第 回 1 ふりこのきまり 学習時間...学習時間 学習日 月 日 第 回1...
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学習時間
月 日学習日
第 回 ふりこのきまり1
ふりこ
●ふりこのつくり
(注意) 上の図では,右の図①を「ふれはば」としていますが,教科書によって①~④のどれを「ふれはば」とよぶかは,ことなります。
スタンド
クリップ
おもりの中心
糸
おもり
ふりこの長さ
支点
ふれはば
④長さ
③長さ
①角度
②角度
お父さんが,古い「ふりこ時計」を買ってきたよ。ぼうにおもりがついていて,ふれている所がふりこになっているんだって。
どうして時計にふりこが使われているのかな。
ふりこのふれ方にはきまりがあって,それを利用して時計が作られているんだ。今回は,ふりこのきまりを学習しよう。
ふりこの長さは,支し
点てん
からおもりの中心までのきょりなんだね。
01MPM503-S1B1-
ふりこが 1往おう
復ふく
する時間をはかってみよう。
① ストップウォッチを用意する。② 糸がたるまないようにしながらおもりを引き上げ手をはなす。2往復ほどさせて,おもりがはしにきたときにストップウォッチのスタートボタンをおし,おもりが 10往復する時間をはかる。
ストップウォッチ00:00
START
STOP
ヨーイ
③ ②をあと 2回くり返す。このとき,いつも同じ位置からおもりをはなすように注意する。④ 3回分の時間をたして 3でわり,10往復の平
へい
均きん*時間を求める。
⑤ ④で求めた時間(10往復の平均時間)を 10でわり,1往復の平均時間を求める。 (注意) ④・⑤では,小数第 2位を四
し
捨しゃ
五ご
入にゅう
して,小数第 1位まで求める。*平均:いろいろな大きさの数をならして,等しい大きさの数にしたもの。
1往復とは……
① ③②
手をはなすときにおもりをおさないように注意しよう。
①からスタートして②→③→②と動き,また①にもどってきたら,1往復したことになるね。
10回目に①の位置にもどってきた瞬
しゅん
間かん
に,ストップウォッチを止めるんだね。
02MPM503-S1B1-
1往復する時間(秒)1.4
(例) 1回目 2回目 3回目 平均10往復する時間(秒)
14.3 14.0 14.1 14.1÷ 10
(1回目+ 2回目+ 3回目)÷ 3
次は,ふりこのふれはば,おもりの重さ,ふりこの長さと,ふりこが 1往復する時間にどのような関係があるか調べていくよ。まずはふりこのふれはばから見ていこう。
1往復する時間はとても短いから,正せい
確かく
にはかるのがむずかしいんだ。10往復する時間のほうが正確にはかりやすいから,これを10でわって 1往復する時間を求めるんだよ。
でも,どうして 1往復じゃなくて10往復する時間をはかるのかな?
これでふりこがふれる時間のはかり方はばっちりだね。
03MPM503-S1B1-
同じふりこを使って実験した場合,ふれはばを大きくすると,1往復する時間は(① 長くなります ・ 短くなります ・ かわりません )。
答えは『答えと考え方』
ふれはばと 1往復する時間の関係
ふりこのふれはばを大きくすると,1往復する時間がどうかわるのか,調べてみよう。 5
0cm
20°
20g
② ふれはばが小さい
50
cm 10°
20g
ふれはばをかえても,ふりこが 1往復する時間はかわりません。
① ふれはばが大きい
(注意) ふれはばを大きくしすぎると,ふりこが 1往復する時間がかわってしまうため,実験をするときは,ふれはばが大きくなりすぎないように注意しましょう。
(例) ふれはば(°)
10往復する時間(秒)1回目 2回目 3回目 平均
20 14.3 14.0 14.1 14.110 14.1 14.2 14.2 14.2
1往復する時間(秒)1.41.4
÷ 10
ふれはばが大きいほうが,1往復する時間は長くなると思うな。
ふれはばをかえたときのようすを調べたいから,おもりの重さやふりこの長さは,そろえて実験するんだよ。
ふれはばがちがうと,おもりが動くきょりがちがうのに,ふりこが1往復するのにかかる時間は同じなんだね。つまり,ふれはばが大きいふりこのおもりのほうが,速く動くということか……。
04MPM503-S1B1-
同じふりこを使って実験した場合,おもりの重さを重くすると,1往復する時間は(② 長くなります ・ 短くなります ・ かわりません )。
答えは『答えと考え方』
おもりの重さと 1往復する時間の関係
