a. ejiri...
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A. Ejiri
教養学部生のための磁気リコネクション入門(磁気リコネクション 磁気再結合 Magnetic Reconnection)(磁気リコネクション、磁気再結合、Magnetic Reconnection)
東京大学大学院新領域創成科学研究科江尻晶
H19年度全学自由研究ゼミナ ルH19年度全学自由研究ゼミナール「複雑理工学の探求(巨視的物理現象論)」講義資料改変
内容内容
磁気リコネクションの役割磁気リ ネクシ 役割
プラズマの基礎
磁気リ ネクシ磁気リコネクション
成果と課題成果と課題
A. Ejiri磁気リコネクションの役割
(磁気再結合 Magnetic Reconnection)(磁気再結合、Magnetic Reconnection)
トポロジーの変化:プラズマの混合 輸送トポロジ の変化:プラズマの混合、輸送太陽風と地磁気圏http://science.nasa.gov/ssl/pad/sppb/edu/magnetosphere/, http://www.jsf.or.jp/tamatebako/solarJ/SolarMax3/whatis.html
お る鋸歯状 動トカマクにおける鋸歯状活動http://www.lhd.nifs.ac.jp/result/nifs_news/2005/161.html
電子加熱、イオン加熱電子加熱、イオン加熱太陽コロナhttp://www.isas.jaxa.jp/home/solar/yohkoh/corona.html
プラズマ合体jasosx.ils.uec.ac.jp/JSPF/JSPF_TEXT/jspf1999/jspf1999_04/jspf1999_04‐
467.pdf
オーロラhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%A9
発電(磁場生成)発電(磁場生成)地磁気http://www.es.jamstec.go.jp/esc/research/Solid/research/index.ja.html
逆磁場ピンチプラズマhttp://unit aist go jp/energy/plasmaf/FP‐5 htm逆磁場ピンチプラズマhttp://unit.aist.go.jp/energy/plasmaf/FP 5.htm
A. Ejiri
自然界のプラズマ
2007/5/11 3
A. Ejiri
プラズマ中の衝突と抵抗(I)衝突があると衝突があると抵抗が存在ー>磁場の拡散粒子が拡散する
衝突がないと抵抗が小さいー>プラズマは超電導体のようにふるまう。抵抗が小さい >プラズマは超電導体のようにふるまう。超電導体ー>磁場がしみこまない、磁場が逃げない
ー>磁場の凍結ー>磁場はプラズマとともに動く
電子とイオンの衝突(クーロン散乱)を見積もる +Ze
-e r0
衝突とは電子の軌道が大きく曲がること衝突が起きているとき、運動エネルギー~クーロンエネルギー 0
2
2
000
22
~4
~2 επε ee
ee
vmZer
rZevm
⇒運動 ネルギ ク ン ネルギ
この式から衝突が起きているときの距離r0を定義して
20
42
422
0
000
~~
42
επσ
επε ee
vmeZr
vmr
r0を定義して、衝突断面積σを求める。
0εee vm
A. Ejiri
プラズマ中の衝突と抵抗(II)衝突時間は衝突する確率が1になる時間衝突時間は衝突する確率が1になる時間
このとき、投影面積の割合が1になるπr0 :断面積n:密度
1vn eτσ =
( )42
2/320
42
20
32
~~1~enZkTm
enZvm
vneeee
e
εεσ
τ投影
eveτ
電気抵抗を求める電場Eで加速されるが 衝突時間τごとに電場方向の速度が0になるとする。電場Eで加速されるが、衝突時間τごとに電場方向の速度が0になるとする。
一方 抵抗率ηの定義から eeee m
