症例 3 - c-linkage.co.jp · 巨赤芽球 骨髄像 巨赤芽球 吸収障害 の要因あり no...
TRANSCRIPT
解説症例 3
症例3
血液検査
WBC 2.4×109/L Hct 31.3 %
RBC 2.93×1012/L MCV 106.8 fL
Hb 10.0 g/dL PLT 188×109/L
異常値はどれですか?
症例3
血液検査
WBC 2.4×109/L Hct 31.3 %
RBC 2.93×1012/L MCV 106.8 fL
Hb 10.0 g/dL PLT 188×109/L
症例3
生化学検査
TP 7.6 g/dL BUN 20.0 mg/dL
ALB 4.8 g/dL Cre 0.55 mg/dL
LD 284 U/L Fe 133 µ g/dL
AST 16 U/L TIBC 303 µ g/dL
ALT 11 U/L UIBC 170 µ g/dL
T-Bil 1.2 mg/dL フェリチン 40 ng/mL
UA 3.6 mg/dL
異常値はどれですか?
症例3
生化学検査
TP 7.6 g/dL BUN 20.0 mg/dL
ALB 4.8 g/dL Cre 0.55 mg/dL
LD 284 U/L Fe 133 µ g/dL
AST 16 U/L TIBC 303 µ g/dL
ALT 11 U/L UIBC 170 µ g/dL
T-Bil 1.2 mg/dL フェリチン 40 ng/mL
UA 3.6 mg/dL
追加したほうが良い検査は?
症例3 追加検査の結果
網赤血球 1.4%
ビタミンB12 326 pg/mL
葉酸 8.0 ng/mL
大球性貧血の検査の流れ(網赤血球増加がない場合)
VB12↓
葉酸↓
VB12葉酸正常
骨髄像巨赤芽球
骨髄像巨赤芽球
吸収障害の要因あり
No
Yes
胃内視鏡検査内因子抗体
悪性貧血所見あり
その他のVB12
欠乏性貧血
葉酸欠乏性貧血
肝機能障害アルコール多飲
Yes続発性貧血
No骨髄像・異形成その他の所見
MDSその他の骨髄疾患
ICUS原因不詳の貧血
No
Yes
VB12↓
葉酸↓
VB12葉酸正常
骨髄像巨赤芽球
骨髄像巨赤芽球
吸収障害の要因あり
No
Yes
胃内視鏡検査内因子抗体
悪性貧血所見あり
その他のVB12
欠乏性貧血
葉酸欠乏性貧血
肝機能障害アルコール多飲
Yes続発性貧血
No骨髄像・異形成その他の所見
MDSその他の骨髄疾患
ICUS原因不詳の貧血
No
Yes
大球性貧血の検査の流れ(網赤血球増加がない場合)
症例3
白血球分類
Sta 46.0 %
Seg 0.0 %
Lym 47.0 %
Mono 3.0 %
Eos 4.0 %
Baso 0.0 %
血液像コメント 赤血球大小不同、奇形赤血球
赤血球大小不同 奇形赤血球 ×200
症例3 末梢血血液像 (MG染色)
×400
症例3 末梢血血液像 (MG染色)
この細胞は何ですか?
この細胞は何ですか? ×1000
症例3 末梢血血液像 (MG染色)
この細胞は何ですか? ×1000
症例3 末梢血血液像 (MG染色)
末梢血所見のまとめ
ここまでの検査データからわかることは?・大球性貧血 、白血球減少
・異形成あり (偽ペルゲル核異常、低顆粒好中球)
・芽球の出現
・LD高値
どのような疾患が考えられるか?
骨髄異形成症候群 急性白血病
×100
症例3 骨髄像 (MG染色)
正形成・過形成・低形成?
×100
症例3 骨髄像 (MG染色)
M/E比はどのくらい?
×1000この細胞は何ですか?
症例3 骨髄像 (MG染色)
×1000この細胞は何ですか?
①
②
症例3 骨髄像 (MG染色)
症例3 骨髄像 (MG染色)
×1000この細胞は何ですか?
×1000
症例3 骨髄像 (MG染色)
この細胞は何ですか?
×1000
症例3 骨髄像 (MG染色)
この細胞は何ですか?
×1000
症例3 骨髄像 (MG染色)
この細胞は何ですか?
×1000
症例3 骨髄像 (MG染色)
①②
この細胞は何ですか?
×600
症例3 骨髄像 (鉄染色)
×600
症例3 骨髄像 (鉄染色)
この細胞は何ですか?
環状鉄芽球の判定法
核周囲の鉄顆粒≧5
大球性貧血の検査(網赤血球増加がない場合)
VB12↓
葉酸↓
VB12葉酸正常
骨髄像巨赤芽球
骨髄像巨赤芽球
吸収障害の要因あり
No
Yes
胃内視鏡検査内因子抗体
悪性貧血所見あり
その他のVB12
欠乏性貧血
葉酸欠乏性貧血
肝機能障害アルコール多飲
Yes続発性貧血
No骨髄像・異形成その他の所見
MDSその他の骨髄疾患
ICUS原因不詳の貧血
No
Yes
症例3 骨髄像報告書GranulocyteSeries 37.2%
Erythrocye Series 37.8%
Mb 5.2% Nrb baso 0.6%
Ne pro 2.0% Nrb poly 33.2%
Mye 11.8% Nrb ortho 4.0%
Met 4.8%
St 4.0%
Seg 3.8%
Eos 5.2%
Baso 0.4%
Mono 2.4%
Lym 17.6%
Plasma 3.4%
Ret 1.4%
Mgk 0.2%
有核細胞数 77×109/L
巨核球数 218×106/L
M/E比 0.98
コメント骨髄は正形成で、巨核球は引き終わりにやや増加し、微小巨核球、単核巨核球、分離多核巨核球が見られます。赤芽球系に巨赤芽球様細胞、多核赤芽球、核融解像、核の断片化が見られます。顆粒球系に偽ペルゲル核異常、環状核好中球、低顆粒好中球が見られます。3系統でそれぞれ10%以上の異形成が見られます。芽球が5.4%認められます。芽球にアウエル小体は見られません。
染色体検査
• 核型1 47,XX,-20+2mar 2/20
• 核型2 48,XX,-20+3mar 6/20
• 核型3 49,XX,-20+4mar 4/20
• 核型4 -20を共通異常とするn=47~48の細胞 4/20
• 核型5 46,XX 4/20
骨髄異形成症候群(WHO分類第4版)Myelodysplastic syndromes/neoplasms
• クローナルな後天性造血障害
• 治療抵抗性の貧血・血球減少と前白血病的正確をあわせもつ予後不良の骨髄疾患
• 1ないし複数血球系にまたがる異形成像と、無効造血による血球減少がある
• 骨髄中もしくは末梢血中の骨髄芽球は20%を超えない
MDSのWHO分類(第4版)
• 骨髄芽球が増加傾向にあり、急性白血病移行への途上に位置する疾患群
• 骨髄中または末梢血中の芽球によってRAEB-1とRAEB-2に区分される
(2016案ではMDS-EB1、MDS-EB2)
• Auer rod(+)は芽球の多寡にかかわらずRAEB-2とする
Refractory anemia with excess blasts:RAEB(芽球増加を伴う不応性貧血)
MDSのWHO分類(第4版)
診断
FAB分類芽球増加を伴う 不応性貧血Refractory anemia with excess blasts RAEB
WHO分類 2008芽球増加を伴う 不応性貧血MDS Refractory anemia with excess blasts-1RAEB1