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インプレスの書籍ホームページ書籍の新刊や正誤表など最新情報を随時更新しております。

http://book.impress.co.jp/

本書は、Microsoft Certified Solution Assicate(MCSA)資格試験「Configuring Windows Devices(70-697)」の受験対策用の教材です。株式会社インプレスおよび著者は、本書の使用による「Configuring Windows Devices(70-697)」試験への合格を一切保証しません。

本書の内容については正確な記述につとめましたが、著者、株式会社インプレスは本書の内容に基づく試験の結果にも一切責任を負いません。

Microsoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。その他、本文中の製品名およびサービス名は、一般に各開発メーカーおよびサービス提供元の商標および登録商標です。なお、本文中には™、®、©は明記していません。

Copyright © 2016 Socius Japan, Inc. All rights reserved.

本書の内容はすべて、著作権法によって保護されています。著者および発行者の許可を得ず、転載、複写、複製等の利用はできません。

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はじめに

「Configuring Windows Devices(70-697)」は、主に企業ネットワーク環境においてWindows 10の実装、管理、展開などを行うスキルを評価するMCPプログラムの認定試験です。合格するためには、Windows 10の機能や特徴についての知識だけでなく、シナリオに沿った実装方法や管理方法を的確に選択する能力が求められます。従来のOSと比較すると、Windows 10では、タブレットやスマートフォンなどを含めたマルチデバイス向けの機能や、サーバーやクラウドとの連携といった要素が格段に増えています。そのため、コンピューターで利用する範囲に留まらず、さまざまなデバイスでの使用や、サーバーやクラウドからの管理および設定方法についても問われることが、この試験の特徴です。

本書はConfiguring Windows Devicesを対象とした、最新の試験範囲に対応した問題集です。

基礎知識の確認のための簡易な問題から試験レベルに相当する応用問題まで、幅広く掲載しています。また、各問題の解答は、単なる答え合わせのような解説ではなく、基本的な技術の解説に加えて、どのような場面で役立つか、使用上の注意点、なぜ正解か、なぜ不正解かといったことをていねいに説明しています。そのため、本書1冊で合格レベルの実力と本質的な理解を身に付けていただけます。

日々Windows 10を使っていても、そのすべての機能に精通している方はなかなかいらっしゃらないことでしょう。本問題集では、限られた紙面の範囲内でできるだけ多くの画面イメージを掲載することで、理解しやすい解説になるよう心がけました。しかし、紙面だけで実機の操作性や一連の設定の全体像を把握するのは困難です。より高い学習効果が得るために、ぜひWindows 10を搭載した機器を実際に操作しながら学習を進めてください。

最後になりましたが、本書をご活用いただき、より多くの方が70-697試験に合格されることを祈念いたします。

2016年10月著者

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マイクロソフト認定技術資格制度の概要

MCPプログラム(Microsoft Certified Professional Program:マイクロソフト認定技術資格制度)は、システムエンジニア、システムインテグレーター、コンサルタント、プログラマ、トレーナーなど、コンピューターや情報システム関連の技術者を対象とした、マイクロソフト製品の技術的知識に関する認定資格制度です。

MCPプログラムは、米国をはじめとする世界150カ国以上で実施されています。試験問題は、米国で開発されたのち、各国語にローカライズされているため、世界共通の内容と基準で提供されています。このため、MCPを取得することによって、世界的に技術力を証明することができます。

■ マイクロソフトの資格体系マイクロソフトの資格は、技術レベルに応じて、次の3つのレベルに分類されます。

各レベルとも、対象となる技術別に複数の資格に分かれています。

● MTA(マイクロソフト認定テクノロジーアソシエイト)入門レベルの資格で、基礎的な技術知識を有していることを証明します。ITキャ

リアをスタートしたばかりの人や、ITの基本について理解を深めたいと考えているIT以外の職種の人、IT技術者を目指す学生などが対象です。

● MCSA(マイクロソフト認定ソリューションアソシエイト)初級の技術者に必要な技術レベルを有することを証明する資格です。取得するこ

とでIT業界に就職・転職する際の足掛かりを得られると同時に、上級レベルの資格取得を目指すための必須要件を満たすことができます。

● MCSE(マイクロソフト認定ソリューションエキスパート)/MCSD(マイクロソフト認定ソリューションデベロッパー)マイクロソフト資格体系の最上位に位置し、経験を積んだ技術者・開発者が目指

すべき資格です。マイクロソフトのクラウド技術やソリューションの設計や構築に関して、高度な専門知識を有することを証明します。

マイクロソフト認定テクノロジーアソシエイト

(MTA)

マイクロソフト認定ソリューションアソシエイト

(MCSA)

マイクロソフト認定ソリューションエキスパート

(MCSE)

マイクロソフト認定ソリューションデベロッパー

(MCSD)

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Windows 10関連の資格

Configuring Windows Devices試験は次の資格の対象科目になっています。

● MCSA Windows 10

Windows 10 のエンタープライズシステムを構成、管理、サポートするための専門知識があることを証明する資格です。次の 2 科目に合格することで取得できます。

・ Configuring Windows Devices(70-697)・ Installing and Configuring Windows 10(70-698)

● マイクロソフトスペシャリストWindows 10

Windows 10 についての専門知識があることを証明する資格です。次の 1 科目に合格することで取得できます。

・ Configuring Windows Devices(70-697)

Configuring Windows Devices (70-697)試験について

■試験概要この試験では、マルチデバイス向けの機能や、サーバーやクラウドとの連携といっ

た幅広い知識が要求されます。試験に合格することによって、強固なIDの作成、コンテンツの保護、モバイルデバイス管理ポリシー、Hyper-Vによる仮想化、会社ポータルとWindowsストアによるアプリケーション管理、Windows 10のセキュリティ、統合されたAzure機能などについて基本的な知識とスキルを有していることが実証されます。

受験者は、プロフェッショナルとしての経験に加えて、次の技術知識をすでに身に付けていることが求められます。

・ Windowsデスクトップの管理、保守、およびトラブルシューティングの経験・ Windowsのネットワークテクノロジの基本的な経験と理解・ Active DirectoryとMicrosoft Intuneの入門レベルの知識

■試験範囲● IDの管理(10~15%)

・ Windowsストアおよびクラウドアプリをサポートする・ 認証と承認をサポートする

● デスクトップとデバイスの展開の計画(10~15%)・ ユーザーデータを移行および構成する・ Hyper-V を構成する 5

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・ モビリティオプションを構成する・ モバイルデバイスのセキュリティを構成する

● Microsoft Intune デバイス管理ソリューションの計画と実装(10~15%)・ モバイル デバイスをサポートする・ Microsoft Intuneを使ったソフトウェア更新プログラムの展開・ Microsoft Intuneを使ったデバイスの管理