eEveEvm ττ −=⇒−=一方、抵抗率ηの定義から
よ て抵抗率はe
e meEnenevjE τηηη ===
よって抵抗率は
320
22
2 ~~ee
e
vmeZ
nem
ετη
n:密度依存性はキャンセルし、速度(温度)に強く依存
A. Ejiri
プラズマ中のオームの法則
プラズマ中の電子集団の運動方程式を考える。
( ) RBvEnedvnm ee +×+−= (イオンとの衝突)
イオンとの衝突は抵抗
プラズマ中のオ ムの法則は
( )
jRdte
η→
(イ 衝突)
プラズマ中のオームの法則は
電磁流体の基本方程式の つ
jBvErrrrη=×+
電磁流体の基本方程式の一つ
MHD推進jからvを生成jからvを生成超電導船の推進器(船の科学館)
MHD発電MHD発電vからjを生成
A. Ejiri
サイクロトロン運動 B
サイクロトロンとは加速器の名前
電子、イオンはローレンツ力を受けて磁力線に垂直な力を受ける e Bevdvm ×=
-eρ
磁力線に垂直な力を受ける。
遠心力とローレンツ力の釣り合いから回転する角周波数(サイクロトロン周波数)が求められる
ee
eBBevvmv
Bevdt
m
−=⇒−==
×−=
⊥ ωρω2
波数)が求められる。ρはサイクロトロン半径、ラーマ半径
電子 イオンは磁力線の周りを螺旋運
ee m
Bevmv =⇒== ⊥⊥ ωρ
ρω ,
電子、イオンは磁力線の周りを螺旋運動しながら磁力線に沿って運動する。 B
太陽コロナでのサイクロトロン半径イオン:~10m電子:~0.1m
A. Ejiri磁力線の凍結(I)
電気抵抗0の物質でできたループを貫く磁束Φを考える。 Φ
磁場が変化したり、ループが移動するとループに誘導電場が生じる。
誘導電場によって生じる電流は磁場の変化を打ち消す。抵抗が小さいと電流が大きく、打ち消しが100%となる。抵抗が小さいと電流が大きく、打ち消しが100%となる。抵抗0の物質には0以外の電場が生じると電流が無限大になる。->電場は常に0に保たれる。 E/I
その結果、磁束は変化しない。磁束はル プとともに移動する ∫ •=Φ dSB磁束はループとともに移動する。
抵抗が有限の時磁束は、変化する。∫
∫
Φd η抵抗が有限の時磁束は、変化する。∫ •∇=
Φ dSBdtd 2
0μη
A. Ejiri
磁力線の凍結(II)
プラズ は抵抗が小さい
( )
Bプラズマは抵抗が小さい磁束はプラズマとともに動く
磁力線に沿ってプラズマは動く
プラズマと磁力線は 体とな て動くプラズマと磁力線は一体となって動く(磁力線の凍結)
団子とくしの関係
A. Ejiri磁力線の拡散
磁束Φの変化は抵抗に依存抵抗がない時、磁束は保存さ
れ 磁場はプ ズ とともに動く
μη 2
0
dSBdtd
⋅∇=Φ
∫れ、磁場はプラズマとともに動く
抵抗があるとき 磁場は拡散μη 2
0
BtB
∇=∂∂
抵抗があるとき、磁場は拡散、減衰する。拡散方程式に従う。
μη 2
021 x
tExp
tB ⎟⎟
⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛−∝
典型的な時間は抵抗に反比例し、大きさの二乗に比例する。 η
μ 20aT =
抵抗が小さく、大きい場合は抵抗は無視でき 磁場は減衰しな
η
抗は無視でき、磁場は減衰しない。 L R Exp(-Rt/L)
LR回路の場合はL/Rが時定数 t
A. Ejiri
磁力線を用いて高温プラズマを閉じ込める
磁力線に沿ってプラズマが動くのであれば、磁力線をループにすれば、端がなくなる
冷たい容器
磁力線端がなくなる。
実験室で高温プラズマを生成するに 熱いプラズマ
磁力線
サイクロトロン実験室で高温プラズマを生成するには、このような入れ子状の磁力線(磁気面)を用いる。
熱いプラズマサイクロトロン運動
(磁気面)を用 る。
衝突があれば、一本の磁力線から別 磁力線に回転中心が変わりうる別の磁力線に回転中心が変わりうる。ただし、衝突は温度が高い時には小さくなり無視できるさくなり無視できる。
