かかりつけ薬剤師業務モデル設計戦略 · 頑張れ薬局薬剤師 no.5 2019.5.29...

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頑張れ薬局薬剤師No.5

2019.5.29

医療ソフト総合研究所 1

2019.5.29

かかりつけ薬剤師業務モデル設計戦略

医療ソフト総合研究所 太田善文

<頑張れ薬局薬剤師No.5>

令和の時代

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 2

患者のための薬局ビジョン

2018年10月18日第7回医薬品医療機器制度部会

処方鑑査や医師との連携業務等の具体的な日常業務は、

薬剤師自らが設計し構築するしかない。

頑張れ薬局薬剤師④2019.5.20

かかりつけ薬剤師業務の設計に際しての戦略を解説

● 地域連携体制を関係者が遵守して実践することで、地域連携が効率的に機能すると同時に、関係者の精神的な負担が軽減できる。

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 3

令和の時代の地域連携体制

「善い命令を遂行することで、和を成す」と解釈

令和とは(私なりの解釈)

● 関係者が、予め「取り決め事項」を設定して、それを関係する多職種の日常業務レベルまで具体的にした「地域連携体制」(業務モデル)とする。

令和の時代の地域連携体制とは

● 「生き残るため」ではなく、「皆で担う地域連携体制」を目指し、他の職種の業務内容まで配慮した業務設計とする。

善い命令である「取り決め事項」とするために

●重複投薬や副作用のリスク回避等に取り組む際の、疑義照会等の医師と薬剤師との「取り決め事項」の設定に留意することで、薬剤師の働きやすい業務環境を構築する。

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 4

薬機法改正を見据えた患者分類

かかりつけ対応患者

かかりつけ未定患者

患者の同意でかかりつけ薬剤師業務を実施している患者

未だ、かかりつけ薬剤師が設定されていない患者

他薬局のかかりつけ患者

既に他の薬局でかかりつけ薬剤師が設定されている患者

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 5

対象患者別の業務概要

かかりつけ

対象患者

かかりつけ

未定患者

他薬局のかか

りつけ患者

■共通業務で設定した個別支援計画に、かかりつけ要件からの実施内容と、同意の際の患者の希望を支援計画に組み入れて実践

薬学的管理等の共通業務

◆かかりつけ薬剤師指導料と、薬機法改正の要件を個別支援計画に展開する方法

◆他の薬剤師でも代行できる具体的な支援計画とすること

■共通業務において、かかりつけ機能の必要性を見極め、かかりつけ薬剤師設定への具体的なアプローチ方法の設定と実践

◆かかりつけ機能の必要性の見極め方の設定と実践

◆かかりつけ薬剤師設定の具体的なアプローチの設定と実践

■かかりつけ薬局に行かれなかった理由の把握と対応

■かかりつけ薬剤師等との情報連携の説明と了解

◆一元的管理による重複投薬、相互作用等の薬学的管理業務に関する対応方法

◆今回の受診した医療機関と受診内容に対する対応方法

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 6

薬局ビジョンからの業務設計戦略

2018年10月18日第7回医薬品医療機器制度部会

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 7

今回の改正案による機能の明確化

2019年2月1日 かかりつけ薬剤師・薬局推進指導者協議会

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 8

一元的・継続的な把握による薬学的管理

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

■疑義照会業務を視野に入れて、複数の処方医との連携業務の具体化

■ 処方鑑査時に、他の医療機関の受診状況と投薬内容を効率的に把握し、薬学的管理を実践

■ 保険医との連携

■ 服薬状況を一元的・継続的に把握

■ 個別支援計画に基づいて、適切な支援内容を具体化し、その状況により必要な指導を実施すると同時に、関係者に必要な情報を提供する

■ 服薬指導の実施

◆服薬状況を一元的・継続的に保険医と連携する業務手順・基準の設定と共有化

■ 確実な服薬と薬効・副作用等のモニタリング内容を個別支援計画に展開し継続的に管理

◆服薬状況を一元的に把握する業務の手順と基準の設定

