スマートコミュニティ 事例集...7 スマートコミュニティ事例集 平常時の電...
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はじめに
IoTの技術進展によりモノやサービスがつながり、様々な分野でシェアリ
ングエコノミーが可能となりつつあります。スマートコミュニティは、その
ようなシェアリングエコノミーの⼀つの形であり、IoTにより地域内のエネ
ルギー需給を総合的に管理し、エネルギーの利活⽤を最適化する取組になり
ます。
このような新しいエネルギーとの付き合い⽅を実現するスマートコミュニ
ティは、もう私たちの「すぐそば」までやってきています。ポイントは、地
域内のあらゆる場所が「つながって」いること。この仕組みがエネルギーの
「省・創・蓄」に⼤きな発展をもたらし、私たちの暮らしとエネルギーとの
新たな関係を⽣みだします。
実際に、これまで⽇本各地で様々なタイプのスマートコミュニティの構築
が⾏われてきました。例えば、電気の⾃営線を使って地域内で電気を融通す
るタイプのものや未利⽤熱を有効活⽤するタイプのものなどがあります。
今回、そのようなスマートコミュニティの先⾏事例の中から、今後のス
マートコミュニティ構築にあたり参考となるものを選出し、その事業概要な
どをまとめることとしました。
本事例集が、スマートコミュニティ構築検討の⼀助になれば幸いです。
※本事例集は、事業者の皆様からご提供いただいた資料を基に作成いたしました。
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スマートコミュニティの概要
スマートコミュニティの構成要素
電気 熱 システム
需要タイプ
①複合市街地
・⾃営線による電⼒融通・CGS※による電源の多元化・⼤型PVのエリア利⽤
・CGS廃熱の有効利⽤・太陽熱、地下⽔の活⽤
・CEMSによるエネルギー効率化
②⼾建住宅
・太陽光発電、エネファーム、蓄電池の設置 ー ・HEMSによる⾒える化
③集合住宅
・⼀括受電による電⼒料⾦削減
・DRによる電⼒料⾦削減ー
・MEMSによるエネルギー効率化
・HEMSによる⾒える化
④商業施設 ・PV、EVによる電源多元化 ・地下⽔再⽣⽔の活⽤
・BEMSによる商業施設全体のエネルギー効率化
・
⑤教育施設 ・CGS、蓄電池、PVの設置 ・CGS廃熱の有効利⽤ ・BEMSによるエネルギー
効率化
⑥⼯場 ー ・⼯場廃熱の有効活⽤ ー
⑦オフィス ー ・複数建物間での熱融通・太陽熱、地中熱の有効活
⽤ー
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
※CGS:コージェネレーションシステム(熱電併給システム)
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スマートコミュニティ事例集 ⽬次
柏の葉スマートシティ(⾃営線による電⼒融通) ・・・・・・・・・・5
千住テクノステーション(多⽤途の建物への熱融通) ・・・・・・・・・11
⽥町スマエネパーク(エネルギーセンターの連携) ・・・・・・・・・16
芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画(公道を挟む電⼒・熱の⾯的融通) ・・・・・・・・・22
Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(独⾃の創蓄連携システム) ・・・・・・・・・27
複合市街地
相模原 光が丘エコタウン(コミュニティ単位での⾃然エネルギーの積極利⽤) ・・・・・・・・・32
⼾建住宅
パークタワー⻄新宿エムズポート(MEMSによる電⼒の最適運⽤) ・・・・・・・・・38
集合住宅
堺鉄砲町地区スマートコミュニティ(下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤) ・・・・・・・・・43
商業施設
中部⼤学スマートエコキャンパス(キャンパス内のスマートグリッド化) ・・・・・・・・・48
教育施設
第⼆仙台北部中核⼯業団地(供給側と需要側が⼀体となったマイクログリッド) ・・・・・・・・・54
⻑崎県島原市(⼯場排⽔(温⽔)の有効利⽤) ・・・・・・・・・60
⼯場
京橋1・2丁⽬地区熱供給(複数建物間の効率的な熱融通) ・・・・・・・・・65オフィス
※各事例の内容は、各事業者の⽅に執筆いただいたものになります。
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導⼊設備早⾒表
太陽光発電 蓄電池
CGS(コージェネレーションシステム)
※熱電併給設備
EMS(エネルギーマネジメント
システム)⾃営線
熱利⽤※CGSの廃熱以外家庭⽤
業務⽤コミュニティ⽤
柏の葉スマートシティ ○ ○ ○ ○ ○ ○
千住テクノステーション ○ ○ ○
⽥町スマエネパーク ○ ○ ○ ○ ○
芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画 ○ ○ ○ ○
Fujisawaサスティナブル・スマートタウン ○ ○ ○ ○ ○ ○
相模原 光が丘 ○ ○ ○
パークタワー⻄新宿エムズポート ○ ○ ○
堺鉄砲町地区スマートコミュニティ ○ ○ ○
中部⼤学スマートエコキャンパス ○ ○ ○ ○ ○
第⼆仙台北部中核⼯業団地 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
⻑崎県島原市 ○
京橋1・2丁⽬地区熱供給 ○
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【複合市街地】 柏の葉スマートシティ 1/5
事業主体:三井不動産、スマ-シティ企画対 象 地:柏の葉キャンパス147街区(パークシティ柏の葉キャンパス⼆番街)
148街区(ゲートスクエア)、150街区(ららぽーと柏の葉)151街区(パークシティ柏の葉キャンパス⼀番街)
⾯ 積:約12.7万m2施⾏期間:2005年10⽉〜2014年5⽉事 業 費:約1,000億円(148街区第1開発までの計画確定済分)⽤ 途:住宅(約2,000⼾)、ホテル(客室室数:166室)、
商業施設(年間来場者数:700万⼈)、オフィス(従業員⾒込:約1,000⼈)
概要
経緯
■事業エリア
柏市の都市計画に基づき、2000年より273haの区画整理事業が開始。2005年につくばエクスプレスが開通、柏の葉キャンパス駅が開業し、利便性が向上した。2008年には千葉県・柏市・東京⼤学・千葉⼤学による「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が発表された。三井不動産は、「柏の葉国際キャンパスタウン構想」のフォローアップ事業に参加し、柏の葉スマートシティを推進している。
■年表
柏の葉ならではの豊かな⾃然環境を地域資源として活かしながら、「省エネ・創エネ・蓄エネ」や次世代交通システム、緑化プログラムなどの整備を通じて、災害時にもライフラインを確保し、⼈と環境が共存していける未来型の環境共⽣都市を⽬指す。
コンセプト
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スマートコミュニティ事例集
平常時の電⼒ピークカット 各街区内の建物で電⼒会社の系統電⼒と太陽光発電や蓄電池などの分散電源を併⽤しつつ、分
散電源の電⼒を街区間で融通しあうことで街全体の電⼒ピークカットを実現する。 平⽇はオフィスでの電⼒需要が⾼まるため「ららぽーと柏の葉」(商業施設)から「ゲートス
クエア」(オフィス・ホテルなど)に電気を供給し、休⽇は商業施設での電⼒需要が⾼まるため「ゲートスクエア」から「ららぽーと柏の葉」に電気を供給する。
これらの取り組みにより地域レベルで約26%の電⼒ピークカットを⾏い、省エネルギー・CO2削減に貢献するとともに、両施設合計で電⼒料⾦削減など年間約1,000万円の経済的なメリットを⾒込む。
電⼒融通の計画概要
⾮常時の防災⼒強化 系統電⼒が停電した際は、地域に分散設置した発電・蓄電設備の電⼒を「特定供給」として住
⺠⽣活の維持に必要な施設・設備にまで供給し、街の防災⼒を⾼める。 具体的には、「ゲートスクエア」の発電・蓄電エネルギーを、「パークシティ柏の葉キャンパ
ス⼀番街」(集合住宅)および「パークシティ柏の葉キャンパス⼆番街」(集合住宅)のエレベータ(各棟1基)、共⽤照明、集会場などの共⽤設備に供給する。
柏の葉スマートグリッドの特⻑多様な電源を地域に分散設置「ららぽーと柏の葉」には、ハーフメガソーラーとして太陽光発電(発電出⼒:約500kW)と⼤規模蓄電池(蓄電容量:約11,850 kWh、出⼒:約1,800kW)を設置。「ゲートスクエア」には、太陽光発電(発電出⼒:約220kW)と蓄電池(蓄電容量:約3,800kWh、出⼒:約500kW)を設置し、さらに⾮常時に稼働させるガス発電機(発電出⼒:約2,000kW)を設置。
■ゲートスクエアのリチウムイオン電池■ららぽーと柏の葉のNAS電池
■電⼒融通のイメージ
【複合市街地】 柏の葉スマートシティ 2/5
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【複合市街地】 柏の葉スマートシティ 3/5系統電⼒と協調したスマートグリッドモデル街区間で分散電源の電⼒を融通する際に、電⼒会社の系統電⼒と混ざることがないように制御を⾏う「電⼒融通装置」を設置。また、天候により発電出⼒が変動する太陽光発電を、⼤規模蓄電池と組み合わせて電⼒量の安定性を確保することで、太陽光発電設備が電気事業法上の特定供給における「発電設備」として国内で初めて許可された。これらの仕組みにより、系統電⼒網に負担をかけずに区域内で分散電源の電⼒供給を⾏うことが可能となった。
「柏の葉スマートセンター」の設置AEMSによる地域エネルギーマネジメントの拠点として、ゲートスクエア内に「柏の葉スマートセンター」を設置。柏の葉スマートセンターでは、地域電⼒の監視や発電・蓄電設備の制御、電⼒融通量の調整などを⾏う。また、各施設のエネルギー利⽤傾向を分析し、省エネにつながるアドバイスを発信する「⾏動ナビゲーション」を⾏う。
地域エネルギーマネジメントを実現各施設や分散電源をICTネットワークでつなぐAEMS(Area Energy Management System)を構築。AEMSは各施設の発電量や蓄電量、電⼒使⽤量、地域の気象情報や災害情報などのデータを収集・分析して今後の電⼒需要や発電・蓄電量を予測し、地域における最適な電⼒供給計画を策定する。
■電⼒融通装置 ■柏の葉スマートセンターイメージ
電⼒融通における従来課題と柏の葉スマートシティの新規性電気事業法上の「特定供給」はこれまで、⾃営発電設備を有する⼤規模⼯業団地などで敷地内の各施設に電気を供給する際に⽤いられてきた。特定供給には経済産業⼤⾂の許可が必要であり、その許可基準は、供給先となる場所の電⼒需要に対して50%以上を満たす発電設備の保有(⾃⼰電源保有⽐率)が条件となっている。このためスマートシティで電⼒供給を実現するためには、過⼤な設備投資が必要となる課題があった。また太陽光発電などの再⽣可能エネルギーは、気象条件による発電出⼒の不安定性から、これまでは発電設備として認められていなかった。柏の葉スマートシティではこれらの従来課題の解決に向けて関係各所と協議を続けた結果、以下4点の特⻑がある電⼒供給を具現化することとなった。
2. 特定供給における需要の考え⽅特定供給の許可が必要となる集合住宅街区への⾮常時(系統電⼒が途絶えた状態)の電⼒供給に関しては、供給先をエレベータ、共⽤照明、集会場などの共⽤設備に限定することで、「⾮常時に需要家が必要とする共⽤設備部分の電⼒」を基準に算出され、供給許可を受けた。
1. 特定した⼀つの建物内への供給により実現する電⼒融通「ららぽーと柏の葉」と「ゲートスクエア」のように異なる街区であっても、特定した⼀つの建物内への電⼒供給の場合、⾃営の送電線を利⽤することで電⼒融通を⾏うことが可能となった。このため両施設間では平常時でも電⼒融通を⾏うことが可能となり、地域レベルでの電⼒ピークカットが実現できた。
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4. 供給先と協定書を締結することで、電気事業法が定める「密接な関係」を構築経済産業省との協議により、2012年12⽉、電気事業法に基づく経済産業⼤⾂の処分に係る審査基準等の⼀部改正が⾏われた。改正前は特定供給の許可を⾏うに当たり、供給元と供給先が組合を設⽴して「密接な関係」を有することが要件の1つとされており、組合の構成員が原則として⾦銭による出資を⾏うことを求めていた。改正ではこの要件を緩和し、組合の構成員による出資の有無にかかわらず、供給元である三井不動産株式会社が供給先であるマンション管理組合と電⼒供給に係る条件を明記した協定を締結することで特定供給の許可を受けることが可能となった。
3. 太陽光発電設備を「発電設備」に認定2014年3⽉、電気事業法に基づく経済産業⼤⾂の処分に係る審査基準等の⼀部改正が⾏われ、⾃然
