us k-12におけるictの活用 石坂氏
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US K-12におけるICTの活用石坂芳実
2016.4.27
本日のアジェンダ
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自己紹介ときょうの流れ 石坂
USのK-12の教育制度と最近の動向のさわりだけ 石坂
Common Core State Standardsと定義ファイル 石坂
CBTであるSBACのデモ 石坂
Q&A
休憩
会社/自己紹介とJAPET海外調査部会のご紹介 中駄さん
JAPET&CECの米国訪問調査の報告 中駄さん
生徒情報システム (Student Information System) 石坂
Schools Interoperability Framework (SIF) 石坂
Q&A
自己紹介
• ICT CONNECT 21の事務局で技術標準化WGを担当しています
•以前は、マイクロソフトでソフトウェア開発/ローカライズの仕事に20年ほど従事していました
• Bookshelf, Encarta
• Education Product Group
•公共経営/公共政策の勉強も
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ICT CONNECT 21
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ICT CONNECT 21のコンセプト紹介ビデオhttps://youtu.be/TMz906dzdh4
最初に結論めいたことを
•個に適した学びが当たり前 : その要求からblended learningが広がっている
•Web, クラウド, device independent
•想像以上に相互運用性は確保されている
•まず、情報を整理して人が判断しやすくする見える化、その延長線上に、AI/ビッグデータ/Learning Analyticsなどの自動化
•行政と学校、民間が協力して標準規格を制定
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公式な海外教育調査レポート
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文部科学省の出版物http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/main_b7.htm
USにおける公教育
•United States of America : 州が連合している国家
•連邦法に規定のない事柄は州に権限⇒ 教育は州の責任
•学制、教育内容、etc.
•州教育庁、学区 (School District)、チャータースクール、etc.
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USにおける公教育
•州によって、学区によって、学校によって、教育内容も到達度も異なる⇒ 卒業してもレベルはバラバラ
•留学生が多くを占める世界最高レベルの高等教育に比較して、初等中等教育のレベルを上げる必要性
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USの以前からの傾向
•全体的な低レベルと、極端な学習格差への対応
•集団より個人ベース
•クラスを進度や特性に合わせて小グループに分けて授業を展開 : イギリスと同じ
•チャータースクールに代表される、特性を持った学校教育のニーズ
•データを重視 : アカウンタビリティ
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USの教育事情
文科省
都道府県教委
市区町村教委
学校
先生
児童生徒/保護者
連邦政府
州教育庁
School District
学校
先生
児童生徒/保護者
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USの最近の動き
•Common Core State Standardsの成立とCBTによる共通テストの開始
•No Child Left Behindに代わる連邦法であるEvery Student Succeeds Actの施行
•Khan AcademyやEdmodoなどのEdTechの台頭
•Blended learning : face to faceで行う学びと、オンラインで行う学びのブレンド
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プログラミング学習
•2016/1/30にオバマ大統領は “Computer Science For All” 政策を発表
•デジタルエコノミーで成功するために必要なコンピューターサイエンスのスキルをすべてのアメリカの生徒たちに
•$4 billionを州に、$100 millionを学区に
•教員のトレーニング, 高品質の教材へのアクセス, 効果的な地域のパートナーシップの構築
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プログラミング学習
•調査に協力した親のうち、10人中9人は、彼らの子どもの通う学校でコンピューターサイエンスを教えてほしいと回答している
•現在、全米の約1/4の学校でレベルの高いコンピューターサイエンスの授業が行われているにすぎず、22の州では高校卒業単位にカウントされない
•National Science Foundation (NSF) とCorporation for National And Community Service(CNCS) が協力
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Every Student Succeeds Act
•2015/12/10に、オバマ大統領は教育に関する新しい連邦法であるEvery Student Succeeds Act (ESSA) にサイン
•ブッシュ政権時に成立したNo Child Left Behind Act (NCLB) を置き換えるため、超党派で成立
•地方に教育/学校改善の裁量を拡大
•3-8年の年間テストの義務は変わらず