◆服薬状況を継続的に把握する業務の手順と基準の設定

◆保険医との連携による継続的な服薬指導等の実施

◆ 2020年度の調剤報酬改定でどのように展開されてくるか

薬機法改正で厳格化される業務内容

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 9

重複投薬・相互作用防止と照会

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

◆重複投薬・相互作用防止の処方鑑査業務の手順・基準を策定し、地域の処方医に事前に承諾

■重複投薬のチェックの手順と判断基準に基づく鑑査の実施

■相互作用のチェックの手順と判断基準に基づく鑑査の実施

■ 重複投薬の防止

■ 相互作用の防止

■照会する理由と改善に向けた処方提案の提示

■ 処方医への照会

■変更に際して、患者の理解・納得の確認

■ 処方変更業務

◆重複のチェック基準と判断基準に必要な疾病・症状に関する必要な情報の入手の手順・基準を策定

◆相互作用のチェック基準と判断基準に必要な手順・基準を策定

◆疑義照会、処方提案に関する処方鑑査からの一連の業務に関して、地域の処方医に事前に承諾

◆処方変更に伴う患者の不安を把握し、適切に対応する。その結果は必ず処方医と共有する

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 10

特定薬剤に関する薬学的管理

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

◆Check Sheetの仕組みの業務体制を構築して展開■指示内容に基づく服薬状況の確認

■上記の確認の結果で、問題点がある場合に指導

■特定薬剤別の副作用の確認と対応

■問題がなければ、「継続的に管理する」と記載

■ ①服薬状況 ②副作用の有無等の確認

■ 必要な薬学的管理、指導

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 11

特定薬剤に関する薬学的管理

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

◆Check Sheetの仕組みの業務体制を構築して展開■指示内容に基づく服薬状況の確認

■上記の確認の結果で、問題点がある場合に指導

■特定薬剤別の副作用の確認と対応

■問題がなければ、「継続的に管理する」と記載

■ ①服薬状況 ②副作用の有無等の確認

■ 必要な薬学的管理、指導

新地域連携体制構築③2018.11.27

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 12

特定薬剤に関する薬学的管理

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

◆Check Sheetの仕組みの業務体制を構築して展開■指示内容に基づく服薬状況の確認

■上記の確認の結果で、問題点がある場合に指導

■特定薬剤別の副作用の確認と対応

■問題がなければ、「継続的に管理する」と記載

■ ①服薬状況 ②副作用等の有無の確認

■ 必要な薬学的管理、指導

新地域連携体制構築③2018.11.27

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 13

特定薬剤に関する薬学的管理

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

◆Check Sheetの仕組みの業務体制を構築して展開■指示内容に基づく服薬状況の確認

■上記の確認の結果で、問題点がある場合に指導

■特定薬剤別の副作用の確認と対応

■問題がなければ、「継続的に管理する」と記載

■ ①服薬状況 ②副作用等の有無の確認

■ 必要な薬学的管理、指導

新地域連携体制構築③2018.11.27

頑張れ薬局薬剤師④2019.5.20

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 14

特定薬剤に関する薬学的管理

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

◆Check Sheetの仕組みの業務体制を構築して展開■指示内容に基づく服薬状況の確認

■上記の確認の結果で、問題点がある場合に指導

■特定薬剤別の副作用の確認と対応

■問題がなければ、「継続的に管理する」と記載

■ ①服薬状況 ②副作用の有無等の確認

■ 必要な薬学的管理、指導◆医薬品別Check Sheetの設定・検証・保守管理を誰が担うのか?

