2019 年度 水産学科生物生産学専攻 海洋実習 3 レ...

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2019 年度 水産学科生物生産学専攻 海洋実習 3 レポート

実習期間:10 月 7 日(月)〜10 月 11 日(金)

観測地点

St.1:34°46.7’ N, 138°35.8’ E

St.2:31°44.8’ N, 136°05.5’ E

St.3:34°46.1’ N, 138°35.7’ E

観測日程

10 月 7 日 出航 St.1 観測項目(気象・海象, 表面観測, CTD, 閉鎖式 NORPAC ネット,

仔魚ネット, IKMT)

10 月 8 日 目視観測 St.2 観測項目(気象・海象, 表面観測, CTD, 閉鎖式 NORPAC ネッ

ト, 仔魚ネット, IKMT)

10 月 9 日 目視観測 St.3 観測項目(気象・海象, 表面観測, 閉鎖式 NORPAC ネット,

仔魚ネット, IKMT)

10 月 10 日 帰港 船内大掃除 ソーティング レポート作成ガイダンス

10 月 11 日 ソーティング 採集物紹介 下船

乗船メンバー

乗船教員:福井 篤 教授, 松浦 弘行 准教授, 佐藤 成祥 特任講師, 髙見 宗広 特任講師,

玉井 隆章 技術員

指導学生:服部 雅史 他 11 名

実習学生:水産学科生物生産学専攻 3 年次学生 83 名

総員 :100 名

図. 航跡図

観測の詳細

今回の海洋実習ではどんな観測を行ったのでしょうか?

それぞれの観測項目を紹介していきます!!

気象・海象

みんなで空を熱心に見つめてUFOでも

飛んでいたのでしょうか?

実は、雲を観測している様子なんです。

日常何気なく眺めている雲ですが、雲を

見ることでこれからの天気を知ることだ

って出来ちゃうんです!

今回の実習では、雲の量(雲量)や雲の種

類(雲形)を観測しました。

つづいて、デッキに移動して波浪と風の

観測です。波はその場に吹いている風由来

のもの(波)とそれ以外(うねり)に大別され

ます。

写真はデッキに設置してあるコンパスで

波やうねりの方向を見ている様子です。

つづいて、実習生が持っているのは、アス

マン通風乾湿計です。彼は、これを持った状

態で 5 分間耐え続けなければなりません。が

んばれ!

この計器を使って湿度、露点温度、蒸気圧

を測定することが出来ます。彼の犠牲を無駄

にしないように、みんな真剣に値を読んでい

ますね。

もう無理~!!

表面観測

なにやら黒い筒を海に投入しています。この筒は採水器

です。採水した海水を使って海表面の水温や塩分、pH を測

定します。

次に投入したのは、白い円盤

です。この円盤は透明度板と呼

ばれるもので、海の透明度を測

るためのものです。錘を付けて

ゆっくりと沈めて見えなくな

るまでの深さを測定します。

透明度板は、観測している

人全員が見えないと判断する

まで降ろしていきます。

他にも、海水の色(水色)を測定しました。写真を見てもわかるように、清水港の岸壁で

は見ることのできないきれいな青色ですね。

あ、まだ見えるよ!!