ふりこのおもりを重くすると,1往復する時間はどうかわるのか,調べてみよう。
50
cm 20°
20g
50
cm 20°
40g
50
cm
20g 40g
おもりの重さをかえても,ふりこが 1往復する時間はかわりません。
② 重いおもり① 軽いおもり(注意) おもりの大きさがちがう場合,おも
りの中心の位置が同じになるようにします。
(例) おもりの重さ(g)
10往復する時間(秒)1回目 2回目 3回目 平均
20 14.4 14.0 14.2 14.240 14.1 14.3 14.2 14.2
1往復する時間(秒)1.41.4
÷ 10
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(例)
ふりこの長さが長いほど,ふりこが 1往復する時間は長くなります。
ふりこの長さを長くすると,1 往復する時間は(③ 長くなります ・ 短くなります ・ かわりません )。ふりこが1往復する時間は,ふれはばやおもりの重さによって(④ かわります ・かわりません )が,ふりこの長さによって(⑤ かわります ・ かわりません )。
答えは『答えと考え方』
《ふりこのきまり》・ふりこが 1往復する時間は,ふれはばやおもりの重さにかかわらず一定である。・ふりこの長さがかわると,ふりこが 1往復する時間はかわる。・ふりこの長さが長いほど,1往復する時間は長くなる。
ふりこの長さを長くすると,1往復する時間がどうかわるのか,調べてみよう。
ふりこの長さと 1往復する時間の関係25
cm
20°
20g
① 25cm
50
cm 20°
20g
② 50cm
100
cm
20°
20g
③ 100cm
ふりこの長さ(cm)
10往復する時間(秒)1回目 2回目 3回目 平均
25 10.2 10.1 10.1 10.150 14.3 14.1 14.2 14.2
100 20.3 20.3 20.2 20.3
1往復する時間(秒)1.01.42.0
÷ 10
ふれはばとふりこの重さはそろえて実験しないといけないね。
06MPM503-S1B1-
学習時間
月 日学習日
第 回 ふりこのふれ方2
ふりこのふれ方
●ふりこがふれるようす
方ほう
眼がん
紙し
の前でふりこをふらせ,おもりの位置を調べてみよう。
スタンド方眼紙
ブランコもふりこの1つだよね。ブランコを高くこぐとスピードが出て,気持ちがいいよね!
あんまり高くこぐとあぶないよ。今回は,ふりこがふれるときの速さをくわしく見ていこう。
まずは,ふりこが左右対たい
称しょう
に動くことを確
かく
認にん
するんだね。
おもりが,いちばん下と両りょう
端はし
にきたときの,方眼紙での位置を見てみるよ。
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●ふりこの速さ
ふりこが右みぎ
端はし
と左ひだり
端はし
にきたときの高さは同じです。また,左右でふれるきょりも同じになります。おもりが動く道
みち
筋すじ
は,支し
点てん
を中心とした円の円周の一部になります。
高さが同じ
ふれるきょりが同じ
支点
支点
両端にきたときのおもり
いちばん低い位置にきたときのおもり
ふりこを上から見ると……。
おもりがふれるようすをとった,ストロボ写真だよ。ストロボ写真とは,とても短い一定の時間間
かん
隔かく
で写した写真だよ。
うわあ。この写真は何?
写真をよく見てごらん。ふりこのふれ方について気がつくことはないかな?
ふりこを上から見ると,おもりが一直線上を動いているように見えるよ。
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広い広いややせまい ややせまい
①ふれはばが大きい
やや広いせまい せまい
②ふれはばが小さい
下の図のように,ふりこはいちばん低い位置を通るときに速く動き,両端のほうを通るときにゆっくり動きます。いちばん端
はし
にきたときには,一いっ
瞬しゅん
止まります。
速い。だんだん速くなる。
だんだん速くなる。
一瞬止まる。
だんだんおそくなる。
だんだんおそくなる。
一瞬止まる。
よく見ると,おもりの間隔が変化しているよ!
下の図は,0.1秒間隔でとったストロボ写真を図にしたものだよ。
間隔が広いということは,0.1秒の間におもりがたくさん動いたということだよ。つまり,速く動いたんだね。
ふれはばが大きいほうが,速く動いているね。
ふれはばが大きくても小さくても,真ん中では速く動き,両端のほうではゆっくり動くんだね!
