひとりがいった。

「ほうけ。」

と他の者がいった。べつだんおどろくふうもみえなかった。久助君もお

どろかなかった。久助君の心は、おどろくには、くたびれすぎていたのだ。

「うらのわら小屋で死んだまねをしとったら、ほんとに死んじゃったげ

な。」

とはじめのひとりがいうと、他の者たちは明るく笑って、兵太郎君の死

んだまねや腹はら

痛いた

のまねのうまかったことをひとしきり話し合った。

 

久助君はもうきいていなかった。ああ、とうとうそうなってしまった

のかと思った。そっと片かた

手て

を床ゆか

の上の陽なたにはわせてみると、自分の

*3

手はかさかさして、くたびれていて、悲しげに、みにくくみえた。

 

日ひ

暮ぐれ

だった。

 

久助君の体のなかに漠ばく

然ぜん

とした悲しみがただよっていた。

 

昼のなごりの光と、夜のさきぶれの闇やみ

とが、地上でうまくとけあわな

いような、妙みょう

にちぐはぐな感じのひとときであった。

 

久助君の魂は、長い悲しみの連れん

鎖さ

のつづきをくたびれはてながら、旅

人のようにたどっていた。

 

六月の日暮の、微び

妙みょう

な、そして豊ほう

富ふ

な物音が、戸外にみちていた。そ

れでいて静かだった。

 

久助君は眼め

を開いて、柱にもたれていた。何かよいことがあるような

気がした。いやいやまだ

はつづくのだという気もした。

 

すると遠いざわめきのなかに、一こえ仔こ

山や

羊ぎ

のなき声がまじったのを

ききとめた。久助君はしまったと思った。生まれてからまだ二十日ばか

りの仔山羊を、ひるま川上につれていって、昆こん

虫ちゅう

を追っかけているうち

ついわすれてきてしまったのだ。しまった。それと同時に、仔、山、羊、は、ひ、

と、り、で、帰、っ、て、き、た、の、だ、と確かく

信しん

をもって思った。

 

久助君は山羊小屋の横へかけ出していった。川上の方をみた。

 

仔山羊は向こうからやってくる。

 

久助君にはほかのものは何も眼にはいらなかった。仔山羊の白いかれ

んな姿だけが、  

仔山羊と自分の地点をつなぐ距き

離り

だけがみえた。

 

仔山羊は立ちどまっては川かわっ

縁ぷち

の草をすこし喰は

み、またすこし走っては

立ちどまり、無心に遊びながらやってくる。

 

久助君はむかえにいこうとは思わなかった。もうたしかにここまでく

るのだ。

 

仔山羊は電車道もこえてきたのだ。電車にもひかれずに。あの土手の

こわれたところもうまくわたったのだ。よく川に落ちもせずに。

*4

3035404550

5560657075

48

7  文学的文章⑵

 

久助君は胸むね

が熱くなり、なみだが眼にあふれ、ぽとぽとと落ちた。

 

仔、山、羊、は、ひ、と、り、で、帰、っ、て、き、た、の、だ、。

 

久助君の胸に、今年になってからはじめての春がやってきたような気

がした。

 

久助君はもう、兵太郎君が死んではいない、きっと帰ってくる、とい

う確信を持っていたので、あまりおどろかなかった。

 

教室にはいると、そこに  

いつも兵太郎君のいたところに、洋服に

着かえた兵太郎君が白くなった顔でにこにこしながら腰こし

かけていた。

 

久助君は自分の席についてランドセルをおろすと、眼を大きく開いた

まま、兵太郎君をみてつっ立っていた。そうすると自然に顔がくずれて、

兵太郎君といっしょに笑い出した。

 

兵太郎君は海かい

峡きょう

の向こうの親しん

戚せき

の家にもらわれていったのだが、どう

してもそこがいやで帰ってきたのだそうである。それだけ久助君は人か

らきいた。川のことがもとで病気をしたのかしなかったのかはわからな

かった。だがもうそんなことはどうでもよかった。兵太郎君は帰ってき

たのだ。

 

