ad8345: 250 ~ 1000 mhz の直交変調器 - analog devices...250~1000mhzの直交変調器...

17
正誤表 社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル 電話 0354028200 大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー 電話 0663506868 この製品の英語データシートに間違いがありましたので、お詫びして訂正いたします。 この正誤表は、2012 7 10 日現在、アナログ・デバイセズ株式会社で確認した誤りを 記したものです。 英語データシートのリビジョンは改定されており、この誤りは訂正されています。あらか じめご承知おきください。 正誤表作成年月日: 2012 7 10 製品名:AD8345 対象となる英語データシートのリビジョン(Rev)Rev.0 訂正箇所: P.2 SPECIFICATIONS テーブル内、RF 出力の動作周波数を次のように修正します。 誤)Min250正)Min140

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Page 1: AD8345: 250 ~ 1000 MHz の直交変調器 - Analog Devices...250~1000MHzの直交変調器 アナログ・デバイセズ株式会社 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ

正誤表

本 社/105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル 電話 03(5402)8200

大阪営業所/532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー 電話 06(6350)6868

この製品の英語データシートに間違いがありましたので、お詫びして訂正いたします。

この正誤表は、2012 年 7 月 10 日現在、アナログ・デバイセズ株式会社で確認した誤りを

記したものです。

英語データシートのリビジョンは改定されており、この誤りは訂正されています。あらか

じめご承知おきください。

正誤表作成年月日: 2012年 7月 10日

製品名:AD8345

対象となる英語データシートのリビジョン(Rev):Rev.0

訂正箇所:

P.2

SPECIFICATIONSテーブル内、RF出力の動作周波数を次のように修正します。

誤)Min「250」

正)Min「140」

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250~1000MHzの直交変調器 

アナログ・デバイセズ株式会社

アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ

の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害

に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特

許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。

本   社/東京都港区海岸1-16-1 電話03(5402)8400 105-6891ニューピア竹芝サウスタワービル

大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代)532-0003新大阪第二森ビル

REV.0

AD8345特長動作周波数:250~1000MHz

P1dB出力:800MHzで+2.5dBm

ノイズ・フロア:-155dBm/Hz

RMS位相誤差(IS95):0.5度

振幅バランス: 0.2dB

2.7~5.5V単電源動作

AD8346とピン・コンパチブル

16ピン・パドル露出型TSSOPパッケージ

アプリケーション移動通信システム

W-CDMA/CDMA/GSM/PCS/ISMトランシーバ

固定ブロードバンド・アクセス・システムLMDS/MMDS

ワイヤレスLAN

ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)

デジタルTV/CATV変調器

シングル・サイドバンド・アップコンバータ

製品概要AD8345は、250~1000MHz動作のRFIC直交変調器(モジュレータ)です。優れた位相精度と振幅バランスにより、IFキャリアの高性能な直接変調を実現します。AD8345は、多相位相スプリッタ回路を使って、外部LO信号を2つの直交成分に正確に分けます。IおよびQの2つのLO成分は、ベースバンドI差動入力信号とベースバンドQ差動入力信号とミックスされます。最終的に、2つのミキサー出力は出力ステージで結合されて、VOUTからシングルエンド50Ω駆動で出力されます。

アプリケーションAD8345変調器は、GSMトランシーバやPCSトランシーバなど、デジタル通信システムのIF送信側変調器として使用できます。また、900MHz通信システム、デジタルTVシステム、CATVシステム向けに、LO信号を直接変調して、QPSKフォーマットなど各種QAMフォーマットを出力させることもできます。さらに、この直交変調器をハイブリッド位相ロック・ループ内でダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)と組み合わせて使用すると、広い周波数範囲でミリヘルツ単位の分解能を持つ信号を生成できます。AD8345変調器は、パドル露出型の16ピンTSSOPパッケージを採用し、-40~+85の温度範囲で仕様規定されています。AD8345は、アナログ・デバイセズの最新のシリコン・バイポーラ・プロセスで製造されています。

16 QBBP

QBBN15

COM314

COM313

VPS212

VOUT11

COM210

COM39

1IBBP

2IBBN

3COM3

4COM1

5LOIN

6LOIP

7VPS1

8ENBLBIAS

+

位相 スプリッタ

AD8345

機能ブロック図

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AD8345―仕様

2 REV.0

(特に指定のない限り、VS=5V、LO=800MHzで-2dBm、信号源インピーダンスおよび負荷インピーダンス:50Ω、

I入力およびQ入力:0.7V±0.3V(1.2Vp-pの差動入力)、1MHzベースバンド周波数でI入力およびQ入力を直交駆動、TA=25)

パラメータ 条件 Min Typ Max 単位

RF出力動作周波数1 250 1000 MHz出力電力 -3 -1 +2 dBmP1出力dB 2.5 dBmノイズ・フロア LOからのオフセット:20MHz、全BB入力=0.7V -155 dBm/Hz直交誤差 (CDMA IS95セットアップ、図13参照) 0.5 度rmsI/Q振幅バランス (CDMA IS95セットアップ、図13参照) 0.2 dBLOリーク -42 -33 dBmサイドバンド除去比 -42 -34 dBc3次歪み -52 dBc2次歪み -60 dBcIP3等価出力 25 dBmIP2等価出力 59 dBm出力リターン損失(S22) -20 dB