環境の影響等により出⼒が変動する太陽光発電設備や⾵⼒発電設備については、蓄電池または燃料電池発電設備と組み合わせることで安定的な供給を確保できる場合に限り、⼀定量を供給能⼒として認められることとなった。柏の葉スマートシティでは、天候により発電出⼒が変動する太陽光発電を、蓄電池と組み合わせて使⽤し電⼒量を管理することにより、発電出⼒の安定性を確保することが可能となった。この有効性が評価され、審査基準改正後、国内で初めて特定供給の発電設備として太陽光発電設備が許可された。
これらの認定は、過⼤な設備投資負担を抑えてスマートグリッドを実現することにつながるため、全国の既存都市においても今後スマート化の取り組みが⼀層加速するものと考えられる。また分散電源を地域で有効活⽤してピークカット効果や防災機能を⾼める柏の葉スマートシティの取り組みは、環境に優しく災害に強い街づくりが求められる被災地や、急速な経済成⻑で新たな都市開発やエネルギー不⾜の課題が顕在化している新興国など、幅広い地域に展開可能なモデルとなる。
成果次世代エネルギー技術実証事業(平成24年7⽉〜27年3⽉)の成果として、下記数値が達成された。CO2削減量:①利⽤者向け省エネナビゲーション※の効果 ・・・6%②施設管理者向け省エネナビゲーション※の効果 ・・・4%※エネルギー利⽤傾向を分析し、省エネにつながるアドバイスを発信するシステム。①の対象は、オフィステナント、商業テナント、ホテル運営者、ホール&カンファレンス運営者②の対象は、148街区ゲートスクエア、パークシティ柏の葉キャンパス⼀番街、パークシティ柏の葉キャンパス⼆番街、ららぽーと柏の葉の施設管理者
スマートコミュニティ事例集【複合市街地】 柏の葉スマートシティ 4/5
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住⺠の声
篠原晋寧さん柏の葉キャンパス在住歴6年ご主⼈と5歳の娘さんと住まわれています。
興味を持ったきっかけは都⼼までのアクセスの良さ以前仕事で、2年半ほど上海に駐在していました。⽇本に戻ってきたタイミングで、⼦どもがほしいと思ったのが家を探すきっかけでした。当時、職場だった秋葉原から乗り換えなしで、40〜50分以内で通勤できるところを⽬安に家を探していたのですが、職場まで近く、⽣活に必要なものが駅の周辺でひととおり揃う柏の葉キャンパスのマンションを⾒に来たとき、ひとめぼれしてしまいました。駅前で何でも揃う「コンパクトシティ」駅前で⽣活に必要なものがひと通り揃う「コンパクトシティ」であることが、この街の魅⼒です。都⼼に近いのに⾃然環境も豊かで、のどかな雰囲気。アクティブで新しいことに挑戦しようという仲間がいっぱいいて、街を歩けば「こんにちは」って声をかけ合うような、あたたかい雰囲気も気に⼊っています。
スマートシティでの⽣活電気⾃動⾞や⾃転⾞などを街でシェアする“街乗り!シェアリング”というシステムがあります。利⽤することでCO2の排出量を抑えることができたり、電気⾃動⾞は⾮常時に電⼒の供給源にもなりますね。また、消費されている電⼒や蓄積されている太陽光エネルギーは⼤型モニターに表⽰されていて、誰でも街中で確認することができます。街にカメラが多く設置されていて、最新機器に⼦どもが守られているという安⼼感もありますね。その他に⾝近なものでは、地域活動に参加するとポイントが貯まる仕組みがあります。このポイントは、地域活動のほか、「街乗り!シェアリング」の割引や、買い物券などに交換できて、ポイントを通して地域とつながりを感じています。
⼦どもたちのための街作り我々⼤⼈はよその街から移ってきましたが、⼦どもにとってこの柏の葉は⽣まれ育った地元になりますね。⼦どもが⼤きくなった時に、家族でこの場所によく来たなとか、お⽗さんとあそこでかけっこしたなとか。地元柏の葉キャンパスは思い出がたくさん詰まっている場所であってほしいですね。将来⼤きくなったとき、「私の地元はね」って語りたくなるような。ハード⾯では街は駅前から回りにどんどん拓いていきますが、住みやすさや地域のコミュニティ形成などは、住⺠の⾃分たちで働きかけていかないとと思っています。今頑張っている活動も、⼦どものためにという思いが原動⼒ですね
【複合市街地】 柏の葉スマートシティ 5/5
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【複合市街地】千住テクノステーション 1/5
概要2010年度より、経済産業省の補助事業「分散型エネルギー複合最適化実証事業」の採択を受け、東京ガス千住テクノステーション(東京都荒川区南千住)内の複数建物と近隣の特別養護⽼⼈ホーム(以下、特⽼)へ熱及び電⼒の供給を⾏うスマエネ実証試験施設を構築した。実証試験にてエネルギー供給対象となる建物は、東京ガス事業所内の業務⽤建物(A館:26,190m2、B館:8,881m2 )、スマート実証ハウス(暮楽創ハウス)、エネルギーセンター(C館:957m2)と、近隣の特別養護⽼⼈ホーム(3,805m2 )の5つである。
■ 千住スマエネ実証試験施設
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スマートコミュニティ事例集
エネルギー供給設備は、太陽光発電装置、太陽熱、⾼効率ガスエンジンCGS、太陽熱とCGS廃熱を有効活⽤するハイブリッド熱源システム等から構成されている。電⼒は、発電効率40%(LHV基準)を超える⾼効率ガスエンジンCGS、太陽光発電からの電⼒に電⼒会社からの電⼒を合わせて各建物に供給する。⼀⽅、熱は、CGS廃熱(蒸気、温⽔)と太陽熱からの熱(温⽔)をC館で回収し、冷房冷⽔・暖房温⽔・給湯温⽔に変換した上でA館、B館、C館に供給する。C館のエネルギーセンターには、多様なエネルギー源(太陽熱、CGS廃熱、電気、ガス)で駆動するハイブリッド熱源システムを導⼊した。具体的には、太陽熱やCGS廃熱などから製造される蒸気や温⽔で駆動する吸収式冷温⽔機、CGS発電電⼒で稼働するターボ冷凍機、都市ガス駆動の吸収式冷温⽔機などを導⼊した。また、この多様な熱源機群を最も省エネに制御するために、太陽熱、CGS廃熱を優先活⽤することを可能とする熱源統合制御盤を開発し設置した。さらに、特別養護⽼⼈ホームとC館の間では、余剰となった太陽熱やCGS廃熱を互いに融通することが可能な双⽅向熱融通設備を設計し設置した。
■ システムフロー
千住スマエネ実証試験では、スマエネ実現に資する3つの先進的な制御技術の検証に取組んだ。1つは、『①再⽣可能エネルギー(太陽熱)、CGS廃熱などを優先的に活⽤し、冷暖房や給湯の省エネ性を最⼤限に⾼める熱源統合制御の検証』、もう1つは、『②⾃社施設と近隣建物を熱融通配管で結び、太陽熱とCGS廃熱を双⽅向に融通する技術の検証』、もう1つは、『③将来の太陽光発電の⼤量導⼊を想定し、気象条件により変動する太陽光発電の出⼒をCGSや電動熱源機により調整・制御し、系統電⼒を安定化させる制御技術の検証』である。ここでは、①〜③の進捗状況と、これらを組合せたシステム全体の省エネ・CO2削減効果(2011年度実績値)を紹介する。
【複合市街地】千住テクノステーション 2/5
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実証試験結果
熱源統合制御の検証気象条件によって変動する再⽣可能エネルギーやCGS廃熱を優先的に活⽤しつつ、不⾜分を電⼒、都市ガスを組合せて適切にバックアップする熱源統合制御の制御動作を検証する実証試験を⾏った(右図)。横軸は省エネ最適となるエネルギー利⽤順位を表しており、「再⽣可能・未利⽤エネルギー」→「CGS廃熱」→「CGS電⼒」→「ガス」の順に活⽤するのが望ましく、それを実現するため、ハイブリッド熱源システムを構成する複数熱源機を上から下の順番に活⽤する。
■ 熱源統合制御の基本思想
更に、天候や建物負荷条件などにより再⽣可能エネルギーやCGS廃熱量が変動することから、これらの量をリアルタイムに収集し運転台数を随時⾒直す仕様としている。2011年4⽉〜2012年3⽉にかけて、本制御による冷温⽔製造に要する供給エネルギー源内訳の推移、蒸気(CGS廃熱)や温⽔(CGS廃熱、太陽熱)の利⽤状況などを確認した。夏期代表⽇(2011/8/29)の冷⽔製造における供給エネルギー源の例を下図に⽰す。CGS廃熱・太陽熱等を優先活⽤し、不⾜分を電気、ガスで適切にパックアップしていることが確認できる。また、同⽇の蒸気(CGS廃熱)利⽤率と温⽔(CGS廃熱、太陽熱)利⽤率は、90%、81%と⾼い利⽤率を確保していた。更に、中間期は、蒸気吸収ヒートポンプにより冷⽔製造時に発⽣する冷房廃熱を暖房⽤の温⽔製造に有効活⽤し、不⾜する能⼒をCGS廃熱でバックアップする等も確認され、年間を通した⾼度な省エネ⾃動制御技術を実証した。
■ 夏期代表⽇8/29の稼動実績
【複合市街地】千住テクノステーション 3/5
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スマートコミュニティ事例集
双⽅向熱融通技術の検証熱の⾯的利⽤の新たな展開として「建物間融通」に着⽬し、千住テクノステーションと特⽼の間での建物間融通の実証設備を構築し技術確認を⾏った。具体的には、千住テクノステーション内のCGS廃熱等の余剰分を特⽼へ融通するとともに、特⽼設置を想定した太陽熱集熱装置の余剰熱を千住テクノステーションで受け取る双⽅向熱融通モデルの実証を⾏った(右図)。代表⽇として2011/9/28の例を下図に⽰す。特⽼の給湯需要は、7:00〜13:00、18:00〜22:00に発⽣している。
■ 双⽅向熱融通
また、9/28は晴天であり8:00〜16:00に安定した集熱量が確認できる。そこで、太陽熱は、給湯需要が発⽣する8:00〜13:00に⾃家消費を⾏い、13:00〜16:00は余剰となり千住テクノステーションへ融通している。⼀⽅、特⽼に給湯需要がある時間帯は、千住テクノステーションからCGS廃熱等の余剰熱が融通されており、双⽅向熱融通が実現可能であることが確認された。
■ 双⽅向熱融通の稼動実績
太陽光発電の出⼒変動補完制御の検証低炭素社会実現の要請に対し、国内では太陽光発電の⼤量導⼊計画が⽴てられている。太陽光発電は発電時にCO2を排出しないクリーンな電源である⼀⽅、その出⼒は天候次第で制御できないため、⼤量導⼊の際には、電⼒系統に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そこで、本実証試験では、既設のCGSを⽤いて太陽光発電の出⼒変動を補完することを⽬指し、実機を⽤いた機能確認試験を⾏った。具体的には、太陽光発電の出⼒変動に対し、CGS発電電⼒を逆⽅向に⾃動出⼒調整することにより、太陽光発電とCGS発電電⼒の合計発電出⼒を平滑化(安定化)できることを確認した。
【複合市街地】千住テクノステーション 4/5
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この⼿法によって、電⼒系統と需要家構内が連系する部分での潮流量を安定化させることが可能であることを⽰した。これによって、⼀需要家内で太陽光発電の出⼒変動を吸収し、電⼒系統への影響を緩和させる効果が得られることを実証した。
実証施設全体の省エネ・ CO2削減効果本実証試験では、上記で⽰した技術の他、千住テクノステーション内複数建物へ地点熱供給を⾏なう等、様々な省エネ・ CO2 削減策を講じている。2011年度におけるシステム全体での省エネ・CO2削減効果(実績)について、1990年度時点で設置したと想定される設備との⽐較により定量化した。評価結果は、省エネ率13.6%、 CO2削減率35.8%となり、スマエネが省エネ・ CO2削減に⼤きく寄与できることを確認した。
■ 太陽光発電の出⼒変動補完制御の稼動状況
基準 (1990年)
実績 (2011年度)
増減
⼀次E消費量 33,889 GJ/年
29,273 GJ/年
▲4617GJ/年 (▲13.6%)
CO2排出量 2,319 t-CO2/年
1,490 t-CO2/年
▲829t-CO2/年 ▲35.8%
■ 千住スマエネの省エネ・CO2削減効果
まとめ東京ガスでは、スマエネを実現するために必要な先進的制御技術に関して、⾃社施設である東京ガス千住テクノステーションとその周辺地域に設備を構築し、実証試験を実施した。本実証試験で培ったこれらの成果は、今後、東京ガスが取組む都市再開発プロジェクト等を通して⽔平展開を⽬指していく。
【複合市街地03】千住テクノステーション【複合市街地】千住テクノステーション 5/5
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【複合市街地】⽥町スマエネパーク 1/5概要
まちづくりコンセプト港区が策定した「⽥町駅東⼝北地区街づくりビジョン」に基づき、需要側と供給側、官⺠が連携し「環境と共⽣した複合市街地の形成」、「エネルギー⾃⽴による持続可能な地域の形成」をコンセプトに掲げた「低炭素で災害につよいまちづくり」を⽬指す。
