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事業戦略に基づく

キャリアプラン策定と人材育成

2011年10月27日

日本電気航空宇宙システム株式会社

中小ＩＴベンダー人材育成優秀賞

受賞企業記念講演

© NEC Aerospace Systems,Ltd. 2011

▌社名：日本電気航空宇宙システム株式会社

（NEC Aerospace Systems,Ltd.） ▌所在地：東京都府中市日新町一丁目10番地（NEC府中事業場内）札幌ＴＣ、仙台ＴＣ、田町分室、岡山ＴＣ、松山ＴＣ、福岡ＴＣ

▌設立：1981年10月29日

▌資本金：1億円

▌代表者：代表取締役社長野々下力

▌売上高：148億円（2011年3月期）

▌従業員数：828名（2011年4月1日現在）

▌事業内容：防衛・航空、宇宙事業の各分野におけるシステム開発、ソフトウェア開発、ハードウェア開発設計

会社概要


目次

1．ITスキル標準を活用した人材開発制度の構築

2．事業戦略に基づくキャリアプラン策定

3．人材開発情報管理システムの活用


1．ITスキル標準を活用した

人材開発制度の構築


経営課題と施策（2003年度中期経営計画）

技術者付加価値の向上

ひとり当たりの売上げ増大

ソリューションビジネスの醸成

ITスキル標準を活用した技術者育成プログラムの再構築

および ITインフラ整備

ソフト開発ビジネスの強化

+

個々の能力開発計画と

自己啓発が原点

売上げの横這い傾向

人員の高年齢化


全社検討体制

人材開発委員会（人材開発部門主管）

人材開発プロセス策定人材開発情報管理システム構築

常務会（トップマネジメント）

組織設計による

人材ニーズ定義

技術委員会（企画部門主管）

NAS-SS策定

- 研修ロードマップ

- 推奨資格策定

※NAS-SS…NEC Aerospace Systems Skill Standard


取り組み経過

2003/10 技術者育成プログラム再構築、ITインフラ構築の指示

2003/11 スキル診断システム（ITSS-DS）によるアセスメント実施

2004/11 人材開発制度試行

2003/12 アセスメント結果分析

2004/ 2 NAS-SS検討

2004/ 4 人材開発プロセス／制度化検討、ＩＴインフラ構築

2005/ 1 人材開発制度施行


アセスメント結果分析（サマリ）

マー

ケテ

ィング

コンサル

タント

ＩＴア

ーキ

テクト

プロジ

ェクトマネ

ジメント

ＩＴス

ペシ

ャリスト

アプ

リケー

ションス

ペシャリスト

ソフトウェア

デベ

ロップメント

カスタマ

サー

ビス

オペ

レーション

エデ

ュケー

ション

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

レベル5

レベル6

05

1015

20

25

30

35

40

45

50

（人）

対象：613名（出向者を除く全社員）参加者：499名（診断完了者476名）レベル平均：3.01（全国平均2.9）

レベル平均職種別レベル分布事業部別職種比率

宇宙・情報システム防衛・航空システム

コアスキル分析共通テクニカルスキル分析

30

40

50

60リーダーシップ

コミュニケーション

ネゴシエーション

ビジネスプランニング

ソリューション企画

ソリューション開発・構築

ソリューション運用・保守

プロジェクトマネジメント

インストラクション

NAS

全国平均

505254565860626466

イノベイティブ・

アクション

現状把握

リスクマネジメント

パートナーシップ対人指向

セルフコントロール

チームデベロップメント

NAS

全国平均

0

1

2

3

4

5マーケティング

セールス

コンサルタント

ＩＴアーキテクト


ＩＴスペシャリスト

アプリケーションスペシャリスト

ソフトウェアデベロップメント

カスタマサービス

オペレーション

エデュケーション

全国平均

ＮＡＳ

課題①：ITスペシャリスト（特にネットワーク）の比率が低い

課題②：ITアーキテクト34/37名、プロジェクトマネジメント59/151名が範囲外


NAS-SS検討

▌NAS-SSとは

事業課題達成に向けた技術者の種別と、定量的に評価するための尺度を示したもの

経済産業省ITスキル標準に準拠

ITスキル標準定義領域（Ver1.2 11職種38専門分野）

①職種／専門分野の取捨選択 ②未定義職種の対応

NAS-SS定義領域


NAS-SS検討（①職種の取捨選択）

職種

マーケティング

セールス

コンサルタント

ＩＴアーキテクト

プロジェクト

マネジメント


アプリケーション

スペシャリスト

ソフトウェア

デベロップメント

カスタマーサービス

オペレーション

エデュケーション

ハイレベル

レベル7

レベル6 4

レベル5 1 14 1 2 1

ミドルレベル

レベル4 1 1 2 6 46 3 11 10 2

レベル3 1 2 15 52 10 28 25 2 1 エントリレベル

レベル2 4 1 14 45 5 39 44 5 2 2

レベル1 3 1 4 16 4 21 17 2 5 1

ソフト開発ビジネスソリューション

ビジネス

当社の事業内容に基づき5職種に絞り込む


NAS-SS検討② （未定義職種の対応）

職種アプリケーションスペシャリスト衛星スペシャリスト

専門分野

業務システム

業務パッケージ

衛星システム

衛星機械・熱システム

衛星制御システム

衛星追跡管制システム

衛星搭載機器

レベル7

レベル6

レベル5

レベル4

レベル3

レベル2

レベル1

特定装置

システム

エンジニア

特定装置システム


基本ソフト

ミドルソフト

応用ソフト

組込みソフト

品質保証

プロダクト品質スペシャリスト

プロセス品質スペシャリスト

組込み系のスキルは「ETSS」／品質保証は「共通フレーム2007」を参照

「衛星スペシャリスト」、「特定装置システムエンジニア」、「品質保証」職種を新設

「ソフトウェアディベロップメント」職種に「組込みソフト」専門分野を追加


「衛星スペシャリスト」読み替えの例

アプリケーションスペシャリスト衛星スペシャリスト

IT投資衛星開発

特定業務衛星開発業務

アプリケーションサブシステム／コンポーネント

24時間365日の連続稼動が要求され、変更、保守、障害回復に高度な設計が必要

打ち上げ後の潜在的障害に対応する高度な設計が必要

クロスプラットフォームでのアプリケーション熱、構造、制御間のカップリングを考慮するシステム

単一プラットフォーム熱、構造、制御間のカップリングを考慮する必要がないシステム

複数のシステム形態が共存(トランザクション処理、クライアントサーバ、Web等)