CDMA IS95の応答 (図13参照)ベースバンド信号ACPR -72 dBcEVM 1.3 %Rho 0.9995

LO入力LO駆動レベル -10 -2 0 dBmLOIP入力のリターン損失(S11)2

LOIPは終端なし、 -5 dBLOINは50Ω終端抵抗を介してACグラウンドに接 -9 dB続し、平衡不平衡変成器を使って差動駆動

ベースバンド入力入力バイアス電流 10 μA入力容量 2 pFDCコモン・レベル 0.6 0.7 0.8 V帯域幅(3dB) フルパワー(各入力0.7V±0.3V、特性2参照) 80 MHz

ENABLEターンオン イネーブル・ハイにして、最終値の0.5dB以内に出力 2.5 μsターンオフ イネーブル・ローにして、電源電流を2mA未満に削減 1.5 μsENBLハイ側スレショルド(ロジック1) +VS/2 VENBLロー側スレショルド(ロジック0) +VS/2 V

電源電圧 2.7 5.5 V動作時電流 50 65 78 mAスタンバイ電流 70 μA

注1. 250MHz以下での動作については、図4を参照。2. 入力のマッチングについては、LO駆動の節を参照。

仕様は予告なく変更されることがあります。

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AD8345

3REV.0

注意ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネルギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能喪失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。

WARNING!

ESD SENSITIVE DEVICE

絶対最大定格*電源電圧VPS1、VPS2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.5VLOIP、LOINの入力電力(50Ω)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10dBmIBBP、IBBN、QBBP、QBBN ・・・・・・・・・・・・・・・・・・0V、2.5V内部ワット損 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・500mWθJA(露出パドルのハンダ付けあり)・・・・・・・・・・・・・・30/W

θJA(露出パドルのハンダ付けなし)・・・・・・・・・・・・・・95/W

最大接合温度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150動作温度範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-40~+85保管温度範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-65~+150ピン温度範囲(ハンダ処理、60秒)・・・・・・・・・・・・・・・・・300*上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えるとデバイスに恒久的な損傷を与えることがあります。この規定はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セクションに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長時間絶対最大定格状態に置くとデバイスの信頼性に影響を与えます。

ピン配置

16

15

14

13

12

11

10

9

QBBP

QBBN

COM3

COM3

VPS2

VOUT

COM2

COM3

1

2

3

4

5

6

7

8

IBBP

IBBN

COM3

COM1

LOIN

LOIP

VPS1

ENBL

AD8345上面図

(縮尺は異なります)

製品モデル 温度範囲 パッケージ パッケージ・オプション

AD8345ARE -40~+85 チューブ(16ピン・パドル露出型TSSOP) RE-16AD8345ARE-REEL 13インチのテープおよびリールAD8345ARE-REEL7 7インチのテープおよびリールAD8345-EVAL 評価ボード

オーダー・ガイド

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AD8345

4 REV.0

ピン番号 記号 機能 等価回路

1、2 IBBP、IBBN Iチャンネルのベースバンド差動入力ピン。これらは高インピーダンス入力なので、約0.7VにDCバイアスする必要があります。公称キャラクタライゼーションでのACスイッチング特性は、各ピンとも0.6Vp-p(0.4~1V)。これは1.2Vp-pの差動駆動になります。両入力はセルフ・バイアスされていないので、AC結合アプリケーションでは外付けのバイアス回路が必要です。

3、9、13、14 COM3 V/Iコンバータとミキサー・コアの入力に対するグラウンド・ピン。4 COM1 LO位相スプリッタ・バッファとLOバッファに対するグラウンド・ピン。5、6 LOIN、LOIP LO差動駆動ピン。内部DCバイアス(約1.8V @VS=5V)あり。両ピンにはAC結合

が必要。シングルエンドまたは差動駆動が可能。7 VPS1 バイアス・セル・バッファとLOバッファに対する電源ピン。このピンは、近くに

1000pFと0.01μFのコンデンサを接続してデカップリングする必要があります。8 ENBL イネーブル・ピン。ハイレベルでデバイスをイネーブルにし、ローレベルではデバ

イスをスリープ・モードに設定。10 COM2 出力アンプの出力ステージに対するグラウンド・ピン。11 VOUT 50Ω DC結合のRF出力。このピンにはAC結合が必要です。12 VPS2 ベースバンド入力電圧/電流コンバータとミキサー・コアに対する電源ピン。この

ピンは、近くに1000pFと0.01μFのコンデンサを接続してデカップリングする必要があります。

15、16 QBBN、QBBP Qチャンネル・ベースバンド差動入力ピン。これらの入力は、約0.7VにDCバイアスする必要があります。公称キャラクタライゼーションACスイッチングは各ピンとも0.6Vp-p(0.4V~1V)。これは1.2Vp-pの差動駆動レベルになります。両入力はセルフバイアスされていないので、AC結合アプリケーションでは外付けのバイアス回路が必要です。