CTD

CTD とは、Conductivity(電気伝導度: 無

機塩類の量に比例する)、Tempreture(水

温)、Depth(深度)の頭文字を取って名付け

らた計器です。

この計器を目的とする水深まで降ろしま

す。計器の移動中に水深毎の水温や塩分な

どを測定することができます。

これだけ、大きな機械ですが、縦に並ん

だ黒い筒状のものは全て採水器で、心臓部

はその下についている小さな機械です。望

星丸の CTD には、溶けている酸素の濃度を

測る DO センサー、植物プランクトンの量

を示すクロロフィルを測定する蛍光光度計

なども取り付けられています。

CTD で観測しているデータ

は望星丸のラボに取り付けられ

たパソコンにリアルタイムで表

示されます。

閉鎖式 NORPAC ネット

閉鎖式 NORPAC ネットは口径 45 cm のネットです。目合いは比較的細かい 0.33 mm

で中型プランクトンの採集を目的として使用しました。

皆さんはプランクトンと聞いてどんな生物のことかわかりますか?プランクトンの定義

は水中に浮遊して生活し、運動能力が無いか弱いために潮の流れに逆らって移動すること

の出来ない生物群のことを指します。プランクトンに「小さい」の意味は含まれていない

ですから、大きさごとに区分されています。

今回の調査で採集する中型プランクトンは体長 0.2-2 mm未満の比較的小さい生物群

です。

閉鎖式 NORPAC ネットですが、その名前の

通りネットを閉鎖することが出来ます。これに

より、深度毎の採取が可能となります。

今回は、深度 0-100 m, 100-200 m, 200-500

m, 500-800 m の 4 層で採集を行いました。

閉鎖したネットは右の写真の様になりま

す。

メッセンジャーと呼ばれる閉鎖器を曳網中

に降ろし巾着袋の要領でネットを閉じます。

Before

After

仔魚ネット

仔魚ネットは口径 1.3 m、目合い 0.53 mmの

ネットです。このネットの目合いは NORPAC ネ

ットよりも粗いものが使われていますね。

これは、目的とする採集物が異なるからです。

このネットは魚類の仔稚魚(赤ちゃん)や卵を採

取することを目的としています。魚類の卵は直径

が 1 mm前後の種類が多いためこの目合いのネ

ットが使われています。

右は曳網中の写真です。

飛沫が上がって、ネットが水面から飛び

出てしまっていますね。

こんなんでちゃんと曳けているのかと思

った方も多いと思いますが、大丈夫です。

これは表層に多く生息する仔稚魚を採取

するためにあえて水面から少し出して曳網

しているのです。

IKMT

IKMT とはもちろん略称で、正式には

Isaacs-Kidd Midwater Trawl と呼びます。

このネットは Isaacs さんと Kidd さんが

1953 年に考案したネットです。

左の写真は IKMT を海に投入した直後の

写真です。このネットは横幅が 3.3 m、長

さが 15 mもあります。ジンベエザメが泳い

でいるみたいですね!

IKMT は望星丸に備え付けてある A フレームか

ら投入します。十数人の大人が左右からロープで引

っ張りながら少しずつ海に降ろしていきます。

IKMT では、日頃、目にすることが出

来ないような珍しい深海魚や深海性の

プランクトンがたくさん獲れます。

それでは元気よく、今回の海洋実習 3 の各日程を紹介していきましょう!!

と言いたいところでしたが何やら怪しい影が

近づいていますね。

まあ、気を取り直して紹介していきましょ

う!!!

(引用元:気象庁ホームページ)

10 月 7 日 出港・登舷礼・退船訓練

さて、あいにくの曇り空ですが実習生の心は

晴れやかです。

今回の海洋実習は屋久島に上陸する予定です。

期待で胸が高鳴ります。

出港です。みんな、きちんと整列して

清水の街に別れを告げます。

これは、登舷礼と言います。元々は、

海軍が寄港地に入港する際に戦闘準備

を行っていないことを示すためのもの

です。

今では、伝統的な船乗りの挨拶です。

東海大生の憩いの地である「エスパルス

ドリームプラザ」も海から見ると違った趣

がありますね。

乗船して間もなく、住吉事務長から船内生活

についての指導を受けます。

あれ、みんな救命胴衣に着替

えて何かあったのでしょう

か?

これは退船訓練です。みんな

真剣な眼差しで事務長のお話

を聞いています。

こういった訓練を行わないと、

いざというときに大変ですか

らね。

10 月 7 日 St.1 観測

〜気象・海象から一枚〜

指導学生の北川君の説明を聞きな

がら、雲形(雲の種類)を調べている

様子です。

〜表面観測から一枚〜

採水器を投入するところです

ね。ロープが絡んでいないか調べ

ています。

〜CTD から一枚〜

深海の水に触れてみようのコー

ナーです。この海水は CTD 上部の

ニスキン採水器が採取した海水で

す。深層の水はとても冷たくてしょ

っぱいんですよ!