複数事業者による継続的なまちづくりの取り組み⽤途の異なる複数の建物をひとつの建物群として捉えて、事業者、設計者、施⼯者等が基本構想段階から計画・設計段階、施⼯段階を経て運⽤段階に⾄るまで、まちづくりコンセプトの実現をめざし、⼀貫して連携し、継続的なまちづくりに取り組んでいる。
東京都⼼部のJR⽥町駅東⼝⾄近に位置し、かつて、港区総合⽀所やスポーツセンター、東京ガスの研究施設などが建っていた⼟地に、都市再⽣機構を施⾏者として⼟地区画整理事業を実施し、港区と東京ガスが⼀体的に開発を進めている地区である。港区を中⼼に開発した「くらしの拠点ゾーン(Ⅰ街区)」と東京ガスを中⼼に開発中の「新たな都市の拠点ゾーン(Ⅱ-2街区)」の⼤きく⼆つのコンセプトゾーンに分けられ、段階的に開発が進められている。この地区にエネルギーの需給を連携した「スマートエネルギーネットワーク(スマエネ)」を構築している。
Ⅰ街区全景
⽥町駅東⼝北地区 区域図
【供給側】 第⼀スマートエネルギーセンター
事業主 東京ガスエンジニアリングソリューションズ(株)
供給開始年⽉ 2014年11⽉
供給延床⾯積 約6.8万㎡
供給対象施設 公共公益施設(みなとパーク芝浦)、病院(愛育病院)児童福祉施設(港区⽴しばうら保育園等)
【需要側】 みなとパーク芝浦 愛育病院 港区⽴しばうら保育園等
事業主 港区 社会福祉法⼈恩賜財団⺟⼦愛育会
港区
竣⼯年⽉ 2014年10⽉ 2014年10⽉ 2015年8⽉延床⾯積 50,724.90㎡ 17,586.05㎡ 6,597.53㎡階数 地下1階 地上8階 地上10階 塔屋1階 地上6階主な⽤途 事務所、集会場
体育館 等産婦⼈科、⼩児科、新⽣児科 等
保育園 等
Ⅰ街区の概要
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スマエネの計画概要地域レベルでさらなる省エネを推進していくために、エネルギー供給側と需要側が各々省エネを検討しているのではなく、双⽅の連携により地域全体としてエネルギー使⽤量の最⼩化を図っていくことが必要となる。そのため、当地区では第⼀スマートエネルギーセンター(スマエネセンター)を中⼼に、熱・電⼒・情報のネットワークを構築し、ガスコージェネレーションシステム(CGS)や再⽣可能エネルギー・未利⽤エネルギーを導⼊することで、平常時の低炭素化・省エネルギー性と⾮常時の⾃⽴性、これら双⽅を実現した。また、地区全体をICTを活⽤し連携することで、供給側と需要側を最適に制御し、地区全体のCO2排出量の最⼩化を図る。さらに、開発中の隣接街区に計画されている第⼆スマエネセンターとの連携により、両スマエネセンター間で⾯的に熱融通を⾏い、リダンダンシー(冗⻑性)の確保と更なる⾼効率化を図る予定である。
情報発信 未利⽤エネルギーの活⽤地下トンネル⽔の熱利⽤
特別⾼圧中圧ガス
再⽣可能エネルギーの活⽤
ICTの活⽤
太陽熱
Ⅱ-2街区(開発中) Ⅰ街区
第⼀スマートエネルギーセンター
センター間連携
CGSの活⽤
港区⽴しばうら保育園等
電気
愛育病院
BEMS
BEMS
みなとパーク芝浦
⾵⼒発電 太陽熱利⽤太陽光発電
第⼆スマートエネルギーセンター
(将来)
太陽光発電
情報
熱
C G S
A棟(オフィス棟)
B棟(オフィス棟)
ホテル棟太陽熱
⾼圧電
CGS
太陽熱利⽤太陽光発電
BEMS
BEMS
BEMS
当地区のスマートエネルギーネットワーク 概念図
スマートエネルギーセンター 外観
スマートエネルギーセンター 内観
(1)地域連携のための関係者会議体 スマートエネルギー部会地区全体の低炭素⽬標値の設定やスマエネの構築、運⽤⽅法等に係る計画・意思決定、マネジメントに関する合意形成を⾏う場として、計画段階よりエネルギー供給側関係者と需要側関係者等、官⺠さまざまな主体によるエリアエネルギーマネジメント組織「スマートエネルギー部会」を設⽴した。本部会では、計画、設計、施⼯、運⽤の各段階に応じて、関連する地区の全関係事業者が参加し、エリアエネルギーに関する事項を確認、合意、発信している。本部会を通じて、官⺠さまざまな⽴場の関係者がエネルギー⾯での地区の性能向上を図るため、エネルギーの利⽤状況や低炭素化⽬標値の達成状況などの共有化を図り、議論を進めることで「低炭素で災害につよいまちづくり」を⽬指している。
省CO2まちづくりの特徴
(供給側)スマートエネルギーセンター(事業者) 東京ガスエンジニアリングソリューションズ(企画・計画) 東京ガス(設計) ⽇本設計(施⼯) 新⽇本空調
(需要側)愛育病院
(事業者) 愛育病院(設計) ⽇建設計(施⼯) ⿅島建設 他(管理) アサヒファシリティーズ
(需要側)みなとパーク芝浦しばうら保育園等
(事業者) 港区(設計) NTTファシリティーズ(施⼯) ⿅島建設 JV(管理) 東急コミュニティ
スマートエネルギー部会 開催⾵景 スマートエネルギー部会 構成員
【複合市街地】⽥町スマエネパーク 2/5
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(3)CGSを核とした低炭素かつ災害に強い分散型エネルギーシステムの構築スマエネセンターでは、⾼効率ガスエンジンCGS(370kW×2台)、および燃料電池CGS(105kW×1台)を導⼊し、⾼効率熱源機を組み合わせた熱、電⼒のエネルギー供給システムを構築し、複数のエネルギー源の選択による効率的な運⽤と安定的なエネルギー供給を実現している。また、災害時の防災拠点となるみなとパーク芝浦や愛育病院など重要施設においては平常時の省エネ性だけでなく、地域としてレジリエンス性能の強化も図っている。具体的には、停電時において、愛育病院へはスマエネセンターより通常時同様、100%の冷温熱負荷分を継続供給する。また、みなとパーク芝浦へはスマエネセンター内のCGS(都市ガス中圧供給)より電⼒を供給し、建物側で保有する⾮常⽤発電機と太陽光発電とともに、リダンダンシーを確保している。加えて、災害時においても、エリアエネルギーマネジメントシステムであるSENEMS(後述)を稼動し、ICTを活⽤したBCP強化に向けたエネルギーセキュリティの向上と省エネ運転を実現する。
ガスエンジンCGS
燃料電池CGS
(4)再⽣可能エネルギー、未利⽤エネルギーを活⽤した次世代の地産地消・環境配慮型エネルギー供給システムの構築
① 太陽熱を利⽤した地域熱供給システム(国内初)南⾯が公園という⽴地条件を活かし、地区を東⻄に貫く主動線であるペデストリアンデッキの屋根に、真空管式太陽熱集熱器(288㎡)を設置し、熱供給のための空調熱源として通年で活⽤している。また、デッキの屋根の⼀部は、上部に太陽熱集熱器を設置していることを「⾒える化」することで利⽤者等への環境啓発を期待して、ガラス製としている。
ペデストリアンデッキ屋根に設置した太陽熱集熱器※下部から⾒上げた様⼦
② 建物側での再⽣可能エネルギーの活⽤当地区では地区全体の低炭素化に向けて、建物側でも再⽣可能エネルギーを積極的に活⽤している。具体的には、みなとパーク芝浦の屋上に、太陽光発電(65kW)、太陽熱集熱器(167㎡)、⾵⼒発電(2kW)を設置、また、愛育病院の屋上に、太陽光発電(7kW)が設置されている。
(2)建物側における快適性の維持・向上と低炭素化の実現スマエネの構築、効率的な運⽤に加えて、各建物側でも低炭素化技術を積極的に取り⼊れて、省CO2まちづくりを進めている。
【複合市街地】⽥町スマエネパーク 3/5
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(5)需要側と供給側の連携による地区全体のエネルギーマネジメントの実現地区のエネルギー最適化をめざし、地区全体のエネルギーの制御・管理を司る司令塔として「SENEMS*」を開発した。SENEMSでは、各建物のエネルギーや空調機、スマエネセンターの熱源機器の情報を常時把握、これら収集したデータをリアルタイムで分析処理し、熱源機器だけでなく、必要に応じて各建物の空調機等設備の制御も⾏うことで、地区全体の低炭素化を実現している。
SENEMSの考え⽅*SENEMS
Smart Energy Network Energy Management System
(6)マネジメント機能と⾒える化当地区では地区全体で、どのようにエネルギーをつくり、使っているか、また、スマエネセンターや各建物の省エネ、CO2削減状況がどのようになっているかなどを把握するため、⾒える化の取組みも積極的に⾏っている。具体的には、ウェブサイトを開設し、当地区の取り組みを広く理解していただくとともに、需要家に対して各建物の省エネへの取り組み状況を確認できるように専⽤ページも⽤意している。また、各建物にはデジタルサイネージを設置し、来訪者への環境啓発に向けた取り組みも⾏っている。
⾒える化画⾯
【複合市街地】⽥町スマエネパーク 4/5
③ 地下トンネル⽔を利⽤した地域熱供給システム安定した温度で⼀定量の地下トンネル⽔が地区近傍を流れているため、夏はスクリュー冷凍機の冷却⽔として、冬は蒸気吸収ヒートポンプの熱源⽔として、熱の間接利⽤をしている。これにより、熱源機の効率向上を実現し、地区の環境性能の向上に貢献している。
冷却水
電力
冷水
空調機
未利用エネルギー 冷房
スクリュー冷凍機地下トンネル水
熱源水温水
空調機
未利用エネルギー暖房
地下トンネル水蒸気吸収HP
蒸気 太陽熱・CGS廃熱
冬期:蒸気吸収HPの熱源⽔利⽤夏期:スクリュー冷凍機の冷却⽔利⽤
地下トンネル⽔活⽤⽅法
デジタルサイネージ
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【複合市街地】⽥町スマエネパーク 5/5
まちづくりの段階的拡張に向けて当地区では、2015年10⽉より、(仮称)TGMM芝浦プロジェクトとして、Ⅱ-2街区の開発が始動した。このⅡ-2街区の開発に合わせて、第⼆スマエネセンターを構築し、第⼀スマエネセンターと連携することで、当地区のスマートエネルギーネットワークを拡張していく。このように、両スマエネセンターを連携することで、更新時の相互補完性と合わせて、地区全体のさらなる低炭素化、省エネルギー、⾃⽴性の向上を図る予定である。
⽥町スマエネパークは、官⺠さまざまな⽴場の地域の関係者が連携し、⾼度な防災機能を備えつつ、⼤幅な省エネ・低炭素化を実現する持続可能なまちづくりの先進事例であり、さまざまな地域における今後のまちづくりのモデルとなる。
左:公園からⅠ街区を望む
左:愛育病院外観夜景下:みなとパーク芝浦外観夜景
所在地 : 東京都港区芝浦三丁⽬主要⽤途 : 事務所、店舗、ホテル、⽣活⽀援施設、地域冷暖房施設、駐⾞場等敷地⾯積 : 約28,000m2
各棟規模 :・A棟(事務所棟) 地上31階 地下2階 延床⾯積約135,000m2
・B棟(事務所棟) 地上36階 地下2階 延床⾯積約145,000m2
・ホテル棟 地上9階 地下2階 延床⾯積約11,000m2
・児童福祉施設※ 地上6階 延床⾯積約6,800m2
全体新築⼯期 : 2015年度〜2019年度(予定)
Ⅱ-2街区の計画概要
まとめ
※児童福祉施設(港区⽴しばうら保育園等)は2015年10⽉に開園し、第⼀スマートエネルギーセンターよりエネルギー供給を開始している。
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【複合市街地】芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画 1/5
事業主体 :株式会社 丸仁ホールディングス設計施⼯ :清⽔建設 株式会社対象地 :東京都港区芝浦2丁⽬施⼯期間 :2013年3⽉〜2014年10⽉案内図
概要
コンセプト
経緯
単棟ではできない、複数棟開発による環境と防災の価値を地域に提供①街づくり(地域への貢献)
・地域への貢献・⼈の集まる広場、店舗によるにぎわい、緑化による憩いを提供し、地域に貢献
②防災・単棟として・・免制振構造、液状化対策、出⽔対策等
による安全安⼼な建物づくり・複数棟として・防災倉庫や帰宅困難者対応、防災
活動エリアを提供し地域防災に貢献③環境
・単棟として・・省エネや⾃然利⽤を⾏う環境配慮型ビル・複数棟として・3棟で⾯的なエネルギー利⽤を⾏う低炭素街づくり
発電による⾃⽴性を向上し、防災街づくりに貢献
既存3棟の同時建替えと事業のコンセプト「都会のオアシス」を設定・2007年〜2012年・・・事業計画
本社、別館、倉庫の耐震化と施設利⽤の検討から、3棟の建て替えに事業決定・2012年〜2013年・・・設計
3街区を、⼈が集い、にぎわい、憩う「都会のオアシス」として設計に着⼿・2013年〜2014年・・・施⼯
市街地での3街区の同時解体と施⼯、近隣と諸官庁連携のもと竣⼯
防災環境
街づくり
レジデンス⽤途:集合住宅構造:地上14階延床⾯積 6155㎡
MJビル⽤途:事務所構造:地上7階 塔屋2階延床⾯積:13,060㎡
ネクサス⽤途:事務所構造:地上6階延床⾯積 2182㎡
『中通り』
運営事業計画 設計 施⼯2007 2013 20142012
防災施設にぎわい施設
オアーゼ芝浦のコンセプト
都会のオアシスを提供
JR⽥町駅
オアーゼ芝浦
港区施設
愛育病院
Copyright(C)2016 ZENRIN CO., LTD.