複数のサブコントラクタ、ベンダーがサブシステム／コンポーネントを分担

「衛星スペシャリスト」職種においては88の表記を読み替え


人材開発戦略の策定

職種ＩＴアーキテクトプロジェクトマネジメント

宇宙プロジェクトマネジメントＩＴスペシャリスト

アプリケーションスペシャリスト衛星スペシャリスト


専門分野


データサービス

ネットワーク

セキュリティ

システムマネジメント

システム開発／アプリケーション開発／

システムインテグレーション

アウトソーシング

ネットワークサービス

ｅビジネスソリューション

ソフトウェア開発

宇宙システム開発／

システムインテグレーション

衛星追跡管制システム開発

プラットフォーム

システム管理

データベース

ネットワーク

分散コンピューティング

セキュリティ

業務システム


衛星システム

衛星機械・熱システム

衛星制御システム

衛星追跡管制システム

衛星搭載機器

基本ソフト

ミドルソフト

応用ソフト

ハイレベル

レベル7

レベル6

レベル5

ミドルレベル

レベル4

レベル3

エントリレベル

レベル2

レベル1

現状

コア技術者高付加価値技術者

育成方針：レベル向上、職務拡大


NAS-SS定義

職種

IT

アーキ

テクト




スペシャリスト

衛星

スペシャリスト★

特定装置システム

エンジニア★

ソフトウェアデベロップメ

ント

品質保証★

プランニングスタッフ★

サポートスタッフ★

専門分野

アプリケーションアーキテクチャ

インテグレーションアーキテクチャ

インフラストラクチャアーキテクチャ

システム開発

ＩＴアウトソーシング

ネットワークサービス

ソフトウェア製品開発

プラットフォーム

システム管理

データベース

ネットワーク

アプリケーション共通基盤

セキュリティ

業務システム


衛星システム★

衛星機械・熱システム★

衛星制御システム★

衛星追跡管制システム★

衛星搭載機器★

特定装置システム★

基本ソフト

ミドルソフト

応用ソフト

組込みソフト★

プロダクト品質スペシャリスト★

プロセス品質スペシャリスト★

人材開発★

総務・勤労★

環境経営★

コンプライアンス★

企画推進★

事業計画・経理★

調達・設備管理★

営業★

情報システム管理★

品質プロセス管理★

生産管理★

サポートスタッフ★

レベル7

レベル6

レベル5

レベル4

レベル3

レベル2

レベル1

★はNEC航空宇宙システムの独自職種／専門分野


人事制度における位置づけ

配置

人材育成

処遇考課

評価

人事戦略

事業戦略

人材育成戦略


2．事業戦略に基づくキャリアプラン策定


人材開発プロセスの定義

既存の人事／教育制度との関係を整理し、一連のプロセスとして定義


人材育成計画策定

①人材育成計画

5年後をターゲットに、事業戦略に基づいて計画作成の方針を決定し、具体的な目標値を設定

200x 年度

(現在)