ピン機能の説明

回路A

回路B

回路C

回路D

回路A

入力

電流ミラー

回路A 回路C

回路B 回路D

ミキサー・コアへ バッファ

VPS2

位相 スプリッタ が続く

LOIN

VPS1

LOIP

ENBL

100kΩ

VPS2

100kΩ100kΩ

STARTUP/ SHUTDOWNの バイアスへ

40Ω

40Ω

VPS2

VOUT

図1 等価回路

等価回路

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代表的な性能特性―AD8345

5REV.0

LO周波数―MHz

0

250

SSB電力―dBm

–2

–4

–6

–8

–10

–12

–14

–16

–18

–20300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800 850 900 9501000

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

ベースバンド周波数―MHz0.1

出力電力変動―dB

–5.51 10 100

VS=2.7V、5V、差動入力=200mVp-p

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

–5.0

–4.5

–4.0

–3.5

–3.0

–2.5

–2.0

–1.5

–1.0

–0.5

0.0

0.5

1.0

温度― –40

SSB電力―dBm

–260 40 80

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

–24

–22

–20

–18

–16

–14

–12

–10

–8

–6

–4

–2

0

–20 20 60

LO周波数―MHz

250

SSB出力P1dB―dBm

500 800

TA = +85°C

–16

–14

–12

–10

–8

–6

–4

–2

0

350 650 950300 400 450 550 600 700 750 850 900 1000

TA = –40°C

TA = +25°C

LO周波数―MHz250

SSB出力P1dB―dBm

500 800

TA = +85°C

–0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

350 650 950300 400 450 550 600 700 750 850 900 1000

TA = –40°C

TA = +25°C

4.0

LO周波数―MHz250

キャリア・フイードスルー―dBm

500 800

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

–50350 650 950300 400 450 550 600 700 750 850 900 1000

–49

–48

–47

–46

–45

–44

–43

–42

–41

–40

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

特性1 シングル・サイドバンド(SSB)出力電力(POUT)とLO周波数(FLO)の関係(IとQの両入力をベースバンド周波数(FBB)=1MHzで直交駆動、TA=25)

特性2 IとQの入力帯域幅(TA=25、FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、IとQの両入力を直交駆動)

特性5 SSB出力1dB抑圧ポイント(OP 1dB)対FLO(VS=5V、LOレベル=-2dBm、IとQの両入力を直交駆動、FBB=1MHz)

特性3 SSB POUTの温度特性(FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、FBB=1MHz、IとQの両入力を直交駆動)

特性6 キャリア・フイードスルー対 FLO(LOレベル=-2dBm、TA=25)

特性4 SSB出力1dB抑圧ポイント(OP 1dB)対FLO(VS=2.7V、LOレベル=-2dBm、IとQの両入力を直交駆動、FBB=1MHz)

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AD8345

6 REV.0

温度― –40

キャリア・フイードスルー―dBm

0–50

–20 20 40 60 80

–48

–46

–44

–42

–40

–38

–36

–34

–32

–30

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

キャリア・フイードスルー―dBm +25で-65dBm未満にNULL調整後

–86

パーセント値

30

28

26

24

22

20

18

16

14

12

10

8

6

4

2

0–82 –78 –74 –70 –66 –62 –58 –54 –50

T = +85

T = –40

LO周波数―MHz

サイドバンド除去比―dBc

–30

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

1000

–32

–34

–36

–38

–40

–42

–44

–46

–48

–50950900850800750700650600550500450400350300250

ベースバンド周波数―MHz

サイドバンド除去比―dBc

–26

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

50

–28

–30

–32

–34

–36

–38

–40

–42

–44454035302520151050

温度―

サイドバンド除去比―dBc

–35

80

–37

–38

–39

–40

–41

–42

–43

–44

–456040200–20–40

–36

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

ベースバンド周波数―MHz

3次歪み―dBc

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

–650

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

–60

–55

–50

–45

–40

–35

–30

–25

–20

5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

特性7 キャリア・フイードスルー対 LO 周波数(FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm)

特性8 温度上下限界値におけるキャリア・フイードスルーの分布+25で-65dBm未満にNULL調整後TA=25(FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm)

特性11 サイドバンド除去比の温度特性(FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、FBB=1MHz、IとQの両入力を直交駆動)

特性9 サイドバンド除去比対 FLO(TA=25、LOレベル=-2dBm、FBB=1MHz、IとQの両入力を直交駆動)

特性12 3次歪み対 FBB(TA=25、FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、IとQの両入力を直交駆動)

特性10 サイドバンド除去比対 FBB(TA=25、FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、IとQの両入力を直交駆動)