コージェネレーション
受電設備
デシカント空調機蓄熱槽
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【複合市街地】芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画 2/5
スマートコミュニティ・・・3建物による環境と防災の価値を創造
⽬標1.電⼒平準化モデル ピーク電⼒ ▲25%2.環境先進モデル CO2削減 ▲30%3.⾼度防災モデル ⾮常電源 50%
⾮常⽤発電機と合計容量として
3棟でのエネルギーの利⽤によって単棟ではできない、環境・防災価値を創出
⾯的利⽤
電⼒
熱
⾮常電源
電⼒の融通によって電⼒ピーク平準化
熱の融通利⽤によって省CO2
⾮常⽤電⼒を融通して⾃⽴性を向上
単棟
電⼒ 個別受電 個別受電 個別受電熱 個別冷暖房(夏と冬) 給湯(朝と夜) 個別冷暖房(夏と冬)
⾮常電源 ⾮常⽤発電機 エレベーター電源 無
複数棟での連携・・・互いに融通して利⽤MJビル レジデンス ネクサス
オアーゼ芝浦
単棟では・・・各棟は各々の機能の利⽤
⾮常時は、発電で3棟の業務と⽣活を⽀援
熱を⾯的融通して⾼効率化
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【複合市街地】芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画 3/5
・コミュニティのエネルギー管理(CEMS)異種⽤途のエネルギーの使⽤が異なる3棟を統合して監視・制御
・予測値と⽬標値マネージメント気象予報等からエネルギーを予測し⽬標値を設定⽬標値に応じてエネルギーの使⽤と発電を最適に制御
・熱を⾯的に最適利⽤コージェネの熱を事務所と住宅で利⽤し、⾼効率にエネルギーを利⽤して省CO2化
・発電+熱利⽤でエネルギー効率を向上夏期・・・MJビルのデシカント空調に利⽤冬期・・・MJビルの暖房に利⽤通年・・・レジデンスの給湯に利⽤
・複合⽤途の3棟で受電と発電を⾏い、利⽤を平準化MJビルでの受電と発電を、ネクサスとレジデンスに配電事務所(昼ピーク)と住宅(夜ピーク)で平準化、加えて、発電で受電電⼒を低減
・電⼒をスマートに作り、使う使う側・・・建物の使⽤側で建物を節電運⽤作る側・・・買電と発電で最適に建物に供給
・⾮常時には、コージェネの発電を3棟で融通利⽤
・オアーゼ芝浦の業務と⽣活の⾃⽴性を向上MJビルの⼀次滞在施設の電⼒を供給レジデンスの⽣活継続⽤の電⼒を供給ネクサスの業務継続⽤の電⼒を供給
電⼒を⾯的融通して⾼効率化
3棟でエネルギーマネージメント
MJビル レジデンス
ネクサス
MJビル レジデンス
ネクサス
MJビル レジデンス
ネクサス
ネクサス
レジデンスMJビル
CEMS:コミュニティエネルギーマネージメントシステム
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【複合市街地】芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画 4/5
特徴①複数棟による環境・防災価値を創造したスマートコミュニティ
MJビルレジデンスネクサス
津波レベルより上の1FL緊急排⽔槽
基礎免震構造
中間階免震構造制震構造
屋上緑化
⾃然換気 庇Low-eペアガラス⾃然換気装置
⾃然換気
緑化ファサード壁⾯緑化
電⼒融通(B棟) 受電
熱融通(補助給湯)
電⼒融通(C棟)
コージェネ(中圧ガス引込)
熱融通(デシカント空調)
CEMSコミュニティ エネルギーマネージメント システム
⾒える化⾒える化⾒える化
情報(計量、予測、ナビ)
災害時応急活動スペース
港区防災備蓄倉庫
⼀次滞在施設
緊急避難テラス
特徴② 地域社会への貢献を⽬指した「中通り」
オープンスペース
⽇常は・・・・⼈の集まる空間、店舗によるにぎわい、 緑化による憩いを提供⾮常時は・・防災備蓄を⾏い、応急活動と帰宅困難者を⽀援
建物は・・・環境と防災機能に優れた、環境に優しく、安⼼な建物づくり街区は・・・エネルギーを複数棟で利⽤し、⾃⽴性を⾼めて、地域防災に貢献
ネクサス レジデンスMJビルMJビルの津波避難テラス
歩⾏者利⽤施設⼀体化した緑化
⾮常時の電⼒供給
港区防災備蓄倉庫
緊急避難テラス
⼀次滞在スペース 応急活動スペース
中通りの緑化
建物の環境対策
建物の防災対策
街区の⾯的エネルギー利⽤
地域防災への貢献
⾃営線、熱導管
中通り
【複合市街地】芝浦⼆丁⽬スマートコミュニティ計画 5/5
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成果
展開
・許認可の取得経済産業省 電⼒の「特定供給の許可」の取得国⼟交通省 「住宅・建築物の省CO₂先導事業」に採択港区 「道路占⽤の許可」の取得
・関係省庁やエネルギー会社の⽅々に多⼤なご協⼒を頂きました。紙⾯をお借りして、厚く御礼申し上げます。
・低炭素化建物の竣⼯⽴ち上がりの部分稼働を含めて、基準の6割程度のCO2排出量で運営
・室内環境コージェネ廃熱を利⽤したデシカント空調により、夏の室内湿度は40〜50%の、低湿な気持ちの良い室内環境を実現
性能平成27年度は、竣⼯間もなくの建物状況の中、コミュニティのエネルギーマネージメントを着実に推進・電⼒平準化
異種⽤途の3棟での電⼒使⽤と発電で、ピーク電⼒を約27%平準化
多数の省庁、⾃治体や企業の訪問で、オアーゼ芝浦の取組みを展開
謝辞
CO2排出量
夏期の室内湿度の状況
受電電⼒量
・表彰、専⾨誌掲載表彰 :港区景観街づくり賞、港区みどりの街づくり賞
建築・設備デザイン賞、等専⾨誌掲載 :新建築、⽇経アーキテクチュア、等
・視察、シンポジウム等の発表視察 :省庁、⾃治体、エネルギー会社等の来訪シンポジウム:国、東京都関連等で発表
50〜60% 40〜50%
基準 計画 実績
100
25% 27.2%
基準 計画 実績
⼀般 オアーゼ
1,760t-CO2/年 1,210
t-CO2/年1,017
t-CO2/年
42%
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【複合市街地】Fujisawaサスティナブル・スマートタウン 1/4
事業主体:Fujisawa SST協議会 ※2016年12⽉現在、18団体(アドバイザリ除く)○代表幹事:パナソニック株式会社○幹事会員:株式会社学研ホールディングス、株式会社ココファンホールディングス、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、
湖⼭医療福祉グループ社会福祉法⼈カメリア会、株式会社電通、東京ガス株式会社、パナホーム株式会社、東⽇本電信電話株式会社、三井住友信託銀⾏株式会社、三井物産株式会社、三井不動産株式会社・三井不動産レジデンシャル株式会社、ヤマト運輸株式会社、
○⼀般会員:株式会社アインファーマシーズ、アクセンチュア株式会社、株式会社サンオータス、綜合警備保障株式会社○アドバイザリ:株式会社⽇本設計、東京電⼒エナジーパートナー株式会社、慶應義塾⼤学、藤沢市、Fujisawa SSTマネジメント株式会社
⽤途:住宅1000⼾(⼾建600⼾、集合住宅400⼾)、商業施設、健康・福祉・教育施設、物流施設、集会所
⾯積:19ha期間:2014年街開き、2020年度完成予定
概要
コンセプト「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FujisawaSST)」は、⼾建住宅を中⼼とした複合型スマートタウンプロジェクト。 「⽣きるエネルギーがうまれる街。」をコンセプトに、100年後も「エコでスマート」なくらしが持続的に醸成・発展していく街をめざし技術起点ではなく、くらし起点の街づくりを推進している。街全体の環境⽬標として、CO2 70%削減、⼾建住宅CO2±0(1990年⽐)、⽣活⽤⽔30%削減(2006年⼀般普及設備⽐較)、再⽣可能エネルギー利⽤率30%以上を、また、安⼼・安全⽬標CCP(コミュニティ・コンティニュイティ・プラン)としてライフライン確保3⽇間を掲げ推進している。
経緯神奈川県藤沢市のパナソニック⼯場跡地を活⽤したプロジェクト。藤沢市と共同で「街づくり⽅針」を策定し、18団体からなるFujisawa SST協議会にて街づくりを進めている。
○2010年11⽉17⽇ 藤沢市と基本合意調印式・共同記者会⾒を実施○2011年 5⽉26⽇ Fujisawaサスティナブル・スマートタウン構想発表○2011年10⽉ Fujisawaサスティナブル・スマートタウン
まちづくり⽅針を策定○2012年 9⽉ 5⽇ ⼟地区画整理事業⼯事着⼿○2012年11⽉ Fujisawa SST協議会設⽴○2013年 3⽉ 7⽇ Fujisawa SSTマネジメント株式会社設⽴○2014年 3⽉ 7⽇ ⼊居開始○2014年 4⽉ 街びらき
○2014年11⽉27⽇ グランドオープン発表会、「Fujisawa SST SQUARE」オープン
○2014年12⽉10⽇ 商業施設「湘南T-SITE」オープン○2015年 7⽉28⽇ ⼟地区画整理事業 換地処分○2016年 9⽉ 1⽇ 健康・福祉・教育施設
「Wellness SQUARE」南館オープン(8/25 オープン発表会)
○2016年11⽉ 1⽇ 次世代物流施設「Next Delivery SQUARE」オープン(10/25 オープン発表会)
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【複合市街地】Fujisawaサスティナブル・スマートタウン 2/4
「くらし起点」の5つのサービスFujisawaSSTでは、「くらし起点」の5つのサービスを展開、推進している。
①Energy(エネルギー)サービスFujisawa SSTでは、「⾃⽴共⽣型のエネルギーマネジメントタウン」をめざし、街全体で約3MW超の太陽光発電システム、同容量の蓄電池、⼾建住宅にはスマートHEMSを導⼊している。また、街のエネルギー情報を収集分析して、住宅やタウンマネジメントオフィスなど、街中で⾒える化し、省エネ意識を醸成している。Fujisawa SSTの全ての⼾建住宅には、太陽光発電、リチウムイオン蓄電池、エコキュート(オール電化)またはエネファーム(W発電)、⾼効率エアコン、LED照明、節⽔トイレ・節⽔シャワー、電気⾃動⾞⽤コンセント、情報端末としてのタウンポータル⽤タブレットとスマートTV、空気の浄化・快適性としてのナノイー発⽣器、IHクッキングヒータ等の設備機器が標準装備されている。街の南側の公共⽤地を活⽤し、県道沿いに約400mに渡り、ソーラーパネルを設置している。100kW規模の「コミュニティソーラー」で、平常時には売電を⾏い、⾮常時には住⼈はもちろん、周辺地域に対しても電源開放を⾏う。⾮常時には、ハード⾯とソフト⾯の両⾯からの備えを準備しており、具体的には、3⽇間⾃宅滞留できるような住居、共有スペース、インフラといったハード⾯での整備、ソフト⾯では、少⼈数の共助グループをつくり、タウンマネジメント会社が企画する防災イベントや各種⾏事などで、住⺠間の交流を深めながら結束⼒や連携⼒を⾼め、⾮常時の活動につなげる。
②Security(セキュリティ)サービスFujisawa SSTでは、ゲートなどで街を閉ざさずに、⾒守りカメラと照明連動型のトータルシステム等、⾒えないゲートで街を守る「バーチャル・ゲーテッドタウン」を実現してる。具体的には、街の出⼊り⼝を限定する街路空間設計。街の出⼊り⼝、公共の建物、公園の陰、⼤通りの交差点などを中⼼に「⾒守りカメラ」を設置。通常時は減光、⼈が近づくと照明がフル点灯しカメラも連動して夜間でも街の安全を⾒守るシステムである。
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【複合市街地】Fujisawaサスティナブル・スマートタウン 3/4
「くらし起点」の5つのサービスさらにホームセキュリティ、セキュリティコンシェルジュの巡回等で、街の安⼼・安全を⾒えないゲートで守るセキュリティサービスである。
③Mobility(モビリティ)サービスFujisawa SSTでは、⾞を持たない⼈もアクティブに、乗る⼈もエコになるトータル・モビリティサービスを提供してる。EV充電設備などのインフラ設置はもちろん、利⽤シーンやニーズに応じて居住者が活⽤可能な、電気⾃動⾞(EV)や電動アシスト⾃転⾞のシェアードサービスやレンタカーデリバリーなど多様なサービスを提案・提供し、エコな移動⼿段によるCO2排出量削減にも貢献している。
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【複合市街地】Fujisawaサスティナブル・スマートタウン 4/4
「くらし起点」の5つのサービス
⑤Community(コミュニティ)サービスFujisawa SSTでは、街の情報や独⾃のサービスにつながるタウンポータルサイトを提供している。マルチデバイス対応で、⼾建住宅に標準装備されるスマートTVはもちろん、スマートフォンやPCからも簡単にアクセスできる。⾃宅のエネルギーを⾒える化し、その家庭にあわせた省エネアドバイスの他、街の情報、周辺地域やイベント情報、セキュリティカメラの映像、モビリティシェアの状況、住⼈の⽅の⼝コミや掲⽰板等、地域情報と街の⼈々がつながり、交流を育む仕組みである。便利に快適に情報を交換し、共助しあえる仕組みを提供している。
④Wellness(ウェルネス)サービスウェルネスサービスの中⼼となるウェルネススクエアには、サービス付⾼齢者住宅、特別養護⽼⼈ホームや薬局、クリニック、保育所、学童保育、学習塾と⼦どもから⾼齢者まで、多世代の⼈々がふれあいながら健やかになる様々な健康・福祉・教育サービスを展開しています。医療、看護、介護、調剤が担当分野の枠を超えて連携する「地域包括ケアシステム」の構築も進めている。