休きゅう

憩けい

時じ

間かん

に兵太郎君が運動場へはだしでとび出していくのを窓まど

からみ

たとき、久助君は、しみじみこの世はなつかしいと思った。そしてめっ

たなことでは死なない人間の生いのち命

というものが、ほんとうに尊とうと

く、美し

く思われた。

(新にい

美み

南なん

吉きち

「川」)

*1兵

太郎君=二、三か月前に久助君たちと川遊びをしていて、体のぐ

あいが悪くなり、それから学校へ来ていない。

*2閾=門や出入り口などのしきりにしく横木。

*3茨=とげのある低木。

*4喰む=食べる。

問₁   

線①「兵タンのところ」とありますが、兵太郎君の家はどこ

にあるのですか。

問₂   

線②「自信をもっていった」音次郎君のことばは、どこから

どこまでですか。文中からその部分の初めと終わりの六字を書きぬ

きなさい。

〜 

問₃   

線③「ふたり」とはだれとだれですか。

問₄   

線④「ふたりの足はとまらなかった。むしろ足ははやくなっ

た」とありますが、このときの「ふたり」の心しん

情じょう

を述の

べたものとし

て最も適てき

当とう

なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。

ア 

兵太郎君の家のなごやかなふんいきを感じ、これなら兵太郎君

も元気にちがいないと確信している。

イ 

兵太郎君の家のしんとしたふんいきが兵太郎君の病気の重さを

物語るように思え、不安が強まってきている。

ウ 

二人とも猫が苦手なので、飛びかかられたらどうしようと、お

びえている。

エ 

家の中からもし兵太郎君が出てきたら、どんな話をすればよい

かわからないと、とまどっている。

問₅   

線⑤「何かしかけてわすれてしまうようなことが多かった」

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7  文学的文章⑵

とありますが、そのような久助君のお使いの様子をたとえた八字の

ことばを文中から書きぬきなさい。

問₆   

線⑥「このころはいっそうそれが多く、いっそうひどくなっ

た」とありますが、久助君はどんな気持ちでいるのですか。最も適

当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。

ア 

家の人に笑われ、投げやりになっている。

イ 

同級生にいじめられて気分が落ちこんでいる。

ウ 

兵太郎君への心配がきっかけで精せい

神しん

的てき

にまいっている。

エ 

日々の生活にあきて、うんざりしている。

問₇   

線⑦「ああ、とうとうそうなってしまったのか」とありますが、

このとき久助君が思った内ない

容よう

を二十字以内で具体的に書きなさい。

問₈   

線⑧「日暮だった」とありますが、明るさと暗さが入れかわ

りつつある、不安定な日暮の様子を表している一文を文中からさが

し、その初めの五字を書きぬきなさい。

問₉ 

にあてはまることばを文中から

三字で書きぬきなさい。

問₁₀   

線⑨「仔山羊と自分の地点をつなぐ距離だけがみえた」とあ

りますが、ここから久助君のどんな様子がわかりますか。最も適当

なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。

ア 

だんだん近づいてくる仔山羊の姿だけを見つめている。

イ 

仔山羊がどこにいるか見うしなっている。

ウ 

なみだがあふれて仔山羊の姿がよく見えずにいる。

エ 

仔山羊のほうへ向かって一直線に走っていっている。

問₁₁   

線⑩「久助君の胸に……はじめての春がやってきたような気

がした」とありますが、ここから久助君についてどんなことがわか

りますか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。

ア 

いつまでたっても気持ちが晴れないでいること。

イ 

まだ悲しみはつづくのだと思ってあきらめていること。

ウ 

美しい風景を目にして気分がなごんでいること。

エ 

心の中に希望のようなものがわいてきていること。

問₁₂   

線⑪「兵太郎君が死んではいない、きっと帰ってくる、とい

う確信を持っていた」とありますが、久助君がこういう確信を持つ

ことになったのはどんなことと関係がありますか。二十字以内で書

きなさい。

問₁₃   

線⑫「兵太郎君は帰ってきた」ことから、久助君は人間の生

命をどう感じましたか。文中から十五字で書きぬきなさい。

50

7  文学的文章⑵

 