03MPM503-S1B2-
●ブランコブランコはふりこの 1つです。ブランコに乗っていると,いちばん高い位置(いちばん前やうしろにいったとき)で一瞬止まり,その後,だんだんと速くなってきて,地面の近くで最も速くなります。
一瞬止まる。
一瞬止まる。速い。
① ③
②
おもりが動く速さ
下に落とそうとする力とおもりが動く向きが反対。
下に落とそうとする力 止まる。
やがて反対向きに落ちる。( )最も速くなる。
ふりこは,いちばん低い位置を通るときに(① 速く ・ ゆっくり )動き,両端のほうを通るときに(② 速く ・ ゆっくり )動きます。そしていちばん端にきたときには,(③ 最も速くなります ・ 一瞬止まります )。
答えは『答えと考え方』
斜面にあるおもりには,おもりを下に落とそうとする力がはたらいています。斜面の急な所にあるほど,その力は大きくなります。図の①にあるとき,おもりを下に落とそうとする力によって,おもりは斜面の低いほうへ向かって動きます。おもりの動きはしだいに速くなり,②にきたときに最も速くなります。その勢いきお
いでおもりはさらに動きますが,おもりを下に落とそうとする力が反対向きにかかるので,動きは次第におそくなり,①の高さと同じ③でやがて止まります。このような動きをくり返し,おもりは斜面を行ったり来たりします。ふりこがふれ続けるのも,このような動きをくり返しているからです。
ふりこのふれる速さは,右の図のように斜
しゃ
面めん
を転がるおもりの動きに例えて考えると,わかりやすいよ。
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さらにくわしく 2つのふりこ
長さが等しい 2つのふりこは,同じ速さでふれます。では,この 2つのふりこを,おもりがふれ合うまで近づけて,片
かた
方ほう
のおもりをもう片方のおもりにぶつけてみましょう。
●おもりの重さが同じとき2つのおもりをそれぞれおもりA,おもりBとします。おもりAとおもりBの重さは同じです。
おもりAだけを引き上げて手をはなすと,おもりAとおもりBは,下のように動きます。
❶ ❷ ❹ ❺ ❻❸
カチッ
カチッ
この動きをくり返す。
動き始めて
ぶつかってはじき飛ばされて
一瞬止まってからもどってきて
またぶつかって
はじめの位置にもどる。
同じ速さでふれる。
長さが同じ
おもりA おもりB
同じふりこの長さ
おもりAとおもりBは,同じ高さまで上がります。
おもりAが動くはばと,おもりBが動くはばは,同じになるんだね。
おもりAがおもりBにぶつかると,おもりAは動かなくなり,おもりBが動くんだね。
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●おもりの重さがちがうときおもりBより重いおもりC,おもりBより軽いおもりDを使った実験をしてみましょう。先ほどのおもりAと同じ位置におもりC,おもりDを引き上げ,手をはなすと,おもりBは下のように動きます。
〈重いおもりを軽いおもりにぶつける場合〉
〈軽いおもりを重いおもりにぶつける場合〉
重い
おもりC 軽い
止まらずに少し動く。
勢いよくはじき飛ばされる。
おもりB
軽い
重い
はじき返される。
少しはじき飛ばされる。おもりD
おもりB
おもりDがぶつかったとき,おもりBが動いたはばは,おもりAがぶつかったときより小さかった……。
おもりCがぶつかったとき,おもりBが動いたはばは,おもりAがぶつかったときより大きかったよ!
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学習時間
月 日学習日
第 回 ふりこを利用した道具3
ふりこ時計
●ふりこ時計のしくみふりこ時計は,ふりこの長さがかわらなければ,ふりこが 1往
おう
復ふく
する時間もかわらないことを利用した道具です。
支点し てん
ふりこの長さ
おもりねじ
ねじを回して,上または下に動かす。
おもりが上または下に動く。
拡かく
大だい
ふりこのきまりは,どのようにふりこ時計に利用されているのかな。
では,ふりこ時計のしくみを学習しよう。ふりこ時計以外にも,ふりこのきまりを利用した道具があるから,それらもあわせて見ていこうね。
時計の針はり
を動かす歯車の動きを,ふりこが決めているんだ。ふりこが一定の時間でふれるから,時計の針も一定の時間で動くということだよ。
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ふりこ時計は,おもりを上に動かしてふりこを短くすると,時計の針が
(① 速く ・ おそく )進みます。おもりを下に動かしてふりこを長くすると,時計の針が(② 速く ・ おそく )進みます。
答えは『答えと考え方』
●ふりこの長さと気温ふりこ時計のふりこは,多くの場合金
きん
属ぞく
でできています。金属は,温度が高いほど体積が大きくなる性
せい
質しつ
をもっています。
おもりを上に動かす。
ふりこの長さが短くなる。
1往復にかかる時間が短くなる。
針の進みが速くなる。
おもりを下に動かす。
ふりこの長さが長くなる。
1往復にかかる時間が長くなる。
針の進みがおそくなる。
①ふりこのおもりを上に動かす。 ②ふりこのおもりを下に動かす。
ふりこについているおもりが上下に動くんだね。あ! そうすると,ふりこの長さが変化するよ。
そうなんだ。ふりこの長さをかえて,時計の針が進む速さを速くしたりおそくしたり調節できるんだよ。
つまり,気温が高いとふりこが少しだけ長くなり,気温が低いと逆
ぎゃく
にふりこが少しだけ短くなるんだね!