○国⼟交通省「住宅・建設物省CO2先導事業」に採択○環境省「低炭素価値向上に向けた⼆酸化炭素排出抑制対策事業」に採択○CASBEE-まちづくりSランク認証取得○2015年度「グッドデザイン賞」(地域・コミュニティづくり/社会貢献活動部⾨)(主催:公益財団法⼈⽇本デザイン振興会)○平成27年「かながわ地球環境賞」(かながわスマートエネルギー計画部⾨)受賞(主催:神奈川県、かながわ地球環境保全推進会議)○平成28年地球温暖化防⽌活動環境⼤⾂表彰(対策技術先進導⼊部⾨)受賞(主催:環境省)
その他(受賞歴など)
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【⼾建住宅】相模原 光が丘エコタウン 1/5
事業主体 :⼤和ハウス⼯業対象地 :神奈川県相模原市中央区光が丘2丁⽬⾯積 :約35,000㎡施⼯期間 :2013年2⽉〜2015年9⽉事業費 :約30億円⽤途 :⼾建住宅:127棟 コミュニティ施設:1棟 商業施設:1棟
概要
■光が丘エコタウン全体図
コンセプト
経緯
〜『かながわスマートエネルギー構想』を推進する『誰もが住みたい街エコタウン』〜本事業が、『かながわスマートエネルギー構想』を推進する為の事業であることを踏まえ、構想の3つの原則「原⼦⼒に過度に依存しない」「環境に配慮する」「地産地消」を反映した。3つの原則を『まちづくり』の3つの理念に整理し、その理念を『誰もが住みたい街エコタウン』の3つのコンセプトに構成した。
コンセプト① スマート・エコモデルの実現コンセプト② 地域環境、周辺コミュニティとの融合コンセプト③ エコ・スタイルの啓蒙、県内技術の活⽤
↓誰もが住みたい街の創出
2012年 9⽉ 神奈川県と基本協定を締結2012年10⽉ 神奈川県と売買契約を締結、⼟地の譲受(⼟地引渡し)2013年 2⽉ 造成⼯事着⼿2013年 5⽉ ⼾建住宅モデル棟着⼿2013年 8⽉ ⼾建住宅着⼯、モデル棟オープン2013年 9⽉ ⼾建住宅⼊居開始2014年 5⽉ 商業施設オープン
■⼾建街区のまちなみ
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【⼾建住宅】相模原 光が丘エコタウン 2/5
取り組み① ⾃然の⼒を活かすパッシブデザイン■⾵向解析によるグランドデザイン
地域の⾵向を読み取り夏季の空調エネルギー削減を図る。
■温熱解析によるアイテムデザインパッシブデザインとオリジナル環境アイテムの導⼊により夏季の空調エネルギー削減を図る。
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【⼾建住宅】相模原 光が丘エコタウン 3/5
取り組み② 最新技術を活⽤するアクティブデザイン■全⼾に環境設備を導⼊太陽光・蓄電池・HEMS・EV充電⽤コンセントを全⼾に設置している。
無理なく節電(ピークシフト)
♪
うれしい経済性・環境性
(光熱費削減・CO2評価)
非常時の安心(停電時)
【HEMS】全戸設置
【家庭用リチウムイオン蓄電池】全戸設置
【太陽光発電システム】全戸3kW以上搭載
【CASBEE戸建-新築】全戸Sランク取得
【電気自動車充電用コンセント】全戸設置【LED照明】
主照明・ダウンライト・外部照明に採用
■商業施設における環境配慮街全体のエネルギー⾒える化モニターを設置し、来店者の環境意識向上を図るとともに、太陽光発電システムや光ダクトを設置し環境配慮型店舗を実現した。
屋上に設置した太陽光発電(100kW)
左)屋上に設置した光の取り込み口右)ダクトを通り2階の天井から光を放出
施設内に設置したモニターで街全体の創エネルギー状況を見える化
【家庭用燃料電池エネファーム】
■植栽による屋外熱環境改善効果の予測植栽がもたらす暑熱環境緩和効果をシミュレーションし、居住者と情報共有することで植栽の関⼼を⾼めるとともに、植栽の成⻑につれて、快適な街づくりとなることを可視化しました。
屋外熱環境シミュレーション
【植栽なし】 【植栽10年後】
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【⼾建住宅】相模原 光が丘エコタウン 4/5
取り組み③ コミュニティが広がる環境配慮タウン■商業施設との連携防災ひろばを設け、地域住⺠の緊急時の拠点と憩いの場を提供する。
■既存の地域コミュニティとの輪づくりコミュニティの核となる施設を建設。また、コミュニティ形成を促す空間として公園をコミュニティ施設の東側に配置。区域内外の住⺠の交流を促進する。
■「庭⽊のお⼿⼊れ講座」の実施⽔やりや樹⽊剪定、芝の維持管理の仕⽅等の講座を実施した。イベント実施後、ご⾃宅の庭⽊のお⼿⼊れをする世帯が増加した。(2015年)
実施回数:3回、総参加者数:35世帯(66名)
■楽しく省エネ活動を実践するイベント「エコランキングコンテスト」の実施街のエネルギーの⾒える化クラウドを利⽤し、エコランキングコンテストを実施。エアコンの電気使⽤量部⾨とエネルギーの総使⽤量部⾨に分け、優秀者には電動⾃転⾞や隣接する商業施設で使える商品券などをプレゼントした。
既存樹の桜の周りを公園として保存
コミュニティ育成イベントの実施コミュニティ施設光が丘ふれあいセンター
広場に設置されたトイレベンチ説明パネル 防災ひろば
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【⼾建住宅】相模原 光が丘エコタウン 5/5
成果■環境負荷低減効果
■新規性・独創性
■波及効果
【社外からの評価】◆神奈川県「環境共⽣都市づくり事業」に認証
再⽣可能エネルギーの利⽤拡⼤と環境に配慮した「スマートコミュニティ」が評価され、認証を受けた。
◆「⼟地活⽤モデル⼤賞」審査委員⻑賞を受賞活気に満ちた地域社会の実現・地域主催の推進を図るため、地域活性化の総合的・効果的な取り組みが進む⼟地活⽤の「成功モデル」として「平成26年度⼟地活⽤モデル⼤賞」(⼀般社団法⼈都市みらい推進機構主催)において「審査委員⻑賞」を受賞した。
『居住者への環境教育でこの街を住みこなし、エコタウンを進化』エコタウン管理組合を中⼼に、居住者への環境啓蒙活動を⾏う。すべての居住者が、この街に仕掛けられた環境アイテムを最⼤限使いこなし、真のエコタウンに成⻑させるためのエコ活動を実施していく。具体的には、「エコランキング」「お部屋のお掃除お⼿⼊れ講座」「睡眠講習会」など様々な企画を通じたエコ活動を実施し、環境啓蒙活動につなげている。
『地域に開かれた住商⼀体のサスティナブルコミュニティ』商業施設(スーパーマーケット)や地域住⺠のための共⽤施設「光が丘ふれあいセンター」、街区公園などの⼀体整備により、⽣活⽀援機能を伴ったスマートコミュニティの実現を図り、環境配慮・防災などを住⺠で共有。さらに地域住⺠との交流を⽬指す共⽤施設運営を⽬指している。
『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)達成率は、約8割』太陽光発電システム(3.0〜3.4kW)・家庭⽤リチウムイオン蓄電池(6.2kW)・HEMSなどの環境アイテムを全住⼾に導⼊することで、⼀次エネルギーの消費量に対する創出量の割合を表すZEH 達成率が、77%※となった。今後は、管理組合主催のエコイベントなどで楽しくエコを学びながら、居住者の環境意識向上・実践を促進し、エネルギー消費量が著しく増加する冬のエネルギー消費量の低減に努める。※ZEH 達成率 = ⼀次エネルギー創出量/⼀次エネルギー消費量
2014年5~12 ⽉の各住⼾のHEMSデータをもとに、対象区画数の⽉ごとの変化を考慮して平均を算出。
【集合住宅】パークタワー⻄新宿エムズポート 1/4
事業者 : 三井不動産レジデンシャル株式会社事業形態 : 新築分譲マンション所在地 : 東京都新宿区⻄新宿8丁⽬築年 : 2013年12⽉竣⼯構造 : 鉄筋コンクリート造 地上27階建て 地下2階総⼾数 : 179⼾敷地⾯積 : 1,324.06 平⽶延床⾯積 : 17,098.24平⽶MEMS・HEMS提供 : 株式会社東芝電⼒提供サービス : 株式会社NTTファシリティーズ
概要
特徴
41
【1】MEMSとHEMSの連携によるディマンドリスポンス
【2】蓄電池・太陽光発電・⾮常⽤発電機による⾮常⽤電源の複層化
【3】ディマンドリスポンスに対する居住者メリットの創出
【4】HEMSの電⼒データ分析によるライフスタイルに合わせたサービス提供
▲全⼾に東芝製HEMSを設置家電操作や系統ごとの⾒える化が可能
▲エントランスホールのMEMSモニター共⽤部ディマンドリスポンスを告知
▲各⼾インターホンでのHEMS表⽰ディマンドリスポンス要請をpush通知
▲約90kWhの東芝製蓄電池⾮常⽤エレベーターに給電可能
【集合住宅】パークタワー⻄新宿エムズポート 2/4
電⼒供給元のPPSからNTTファシリティーズを経由してMEMSが電⼒需給ピーク情報を受けると、共⽤部の蓄電池(約90kWh)の充放電制御、共⽤部の照明・空調・EV充電器の制御、各⼾エアコン⾃動制御(居住者の任意設定)、各⼾インターホンで居住者への協⼒要請をするなど、MEMSとHEMSが連携することでマンション全体でディマンドリスポンスを⾏う。
【1】MEMSとHEMSの連携によるディマンドリスポンス
▼エネルギーマネジメントシステム概要図
42
【2】蓄電池・太陽光発電・⾮常⽤発電機による⾮常⽤電源の複層化万が⼀の停電時は、MEMSがマンション全体の電⼒を制御。まず⾮常⽤発電機が稼働し、⾮常⽤エレベーターや災害対策拠点となる共⽤ラウンジの電源確保や保安灯への電源供給を⾏う。⾮常⽤発電機の燃料を使いきった場合、蓄電池、太陽光発電、カーシェアリング⽤EVの蓄電池(V2H)により電源供給するなど、電源を複層化して備えてる。
43
【集合住宅】パークタワー⻄新宿エムズポート 3/4
NTTファシリティーズの電⼒提供サービスとマンション向けディマンドリスポンスサービス「EnneVision」を組み合わせることにより、電⼒需給ピーク時に削減した電⼒量に応じて、翌⽉以降の電気料⾦の⽀払いに利⽤可能なポイントが各居住者に付与される。また、蓄電池や太陽光発電、共⽤部設備の制御により削減した電⼒分はマンション管理組合に還元される。
電⼒需給ピークを告知する際、東芝製HEMSの画⾯上には、三井不動産グループが運営する商業施設で使える会員向け優待サービスなどを提⽰し、電⼒需給ピーク時に商業施設で過ごすことを推奨することで、外出による住⼾内の省エネによってピークカットを図る。
電⼒需給ピークの告知やMEMSによる蓄電池や空調の⾃動制御だけでなく、ディマンドリスポンスに対する居住者メリットを創出することで、⾃発的な省エネ⾏動を促進を図る。
【3】ディマンドリスポンスに対する居住者メリットの創出
▼ディマンドリスポンス⾏動促進の概念図
▼ディマンドリスポンス時のHEMS画⾯イメージ
44
【集合住宅】パークタワー⻄新宿エムズポート 4/4
東芝製HEMSにより系統ごとに計測された使⽤電⼒データを基にして、各⼾ごとのライフスタイルを予測。ライフスタイルに合わせた優待サービスを表⽰することが可能。
例えば、キッチンの使⽤電⼒量から外⾷が多い住⼾にはレストランの優待サービス、ご⾃宅で料理することが多い住⼾には⾷材やキッチン⽤品の優待サービスなどライフスタイルに合わせて提⽰する。
また、エアコンの使⽤電⼒量から冷房の使い始めにはフィルター清掃の優待サービス、暖房の使い始めには暖かいラグやスリッパなど季節⼩物の優待サービスなどタイミングを合わせて提⽰する。
HEMSの提供価値をエネルギー領域から更に広げることで、HEMSの普及促進や新たなビジネス創出、居住者満⾜度の向上を⽬指している。
【4】HEMSを活⽤したライフスタイルに合わせたサービス提供
▼ライフスタイルに合わせたサービス提案の概念図
▼タイミングを合わせたサービス提案の概念図
【商業施設】堺鉄砲町地区スマートコミュニティ 1/4
概要
堺鉄砲町地区における地域資源の⼀つである下⽔再⽣⽔の利⽤を柱とした省エネ性、環境改善及び防災性を同時に強化した地域貢献型スマートコミュニティの形成。
コンセプト
事業主体:堺市、イオンモール、関電エネルギーソリューション、関⻄電⼒対象地区:堺鉄砲町地区(三宝下⽔処理場〜イオンモール堺鉄砲町〜内川緑地)イオンモール堺鉄砲町の開発概要:[敷地⾯積]約10.2万㎡、[延床⾯積]約13.5万㎡下⽔再⽣⽔送⽔管⻑:約2.3km(三宝下⽔処理場〜イオンモール堺鉄砲町〜内川緑地)施⼯期間:[イオンモール堺鉄砲町 ]2014年10⽉〜2016年3⽉
[堺市下⽔再⽣⽔供給施設]2014年12⽉〜2016年3⽉イオンモール堺鉄砲町の設計施⼯:⽵中⼯務店
経緯
2011年07⽉ 環境省 サスティナブル都市再開発促進モデル事業 採択(未利⽤エネルギー調査)
2012年09⽉ 経産省 スマートコミュニティ構想普及⽀援事業 採択(事業化可能性調査)
2013年08⽉ 堺市 鉄砲町地区都市計画決定
2013年09⽉ 国交省 下⽔熱利⽤プロジェクト構想構築⽀援事業 採択
2013年10⽉ 経産省 再⽣可能エネルギー熱利⽤⾼度複合システム実証事業 採択
2013年12⽉ 国交省 住宅建築物省CO2先導事業 採択
2014年05⽉ 堺市 第2次堺市環境モデル都市⾏動計画 策定
2014年10⽉ イオンモール堺鉄砲町 起⼯式
2014年12⽉ 堺市 下⽔再⽣⽔供給施設⼯事着⼿
2016年03⽉ イオンモール堺鉄砲町オープン、下⽔再⽣⽔⾼度複合利⽤運⽤開始