〜閉鎖式 NORPAC ネットから一枚〜

高見先生の解説を熱心に聞いている

実習生です。

〜IKMT と仔魚ネット〜

さあ、IKMT の投入です。A フレームの油

圧の音と船員さん達の息の合った掛け声が

響きます。

我らが海洋実習 3 の主席調査員である福

井先生 and IKMT part 1 です。

先生は何回この光景を見てきたのでしょう

か。

ネットが揚がってきたら、待って

ましたとばかりに実習生が集まりま

す。

さて、どんな生物が採れたのでしょ

うか。

●閉鎖式 NORPAC 採集物

●仔魚ネット 採集物

スズメダイ科稚魚

スズメダイ科の魚類は海を浮遊しなが

ら、分布域を拡大します。

この稚魚はどこで生まれた個体なので

しょうか。

イソギンポ科稚魚

頭と胸部、そして体の分布する黒い色

素からニジギンポと思われます。本種は

1年魚で貝の内側などに卵を産み付けま

す。

カイアシ類の仲間(Undeuchaeta major)

採集深度:200-500m

他のカイアシ類を捕食する。Euchaeta

科と間違えやすい。

↑カイアシ類の仲間

(Gaidius variabilis)

採集深度:200-500m

←カイアシ類の仲間

(Eucalanus 科)

採集深度:200-500m

頭胸節が他のカラヌス

目カイアシ類に比べて著

しく長い。

●IKMT 採集物

ネズミギス仔魚

シラスでお馴染みのカタクチイワシの

仔魚に似ていますが、尾柄部にある黒い

色素で見分けることが出来ます。

オニボウズギス

お腹が大きくなっていますが卵を

持っている訳ではありません。本種

は伸縮自在な胃を持ち、自分より大

きな獲物も呑みこむが出来ます。

ナメライワシ

大きな眼とおちょぼ口、薄紫色の皮膚

に覆われた非常にユニークな種です。デ

ィズニーに出てくる某有名エイリアンに

似てるかも。

ニザダイ科仔魚

暖かい海の岩礁やサンゴ礁に生息して

いるイメージの本科魚類ですが、仔稚魚

は黒潮に流されて駿河湾内にもやってき

ます。

その間も、怪しい影は勢力を増し、着々と近づ

いておりました。

(引用元:気象庁ホームページ)

10 月 8 日 St.2 観測

〜気象・海象から一枚〜

実習生に波浪の説明をしている様子です。指導学生の宮

川君からも、どことなく先生のような貫禄が出てきていま

す。

〜表面観測から一枚〜

St.1 の海とはどこが違うでしょうか。

色?それとも透明度?

海を見るだけでも多くの情報が得ら

れます。

〜CTD から一枚〜

指導学生の津坂さんが CTD で得ら

れたデータを使って駿河湾の内側と

外側の海水の違いを説明しています。

見切れていますが、後ろには先生方

の姿も。指導学生も言葉の端々に神経

を尖らせます。

わかったかな!

〜閉鎖式 NORPAC ネットから一枚〜

浮遊生物の専門家である松浦先生か

ら直々に、貴重な採集物の解説を受けて

います。

.

〜仔魚ネットと IKMT〜

福井先生 and IKMT part 2 です。

語る背中ですね。

St.2 の採集物の紹介といきたいところですが、

その前に指導学生たちが何やら企てを起こそう

としています。

野菜を切って

IKMT に取り

付けています

ね。

時を同じくして、先生方にも動きが見られました。発泡

スチロール容器に可愛らしいシダアンコウ科(?)とクジラ

ウオ科(?)のイラストを描いていますね。必勝祈願でしょ

うか?

両者の思惑が交錯します。

Mr. IKMT は、期待と不安とよくわからな

い思惑が積み重なって大変そうです。

彼らがどうなったのかは後程、紹介しまし

ょう。

それでは、St.2 ではどんな生物が獲れた

のでしょうか?