200x+5 年度

②過年度実績対比

設定した目標と現状のデータを比較しギャップを分析、キャリアパス設定の方針を固める

③育成計画シミュレーション

シミュレーション結果をもとに、目標を達成するためのキャリアパスを見直しする

・・・・・・

5年後の目標値と、その達成のためのキャリアパスを計画


キャリアパス

職種レベル

1 レベル

2 レベル

3 レベル

4 レベル

5 レベル

6 レベル

7

アプリケーションスペシャリスト 1 3 5 9 15 19

職種レベル

1 レベル

2 レベル

3 レベル

4 レベル

5 レベル

6 レベル

7

アプリケーションスペシャリスト 1 3 5 9 15

ITアーキテクト 16 20

キャリアパス［アプリケーションスペシャリストパターン1］

キャリアパス［アプリケーションスペシャリスト→ITアーキテクトパターン1］

職種レベル

1 レベル

2 レベル

3 レベル

4 レベル

5 レベル

6 レベル

7

ITスペシャリスト

ITアーキテクト


アプリケーションスペシャリスト

数字はレベル到達までの目標期間（入社からの延べ年数）

アプリケーション開発系キャリアパス（ITスキル標準）

事業部毎に定義、標準キャリアパスに到達年数を規定


キャリアプラン（個人別キャリアパス）

職種専門分野レベル

1 レベル

2 レベル

3 レベル

4 レベル

5 レベル

6 レベル

7

アプリケーションスペシャリスト業務システム

■ 2001

■ 2003

■ 2005

■ 2009

■ 2015


ITアーキテクト

アプリケーション ■

2017 ■

2021

データサービス

ネットワーク

セキュリティ

システムマネジメント

職種レベル

1 レベル

2 レベル

3 レベル

4 レベル

5 レベル

6 レベル

7

アプリケーションスペシャリスト 1 3 5 9 15

ITアーキテクト 16 20

キャリアパス［アプリケーションスペシャリスト→ITアーキテクトパターン2］

キャリアプラン（Aさんのキャリアプラン）

■NAS-SS認定 ■キャリアプラン ■ 目標レベル

キャリアパスを参考に自らの目標（到達年度）を計画する


…

キャリアパス

人材育成計画の個人別計画への展開

NAS-SS定義

人材育成計画

キャリアパス

キャリアプラン

ITスキル標準キャリアパス

人材開発委員会における

計画内容の審議

2WAYマネジメントによる

目標のすり合わせ

人材開発委員による

キャリアパスの策定

人材開発委員会における

NAS-SS定義見直し

個人毎に

キャリアプランを

計画する

2WAY面接前回の2WAY面接時に設定した目標レベルに対して、一年間の業務実績をITスキル標準の達成度指標により評価（レベル認定）する。

2WAYマネジメントによる目標レベル認定


教育受講の

モニタリングと

フォローアップ

▌全社教育目標のモニタリング指標

①社員一人あたりの研修機会受講機会網羅率：１（回／年）対象教育：社外教育、社内教育（階層別教育とｺﾝﾌﾟﾗｲｱﾝｽ推進室の主管教育とWeb研修を除く）

②社員一人あたりの平均受講日数：５（日／年）以上

社外教育：０．５日／社内教育（部門内を含む）：４．５日対象教育：全教育

教育訓練プロセス

Ｘ年度Ｘ+1年度４月５月６月７月８月９月 10月 11月 12月１月２月３月４月５月６月７月

教育訓練ﾌﾟﾛｾｽ