2016年04⽉ 関電エネルギーソリューション 下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤実証事業効果検証開始
⼯場跡地の開発計画として、2011年より堺市、イオンモール、関⻄電⼒にて検討を開始。国庫補助事業を活⽤しながら未利⽤エネルギー等の調査、事業化可能性調査を⾏い、下⽔再⽣⽔利⽤を柱としたスマートコミュニティを形成することを決定。2013年には構築事業補助⾦の採択を受け、2014年より着⼯。2016年3⽉のイオンモール堺鉄砲町のオープンと合わせて下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤の運⽤を開始した。
表1 年表
図1 堺鉄砲町地区スマートコミュニティの概要
2626
三宝下⽔処理場
七道駅
⽔源利⽤
内川緑地内せせらぎ⽔路
内川
⼤和川
熱交換器
給湯熱源 空調熱源 外気予熱
熱利⽤
館内空調(冷房)
取り⼊れた空気の暖房⽤として利⽤フードコート等
2915
4
内川
イオンモール堺鉄砲町
46
【商業施設】堺鉄砲町地区スマートコミュニティ 2/4
堺鉄砲町地区スマートコミュニティでは、既存ストックである下⽔再⽣⽔の利⽤を柱とした省エネ、環境改善および防災性を同時に強化するまちづくりを⾏うにあたり、堺市の仁徳陵・内川⽔環境再⽣プランや第2次環境モデル都市⾏動計画とも連携しながら、検討を進めた。以下に図2「地域ポテンシャルを活⽤したまちづくり」の検討項⽬毎の内容について⽰す。
地域ポテンシャルを活⽤したまちづくり1. 官⺠連携による
下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤⇒堺市との連携「⽔環境再⽣プラン」
国内初の取組み
3.照明・空調の省CO2技術⇒先進的技術(内外融式氷蓄熱槽、
全館LED化、⾼効率空調)
2.エリアDR活⽤によるエコシェアスポット構想⇒周辺地域とのDR※将来計画⇒電⼒削減
5.⼀時避難所としての地域防災への貢献
⇒避難エリアの設定⇒避難エリアの電⼒・⽔確保
4.歴史・憩い・地域貢献⇒⾚煉⽡建物の有効活⽤⇒緑化、せせらぎ、
憩いの場を創出⇒地場産業を活⽤
既存ストック(下⽔再⽣⽔)
下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤
⽔の有効活⽤
せせらぎ
防災⽤⽔周辺地域
エコシェアスポット構想
⾚煉⽡
内川緑地内せせらぎ⽔路
三宝下⽔処理場
中⽔
スマートBEMS
氷蓄熱
下⽔再⽣⽔送⽔管
既存ストック(歴史遺産)■ 旧ダイセル⼯場跡地の⾚煉⽡建物
⼤阪府の「⼤阪ミュージアム」にも登録。
下⽔再⽣⽔の⽔温は、夏季は外気よりも低く、冬季は外気より⾼いという特徴(図3)がある。堺鉄砲町地区においては、その特徴をいかし、通年ではヒートポンプ給湯器の熱源⽔として利⽤しつつ、冷房期間中は空調冷凍機の冷却⽔、暖房期間中は外調機の外気予熱として利⽤することで、下⽔再⽣⽔熱を有効利⽤するシステムを構築した。システムは、図4に⽰すとおり下⽔再⽣⽔の本管から分岐管を設置して下⽔再⽣⽔を引き込み、熱交換器を介して外気予熱⽤熱源、給湯⽤温熱源、空調⽤冷熱源として利⽤している。熱源として利⽤後、施設内では膜処理システムにより施設内⽤に⽔処理した後、せせらぎやトイレ洗浄⽔として活⽤し、施設外では内川緑地内のせせらぎ⽔路および内川に送⽔を⾏っている。下⽔再⽣⽔を⼀つの施設内で給湯と空調の熱源として利⽤する事例および熱源と⽔源に複合利⽤する事例は、いずれも全国初の取組みとなっている。
1.官⺠連携による下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤ 図2 地域ポテンシャルを活⽤したまちづくり
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25
30
35
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
温度
[℃
]
下水温度(H26年度 実績値) 外気温度
夏季:下⽔再⽣⽔<冷却⽔・空調⽤熱源⽔として有効
冬季:下⽔再⽣⽔>外気・⽔熱源給湯HPの熱源⽔に有効・外気予熱に利⽤可能
下⽔再⽣⽔温度(H26年実績値) 外気温度35
30
25
20
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5
温度
[℃
]
1⽉ 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉
図3 下⽔再⽣⽔と外気温の年間推移
外気予熱
給湯熱源
空調熱源
外調機(冬期温熱利⽤)計約400kW相当
ブラインチラー(冷熱利⽤)※夜間電⼒利⽤
下⽔再⽣⽔三宝下⽔処理場 (夏)30℃
(冬)18℃ (冬)18℃
(冬)12℃
(夏)30℃(冬)12℃
(夏)28℃(冬)10℃
(夏)28℃
(夏)34℃
冬季は外気予熱の熱源⽔として活⽤。
給湯熱源⽔として利⽤後、温度が低下した下流側で、空調熱源⽔として利⽤。
⽔熱源給湯器(温熱利⽤)※夜間電⼒利⽤
外気より温度が低い下⽔再⽣⽔をチラーの冷却⽔として利⽤
特型内外融氷蓄熱槽
貯湯槽
原⽔槽
膜処理システム(雑⽤⽔利⽤) トイレ洗浄⽔
堺市公共下⽔道
⽔ の 地 域 循 環
年間エネルギー消費量削減効果
3.5%(熱設備等)
熱交換器
熱交換器
熱交換器
内川緑地内のせせらぎ⽔路
図4 下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤・⽔資源の有効活⽤システム47
【商業施設】堺鉄砲町地区スマートコミュニティ 3/42.エリアDR(デマンドレスポンス)活⽤によるエコシェアスポット構想電気需給逼迫時等に負荷制御を実施することを想定し、イオンモール内においては、BEMSより照明・空調節電制御や熱源システムの負荷バランス制御、従業員の携帯端末へ情報配信するIT技術を活⽤したDRコンテンツなどにより電⼒削減を⾏えるシステムを構築している。将来的には、周辺住⺠の来店を促進するエリアDRについても展開する予定である。また、蓄熱システムについては、DRシステムに最適な「内外融併⽤式潜顕熱蓄熱システム」を今回新たに開発し採⽤している。
熱源システムの負荷バランス制御
照明・空調節電制御(店内)
→照明OFF→空調温度Up→排気ファン制御
氷蓄熱の集中放熱による負荷バランス運転スマホ
スマート商業施設
デジタルサイネージ
BEMS
省エネ⾏動の実施スマホ
タブレット
149
実績← →予測時
電⼒負荷
電⼒負荷
時149
SAFE!
SAFE!
スマホ
ネガワット事業者
OFF
OFF
共⽤部
テナント周辺地域
地域全体で省エネ
インセンティブ
節電制御
将来対応
節電対応
節電要請
報酬⽀払
セール広告等
誘導
節電依頼
電⼒逼迫→近隣住⺠→イオンへ→周辺地域電⼒ダウン
ネガワット取引
将来対応
将来対応
照明については、館内共⽤部、外部サインは、従来の蛍光灯に替わりLEDを100%採⽤している。空調については、ナイトパージ、外気冷房運転、FCU間⽋運転、室外機への散⽔および冬季の熱回収運転を最適に制御して⾏うことで、システム全体の効率を上げている。
3.照明・空調の省CO2技術
図5 エリアDRを活⽤したエコシェアスポット構想
図6 内外融併称式潜顕熱蓄熱システム
室内温度を計測し、設定温度以下になるとFCUを停⽌。
FCUを停⽌させることにより、FCUのファン動⼒軽減・熱源(ヒートポンプチラー)のCOP向上を⾏う。
外調機による外気冷房運転
中央監視盤で外気冷房運転ON時に外調機の室外機を停⽌させ強制送⾵運転を⾏う。
室内と外気のエンタルピ差を利⽤して空調を⾏う。
外調機⽤熱源(室外機) 停⽌
直接膨型外調機
夜間のナイトパージ運転排煙開口利用 排煙開口利用
開放開口追加開放開口追加中央監視盤で⼿動操作を⾏い、ナイトパージ運転ON時に外気温湿度と室内温湿度を⽐較し、有効な差があり、且つ降⾬中でなければナイトパージ運転を⾏う。その際、空気の逃げ道として吹抜部の排煙窓を開放する。
夜間に排熱・冷蓄熱を⾏い、営業開始時間の⽴ち上がり時の中央熱源の負荷を軽減する。
直膨型外調機
外調機⽤熱源(室外機) 停⽌
エンタルピの低い外気を送⾵
エンタルピの低い外気を室内へ
室外機への散⽔
外調機⽤熱源(室外機)
ろ過した⽔を散布
外気30℃以上になると外調機⽤室外機に⾃動散⽔を⾏い、室外機の熱交換能⼒を上げる。
上⽔をろ過したRO⽔を散⽔することで、室外機の劣化や熱交換部(アルミフィン)の腐⾷を防⽌する。
FCUの間⽋運転(核店舗)
FCU FCU FCU
FCU FCU FCU
間⽋運転制御
ヒートポンプチラー
冬期早朝の熱回収運転
冬期閉店後、上階に滞留した暖かい空気を回収し、外気とミキシングすることで、外気を昇温して供給する。
暖房運転の場合の負荷を軽減する。
暖かい上階の空気を回収する。
直膨型外調機
外気ミキシング空気
排煙開⼝利⽤排煙開⼝利⽤
図7 空調の省CO2技術
同⼀の蓄熱性能で⽐較 効率UP
氷蓄熱槽に堰を⼊れて、顕熱域を有効利⽤
内融式 外融式
⼤温度差取出 ○ ◎急速放熱 ○ ◎
内融・外融同時放熱 不可 不可設置 氷蓄熱槽の⼤きさ ◎ △
3℃(3%)
◎(冷⽔1℃)
項⽬
顕熱利⽤温度差(顕熱÷(潜熱+顕熱))
低温特性(放熱温度)
放熱特性
耐熱特性3℃
(6%)
○(ブライン3℃)
ブラインチラーCOP(ブライン平均温度)
○(-5℃)
△(-8℃)
ブライン/⽔HEX 特型内外融式氷蓄熱槽
ブラインポンプ ブラインチラー
冷⽔ポンプ
⽔冷チラー
⽔/⽔HEX
放熱冷⽔ポンプ
2次冷⽔ポンプ17℃ 12℃
17℃ 7℃
特型内外融式
◎◎
可能○
◎(-3℃)
11.5℃(28%)
◎(冷⽔1℃)
11.5℃ 1℃
12.5℃(17℃) 7℃
内外融併⽤式・・・内融式と⽐較して、5%効率UP・・・外融式と⽐較して、9%効率UP
48
【商業施設】堺鉄砲町地区スマートコミュニティ 4/44.歴史・憩い・地域貢献地域資源を活⽤したまちづくりとしては、⼤阪府「⼤阪ミュージアム」に登録されている歴史遺産の⾚レンガ建物を耐震補強し保存・活⽤するとともに、⾚レンガ館と商業棟の間にはせせらぎと植栽を組合せた憩いの場を構築、さらにイベントステージを設置することで賑わいのある空間とした。また、地域貢献の⼀つとして⾚レンガ館の屋根の⾼反射塗料、せせらぎの⽔⾞発電機は地場産業の製品を使⽤している。
■地場産業の⽔⾞発電機
5.⼀次避難場所としての地域防災への貢献
地域防災への貢献としては、災害時に⼀時避難所として、周辺地域の救援、救護が⾏える機能を備えた。避難エリアについては、堺市津波ハザードマップに基づき、2階以上にを設け、その部分の耐震性向上、電源(⾮常⽤発電機の⻑時間化、太陽光やEVの活⽤による⾃⽴型バックアップ電源)や⽔(屋上への⾼架⽔槽設置)の確保を実施している。
避難エリア(電源・⽔確保)➠ ⽔の確保(⼀部の飲料⽤、トイレ⽤⽔)➠ 電気確保 [⾮常⽤発電]、[太陽光]や[EV基地]による電源確保➠ 救護・救援のため災害対策室(イオンホールと直近トイレも電⼒供給)
EV基地(充電ステーション等)➠ 周辺地域への対応➠ ガソリン調達困難時電源供給可能
⽔の災害時有効活⽤➠⾼架⽔槽、耐震型受⽔槽
による⽔の確保➠蓄熱槽、下⽔再⽣⽔を
雑⽤⽔として活⽤
避難エリアの省エネ(必要電源の減少)[LED化、節⽔トイレ等]イオンホールを災害時の拠点とする
スーパーエリア➠ 防災時、店頭営業の対策を検討
[冷ショーケース電源の確保]
EV
EV
充電ステーション
イオンホール 津波浸⽔
⾼架⽔槽
蓄熱槽
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜せせらぎ
⾮常⽤発電
必要電源の確保
周辺住⺠
650kW⻑時間型
500kW
図8 地域防災への貢献
スマート商業施設としての取組みとCO2削減量地域ポテンシャルを活⽤したスマート商業施設としての取組みを⾏うことで、計画全体におけるCO2削減量は、6,311ton-CO2(削減率40.6%)※を予定している。
※⽐較対象建物ECCJ省エネルギーセンターより引⽤
下⽔再⽣⽔の⾼度複合利⽤
歴史・憩い・地域貢献⼀時避難所としての地域防災への貢献
電気の省CO2技術
全館LED及びセンサー制御太陽光発電⼩型⽔⼒発電
エリアDR活⽤によるエコシェアスポット構想空調の省CO2技術
膜処理⽔のEHP散⽔外気冷房・ナイトパージ・間⽋運転⾼性能光触媒エコ塗料ダブルスキンパーキング
下⽔再⽣⽔⾼度複合利⽤システム下⽔再⽣⽔の雑⽤⽔利⽤⾼効率氷蓄熱セントラル空調
BEMS(空調・照明・換気量制御)デマンドレスポンス発令核店舗関係者に省エネモード通知専⾨店関係者に省エネ促進通知地域住⺠に省エネ⾏動依頼(将来)
図9 スマート商業施設としての取組み
■ 憩いの場のせせらぎ ■ ⾚レンガ館とイベントステージ
49
①電⼒ピークの平準化・使う側の節電・・・実験研究機器を含んだより効果的な節電・作る側の発電・・・マイクログリッドによる電⼒のピークカット
②低炭素化(省エネルギー)・発電と節電のエネルギーの⾼効率利⽤による低炭素化・既存建物群のエネルギーの融通による⾼効率利⽤
③社会への展開・シンポジウムの開催・・産学官の協働発表・実証成果の公表・・・・学会発表や施設⾒学の実施
【⼤学施設】中部⼤学 スマート エコ キャンパス 1/5
事業主体 :学校法⼈ 中部⼤学設計施⼯ :清⽔建設 株式会社対象地 :愛知県春⽇井市松本町1200施⼯期間 :2012年7⽉〜2017年3⽉予定案内図
概要
コンセプト
経緯
学⽣・教職員・施設管理者の協働のもとエネルギーの⾼度利⽤を実証し、成果を社会に発信する