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AD8345

7REV.0

温度―

3次歪み―dBc

–45

80

–55

–65

–70

–75

–806040200–20–40

–50

–60

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

ベースバンド差動入力電圧―Vp-p

3次歪み―dBc

–10

SSB POUT

3.02.52.01.51.00.50.0

3次歪み

–15

–20

–25

–30

–35

–40

–45

–50

–55

–70

–60

SSB出力電力―dBm

–6

–2

–4

–8

–10

–12

–14

–16

–18

–20

–26

–65

–22

–24

ベースバンド差動入力電圧―Vp-p

3次歪み―dBc

–5

3.02.52.01.51.00.50.0

–10

–15

–25

–30

–35

–40

–45

–50

–55

–65

–60

SSB出力電力―dBm

–6

–2

–4

–8

–10

–12

–14

–16

–18

–20

–22

–20

–70

0

2

4

3次歪み

SSB POUT

温度― –40

電源電流―mA

040

–20 20 40 60 80

45

50

55

60

65

70

75

80

VS=5V、差動入力=1.2Vp-p

VS=2.7V、差動入力=200mVp-p

50Ωの場合

100Ωの場合 LOINに変成器または 終端の接続なし

50Ωで正規化した スミス・チャート

1GHz

1GHz

250MHz

波数―MHz

リターン損失―dB

0

250

–10

–30

–5

–15

–20

–25

300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800 850 900 9501000

VS = 5V

VS = 2.7V

特性13 3次歪みの温度特性(FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、FBB=1MHz、IとQの両入力を直交駆動)

特性14 3次歪みおよびSSB POUT 対 ベースバンド差動入力レベル(TA=25、FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、FBB=1MHz、VS=2.7V)

特性17 LOINポートS11のスミス・チャート(LOIPピンをグラウンドにAC結合)図示した変成器と外部終端抵抗を接続したときのカーブ(VS=5V、TA=25)

特性15 3次歪みおよびSSB POUT 対 ベースバンド差動入力レベル(TA=25、FLO=800MHz、LOレベル=-2dBm、FBB=1MHz、VS=5V)

特性18 VOUT出力のリターン損失(S22)(TA=25)

特性16 電源電流の温度特性

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AD8345

8 REV.0

LOレベル―dBm

ノイズ・フロア―dBm/Hz

–150

–10

–152

–160

–151

–153

–154

–155

VS = 5V

–156

–157

–158

–159

–9 –8 –7 –6 –5 –4 –3 –2 –1 0 1 2

LOレベル―dBm

キャリア・フイードスルー―dBm

–36

–10

VS = 5.5V

–40

–50

–38

–42

–44

–46

–48

–9 –8 –7 –6 –5 –4 –3 –2 –1 0 1 2

出力

LOIP

LOIN

IBBP

IBBN

QBBP

QBBN

位相スプリッタ

回路説明

概要AD8345は、局部発振器(LO)インターフェース、ミキサー、差動電圧/電流(V/I)コンバータ、差動/シングルエンド(D/S)コンバータ、バイアスの各部分に分けることができます。図2に、デバイスのブロック図を示します。

LOインターフェースは互いに90度ずれた2つのLO信号を発生して、2つのミキサーを直交で駆動します。ベースバンド信号は差動V/Iコンバータで電流に変換されて、2つのミキサーに出力されます。ミキサーの出力は結合されて、50Ω出力インターフェースを構成する差動/シングルエンド・コンバータに入力されます。各部分に対するバイアス電流は、イネーブル(ENBL)信号により制御されます。以下に各部について詳しく説明します。

LOインターフェースLOインターフェースは、多相位相スプリッタとバッファ・アンプが交互に繰り返されたステージから構成されています。多相位相スプリッタには、LO信号を相互に正確に直交するIパスとQパスに分けるための環状に接続された抵抗とコンデンサがあります。各パスの信号はバッファ・アンプを通過して、損失と高周波数ロールオフ特性が補正されます。次に2つの信号の直交精度を向上させるために、もう1つの多相ネットワークを通過させます。位相スプリッタの各ステージのRC時定数を縦続接続することにより、広い動作周波数範囲(250~1000MHz)が得られます。2つ目の位相スプリッタ出力は、ミキサーのLO入力を駆動するドライバ・アンプに入力されます。

差動V/Iコンバータこの回路では、各ベースバンド入力ピンは、エミッタ・フォロワとして接続されたトランジスタを駆動するオペアンプに接続されます。2つのエミッタ間の抵抗は、変化する電流を差動入力電圧に比例するようにトランジスタを使って維持します。これらの電流は、差動で2つのミキサーに入力されます。

ミキサー同位相チャンネル(Iチャンネル)用と直交チャンネル(Qチャンネル)用に1つずつ、合計2つのダブル・バランス型ミキサーがあります。各ミキサーでは、4個の交差接続されたトランジスタを持つギルバートセル・デザインを採用しています。各トランジスタのベースは、対応するチャンネルのLO信号から駆動されます。2つのミキサーの出力電流は、2本の負荷抵抗を使って加算されます。負荷抵抗の両端に発生する信号は、D/Sステージへ出力されます。

差動/シングルエンド・コンバータこの差動/シングルエンド・コンバータは、2つのエミッタ・フォロワで構成されており、トーテムポール出力ステージを駆動します。このトーテムポール出力ステージの出力インピーダンスは、出力トランジスタのエミッタ抵抗により決定されます。このステージの出力が出力(VOUT)ピンに接続されています。

バイアスΔVBE原理に基づくバンドギャップ・リファレンス回路が、絶対温度(PTAT)に比例し、かつ温度に対して安定な電流を発生します。これらの電流をさまざまな部分でリファレンスとして使います。ENBLピンの電圧をプルダウンして、バンドギャップ・リファレンスをディスエーブルにすると、他のすべての部分がシャットダウンされます。