人材開発委員会

実施報告（年間）

受講/報告

教育訓練計画（年間）

受講/報告

次年度の課題整理

教育受講ガイド

（教育ﾏｯﾌﾟ）

教育訓練計画（年間）

上期各主管教育の実績報告

ニーズ調査

人材開発委員会を中心に計画的教育受講の推進


3．人材開発情報管理システムの活用


人材開発情報の管理

Plan Do

Check

人材育成プロセス

人材育成計画差異分析

業務経験(OJT)

課題と施策

Action

2WAYマネジメント指導

教育訓練プロセス

Action

Plan Do

Check

次年度の研修課題整理

年度の教育計画立案

教育受講

有効性確認

弱み／強み分析結果 = 教育訓練ニーズ

to be

・1年後

・2年後

・3年後

・4年後

・5年後

■経営戦略とIT人材の明確化

■スキルの現状分析

■IT人材育成計画（中期計画）

as is

■シミュレーションによる計画差異分析

中期事業戦略

人材育成計画

キャリアパス策定

スキルアセスメント

■申請帳票－教育訓練計画、実施報告－社外教育：受講申込、受講報告、未受講届－社内教育：欠席届、アンケート回答－資格試験：受験申込、合否結果報告、未受験届

■年間教育訓練計画項目－スキルアップ目標－社外教育－社内教育－部門内教育－資格試験

■個人毎キャリアプラン検討

■レベル認定

■スキルの弱み強み評価

人材育成計画［全社／事業部］

スキルアセスメント［個人］

教育訓練［個人］

■キャリアパス作成

CCMSを自社開発し人材開発プロセスに関わる情報を統合管理

CCMS：Career Cultivation Management System （人材開発情報管理システム）


管理情報の可視化

全社／ライン管理項目・個人別管理項目集計・分析（サマリ→詳細）・人材開発計画、有効性確認

・教育予算／実績管理

ナレッジマネジメント・フォーラム・スキル標準認定レベル・ソフトウェアスキル・業務実績・取得資格

社長・役員

事業部長

部長

マネージャー

主任・担当

全社／ラインでの個人ごとの管理情報の可視化・共有


まとめ

▌ITスキル標準を活用した成果人材の全社共通フレーム化全社人材の職種別スキルレベルの明確化とたな卸し

▌人材開発マネジメントのプロセスを定義し運用した成果手順の全社統一化キャリアパスによる、事業戦略と個人の成長のベクトル一致

▌管理システムを構築・運用した成果教育計画から実績管理までの情報の可視化ユーザーの役割に応じたビューの生成と人材開発に必要かつ適切な情報の、ユーザーへの迅速な提供

人材開発プロセス運用の効率化

［JQA審査所見］


社外からの評価

▌発表経歴

①iSRF（ITスキル研究フォーラム）

2006. 4.26 事業戦略に基づくキャリアプラン策定と人材育成

②JUAS（社団法人日本情報システム・ユーザー協会）人材育成研究部会

2006.10.17 事業戦略に基づくキャリアプラン策定と人材育成

2008. 1.15 ＩＴインフラ活用による人材育成プロセスの定着化

2008.11.12 教育訓練プロセスにおけるITスキル標準の活用

2010.11. 9 人材開発における情報管理システムの活用（CCMS紹介）

③IPA「ＩＴスキル標準導入活用事例集2011」で紹介

▌他社への展開

株式会社OKIソフトウェア、他3社様

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