● ネットワークの構成(10~15%)・ IPの設定を構成する・ ネットワーク設定を構成する・ ネットワークセキュリティを構成および管理する

● 記憶域の構成(10~15%)・ データ記憶域をサポートする・ データセキュリティをサポートする

● データ アクセスと保護の管理(10~15%)・ 共有リソースを構成する・ ファイルとフォルダーへのアクセスを構成する

● リモート アクセスの管理(10~15%)・ リモート接続を構成する・ モビリティオプションを構成する

● アプリの管理(10~15%)・ Azure RemoteAppの展開と管理・ デスクトップアプリをサポートする

● 更新と回復の管理(10~15%)・ システム回復を構成する・ ファイル回復を構成する・ 更新を構成および管理する

■ 試験要項試験番号: 70-697科目名: Configuring Windows Devices試験時間: 120分受験料: 21,103円+税

■ 出題形式試験は、コンピューターのディスプレイに表示される問題に、コンピューター

を使用して解答する形式で行われます。複数の選択肢から適切な解答を選択する多岐選択方式の問題、画面や資料を参照して解答する資料参照問題、選択肢を適切な順に並べかえるドラッグ&ドロップ問題などが用意されています。

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受験申し込み方法

MCP試験は、株式会社ピアソンVUEのWebサイト、または電話で申し込みます。各試験センターの会場で随時受験することができます。

・株式会社ピアソン VUE

URL https://www.pearsonvue.co.jp/Tel 0120-355-173または0120-355-583(9:00~18:00、土日祝日、年末年始休業を除く)※Webで申し込む場合は、アカウントを作成する必要があります。

MCPの問い合わせ先

MCPの制度および受験後の認定証の取得に関する詳細はマイクロソフトのWebサイトを参照してください。

・ マイクロソフト認定プログラム事務局 MS-Learning窓口URL https://www.microsoft.com/ja-jp/learning/Tel 0120-77-2057(9:00~17:30、土日祝日、指定休業日を除く)

本書の活用方法

 本書は、「Configuring Windows Devices(70 -697)」試験の合格を目指す方を対象とした問題集です。本文は、出題範囲に沿った問題と解答で構成されています。第1章から第9章までは、出題範囲のカテゴリ別の章立てになっています。第10章と第11章は、模擬試験の位置付けとなる「総仕上げ問題」です。各章の問題・解説で学習したのちに、実戦形式の総仕上げ問題で受験対策の仕上げをしましょう。

① 問題を解きながら合格レベルの実力が身に付く 単なる試験対策の問題だけでなく、本試験の問題を解くために必要な知識やスキルを身に付けるための問題も掲載されています。第1章~第9章の問題は、解き進めていくとそのカテゴリに関する理解度が深まるように構成されています。

② 丁寧な解説と重要項目がわかる試験対策 解説では、正解・不正解の理由をていねいに説明しています。 本文中の「試験対策」欄には、試験の重要項目を挙げていますので、試験対策を効率的に行うことができます。

③ 本試験と同レベルの模擬問題を2回分掲載 第10章と第11章には、本試験と同レベルの問題を掲載しています。受験対策の総仕上げとして、本試験と同じ時間(目安は120分)で解いてみましょう。2回分の模擬問題を解くことで、より実戦的な試験対策が可能になります。

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解答ページ問題の右下に、解答ページが表示されています。ランダムに問題を解くときも、解答ページ探しに手間取ることがありません。

□ 13. USMTを使って、Windows 7を実行するコンピューターからWindows10を実行するコンピューターへデータを移行しようとしています。Windows 7を実行するコンピューターで実行するプログラムはどれですか。

A. DISM.exe

B. Scanstate.exe

C. Sysprep.exe

D. Loadstate.exe

a P 66

□ 17. あなたは社内のドメイン管理者です。社内にはドメインに参加したWindows 10のコンピューターが複数台あります。ユーザーアカウントに設定されるパスワードはある程度の強度を持つ文字列に設定させたいと考えています。強制したいパスワードの要件は以下のとおりです。

・ユーザー名と同じにはできない・英大文字、英小文字、数字、記号から3つ以上のカテゴリを組み合わせる

この要件を満たすために、構成する必要のあるポリシーはどれですか。画面から選択してください。

ABCDEF

a P36

□ 37. あなたは、Windows 10 Enterpriseコンピューターの管理者です。社内のコンピューターはドメインに参加して使用しています。ユーザーが自宅で所有するコンピューターから、インターネットを介して社内の自分のコンピューターにリモートデスクトップ接続できるように構成したいと考えています。必要となるサーバーは社内に準備しました。社内のコンピューターと自宅のコンピューターのそれぞれで必要となる設定はどれですか?

A. リモートデスクトップ接続で社内のコンピューターのアドレスを指定する

B. リモートデスクトップ接続でVPNサーバーのアドレスを指定する

C. リモートデスクトップ接続を許可するD. リモートデスクトップ接続でドメインコントローラーのアドレ

スを指定するE. リモートアシスタンス接続を許可するF. リモートデスクトップ接続でRDゲートウェイのアドレスを指定

する

①社内のコンピューターで必要な設定[  ]②自宅のコンピューターで必要な設定[  ]

a P413

チェックボックス確実に理解している問題のチェックボックスを塗り潰しながら問題を進めれば、2回目からは、不確かな問題だけを効率的に解くことができます。すべてのチェックボックスが塗り潰されれば、合格は目前です。

● 多岐選択問題

選択肢の中から、1つまたは指定された数の正解を選択する問題を想定したものです。

● 資料参照問題

提示される資料や画面を参照し、解答する問題を想定したものです。

● ドラッグアンドドロップ問題

選択肢を該当する項目に割り当てる問題を想定したものです。

本書の構成

■ 問題本書の問題は、「Configuring Windows Devices」試験への合格に必要な知識を

効率的に学習することを目的に作成したものです。解答していくだけで、合格レベルの実力が身に付きます。

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■ 解答出題方式に応じて以下のように解答してください。解説には、問題の正解およ

び不正解の理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。

本文中で使用するマーク解答ページには、以下のマークで重要事項や参考情報を示しています。

試験対策のために理解しておかなければいけないことや、覚えておかなければいけない重要事項を示しています。

試験対策とは直接関係はありませんが、知っておくと有益な情報を示しています。

※本書は基本的にビルド1511(10586)に基づいて執筆しています。 仕様・試験の内容は変更される可能性があります。

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解説(用語)

重要な用語は、太字で表記されています。

問題ページ

問題文を参照したいときに便利です。

解説(選択肢)

正解である選択肢はBや(B)のように、不正解である選択肢はAや(A)のように表記し、それぞれの根拠を表示しています。

13. B

USMTを使ってデータを移行するときに、移行元となるコンピューターではScanstate.exeを実行します(B)。それに対して、移行先のコンピューターでは、Loadstate.exeを実行します(D)。

USMTは、Scanstate.exeとLoadstate.exeの2つのプログラムから構成されています。Scanstate.exeは、コンピューターからデータを吸い上げるプログラムです。そのため、移行元のコンピューターで実行する必要があります。移行先のコンピューターでは、Loadstate.exeを実行することで吸い上げたデータを復元します。