特性19 ノイズ・フロアとLO入力電力の関係(TA=25、FLO=800MHz、VS=5V、IおよびQの全入力を0.7VにDCバイアス)、キャリアから20MHzオフセット点でノイズを測定

特性20 LOフイードスルーとLO入力電力の関係(TA=25、LO=800MHz、VS=5.5V)

図2 AD8345のブロック図

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AD8345

9REV.0

16

15

14

13

12

11

10

9

1

2

3

4

5

6

7

8

AD8345QBBP

QBBN

COM3

COM3

VPS2

VOUT

COM2

COM3

IBBP

IBBN

COM3

COM1

LOIN

LOIP

VPS1

ENBL

IP

1

T1ETC1-1-13 2

34

5LOR150Ω

C61000pF

C71000pF

IN

C31000pF

C40.01µF

+VS

QP

QN

C11000pF

C20.01µF

+VS

VOUTC5

1000pF

図3 バイアス接続

図4 低周波数でのサイドバンド除去の代表的な性能

基本接続AD8345を動作させるための基本的な接続を図3に示します。2.7~5.5Vの単電源をピンVPS1とピンVPS2に接続します。内部で、一対のESD保護ダイオードがVPS1とVPS2の間に接続されているため、これらは同電位点に接続する必要があります。両ピンは、デバイスの近くに1000pFと0.01μFのコンデンサを接続して、個別にデカップリングする必要があります。通常動作に対しては、イネーブルピンENBLをハイレベルにプルアップしておく必要があります。ENBLのターンオン・スレショルドはVS/2です。COM1~COM3のピンはすべて、低インピーダンスの同じグラウンド・プレーンに接続する必要があります。

LOの駆動図3では、デバイスの入力インピーダンスが高いため、入力インピーダンスはグラウンドに接続された50Ωの抵抗により決定されて、約50Ωになります(LOポートの入力インピーダンスについては特性17を参照してください)。出力でのLO除去比を最大にするためには、LOの差動駆動が推奨されます。図3では、変成器(M/A-COM製品番号ETC1-1-13)を使ってこれを実現しています。変成器の出力はLO入力にAC接続され、バイアス・レベルは約1.8Vdcに設定されています。出力ノイズを最小に抑えるには、LO駆動レベルを-2dBmにすることが推奨されます。これよりレベルを大きくすると、直線性が低下し、レベルを小さくすると、ノイズ・フロアが少し高くなる傾向があります。例えば、LO電力を-2dBmから-10dBmに減らすと、ノイズ・フロアは約0.3dB高くなります(特性19参照)。LOリークが少し大きくなりますが、LOピンをシングルエンドで駆動することもできます。LOINをコンデンサを使ってグラウンドにAC接続し、LOIPを結合コンデンサを使って50Ω信号源(シングルエンド)から駆動します(駆動信号をLOINに入力する場合にも同様にすることができます)。

LOの周波数範囲LO入力の周波数範囲は、内部の直交位相スプリッタにより制限されます。位相スプリッタは、位相差90度の2つの内蔵ミキサーを駆動する2つの信号を発生します。250MHz~1GHzの規定LO周波数範囲外では、この直交精度が低下して、サイドバンド除去比が小さくなります。250MHz~1GHzのLO周波数に対するサイドバンド除去比については特性9を参照してください。図4に、50~300MHzについて、代表的なデバイスのサイドバンド除去比を示します。250MHz以下でのサイドバンド除去比レベルの低下は、製造プロセスの変動に起因します。

IチャンネルおよびQチャンネルのベースバンド駆動IチャンネルとQチャンネルのベースバンド入力は、差動で駆動する必要があります。これは、多くの最新高速DACが差動出力を持っているので便利です。VS=5Vで最適性能を得るためには、駆動信号は

バイアス・レベル=0.7Vで1.2Vp-pの差動信号である必要があります。すなわち、各入力は0.4~1Vの範囲で変化する必要があります。これより低い電源電圧でAD8345を動作させる場合は、IチャンネルとQチャンネル入力のピークtoピーク電圧を小さくして、入力のクリッピングを防止する必要があります。例えば、電源電圧=2.7Vでは、200mVp-pの差動駆動が推奨されます。結果として、その分出力電力は小さくなります(特性1参照)。I入力とQ入力は、約80MHzの広い入力帯域幅を持っています。低いベースバンド入力レベルでは、入力帯域幅が増加します(特性2参照)。ベースバンド信号のピーク値と平均値の比が大きい場合は(例えば、CDMAやWCDMAの場合)、rms信号強度をこのピーク・レベルより小さくして、信号ピークのクリッピングを防止する必要があります。信号ピークのクリッピングが発生すると、隣接チャンネルへの信号リークが増える傾向があります。推奨方法に従いIとQの信号強度を減らすと、その分だけ出力電力が小さくなります。このことはマルチキャリア・アプリケーションの場合でも同じで、出力キャリア数を2倍にする毎に、キャリア当たりの出力電力は3dBだけ小さくなります。