その通り。おもりの位置をかえて,ふりこの長さを調節し,ふりこのふれる時間を調節しないといけないんだ。
でも,どうしてふりこのおもりの位置をかえて,針の進みを調節しないといけないの……?
02MPM503-S1B3-
メトロノーム
音楽室などにあるメトロノームも,ふりこの長さがかわらなければ 1往復する時間もかわらないことを利用した道具です。
支点
ふりこの長さ
おもり
おもりを上下に動かすと,ふりこの長さがかわる。
拡大
ブランコ
メトロノームは,支点が下にあるね。
ふりこの長さをかえると,1往復する時間がかわるから,カチカチという速さもかわるんだね。
支点が上にあるふりこと同じで,ふりこの長さが長いほど,1往復するのに時間がかかるんだ。
ブランコも,ふりこなんだよね。前にもしょうかいされていたね。
ふれはばを大きくするほど,速くこげるよね!
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同じ重さのおもり
同じふりこの長さ
真ん中のおもりは動かない。
カチカチボールでは,両りょう
端はし
のおもりだけが動きます。
カチカチボール
カチカチボールというおもちゃを知っているかな?
おす力を伝える。
両端のおもりは規き
則そく
正しく動くけれど,真ん中のおもりは,おす力(エネルギー)をとなりに伝えるだけで,動かないんだね。
ぶつけたおもりが動いたはばと,はじかれたおもりが動いたはばは,やっぱり同じになるんだね。
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箱
箱に固定
うら
針金針金
テープ
ぼう
うで
ねんど
うで以外
※数セット作る。
うでをゆらして遊ぶ。
※広く あける。
ふりこを使ったおもちゃを作ろう
ふりこのきまりを利用して,いろいろなおもちゃを作ってみましょう。
●ウサギとカメの競走
音楽に合わせて手を動かすように,おもりの位置を調節しましょう。数セット作ってならべると,よりふんいきがでます。
●のりのりコンサート
針金うら うら
テープ
ねんど
ぼう箱
① カメ・ウサギの絵をかき,切りぬいた画用紙をテープで針
はり
金がね
にはる。
② ぼうに針金をまいて固定する。針金の先にねんどをつける。
③ 箱にみぞをつけ,ぼうをわたす。
カメとウサギをゆらして遊ぶ。
① うでと,うで以外の人を画用紙にかいて切りぬく。
② 画用紙のうらに針金をテープでつける。
③ うでの針金をうで以外に通してぼうにまき,先にねんどをつける。
④ 箱にみぞをつけ,ぼうをわたす。箱の前側に人の足を固定する。
ウサギを速く動かしたいなら,ふりこの長さが短くなるように,おもりを上にずらせばいいね。
おもりの位置をかえれば,ウサギとカメの動く速さをかえることができるね。
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●ゆらゆら手品
ぼうを持って速くゆらすと,リンゴだけをゆらすことができます。また,ゆっくりゆらすと,バナナだけをゆらすことができます。
ぼうをいろいろなリズム(振しん
動どう
数すう
といいます)でゆらすと,そのリズムでゆれやすい長さのふりこだけをゆらすことができます。右の図では,ぼうを速くゆらすと長さの短いふりこだけがいっしょにゆれました。短いふりこは,そのときぼうがゆれたリズムだと最もゆれやすいのです。長さの長いふりこは,ぼうがゆれたリズムとは合わないので,いっしょにはゆれないというわけです。
ゆれる。
ゆれない。
ぼうがゆれる。
ぼうがゆれるリズムでゆれやすい。
ゆれる。ゆれるゆれる。
ゆれない。
ゆれない。
① りんごとバナナの絵をかき,切りぬいた画用紙に,糸をつける。糸はりんご,バナナでそれぞれ同じ長さにする。
② 糸をぼうにしばる。
速くゆらす。 ゆっくりゆらす。
ふりこの長さによって,ゆれやすいリズムがことなるからだよ。
すごいね! でも,どうしてゆらすときの力の入れ方で,ふりこがゆれたりゆれなかったりするの?
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