【ScanstateとLoadstate】

移行元コンピューター

移行先コンピューター

Scanstate Loadstate

ファイルサーバー

DISM.exeは参照コンピューターからイメージファイルを作成するために実行するツール(A)、Sysprep.exeは参照コンピューター上の固有情報を削除するツール(C)です。

a P46

Scanstate.exeとLoadstate.exeを、移動元、移動先のどちらのコンピューターで実行すべきかを正しく理解しておきましょう。

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目次

はじめに ……………………………………………… 3

マイクロソフト認定技術資格制度の概要 ………… 4

Windows 10関連の資格 ……………………………… 5

Configuring Windows Devices (70-697)試験について… 5

受験申し込み方法 …………………………………… 7

本書の活用方法 ……………………………………… 7

本書の構成 …………………………………………… 8

第 1章 IDの管理

問題 ………………………………………………… 14解答 ………………………………………………… 20

第 2章 デスクトップとデバイスの展開

問題 ………………………………………………… 42

解答 ………………………………………………… 54

第 3章 Microsoft Intuneによるデバイス管理

問題 ………………………………………………… 94

解答 ………………………………………………… 101

第 4章 ネットワークの構成

問題 ………………………………………………… 130

解答 ………………………………………………… 138

第 5章 記憶域の構成

問題 ………………………………………………… 174

解答 ………………………………………………… 182

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第6章 データアクセスと保護の管理

問題 ………………………………………………… 210解答 ………………………………………………… 220

第 7章 リモートアクセスの管理

問題 ………………………………………………… 258

解答 ………………………………………………… 266

第 8章 アプリの管理

問題 ………………………………………………… 296

解答 ………………………………………………… 305

第 9章 更新と回復の管理

問題 ………………………………………………… 336

解答 ………………………………………………… 345

第10章 総仕上げ問題①

問題 ………………………………………………… 376解答 ………………………………………………… 398

第11章 総仕上げ問題②

問題 ………………………………………………… 420解答 ………………………………………………… 442

索引 ………………………………………………… 458

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■ Microsoftアカウント

■ Azure ADアカウント

■ Windows Hello

■ Microsoft Passport

■ パスワードのポリシー

■ ピクチャパスワード

■ 多要素認証

■ 仮想スマートカード

IDの管理

第 章1

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□ 1. Windows 10へのサインインに利用できるアカウントはどれですか。(複数選択)

A. Active Directoryアカウント B. Microsoftアカウント C. Azure ADアカウント D. ローカルアカウント

□ 2. Microsoftアカウントの説明として適切なものはどれですか。

A. Active Directoryに格納されたアカウント B. コンピューターのローカルに作成するアカウント C. マイクロソフトが提供するWebサービスにサインインするため

のアカウント D. コンピューターに対して管理者権限を持つ既定のアカウント

□ 3. Microsoftアカウントの作成に使用するツールはどれですか。(2つ選択)

A. Webブラウザー B. コンピューターの管理 C. 設定アプリ D. モビリティセンター

□ 4. 設定アプリからMicrosoftアカウントを作成するときに新規に取得するメールアドレスの形式として、適切なものはどれですか。

A. [email protected]

B. [email protected]

C. [email protected]

D. [email protected]

a P20

a P21

a P22

a P23

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ID

の管理(問題)

第 1 章□ 5. Microsoftアカウントを用いてWindows 10にサインインする場合、デバイス間で同期可能な設定はどれですか。(複数選択)

A. Webブラウザーの設定 B. デスクトップのデータ C. パスワード D. 言語設定

□ 6. あなたは、Windows 10 Enterpriseコンピューターからなるドメインの管理者です。あなたの会社では、業務用のデータやコンピューター設定を社外で使用することを禁止しています。その一環として、Microsoftアカウントによるサインインをブロックしたいと考えています。利用するツールはどれですか。

A. 簡単設定 B. グループポリシー C. Windows Defender

D. コンピューターの管理

□ 7. あなたは、Windows 10 Enterpriseコンピューターからなるドメインの管理者です。あなたの会社では、コンピューターに対するMicrosoftアカウントによるサインインが許可されていますが、Webブラウザーの設定については、ほかのコンピューターに同期されることを防ぐ必要があります。利用するツールはどれですか。(2つ選択)

A. インターネットオプション B. グループポリシー C. コントロールパネル D. 設定アプリ

a P24

a P25

a P27

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□ 8. SIDの説明として適切なものはどれですか。

A. アクセス制御のためのリスト B. 画面上に表示される表示名 C. アカウントごとに付けられる内部的なID

D. アクセス制御リストに含まれるエントリ

□ 9. Windows Hello認証の説明として適切なものはどれですか。

A. 指紋や虹彩などによる生体認証を提供する機能 B. ユーザー名とパスワードの入力によって認証を提供する機能 C. スマートカードに格納された情報の提示によって認証をする

機能 D. 音声を使った認証を提供する機能

□ 10. Microsoft Passportの説明として適切なものはどれですか。

A. 異なる組織間でID連携を行うためのサービス名 B. Windows Helloに対応したデバイスの総称 C. WindowsアプリケーションやWebサービスでWindows Helloを

利用可能にする機能 D. Outlook.comやOneDriveなどを利用するために必要なアカウ

ント

□ 11. Microsoft Passportで使用するPINの複雑さを定義するには、どのツールを使いますか。

A. 設定アプリ B. グループポリシー C. pinconfig.exe

D. 資格情報マネージャー

a P28

a P29

a P29

a P30

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ID

の管理(問題)

第 1 章□ 12. Azure ADを使用するサービスはどれですか。(2つ選択)

A. Office 365

B. AD FS

C. Microsoft Intune

D. AD DS

□ 13. あなたの会社には、Windows 10を実行するコンピューターやモバイルデバイスがあります。また、マイクロソフトから提供されるSaaSアプリケーションであるOffice 365やMicrosft Intuneなどを利用し、業務上の連絡やモバイルデバイス管理を行っています。これらのクラウドサービスにシングルサインインできるように、Windows 10コンピューターを構成したいと考えています。必要なアカウントはどれですか。

A. ドメインアカウント B. ローカルアカウント C. Microsoftアカウント D. Azure ADアカウント

□ 14. Azure ADへの参加が可能なWindows 10のエディションはどれですか。 (複数選択)

A. Home

B. Pro

C. Enterprise

D. Education

□ 15. 設定アプリからAzure ADに参加する操作はどこから行いますか。

A. デバイス B. アカウント C. 更新とセキュリティ D. システム

a P31

a P32

a P33

a P34

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□ 16. オンプレミスのAD DSとAzure ADの同期を行うために必要なツールはどれですか。

A. Windows Server移行ツール B. Active Directory Rights Management Services

C. ディレクトリ同期ツール D. Microsoft Dynamics CRM

□ 17. あなたは社内のドメイン管理者です。社内にはドメインに参加したWindows 10のコンピューターが複数台あります。ユーザーアカウントに設定されるパスワードはある程度の強度を持つ文字列に設定させたいと考えています。強制したいパスワードの要件は以下のとおりです。