LO周波数―MHz40

サイドバンド除去比―dBc

–6060 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300

–55

–50

–45

–40

–35

–30

–25

–20

–15

–10

–5

VS=5V、差動入力=1.2V

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AD8345

10 REV.0

0.1µF 10µF

+5V

348Ω

0.1µF

348Ω

49.9Ω

348Ω

24.9Ω

10kΩ

1.5kΩ

348Ω

AD8132

位相 スプリッタ

∑VOUT

IBBP

IBBN

QBBP

QBBNAD8345

LOIP

LOIN

VPS1 VPS2

0.01µF1000pF0.01µF 1000pF

0.1µF 10µF

+5V

348Ω

0.1µF

348Ω

49.9Ω

348Ω

24.9Ω348Ω

AD8132

QIN

IIN

0.1µF 10µF– 5V

0.1µF10µF

COM1 COM2 COM3

– 5V

図5 シングルエンドIQ駆動回路

I入力とQ入力はpnpトランジスタのベースに直接接続されているため、高い入力インピーダンスを持っています。DAC入力と変調器入力の間に(DC結合)フィルタを使う場合は、このフィルタを該当する抵抗値で終端する必要があります。フィルタが差動の場合は、終端抵抗をI差動入力とQ差動入力の間に接続する必要があります。

LOリークの削減I信号とQ信号にLOが乗算されるため、これらの入力で内部オフセット電圧があると、LOのリークが発生します。これら内部オフセット電圧から発生する-42dBmの公称LOリークは、I入力とQ入力にオフセット補償電圧を加えることにより、さらに削減することができます(LOフイードスルーは、0.7Vの公称バイアス・レベルを変えるのではなく、I入力とQ入力の差動オフセット電圧を変えることにより、削減されることに注意してください)。これは、LOリークを減らすための該当するDACオフセット・コードを書き込んで保存することにより、容易に実行できます。ただし、この場合は、DACからI入力とQ入力へのパスはDC結合にする必要があります(DACが0.7Vのバイアス・レベルを出力できる場合は、DC結合はI入力とQ入力のバイアスの点からも有利です)。LOフイードスルーを減らす手順は簡単です。出力スペクトラム内でLOを分離させるため、シングル・サイドバンド構成が推奨されます(I信号とQ信号をサイン波とコサイン波に設定し(例えば100kHz)、LOをFRF-100kHzに設定します)。LOリークが谷に到達するまで、I DAC

からオフセット電圧を加えます。このオフセット・レベルを維持したまま、下側の谷に到達するまでオフセット電圧をQ DACに加えます。LOリーク補償は、温度変化に対して良好に維持されます。特性8に、室温での補償後のLOリークに対する温度変化の影響を示します。

保証済みのLOリークは、周波数が補償を行ったときの周波数から離れて行くにつれて、ある程度悪化します。これはRF出力へのLOのリークの影響に起因するものであり、I入力とQ入力でのオフセットにより生ずるものではありません。

シングルエンドでのIとQの駆動シングルエンドのI信号とQ信号しか使用できない場合は、AD8132やAD8138のような差動アンプを使って、AD8345に対して必要とされる差動駆動信号を発生させることができます。大部分のDACは差動出力を持っていますが、デュアルDACとI入力およびQ入力との間にシングルエンドのローパス・フィルタを使うと、部品点数とコストの面から望ましい構成になります。このため、フィルタの出力信号は差動モードへ戻す必要があり、0.7Vコモン・モードに再バイアスすることも必要になることがあります。図5に、グラウンド基準のシングルエンド信号を差動信号に変換して、0.7Vのバイアス電圧を加える回路を示します。ゲイン=1の2個のAD8132差動オペアンプを使用しています。入力インピーダンスは50Ωであり、この回路は50Ωの信号源(例えば、ローパス・フィルタ)から信号を入力できるように構成されています。入力インピーダンスは、49.9Ωのシャント抵抗(および反転入力の対応する24.9Ω抵抗)を該当する値で置き換えることにより、容易に変更することができます。必要とされるDCバイアス・レベルは、差動アンプのVOCMピンに0.7Vを

入力することにより、信号に簡単に追加することができます。AD8132やAD8138のような差動アンプを使って、アクティブ・フィルタを構成することもできます。これらの詳細については、これらのデバイスのデータシートをご覧ください。

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AD8345

11REV.0

33pF100Ω

310nH

33pF

310nH51Ω

10Ω

51Ω

33pF100Ω

310nH

33pF

310nH51Ω

10Ω

51Ω

位相 スプリッタ

∑VOUT

IBBP

IBBN

QBBP

QBBNAD8345

LOIP

LOIN

VPS1 VPS2

IOUTB

IOUTA

“ I” DAC2× “ I”

“ Q” DAC2× ラッチ

ラッチ

“ Q”

QOUTA

0.1µFRSET2kΩ

REFIOFS ADJSLEEP

書き込み クロック 選択

AD9761

MUX制御

AVDDDVDD DCOM

QOUTB

DAC データ 入力

図6 AD8345/TxDACのインターフェース

この回路では、シングルエンドのI信号とQ信号がグラウンドを基準にしていることを想定していることに注意してください。差動DCオフセットがあると、その分AD8345出力でのLOリークは増えます。未使用入力をDCレベル0.7Vにバイアスした状態で、0.7Vにバイアスされたシングルエンド信号によりベースバンド入力を駆動することは可能ですが、駆動信号のバイアス・レベルと未使用入力DCレベルとの間のDCレベルの差(温度ドリフトの影響を含む)が存在すると、LOリークが増えるため、この動作モードは推奨できません。さらに、最大出力電力が6dB減少します。