・2011年・・・・・・・全学でのエネルギーのスマート利⽤の検討キャンパスの拡⼤と実験研究機器の増設に伴い、電⼒使⽤がインフラの上限に近づく状況を受け、電⼒需要の抑制と省エネルギーに全学を挙げての取組を開始
・2012年〜2014年・・・学部スマートグリッドの実証学部の複数棟でのエネルギーのスマート利⽤を研究実証
・2014年〜2017年・・・キャンパスグリッドの構築(予定)全学にスマートグリッドを展開し、学部グリッド相互の電⼒融通システムを構築
⼤学概要:7学部、30学科、⼤学院:6研究科建物概要:棟数60棟、延床⾯積:約192,000㎡
スマート化の計画 学部グリッドの実証 キャンパスグリッドの構築2010年度 2014年度2012年度
中部⼤学春⽇井キャンパスの概要
スマートエコキャンパスのコンセプト
学⽣・教職員・管理者の全学的取組み
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名古屋駅
中部⼤学
2017年度
地域持続的まちづくり
地域活性化
生物多様性
知先端研究
講義/論文/人材
他大学・企業連携
エネルギー省エネルギー
CO2削減
非常時供給
運営キャンパスライフ
安全・安心
ICT活用
春⽇井市
中央線
東名⾼速道路
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「多棟建物でのエネルギーのスマート利⽤の実証研究」
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kWh
【⼤学施設】中部⼤学 スマート エコ キャンパス 2/5節電と発電を最適に制御する学部スマートグリッドを実証
1.電⼒平準化・・ピーク電⼒ ▲24.6%削減2.低炭素化・・・CO2削減 ▲15%3.創エネルギー・太陽光発電22kW,蓄電池144kWh,コージェネ50kW
成果
節電と発電を最適化する仕組み
電⼒の使われ⽅から最適な対策を⽴案
マイクログリッドによるピークカット
発電による施設の⾃⽴性の向上
通常の空調と照明の省エネに、創エネと実験研究機器の節電を加えて、節電効果を向上
・節電側の節電ナビゲーションの概要
⽣命健康科学部のスマートグリッドの概要
節電機器を予め登録して、電⼒ピーク時に、研究者に節電メールを配信し節電機器を登録
スマートグリッド
太陽光発電の変動を、建物の電カーブに合わせ蓄放電し電⼒ピークをカット
空調・照明の節電制御
実験研究機器への節電ナビゲーション
⽣命健康科学部の建物 発電マイクログリッド
節電節電ナビ+⾃動制御
パソコン プリンタ
実験機器の電⼒使⽤
空調・照明の電⼒使⽤
電⼒
使⽤
量(
kWh)
対策⼀⽇の電⼒消費の分析
・発電側のマイクログリッドの概要
節電機器の登録 節電メールを配信し節電機器を返信 発電側 放電側
通常の省エネ
スマートグリッド
52
【⼤学施設】中部⼤学 スマート エコ キャンパス 3/5
エネルギー使⽤の相互融通(キャンパスグリッドの構築)学部は⽬標値に向けて節電と発電を⾏い、キャンパスでは学部間の電⼒使⽤を融通
<既存>体育⽂化センターの改修ガラス屋根に80kWの太陽光発電とプールに熱利⽤する35kWのコージェネを設置
<新築>不⾔実⾏館の新築省エネ建築の計画により電⼒デマンドを削減体育⽂化センターの発電を利⽤
創エネルギーの取り組み・・・新築の電⼒消費相当分を既存の改修で発電
115kWの発電 115kWの消費(⽬標)
学部グリッドの取り組みの全学への展開
省エネルギーの取り組み・・・空調・照明設備を⾼効率化更新2016年度CO2削減⽬標▲25%
2015年度CO2削減⽬標▲16%
2014年度CO2削減⽬標▲11%
⼯学部等STEP9
事務・⾷堂他STEP10
太陽光
蓄電池コージェネスマートグリッドモニター
⼈⽂学部等STEP10
国際関係学部等
STEP8
現代教育学部等
STEP6
経営情報学部等
STEP7
32号館⾼性能遮熱フィルム貼
不⾔実⾏館STEP5
太陽光
蓄電池コージェネスマートグリッドモニター
体育・⽂化センター等
STEP4 ⼯学部等STEP3
太陽光
蓄電池コージェネスマートグリッドモニター
全学サイネージ
STEP1
STEP2
STEP3
STEP4体育⽂化センター
STEP5不⾔実⾏館
【学部グリッド】
【キャンパススグリッド】
発電
放電
需要
グランド照明
キャンパス全体での学部グリッド間の電⼒の相互利⽤の概要
建物の低炭素化
53
660 500
(kW)
系列 1
1537 1381
(MW)
②全学省エネルギー委員会・・・エネルギー利⽤を運⽤する仕組み
【⼤学施設】中部⼤学 スマート エコ キャンパス 4/5
学⻑のもとの省エネルギー委員会とWGで学内や地域との連携を推進
①スマート BEMS:エネルギーの需給を最適化する仕組み
③エネルギー予測システム・・・エネルギー利⽤を計画する仕組み
システムの概要
実験スケジューリングシステム⼤型実験機器の同時稼働でピークが発⽣していたので事前に実験計画を調整して、使⽤する電⼒を平準化
節電ナビゲーションシステム
②節電ナビゲーションシステム:エネルギー利⽤を⼯夫する仕組み
過去の使⽤実積・天気予報から翌⽇のエネルギー消費を予測し、節電を計画⼀⽇のエネルギー使⽤予測と節電対策の事例
期⾸に年間の省エネルギー施策を⽴案しWG(ワーキング)で推進
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月 火 水 木 金
⽬標値
実証された効果(⽣命健康科学部)省エネ効果
省エネと創エネを最適にマネージメント
実験の重複でピーク発⽣ 実験を融通しピークを平準化⼯学部の電⼒使⽤グラフ
24.3%
動物飼育施設(53号館)を含むSTEP-1のエネルギー使⽤量
翌⽇のエネルギー消費を予測して、節電⽬標値を設定し節電制御や節電メールを配信します。
15.7%
2011 2012 2011(7~2月)2012(7~2月)
電⼒ピークカット効果
実験研究機器の運⽤を⼯夫して、電⼒使⽤の平準化や省エネルギーを推進
電⼒ピーク予測で、節電が必要な時は予め登録した実験機器を停⽌
実積値
天気情報
カリキュラム
施設施設運⽤
組織
運営
実積
省エネルギー委員会
エネルギーマネジメント
10⽉ 11⽉ 12⽉ 1⽉ 2⽉ 3⽉4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉
◇具体策の審議と活動推
◇省エネ法報告(経産省、⽂科省)
夏期電⼒
ピーク期間
◇WG(施策実⾏とフォロー)
◇4基本⽅針の決定
0
500
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0
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東キャンパス受電電⼒ ⽇最⼤値
⻄キャンパス受電電⼒ ▽契約電力
▽契約電⼒
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1時 5時 9時 13時 17時 21時
電⼒プロフィール(夏季)
前期授業 夏期 冬期休後期授業
説明・展開
実験スケジュール調整
結果検証 実⾏・フォロー
契約電⼒
まとめ
(kW)
(kW)
キャンパスの⽇最⼤電⼒の推移
冬期電⼒
ピーク期間
⽬標・⽅針
デマンド制御設定(冬季)
デマンド制御設定(夏季)
◇推進委員会
◇WG ◇WG◇WG ◇WG◇WG ◇WG ◇WG ◇WG◇WG
電⼒プロフィール(冬季)
省エネルギー推進委員会を中⼼に、産学・地域。学内連携を推進
54
2010 2011 2012 2013 2014 2015
職員・学⽣数
CO2排出量原単位
200,000
【⼤学施設】中部⼤学 スマート エコ キャンパス 5/5
成果・・・30%の低炭素化と22%の電⼒ピーク平準化を達成
成果・・・社会への展開
・シンポジウムの開催中部⼤学公開シンポジウム中部⼤学開学50周年シンポジウム朝⽇ESDシンポジウム
関係省庁やエネルギー会社の⽅々に多⼤なご協⼒を頂きました、紙⾯をお借りし、御礼申し上げます。
①低炭素化
③創エネルギー②電⼒平準化
低炭素社会の構築に向けて、教育研究機関としてスマートグリッドの技術と成果を展開
謝辞
中部⼤学のCO2排出量と建物床⾯積、利⽤者数の経緯
中部⼤学公開シンポジウム
・地域連携事業の推進地(知)の拠点整備事業先導的「低炭素・循環・⾃然共⽣」地域創出事業
・学外からの視察7⼤学、4メーカー、4エネルギー関連組織会社⾃治体、海外省庁等
・論⽂発表3学会、6編を投稿
・・・CO2排出量を30%低減
・・・太陽光発電230kW,コージェネ85kW実装・・・契約電⼒を22%低減
CO2排出量(kg/㎡・年)
77.7kg-CO2/㎡・年 ▲30.1%(2010⽐)
54.5kg-CO2/㎡・年
11,886⼈
192,413㎡
職員・学⽣数(⼈)
10,000
13,000
延床⾯積(m2)
150,0000
100
延床⾯積
10,444⼈
173,387㎡
55
組合員名称 持分(%)
トヨタ紡織東北株式会社 0.1
トヨタ輸送株式会社 0.1
中央精機東北株式会社 0.1
ビューテック株式会社 0.1
株式会社ベジ・ドリーム栗原 0.1
合計 100.0
【⼯場】第⼆仙台北部中核⼯業団地 1/5
対象地 :宮城県⿊川郡⼤衡村「第⼆仙台北部中核⼯業団地」内事業内容:⾃家発電設備を活⽤した⼯業団地内企業へのエネルギー(電気及び熱)の
供給及びエネルギーマネジメント事業⽬的 :①スマートコミュニティの事業実証
②国内ものづくり拠点におけるエネルギーセキュリティ確保③震災復興への貢献
事業主体:F-グリッド宮城・⼤衡有限責任事業組合(F-グリッドLLP※)組合代表:トヨタ⾃動⾞株式会社設⽴ :2013年2⽉28⽇出資⾦ :948百万円
概要
※LLP:Limited Liability Partnership
<組合員の概要:11法⼈> 需要側/供給側が⼀体の運営組織(LLP※)
組合員名称 持分(%)
トヨタ⾃動⾞株式会社 26.4
トヨタ⾃動⾞東⽇本株式会社 61.2
豊⽥通商株式会社 10.6
東北電⼒株式会社 1.1
仙台市ガス局 0.1
株式会社すかいらーく 0.1
<対象地の概要>
トヨタ自動車東日本
ときわ台団地
平林地区
大衡小学校
大衡村役場
トヨタ紡織東北すかいらーく
ビューテック
中央精機東北
ベジ・ドリーム栗原
トヨタ輸送トヨタ自動車東日本本社・宮城大衡工場
第二仙台北部中核工業団地
大衡村役場
■事業エリア
57
【⼯場】第⼆仙台北部中核⼯業団地 2/5
● 第⼆仙台北部中核⼯業団地のトヨタ関連5社(トヨタ⾃動⾞東⽇本、トヨタ紡織東北、トヨタ輸送、中央精機東北、ベジ・ドリーム栗原)とその他2社(ビューテック、すかいらーく)の計7社にエネルギー供給およびエネルギーマネジメントを実施
● ⾮常時は、F-グリッドで発電した電⼒を東北電⼒が購⼊、既設の電⼒系統を通じて防災拠点となる⼤衡村役場等の周辺地域に電⼒を供給
事業内容
F-グリッドの特⻑(1)コージェネ排熱の有効利⽤● コージェネの排熱は、175℃の蒸気(塗装⼯程)、98℃の⾼温⽔(植物⼯場の暖房)、
67℃の低温⽔(空調加温、排⽔処理槽加温)としてカスケード利⽤● 発電のみのエネルギー利⽤効率は約49%だが、発電と熱利⽤を合わせたコージェネの
エネルギー総合利⽤効率は、冬場で最⼤80%まで⾼まる
58
【⼯場】第⼆仙台北部中核⼯業団地 3/5
F-グリッドの特⻑(2)農・商・⼯連携プロジェクト
F-グリッドの特⻑(3)CEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)
(CEMS:Community Energy Management System)
● コージェネの排熱として98℃の⾼温⽔は、コージェネに隣接する植物⼯場(パプリカ栽培)に供給し、温室の暖房に利⽤することで農作物⽣産の環境負荷低減に貢献
● ⾃動⾞製造の知⾒やノウハウを農業の⽣産性向上に活かし、農業・商業・⼯業が相互に連携する新たなモデルづくりを確⽴地域に電⼒を供給
F-グリッドLLP(トヨタ自動車東日本)
ベジ・ドリーム栗原 豊田通商(豊通食料)
国内最大級の植物工場国内最高レベルの発電効率ガス発電機
国内生産最大のシェア
● CEMSは、需要サイドの需要予測(需要計画・実績・天気)を基に、供給サイドがコージェネ・太陽光発電・蓄電池・買電価格を踏まえ、最適なエネルギー供給量を調整
● 需給バランスを監視しながら需要側のピークカット・ピークシフトを促進し、グリッド内のエネルギーコストを最⼩化
<F-グリッドCEMS概要> <需給監視画⾯>
<需要予測画⾯>
59
【⼯場】第⼆仙台北部中核⼯業団地 4/5
F-グリッド導⼊による効果
<省エネ性>
従来
2012年 2013年 2014年
▲10.2%
<環境性>
コージェネ導入 F-グリッド
(7社供給)
従来
2012年 2013年 2014年
コージェネ導入 F-グリッド
(7社供給)
▲17.9% ▲12.9% ▲23.0%
2015年
F-グリッド(7社供給)
▲21.3%
F-グリッド(7社供給)
▲27.4%
2015年
● CEMSによるグリッド全体のエネルギーマネジメントやコージェネ排熱の有効利⽤などにより、コージェネ導⼊前(従来)と⽐較して2015年度の省エネ性は▲21.3%削減、環境性(省CO2)は▲27.4%削減(CO2削減量 8.2t-CO2/年⇒住宅約1,800軒分に相当)
F-グリッドの特⻑(4)⾮常時地域送電システム【国内初】● ⻑期にわたり停電する⾮常時には、グリッド内のエネルギー供給のみならず、安定、安全な
コージェネの余剰電⼒を東北電⼒が購⼊し、近隣の地域防災拠点(⼤衡村役場等)へ供給● さらに緊急電源として、外部給電機能を有するプラグインハイブリッド⾞、蓄電池と太陽光発