・ユーザー名と同じにはできない・英大文字、英小文字、数字、記号から3つ以上のカテゴリを組み合わせる

この要件を満たすために、構成する必要のあるポリシーはどれですか。画面から選択してください。

ABCDEF

□ 18. ピクチャパスワードの説明として適切なものはどれですか。

A. パスワードの代わりに、特定の写真を送信して認証する機能 B. パスワードの文字列を画像として残しておく機能

a P35

a P36

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ID

の管理(問題)

第 1 章 C. 顔や指紋などの生体情報を用いて認証する機能 D. パスワードの代わりに、画像に対するジェスチャで認証する

機能

□ 19. 多要素認証の説明として適切なものはどれですか。

A. ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの両方を使用すること

B. 追加の認証情報を使用すること C. 異なるバージョンのWindowsで共通の認証情報を使用すること D. ドメインアカウントにMicrosoftアカウントを関連付けること

□ 20. あなたの会社では、マイクロソフトのクラウドサービスであるOffice 365のテナントを所有しています。ユーザーからのアクセスを保護するため、Azure多要素認証を用いて追加の認証を構成したいと考えています。追加の認証として利用可能な方法はどれですか。(複数選択)

A. 仮想スマートカード B. テキストメッセージ C. モバイルアプリ D. 電話呼び出し

□ 21. あなたは、会社のドメインの管理者です。あなたの会社では、Windows へのサインインのために仮想スマートカードを利用できるように構成する予定です。社内の証明書サーバーで、仮想スマートカードログオンの証明書が発行できるように準備しました。Windows 10で仮想スマートカードによるサインインができるように構成する必要があります。あなたが行う操作として適切なものはどれですか。(3つ選択)

A. 証明書の登録ウィザードを実行する B. Tpmvscmgr.exeを実行する C. Devmgmt.mscを実行する D. Certmgr.mscを実行する E. Make-VirtualSmartCardコマンドレットを実行する

a P37

a P38

a P38

a P39

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第 1章 IDの管理

解 答

1. A、B、C、D

Windows 10では、ローカルアカウント(D)、Active Directoryアカウント(A)、Microsoftアカウント(B)、Azure ADアカウント(C)の4種類のアカウントが利用可能です。

Windows 7までのOSでは、ローカルアカウントまたはActive Directoryアカウントのいずれかを使ってログオンしていました。Windows 8でMicrosoftアカウントが追加され、Windows 10ではさらにAzure ADアカウントも追加されたため、計4種類のアカウントが利用可能になっています。各アカウントの種類の概要は次のとおりです。

● ローカルアカウント(D)コンピューターのローカルに作成するアカウントです。「コンピューターの管理」というツールを使って管理します。

● Active Directoryアカウント(A)組織内のActive Directoryドメイン上に作成するアカウントです。コンピューターがドメインに参加することによって、Active Directoryアカウントを使用できます。

● Microsoftアカウント(B)マイクロソフトが提供する各種Webサービスにアクセスするためのアカウントです。マイクロソフトのWebサイトなどで作成することができます。使用するためにはインターネット接続が必要です。

● Azure ADアカウント(C)Microsoft Azureで作成可能な組織アカウントです。Microsoft Azureは、マイクロソフトが提供するクラウドサービスで、Azure ADはその中で提供されるディレクトリサービスです。使用するためにはインターネット接続が必要です。

どのアカウントを利用してサインインするかは、Windows 10のインストール時に指定します。インストール後に、設定アプリから変更することもできます。

a P14

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ID

の管理(解答)

第 1 章

2. C

Microsoftアカウントは、マイクロソフトが提供する各種Webサービスにアクセスするためのアカウントです(C)。

マイクロソフトはさまざまなWebサービスを提供しています。代表的な例としては、Outlook.com、OneDrive、Xbox LIVE などがあります。Microsoftアカウントを作成すると、これらの各種サービスを利用できるようになります。Windows 10では、Microsoftアカウントをコンピューターのサインイン情報として利用することができます。これにより、複数のデバイスから同じ情報にアクセスでき、デバイス間で設定やデータの同期が行えるようになります。

【Microsoftアカウントによる同期イメージ】

Microsoftアカウント

同期

サインイン

Active Directoryに格納されたアカウントは、Active Directoryアカウントやドメインアカウントと呼ばれます(A)。コンピューターのローカルに作成するアカウントは、ローカルアカウントです(B)。コンピューターに対して管理者権限を持つ既定のアカウントは、Administratorです(D)。

Windows 10で追加されたAzure ADアカウントについては、特にしっかりと理解しておきましょう。

従来のWindowsでは、ユーザー名とパスワードを使って認証を受ける行為を「ログオン」と呼んでいましたが、Windows 10では「サインイン」と呼びます。

a P14

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3. A、C

Microsoftアカウントは、Webブラウザー(A)からマイクロソフトのWebサイトに直接アクセスするか、Windows 10の設定アプリ(C)から作成することができます。

Microsoft EdgeなどのWebブラウザーからMicrosoftアカウントを作成するには、https://signup.live.com/にアクセスし、名前やメールアドレス、連絡先などの情報を入力します。ここで指定したメールアドレスが、IDとして扱われます。普段利用しているメールアドレスをIDとして使うことも、新規にメールアドレスを取得することもできます。

【WebブラウザーからのMicrosoftアカウント作成】

設定アプリからMicrosoftアカウントを作成するには、設定アプリの[アカウント]→[メールとアカウント]→[Microsoftアカウントでのサインインに切り替える]を順にクリックします。[Microsoftアカウントを追加]ウィンドウが表示されたら[作成しましょう]をクリックして、アカウントの情報を入力します。設定アプリから作成する場合でも、インターネット接続は必要です。

a P14

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ID

の管理(解答)

第 1 章【設定アプリからのMicrosoftアカウント作成】

「コンピューターの管理」は、ローカルアカウントの管理などを行うツールです(B)。モビリティセンターは、ディスプレイの明るさやスピーカーの音量などを1カ所で変更するためのツールです(D)。

4. D

設定アプリからMicrosoftアカウントを作成するときに新規にメールアドレスを取得すると、「[email protected]」という形式になります(D)。microsoft.com、ms.account.jp、live.comといったドメイン名を選択することはできません(A、B、C)。

Microsoftアカウントを作成するときには、普段利用しているメールアドレスをMicrosoftアカウントとして使うか、新規にメールアドレスを取得するかを選択します。ただし、設定アプリからMicrosoftアカウント作成時に新規にメールアドレスを取得する場合のドメイン名はoutlook.jpで固定されており、それ以外のものを選択することはできません。好みのドメイン名をMicrosoftアカウントとして使いたい場合には、あらかじめそのドメイン名でメールアドレスを取得したうえで、そのメールアドレスをMicrosoftアカウントとして使うように指定します。

a P14

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【設定アプリからMicrosoftアカウント作成時に新規メールアドレス取得】

5. A、C、D

Microsoftアカウントを用いてWindows 10にサインインすると、Webブラウザーの設定(A)、パスワード(C)、言語設定(D)などをデバイス間で同期することができるようになります。