磁気再結合により磁場構造が変わ磁気再結合 り磁場構造 変わると、熱いプラズマが一気に逃げる。
A. Ejiri磁気リコネクションによる混合
磁場は▽・Β=0より、端を持たず、分岐、生成しない。しかし、つなぎ変わることはできる。
磁力線に沿ってプラズマは動くので、磁力線に沿ってプラズマは動くので、磁気再結合により、それまで分離されていたプラズマが混合する。
太陽風中のプラズマが磁気圏に入り込む。入り込む。
•http://space.rie edu/ISTP/dia
A. Ejiri磁気リコネクション(I)
反平行磁場が押し付けられると真中に電流シ トができる中に電流シートができる。アンペールの法則から
2)( jLjdSBLLBLBdB +∫ ∫ μμ 002)(
in
ininin
Bj
jLjdSBLLBLBdsB
=
===−−+=∫ ∫Bin
-Bi
j
δμ0
jBin
Vi
∂∂
−=×∇tBE
Vin
0=×+
=
BvE
jErrr
rrη
Vin0=×+ BvE
この中を貫く磁束の変化
A. Ejiri磁気リコネクション(II)
B定常状態で電磁誘導の法則を流入側と流出側に適用すると
LBin
流入側と流出側に適用するとδ Vout
Boutoutoutinin BVBVBVE ==×=−
Vin
Vinこの中を貫く磁束の変化
プラズマに凍結された磁束がプラズ とともに動くズマとともに動く。
同様に流入側と流出側の質量の同様に流入側と流出側の質量の保存から δoutin VLV =
A. Ejiri磁気リコネクション(III)
磁場はエネルギー(圧力)をもつ。まがった磁場は張力でまっすぐに
2
2μB
まがった磁場は張力でまっすぐになろうとする。磁場まっすぐになる時にプラズマが加速され 動 ネ ギ も得る
02
μ
μ
outin BB
が加速され運動エネルギーも得る。2
0
μδρ
μ
outinout
BBL
V =B 0μL
LBin
δ Vout
Boutソレノイドコイルのもつ磁場エネルギー
2
VolumeBLI ×=0
22
221
μ
A. Ejiri磁気リコネクション(IV)
これまでの式をまとめるとこれまでの式をまとめると
δμinBj =
その結果
0
δηδμ
outoutinin
VLVBVBVjE ===
Ain VBV ==
プラズマ加速が起きる
2 δρ
δ
outinout
outin
BBL
V
VLV
=
= Aout VVρμ0
(電子)加熱が起きる0μ
ρ out L
BVin
(電子)加熱が起きる
2jη
LBin
磁気再結合の時間スケールは
δ Vout
Bout ημV
LVL 3
0=
Vin
ηAin VV
A. Ejiri成果と課題
成果磁気再結合によってエネルギーが生成される。
(磁場エネルギ を経由して)(磁場エネルギーを経由して)電子加熱、イオン加熱、プラズマ加速磁場(プラズマ)のトポロジーの変化磁場(プラズマ)のトポロジ の変化熱エネルギーから磁場を生成する
課題観測される時間スケールが短い例 太陽フレア 計算では107秒例:太陽フレア 計算では107秒、
実際には103秒電子加熱、イオン加熱の定量的説明電子加熱、イオン加熱の定量的説明非定常3次元配位
A. Ejiri磁力線の凍結と拡散(式での説明)
オームの法則から出発オ ムの法則から出発
プラズマとともに動くある閉曲線を貫く磁束Φ=×+ jBvE ηrrrr
Φ
の時間変化は
∫ •=Φ dSB
の時間変化は
( )∫ ∫ ו+•∂∂
=Φ dsvBdS
tB
dtd Δt後
時間変化 閉曲線の移動
スカラー三重積
( )
( )∫ ∫
∫ ∫
•×+•∂∂
=
∂
dsvBdStB
tdt vΔt
ds
マクスウェル方程式( ){ } ( )∫∫
∫ ∫
•×+×∇•××∇+×∇
∂
dSBvEdSBvE
t
B∂ ( ){ } ( )
∫∫∫
•×∇−=
•×+×∇−=•××∇+×∇−=
dSj
dSBvEdSBvE
ηEjB
tBE
∂+=×∇
∂∂
−=×∇
1μ
∫
∫•∇= dSB2
0μηtc
jB∂
+=×∇ 20μ ( ) BBB 2∇−⋅∇∇=×∇×∇