電で構成する充放電システムを配備し初動対応⼒を⾼め、有事における地域⽀援活動に備える● ⾮常時のエネルギーバックアップの順序は以下の通り
STEP1:プリウスPHVや充放電システムにより、⾃家発電設備の起動を待たず電源確保※PHVを8台配備(2013年)、充放電システム(プリウスリユース蓄電池)を
トヨタ⾃動⾞東⽇本、トヨタ紡織東北に設置(2014年)STEP2:健全性確認、事前準備・操作終了後、⾃家発電設備を起動(ブラックアウト
スタート)し、F-グリッド内各⼯場に、災害復旧等で必要な電⼒を供給STEP3:余剰電⼒を東北電⼒に販売、東北電⼒が地域防災拠点の⼤衡村役場等へ供給
※最⼤販売電⼒1500kW<エネルギーバックアップの順序>
PHV
太陽光発電
蓄電池 災害情報発信拠点
<STEP1:災害情報発信拠点の概要>
60
【⼯場】第⼆仙台北部中核⼯業団地 5/5
【トヨタ紡織東北㈱様】エネルギーセキュリティ関係者の声
【㈱ベジ・ドリーム栗原様】温⽔によるパプリカ栽培
【㈱すかいらーく様】電⼒使⽤状況の視える化、ピークシフト弊社では、F-グリッドのエネルギーマネジメントシステムの電⼒使⽤状況の視える化Web画⾯をユーティリティ設備を管理する部署のモニタに表⽰し、電⼒ピーク時の監視などに役⽴てています。
また、ダイナミックプライシングが適⽤される時間帯に設備が運転するように調整しピークシフトを⾏う事で省エネ・環境改善につなげております。
弊社では、新鮮で美味しいパプリカを周年で栽培・出荷出来るよう冬でも栽培室の中は20℃位の温度を保っています。温⽔をパイプで循環させて加温するため、本来であれば燃料費が⼤変掛かりますが、こちらの農場では、F-グリッドの⾃家発電機(コージェネ)で発⽣する排熱を活⽤して熱⽔を供給頂いているお蔭で、燃料費の節約に⼤いに助かってます。
㈱ベジ・ドリーム布施栽培責任者
パプリカ⼯場内部ベジ・ドリーム栗原(植物⼯場)への供給
㈱すかいらーく仙台MDセンター⽣産技術平澤チームリーダー
スタンション
コージェネ
【トヨタ自動車東日本内】
コージェネレーションと繋ぎ温水を植物工場へ供給
温水タンク
【ベジドリーム】
F-グリッドLLP設⽴当初から参画し、弊社に於いても屋根に設置の太陽光発電および敷地内設置の蓄電池、外部給電機付きPHV⾞両の配備などで、⾮常時も必要最低限の電気の使⽤が可能となりました。
東⽇本⼤震災の際は電気が⻑期に渡り供給されないというつらい思いもしました。この経験を⽣かし、いつ起こるかわからない⾃然災害に対しても即座に対応できる環境を整え、⾮常時に於ける臨時電源として機能し、情報収集・伝達・避難誘導など、⼯業団地内・近隣住⺠の防災活動の拠点として対応したいと思います。
トヨタ紡織東北㈱宮城⼯場海⽼名室⻑
蓄電池 太陽光発電(屋根部)
写真
写真
温水パイプ
61
【⼯場】⻑崎県島原市(⼯場排⽔(温⽔)の有効利⽤) 1/4
事業主体:島原市対 象 :島原市内( 旅館・ホテル4ヵ所、⽼⼈ホームや福祉施設3ヵ所、⽇帰り⼊浴施設1ヵ
所、個⼈住宅等32ヵ所、飲泉所7ヵ所、⾜湯2ヵ所)
温泉供給:島原市温泉給湯所熱供給者:宝酒造株式会社島原⼯場(⼯場排温⽔を供給)事 業 費 :6.3億円(補助⾦利⽤により⾃⼰資⾦4.3億円)
概要
事業⽬的
経緯
島原市温泉給湯所(集中管理給湯施設)に、再⽣可能エネルギーを熱源とするヒートポンプを導⼊する実証事業。宝酒造株式会社島原⼯場からの排湯および未利⽤の源泉を熱源として利⽤する。⺠間の熱供給者(⼯場)と公共の熱需要者(温泉給湯所)が連携して有機的、⼀体的に利⽤するシステムを構築し、再⽣可能エネルギー利⽤量の増加および設備の運転効率の向上を図ることを⽬的としている。
島原市は、「⽔の都」と称されるほど「湧⽔」が豊富な地域であり、さらに、島原半島において雲仙、⼩浜に次ぐ温泉地でもある。昭和42年より、市にて集中管理⽅式の温泉給湯事業を⾏っている。ヒートポンプの導⼊前は、3基の灯油ボイラーにて加温を⾏っていたが、年間約6千万円の燃料代とともに、施設管理費を含めて、年間約8千万円もの維持管理費がかかっていた。今後の化⽯燃料の⾼騰およびCO2排出削減への対処を考えると、省エネ化や代替エネルギー等への早急な移⾏が望まれることから、この実証事業をきっかけとして導⼊に⾄った。
■ 事業実施場所と島原市上空からの航空写真
■ヒートポンプ導⼊前の島原市温泉給湯所と灯油焚ボイラー
島原市
63
【⼯場】⻑崎県島原市(⼯場排⽔(温⽔)の有効利⽤) 2/4事業の特徴「宝酒造株式会社島原⼯場」において、アルコール蒸留後の温⽔(温度約60℃、排湯量4,000㎥ /⽇)が殆ど利⽤されないまま海に排⽔されている。この温⽔の原⽔はすべて豊富な井⼾⽔(地下⽔:1年を通して温度17℃、揚⽔量6,000㎥/⽇)で賄われている。この⺠間の排湯熱を約2.7kmの送湯管で給湯所まで移送し、ヒートポンプの熱源として30℃の温泉を65℃まで加熱する。この加熱した温泉を既存の配湯ルート(北ルート6.1km、南ルート1.4km)によって市内の温泉利⽤者に配湯し、⾯的な熱の公共利⽤を⾏う。この排湯熱源の確保にあたっては、事前に島原市と⼯場で協議を重ねるなど官⺠連携したことで実現に⾄った。※なお、市が管理している源泉は3つあり、このうち⼀つ(元池第⼆源泉)は⼯場休⽌期間中(年間で2ヶ⽉間程度)に、排湯に代わってヒートポンプの熱源⽔として利⽤する。
■⼯場排湯の移送および温泉の配湯ルート
⼯場排湯移送ルート(2.6km)
■⼯場の排湯取込箇所と温度
※ 熱供給者(⺠間)との連携
供給目的 島原温泉を加温するための熱源として
供給湯量 提供可能な範囲において
供給湯温度 提供可能な範囲において
使用料金 無償
供給期間 平成30年3月31日迄(更新可)
■ 覚書の内容
■本事業における⺠間(事業者)と公共(⾃治体)の連携
平成26年6⽉、熱供給者(宝酒造株式会社島原⼯場)との間で、環境に配慮した島原温泉給湯事業の安定的な運営を図ることを⽬的として、排出される温⽔の使⽤に関する覚書を取り交わした。これにより、⺠間と公共間の垣根を除いた運営の実現が可能となった。
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【⼯場】⻑崎県島原市(⼯場排⽔(温⽔)の有効利⽤) 3/4
[実証システム計画イメージ]
排湯送湯施設
実証システムの概要主要設備⼤型ヒートポンプ2基と⼩型ヒートポンプ4基を中⼼として、循環温⽔と熱源⽔、温泉⽔との間で熱交換させるための熱交換器が10基、各配管経路に取り付けるポンプ、タンク、弁・センサー類※、およびこれらをシステムとして稼働させる⾃動制御盤、熱源監視装置で構成される。
主な設備 仕様等
・排湯熱源ヒートポンプ 358kW×2基、109.8kW×4基
・熱源自動制御盤 3面
・熱源監視装置 給湯所と市役所の2ヵ所に設置
・計測機器類 温度、流量、圧力センサ、電磁弁等
・熱交換器 プレート式(SUS製)×10基
・その他付帯設備 ポンプ、タンク、キュービクル等
・工場排湯送湯設備 ポンプ、タンク、送湯管等
■主要設備機器
ヒートポンプ 熱交換器
[システム設置状況]
※ センサー類設置についてこの実証事業では、加温設備のエネルギー使⽤量、CO2排出量、エネルギーコストに関して、灯油ボイラー使⽤時での実績値(H25年度)と今回の実証結果を⽐較し、⽬標設定値に対する達成状況の検証を⾏う。そのため、各ポイントに設置された⽔温センサーや流量計、電⼒計などで測定したデータを監視装置にて採録している。
監視装置
65
【⼯場】⻑崎県島原市(⼯場排⽔(温⽔)の有効利⽤) 4/4成果導⼊効果平成28年4⽉からの6ヶ⽉間の分析結果(暫定)を下グラフに⽰します。エネルギー消費量が導⼊前⽐68%減、計画⽐40%減、エネルギーコストについては導⼊前⽐73%減、計画⽐38%減となり、期待以上の導⼊効果が得られている。計画よりも良好な結果となっている要因としては、配湯管路の更新による温度ロスの減少や、⼯場排湯温度が想定よりも若⼲⾼かったことなどが考えられる。
導⼊拡⼤に向けて
課題[機器トラブル]
熱源(⼯場排湯)の温度変化や、給湯負荷変動(特に夏期の低負荷時)によってシステムの運転状態が不安定となり、⼀時的に機器が停⽌するトラブルがたまに発⽣している。機器設定の調整、⾃動注⽔システムの検討などで対応中。
[スケール対策]プレート式熱交換器をはじめとする機器類へのスケール付着があります。計画的に⾃前で定期洗浄を⾏うなどして対応中。また、熱交換器別に的確な洗浄時期を把握するためのデータを収集、分析中。
[温泉使⽤料⾦の設定]将来的に、温泉受給者に対する温泉使⽤料⾦の改定も⾒据えていますが、エネルギーコストに加え、維持管理等のコストも含めた総合的な根拠を⽰した上で理解を得る必要がある。現在、そのためのデータおよび情報を収集している。
262.2
141.5 84.7
0
50
100
150
200
250
300
導入前実績 計画 実証結果
(kL)エネルギー消費量(原油換算)
68%減
40%減26,468
11,426 7,113
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
導入前実績 計画 実証結果
(千円)エネルギーコスト
73%減
38%減 606.6
343.8 205.9
0100200300400500600700
導入前実績 計画 実証結果
(t‐CO2) CO2排出量
66%減
40%減
■ 実証試験6ヶ⽉間(H28年4⽉〜H28年9⽉)の分析結果(暫定)
ヒートポンプシステムの⽤途は、給湯利⽤以外に空調などでも利⽤可能。また、熱源については浴場の排湯熱や下⽔、河川などいろいろな選択肢があります。よって、全国の様々な地域、施設での官⺠の垣根を越えた導⼊拡⼤が期待できる。今回、先進的な導⼊事例として実証することにより、全国の未利⽤熱源を有する⾃治体や事業者に対し、導⼊に向けての道筋を⽰すことで普及を⽬指す。
66
【オフィス】京橋1・2丁⽬地区熱供給 1/2
事業主体 :東京都市サービス株式会社対象地 :東京都中央区京橋1・2丁⽬供給延床⾯積:約100,000㎡供給開始年⽉:1994年3⽉供給区域⾯積:4.8ha供給施設 :業務施設、公共施設(駅舎)
概要
京橋1・2丁⽬地区熱供給の特⻑
地域還り冷⽔を放射空調に利⽤●冷⽔往還温度差拡⼤●蓄熱量の拡⼤
冷房排熱を利⽤したデシカント空調●熱回収運転の増加
地域熱供給システム
7 ℃
15 ℃
15-19℃
他の需要家
清水建設
7℃
排熱47℃ デシカント
空調機
輻射天井パネル
一般冷房
排熱施設間で排熱利用
冷水(還)
プラント設置ビルの建替えに伴い、2012年5⽉、環境性に優れたより良いプラントへと⽣まれ変わった
プラント設置ビルの建替えに伴い、2012年5⽉、環境性に優れたより良いプラントへと⽣まれ変わった
出典:経済産業省資源エネルギー庁「未利用エネルギー面的活用熱供給の実態と次世代に向けた方向性」(2008年3月)
供給条件 :冷⽔(往)7℃:温⽔(往)47℃:圧⼒ 0.14〜0.49MPa
蓄熱槽容量 :4,040㎥熱源設備ヒートポンプ:145USRT×6台ターボ冷凍機:500USRT×2台
68
【オフィス】京橋1・2丁⽬地区熱供給 2/2
京橋スマートコミュニティ協議会概要東京都中央区京橋1・2丁⽬地域では,地域の持続的発展と安全,安⼼なまちづくりを⽬指し,会員相互の協⼒のもと,スマートコミュニティの実現に向けて,計画⽴案,国または地⽅⾃治体との協議,情報発信や会員相互の連絡調整を⾏うことを⽬的として,2013年9⽉に設⽴した。(会員数は2016年12⽉現在13社)EnMS(エネルギーマネジメント)作業部会及びBCMS(事業継続)作業部会にて以下の⽬標を持って活動を⾏っている。(1)地域の連携,助け合いを⾏う組織の構築(2)地域全体の事業継続性の向上(3)地域全体のエネルギー効率の更なる改善(4)低炭素で安全・安⼼なまちとしてのブランド⼒向上(5)地域全体の事業競争⼒向上
10社
活動実績2012年度 京橋スマートコミュニティ協議会設⽴。ISO22301(事業継続マネジメントシステ
ム)認証取得、ISO50001(エネルギーマネジメントシステム)認証取得2014年度 作業部会を通じた同上マネジメントシステムの維持等の活動を実施2015年度 環境省委託業務「⼤規模CO2削減ポテンシャル調査・対策提案委託業務」に採択さ
れ、協議会会員施設のCO2削減ポテンシャル調査を実施2016年度 電⼒会社と協調して、エリアエネルギーマネジメントを構築中
将来構想69
70
謝 辞
本事例集を作成するに当たっては、⼤変多くの企業、関係団体の皆様にご協⼒いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
三井不動産株式会社(柏の葉スマートシティ) 東京ガス株式会社(千住テクノステーション、⽥町スマエネ
パーク) 株式会社丸仁ホールディングス(芝浦⼆丁⽬スマートコミュ
ニティ計画) パナソニック株式会社( Fujisawaサスティナブル・スマー
トタウン) ⼤和ハウス⼯業株式会社(相模原 光が丘エコタウン) 三井不動産レジデンシャル株式会社(パークタワー⻄新宿エ
ムズポート) 関⻄電⼒株式会社(堺鉄砲町地区スマートコミュニティ) 清⽔建設株式会社(中部⼤学スマートエコキャンパス) トヨタ⾃動⾞株式会社(第⼆仙台北部中核⼯業団地) 島原市(⻑崎県島原市) 東京都市サービス株式会社(京橋1・2丁⽬地区熱供給)
資源エネルギー庁新エネルギーシステム課
ご協⼒いただいた企業・及び関係団体 ※掲載順に記載、敬称略
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