RF出力RF出力は50Ω負荷を駆動するように設計されていますが、図3に示すようにAC結合する必要があります。I入力とQ入力が1.2Vp-pの信号で直交駆動される場合、出力電力は約-1dBmになります(特性1参照)。RF出力インピーダンスは50Ωに非常に近い値であるため、出力で50Ω負荷を駆動する場合は、負荷マッチング回路の追加は不要です。

TxDACと組み合わせたアプリケーション図6に、AD9761 TxDACから駆動されるAD8345を示します(このアプリケーションでは、当社のTxDACファミリーであれば、どのデバイスでも使用できます)。DACから出力される信号は、差動の51MHzローパス・フィルタによりフィルタ処理されます。I DACとQ DACは、それぞれ0~20mAと20~0mAの差動出力電流を発生します。グラウンドに接続された抵抗50Ω負荷の場合、コモン・モード・レベル0.5Vの2Vp-p差動信号(すなわち各出力1Vp-p)になります。この構成では、各DAC出力からは通過帯域内に合成された48Ω(10Ω+51Ω||

(100Ω+51Ω))の負荷が見えます。したがって、例えば、IOUTAが正側フルスケールに駆動されたとき、IBBPは

0.96Vになります。IOUTB=0mAのとき、IBBNの電圧=0.456Vになります。これは、コモン・モード・レベルが0.7Vで約1Vp-pのフル・スケール差動信号になります。

ハンダ処理情報AD8345は、パッド露出型の16ピンTSSOPパッケージを採用しています。最適な熱伝導を得るために、露出しているパッドをグラウンド・プレーンにハンダ付けできます。接続した場合、接合部/周辺間熱抵抗(θJA)は30/Wになり

ますが、安全な動作のために必ず必要というものではありません。露出しているパッドをハンダ付けしない場合は、θJA=95/Wになります。

評価ボード図7に、AD8345評価ボードの回路図を示します。未実装部品はオープンで表示してあります。このボードは4層ボードであり、中層の2層はグラウンド・プレーンとして、表面と裏面は信号プレーンと電源プレーンとして、それぞれ使っています。このボードには、2.7~5.5Vの範囲の単電源(VS)を接続し

ます。電源は0.01μFと1000pFのコンデンサでデカップリングします。この回路は、SW1をB位置に設定した基本接続回路図に従っています。SW1がA位置の場合は、イネーブル・ピンが10kΩの抵抗でグラウンドにプルダウンされるため、デバイスはパワーダウン・モードになります。すべてのコネクタはSMAタイプです。I入力とQ入力は、差動出力のデュアルDACに直接接続できるようにDC結合になっています。I入力とQ入力での終端が必要な場合のために、抵抗パッドが用意されています。局部発振器入力(LO)は、グラウンドに接続した外付け50Ω抵抗により約50Ωに終端されます。AD8345の差動LO入力を差動駆動するために、1:1の広帯域変成器(ETC1-1-13)が用意されています。T1を短絡すると、デバイスをシングルエンド駆動することもできます。

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AD8345

12 REV.0

161 IBBP QBBP

152 IBBN QBBN

143 COM3 COM3

134 COM1 COM3

125 LOIN VPS2

116 LOIP VOUT

107 VPS1 COM2

98 ENBL COM3

AD8345

IP

IN

1

T1ETC1-1-13

2

34

5LOR650Ω

C11000pF

C21000pF

C30.01µF

C41000pF

VPOS

QP

QN

C51000pF

C60.01µF

VPOS

VOUTC7

1000pF

R2(オープン)

R1(オープン)

R70Ω

SW1

A

VPOS

BR810kΩ

ENBL

R120Ω

R14(オープン)

R15(オープン)

R110Ω

R10(オープン)

R9(オープン)

