150615 教育評価論 第9講
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慶應義塾大学教職課程 (日吉)「教育評価論」第 9講
課題解決評価の演習 (1)
文部科学省国立教育政策研究所
文部科学省
国立教育政策研究所
総括研究官やま山もり森
こう光よう陽
(教育心理学)koyo@nier.go.jp
平成 27年 6月 15日
この内容は個人的見解であり国立教育政策研究所の公式見解ではありません
課題解決評価の手順
課題解決評価の手順
評価課題の設定
表現している。
評価の観点の趣旨
自然の事物・現象の中に問題を見いだし,
目的意識を持って観察,実験などを行い,事象や結果を分析して解釈し,
表現している。
単元の評価規準
自然の恵みと災害について調べ,
自然を多面的,総合的にとらえて,
人間と自然のかかわり方について自らの考えをまとめ,
評価の観点の趣旨を踏まえ,単元内容にあわせて単元の評価規準を設定。
災害と自然環境との関係についてまとめよう。
富山県に被害をもたらした台風にはどのような特徴があるのかを調べ,
単元の評価規準を踏まえることで,身につけさせたい能力および教科内容との関連を持たせる。
単に台風のことを調べるのではなく,実生活や実社会と関連を持たせることで,解決し甲斐のある課題にする。
解決させる課題
評価対象となる思考力等を十分に発揮させるために,多様な知的資源を用いる必要のある状況や,解決のための道筋が明確に示されていない状況に直面させる。
図4 課題設定の考え方Figure 1: 課題設定の方法慶應義塾大学教職課程「教育評価論」 第 8 講課題解決評価 平成 27 年 6 月 15 日 3 / 1
課題解決評価の手順
評価課題に対する判定基準の設定
評価に用いる課題富山県に被害をもたらした台風にはどのような特徴があるのかを調べ,災害と自然環境との関係についてまとめよう。
単元の評価規準に対して,この課題においてどのような出来具合であれば「十分満足」と判定されるか。
単元の評価規準に対して,この課題においてどのような出来具合であれば「おおむね満足」と判定されるか。
単元の評価規準に対して,この課題においてどのような出来具合であれば「努力を要する」と判定されるか。
課題に対する予想される表現例(模範解答のようなもの)を作ってみる。
•日本列島の地形と台風の進路との関係を指摘している。
それぞれの表現例の特徴を列挙する
A, B, Cごとに記述をまとめる
フェーン現象や洪水などの災害と地域の特性について指摘したり,日本列島の地形と台風の進路との関係を推測したりしている。
台風の経路記録から,台風の進路と被害の大きさや地域における災害の特徴について指摘している。
台風の情報や経路記録を示している。
A
B
C
•地域の自然と台風の経路との関係を指摘している。
•経路と災害の大きさとの関係を指摘している。
•いくつかの台風の情報を示している。
•いくつかの台風の経路記録を示している。
•地域における災害の特徴について指摘している。
•フェーン現象や洪水などの災害との関係を指摘している。
図5 判定基準の設定手順Figure 2: 判定基準設定の方法慶應義塾大学教職課程「教育評価論」 第 8 講課題解決評価 平成 27 年 6 月 15 日 4 / 1
課題解決評価の手順
能力の程度を推定可能にするための工夫
フェーン現象や洪水などの災害と地域の特性について指摘したり,日本列島の地形と台風の進路との関係を推測したりしている。
台風の経路記録から,台風の進路と被害の大きさや地域における災害の特徴について指摘している。
台風の情報や経路記録を示している。
A
B
C
表現している。
自然の恵みと災害について調べ,
自然を多面的,総合的にとらえて,
人間と自然のかかわり方について自らの考えをまとめ,
課題を解決した結果の出来具合
台風について調べ,それらの情報や経路記録を示しているが,
自然を多面的,総合的にとらえられるようにするため,
代表的な台風についての情報をいくつかのシートにまとめた補助資料を活用しながら説明する。
台風の経路記録から,台風の進路と被害の大きさや地域における災害の特徴について指摘しており,
自然を多面的,総合的にとらえている。より多面的にとらえ,自らの考えをまとめられるようにするため,
日本列島の地形や洪水以外の災害にも着目させる。
フェーン現象や洪水などの災害と地域の特性について指摘しており,
自然を多面的,総合的にとらえている。また,日本列島の地形と台風の進路との関係を推測したりしているため,人間と自然の関わり方について自らの考えを持てている。
単元の評価規準
課題の出来具合
評価規準に照らし合わせた能力の程度
支援の手立て
課題の出来具合と単元の評価規準を照らし合わせて推測できる能力の程度と支援の手立てを明記した判定基準
課題の出来具合と単元の評価規準を照合
能力の程度を診断的に記述する
図7 判定基準における能力記述の支援の手立ての設定手順
Figure 3: 出来具合の記述から能力の程度の記述への手順慶應義塾大学教職課程「教育評価論」 第 8 講課題解決評価 平成 27 年 6 月 15 日 5 / 1
課題解決評価の演習
課題解決評価の演習
次回にかけての課題課題の内容
テスト冊子を作成した際に評価対象と位置づけた単元の評価規準の内容のうち,項目応答評価 (正誤が一義的に定まる項目に対する正答状況の積み上げ)では評価できない側面を特定し,その部分に対する課題解決評価を行うための評価課題と判定基準を作成してください。判定基準は単に出来具合を段階化するだけではなく,能力の程度を推定できるように設定してください。
課題の要件単元の評価規準の内容のうち,項目応答評価 (正誤が一義的に定まる項目に対する正答状況の積み上げ)では評価できない側面を特定し示す。評価課題を設定するとともに,,能力の程度を推定できるように工夫する。
慶應義塾大学教職課程「教育評価論」 第 8 講課題解決評価 平成 27 年 6 月 15 日 7 / 1
課題解決評価の演習
取り組み方グループワーク
テスト冊子作成演習と同じグループで取り組む。数学のグループはさらに 2分割し,中学数学 11, 12, 21, 22と 4班に分ける。取得予定免許教科が英語の塾生は「中学理科」のグループに合流する。
提出A4判用紙横置き 2枚程度 (スライド 2枚)にまとめる。プレゼンテーションに耐えられる構成にする。グループ名とメンバーの名前を明記すること。6月 19日 (金)中に教職ログブックに全員が提出。
慶應義塾大学教職課程「教育評価論」 第 8 講課題解決評価 平成 27 年 6 月 15 日 8 / 1
出席とグループの登録
本日の出席とスライド
本日の出席
https:
//questant.jp/q/150615
本日のスライド
http://www.slideshare.net/
koyoyamamori/eduass150615
慶應義塾大学教職課程「教育評価論」 第 8 講課題解決評価 平成 27 年 6 月 15 日 9 / 1
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