文は次のような型かた

に分けることができます。

① 何(だれ)が 

何だ。   

② 何(だれ)が 

どうする。

③ 何(だれ)が 

どんなだ。 

④ 何(だれ)が 

ある(いる/ない)。

 

右の型の「何(だれ)が」にあたる部分を主語、「何だ」「どうする」

「どんなだ」「ある(いる/ない)」にあたる部分を述じゅつ

語ご

と言います。

 

主語や述語のように、文を組み立てている文節を、はたらきの上か

ら分けたものを文の成分と言います。

例 父は 

音楽家だ。  

風が 

ふく。

 

山は 

高い。    

家が 

ある。

 

文の中で、他のことばをくわしく説明する(修しゅう

飾しょく

する)ことばを修

飾語と言います。

例 今日、ぼくは 

パンを 

食べた。

 「今日」はいつ「食べた」のか、「パンを」は何を「食べた」のかを

示しめ

し、ともに「食べた」をくわしく説明しています。

 

文の成分には他に、前後の文やことばをつなぐはたらきの接せつ

続ぞく

語ご

他の部分からわりあい独どく

立りつ

している独立語があります。

主語

述語

主語

述語

主語

述語

主語

述語

修飾語

主語

修飾語

述語

 

次の各文は、あとの文の型のどれにあたりますか。それぞれ記号で答

えなさい。

⑴ 

あなたの考え方はとてもすてきです。

⑵ 

ぼくが今食べたいのはたいやきだ。

⑶ 

隊長は司令室の中にいます。

⑷ 

春にはいろいろな草花が芽を出す。

ア 

何(だれ)が 

何だ。

イ 

何(だれ)が 

どうする。

ウ 

何(だれ)が 

どんなだ。

エ 

何(だれ)が 

ある(いる/ない)。

 

次の  

線部の述語に対たい

応おう

する主語を一文節で書きぬきなさい。

⑴ 

三角定じょう

規ぎ

も算数の勉強に必要な道具です。

⑵ 

一人でできないときはぼくが手て

つだ伝

うよ。

 

次の  

線部の主語に対応する述語を一文節で書きぬきなさい。

⑴ 

空は時間によって色をころころ変える。

⑵ 

ぼくらのかくれがは森の木の上にある。

123

文の成分

51

7  文学的文章⑵

 

次の各文から、主語と述語をそれぞれ一文節で書きぬきなさい。

⑴ 

波に反はん

射しゃ

した光がきらきらとかがやく。

主語 

述語 

⑵ 

本当に一人でるすばんをするのね、あなたは。

主語 

述語 

⑶ 

ぼくは君の絵をすばらしいと思うよ。

主語 

述語 

⑷ 

一体だれが勝つだろうか、明日の試合で。

主語 

述語 

 

次の  

線部の修飾語は、どのことばをくわしく説明していますか。

一文節で書きぬきなさい。

⑴ 

あさって、ぼくは父といっしょに北海道に行きます。

⑵ 

あの人はギョーザを腹はら

いっぱい食べたいと言っています。

⑶ 

月にはうさぎがもちつきをしているように見える模も

様よう

がある。

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⑷ 

春に花だんに植えた花が、今はきれいにさいています。

⑸ 

とても大きなトラックが目の前を横切った。

 

次の  

線部のことばをくわしく説明している修飾語をすべて書きぬ

きなさい。

⑴ 

わたしたちは、何度も水を飲んだ。

⑵ 

とても大きく強そうなカブトムシに糸をつけて引っ張ぱ

らせた。

⑶ 

あなたにわたしの友人が手紙を預あ

けたと聞いたのですが。

⑷ 

木のかげから現あらわ

れた男は、さっと地図をわたすとすぐにいなくなっ

た。

⑸ 

毎日ここで、かみが白くてせの低いおばあさんがジュースを買うん

です。

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