blake mary wollstonecraft (1759-97)の本に挿絵を描 いた ...c-faculty.chuo-u.ac.jp ›...
TRANSCRIPT
ロマン主義時代の革新的な思想
BlakeはMary Wollstonecraft (1759-97)の本に挿絵を描いた Wollstonecraftは女性の権利の拡張を主張したA Vindication of the Rights of Woman (1792)で知られた その夫William GodwinはInquiry concerning Political Injustice (1793)という著書で知られるラディカルな社会思想家であった Godwinの思想
Rousseauの影響→社会的な不平等をもたらすあらゆる制度の撤廃を唱える 個人主義的な合理主義→個人個人の理性の完成が社会的な不正を消滅させるという思想 WordsworthやColeridgeに大きな影響をあたえた
Mary Wollstonecraft (1759-97)
Wollstonecraftは女の子を産んですぐに死去 娘は母親と同名のMary Wollstonecraft (1797-1851)、のちにPercy Bysshe Shelley (1792-1822)と結婚する Mary ShelleyはFrankenstein (1818)の作者でもある Thomas Paine (1737-1809) 革命の時代とともに生きたラディカルな思想家 Common Sense (1776) アメリカの独立の擁護 The Rights of Man (1791-2) フランス革命の正当化→扇動罪で起訴される The Age of Reason (1794-6) 理神論の立場から既存の宗教を批判する アメリカで死去、みずからの農場内に埋葬される William Cobettが骨を発掘しイギリスに持ち帰るが、埋葬の許可を得られず、骨は消失する Government, even in its best state, is but a necessary evil; in its worst state, an intolerable one. (Common Sense)
Thomas Paine (1737-1809)
イギリスにおける特殊な状況 アメリカの宗主国であることやフランスとの長年にわたる敵対関係
→革命に対して懐疑的な傾向が生まれやすかった
フランス革命と清教徒革命や名誉革命との相違が強調される(Edmund Burke)
フランス革命が過激化する→イギリス国内で革命への恐れが支配的になる
Napoleonの拡張主義に対する反発→イギリス政府は反動的な政策をとる
ロマン主義詩人の夭折や転向→革命に同調したロマン主義のあっけない終焉
William Wordsworth (1770-1850) Cumberland州Cockermouthで生まれる
父は貴族の顧問弁護士
8歳のときに母親を、13歳のときに父親を亡くす
1787年、Cambridge大学St John’s Collegeに入学
授業外で幅広く読書にいそしむ
1790年、ヨーロッパを2000マイルほど徒歩で旅行する
1791年、フランス旅行、フランス革命に共感、Annette Vallonと恋仲になる
英仏関係の悪化と経済的な問題から、Annetteを残してイギリスに帰国
1793年、イギリスとフランスのあいだに戦争が起こる
Cockermouth
1795年、友人から遺産を受ける、Coleridgeと知り合う
1798年、Coleridgeと協力してLyrical Balladsを匿名で出版
1798年から99年にかけてドイツに滞在、フランス革命への幻滅を感じる
1799年、妹のDorothyとともに湖水地方GrasmereのDove Cottageで暮らしはじめる
1801年、Lyrical Ballads第二版(Wordsworthの名前だけが記される)を出版
1802年、Mary Hutchinsonと結婚、妹も同居
1808年、Allan Bankに転居
1813年、Rydal Mountに転居、生涯そこで暮らす
1843年、Poet Laureateに任命される
William Wordworth (1770-1850)
Dove Cottage in Grasmere
主要著作
Lyrical Ballads (with Samuel Taylor Coleridge) (1798)
Poems in Two Volumes (1807)
The Prelude (1850)
Lyrical Ballads lyric 感情を表現する詩 ballads 素朴な詩の形式 Samuel Taylor Coleridgeは Biographia Literaria の中で二人が共有していた詩についての考えを説明している 役割の分担 Coleridge 超自然的なテーマを扱う ‘willing suspension of disbelief’をもたらすような人間的関心を読者から引き出す
Wordsworth ‘film of familiarity’によって隠されている日常的な事物の美を描き、読者の共感を惹起する
The first edition of Lyrical Ballads
Wordsworthによる第二版(1800年出版)の序文はイギリス・ロマン主義のマニフェスト
① ‘all good poetry is the spontaneous overflow of powerful feeling’
② ‘emotion recollected in tranquility’
③ ‘common life’ (‘humble and rustic life’)を描く
自然の中で暮らすふつうの人々の生活を詩のテーマにする
自然と調和し都会の腐敗とは無縁の生活を送る人々への共感を表現
④ 詩人は‘a man speaking to man’
古典主義時代の人工的な詩の文体を批判
‘a selection of language really used by men’を用いる
The Prelude; or, Growth of a Poet's Mind blank verseで書かれている
1799年から1805年にかけて執筆された
1805年版(1926年出版) 全13巻
1850年版 汎神論的な要素を削除・訂正、全14巻
The Recluseという哲学的な長編詩のための「序曲」として書かれた
書物だけの知識を批判
自然賛美と都市批判
合理主義批判
フランス革命のテロリズム化批判
‘Love of nature leading to love of men’ (Book VIII)
詩人は自然との親密な交流を通して真理に到達すると主張する
自然との交流によってはぐくまれた詩的な想像力だけが人間を完全な存在にするという考え方によって貫かれている
内面的な叙事詩→詩人が英雄となる
William BlakeのWordsworth評
‘a Heathen Philosopher at Enmity against all true Poetry’
Samuel Taylor Coleridge (1772-1835) Devonの牧師の家に生まれる
Cambridge大学Jesus College中退
アメリカに理想社会(pantisocracy)の建設を夢見る
1895年、Sara Frickerと結婚
1897年、Wordsworthと知り合う
1798年、WordsworthとともにLyrical Balladsを出版(‘The Rime of the Ancient Mariner’ を提供)
1798から99年にかけてドイツに滞在、帰国後Schillerなどのドイツ・ロマン主義の作家を紹介
1800年、湖水地方のKeswickに住みはじめる
Wordsworthの義理の妹Sara Hutchinsonに恋をする
アヘンを常用するようになる
1808年、妻と別居
Grasmere、London、Bathと転居を重ねる
1816年、LondonのHighgateで暮らしはじめる
1817年、Biographia Literariaを出版
fancyと区別してimaginationを定義した
imagination: 異質な要素を結びつけて首尾一貫した有機的統一体を創造する能力
It dissolves, diffuses, dissipates, in order to recreate: or where this process is rendered impossible, yet still at all events it struggles to idealize and to unify.
fancy: 一貫性のない気ままな空想
1834年、LondonのHighgateで死去
Samuel Taylor Coleridge (1772-1835)
最高傑作はWordsworthであると言われることもある
非日常的な世界を描く詩が多い ‘The Rime of the Ancient Mariner’「老水夫の歌」
Lyrical Ballads所収
年老いた船乗りがアホウドリを殺したために呪われた経験を語る贖罪の物語
‘Kubla Khan; Or, a Vision in a Dream. A Fragment’
1797年執筆、1816年 ‘Christabel’とともに出版
Coleridgeがアヘンを飲んで眠ったときに見た夢にもとづく
夢を詩に書き残そうとしたが、Porlockから来た友人の訪問によって妨げられる
視覚的イメージと聴覚的なイメージの融合
Day after day, day after day,
We stuck, nor breath nor motion,
As idle as a painted Ship
Upon a painted ocean.
Water, water every where
And all the boards did shrink;
Water, water every where,
Nor any drop to drink.
(Samuel Taylor Coleridge, ‘The Rime of the Ancient Mariner’ )