近年ではデバイスの種類も多岐にわたっており、1人のユーザーがデスクトップPC、ノートPC、タブレットなどの複数のデバイスを所有することも珍しくありません。Microsoftアカウントを使用するメリットのひとつとして、デバイス間で設定を同期できることが挙げられます。同期可能な設定には次のようなものがあります。

・テーマ …………………………スタート画面、背景、デスクトップのテーマなど

・ Internet Explorerの設定(A) …お気に入り、ホームページ、履歴、設定など

Webブラウザーからhttps://signup.live.com/にアクセスしてMicrosoftアカウントを作成する際に新規にメールアドレスを取得する場合は、outlook.jpのほかに、outlook.com、hotmail.comドメインを選択することが可能です。

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ID

の管理(解答)

第 1 章・パスワード(C) ………………アプリ、Webサイト、ネットワークなどのサインイン情報

・言語設定(D) …………………キーボード、入力方式、表示言語など・簡単操作 ………………………ナレーター、拡大鏡など・その他のWindowsの設定 ……エクスプローラー、マウス、プリンターなど

【設定の同期】

Microsoftアカウントでは、デスクトップ上に存在するデータの同期を行うことはできません(B)。

6. B

Microsoftアカウントの追加や、Microsoftアカウントによるサインインをブロックするには、グループポリシーで制限を構成します(B)。

Microsoftアカウントを使うことによって、複数のデバイス間で設定を同期できます。この機能は、一般の個人ユーザーなどのコンシューマー環境では便利です。しかし、エンタープライズ環境では、この機能によってセキュリティリスクが発生する可能性も考えられます。たとえば、企業内で管理されてい

デバイス間の設定同期の仕組みには、内部的にはOneDriveが使用されています。同期を有効にした設定はOneDrive上に保存されることにより、インターネットを介してほかのデバイスにも適用されます。

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るWindows 10と、個人所有のWindows 10が同期することによって、企業内に留めておくべき情報まで同期されてしまうといったことが考えられます。

グループポリシーを構成することで、Microsoftアカウントの追加やMicrosoft

アカウントによるサインインの操作をブロックすることができます。グループポリシーを構成するには、タスクバーの検索ボックスに「gpedit.

msc」と入力してvキーを押し、ローカルグループポリシーエディターを表示します。そこで[コンピューターの構成]→[Windowsの設定]→[セキュリティの設定]→[ローカルポリシー]→[セキュリティオプション]の順に展開し、「アカウント:Microsoftアカウントをブロックする」というポリシー設定を構成します。

【「Microsoftアカウントをブロックする」ポリシー】

Windows Defenderはマルウェアやスパイウェアからコンピューターを保護する機能です(C)。「コンピューターの管理」は、ローカルアカウントの管理などを行うツールです(D)。簡単設定というツールはありません(A)。

Microsoftアカウントは必要に応じて使用できないように制御することができます。そのためには、グループポリシーを構成します。

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ID

の管理(解答)

第 1 章

7. B、D

Microsoftアカウントによる同期設定のうち、一部の設定だけを同期させないように構成するには、設定アプリ(D)かグループポリシー(B)のいずれかを使用します。

設定アプリでは、同期自体のオン/オフだけでなく、項目ごとに同期のオン/オフの切り替えができます。そのため、言語設定は同期するがInternet

Explorerの設定は同期しないといった構成が可能です(解答5の画面を参照)。設定アプリは、各コンピューターで構成する必要があります。ドメイン環境では、グループポリシーから構成を行うことによって、一元的に同期設定を制御することができ、コンピューターごとに設定をする必要がなくなります。グループポリシーから構成するには、[コンピューターの構成]→[管理用テンプレート]→[Windowsコンポーネント]→[PC設定の同期]をと展開し、項目ごとにポリシーを構成します。

【グループポリシーでの同期設定制御】

ドメインのグループポリシーで同様の制限を行うには、ドメインコントローラーでグループポリシーの編集ウィンドウを開きます。[コンピューターの構成]→[ポリシー]→[Windowsの設定]と展開し、配下にある同様のポリシー設定を構成します。

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8. C

SIDは、アカウントごとに付けられる内部的なIDです(C)。

Windowsでは、ユーザーアカウントによって利用者を識別し、認証しています。たとえば、サインイン時にユーザー名とパスワードの入力を求め、「本人かどうか」を判定しています。ただし、ユーザー名はあくまでも画面上に表示される表示名(B)であり、各アカウントは内部的にはSID(セキュリティ識別子:Security ID)と呼ばれる属性によって識別されています(C)。ユーザー名がUserAだったとしても、内部的には「S-1-XXX-XXXXXXXX」のような形式で管理されています。また、サインインによって認証されたユーザーは、必ずしもすべてのリソースにアクセスできるわけではありません。認証とは別に、承認という概念があり、承認によってどの「リソースにアクセスできるか」が決定されます。承認に関する設定は、アクセス許可の設定の中で、アクセス制御のためのリスト(ACL:Access Control List)を編集することによって行います(A)。アクセス制御のためのリストには、どのユーザーまたはグループに対してどのような操作を許可するかということをエントリ(ACE:Access Control Entry)として登録します(D)。アクセス制御のためのリストも画面上ではユーザー名やグループ名で表示されますが、内部的にはSIDが使われており、「XXXXのSIDを持つユーザーに〇〇の操作を許可する」という仕組みによって制御されます。

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認証と承認の概念は従来のWindowsと同じですが、重要な要素です。それぞれの概念をしっかりと理解しておきましょう。

SIDが割り当てられたアカウントは、セキュリティプリンシパルと呼ばれることもあります。

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ID

の管理(解答)

第 1 章9. A

Windows Helloとは、生体認証属性(顔、指紋、虹彩)による認証を行う機能です(A)。音声による認証は現時点では提供されていません(D)。

従来のWindowsでは、パスワードやスマートカード、PIN(解答11を参照)を使用した認証が提供されていました。Windows 10では、これらに加えて顔や指紋、虹彩の生体認証属性を用いて認証を行うことができます。この生体認証属性を用いた認証を提供する機能をWindows Helloといいます。Windows Helloの機能を使用することで、サインイン画面ではパスワード入力の代わりに生体情報による認証を行い、デスクトップを表示することができます。パスワードなどを覚える必要がなくなるだけでなく、なりすましを防ぐこともできるため、より安全性の高い認証を実現することができます。

ユーザー名とパスワードの入力による認証は、パスワードベース認証と呼ばれます(B)。スマートカードに格納された情報の提示によって認証をする機能は、証明書認証と呼ばれています(C)。

10. C

Microsoft Passportとは、WindowsアプリケーションやWebサービスの認証に、生体認証またはPINを用いる機能です(C)。

Windows 10では、Windows Helloによってパスワードなどの入力を行うことなく、生体情報やローカルコンピューターに保存されたPINを用いてサインインすることができます。しかし、サインインのあとで、WindowsアプリケーションやWebサービスの利用時にパスワード入力が求められては、生体情報やPINを用いてサインインした意味が薄れてしまいます。そこでWindows 10