ENBLL0

IN TP 4

IP QP

QN

R 6

C 4

R 8

R 2

R 1 R 9

R 10

R 14

R 15

TP 3TP 1

R 12 TP 2T 1 C 1C 2

DUT

VOUT

08-007084REV A

AD8345 EVAL BOARD

COMPONENTSIDE

C 5

C 7

SW 1

A

B

図7 評価ボードの回路図

図8 評価ボードのシルクスクリーン

図9 評価ボードのレイアウト―表面

図10 評価ボードのレイアウト―裏面

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AD8345

13REV.0

IEEE HP34970AD1 D2 D3

34901 34907 34907

D1 D2 D3

インターフェース・ボード I_IN

Q_IN

OUTPUT_1

OUTPUT_2ARBファンクション・ ジェネレータ

IEEE

TEKAFG2020VPS1

VN

GNDVP

+15V MAX

COM

+25V MAX

–25V MAX

HP3631

IEEE

AD8345キャラクタライゼーション・ ボード

P1

IN

IP QP

QN

ENBL VOUT

P1 IN IP QP QN

RFOUTIEEE

HP8648CLO

IEEEPCコントローラ

スペクトラム・ アナライザ

RF I/P SWEEP OUT

IEEE

28V

HP8593E

–90

–80

–70

–60

–50

–40

–30

–20

–10

0

–100

振幅―dBm

センター=900MHz スパン=1MHz

+15V MAX

COM

+25V MAX

–25V MAX

HP3631

IEEE

AD8345キャラクタライゼーション・ ボード

P1

IN

IP QP

QN

ENBL VOUTLORFOUTIEEE

HP8648C

IEEEPCコントローラ

スペクトラム・ アナライザ

RF I/P IEEE

FSIQ

PC制御 AMIQ

IN IP QP QN

キャラクタライゼーション・セットアップ

SSBセットアップ基本的には、2つの基本セットアップを使ってAD8345のキャラクタライゼーションを行いました。図11と図13にこれらのセットアップを示します。図11は、シングル・サイドバンド変調器として製品を評価するときに使うセットアップです。インターフェース・ボードでは、任意のファンクション・ジェネレータから出力されたシングルエンドのI入力とQ入力を約0.7VのDCバイアスを持つ差動入力に変換します。このインターフェース・ボードでは、電源接続も行っています。HP34970Aとそのプラグイン34901を使って、AD8345キャラクタライゼーション・ボードに供給されている電源の電流と電圧を監視します。インターフェース・ボードに対するその他の様 な々DC信号と制御信号を用意するために、HP34907プラグインを2つ使っています。LO入力はRF信号ジェネレータから直接駆動して、スペクトラム・アナライザでその出力を直接測定します。Iチャンネルをサイン波で、Qチャンネルをコサイン波でそれぞれ駆動し、下側サイドバンドをシングル・サイドバンド出力とします。代表的なSSB出力のスペクトラムを図12に示します。

変調済み波形使用時のセットアップ変調された波形を使ってAD8345を評価する際に使用したセットアップを図13に示します。Rohde & Schwarz社のAMIQ信号ジェネレータの差動出力を使ってベースバンド信号を生成します。すべての測定で、各ベースバンド入力ピンの入力レベルは0.7V±0.3Vピークに設定します。出力は、Rohde & Schwarz社のFSIQスペクトラム/ベクトル・アナライザを使って行います。

図12 代表的なSSB出力のスペクトラム

図13 変調済み波形を使ったAD8345評価用のテスト・セットアップ

図11 キャラクタライゼーション・ボードのSSBテスト・セットアップ

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AD8345

14 REV.0

CDMA IS95ACPRの測定には、使用したI入力信号とQ入力信号を、Pilot(WC(ウォルシュ・コード) 00)、Sync(WC 32)、Paging(WC 01)、Traffic(WC 08、09、10、11、12、13)の6チャンネル・アクティブとして生成しました。図14に、この設定に対する代表的な出力スペクトラムを示します。EVM、Rho、位相、振幅バランスの測定では、使用したI入力信号とQ入力信号をPilotチャンネルのみアクティブ(WC00)として発生しました。

GSMAD8345出力とGSM送信との比較のために、MSK変調、GSM差動コーディング、ガウス・フィルタ、シンボル・レート270.833kHzを使ってマスクI信号とマスクQ信号を発生しました。送信マスクは、GSM BTS仕様に従ってFSIQについて手動で発生しました。図16に示す曲線は、AD8345がGSM送信マスク条件を満たしていることを示しています。

WCDMA 3GPPWCDMA用のAD8345の評価では、3GPP規格をチップ・レート3.84MHzで使いました。図15に示す曲線は、64チャンネル・アクティブ時の3GPP仕様に規定する“テスト・モデル1”を使用した場合のAD8345のACPR曲線です。

–90

–80

–70

–60

–50

–40

–30

–20

–10

–100

–110

振幅―dBm

センター=880MHz スパン=7.5MHz

CH PWR = –12.41dBmACP UP = –72.8dBACP LOW = –72.8dB

–90

–80

–70

–60

–50

–40

–30

–20

–10

–100

–110

振幅―dBm

センター=380MHz スパン=14.7MHz

CH PWR = –10.95dBmACP UP = –52.51dBACP LOW = –52.41dB

–90

–80

–70

–60

–50

–40

–30

–20

–10

–100

0

振幅―dBm

センター=900MHz スパン=1MHz

図14 代表的なIS95出力のスペクトラム

図16 AD8345 GSM出力の代表的なスペクトラム

図15 AD8345 WCDMA 3GPP出力の代表的なスペクトラム

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AD8345

15REV.0

16 9

81

0.256 (6.50)0.246 (6.25)

0.177 (4.50)0.169 (4.30)

ピン1

0.201 (5.10)0.193 (4.90)

0.118 (3.0)SQ 露出パッド

実装面

0.006 (0.15)0.002 (0.05)

0.0118 (0.30)0.0075 (0.19)

0.0256 (0.65)BSC

0.0433 (1.10)MAX

0.0079 (0.20)0.0035 (0.090)

0.028 (0.70)0.020 (0.50)

8°0°

外形寸法サイズはインチと(mm)で示します。

16ピン・パッド露出型HTSSOP(RE-16)

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16 REV.0

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TDS09/2001/1000

AD8345

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