Check Sheetの仕組みの運用管理体制

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 15

説明と同意

実施に際しての留意点 継続的な薬学管理・指導の業務構築

■ 患者の同意

■ 必要な指導等

◆同意に際して、目指す目標を共有化して、個別支援計画作成につなげる業務の手順と基準の作成■形式的ではなく、実際にかかりつけ薬剤師として

実施できる内容を説明し、患者等の要求内容と提供する内容が一致したことを確認する

■患者の状態を的確に把握した上で、課題を特定した理由が「必要性の根拠」となる

◆的確に課題を抽出する業務の手順と基準の作成

◆抽出した課題を改善するための継続的な支援内容を個別支援計画に組み入れる業務の手順・基準

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 16

個別支援計画で実現できること

①現在の課題に対する改善目標と取組内容が具体化できる

◆支援する根拠が明確となっている <適時調査>

◆明確な目標が設定され、達成するための取組内容が具体的である

②次回の支援内容が計画書に設定される

◆計画作成時は大変だが、それ以降は予定の取組内容が設定されているので、効率的に実施できる

③計画書を医師と共有することで連携できる

◆医師と最初に計画書の改善目標等を共有することで、計画に基づく実施状況の報告で適切な薬物治療の面で連携できる

◆担当薬剤師の不在時や、連携薬局でも、計画書に設定された予定の支援内容が支障なく実施できる

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 17

個別支援計画で実現すること

④入院時、退院時の薬薬連携で計画書により情報共有できる

◆入院前の一元管理の状況が的確に把握できる

◆退院時に個別支援計画が入手でき、退院後の連携が容易となる

⑤医師以外の関係職種と情報共有できる

◆薬効、副作用の早期発見等の具体的なモニタリング方法や対応方法を計画書を通じて関係職種と連携できる。

⑥計画書に基づく実施により記録業務の軽減化が図れる

◆計画書に常に次回の支援内容やモニタリグ内容を設定することで、実施等の有無を確認するだけで記録に展開することができ、サービスの質の向上と業務の軽減化が図れる。

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 18

個別支援計画のイメージ

疾病・症状 医薬品

機能低下 認識行動機能

疾患別多職種連携

がん等の終末期ケア 医薬品別Check Sheet

嚥下機能

生理機能

運動機能

代謝機能

理解・納得・実施

全人的な対応

適切な薬物治療

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 19

個別支援計画のイメージ

疾病・症状 医薬品

機能低下 認識行動機能

疾患別多職種連携

がん等の終末期ケア 医薬品別Check Sheet

嚥下機能

生理機能

運動機能

代謝機能

理解・納得・実施

全人的な対応

適切な薬物治療●現在の病状

●改善目標

●治療内容

●対応の留意点

疾病・症状適切対応

●処方鑑査

●薬効確認の具体的内容

●リスク回避の具体的内容

●確実な服薬確認方法

服薬マネジメント

●誤嚥性肺炎防止対応

●転倒・転落防止対応

●老年症候群予防対応

●薬物代謝機能低下対応

各種機能低下対応

◆疾病症状対応

◆服薬マネジメント対応

◆各種機能低下対応

●認識行動機能から設定

全人的な対応

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 20

個別支援計画のイメージ

疾病・症状 医薬品

機能低下 認識行動機能

疾患別多職種連携

がん等の終末期ケア 医薬品別Check Sheet

嚥下機能

生理機能

運動機能

代謝機能

理解・納得・行動

全人的な対応

適切な薬物治療●現在の病状

●改善目標

●治療内容

●対応の留意点

疾病・症状適切対応

●処方鑑査

●薬効確認の具体的内容

●リスク回避の具体的内容

●確実な服薬確認方法

服薬マネジメント

●誤嚥性肺炎防止対応

●転倒・転落防止対応

●老年症候群予防対応

●薬物代謝機能低下対応

各種機能低下対応

◆疾病症状対応

◆服薬マネジメント対応

◆各種機能低下対応

●認識行動機能から設定

全人的な対応

具体的でコンパクトな

電子お薬手帳等のICTへの移行を視野に入れたデータのデジタル化

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 21

動画制作後記

関係する多職種が足並みを揃えてサービスを提供する地域連携体制で、高齢者が安心して余生を謳歌することができます。

足並みを揃えるためには、皆で取組事項を設定して、皆でそれを遵守することです。この体制を地域ごとに創り上げていくのが、令和の時代の地域連携体制の取組みなのです。

私が構築しようとしている「個別支援計画」は、今は「夢」のように思われるかもしれませんが、これからの地域連携体制を実現する有効な手段である確信しています。

具体的な取組み方法まで見えるようになるには、半年以上かかるかもしれませんが、私なりに人事を尽くしていきます。

頑張れ薬局薬剤師No.5 2019.5.29

医療ソフト総合研究所 22

動画制作後記

関係する多職種が足並みを揃えてサービスを提供する地域連携体制で、高齢者が安心して余生を謳歌することができます。

足並みを揃えるためには、皆で取組事項を設定して、皆でそれを遵守することです。この体制を地域ごとに創り上げていくのが、令和の時代の地域連携体制の取組みなのです。

私が構築しようとしている「個別支援計画」は、今は「夢」のように思われるかもしれませんが、これからの地域連携体制を実現する有効な手段である確信しています。

具体的な取組み方法まで見えるようになるには、半年以上かかるかもしれませんが、私なりに人事を尽くしていきます。

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