●閉鎖式 NORPAC ネット 採集物

ヤムシの仲間

採集深度:0-100m

キチン質の硬い顎を持つ。

●仔魚ネット 採集物

ブタハダカ

昼間は深海にいるが、夜間になると表

層~200mまで浮上してきます。

吻端が上顎より前に出ていて豚の鼻を

連想させる。

シイラ科稚魚

シイラ科魚類はシイラとエビスシイラ

に分けられるが、この個体は腹鰭と臀鰭

に色素があるなどシイラの特徴を有す

る。

オヨギゴカイ科の仲間

採集深度:200-500m

多毛類の仲間。体から生えた疣

足(いぼあし)に発達した膜状の鰭

を使って泳ぐ。

オタマボヤ科の仲間

採集深度:500-800m

脊索を持つ。ハウスと呼ばれる

構造物をつくる。古いハウスは脱

ぎ捨てられマリンスノーの主要な

物質となる。

トビウオ科稚魚

長く伸びた尾鰭で海面を蹴

り、グライダーのような胸鰭

で滑空する。

ウナギギンポ属稚魚

ウナギの様に細長い見た目をしてい

る。本属の親は浅海の砂泥底に生息して

いる。

ウミアメンボの仲間

海にも昆虫は生息しています。ウミア

メンボは翅を持たず、漂流物に卵を産み

付けるそうです。逞しいですね。

アサガオガイ科の仲間

泡を分泌してイカダを作り水面に浮遊

して生活する。あなたの町の海岸にも彼

らのきれいな貝殻が漂着しているかも。

●IKMT 採集物

クジラウオの仲間

先生方の願いが通じたのか、本当にク

ジラウオ科の魚類が獲れました。この仲

間は側線が発達して大きな孔が空いてい

ます。

ホウライエソ

1番目の脊椎骨が発達して周りに強靭

な筋肉が付くことで、大きく俊敏に口を

開けることが出来る。状態の良い個体は

薄い膜で覆われている。

シギウナギ

お腹周りが赤いのは、サクラエビでも

食べたのだろうか。口が上下で曲がって

いて噛み合わない。

ムネエソ

お腹の輪郭に沿って並ぶ発光器

で自身の影を消すカウンターイル

ミネーションを行う。臀鰭近くに

透明な部分がある。

さて、指導学生と先生方の思惑はどうなったのだろうか。

深海漬け

深海 2500mからやってきた漬

物。こんなにいっぱいあるのに、

なぜか私の口に収まることは無か

った。私も食べたかった。

発泡スチロールカップ

深海 2500mの水圧を受けてこん

なにも小さくなりました。と言い

たいところだが比較になる写真が

無かった。撮っておくべきだっ

た。

ギガントキプリスの仲間

パラボラ状の集光能力の高い光受容器

をもっており深海でもわずかな光を頼り

に獲物を見つけることが出来る。

あれ、いつのまにか中心気圧が 915hPa しかあ

りません。これ以上船が南下したら、実習期間中

に戻れなくなります。

残念ながら、屋久島上陸は諦めるしかありませ

ん。

大きな自然の力の前では、私たちは成す術がな

いのです。

(引用元:気象庁ホームページ)

10 月 9 日 観測

みんな、台風由来(?)のうねりに悩まさ

れています。これもまた海洋実習です。こ

うやって、東海大生は海の男になっていく

んですね。

と思ったら、指導学生もダウンしていました。

(ちなみに、私もダウンしました。)

しかし、いつまでもダウンしている

訳にはいきません。

限られた条件で出来ることをする

のも実習です。これは目視観測の様子。

実際に甲板に出ることはできません

が、モニターを見ながら潮の流れや水

温などを刻々と記録します。

さて、そんなこんなで駿河湾に戻ってきてしまいました。いつまでもしょげてばかりいら

れません。気を取り直して St.3 の観測開始です!