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Common Core State Standards
•州が共同して作った、州に共通するK-12向けのカリキュラム
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Common Core State Standardsの紹介ビデオhttps://www.youtube.com/watch?v=9IGD9oLofks
Common Core State Standards
•当面は英語 (English language arts/Literacy : ELA) と数学 (Mathematics) の2教科
•別に理科 (Science) に関する策定も進んでいる
•英語にキーボード入力に関する規定はあるが筆記体に関する規定はない
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Common Core State Standards
•次の2つの組織がスポンサーとなり、Common Core State Standards Initiativeを設置(http://www.corestandards.org/)• National Governors Association (NGA : 全米州知事会)
• Council of Chief State School Officers(CCSSO : 州教育長協議会)
•習得すべき知識の内容と程度の規定であり、教え方や教材の規定ではない
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採用している州
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州の対応状況
•当初、46の州およびワシントン特別区が採用を表明
•ネブラスカ, テキサス, バージニアなどは当初から加わらず
•採用を表明していた州のうち、少なくとも12州で撤退や延期の州法/条例を制定
•インディアナ, オクラホマ, サウスカロライナなどは離脱
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カリキュラムの内容
•2種類の基準
• College and career readiness standards : 各学年の終わりにできるようになっているべきこと
• K-12 standards : 各学年で学ぶ内容, 知識
•学年ごと、教科ごと、分野ごとに構造化されて規定され、単元ごとにIDが振られている
•誰でも利用可能なように、XMLフォーマットでオープンデータとして公開されている
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IDを含むXMLの例
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http://www.corestandards.org/developers-and-publishers/
Common Education Data Standards (CEDS)
• P-20W (未就学児教育から企業内研修まで) のすべての教育機関で、共通のデータ標準を規定するための全米規模のプロジェクト• https://ceds.ed.gov/
•教育機関でデータを共通に利用するための、主に用語 (vocabulary) を規定
•未就学、K-12、高等教育、企業/生涯学習の4つのグループに対し、連邦教育省、州政府、教育機関、研究所などから数十人の代表が参加して検討
•現在version 5
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CBTを使ったアセスメント
•各学年末と年間を通した測定
•Computer上でのテスト : 準備が間に合わない学校では一部紙のテストも
•実際には2つのグループに分かれて開発• PARCC RttT Assessment Consortium(“Partnership for Assessment of Readiness for College and Careers” “Race to the Top”)
• Smarter Balanced Assessment Consortium (SBAC)
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PARCC• Through a competitive bid process, the PARCC states awarded the contract to Pearson and a group of subcontractors, including ETS, WestEd, Measured Progress and Caveon (Press release, 2014/5)
• The PARCC summative tests in reading, writing and math will cost $23.97 per student for computer-based administration of the assessment, plus a small administrative fee.
• “The days of multiple-choice-only tests are over”.• The contract includes: development of test items and forms; delivery of the tests in paper-based and computer-based formats; reporting of results to states, districts, schools, educators, parents and students; analysis of scores to ensure they reflect college- and career-readiness; and coordination with the states in the development of cut scores (performance standards) to establish performance levels.