は、WindowsアプリケーションやWebサービスでWindows HelloやPINによる認証を有効にするための機能として、Microsoft Passportという仕組みも備えています。Windows HelloやPINを使ってWindows 10にサインインすると、内部的にPassportと呼ばれる情報が生成されます。サインイン後にWebアプリケーションやWebサービスを利用するときには、サインイン時に生成されたPassportの情報を提示することによって、アプリケーションやサービスの認証が行われます。

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Windows Helloは生体認証を行うWindows 10の新機能です。

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【Windows HelloとMicrosoft Passport】

Webアプリ

クラウドサービス

生体情報

Windows Hello Microsoft Passport

生体認証によるサインイン

パスワード入力なしでアクセス

異なる組織間でID連携を行うためのサービスは、フェデレーションと呼ばれます(A)。Windows Helloに対応したデバイスについての特別な呼称はありません(B)。Outlook.comやOneDriveなどのサービスを利用するために必要なアカウントはMicrosoftアカウントです(D)。

11. B

ドメインまたはローカルのグループポリシーを使うと、Microsoft Passportで使用するPINの複雑さを定義することができます(B)。

Windows 10ではMicrosoft Passportという機能により、サーバーに保存されたパスワードを使うのではなく、生体情報やローカルコンピューターに保存されたPIN(Personal Identification Number)を使用して認証することができます。PINは、コンピューター上で設定する数桁の数字または文字列ですが、設定したコンピューター内でのみ使用されるため、ネットワーク上に送信されることはありません。Microsoft Passportでは、PINとデバイスの組み合わせによって認証することができ、パスワードそのものをネットワーク上に送信することがないため、たとえば第三者にパスワードを探し当てられてアカウントが乗っ取られるといった危険を回避することができます。Microsoft Passportで使用するPINは、グループポリシーによって、使用する文字列の要件を定義することができます。たとえば、最小文字数、大文字や小文字を織り交ぜることなど、複雑さを強制させるためのポリシーが用意されています。

Microsoft Passportを利用することで得られるメリットを理解しておきましょう。

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ID

の管理(解答)

第 1 章【PINの複雑さ】

設定アプリではPIN自体の設定はできますが、複雑さなどの要件を定義することはできません(A)。pinconfig.exeというツールはありません(C)。資格情報マネージャーは、Webサイトやアプリケーション内で入力された資格情報を管理するためのツールです(D)。

12. A、C

Office 365(A)やMicrosoft Intune(C)は、認証のためのディレクトリサービスとしてAzure ADを使用します。Azure ADはMicrosoft Azureで提供されるディレクトリサービスです。

クラウドサービスを利用するには、認証が必要です。一般的には、クラウドサービスへアクセスした際に、クラウドサービスで有効なユーザー名とパスワードが求められ、認証が行われます。クラウドサービスで利用されるディレクトリサービスにもさまざまなものがありますが、マイクロソフトで提供されるOffice 365やMicrosoft IntuneなどはAzure ADをディレクトリサービスとして使用しており、Azure ADに登録されている認証情報を入力することによって正しく認証が行われます。

Azure ADの管理は、Microsoft Azureの管理ポータルから行います。

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【Microsoft Azure管理ポータル】

AD FSやAD DSはAzure ADを使用しません(B、D)。ただし、オンプレミスのActive Directoryとの連携や同期を行う場合に必要になります。詳細は解答16

を参照してください。

13. D

Azure ADアカウントを使ってWindows 10にサインインすると、Azure ADに基づいて認証を行うOffice 365やMicrosoft Intuneなどのクラウドサービスにシングルサインインすることができます(D)。

クラウドサービスは、SaaS、PaaS、IaaSの3つに分類されます。

・SaaS ……Software as a Service。アプリケーション(ソフトウェア)をサービスとして提供する

・PaaS ……Platform as a Service。アプリケーションを稼働させるためのプラットフォームをサービスとして提供する

・IaaS ……Infrastructure as a Service。サーバー、CPU、ストレージなどのインフラをサービスとして提供する

Office 365やMicrosoft IntuneなどのクラウドサービスはSaaSに該当します。

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の管理(解答)

第 1 章Azure ADアカウントを使ってWindows 10にサインインするメリットのひとつは、Azure ADに基づく各種クラウドサービスにシングルサインインできることです。Windows 10にAzure ADアカウントでサインインすると、入力した情報がインターネット経由でAzure AD上に格納された情報と照合されます。そのため、Windows 10へのサインイン後に、Office 365やMicrosoft Intuneにアクセスしても再度認証情報の入力が求められることはありません。それ以外のアカウントを使ってWindows 10にサインインした場合には、クラウドサービスへのアクセス時にAzure AD上で有効な認証情報の入力を求められます(A、B、C)。Azure ADアカウントを使ってWindows 10にサインインするためには、Azure

ADへ参加します。

14. B、C、D

Azure ADへの参加が可能なWindows 10のエディションは、Pro(B)、Enterprise

(C)、Education(D)です。Homeエディションでは、Azure ADへの参加はできません(A)。

Windows 10にはさまざまなエディションがありますが、Azure ADに参加するためにはPro以上のエディションが必要です。Educationは教育機関向けのエディションですが、搭載される機能はEnterpriseと同等であるため、Azure AD

への参加も可能です。Azure ADへの参加がサポートされるエディションを用いてOSのインストールを行うと、初期設定時にAzure ADへ参加することができます。また、初期設定を終えたあとでAzure ADへの参加操作を行うこともできます。いずれの場合でも、Azure ADに参加するためにはインターネット接続が必要です。

Azure ADアカウントを使用することで得られるメリットを整理しておきましょう。

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【インストール後の初期設定時のAzure AD参加】

15. D

Azure ADアカウントでWindows 10にサインインするには、Azure ADに参加する必要があります。Azure ADへは、設定アプリの[システム]から参加します(D)。

Azure ADへの参加は、Azure上のActive Directoryにある認証情報を利用するため、インターネット接続が必要です。インターネット接続ができていることを確認したうえで、設定アプリの[システム]をクリックし、[バージョン情報]タブで[Azure ADに参加]をクリックします。[プライバシー]→[デバイス]→[更新とセキュリティ]からAzure ADへ参加する操作はできません(A、B、C)。

Azure ADそのものが組織向けに提供されるディレクトリサービスという位置付けであるため、コンシューマー向けに提供されるHomeエディションではAzure ADへの参加はできません。

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の管理(解答)

第 1 章【バージョン情報】

16. C

ディレクトリ同期ツールを使用すると、オンプレミスのActive Directory

Domain Services(AD DS)とAzure ADの同期を行うことができます(C)。

オンプレミスとは「自社運用」とも呼ばれ、自社内に用意した設備でシステムの運用や管理を行うことです。これまでのバージョンのWindowsでは、オンプレミスのActive Directory(AD)を構築し、認証に関する運用を行うことが一般的でした。現在でもオンプレミスで認証管理を行うことができますが、クラウドサービス上のADであるAzure ADを使用して運用することもできるようになっています。

Azure ADを利用するには、Microsoft Azure上に組織のAzure ADが必要です。Azure ADの新規作成は、Microsoft Azureの管理ポータルから行います。すでにOffice 365やMicrosoft Intuneを利用している場合には、それらのAzure AD

