パルスジェットエンジン研究会 pulse jet engine...
Post on 31-Mar-2018
222 Views
Preview:
TRANSCRIPT
パルスジェットエンジン研究会―Pulse Jet Engine Workshop―
会長:工学部 機械工学科 4年
廣瀬 裕介(ひろせ ゆうすけ)
1.パルスジェットエンジンとは
パルスジェットエンジンは圧縮機やタービンを使
用しない.つまり,ダクトエンジンに分類される.特
徴として構造が簡素であり,安価で製作することが可
能である.しかし連続運転成功の条件が全て形状に依
存するため,製作が難しい.そして,設計時における
連続運転を成立させるためのパラメータが一切無い
等の難点を持っている.
2 . 研究会の活動実績
今年度4月に提出した学生支援費申請用紙に記載
した「単管パルスジェットエンジン」(図 1 参照)の
開発を主とした活動を、主として千葉大学工学部 10
名の学生で実施した。結果として、我々は単管パルス
ジェットエンジンを製作し、さらに連続運転を成功さ
せた.
また,このエンジンを用いた性能試験を行った.測
定項目は「推力」「音圧レベル」「1 秒間当たりの燃焼
回数」である.推力は過去の実験と同様のレールと電
子ばねばかりを用いたスライド方式を採用した推力
測定システム(図 2 参照)を,音圧レベルは騒音計
(SL-1352,測定レンジ:40dB~90dB,図 3 参照),そ
して 1 秒間当たりの燃焼回数はハイスピードカメラ
(EXILIM DIGITAL CAMERA EX-F1,CASIO,ハイスピ
ード設定;300fps, 図 3 参照)をそれぞれ用いた.使用
燃料は LP ガスで,0.050MPaG,0.100 MPaG,0.120
MPaG,0.140 MPaG,0.155MPaGの圧力条件において
実験をした.
まず,推力の測定結果について記す.推力が小さす
ぎたためにスライドが動かず,測定不可能であった.
値として約 5N以下であることが実験から得られた.
次に音圧レベルの実験結果を図 4に示す.横軸が燃料
圧力で縦軸が音圧レベルを示している.下図から燃料
圧力 0.050MPaG~0.140MPaGにおいて,燃料圧力の上
昇に伴い,音圧レベルが増加していることが分かった.
しかしながら,0.140MPaG ~0.155MPaG では減少し
ている.この現象は燃料が多すぎていることを示して
いると考えられる.
図1.単管パルスジェットエンジン
(下は 500mLのペットボトル)
図 2.推力測定システム
図 3.騒音計とハイスピードカメラの位置
図 4.音圧レベルの実験結果
図 5. 1秒当たりの燃焼回数の実験結果
図 5は 1秒間当たりの燃焼回数の実験結果である.
この測定項目は燃料圧力の上昇に追従しない,つまり,
エンジン本体の形状に依存していると考えられる.
3.工学部祭での活動
両日ともで工学部 17 号棟-111 教室とその外側にて
展示と実演をした.昨年度よりも展示日数が少なく悪
天候であったにも関わらず掲示板にポスターを張っ
た宣伝の成果があったためか、約 200 名の来場者の
方々に来ていただき,紹介と実演を通じてパルスジェ
ットエンジンの魅力を感じていただけたと感じてい
る.
パルスジェットエンジンの実演は開発した小型エ
ンジンを実際に運転した。安全性をより向上させるた
めに、教室の外で実施(図 6)し、来場者は教室内から
見ていただいた(図 7)。老若男女問わず来場していた
だき、パルスジェットエンジンや他機関の説明(図 8)、
宣伝ができた。
図 6.エンジン設置の様子
図 7.来場者の様子(実演)
図 8.来場者の様子(実物展示とポスター)
top related