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PARCC
PARCC紹介ビデオhttps://youtu.be/ag2epMVpDpk
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SBAC
•SBACはadaptive : IRT (項目応答理論) により、それまでの回答から出題を変える
•21州とヴァージン諸島が2014春にフィールドテストを実施
•Practice Test (updated in May 2014) 教師、生徒、保護者やその他の関係者がアセスメントの方法を理解するためのサンプル。
•Training Test (released in February 2014) 生徒がテストの方法に慣れるためのサンプル
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テストの環境
•9.5インチ以上, 1024x768以上
•ヘッドセットまたはヘッドフォン, 物理キーボード, ポインティングデバイス
•1人当たり最低20Kbpsの帯域幅 (テストツールあり)
• “Secure Browsers” : テスト中に生徒がほかのWebサイトを見に行かないように、OSごとに専用のブラウザーがリリースされている
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テストの環境
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SBACのCBTのデモ
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SBAC Practice and Training Testshttp://www.smarterbalanced.org/assessments/practice-and-training-tests/
Q&A休憩
生徒情報システム
•Student Information System (SIS)
•生徒に関するあらゆる情報を保持して管理するためのシステム•氏名、住所、連絡先などの基本的な情報
•所属クラスや時間割
•出席や宿題の提出、テスト結果など : grade book
•家庭に関する情報
•給食サポート、スクールバス
•通常は学校や学区 (school district) 単位で運用
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生徒情報システム
•SISは一般に、LMSに相当する学習系のシステムと相互にデータをやり取りする機能を持つ•生徒のリストや属性情報、時間割などをLMSに
•生徒のテスト/アセスメントの結果や宿題の提出状況などをSISに
•SISを活用して個々の生徒の学習指導を行なうだけでなく、指導方法、クラスや学校の運営、学区や州の教育政策などの改善を指向•企業におけるERP (Enterprise Resource Management) に相当する性格を持つ
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生徒情報システム
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SISの概念図
生徒情報システム
•教員、学校管理者、児童生徒、保護者、学区や州の担当者など、立場に応じたアクセス制御と表示のカスタマイズが可能 (ダッシュボード機能)
•SIS上に蓄積されたデータを分析するツールが進化し、傾向の把握やつまずきの発見だけでなく、中退防止などさまざまに活用
•その延長上にadaptive learningの考え方が出てきた
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生徒情報システム
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教師用ダッシュボードの分析例 保護者用ダッシュボードの成績例
Schools Interoperability Framework (SIF)
•K-12から生涯学習までのさまざまな教育機関でデータをやり取りするための規格
•相互運用性を確保して、次のようなソリューションをもたらす : Open Standard, Vendor Neutral, Platform independent
•USから始まり、カナダ、UK、オーストラリア、インドなどで広く浸透
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Schools Interoperability Framework (SIF)
•2つの構成要素
•地域ごとに定義されている、教育関連データのモデルのためのXMLの規定 (北米, UK, オーストラリアの3地域のバージョン)
•地域に関わらず共通の、教育機関の間でデータをやり取りするためのService-Oriented Architecture (SOA)
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Schools Interoperability Framework (SIF)
•教育委員会、州、企業、NPO、さまざまな政府機関など1000を超えるメンバーで構成されるAccess For Learning Community (A4L) が規格を制定して運営(https://www.a4l.org/)
•多くの教育委員会がシステムの提供企業に対してSIFに準拠するように要求して普及
•オクラホマなどの州は州法で準拠を義務化
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視察した全体的な印象
•相互運用性の確保•各社が独自に教材やサービスを提供するだけでなく、標準的な規格に基づいて相互運用性(interoperability) を確保し、連動して動作
•例 : McGraw HillのLMSであるengradeには、McGraw Hillの提供するコンテンツだけではなく、Discovery ChannelやKahn Academyなどの教材を連動可能であり、QTIやLTIに対応している教材であればテスト結果の連携も可能
•例: 教材会社であるtriumphlearningのコンテンツは、knowtonの分析ツールを用いてリコメンデーションを提供
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視察した全体的な印象
•徹底したデータ収集と分析•各レベル/教科のテスト, さまざまな評価視点•州や学区のカリキュラムやルーブリックをSISに設定
•生徒, 保護者, 教師, 学校長, 管理者などさまざまなstakeholder向けのdashboard•教育におけるERPのようなWebアプリ
•分析ツールの充実•自動ではなく人に提示 : 見える化
•データを元にした改善• Data-driven improvement, evidence-based education
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参考情報• Infinite Campus
USでNo.2のSIS vendorhttps://www.infinitecampus.com/company
• Aeriesカリフォルニア州で50%以上のシェアを持つSIS vendorで、テキサス州に進出中分析ツールに自信http://www.aeries.com/
• Family Educational Rights and Privacy Act (FERPA)生徒の教育的な記録のプライバシーに関する連邦法http://www2.ed.gov/policy/gen/guid/fpco/ferpa/index.html
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