を利用することも可能です。新規に作成する場合にはAzure AD上にアカウントは存在しないため、アカウントの登録を行います。手動で作成することも

Azure ADへの参加は、通常のドメイン参加とは異なり、設定アプリから行うことを覚えておきましょう。

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できますが、マイクロソフトから提供されているディレクトリ同期ツールを活用することにより、オンプレミスのAD DSとAzure ADを同期することが可能です。これにより、Azure ADへのアカウントの登録や管理作業を簡略化することができます。

Windows Server移行ツールは、サーバーの役割や機能をほかのサーバーに移行するときに使用します(A)。Active Directory Rights Management Services

は、組織内で使われるドキュメントの保護のためのサーバー役割です(B)。Microsoft Dynamics CRMは、営業活動やマーケティングを支援するためのオンラインサービスです(D)。

17. F

[複雑さの要件を満たす必要があるパスワード]ポリシー設定を有効にすると、複雑さを満たしていない文字列のパスワードを設定しようしたときに拒否することができます(F)。

グループポリシーには[パスワードのポリシー]という設定項目があり、ユーザーアカウントに設定されるパスワードの要件を構成することができます。パスワードの最少文字数や有効期間、複雑さを満たす必要があるかなどを定義することができるため、ユーザーアカウントのセキュリティを高めることができます。パスワードのポリシーは、ローカルグループポリシーの編集画面では、[コンピューターの構成]→[Windowsの設定]→[セキュリティの設定]→[アカウントポリシー]を順に展開した場所にあります。

パスワードの長さが十分であっても、数字のみの単純な羅列では意味を成しません。[複雑さの要件を満たす必要があるパスワード]の設定では、パスワードとして使用する文字列の強度を向上することができます。このポリシーによって強制される複雑さの要件は、次のとおりです。

オンプレミスのAD DSとAzure ADの同期は、多くの組織で行われています。同期するためのツールの名前を覚えておきましょう。

ディレクトリ同期ツールは、マイクロソフトのダウンロードセンターから提供されているMicrosoft Azure Active Directory Connect(http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=47594)に含まれています。

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ID

の管理(解答)

第 1 章・ ユーザーアカウント名またはフルネームに含まれる3文字以上連続する文字列を使用しない

・ 長さは6文字以上・ 英大文字、英小文字、数字、記号のカテゴリから3つ以上の文字を使う

18. D

ピクチャパスワードとは、画像に対するジェスチャをパスワード代わりに使用する機能です(D)。

Windows 10では、ユーザー名とパスワードの組み合わせ以外にも、さまざまな認証方法がサポートされています。そのうちのひとつに、ピクチャパスワードがあります。ピクチャパスワードは、文字列のパスワードの代わりに、画像に対するジェスチャを使用します。ジェスチャとは、「線を引く」や「丸で囲む」といった操作のことです。これらの操作をパスワードとして使用できるため、小型のデバイスでの使用に向いています。タッチ操作を中心に行う小型のコンピューターやタブレットの場合、ソフトウェアキーボードでのパスワード入力はミスタッチしやすいという煩わしさがあります。ピクチャパスワードは、事前に登録したジェスチャを指で再現することによってサインインできるため便利です。

ピクチャパスワードを設定するには、設定アプリの[アカウント]→[サインインオプション]→「ピクチャパスワード」→[追加]を順にクリックして使用する画像とその画像に対するジェスチャを登録します。これで、サインイン時にピクチャパスワードによる認証が利用できるようになります。

【ピクチャパスワードの設定】

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ピクチャパスワードは、特定の写真を送信して認証する機能や、パスワードの文字列を画像として残しておく機能ではありません(A、B)。顔や指紋などの生体情報を用いて認証を行う機能は、Windows Helloです(C)。

19. B

多要素認証とは、単一の方法による認証だけでなく、追加の認証情報を使用することをいいます(B)。

一般的な認証方法は、ユーザー名とパスワードによるものです。しかし、この単一の認証方法だけでは、簡単になりすましが行われてしまう危険性があります。認証に第2の要素を追加することで、なりすましをより困難にすることができます。多要素認証はさまざまな方法によって実装することができますが、認証方法の組み合わせとして、次の3つのうち2つ以上を要求することで機能します。

・ユーザーが知っているもの ……パスワード、PINなど・ユーザーが持っているもの ……電話、スマートフォン、スマートカードなど・ユーザーの生体情報 ……………指紋、虹彩など

たとえば、PINとスマートカードを使うといった例が挙げられます。ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの両方を使用すること、異なるバージョンのWindowsで共通の認証情報を使用すること、ドメインアカウントにMicrosoftアカウントを関連付けることについては、特別な呼称はありません(A、C、D)。

20. B、C、D

マイクロソフトのパブリッククラウドサービスであるMicrosoft Azureでは多要素認証が提供されており、追加の認証として次の方法を実装することができます。

● 電話呼び出し(D)電話に着信を受け、応答すると音声メッセージが流れます。音声メッセージに従って#記号を押すことによって確認されます。

ピクチャパスワードは、Windows 8からサポートされている機能です。

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の管理(解答)

第 1 章● テキストメッセージ(B)6桁のワンタイムパスコードを含むSMSメッセージを電話に受信します。そのコードを入力することによって確認されます。

● モバイルアプリ(C)利用するモバイルデバイスに対応したMulti-Factor Authentication( MFA)アプリを実行して確認されます。モバイルアプリ上に認証プロンプトやコードが表示され、指示に従って操作することで確認されます。

Microsoft Azureのディレクトリサービス(Azure AD)に基づいたクラウドサービスでは、多要素認証を構成することで追加の認証方法の選択を求められます。たとえば、Office 365では次のような画面で選択が求められます。

【Office 365での多要素認証】

21. A、B、D

仮想スマートカードをWindowsへのサインインに使用するには、仮想スマートカードを作成するためのTpmsvcmgr.exeの実行(B)と、証明書のインストールを行うためのCertmgr.mscの実行(D)、証明書の登録ウィザードの実行(A)が必要です。

仮想スマートカードは、TPM(第6章解答25を参照)と呼ばれるマザーボード上のセキュリティチップを用いてスマートカードを活用するための機能で

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す。スマートカードは、Windowsへのサインインやクライアント認証、電子メールの署名と暗号化などに利用できるもので、通常は物理的なスマートカードリーダーやメディアが必要です。しかし、仮想スマートカードは、TPMさえあれば、ハードウェアへの投資をすることなく、スマートカードを活用することができます。仮想スマートカードをWindowsのサインインに使用するには、仮想スマートカードそのものの作成と、スマートカードを使用してサインインするための証明書が必要になります。仮想スマートカードの作成や管理には、Tpmsvcmgr.exeを使用します(B)。TPMを持つコンピューター上でこのコマンドを実行することにより、仮想スマートカードが作成できます。実行例コマンドは、次のとおりです。

実行例 仮想スマートカードの作成例TpmVscMgr create /name <名前> /pin PROMPT /adminkey RANDOM /generate