〜気象・海象から一枚〜

みんな、さっきまでの悪夢はしっかり

と忘れて真剣に実習に取り組んでいま

す。

〜閉鎖式 NORPAC ネットから一枚〜

今回は時間もないため、深度 500-800mだけを

降ろしました。

~仔魚ネットと IKMT〜

IKMT が曳網する水

深は、太陽光が届く限

界でトワイライトゾ

ーンと呼ばれていま

す。

IKMT を投入する頃

には、空も黄昏時でし

た。きれいですね。

さて、今回はどんな生物が獲れたのでしょう

か?

●仔魚ネット 採集物

●IKMT 採集物

ブリ属稚魚

カンパチと思われる。ブリやヒ

ラマサの稚魚とは、背鰭の色素胞

の分布や体高から判別できる。流

れ藻などに隠れて生活する。

シマイサキ科稚魚

背鰭の黒色素胞の出現状況から

からコトヒキと思われる。この個

体は鱗が発達し始めたばかり。

ホウキボシエソ属の魚類

ホウキボシエソ属は胸鰭を持っ

ていない。また腹鰭が長く伸びて

いる。

ギンカクラゲ

個々の個体が多数集まってそれぞれの役

割をこなしながら一つの個体を形成する群

体性のクラゲ。黒潮に流されて暖かい海か

らやってくる。

カワリヒレダラ

珍しい種類だが、2個体も採取

された。特徴的な尾鰭をしてい

る。

セキトリイワシ科の魚類

イワシと名前が付いているが全く関係

ない。英語では slick heads(つるつる頭)

と呼ばれている。

カイアシ類の仲間(サフィリナ科)

光を反射することで体を輝かせ

ることができる(雄のみ)

(喪に)

海のサファイアと呼ばれる

ウキビシガイ属(?)の仲間

左右の翼足をパタパタと振りながら海

中を泳ぐ。貝殻は三角形や菱形に近い。

ロフォガスター目の仲間

以前は、アミ目の下位の分類に位置付

けられていたが、現在は独立した分類

群。

10 月 10-11 日 ソーティング・採集物紹介・下船

10 日はソーティングを行いました。St.1―

St.3 で採取されたサンプルの中から、目に見

える仔稚魚を全て抜き出します。

また、大きめのカイアシ類も抜き出して貰

いました。

シャーレの中

はまるで宇宙です。

実習生が見たこと

もないような仔稚

魚が潜んでいることも。 ↑楽しそう。

11 日には、今回の海洋実習で採取された生物の紹介を行いました。魚類は福井研究室の

服部が、プランクトンは松浦研究室の佐藤君が担当しました。

そして、14 時頃に望星丸を下船しました。皆さんお疲れ様でした。

以上で実習レポートを終わります。

←夕暮れ時の駿河湾です。

この景色を見られるだけで

も貴重な経験です。

今年は、台風 19 号の影響で日程が大きく変更するなどのアクシデントに見舞われまし

た。しかしながら、船員の方々と先生方をはじめ、指導学生の皆様の助力に支えられ、

100 名一切の事故もなく、無事に実習を終えることが出来ました。

この場を借りまして、今回の海洋実習 3 にご協力頂いた全ての方々に心から感謝申し上

げます。

(指導学生 福井研究室所属 4 年次生 服部 雅史)

後 記

例年,海洋実習 3 は 6 泊 7 日で行われているが,今年は台風 19 号接近のため早めに切り

上げ,4 泊 5 日に短縮された.乗船期間は短く,屋久島へ上陸できなかったものの,3 測点

で有意義な観測を実施することができた.海に乗り出し観測することの大変さ,予定を変更

して身を守る大切さを,実習生は身をもって学んだと思う.これこそが,海洋実習の意義で

ある.

下船翌日 19 時過ぎに,台風 19 号は伊豆半島に上陸.清水をはじめ駿河湾沿岸部では高

潮により被害がでた.

(水産学科海洋実習 3 主席調査員 福井 篤)

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