仮想スマートカードを上記のコマンドで作成すると、フォーマット済みの空のスマートカードができあがります。まだこの段階ではWindowsのサインインには使用できません。仮想スマートカードをWindowsのサインインに使用するには、証明書のインストールが必要です。証明書の発行準備はWindows

ServerのActive Directory証明書サービスを使用し、物理的なスマートカードを用いるときと同じように、「スマートカードログオン」の証明書テンプレートを使用します。Windows 10のコンピューターでは、Certmgr.mscを実行して証明書の管理ツールを開き(D)、証明書の登録ウィザードを実行(A)して証明書を取得します。Devmgmt.mscはデバイスマネージャーを起動するためのコマンドであり、今回のシナリオでの実行は不要です(C)。Make-VirtualSmartCardというコマンドレットは存在しません(E)。

仮想スマートカードをWindowsのサインインに使用するには、仮想スマートカードの作成と証明書の取得が必要です。

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■ インストールおよびアップグレード

■ Windows ADK

■ 応答ファイル

■ Windows展開サービス

■ Sysprep

■ Hyper-V

■ 電源管理

デスクトップとデバイスの展開

第 章2

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□ 1. Windowsを複数のコンピューターにクリーンインストールしようとしています。自動展開に使用できないものはどれですか。

A. Windows展開サービス B. System Center Configuration Manager

C. Microsoft Deployment Toolkit

D. グループポリシー

□ 2. インストールメディアを使用し、Windows 10を新規にインストールしようとしています。USBフラッシュドライブを用いてインストールを自動化するために必要な作業はどれですか。(2つ選択)

A. Unattend.xmlという応答ファイルを作成する B. Autounattend.xmlという応答ファイルを作成する C. Auto.xmlという応答ファイルを作成する D. Automatic.xmlという応答ファイルを作成する

□ 3. 応答ファイルを作成するツールとして適切なものはどれですか。

A. Windows SIM

B. Windows ICD

C. Windows PE

D. Windows展開サービス

□ 4. あなたは、会社のクライアントコンピューターの管理者です。あなたは、Windows ADKに含まれるツールを使用して以下のような応答ファイルを作成しました。以下は、作成した応答ファイルの一部です。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>

<unattend xmlns="urn:schemas-microsoft-com:unattend">

<settings pass="windowsPE">

<component name="Microsoft-Windows-International-

Core-WinPE" processorArchitecture="amd64" publicKeyToken="

31bf3856ad364e35" language="neutral" versionScope="nonSxS"

a P54

a P54

a P55

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デスクトップとデバイスの展開(問題)

第 2 章

xmlns:wcm="http://schemas.microsoft.com/WMIConfig/2002/State"

xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">

<InputLocale>ja-jp</InputLocale>

<LayeredDriver>6</LayeredDriver>

<SystemLocale>ja-jp</SystemLocale>

<UILanguage>ja-jp</UILanguage>

<UserLocale>ja-jp</UserLocale>

</component>

<途中省略>

<DiskConfiguration>

<Disk wcm:action="add">

<CreatePartitions>

<CreatePartition wcm:action="add">

<Order>1</Order>

<Size>500</Size>

<Type>Primary</Type>

<Extend>false</Extend>

</CreatePartition>

<CreatePartition wcm:action="add">

<Extend>true</Extend>

<Order>2</Order>

<Type>Primary</Type>

</CreatePartition>

</CreatePartitions>

<ModifyPartitions>

<ModifyPartition wcm:action="add">

<Active>true</Active>

<Format>NTFS</Format>

<Label>Windows OS</Label>

<Letter>C</Letter>

<Order>1</Order>

<PartitionID>2</PartitionID>

</ModifyPartition>

</ModifyPartitions>

<DiskID>0</DiskID>

<WillWipeDisk>true</WillWipeDisk>

</Disk>

</DiskConfiguration>

<以下省略>

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応答ファイルの内容を適切に説明しているものを選びなさい。 (2つ選択)

A. インストールする言語は日本語である B. キーボードの種類は英語である C. 作成されるパーティションは3つである D. 1つ目のパーティションのサイズは500GBである E. 2つ目のパーティションはNTFSでフォーマットされる

□ 5. Windows 10の展開を計画しています。展開にあたって、Windowsイメージの作成、応答ファイルの作成、既存のWindowsからのデータ移行などを行う予定です。これらの作業に役立つツールはどれですか。

A. Windows AIK

B. Windows展開サービス C. Windowsメディア作成ツール D. Windows ADK

□ 6. Windows Server 2012のWindows展開サービスを使用して、Windows 10の展開を計画しています。展開を行うためにネットワーク上に必須となるサービスはどれですか。(2つ選択)

A. AD DS

B. DHCP

C. DNS

D. AD FS

□ 7. 参照コンピューターとは、どのコンピューターを指しますか。

A. Windows ADKを実行するコンピューター B. 展開先となるコンピューター C. 展開イメージ作成時に基となるコンピューター D. 移行を行うときの既存のコンピューター

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デスクトップとデバイスの展開(問題)

第 2 章

□ 8. あなたは、さまざまなデバイスに対応できるようにドライバーを追加したWindows PEメディアを作成したいと考えています。Windows ADKのインストールはすでに行いました。Windows PEメディアの作成を行うための手順を適切な順序に並べ替えてください。

A. ISOイメージを作成する B. ドライバーの追加などのカスタマイズをする C. コミットと共にマウントを解除する D. イメージファイルをマウントする E. Windows PEのソースファイルをコピーする

□ 9. イメージを使用してWindowsを展開するため、参照コンピューターへWindows 10をインストールし、設定やアプリのカスタマイズを行いました。このあと、参照コンピューターで行う作業はどれですか。

A. Windows PEを使用して起動したあと、Sysprepを実行する B. Sysprepを実行したあと、Windows PEを使用して起動する C. Sysprepを実行したあと、セーフモードで起動する D. セーフモードで起動したあと、Sysprepを実行する

□ 10. Sysprepをコマンドから行う際に、一般化するために使用するオプションはどれですか。

A. generalize

B. quit

C. oobe

D. unattend

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□ 11. Windows 10を展開する事前準備として、参照コンピューターからイメージファイルを作成しようとしています。参照コンピューターからWindows PEで起動したうえで、イメージファイルを作成するために実行するツールはどれですか。

A. ImageX.exe

B. Loadstate.exe

C. Scanstate.exe

D. DISM.exe

□ 12. Windows 7を実行するコンピューターからWindows 10を実行するコンピューターへ設定やデータを移行しようとしています。データの移行に利用できるツールはどれですか。

A. Windows転送ツール B. MediaCreationTool.exe

C. USMT

D. Windows ICD

□ 13. USMTを使って、Windows 7を実行するコンピューターからWindows 10を実行するコンピューターへデータを移行しようとしています。Windows 7を実行するコンピューターで実行するプログラムはどれですか。

A. DISM.exe

B. Scanstate.exe

C. Sysprep.exe

D. Loadstate.exe

a P64

a P65

a P66

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